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JP2000351865A - 架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその架橋発泡体 - Google Patents

架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその架橋発泡体

Info

Publication number
JP2000351865A
JP2000351865A JP16317999A JP16317999A JP2000351865A JP 2000351865 A JP2000351865 A JP 2000351865A JP 16317999 A JP16317999 A JP 16317999A JP 16317999 A JP16317999 A JP 16317999A JP 2000351865 A JP2000351865 A JP 2000351865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foaming
polyolefin resin
resin composition
crosslinking
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16317999A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Kamijukkoku
成夫 上拾石
Fusakichi Akimaru
房吉 秋丸
Motoi Naito
基 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP16317999A priority Critical patent/JP2000351865A/ja
Publication of JP2000351865A publication Critical patent/JP2000351865A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程での安全性、取り扱い性を改善で
き、一定の品質を保持しながら耐熱性、成形加工性、耐
圧性に優れた架橋発泡用ポリプロピレン系樹脂組成物及
びその架橋発泡体を提供することにある。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、下記一般式 【化1】 で表されるジプロペニル化合物を1〜10重量部、熱分
解型化学発泡剤を1〜15重量部含有することを特徴と
する架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋発泡用ポリオレ
フィン系樹脂組成物及びその架橋発泡体に関する。更に
詳しくは、耐熱性に優れ、かつ、複雑な形状への加工
性、あるいは高温下における加工特性、高温下の耐圧性
に優れ、広範囲の2次加工法に対応できるとともに、柔
軟性などを自由に制御できるタイプの架橋発泡用ポリオ
レフィン系樹脂発泡体を連続的に製造するに適した架橋
発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその組成物を架
橋、発泡して得られる架橋発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂、たとえばポリプ
ロピレン系樹脂を主成分として用いた架橋発泡体は、そ
の優れた成形性、緩衝性、断熱性、耐熱性を活かし、塩
化ビニルシートやオレフィン系(エラストマ)樹脂シー
ト(TPOシート)と貼り合わせられて各種の加工法で
成形され、自動車のドア、インスツルメントパネル、コ
ンソールボックス、シートバックガーニッシュなどの内
装材に使用されている。
【0003】従来、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造
における架橋法の一つとして、発泡性樹脂組成物を連続
的にシート状に成形し、電離性放射線を照射して架橋す
る方法がある。この方法は放射線を照射することにより
架橋の進行しやすいエチレン系樹脂を用いる場合には非
常に有効であるが、放射線を照射することにより分子鎖
の切断の進行しやすいポリプロピレン系樹脂を用いる場
合には、樹脂劣化が進行するため発泡に適した架橋の付
与が困難である。
【0004】このことからポリプロピレン系樹脂を用い
る場合、特公昭46−38716号、特開昭61−69
844号、特開平5−78514号公報に例示されるよ
うに反応性ビニル基、アクリル基、メタクリル基を分子
構造中に持つ多官能モノマーを介してポリプロピレン系
樹脂が電離放射線の照射によって劣化しない、あるいは
軽度の劣化しか生じない程度の照射エネルギーで架橋さ
せた後、常圧下で加熱発泡して発泡体を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多官能モノマーを用いて架橋、発泡したポリオレフィン
系樹脂発泡体は、多官能モノマーの種類によって、ま
た、樹脂の配合比率によっては樹脂成分中の各樹脂に対
する相溶性が異なるため、結果的に分散不良に伴う反応
性モノマーの局在化が生じ、架橋ムラが生じる。これ
は、発泡体製造時の安定性や気泡径の不揃い、一般機械
物性の不安定化につながり、要求される加工適性や耐熱
性の低下につながるという問題があった。また、電子線
による架橋法は電子線のエネルギー分布、すなわち、デ
ィプスドーズパターンの分布を持つため、照射エネルギ
ーと多官能モノマーの反応性がリニアーな関係にあるも
のについては必然的にシートの厚さ方向に架橋度分布を
生じることになり、発泡体としたとき、発泡体の厚さ方
向に気泡形状が分布を持つようになり、従って、一般物
性にも分布を生じ、品質低下を招くという問題もあっ
た。また、通常は室温レベルでは液体状やペースト状の
ものが多く、取り扱いの点で問題があった。
【0006】最近では加工方法の進歩に伴い、発泡体に
対し、より高い耐熱性、耐圧性が要求され、これと相反
するが柔軟性が同時に要求されてきいる。これに対して
は、樹脂組成自身の改良も必要不可欠であるが、要求物
性に対しそれぞれに対応する樹脂組成にする必要があ
り、製品の品種数が増加して生産効率が低下するとか、
工程管理、品質管理が極めて複雑になるという問題があ
った。これまでは、できるだけ樹脂組成の近似したもの
をグループ管理し、個々のグループの中で目標とする樹
脂組成とするには、架橋度の調整で特徴を持たす手法が
採られていた。
【0007】本発明者らは、限られた樹脂組成の配合比
率の中で、架橋鎖の安定性と反応性を検討した結果、低
毒性で原料粉体を入手できるとともに、電子線エネルギ
ーで反応するものを見いだし、それを架橋発泡体に適用
した。そして、この原料から一定の品質を保持しながら
耐熱性、成形加工性、耐圧性に優れた架橋発泡用ポリオ
レフィン系樹脂組成物及びその発泡体が得られることを
見いだし、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明の課題は、製造工程での
安全性、取り扱い性を改善でき、一定の品質を保持しな
がら耐熱性、成形加工性、耐圧性に優れた架橋発泡用ポ
リオレフィン系樹脂組成物及びその架橋発泡体を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、下記一
般式で表されるジプロペニル化合物を1〜10重量部、
熱分解型化学発泡剤を1〜15重量部含有することを特
徴とするものからなる。
【0010】
【化2】
【0011】また、本発明に係る架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体は、上記架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組
成物をシート状に成形した後、電離性放射線あるいは紫
外線を照射し、架橋した後、常圧下で加熱発泡したもの
からなる。
【0012】ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば
前記ポリオレフィン系樹脂が、MFRが0.5〜5g/
10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂(a)30〜
90重量%とMFRが1〜20g/10分の範囲にある
ポリエチレン系樹脂(b)10〜70重量%からなる請
求項1に記載の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物
からなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いるポリオレフィン系
樹脂とは、特に限定されるものではないが、たとえばポ
リプロピレン系樹脂の場合、好ましくはチーグラ触媒、
メタロセン触媒、不均一触媒により気相法、スラリー
法、溶液法などで重合されるプロピレンとエチレンある
いは炭素数が4〜12のαオレフィンを2〜15重量
%、共重合したもので融点が125〜155℃、MFR
が0.5〜5g/10分のものである。この共重合体で
はプロピレンに対しエチレンあるいは炭素数が4〜12
のαオレフィンのモノマーを共重合してもよいが、機械
強度、耐熱性の点では極力、炭素数の大きいものを使用
したものが好ましい。
【0014】共重合するエチレンあるいは炭素数が4〜
12のαオレフィンは2〜15重量%、好ましくは3〜
8重量%であるが、2重量%未満では樹脂の結晶性が高
くなり耐熱性、機械強度の点では好ましいが、結晶性が
高くなると硬くなり緩衝性が悪化することと、低温での
耐衝撃性が低下するので好ましくない。また、2重量%
未満では、電離性放射線を照射し、架橋すると、反応性
モノマーを多量に添加しても架橋度の制御が難しく、広
範囲の、特に、耐熱、耐圧性向上に必要な40%以上の
架橋度が得られなくなるので好ましくない。一方、15
重量%を越えると、架橋制御の点、柔軟性の点では好ま
しいが、融点が低下するため耐熱性と高温下での耐圧性
が悪化するので好ましくない。
【0015】融点は125〜155℃、好ましくは13
0〜145℃であるが、融点が125℃未満であると耐
熱性の点から用途的に制限が発生するので好ましくな
く、一方155℃を越えると融点が高くなり耐熱性が向
上し広範囲の用途に展開できるので好ましいが、発泡用
シート成形時の押出工程での剪断発熱が高くなり発泡剤
の分解が起こりやすくなるので好ましくない。
【0016】MFRは好ましくは0.5〜5g/10分
の範囲にあり、より好ましくは1〜3g/10分であ
る。MFRが0.5g/10分未満では剪断発熱により
発泡剤が分解し気泡の不揃いが発生しやすくなるので好
ましくなく、一方、5g/10分を越えると溶融粘度が
低くく成り、発泡剤の分解は抑制され気泡の不揃いは解
消されるが、シート成形時特殊な冷却装置を用いないと
平滑なシートが得られなかったり、あるいは発泡体の伸
びの低下、加熱成形時形態保持性の悪化、高温下の耐圧
性が悪化し、良好な成形品が得られなくなるので好まし
くない。
【0017】本発明に用いられるポリエチレン系樹脂と
は、たとえば、エチレンと炭素数が4〜12のαオレフ
ィンをチーグラー触媒、メタロセン触媒などを用いて共
重合した密度が0.890〜0.940g/cm3 、M
FRが1〜20g/10分のものである。エチレンに共
重合されるαオレフィンの種類としては炭素数が4〜1
2の中から選定すれば特に制限はされないが好ましくは
炭素数4〜8のものを共重合したものが価格、物性の両
面から有利である。密度は0.890〜0.940g/
cm3 、好ましくは0.905〜0.930g/cm3
であるが、密度が0.890g/cm3 未満であると柔
軟性の点では好ましいが、融点が低下し耐熱性が悪化し
たり、樹脂のベタ付きが顕著となり原料の混合工程で発
泡剤などの混合不良や発泡体のブロッキングを引き起こ
すので好ましくない。また、0.940g/cm3 を越
えると機械的強度、耐熱性などの点では好ましいが、結
晶性が高く成るため硬くなり緩衝性低下するので好まし
くない。MFRは1〜20g/10分、好ましくは3〜
10g/10分である。MFRが1g/10分未満であ
ると樹脂の溶融粘度が高くなるためシート成形時に剪断
発熱により発泡剤が分解し、粗大気泡を発生しやすくな
るので好ましくない。一方、30g/10分を越えると
溶融粘度は低くなり発泡剤の分解は抑制されるので、粗
大気泡の発生の点では好ましいが、シート成形時特殊な
冷却装置を用いないと平滑なシートが得られなかった
り、あるいは発泡体の伸びが低下するので加熱成形時形
態保持性が悪化、良好な成形品が得られなくなるので好
ましくない。
【0018】本発明に用いるジプロペニル化合物は、下
記一般式で表わされる化合物である必要がある。
【0019】
【化3】
【0020】本発明に用いる上記化合物でベンゼン環に
プロペニル基が直接結合しているものが好ましい。この
間に他の元素が結合すると融点が低下し、液状になるの
でハンドリング性の点で悪化するので好ましくない。な
お、プロペニル基が良い理由としては、p体のみのもの
が容易に得られることであり、通常のジビニルベンゼン
のような異性体を含む混合物は構造によって反応性が異
なるため、均一な架橋が得られないので好ましくない。
【0021】また、本発明ではこの化合物をポリオレフ
ィン系樹脂に高濃度に分散させたいわゆるマスタバッチ
を予め製造し、このマスタバッチ用樹脂組成物を用いて
本発明の発泡用樹脂組成物を製造することもできる。た
とえば、ジプロペニル化合物をポリオレフィン樹脂に混
練りさせて、樹脂組成物に対し10〜50重量%のジプ
ロペニル化合物を含有するマスタバッチ用樹脂組成物を
製造し、これをマスタバッチとして用いることができ
る。マスタ用のポリオレフィン系樹脂としては特に限定
されるものではないが、ポリエチレン系樹脂で行う方が
コスト面で有利であるとともに、低融点の共重合体から
高融点のホモのポリプロピレン樹脂まで適用できるので
好ましい。添加量としては10〜50重量%、好ましく
は15〜40重量%程度が良いと言える。すなわち、1
0重量%未満であると高度の架橋度、具体的には60%
を越えるような架橋度を得る場合、本発明に用いる化合
物の添加量が多くなるため、マスタバッチ用樹脂組成物
が多量に配合されることになり、発泡体としたときの物
性低下、具体的には伸び、成形性の低下を引き起こすの
で好ましくない。一方、50重量%を越えると、発泡体
物性への影響はなくなるので好ましいが、マスタバッチ
用樹脂組成物の保管時にブロッキングしやすくなり、逆
に取り扱い性が悪化するので好ましくない。
【0022】本発明による発泡体用樹脂組成物及び発泡
体は、ポリプロピレン系樹脂30〜90重量%、好まし
くは50〜80重量%にポリエチレン系樹脂10〜70
重量%、好ましくは20〜50重量%で混合した混合物
100重量部に下記一般式で表されるジプロペニル化合
物を1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部配合され
たものである。
【0023】
【化4】
【0024】本発明による樹脂組成物から得られた架橋
発泡体は耐熱性、各種成形性、伸び、柔軟性に優れたも
のとなり、特に高温下での成形、あるいは高圧成形(ス
タンピング、インジェクション)に好適なものである。
【0025】本発明ではポリプロピレン系樹脂が30重
量%未満では発泡体としたときの柔軟性の点では好まし
いが、耐熱性が低下するので好ましくなく、一方、90
重量%を越えると耐熱性の点では好ましいが、硬くなり
緩衝性が悪化するので好ましくない。
【0026】本発明ではポリエチレン系樹脂が10重量
%未満では耐熱性の点では好ましいが、硬くなり緩衝性
が悪化したり、加熱成形性が悪化するので好ましくな
く、一方、70重量%を越えると緩衝性や成形性の点で
は好ましいが、耐熱性が悪化するので好ましくない。
【0027】本発明によるジプロペニル化合物の添加量
が1重量部未満では、架橋に関与する2重結合基量が不
足し、広範囲の架橋度の設定ができなくなるので好まし
くなく、一方、10重量部を越えると広範囲の架橋度設
定の点では好ましいが、融点が溶融押出温度以下である
ため押出工程において可塑剤的な効果が過大となり、押
出機内での溶融状態が見掛け上低く成るため押し出しが
困難となるので好ましくない。また、見掛けの架橋度以
上に架橋点が増加すると考えられるが伸びが低下し、結
果的に成形性が低下するので好ましくない。
【0028】本発明で用いる熱分解型化学発泡剤として
はアゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸エステル化
合物、アゾジカルボン酸塩、テトラゾール系化合物、
N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどが
例示されるが、これらについては単独でも混合して用い
てもよく、また、亜鉛化合物、アミン系化合物などと併
用し、発泡の調整を行うこともできる。添加量として
は、1〜20重量部の範囲内が好ましい。
【0029】本発明においてはその目的に応じてヒンダ
ードフェノール系、チオ系などに代表される酸化防止
剤、加工安定剤、難燃剤、無機充填剤、顔料などを添加
し、所望の品位のものとすることができる。
【0030】本発明においては本発明の樹脂組成物を溶
融押出し、シート状に成形した後、このシートの段階で
架橋を施す必要があるが、架橋方法としては電離性放射
線や紫外線、具体的には電子線を照射するすることが工
業的に好ましく、その照射エネルギーとしては0.5〜
20Mradが適当であるが、極力10Mrad以下で
架橋する方が望ましい。この照射エネルギーによって生
じる架橋、すなわちゲル分率は20〜70%で、このゲ
ル分率が20%未満では高温下での耐圧性が低下し、プ
レス成形が出来なくなるので好ましくなく、70%を越
えると耐圧性は向上するが硬くなり、低温下での衝撃性
が悪化し割れが生じやすくなるので好ましくない。
【0031】本発明の発泡体は各種の発泡法、具体的に
は縦(横)型熱風発泡法、薬液浴上発泡法などに例示さ
れる方法にて製造されるが、好ましくは薬液浴上発泡法
による方が発泡体の長手方向、幅方向の各方向の物性バ
ランスのとれたものが得られるので望ましい。
【0032】次に本発明による架橋発泡用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物及び架橋発泡体シートの製造方法の一態
様について説明する。
【0033】プロピレンにエチレンを4.2重量%ラン
ダム共重合したMFRが1.8g/10分、融点が13
9℃のポリプロピレン系樹脂の粉体128kgとエチレ
ンに炭素数が6のαオレフィンを共重合したMFRが8
g/10分、融点が125℃のポリエチレン系樹脂の粉
体32kg、安定剤として”イルガノックス1010”
0.95kg、発泡剤としてアゾジカルボンアミド1
7.7kg、架橋助剤としてp,p’−ジプロペニルベ
ンゼン5.5kgを準備し、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂、発泡剤、安定剤、架橋助剤を有効容
積750リットルのヘンシェルミキサーに投入し、20
0〜400rpmの低速回転で約3分混合し、次いで8
00〜1000rpmの高速回転とし、3分間混合の発
泡用樹脂組成物とする。この発泡用樹脂組成物を発泡剤
の分解しない温度、具体的には160〜190℃に加熱
したベント付きの押出機に導入してTダイから押し出
し、厚みが1.55mm、幅560mmの架橋発泡用シ
ートに成形した。このシートに5Mradの電子線を照
射し、架橋せしめた後、発泡剤の分解温度より20〜5
0℃高い温度に設定した薬液浴上発泡装置に連続的に導
入、加熱発泡して連続シート状架橋発泡体として巻き取
った。このようにして得られた発泡体は厚み2.95m
m、幅1450mm、架橋度は51%、発泡体の厚さ方
向の架橋度分布は表層と中心層の差が1%、発泡倍率2
0倍のものであった。
【0034】前述したように、従来、架橋助剤として脂
肪族ジ(メタ)アクリレート、具体的には1・9ノナン
ジ(メタ)アクリレート、異性体含有ジビニルベンゼン
などの使用は知られてはいたが、本発明では、安全性と
ハンドリング、架橋特性などを考慮して初めて、架橋発
泡体の架橋助剤としてジプロペニル化合物を適用した結
果、本発明による樹脂組成物から得られた架橋発泡体は
製造上の安全性が確保され、かつ、耐熱性、各種成形
性、伸び、柔軟性に優れたものとなり、特に高温下での
成形、あるいは高圧成形(スタンピング、インジェクシ
ョン)に好適なものが得られたものである。
【0035】[評価方法及び評価基準]本発明による評
価方法及び評価基準は次の通りである。 (1)架橋度 発泡体を細断し、0.2g精秤する。このものを溶媒と
してキシレン、温度100℃下のソックスレイ抽出器で
8時間抽出後、不溶分を取り出し、純粋で洗浄後、更に
アセトンで洗浄、更にこのものを80℃に加熱した真空
乾燥機で1時間加熱し、揮発分を完全に除去後、室温で
自然冷却する。このものの重量(W1)gを測定し、次
式で架橋度を求める。なお、通常の架橋度用サンプルは
切り出した発泡体の厚さ方向全体を用いるが、両表層と
中心層の架橋度差を測定するサンプルは発泡体の厚さ方
向に0.5mmの厚さでスライスし、その両表層、中心
層のサンプルを用いて架橋度を測定する。 架橋度=(W1/0.2)×100(%) 両表層と中心層の架橋度差は両表層架橋度平均から中心
部架橋度を差し引き、下記の範囲を合格とする。±3%
を合格とする
【0036】(2)成形性 直径(D)に対し深さ(L)のカップ状の成形金型を備
えた真空成形機で加熱成形し、発泡体が破れることなく
カップ状に成形されたL/D比を成形性とする。通常は
L/D0.2刻みで1.0までの金型を並べて破れる深
さを見ておき、その後その周辺のL/D0.02刻みで
0.1までの金型を使用して詳細な成形性を測定する。 L/D :0.5以上を合格とする
【0037】(3)機械強度、伸び JIS−K−6767に準じて測定する。 機械強度は(発泡倍率×(−1.5)+45))以上を
合格 伸びは250%以上を合格とする。
【0038】(4)耐熱性 発泡体シートから15×15cmを切り出し、シート長
手方向(MD)、幅方向(TD)に10cm間隔の測定
用標線を書き込み、厚さ(T)を測定する。炭酸カルシ
ュウムを散布した耐熱板上にこのサンプルを置き、12
0℃に加熱した熱風オーブンに入れ、2時間加熱後、取
り出し、室温となるまで自然冷却する。このサンプルの
標線間隔(MDx,TDx,Tx)を測定し、次式で寸
法変化率を算出し、次の基準で耐熱性を評価する。 MD:((100−MDx)/100)×100(%) TD:((100−TDx)/100)×100(%) T :((T−Tx)/T)×100(%) 耐熱性:MD,TDは±5%以内を合格とする。 Tは±7%以内を合格とする。
【0039】(5)融点 示査走査熱量計(パーキンエルマ社製:DSCIII)
で測定した溶融吸熱スペクトルでもっとも大きなピーク
を融点とする。
【0040】(6)MFR ポリプロピレン系樹脂はJIS−K−6758、ポリエ
チレン系樹脂はJIS−K−6760に準じて測定し
た。
【0041】(7)密度 ポリエチレン系樹脂はJIS−K−6760に準じて測
定した。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 プロピレンにエチレンを3.6重量%ランダム共重合し
た融点が142℃MFRが2.5g/10分、のポリプ
ロピレン系樹脂の粉体96kgとエチレンに炭素数が4
のαオレフィンを共重合したMFRが5g/10分、融
点が125℃のポリエチレン系樹脂の粉体64kg、安
定剤として”イルガノックス1010”0.95kg、
発泡剤としてアゾジカルボンアミド7.4kg、架橋助
剤としてp,p’−ジプロペニルベンゼン3.2kgを
準備し、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、
発泡剤、安定剤、架橋助剤を有効容積750リットルの
ヘンシェルミキサーに投入し、200〜400rpmの
低速回転で約3分混合し、ついで800〜1000rp
mの高速回転とし、3分間混合して50℃になった時点
で排出して発泡用樹脂組成物とする。
【0043】この発泡用樹脂組成物を発泡剤の分解しな
い温度、具体的には160〜190℃に加熱したベント
付きの押出機に導入、Tダイから押し出し、厚みが1.
2mm、幅56mmの架橋発泡用シートに成形した。こ
のシートに3.2Mradの電子線を照射し、架橋せし
めた後、発泡剤の分解温度より20〜100℃高い温度
に設定した縦型熱風発泡装置に連続的に導入、加熱発泡
して連続シート状架橋発泡体として巻き取った。
【0044】このようにして得られた発泡体のは厚み
2.5mm、幅1350mm、架橋度は50%、両表層
と中心部の架橋度差は0.8%、発泡倍率15倍のもの
であった。
【0045】この樹脂組成物を表1に、製品の特性を表
2に示した。
【0046】表のごとく本発明による樹脂組成物とし、
架橋発泡体としたため成形性、伸び、耐熱性に優れたポ
リプロピレン系架橋発泡体である。
【0047】比較例1 表1に示したような成分、樹脂組成のものを用い、架橋
発泡体とし、得られた発泡体特性を表2に示した。
【0048】このように実施例1に示した本発明による
樹脂組成物から得られた架橋発泡体は耐熱性、各種成形
性、伸び、柔軟性に優れたものとなり、特に高温下での
高圧成形(スタンピング、インジェクション)に好適な
ものである。
【0049】一方、比較例1に示した物は本発明外にあ
るため伸びや成形性、耐熱性のいずれかが不足する不満
足な架橋発泡体であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の架橋発泡
用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその架橋発泡体によ
れば、製造工程での安全性、取り扱い性を改善できると
ともに、架橋度、発泡倍率等について一定の品質を保持
しながら耐熱性、成形性、機械強度、伸び等に優れた発
泡体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 基 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA98 AB05 AD01 BA12 BA13 BA16 BB28 CA21 CA25 CC02X CC04X CC04Y CC06X CC48 CC50 DA35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、下記一般式 【化1】 で表されるジプロペニル化合物を1〜10重量部、熱分
    解型化学発泡剤を1〜15重量部含有することを特徴と
    する架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂が、MFRが
    0.5〜5g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹
    脂(a)30〜90重量%とMFRが1〜20g/10
    分の範囲にあるポリエチレン系樹脂(b)10〜70重
    量%からなる請求項1に記載の架橋発泡用ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ジプロペニル化合物を10〜50重量%
    含有するポリオレフィン系樹脂組成物を用いて請求項1
    または2に記載の架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂組成
    物を製造することを特徴とする架橋発泡用ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の架橋発泡用ポ
    リオレフィン系樹脂組成物をシート状に成形した後、電
    離放射線を照射あるいは紫外線を照射して架橋した後、
    常圧下で加熱発泡した架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
    体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003105114A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nitto Denko Corp 多孔質フィルム
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