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JP2000348398A - 光磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000348398A
JP2000348398A JP11156728A JP15672899A JP2000348398A JP 2000348398 A JP2000348398 A JP 2000348398A JP 11156728 A JP11156728 A JP 11156728A JP 15672899 A JP15672899 A JP 15672899A JP 2000348398 A JP2000348398 A JP 2000348398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magneto
magnetic layer
recording medium
optical recording
projections
Prior art date
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Pending
Application number
JP11156728A
Other languages
English (en)
Inventor
Morimi Hashimoto
母理美 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP11156728A priority Critical patent/JP2000348398A/ja
Publication of JP2000348398A publication Critical patent/JP2000348398A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生時に磁壁の移動を利用した超高密度の光
磁気記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 媒体表面の各トラック間に突起を有する
光磁気記録媒体の側面からイオンビームを照射して、そ
の光磁気記録媒体の磁性層の一部を一括して分断するこ
とを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生時に磁壁の移
動を利用した超高密度の光磁気記録媒体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録媒体として光
磁気ディスクが近年注目されているが、さらに光磁気デ
ィスクの記録密度を高めて大容量の記録媒体とする要求
が高まっている。光ディスクの線記録密度は、再生光学
系のレーザー波長λ及び対物レンズの開口数NAに大き
く依存し、信号再生時の空間周波数は、NA/λ程度が
検出可能な限界である。したがって、従来の光ディスク
で高密度化を実現するためには、再生光学系のレーザー
波長λを短くし、対物レンズの開口数NAを大きくする
必要がある。しかしながら、レーザー波長や対物レンズ
の開口数の改善にも限界がある。このため、記録媒体の
構成や読み取り方法を工夫して記録密度を改善する技術
がいくつか提案されている。
【0003】例えば、本発明者らは、特開平6−290
496号において、再生信号振幅を低下させることなく
光の回折限界以下の周期の信号を高速で再生可能とした
光磁気記録媒体及びその再生方式及びその再生装置を提
案している。すなわち、光磁気記録媒体の再生層に光ビ
ーム等の加熱手段によって温度分布を形成すると、磁壁
エネルギー密度に分布が生じるために、磁壁エネルギー
の低い方に磁壁を瞬時に移動させることができる。この
結果、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(すな
わち、記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振
幅となる。すなわち、線記録密度向上に伴う再生出力の
必然的な低下が大幅に改善され、さらなる高密度化が可
能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−290
496号によると、磁壁の移動は、同一トラック上で
(トラック方向に)起こる現象であり、磁性層はトラッ
ク間で互いに分断(すなわち、磁気的に分離)されてい
ることが必須となっている。このような閉じていない磁
区(分断された磁壁)を作成する方法として、特開平6
−290496号では、矩形の深溝基板を用いる方法
と、溝部分をレーザーでアニール照射して磁気的に変質
させる方法を提案しているが、矩形の深溝基板について
は、成形時の転写性に問題があり、また、アニール処理
を行なった場合には、アニールによって磁気特性が劣化
している部分(磁性層が変質している部分)の面積がレ
ーザーの温度分布に依存していることから、アニール処
理による磁性層の変質部分が所望のトラック以外にも広
がっている可能性があり、その場合、実際の情報データ
部として使える面積が狭まり、トラック密度が減少する
という問題がある。また、アニール処理は、ディスク全
面に行なうと媒体のコストアップに繋がり、媒体の量産
性を考慮した場合、問題である。
【0005】また、磁壁移動型の光磁気記録媒体に限ら
ず、高密度の光磁気記録媒体及び磁気記録媒体におい
て、トラック密度を向上させてゆくと、隣接トラック間
のクロスライトやクロスイレースの問題で、トラック間
の分断は必須の技術となってきている。しかし、現状で
は媒体の量産性を考慮したトラック間分断技術は確立さ
れていない。
【0006】本発明は、従来技術の問題点を解決し超高
密度の磁壁移動型の光磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、その表面に、各トラックを分断するために形成され
た突起を有し、磁性層を形成した後に、この突起に対し
て、イオンビームスパッタリング法を用いてイオンビー
ムを照射し、この突起の先端部をエッチングするという
方法を用いて突起先端部の磁性層を除去して磁性層を分
断した光磁気記録媒体である。ここで、突起とは、隣接
するトラック間にトラックに沿ってディスク円周方向に
形成された連続した凸部である。
【0008】また、本発明の光磁気記録媒体は、特開平
6−290496号で開示した膜構成であり、すなわ
ち、少なくとも、第1、第2、第3の磁性層が順次積層
されている光磁気記録媒体であって、第1の磁性層は、
周囲温度近傍において第3の磁性層に比べて相対的に磁
壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな磁性層(移動層か
つ再生層)であり、第2の磁性層は第1の磁性層及び第
3の磁性層よりもキュリー温度の低い磁性層(スイッチ
ング層)からなり、第3の磁性層は磁区の保存安定性に
優れた通常の磁気記録層(メモリ層)である。この場
合、磁性層の分断効果が記録再生特性に与える影響が大
きい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によると、該光磁気記録媒
体の磁性層の磁気的分断が一括で可能となる。ここで、
本発明を実現するための媒体の表面形状は、基板を従来
の製造方法(射出成形やガラス2P法等)を用いて形成
することで可能であり、また、イオンビームによるエッ
チングは従来技術であることから、本発明を実現する上
で特別困難な技術は不要である。すなわち、目的の媒体
を製造する上で、アニール処理と比較すると、コストが
大幅に低減される。また、アニール処理と比較すると、
突起の物理的なエッチング(突起上部の除去)法は、エ
ッチングする部分の面積を極めて少なく調整することが
可能であるため、有効なトラック面積を最大限確保する
ことができることから、高トラック密度化に有利であ
る。
【0010】また、本発明は、磁壁移動再生型の光磁気
記録媒体に限定されず、クロスライトやクロスイレース
の低減を目的とした高密度なあらゆる磁気記録媒体にも
適用される。
【0011】
【実施例】以下、本発明を適用した実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0012】図1は、本発明の光磁気記録媒体の一例
で、ポリカーボネート基板11は、ランド部の断面が三
角形になるような角状であり、ランド部は磁性層の分断
を目的としたガードバンド部13となっている。該ポリ
カーボネート基板11上に磁性層等の積層薄膜15を形
成した後、図2に示したように、媒体の側面からイオン
ビーム22を照射することによって、ランド部(突起2
5)の先端部26のみをエッチングする。ランド部に
は、グルーブ部(トラック幅12)と比較して、極薄の
薄膜が堆積しているが(図1、図2には示していな
い)、イオンビーム22によるエッチングで磁性層が断
続的に除去されるため(磁性層が不連続となる)、磁性
層の磁気的分断が達成される。
【0013】図3、図5は、本発明の他の実施例で、基
板形状として、イオンビームで削りたい(エッチングし
たい)部分を突起とすることによって、図1、図2で説
明した実施例と同様の効果が得られる。これらは、イオ
ンビームスパッタリング装置において、イオンビームを
突起側面から照射した場合、突起の先端が集中してエッ
チングされる現象(いわゆるバリ取り)を利用してい
る。
【0014】図8は、イオンビームスパッタリング装置
の概要図である。光磁気ディスク83は突起形成部分が
上面(基板ホルダー84側を下面とする)になるように
基板ホルダー84に固定され、基板ホルダー84はモー
ター85で定速回転している。イオン源81に対して、
光磁気ディスク83を垂直に配置し、イオンビーム82
が媒体に対してほぼ平行(ビーム入射角±10°以下、
好ましくはビーム入射角0°)に照射するようにした。
エッチング条件は、装置の種類や大きさによっても異な
るが、例えば、ビーム径100mmφのバケット型イオ
ン源を用いた場合、ビーム電圧を400eV〜1000
eV、ビーム電流を100mA〜200mAの範囲で調
整することによって、数秒間で、ディスクの突起上部か
ら、長さ20nm程度までエッチングする(削る)こと
ができる。
【0015】図7は、本発明を適用した光磁気記録媒体
の一つとして、磁壁移動再生型の光磁気記録媒体の膜構
成を示した模式的断面図である。
【0016】透明基板71上に、第1の誘電体層72、
磁性層73、第2の誘電体層74が順に積層形成されて
いる。
【0017】透明基板71としては、例えば、ガラス、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂等を用いることができる。
【0018】磁性層73は、単層であっても積層であっ
てもよく、特に限定されないが、発明者らが特開平6−
290496号で開示した第1、第2、第3の磁性層を
形成したものが適している。すなわち、第1の磁性層7
31は周囲温度近傍において第3の磁性層に比べて相対
的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな磁性層(移
動層かつ再生層)であり、第2の磁性層732は第1の
磁性層及び第3の磁性層よりもキュリー温度の低い磁性
層(スイッチング層)からなり、第3の磁性層733
は、磁区の保存安定性に優れた磁気記録層(メモリ層)
である。
【0019】各磁性層は、スパッタリングや真空蒸着等
の物理的蒸着法で連続成膜され、第1、第2、第3の磁
性層は互いに交換結合あるいは静磁結合をしている。
【0020】磁性層731としては、例えば、GdCo
系、GdFe系、GdFeCo系、TbCo系などの磁
気異方性の比較的小さな希土類−鉄族非晶質合金やガー
ネット等のバブルメモリ用の材料が好ましい。
【0021】磁性層732としては、例えば、Co系あ
るいはFe系合金磁性層で、キュリー温度が磁性層73
1及び磁性層733より小さく、飽和磁化の値が磁性層
733より小さいものが好ましい。ここで、キュリー温
度は、Co、Cr、Ti等の添加量で調整可能である。
【0022】磁性層733としては、例えば、TbFe
Co、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類−
鉄属非晶質合金や、Pt/Co、Pd/Coなどの白金
族−鉄属周期構造膜など、垂直磁気異方性が大きく、安
定に磁化状態が保持できるものが好ましい。
【0023】誘電体層72、74は特に限定されない
が、SiN、SiO2、ZnS等が好ましい。また、誘
電体層74上には必要に応じて紫外線樹脂等からなる保
護層75を形成してもよい。なお、誘電体層74と保護
層75は、媒体を保護する観点からは、突起をイオンビ
ームでエッチングした後に形成するのが好ましい。
【0024】イオンビームによって突起が削られている
ことの観察は、FE−SEM(Field Emission Scannin
g Electron Microscope)で行なった。加速電圧は10
KV、倍率は約40,000倍で観察した。また、イオ
ンビームで突起が削られた後の媒体の最終形状について
は、AFM(Atomic Force Microscopy)を用いて確認
した。
【0025】光磁気記録媒体の記録再生特性は、ナカミ
チの標準評価装置で行なった。波長は680nm、NA
0.6、最短記録マーク長0.15μm、線速1.5m
/secの条件下で評価した。
【0026】以下に具体的な実施例をもって本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1図1は本発明の光磁気記録媒体の
ディスク半径方向の模式的断面図、図7は膜の層構成を
示した模式的断面図である。図1において、ポリカーボ
ネート基板11は、グルーブ幅(トラック幅12)が
0.9μm、突起でありかつガードバンドとなっている
ランド部のランド幅13が0.3μm、ランド高さ14
が200nmのランド&グルーブ基板である。
【0028】ポリカーボネート基板11上に、以下に示
した順に積層薄膜15を形成した。積層薄膜15を図7
で説明すると、ポリカーボネート基板71上に第1の誘
電体層(干渉層)としてSiN層72を90nm形成
し、次に第1の磁性層(磁壁移動層)としてGdFeC
r層731を30nm、第2の磁性層(スイッチング
層)としてTbFeCr層732を10nm、第3の磁
性層(メモリ層)としてTbFeCoCr層733を8
0nmを順次スパッタリング形成した。
【0029】このようにして得られた光磁気記録媒体の
断面形状をFE−SEMで観察したところ、図1の模式
図に示したように、積層薄膜15がグルーブ面(トラッ
ク幅12と表示)では蒲鉾型形状であり、ランド部(突
起部)では極薄の薄膜(図1には示されていないが、膜
厚がグルーブ部の約1/5程度)になっていた。
【0030】次に、図8に示したイオンビームスパッタ
リング装置を用いて光磁気記録媒体83のエッチングを
行なった。光磁気記録媒体83は突起25形成部を上面
にして、イオンビーム82が基板上面に対して平行(ビ
ーム入射角0°)にあたるように配置した。エッチング
条件は、ビーム電圧650eV、ビーム電流100m
A、エッチング時間を30秒とした。
【0031】イオンビーム照射後の媒体の断面形状をF
E−SEMで観察したところ、突起部分(ランド部)の
みが若干削られていた。このことは、図2に示したよう
に、突起部25の先端部分26のみがイオンビーム22
で削られた結果である。AFMでイオンビームエッチン
グ後の突起高さを測定したところ、約150nmであっ
た。すなわち、イオンビームにより約50nmエッチン
グされたことになる。続いて、第2の誘電体層(保護
層)としてSiN層74を50nmスパッタ形成し、保
護層75として紫外線硬化樹脂を10μm塗布形成し
た。
【0032】このようにして得られた光磁気ディスクを
汎用の光ディスクの評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をデータトラック部12(グルーブ面)
に記録した。ランド部のアニール処理は行なっていな
い。
【0033】このようにして得られた光磁気ディスク
を、発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を
利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−2904
96参照)』を用いて再生したところ、波長680n
m、NA 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)に
おいて、C/N 39.5dB、ジッター 6.0nse
cが再現性よく得られた。エラーレートは実用上全く問
題の無いレベルであった。
【0034】以上の結果より、イオンビームによる媒体
突起部の一括エッチング工程を用いることによって、光
磁気ディスクの磁性層の分断を一括に行なうことが可能
となった。また、本発明で得られた磁壁移動型の光磁気
記録媒体は、アニール処理を施した磁壁移動型の光磁気
記録媒体と同等の記録再生特性であることが確認された
ことから、本発明により、量産性のある高密度な光磁気
記録媒体の提供が可能となった。
【0035】比較例1 実施例1において、イオンビームによるエッチング工程
を行なわなかったほかは実施例1と同じ基板と工程を用
いて光磁気記録媒体を作成した。イオンビームによるエ
ッチングを行なっていないので、ランド高さ14は20
0nmのままであった。
【0036】このようにして得られた光磁気ディスク
を、実施例1と同じ評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をデータトラック部12(グルーブ面)
に記録した。実施例1と同様、ランド面のアニール処理
は行なっていない。
【0037】このようにして得られた記録トラックを、
発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を利用
した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−290496
参照)』を用いて再生したところ、波長680nm、N
A 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)におい
て、C/N 37.5dB、ジッター 8.5nsecで
あった。エラーレートは実施例1と比較すると約50倍
以上劣化し、実用上問題であった。
【0038】以上の結果より、本比較例の媒体は、図1
の媒体断面図で示すと、突起部(ランド部)先端のエッ
チングを行なわなかったために、磁性層の分断が不十分
であったことからC/Nとジッターが低下した、すなわ
ち、磁壁の移動現象が得られにくくなったと推測され
る。
【0039】実施例2 図3に示した形状の基板を用意した。すなわち、図3に
おいて、ポリカーボネート基板31は、ランド幅38が
0.7μm、グルーブ幅32が0.7μm、突起であり
かつガードバンド部となっているガードバンドの幅33
が0.1μm、突起高さ37が400nm、ランド高さ
が150nmのランド&グルーブ基板である。
【0040】この基板を用いて、実施例1と同様に第3
の磁性層まで形成して、FE−SEMでその断面構造を
観察したところ、図3の模式図で示したように、積層薄
膜35はランド面38及びグルーブ面32のいずれにお
いても蒲鉾型形状であり、ガードバンド部33(突起
部)では極薄の薄膜(図3には示されていないが、膜厚
がランドあるいはグルーブ部の約1/5程度)になって
いた。
【0041】次に、図8に示したイオンビームスパッタ
リング装置を用いて、実施例1と同様に突起部37のエ
ッチングを行なった。エッチング条件も、実施例1と同
様にした。イオンビーム照射後の媒体の断面形状をFE
−SEMで観察したところ、突起部分(ランド部)のみ
が若干削られていた。このことは、図4に示したよう
に、突起部45の先端部分46のみがイオンビーム42
で削られた結果である。AFMでイオンビームエッチン
グ後の突起高さ37を測定したところ、約350nmで
あった。すなわち、イオンビームにより約50nmエッ
チングされたことになる。続いて、第2の誘電体層(保
護層)と保護層を実施例1と同様に形成した。
【0042】このようにして得られた光磁気ディスクを
汎用の光ディスクの評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をランド部38に記録した。なお、隣接
するグルーブ部には信号を記録していない。また、ガー
ドバンド部のアニール処理は行なっていない。
【0043】このようにして得られた光磁気ディスク
を、発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を
利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−2904
96参照)』を用いて再生したところ、波長680n
m、NA 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)に
おいて、C/N 39.0dB、ジッター 6.3nse
cが再現性よく得られた。エラーレートは実用上全く問
題の無いレベルであった。また、グルーブ部でもランド
部と同様に記録/再生実験を行なったところ、ランド部
とほぼ同等の特性が得られた。
【0044】以上の結果より、イオンビームによる媒体
突起部の一括エッチング工程を用いることによって、光
磁気ディスクの磁性層の分断を一括に行なうことが可能
となった。また、本発明で得られた磁壁移動型の光磁気
記録媒体は、アニール処理を施した磁壁移動型の光磁気
記録媒体と同等の記録再生特性であることが確認された
ことから、本発明により、量産性のある高密度な光磁気
記録媒体の提供が可能となった。
【0045】比較例2 実施例2において、イオンビームによるエッチング工程
を行なわなかったほかは実施例2と同じ基板と工程を用
いて光磁気記録媒体を作成した。イオンビームによるエ
ッチングを行なっていないので、突起高さ37は400
nmのままであった。
【0046】このようにして得られた光磁気ディスク
を、実施例2と同じ評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をランド面38に記録した。実施例2と
同様、隣接するグルーブ部には信号を記録していない。
また、ガードバンド部のアニール処理は行なっていな
い。
【0047】このようにして得られた記録トラックを、
発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を利用
した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−290496
参照)』を用いて再生したところ、波長680nm、N
A 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)におい
て、C/N 37.0dB、ジッター 9.0nsecで
あった。また、エラーレートは実施例1と比較すると約
40倍以上劣化し、実用上問題であった。一方、グルー
ブ面にもランド面と同様に記録/再生実験を行なったと
ころ、C/N 38.5dB、ジッター 7.0nsec
が得られ、エラーレートは実用上問題のないレベルであ
った。
【0048】以上の結果より、本比較例の媒体は、図3
の媒体断面図で示すと、突起部(ガードバンド部)先端
のエッチングを行なわなかったために、磁性層の分断が
不十分であったことから、特にランド部でのC/Nとジ
ッターが低下した、すなわち、磁壁の移動現象が得られ
にくくなったと推測される。
【0049】実施例3 図5に示したような断面形状を持つ基盤を用いて光磁気
ディスクを作成した。すなわち、図5において、ポリカ
ーボネート基板51は、ランド幅53が0.6μm、グ
ルーブ幅52が0.6μm、テーパ幅58が0.1μ
m、突起高さ57が40nm、溝深さが150nmのラ
ンド&グルーブ基板である。
【0050】この基板を用いて、実施例1と同様に第3
の磁性層まで形成して、FE−SEMでその断面構造を
観察したところ、図5の模式図で示したように、積層薄
膜35は、グルーブ面52では蒲鉾型形状であり、ラン
ド面53では突起が形成されているトラック両端で盛り
上がった形の蒲鉾型形状であった。テーパ部58では極
薄の薄膜(図5には示されていないが、膜厚がランドあ
るいはグルーブ部の約1/5程度)になっていた。
【0051】次に、図8に示したイオンビームスパッタ
リング装置を用いて、実施例1と同様に突起部57のエ
ッチングを行なった。エッチング条件は、ビーム電圧6
50eV、ビーム電流100mA、エッチング時間を1
5秒とした。
【0052】イオンビーム照射後の媒体の断面形状をF
E−SEMで観察したところ、突起部分(ランド部)の
みが若干削られていた。このことは、図6に示したよう
に、突起部65の先端部分66のみがイオンビーム62
で削られた結果である。AFMでイオンビームエッチン
グ前後の(溝深さ54+突起高さ57+積層薄膜55の
膜厚)を測定したところ、イオンビーム前が約390n
m、イオンビーム後が約365nmであった。すなわ
ち、イオンビームにより約25nmエッチングされたこ
とになる。続いて、第2の誘電体層(保護層)と保護層
を実施例1と同様に形成した。
【0053】このようにして得られた光磁気ディスクを
汎用の光ディスクの評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をランド部38に記録した。なお、隣接
するグルーブ部には信号を記録していない。また、ガー
ドバンド部のアニール処理は行なっていない。
【0054】このようにして得られた光磁気ディスク
を、発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を
利用した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−2904
96参照)』を用いて再生したところ、波長680n
m、NA 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)に
おいて、C/N 38.8dB、ジッター 6.5nse
cが再現性よく得られた。エラーレートは実用上全く問
題の無いレベルであった。また、グルーブ部でもランド
部と同様に記録/再生実験を行なったところ、ランド部
とほぼ同等の特性が得られた。
【0055】以上の結果より、イオンビームによる媒体
突起部の一括エッチング工程を用いることによって、光
磁気ディスクの磁性層の分断を一括に行なうことが可能
となった。また、本発明で得られた磁壁移動型の光磁気
記録媒体は、アニール処理を施した磁壁移動型の光磁気
記録媒体と同等の記録再生特性であることが確認された
ことから、本発明により、量産性のある高密度な光磁気
記録媒体の提供が可能となった。
【0056】比較例3 実施例3において、イオンビームによるエッチング工程
を行なわなかったほかは実施例3と同じ基板と工程を用
いて光磁気記録媒体を作成した。イオンビームによるエ
ッチングを行なっていないので、(溝深さ54+突起高
さ57+積層薄膜55の膜厚)は390nmのままであ
った。
【0057】このようにして得られた光磁気ディスク
を、実施例3と同じ評価装置にかけ、通常の磁界変調方
式で、マーク長0.10μm(線速1.5m/sec)
の繰り返し信号をランド面38に記録した。実施例3と
同様、隣接するグルーブ部には信号を記録していない。
また、テーパ部(ガードハンド部)のアニール処理は行
なっていない。
【0058】このようにして得られた記録トラックを、
発明者らが既に提案している『磁性層の温度勾配を利用
した磁壁移動型拡大再生方法(特開平6−290496
参照)』を用いて再生したところ、波長680nm、N
A 0.6の光学系(相対速度1.5m/s)におい
て、C/N 36.5dB、ジッター 9.5nsecで
あった。また、エラーレートは、実施例3と比較すると
約50倍以上劣化し、実用上問題であった。一方、グル
ーブ面にもランド面と同様に記録/再生実験を行なった
ところ、C/N 38.0dB、ジッター 7.5nse
cが得られ、エラーレートは実用上問題のないレベルで
あった。
【0059】以上の結果より、本比較例の媒体は、図5
の媒体断面図で示すと、突起部先端66のエッチングを
行なわなかったために、磁性層の分断が不十分であった
ことから、特にランド部でのC/Nとジッターが低下し
た、すなわち、磁壁の移動現象が得られにくくなったと
推測される。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気記
録媒体とその製造方法によれば、トラック間の磁気的分
断を一括で行なうことが可能となり、高密度な記録媒体
(例えば、特開平6−290496で開示した磁壁移動
型の光磁気記録媒体)を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の一例(実施例1)の
媒体断面の模式図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体(実施例1)がイオン
ビームでエッチングされている様子を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の一例(実施例2)の
媒体断面の模式図である。
【図4】本発明の光磁気記録媒体(実施例2)がイオン
ビームでエッチングされている様子を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の光磁気記録媒体の一例(実施例3)の
媒体断面の模式図である。
【図6】本発明の光磁気記録媒体(実施例3)がイオン
ビームでエッチングされている様子を示す模式図であ
る。
【図7】本発明の光磁気記録媒体の媒体断面構成図であ
る。
【図8】本発明の光磁気記録媒体の一例(実施例3)の
表面突起部をエッチングするイオンビームスパッタリン
グ装置の概要図である。
【符号の説明】
11、24、31、44、51、64 ポリカーボネ
ート基板 12 トラック幅 13、33 ガードバンド幅 14 ランド高さ 15、35、55 積層薄膜 16、23、36、43、56、83 光磁気ディス
ク 21、41、61、81 イオン源 22、42、62、82 イオンビーム 25、45、65 突起 26、46、66 イオンビームで削られる部分 32、52 グルーブ幅 38、53 ランド幅 34 ランド高さ 37 突起高さ 54 溝深さ 57 突起高さ 58 テーパ幅 71 透明基板 73 磁性層 731 第1の磁性層(再生層) 732 第2の磁性層(スイッチング層) 733 第3の磁性層(メモリ層) 72、74 誘電体層 75 保護層(紫外線硬化樹脂) 86 シャッター 84 基板ホルダー 85 モーター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体表面の各トラック間に突起を有する
    光磁気記録媒体において、該突起の一部が一括で削られ
    てなることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光磁気記録媒体が少なくとも、第
    1、第2、第3の磁性層が順次積層されている光磁気記
    録媒体であって、該第1の磁性層は、周囲温度近傍の温
    度において該第3の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力
    が小さく磁壁移動度の大きな磁性層からなり、該第2の
    磁性層は、該第1の磁性層及び該第3の磁性層よりキュ
    リー温度の低い磁性層からなり、該第3の磁性層は垂直
    磁化膜であることを特徴とする請求項1に記載の光磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 媒体表面の各トラック間に突起を有する
    光磁気記録媒体の製造方法において、該光磁気記録媒体
    の側面からイオンビームを照射して、該光磁気記録媒体
    の磁性層の一部を一括で分断することを特徴とする光磁
    気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光磁気記録媒体が少なくとも、第
    1、第2、第3の磁性層が順次積層されている光磁気記
    録媒体であって、該第1の磁性層は、周囲温度近傍の温
    度において該第3の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力
    が小さく磁壁移動度の大きな磁性層からなり、該第2の
    磁性層は、該第1の磁性層及び該第3の磁性層よりキュ
    リー温度の低い磁性層からなり、該第3の磁性層は垂直
    磁化膜であることを特徴とする請求項3に記載の製造方
    法。
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