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JP2010043160A - ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法および発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法および発泡成形体 Download PDF

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JP2010043160A
JP2010043160A JP2008206916A JP2008206916A JP2010043160A JP 2010043160 A JP2010043160 A JP 2010043160A JP 2008206916 A JP2008206916 A JP 2008206916A JP 2008206916 A JP2008206916 A JP 2008206916A JP 2010043160 A JP2010043160 A JP 2010043160A
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ethylene
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Hiroyoshi Nakajima
浩善 中嶋
Takashi Fujimoto
隆 藤元
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】シルバーストリークが少ない発泡成形体、前記発泡成形体を与えるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有し、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法および発泡成形体に関する。
プロピレン重合体は、機械的性質、耐薬品性等に優れ、経済性とのバランスにおいて極めて有用なため各成形分野に広く用いられている。
プロピレン重合体を発泡成形した発泡成形体は、自動車分野での緩衝材や、吸音材、透水用ドレン材、各種充填剤等に用いられている。プロピレン重合体の発泡成形体が得られる組成物または発泡成形体を得る手段として、例えばメタロセン担持型触媒を用いて製造されたプロピレン重合体およびα,ω−ジエンからなる共重合体、該共重合体に発泡剤が含有されたポリプロピレン系樹脂組成物、該組成物を加熱、溶融、混練、発泡成形した発泡体および該発泡体を成形した発泡成形体が開示されている(特許文献1)。
特許文献2は、(i)a)極限粘度[η](135℃デカリン中で測定)が0.8〜5.0dl/g;b)64℃デカン不溶成分が99.5〜80重量%;c)64℃デカン可溶成分が0.5〜20重量%;d)64℃デカン可溶成分中のα−オレフィン(プロピレンを除く)構成単位が0〜50モル%であるプロピレン系重合体30〜90重量%と、(ii)実質的にシンジオタクティック構造であるプロピレン構成単位を99〜50モル%、エチレン構成単位を1〜50モル%の量で含有するシンジオタクティック構造プロピレン−エチレン共重合体10〜70重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物を開示する。
特許文献3は、プロピレン単位(a)90〜100モル%、エチレン単位(b)0〜10モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン単位(c)0〜9.5モル%からなり、極限粘度[η]が0.5〜10dl/gのシンジオタクティックプロピレン重合体(A)、炭素数2〜20から選ばれる1種のα−オレフィン単位が50〜100モル%であり、ヤングモジュラスが150MPa以下のα−オレフィン重合体(B)、プロピレン単位(a)90〜100モル%、エチレン単位(b)0〜10モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン単位(c)0〜9.5モル%からなり、極限粘度[η]が0.5〜6dl/gのアイソタクティックプロピレン重合体(C)を含み、(A)と(C)との重量比が99/1〜1/99、(A)+(C)と(B)との重量比が10/10〜10/90である組成物を開示する。
特許文献4は、特定のシンジオタクティックポリプロピレン(i)と、特定の2種以上のα−オレフィン系共重合体(ii)と、特定のアイソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)とを含み、シンジオタクティックポリプロピレン(i)とアイソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)との重量比{(i)/(iii)}が99/1〜1/99の範囲にあり、シンジオタクティックポリプロピレン(i)とアイソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)との混合物(iv)と2種以上のα−オレフィン系共重合体(ii)の合計との重量比{(iv)/(ii)}が90/10〜10/90の範囲にあり、2種以上のα−オレフィン系共重合体の各々の含有量が少なくとも1重量%であることを特徴としているシンジオタクティックポリプロピレン系組成物を開示する。
特開2001−316510号公報 特開2000−191859号公報 特開2000−355644号公報 特開2001−172452号公報
本発明が解決しようとする課題は、シルバーストリークが少ない発泡成形体、前記発泡成形体を与えるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
<1> (A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有し、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物、
<2> (A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を溶融混練装置に供給する工程と、前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(B)および前記(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含む樹脂組成物を前記溶融混練装置により溶融混練する工程とを含み、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法、
<3> <1>に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする発泡成形体。
本発明によれば、シルバーストリークが少ない発泡成形体、前記発泡成形体を与えるポリプロピレン系樹脂組成物およびその製造方法を提供することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体(以下、単に「プロピレン−エチレンブロック共重合体」ともいう。)、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有し、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とする。なお、数値範囲を表す「3〜8dl/g」等の記載は、「3dl/g以上、8dl/g以下」と同義であり、特に断りのない限り他の数値範囲の記載においても同様とする。以下、本発明について詳細に説明する。
<(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A−1)プロピレン単独重合体部分と(A−2)極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分とを含有する(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を含む。
本発明に用いることができる(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体は、(A−1)プロピレン単独重合体部分、(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分を含み、その他、プロピレン−α−オレフィン共重合体部分、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体部分を有していてもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体部分およびプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体部分で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体は2種類以上併用してもよい。
(A−1)プロピレン単独重合体部分の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、プロピレン重合体分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖(以下、mmmmと表す。)の中にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定される方法である(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて決定される。)。
具体的には、13C−NMRスペクトルによって測定されるメチル炭素領域の吸収ピークの面積に対する、mmmmピークの面積の割合が、アイソタクチック・ペンタッド分率である。この方法によって測定された英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率は、0.944であった。
上記(A−1)プロピレン単独重合体部分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される固有粘度(「極限粘度数」と同じ。)([η]P)は、それぞれ好ましくは、0.7〜5.0dl/gであり、より好ましくは0.8〜4.0dl/gであり、さらに好ましくは0.8〜2.0dl/gである。
上記(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される固有粘度(「極限粘度数」と同じ)([η]EP)は、3〜8dl/gであり、4.5〜8であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。
固有粘度が3未満であると発泡成形性が低下することがある。また、固有粘度が8を超えるとシルバーストリークの発生量が増加する傾向がある。
また、(A−1)プロピレン単独重合体のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値、Mw/Mn)は、それぞれ好ましくは3〜7である。上記の数値の範囲内であると、シルバーストリークの発生量が少ないため好ましい。
上記(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分に含有されるエチレン含有量は好ましくは20〜65質量%、より好ましくは25〜50質量%である(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の全量を100質量%とする)。上記の数値の範囲内であると、シルバーストリークの発生量が少ないため好ましい。
上記(A−1)プロピレン単独重合体部分のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜400g/10分であり、より好ましくは1〜300g/10分である。ただし、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。本発明におけるメルトフローレート(MFR)の測定は、JIS K7210に規定された方法に準じて行うことが好ましく、以下同様である。
また、(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜200g/10分であり、より好ましくは5〜150g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。上記の数値の範囲内であると、発泡成形性に優れるため好ましい。
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法としては、例えば、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法で用いられる公知の重合触媒としては、例えば、(1)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と、(2)有機アルミニウム化合物と、(3)電子供与体成分からなる触媒系が挙げられる。この触媒の製造方法としては、例えば、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報、特開平10−212319号公報および特開2004−182786号公報に記載されている製造方法が挙げられる。
上記の製造方法で用いられる公知の重合方法としては、例えば、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等が挙げられる。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。
上記の(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法として、好ましくは、前記の固体触媒成分(1)と、有機アルミニウム化合物(2)と電子供与体成分(3)とからなる触媒系の存在下に少なくとも2槽からなる重合槽を直列に配置し、上記(A−1)プロピレン単独重合体成分を製造した後、製造された前記成分を次の重合槽に移し、その重合槽でプロピレン−エチレン共重合体成分を連続して製造して、(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する方法である。
上記の製造方法で用いられる固体触媒成分(1)、有機アルミニウム化合物(2)および電子供与体成分(3)の使用量や、各触媒成分を重合槽へ供給する方法は、適宜、決めればよい。
重合温度は、好ましくは−30〜300℃であり、より好ましくは20〜180℃である。重合圧力は、好ましくは常圧〜10MPaであり、より好ましくは0.2〜5.0MPaである。分子量調整剤として、例えば、水素を用いてもよい。
上記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造において、本重合を実施する前に、公知の方法によって、予備重合を行ってもよい。公知の予備重合の方法としては、例えば、固体触媒成分(1)および有機アルミニウム化合物(2)の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法が挙げられる。
<(B)エチレン−α−オレフィン共重合体>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体を含む。
本発明に用いられる(B)エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体、または、これらの混合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明においては、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好ましい。
(B)エチレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィンが好ましく、1−ブテンがより好ましい。
前記(B)エチレン−α−オレフィン共重合体は、メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が1〜40g/10分であることが好ましく、10〜35g/10分がより好ましい。上記の数値の範囲内であるとシルバーストリークの発生を効果的に抑制できる。
(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、好ましくは0.85〜0.89g/cm3であり、より好ましくは0.85〜0.88g/cm3であり、さらに好ましくは0.86〜0.88g/cm3である。上記の数値の範囲内であると、発泡成形性、発泡セルの均一性、発泡セルの微細性に優れる。
(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等によって、所定のモノマーを、メタロセン系触媒を用いて重合する方法が挙げられる。メタロセン系触媒としては、例えば、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報および特表平10−508055号公報等に記載されているメタロセン系触媒が挙げられる。メタロセン系触媒を用いる(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法として、好ましくは、欧州特許出願公開第1211287号明細書に記載されている方法が挙げられる。
<(C)シンジオタクティックプロピレン重合体>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有する。(C)シンジオタクティックプロピレン重合体は、シルバーストリークやコルゲーション等の外観不良の発生を抑制する外観改良材として用いることができる。
プロピレン重合体の構造が、シンジオタクティック構造であるプロピレン重合体とは、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRスペクトルにおいて、テトラメチルシランを基準として20.2ppmに観測されるピーク強度を、プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の総和で割った値(シンジオタクチックペンタッド分率[rrrr])が、好ましくは0.3〜0.9であるポリプロピレン樹脂であり、より好ましくは0.5〜0.9、さらに好ましくは0.7〜0.9であるプロピレン重合体である。なお、必要なピークの帰属は、A.Zambelli et al,Macromolecules,6,925(1973)に従って行った。
(C)シンジオタクティックプロピレン重合体のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜200g/10分であり、より好ましくは5〜150g/10分、さらに好ましくは10〜50g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。上記の数値の範囲内であると、発泡成形性に優れるため好ましい。
<(A)〜(C)成分の含有量>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体40〜95質量%と(B)エチレン−α−オレフィン共重合体5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体1〜11質量部を含む。
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の含有量が40質量%未満であると、発泡成形体の剛性に劣ることがある。また、(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の含有量が95質量%を超えると、発泡成形体の耐衝撃性に劣ることがある。(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が5質量%未満であると、耐衝撃性に劣ることがある。また、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が60質量%を超えると発泡成形性に劣ることがある。(B)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は10〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。
(A)および(B)よりなるプロピレン重合体組成物100質量部に対して、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体1〜11質量部を含み、2〜11質量部が好ましく、4〜6質量部がより好ましい。(C)シンジオタクティックプロピレン重合体の量が1質量部以下であると、成形体表面にシルバーストリークが発生し、11質量部を超えると成形体の十分な曲げ弾性が得られず、十分な衝撃強度が得られないことがある。
<(D)有機過酸化物>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、必要に応じて前記(A)〜(C)を含む樹脂組成物100質量部に対して、(D)有機過酸化物2質量部以下を添加して、熱処理して得たものでもよい。
本発明で用いる(D)有機過酸化物としては、従来公知の有機過酸化物が挙げられ、例えば、半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物や、半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物を挙げることができる。
半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカーボネート化合物(分子骨格中に下記式(1)で表される構造を有する化合物(I))やアルキルパーエステル化合物(分子骨格中に下記式(2)で表される構造を有する化合物(II))等が挙げられる。
Figure 2010043160
上記式(1)で表される構造を有する化合物(I)としては、ジ(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
上記式(2)で表される構造を有する化合物(II)としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
また、半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ペルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
(D)有機過酸化物の使用量は、前記(A)〜(C)を含む樹脂組成物100質量部に対して2質量部以下であることが好ましく、0.002〜1質量部であることがより好ましく、0.005〜0.5質量部であることがさらに好ましい。(D)有機過酸化物の使用量が上記の数値の範囲内であると、優れた発泡成形性が得られるため好ましい。本発明においては、(D)有機過酸化物を含まない態様もまた好ましい。
<(E)無機充填材>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、樹脂組成物全体に対して(E)無機充填材を1〜30質量%含んでいてもよい。
(E)無機充填材としては、公知のものを用いることができ、限定されるものではないが、具体的には、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、および、硫酸バリウム等の粒状フィラー、カオリン、ガラスフレーク、タルク等の板状フィラーが挙げられ、中でも板状フィラーが好ましい。板状フィラーを配合することにより曲げ弾性に優れた発泡成形体が得られる。また、板状フィラーの中でもコストに優れることから、タルクが好ましい。
(E)無機充填材の平均粒子径としては、好ましくは0.01〜50μmであり、より好ましくは0.1〜30μmであり、さらに好ましくは0.1〜5μmである。ここで(E)無機充填材の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
(E)無機充填材は、無処理のまま使用してもよく、ポリプロピレン系樹脂組成物との界面接着強度を向上させる、またはポリプロピレン系樹脂組成物中での無機充填剤の分散性を向上させるために、公知の各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類あるいは他の界面活性剤で無機充填剤の表面を処理して使用してもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂組成物全体の質量を100質量%として、(E)無機充填材を1〜30質量%含むことが好ましく、1〜20質量%含むことがより好ましく、1〜10質量%含むことがさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、剛性、耐衝撃性に優れた成形体が得られる。
<添加剤>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤を含有させてもよく、例えば、中和剤、酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等が挙げられる。
<ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は、40〜200g/10分であることが好ましく、40〜150g/10分であることがより好ましく、40〜120g/10分であることがさらに好ましい。上記の数値の範囲内であると、シルバーストリークの発生を効果的に抑制することができる。
<ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法は、(A)プロピレン単独重合体部分と、極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を溶融混練装置に供給する工程と、前記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体、前記(B)エチレン−α−オレフィン共重合体および前記(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含む樹脂組成物を前記溶融混練装置により溶融混練(熱処理)する工程とを含み、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とする。
また、必要に応じて前記(A)〜(C)を含む樹脂組成物100質量部に対して、有機過酸化物(D)を2質量部以下供給する工程を、前記混練する工程の前にさらに含んでいてもよく、例えば(D)有機過酸化物を、前記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体および(A)〜(C)のいずれか2以上の混合物と混合して同時に溶融混練装置に供給してもよい。上記の溶融混練(熱処理)により、樹脂組成物は均一に混合され、また、有機過酸化物(D)を含む場合には、有機過酸化物の分解が生じ、それに起因する反応(例えば、ポリオレフィン樹脂の分子鎖切断、等)が生じる。
また、必要に応じて前記ポリプロピレン系樹脂組成物全体に対して、(E)無機充填材を1〜30質量%含有するように(E)無機充填材を添加する工程をさらに含んでいてもよく、例えば(E)無機充填材を前記(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体および(A)〜(C)のいずれか2以上の混合物と混合して同時に溶融混練装置に供給してもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法において、各成分を混練する方法に用いることができる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。
溶融混練(熱処理)の温度は、好ましくは170〜250℃であり、混練時間は、好ましくは20秒〜20分である。また、各成分の混練は同時に行ってもよく、分割して行ってもよい。例えば樹脂組成物の各成分を所定量計量し、タンブラー等で均一に予備混合する工程と、予備混合物を溶融混練する工程とを含むことが好ましい。
<発泡成形体>
本発明の発泡成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする。本発明の発泡成形体は、好ましくは本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を添加し、成形することによって得られるものである。本発明で使用される発泡剤は特に限定されるものではなく、公知の化学発泡剤や物理発泡剤を用いることができる。発泡剤の添加量は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.2〜8質量%である。
化学発泡剤としては、無機化合物であっても有機化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。無機化合物としては、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩などが挙げられる。有機化合物としては、クエン酸などのポリカルボン酸、アゾジカルボンアミド(ADCA)などのアゾ化合物などが挙げられる。
物理発泡剤としては、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスや揮発性有機化合物などが挙げられる。中でも超臨界状態の二酸化炭素、窒素、あるいはこれらの混合物を使用することが好ましい。物理発泡剤は2種以上を併用してもよく、化学発泡剤と物理発泡剤とを併用してもよい。
物理発泡剤を用いる場合には、物理発泡剤を超臨界状態で溶融状のポリプロピレン系樹脂組成物に混合することが好ましい。超臨界状態の物理発泡剤は樹脂への溶解性が高く、短時間で溶融状のポリプロピレン系樹脂組成物に均一に拡散することができるため、発泡倍率が高く、均一な発泡セル構造をもつ発泡成形体を得ることができる。
溶融状のポリプロピレン系樹脂組成物に物理発泡剤を混合する工程としては、物理発泡剤を射出成形装置のノズルまたはシリンダ内に注入する工程が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を発泡成形する方法は、具体的には射出発泡成形法、プレス発泡成形法、押出発泡成形法、スタンパブル発泡成形法などの公知の方法が挙げられる。
本発明の発泡成形体は、インサート成形、接着などの方法により表皮材を貼合して加飾発泡成形体とすることもできる。
前記の表皮材としては、公知の表皮材を使用できる。具体的な表皮材としては、織布、不織布、編布、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーからなるフィルム、シート等が例示される。さらに、これらの表皮材に、ポリウレタン、ゴム、熱可塑性エラストマー等のシートを積層した複合表皮材を使用してもよい。
表皮材には、さらにクッション層を設けることができる。かかるクッション層を構成する材料は、ポリウレタンフォーム、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)フォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等が例示される。
<発泡成形体の用途>
本発明の発泡成形体の用途としては、例えば、自動車内装部品および外装部品等の自動車部品、二輪車部品、家具や電気製品の部品等が挙げられ、中でも自動車部品用であることが好ましく、自動車内装用部品であることがより好ましい。
自動車内装部品としては、例えば、インストルメンタルパネル、トリム、ドアーパネル、サイドプロテクター、コンソールボックス、コラムカバー等が挙げられ、自動車外装部品としては、例えば、バンパー、フェンダー、ホイールカバー等が挙げられ、二輪車部品としては、例えば、カウリング、マフラーカバー等が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって、本発明を説明する。
実施例または比較例では、以下に示した樹脂および添加剤を用いた。
(実施例1)
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体
(1−1)(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A1
下記の方法で調製した固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
MFR:80g/10分
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度[η]T:1.4dl/g
プロピレン単独重合体部分の固有粘度[η]P:0.8dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する質量比率:12質量%
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の固有粘度[η]EP:7.0dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン単位含量:32質量%
実施例および比較例で用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体は、特開2004−182876号公報に記載のα−オレフィン重合用固体触媒成分、および、そのα−オレフィン重合用固体触媒成分の製造方法に準拠して調製した固体触媒成分を用いて、気相重合により製造した。
(1−2)(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A2
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A1)の製造に使用したのと同じ固体触媒成分を用いて気相重合法により製造した。
MFR:30g/10分
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度[η]T:1.5dl/g
プロピレン単独重合体部分の固有粘度[η]P:1.00dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の共重合体全体に対する質量比率:16質
量%
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の固有粘度[η]EP:5.0dl/g
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン単位含量:34.5質量%
(2)(B)エチレン−α−オレフィン共重合体
エチレン−α−ブテン共重合体ゴム
商品名:CX5505(住友化学(株)製)
密 度:0.878(g/cm3
MFR(190℃、2.16kg荷重):14(g/10分)
(3)(C)シンジオタクティックプロピレン重合体
商品名:FINAPLAS 1751(アトフィナ製)
MFR(230℃、2.16kg荷重):25(g/10分)
(4)(D)有機過酸化物
商品名:パーカドックス14R−P(ビス(t−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ(株)製)
(5)(E)タルク
商品名:JR−46(林化成(株)製)
(6)タルクマスターバッチ(E’)
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A2)ベースのタルクマスターバッチ(E’)(タルク(E)含有量=70質量%)
(実施例1〜3および比較例1)
表1に示した(A1)、(B)、(D)を所定量、計量し、タンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機((株)日本製鋼所製TEX44SS 30BW−2V型)を用いて、押出量50kg/hr、スクリュー回転数300rpm、温度200℃、ベント吸引下で混練押出して、ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを製造した。
このペレットと(C)、(E’)を所定量、計量し、均一に予備混合した後、エンゲル社製ES2550/400HL−MuCell(型締力400トン)射出成形機を用いて、射出発泡成形を行った。発泡剤としては超臨界状態の窒素を用いた。
金型として、成形体概略寸法が、図1に示した成形品部寸法が290mm×370mm、高さ45mm、型締めした状態の基本キャビティクリアランス(初期板厚)1.5mmtに、一部1.6mmtの部分を有する箱型形状(ゲート構造:ダイレクトゲート)のものを用いた。
シリンダ温度250℃、金型温度50℃に設定し、型締め後、発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂組成物の射出を開始した。前記ポリプロピレン系樹脂組成物を、金型キャビティ内に完全に射出充填した後、金型のキャビティ壁面を2.0mm後退させて該キャビティを増加させて前記ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡させた。発泡したポリプロピレン系樹脂組成物をさらに冷却し、完全に固化させて発泡成形体を得、ゲートから100mmの部位にて発泡成形体の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例および比較例で用いた樹脂成分およびポリプロピレン系樹脂組成物の物性の測定法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に規定された方法に従って測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃で、荷重は2.16kg荷重で測定した。
(2)(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の構造分析
(2−1)(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の固有粘度
(2−1−a)(A−1)プロピレン単独重合体部分の固有粘度:[η]P
(A−1)プロピレン単独重合体部分の固有粘度:[η]Pはその製造時に、(A−1)プロピレン単独重合体の重合後に重合槽内よりプロピレン単独重合体を取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体の[η]Pを測定して求めた。
(2−1−b)(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の固有粘度:[η]EP
(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の固有粘度:[η]EPは、(A−1)プロピレン単独重合体部分の固有粘度:[η]Pと(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度:[η]Tをそれぞれ測定し、(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する質量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:(A−1)プロピレン単独重合体部分の固有粘度(dl/g)
[η]T:(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の固有粘度(dl/g)
(2−2)(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する質量比率:X
(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する質量比率:Xは(A−1)プロピレン単独重合体部分と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、次式を用いて計算により求めた。結晶融解熱量は、示唆走査型熱分析(DSC)により測定した。
X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:(A−1)プロピレン単独重合体部分の融解熱量(cal/g)
(2−3)(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量:(C2’)EP
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量:(C2’)EPは、赤外線吸収スペクトル法により(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量(C2’)Tを測定し、次式を用いて計算により求めた。
(C2’)EP=(C2’)T/X
(C2’)T:(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量(質量%)
(C2’)EP:(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(質量%)
X:(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する質量比率
(3)発泡体の外観評価(シルバーストリーク)
発泡成形により得られたポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡成形体3のゲート部1から100mm離れた部位の図1に示した直径60mmの円の範囲(シルバーストリークを評価した部位)2を、目視で評価し、以下に示したとおりに判定した。
○:発泡成形体の表面のシルバーストリークが目視では確認できない
△:シルバーストリークがやや目立つ
×:シルバーストリークが目立つ
Figure 2010043160
実施例において作製した本発明の発泡成形体の一例を表す斜視図である。
符号の説明
1:ゲート部
2:直径60mmの円の範囲(シルバーストリークを評価した部位)
3:発泡成形体

Claims (5)

  1. (A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、
    (B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、
    (C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有し、
    (A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、
    (C)1〜11質量部を含むことを特徴とする
    ポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、ポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して2質量部以下の(D)有機過酸化物をさらに含む請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. (A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を溶融混練装置に供給する工程と、
    前記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、前記エチレン−α−オレフィン共重合体(B)および前記(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含む樹脂組成物を前記溶融混練装置により溶融混練する工程とを含み、
    (A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物(ただし、(A)および(B)の質量の合計を100質量%とする)100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むことを特徴とする
    ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記混練する工程の前にポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して2質量部以下の(D)有機過酸化物を供給する工程をさらに含む、請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする発泡成形体。
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