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JP2000336215A - 架橋性難燃性樹脂組成物 - Google Patents

架橋性難燃性樹脂組成物

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Publication number
JP2000336215A
JP2000336215A JP11145707A JP14570799A JP2000336215A JP 2000336215 A JP2000336215 A JP 2000336215A JP 11145707 A JP11145707 A JP 11145707A JP 14570799 A JP14570799 A JP 14570799A JP 2000336215 A JP2000336215 A JP 2000336215A
Authority
JP
Japan
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resin composition
flame
crosslinking
crosslinkable
treated
Prior art date
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Pending
Application number
JP11145707A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Hirotaka Sawada
広隆 沢田
Akira Yoshino
明 吉野
Masaki Hasegawa
正毅 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】PVCと同程度の難燃性を有するとともに、耐
熱性および強度に優れており、燃焼時に有害物質を発生
しない成形物が得られる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリオレフィン系樹脂に、表面処理された
水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニウ
ム、シリコーンパウダー、および架橋促進剤、または有
機シラン化合物、有機過酸化物および触媒を添加して架
橋性難燃性樹脂組成物を得、この架橋性難燃性樹脂組成
物を成形してなる成形物に電子線架橋またはシラン架橋
を施して架橋成形物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線・ケーブルの
絶縁体、シースなどに好適に用いられるノンハロゲン系
の架橋性難燃性樹脂組成物と、この樹脂組成物から架橋
成形物を製造する方法と、この製法によって得られた架
橋成形物に関し、特にポリ塩化ビニル(PVC)と同等
の良好な難燃性を有するとともに、耐熱性および機械特
性に優れており、燃焼時に有害物質を発生しない成形物
が得られるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】PVC組成物は電気絶縁性が良く、自消
性の難燃性を有していることから、電線被覆、チュー
ブ、テープ、包装材、建材等に広く使用されている。と
ころでPVC組成物はハロゲンである塩素(Cl)を含
んでいるため、燃焼時にHCl等の腐食性ガスやダイオ
キシン等の有毒ガスを発生する。このため各種のPVC
製品が廃棄物となった場合に、これらを焼却処分できな
い問題があった。そこで現状では埋立処分がなされてい
るが、PVC組成物には添加剤としてPb系の安定剤が
用いられていることから、これが土壌等に溶出する問題
もあり、産業廃棄物として処理が困難になってきてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、PVC
に代わる樹脂組成物として、ハロゲンを含まないポリエ
チレン(PE)やポリプロピレン(PP)を用いれば、
燃焼時に有害ガスが発生しないので焼却処分が可能であ
るが、これらのハロゲンを含まない樹脂組成物はPVC
に比べて難燃性が劣るという欠点があった。例えば、樹
脂組成物の難燃性の評価尺度である酸素指数(OI)を
比較すると、PVCのOIが23〜40であるのに対し
て、PEおよびPPのOIは17〜19程度と劣ってい
ることがわかる。
【0004】そこで、PEやPPといったハロゲンを含
まない樹脂組成物に難燃性を付与するために、通常、こ
れらにMg(OH)2などの金属水酸化物を添加するこ
とが行われている。しかしながら、金属水酸化物だけで
は所望の高難燃性が得られなかったり、所望の高難燃性
を得るために多量の金属水酸化物を添加するため機械特
性等の諸特性が著しく劣化する場合があった。またハロ
ゲンを含まない難燃性の樹脂組成物を用いて電線・ケー
ブルの絶縁体やシースなどを成形する場合には、成形物
の耐熱性や機械特性も要求され、難燃性を有するととも
にこれらの要求をも満たすことができるような樹脂組成
物の開発が望まれていた。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、PVCと同程度の難燃性を有するとともに、耐熱性
および機械特性に優れており、燃焼時に有害物質を発生
しない成形物が得られる樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の架橋性難燃性樹脂組成物は、ポリオレフィン
系樹脂に、表面処理された水酸化マグネシウム、表面処
理された水酸化アルミニウム、シリコーンパウダー、お
よび架橋促進剤を添加してなることを特徴とする。この
架橋性難燃性樹脂組成物を成形し、その成形物に電子線
を照射して架橋させることによって架橋成形物を製造す
る。あるいは本発明の架橋性難燃性樹脂組成物は、ポリ
オレフィン系樹脂に、表面処理された水酸化マグネシウ
ム、表面処理された水酸化アルミニウム、シリコーンパ
ウダー、有機シラン化合物、有機過酸化物、および触媒
を添加してなることを特徴とする。この架橋性難燃性樹
脂組成物を成形し、その成形物を水と接触させて架橋さ
せることによって架橋成形物を製造する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例
えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密
度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)
や、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重
合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合
体(EBA)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、
およびオレフィン系共重合体等を挙げることができる。
またこれらのポリオレフィン樹脂の重合時または重合後
に、無水マレイン酸やアクリル酸等の不飽和カルボン
酸、あるいはこれらの誘導体を反応させて、変性させた
酸変性ポリオレフィンも使用できる。これらの樹脂は1
種単独で用いてもよく、あるいは2種以上をブレンドし
て用いてもよい。特にエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)およびエチレン−エチルアクリレート共重合
体(EEA)は、樹脂自体の難燃性が比較的高いので好
ましく、またエチレン−プロピレンゴム(EPR)は電
線に可撓性を付与するので好ましい。これらはそれぞれ
単独で、あるいは他の樹脂と適宜混合して用いることが
できる。例えばEVAとEPRを混合して用いる場合は
EVAが80〜30(重量%)でEPRが20〜70
(重量%)とするのが好ましい。またEVA、EEAを
用いる場合は、特にエチレンとの共重合に用いられる共
単量体(VA、EA)の含有量が14〜45重量%のも
のが好適である。共単量体の含有量がこれより少ないと
難燃性が劣り、これより多いとベタつき(接着性)によ
りペレットどうしがくっつき、押出時の作業性が悪くな
るので好ましくない。
【0008】本発明では難燃剤として、表面処理された
水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニウ
ム、およびシリコーンパウダーが併用される。水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物は、
燃焼時に酸化物と水蒸気に分解して難燃性を発現する。
そしてこれらの金属水酸化物は表面処理が施されてお
り、樹脂との親和性や熱分解特性が改善されている。表
面処理がなされていないと、金属水酸化物と樹脂との親
和性が悪い場合があり、樹脂組成物中に金属水酸化物が
均一に分散されずに、金属水酸化物による難燃性が十分
に発現されなかったり、架橋性難燃性樹脂組成物を成
形、架橋して得られる架橋成形物における機械的強度が
損なわれるおそれがある。金属水酸化物の表面処理剤と
してはモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等
のモリブデン酸化物、二硫化モリブデン等のモリブデン
硫化物、ジモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カ
ルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カリウム、
モリブデン酸ナトリウムなどのモリブデン酸塩、あるい
はステアリン酸などの高級脂肪酸や、シランカップリン
グ剤等を好ましく用いることができる。シリコーンパウ
ダーは粉末状のオルガノポリシロキサンポリマーで、メ
チル基、フェニル基を有する。シリコーンパウダーは燃
焼による高温によって、殻状の断熱層を形成する。また
シリコーンパウダーは粉体であるので、他の粉体材料に
予め分散させておくことができるなど、良好な分散性が
得られるという利点を有する。
【0009】これらの難燃剤の好ましい添加量は、オレ
フィン系樹脂100重量部に対して表面処理された水酸
化マグネシウムを10重量部以上300重量部以下、特
に好ましくは100重量部以上250重量部以下、表面
処理された水酸化アルミニウムを5重量部以上100重
量部以下、特に好ましくは5重量部以上50重量部以
下、シリコーンパウダーを3重量部以上50重量部以
下、特に好ましくは5重量部以上40重量部以下であ
る。各難燃剤の添加量が少なすぎると好ましい難燃性が
得られない。また金属水酸化物の添加量が多すぎると引
張強度や伸びに代表される機械特性などの諸特性が大き
く劣化するので好ましくなく、シリコーンパウダーの添
加量を上記の範囲より多く添加しても原材料費が増大す
るだけで難燃性の向上はあまり望めない。
【0010】また本発明の架橋性難燃性樹脂組成物に
は、架橋方法に応じて架橋に寄与する添加剤が添加され
る。すなわち架橋性難燃性樹脂組成物に電子線を照射す
る方法で架橋させる場合には架橋促進剤が添加され、架
橋性難燃性樹脂組成物をシラン架橋させる場合には、有
機シラン化合物、有機過酸化物、および触媒が添加され
る。架橋促進剤としては、トリメチルプロパン(TM
P)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチン
グリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等を好ましく用いるこ
とができる。架橋促進剤の添加量は多すぎると架橋過多
による樹脂の劣化が生じ、少なすぎると架橋不足により
機械特性等の特性が低下するので、好ましくは樹脂10
0重量部に対して1〜7重量部、より好ましくは3〜5
重量部である。有機シラン化合物としては、例えばメト
キシ基、エトキシ基などのアルコキシ基等、加水分解可
能な置換基を1個以上有し、かつビニル基、アミノ基、
エポキシ基、クロロ基などの反応性基を1個以上有する
有機シラン化合物が用いられる。具体的には、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙
げられ、一般にシランカップリング剤として市販されて
いるものが用いられる。有機シラン化合物の添加量は多
すぎると電線製造中にスコーチが発生し、少なすぎると
架橋不足により機械特性等の特性が低下するので、好ま
しくは樹脂100重量部に対して1〜3重量部、より好
ましくは1.5〜2.3重量部である。有機過酸化物と
しては、例えばジクミルパーオキサイド(DCP)、ベ
ンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル
などが使用される。有機過酸化物の添加量は多すぎると
電線製造中にスコーチが発生し、少なすぎるとグラフト
反応が進行しないので、好ましくは樹脂100重量部に
対して0.03〜0.15重量部、より好ましくは0.
05〜0.12重量部である。シラン架橋における触媒
としては、ジブチル錫ラウリン酸などの従来から架橋触
媒として知られている有機錫化合物が用いられる。触媒
の添加量は多くしても架橋反応がより進行するわけでは
なく、少なすぎると架橋反応が著しく遅くなるいので、
好ましくは樹脂100重量部に対して0.05〜0.3
重量部、より好ましくは0.1〜0.2重量部である。
【0011】さらに酸化劣化防止剤を添加することが好
ましい。酸化劣化防止剤としては特に限定されないが、
例えばフェノール系、アミン系のもの等を好ましく用い
ることができる。酸化劣化防止剤の添加量は少なすぎる
と添加効果が得られず、多すぎるとブルーミングやブリ
ード・アウトが生じることがあるので、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して0.1重量部以上2.0重
量部以下が好ましい。また、上記の配合剤以外にも、紫
外線吸収剤、銅害防止剤、顔料、染料その他の着色剤、
少量のタルクなどの無機物微粉末など、用途に応じて適
宜の添加剤を配合することができるが、添加剤はハロゲ
ンや、特に鉛(Pb)を含まないものを選択することが
好ましい。
【0012】本発明の架橋性難燃性樹脂組成物は、ポリ
オレフィン系樹脂に、少なくとも表面処理された水酸化
マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニウム、シ
リコーンパウダー、および架橋促進剤が添加されたもの
である。本発明では、この架橋性難燃性樹脂組成物を成
形して成形物とし、この成形物に電子線を照射する方法
で架橋させて架橋生成物を得る。電子線の照射は周知の
手法により行うことができ、機械的強度や耐熱性などの
所望の特性が得られるように電子線の照射量を制御す
る。
【0013】あるいは本発明の架橋性難燃性樹脂組成物
は、ポリオレフィン系樹脂に、少なくとも表面処理され
た水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニ
ウム、シリコーンパウダー、有機シラン化合物、有機過
酸化物、および触媒が添加され混合されたものである。
本発明では、この架橋性難燃性樹脂組成物を成形して成
形物とし、得られた成形物と水とを接触させる方法でシ
ラン架橋させて架橋成形物を得る。シラン架橋は周知の
方法を用いて行うことができる。例えば1ステップ押出
法では、予め液体である有機シラン化合物に有機過酸化
物を溶解させておく。そして、ポリオレフィン系樹脂に
難燃剤、触媒、およびその他の配合剤を加えて押出機等
で混練、押出成形する際に、押出機のスクリュー、また
はシリンダーなど適宜の位置で、先に用意しておいた有
機シラン化合物および有機過酸化物の混合物を加え、得
られた成形物を水と接触させることによって架橋させ
る。成形物を水と接触させる方法は、成形物を大気中に
放置する、温水などの水中に浸漬させる、あるいは水蒸
気中に暴露するなどの方法を用いることができる。また
2ステップ押出法では、ポリオレフィン系樹脂に有機シ
ラン化合物を加えて混合したものと、それ以外の配合剤
を混合したものとをそれぞれ用意しておき、両者を押出
機等で混練し、続いて成形して得られた成形物を水と接
触させることにより架橋させる。シラン架橋において、
機械的強度や耐熱性など要求される特性を制御するため
には有機シラン化合物、有機過酸化物、および触媒の添
加量を調整すればよい。シラン架橋は、電子線架橋に比
べて大規模な装置が不要であるという利点がある。
【0014】本発明における架橋成形物の形態は特に限
定されないが、例えば絶縁電線、電子機器配線用電線、
自動車用電線、機器用電線、電源コード、屋外配電用絶
縁電線、電力用ケーブル、制御用ケーブル、通信用ケー
ブル、計装用ケーブル、信号用ケーブル、移動用ケーブ
ル、および船用ケーブルなどの各種電線・ケーブルの絶
縁層、シース、テープ類、および介在物、ならびにケー
ス、プラグ、およびテープなどの電線・ケーブル用付属
部品(具体的には収縮チューブ、ゴムストレスリリーフ
コーン等)、電線管、配線ダクト、およびバスダクトな
どの電材製品などの他、農業用シート、水道用ホース、
ガス管被覆材、建築内装材、家具材料、玩具材料および
フロア材などに好適である。
【0015】本発明の架橋性難燃性樹脂組成物には、表
面処理された水酸化マグネシウムおよび表面処理された
水酸化アルミニウムが含まれているので、この架橋性難
燃性樹脂組成物を用いて製造された架橋成形物が燃焼す
ると、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムが
酸化物と水蒸気に分解することによって温度を下げると
ともに、発生する水蒸気によって燃焼している部分への
酸素の供給を抑える。また燃焼した部分に酸化物が付着
することによって新たな樹脂面へ炎が広がらないように
することができる。またこれらの作用に加えて、シリコ
ーンパウダーが殻状の断熱層を形成するとともに、その
殻の中に発生した水蒸気(水)を閉じこめて難燃性を高
める作用を生ずるので、高い難燃性が得られる。例えば
本発明の架橋性難燃性樹脂組成物を電線、ケーブルまた
はその類似品の被覆材料として用いたときに、電気用品
取締法またはUL規格に制定されている燃焼試験に合格
することができる。また本発明では、架橋性難燃性樹脂
組成物を成形してなる成形物に架橋が施されるので、耐
熱性や機械的強度が向上される。さらに、添加される金
属水酸化物は表面処理が施されているので、樹脂中での
分散性が良く、分散不良による難燃性の低下および機械
的強度の劣化が防止され、良好な難燃性と機械的強度が
得られる。
【0016】したがって本発明によれば、PVCと同等
の自消性の難燃性を有する樹脂組成物が得られ、これを
用いて製造した架橋成形物は火災時に燃え難く、発煙量
も少ない。またハロゲンを含まないので、燃焼時にダイ
オキシンやハロゲンガス等の有毒ガスを発生しないの
で、焼却処分することができ、火災時にも有毒ガスを発
生しない。しかも本発明の架橋成形物は耐熱性や機械的
強度が良好であり、きわめて実用性が高い。またシリコ
ーンパウダーを添加することにより、樹脂の耐候性を向
上させることができる。従来より樹脂の耐候性を向上さ
せるためにカーボンブラックを添加することが広く知ら
れているが、カーボンブラックを添加すると樹脂組成物
が黒く着色されてしまうので、他の色調に着色すること
が難しくなる。これに対してシリコーンパウダーを添加
すれば、耐候性を向上できるとともに、樹脂が濃色にな
ることがないので着色性が良好な樹脂組成物が得られ
る。
【0017】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。本発明の実施例および比較例として、
下記表1および表2に示す配合割合(単位:重量部)で
各種成分を配合し、混練機で混練して架橋性難燃性樹脂
組成物を得た。燃焼試験を行うために、2mm2の導体
上に混練後の架橋性難燃性樹脂組成物を押出被覆して厚
さ0.8mmの絶縁層を形成して絶縁電線を製造した。
実施例1,2,4,5,7,8および比較例1〜5にお
いては、被覆後に電子線を照射して絶縁層を電子線架橋
させた。電子線の照射量はいずれも5〜20Mradと
した。また実施例3,6,9,10,11,12におい
ては被覆後に75℃の温水中に24時間浸漬して絶縁層
をシラン架橋させた。なおシラン架橋を行う場合には1
ステップ押出法、または2ステップ押出法のいずれを用
いてもよい。燃焼試験は得られた絶縁電線を用いて、電
気取締法燃焼試験に制定される60゜傾斜 燃焼試験、
およびUL規格VW−1に制定される垂直燃焼試験にそ
れぞれ準じて行った。その合否を表に示す。また同じ組
成、同じ架橋条件で得られる架橋成形物についてJIS
K7201の試験法に準処する酸素指数(OI)、J
IS K6760に記載されている方法に準処する引張
強度、および伸びを測定した。その結果を表に示す。樹
脂組成物を電線の絶縁層に用いる場合、引張強度は0.
4kgf/mm2以上であれば良好とされる。また伸び
については250%以上あれば良好である。なお比較例
1〜5では燃焼試験がいずれも不合格であり、引張強度
および伸びの測定は行わなかった。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】尚、上記実施例および比較例において各樹
脂および配合剤としてはそれぞれ次のものを用いた。 EVA*1:メルトフローレート(以下、MFRと記
す)2.5、酢酸ビニル含有量28%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体 EVA*2:MFR=2.5、酢酸ビニル含有量45%
のエチレン−酢酸ビニル共重合体 EEA*3:MFR=0.5、エチルアクリレート含有
量14%のエチレン−エチルアクリレート共重合体 EPR*4:ムーニー粘度ML1+4(100℃)=4
0、エチレン量70mol%、プロピレン量30mol%のエ
チレン−プロピレンゴム 表面処理水酸化マグネシウム*5:ステアリン酸表面処
理水酸化マグネシウムシリコーンパウダー*6:東レ・
ダウコーニング・シリコーン社製 DC4−7081 表面処理水酸化アルミニウム*7:表面にモリブデン酸
アンモニウムのコーティングを施した水酸化アルミニウ
ム 酸化劣化防止剤*8:チバガイギー社製、Irganox1010 TMP*9:トリメチロールプロパン・トリメタクリレ
ート 銅害防止剤*10:アデカ・アーデス社製、MarkCD−1 VTMOS*11:ビニルメトキシシラン DCP*12:ジクミルパーオキサイド 触媒*13:ジブチル錫ラウリン酸
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
VCと同等の難燃性を有し、かつハロゲンを含まないの
で燃焼時に有害物質を発生せず焼却処分が可能であると
ともに、機械的強度や耐熱性が良好な架橋成形物を製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83:02) (72)発明者 吉野 明 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 長谷川 正毅 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 4J002 BB02W BB03W BB06W BB07W BB11W BB12W BB15W BB16W BB19W BB21W CP03X DE076 DE146 EA017 EH077 EK039 EK049 ET009 EU197 EX006 EX018 EX038 EZ049 FB07X FB076 FB23X FB236 GA00 GL00 GQ00 GQ01 5G303 AA06 AA10 AB12 AB20 BA12 CA01 CA09 CB01 CB17 5G305 AA02 AA14 AB15 AB24 AB25 AB35 BA15 BA24 CA01 CA26 CA54 CB26 CC03 CD05 CD06 CD07 CD13 DA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂に、表面処理され
    た水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニ
    ウム、シリコーンパウダー、および架橋促進剤を添加し
    てなることを特徴とする架橋性難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂に、表面処理され
    た水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニ
    ウム、シリコーンパウダー、および架橋促進剤が添加さ
    れた架橋性難燃性樹脂組成物からなる成形物に電子線を
    照射して架橋せしめてなることを特徴とする架橋成形
    物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂に、表面処理され
    た水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニ
    ウム、シリコーンパウダー、有機シラン化合物、有機過
    酸化物、および触媒を添加してなることを特徴とする架
    橋性難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂に、表面処理され
    た水酸化マグネシウム、表面処理された水酸化アルミニ
    ウム、シリコーンパウダー、有機シラン化合物、有機過
    酸化物、および触媒が添加された架橋性難燃性樹脂組成
    物からなる成形物を水と接触させて架橋せしめてなるこ
    とを特徴とする架橋成形物。
JP11145707A 1999-05-25 1999-05-25 架橋性難燃性樹脂組成物 Pending JP2000336215A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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