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JP2000289496A - 無段変速機を備えた車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両の制御装置

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Publication number
JP2000289496A
JP2000289496A JP11120081A JP12008199A JP2000289496A JP 2000289496 A JP2000289496 A JP 2000289496A JP 11120081 A JP11120081 A JP 11120081A JP 12008199 A JP12008199 A JP 12008199A JP 2000289496 A JP2000289496 A JP 2000289496A
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speed
target
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continuously variable
vehicle
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JP11120081A
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Yasushi Ito
泰志 伊藤
Hirobumi Kubota
博文 久保田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JP2000289496A publication Critical patent/JP2000289496A/ja
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Publication of JP3890811B2 publication Critical patent/JP3890811B2/ja
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機を備えた車両のドライバビリティ
を向上させる。 【解決手段】 出力要求量と車速とに基づいて目標駆動
力を求める手段(ステップ1)と、その目標駆動力を達
成するための動力源の目標出力を求める手段(ステップ
2)と、その目標出力に対して予め設定された目標出力
回転数を求める手段(ステップ3)と、動力源の実際の
出力回転数がその目標出力回転数となるように無段変速
機の変速比を制御する手段(ステップ4)とを有する無
段変速機を備えた車両の制御装置において、前記目標出
力と前記動力源の現在の出力回転数とに基づいて前記動
力源の目標出力トルクを求める手段(ステップ5)と、
その目標出力トルクとなるように前記動力源を制御する
手段(ステップ6)とを更に具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変速比を連続的
に変更することのできる無段変速機を備えた車両の制御
装置に関し、特に駆動力の要求に応じて動力源および変
速比を共に制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、車両用の変速機として無段変
速機が採用されるようになってきている。この種の無段
変速機は、ベルトを巻き掛けた入力側のプーリと出力側
のプーリとの溝幅すなわちベルトの巻き掛け半径を変更
することにより、変速比を連続的に変更するように構成
され、あるいはそれぞれトロイダル面を備えた入力側の
ディスクと出力側のディスクとの間に挟み込んだパワー
ローラを傾斜させて、各ディスクに対するパワーローラ
の接触位置の半径を変更することにより、変速比を連続
的に変更するように構成されている。そしてその変速比
は、例えば運転者の出力要求を表しているアクセルペダ
ルの踏み込み角度(アクセル開度)信号や車速を一定車
速に維持するクルーズコントロールからの出力要求信号
と車速となどによって判断される車両の走行状態に基づ
いて制御される。
【0003】無段変速機によれば変速比を連続的に変化
させることができ、またエンジンなどの動力源の出力も
連続的に変化するので、無段変速機の特性を有効に利用
して効率の良い運転をおこなうように構成された制御装
置が、特公平3−72867号公報に記載されている。
この公報に記載された装置は、アクセルペダル踏み込み
量および車速から目標駆動力を求め、その目標駆動力に
対応する目標エンジン出力および目標スロットル開度、
目標エンジン回転数をそれぞれ求め、さらに目標エンジ
ン回転数と車速とに基づいて目標変速比を求めるように
構成されている。そしてこの公報に記載された装置で
は、前記の目標エンジン出力および目標変速比を、最適
燃費曲線に基づいて決定することとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって上記の従来
の制御装置によれば、例えばアクセルペダルが踏み込ま
れると、そのアクセルペダル踏み込み量と車速とに基づ
いて目標駆動力および目標車速が求まるが、現在の時点
での運転状態からその目標とする運転状態への変化は、
最良燃費曲線に沿った変化となる。そのため、上記従来
の装置では、アクセルペダルが踏み込まれるなどの加速
要求があっても、燃料の供給量を一時的に増大させた
り、エンジン回転数を一時的に高くするなどの制御がお
こなわれず、飽くまでも燃料の消費量が最適(最少)と
なるように制御される。その結果、エンジントルクある
いは駆動トルクが運転者の加速要求を満たすものとはな
らず、動力性能に劣り、ドライバビリティの悪い車両と
なる可能性がある。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、無段変速機を備えた車両の燃費の向上と
ドライバビリティの向上との両立を図ることのできる制
御装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、出力要求量と
車速とに基づいて目標駆動力を求める手段と、その目標
駆動力を達成するための動力源の目標出力を求める手段
と、その目標出力に対して予め設定された目標出力回転
数を求める手段と、動力源の実際の出力回転数がその目
標出力回転数となるように無段変速機の変速比を制御す
る手段とを有する無段変速機を備えた車両の制御装置に
おいて、前記目標出力と前記動力源の現在の出力回転数
とに基づいて前記動力源の目標出力トルクを求める手段
と、その目標出力トルクとなるように前記動力源を制御
する手段とを更に具備していることを特徴とするもので
ある。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の構成
において前記目標駆動力を求める手段が、出力要求量と
車速とに関連して駆動力を定めてあるマップに基づいて
目標駆動力を求める手段を備えていることを特徴とする
ものである。
【0008】したがって請求項1の発明によれば、駆動
力の要求があった場合、それに応じた動力源の目標出力
と現在の出力回転数(車速であってもよい)とに基づい
て目標トルクを求め、その目標トルクとなるように動力
源を制御するので、加速要求があった場合には、その時
点での目標出力に応じた出力トルクが得られ、その結
果、加速要求を満たす駆動トルクが生じる。すなわち動
力性能が良好になり、ドライバビリティに優れた車両と
なる。
【0009】また請求項2の発明によれば、目標駆動力
を予め定めたマップに基づいて求めることができるの
で、駆動力の要求と加速度との特性の設定を容易におこ
なうことができる。
【0010】さらに、請求項3の発明は、請求項1の発
明において、前記無段変速機の変速比の変速速度を、前
記動力源の実際の回転数が前記目標回転数になるまで少
なくとも緩急二段階に変化させる変速速度制御手段を更
に備えていることを特徴とするものである。
【0011】したがって請求項3の発明においては、例
えば変速比が急速に変化した後に、それよりも遅い変速
速度で変速比が変化する。すなわち、目標出力が求めら
れると、その目標出力から目標出力トルクが求められ、
動力源がその目標出力トルクを発生するように制御され
る。その場合、例えば出力の増大要求に基づく変速であ
れば、目標出力に応じた動力源の回転数となるように急
速に変速比が変化させられるので、要求に応じた駆動力
が得られるとともに、動力源の回転数が車速の変化に対
して乖離して変化することがなくなる。また、目標出力
が達成された後、その出力での予め設定された目標出力
回転数への変速の際には、変速比がゆっくり変化させら
れ、例えば車速の変化と動力源の回転数の変化とが対応
した状態となるので、違和感が防止される。
【0012】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記動力源の目標出力回転数を予め定めた制限値に
制限するとともに、前記目標出力に対して予め設定され
た目標出力回転数を求める手段で求められた前記目標回
転数に一致するように前記制限値を次第に変化させる目
標回転数制限手段を更に備えていることを特徴とするも
のである。
【0013】したがって請求項4の発明によれば、出力
要求量の変化が大きい場合であっても、動力源の出力回
転数が、目標出力に対して予め設定した目標回転数に直
ちに変化せずに、制限値で定まる回転数になり、その制
限値が変化することに応じて動力源の回転数が、前記目
標出力に対して予め設定した目標回転数に向けて次第に
変化する。すなわち、例えば加速要求があった場合、動
力源の回転数が車速の増大に関連して変化し、動力源の
挙動の変化が車両の挙動の変化に合致したものとなって
違和感が生じることが未然に回避される。
【0014】そして、請求項5の発明は、請求項1の発
明において、前記動力源と無段変速機とのいずれか一方
もしくはその動力源と無段変速機とのいずれかの制御系
統の故障を検出する故障検出手段と、その故障検出手段
が故障を検出した場合に、前記目標出力を制限するため
の制限制御を実行する制限手段とを更に備えていること
を特徴とするものである。
【0015】したがって請求項5の発明によれば、故障
が検出された場合、前記目標出力を制限する制御が実行
され、その結果、目標出力が出力要求に応じた値より小
さくなるので、目標出力に基づいて設定される動力源の
出力トルクや無段変速機の変速比が小さくなる。そのた
め、動力源の出力が伝達される動力伝達系統に、故障状
態で過大な荷重が掛かることが未然に回避され、その動
力伝達系統が有効に保護される。
【0016】さらに、請求項6の発明は、請求項1の構
成において、前記無段変速機で設定するべき変速比を手
動による選択操作で出力される変速信号によって指示す
る手動変速機構を更に備え、前記目標駆動力を求める手
段が、前記手動変速機構によって選択された変速比ごと
に出力要求量と車速とに基づいて目標駆動力を求める手
段を含み、かつ前記目標出力回転数を求める手段が、前
記目標出力に対して予め設定された目標出力回転数を求
める替わりに、前記手動変速機構によって選択された変
速比と車速もしくは車速に対応する所定の物理量とに基
づいて目標出力回転数を求めるように構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0017】したがって請求項6の発明によれば、手動
操作によって変速比を選択することができ、その場合、
その選択した変速比に応じて目標駆動力が求められると
ともに、目標出力ならびに動力源の目標トルクが求めら
れて、その目標トルクとなるように動力源が制御され
る。一方、選択された変速比に基づいて動力源の目標回
転数が求められ、動力源の回転数がその目標回転数とな
るように無段変速機が制御される。したがって変速比を
手動で選択する場合であっても、動力源の目標トルクは
手動操作によって変速比を選択しない場合と同様のロジ
ックで決めることができ、かつ無段変速機の制御は、動
力源の回転数がその目標回転数となるように実行すれば
よく、これは、変速比を手動で選択しない他の変速制御
の場合と同様であり、その結果、手動で変速比を選択す
る機能を備えていても制御システムが簡素化される。
【0018】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ずこの発明が対象とする車両の動力伝達
系統の一例を説明すると、図4において、原動機1の出
力軸2が伝動装置3に連結されている。ここで、原動機
1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内
燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内
燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用
可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、原動機1
としてエンジンを採用した例を説明する。
【0019】このエンジン1は電気的に制御できるよう
に構成されており、その制御のためのマイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(ECU)4が設けられ
ている。この制御装置4は、少なくともエンジン1の出
力を制御するように構成されており、その制御のための
データとして出力軸回転数Ne とアクセル開度Accなど
の出力要求信号とが入力されている。
【0020】この出力要求信号は、要は、エンジン1の
出力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作す
るアクセルペダル(図示せず)の操作量信号やその操作
量を電気的に処理して得た信号を採用することができ、
またそれ以外に、電子スロットルバルブを備えたエンジ
ン1の場合には、その電子スロットルバルブの開度制御
信号や、車速を設定車速に維持するためのクルーズコン
トロールシステム(図示せず)などからの出力要求信号
を含む。
【0021】また、伝動装置3は、車両が停止している
状態であってもエンジン1を回転させておくことができ
るようにするためのものであり、摩擦板を圧接すること
によりトルクを伝達する一般的なクラッチや流体継手
(フルードカップリング)や流体式のトルクコンバータ
あるいはロックアップクラッチを内蔵したトルクコンバ
ータ、電磁クラッチ、パウダークラッチなど、必要に応
じて種々のものを採用することができる。
【0022】この伝動装置3が前後進切換機構5に連結
されている。これは、後述する無段変速機6が入力を反
転して出力することができないために設けられている。
この前後進切換機構5は、例えば遊星歯車機構などの3
つの回転要素を備えた機構であり、いずれか1つの回転
要素が変速機3に連結されて入力要素となり、また他の
1つの回転要素が選択的に固定される固定要素となり、
そして残る他の1つの回転要素が出力要素とされてい
る。その固定要素をブレーキ機構などによって固定する
ことにより出力要素が入力要素に対して反対方向に回転
し、またその固定要素の固定を解除するとともにいずれ
か2つの回転要素を一体的に連結することにより、全体
が一体回転し、入力がそのまま出力される。
【0023】この前後進切換機構5に連結された無段変
速機6について説明すると、この無段変速機6は、要
は、入力軸7と出力軸8との回転数の比率を連続的に変
更するための機構であり、具体的にはベルト式あるいは
トロイダル式などの適宜の形式の無段変速機である。そ
してその変速比を電気的に制御するための電子制御装置
(ECU)9が設けられている。この電子制御装置9は
エンジン1のための電子制御装置4とデータ通信可能に
接続されるとともに、変速比の制御のために必要なデー
タが入力されている。
【0024】そして無段変速機6の出力軸8が最終減速
機(ディファレンシャルギヤ)10に連結されており、
このディファレンシャルギヤ10で左右の車輪の差動回
転を許容しつつこれらにトルクを分配するようになって
いる。
【0025】この発明に係る上記の制御装置は、車両が
定常走行している場合には、回転数とトルクとによって
定まる運転状態図での最適運転ラインに沿ってエンジン
1および変速比を制御する。これに対して駆動力を増大
もしくは低下させる要求があった場合には、以下に述べ
るように制御する。
【0026】図1はその制御過程を説明するためのブロ
ック図であり、アクセル開度Accおよび車速Vに基づい
て目標駆動力Fが求められる(ステップ1)。ここでア
クセル開度Accは、アクセルペダルの踏み込み量を電気
的に処理して得られた制御データであって、加速もしく
は減速の要求すなわち駆動力についての要求を示すパラ
メータとして採用されている。したがって車速を一定に
維持するクルーズコントロールのための駆動要求の信号
をアクセル開度Accに替わるパラメータとして採用する
こともできる。また車速についても同様であって、車速
Vと一対一の関係にある他の適宜の回転部材の回転数を
車速Vに替えて採用することもできる。したがってこの
ステップ1の機能が請求項1における目標駆動力を求め
る手段に相当する。
【0027】これらのアクセル開度Accと車速Vとに基
づく目標駆動力Fの決定は、予め用意したマップに基づ
いておこなう。具体的には、アクセル開度Accをパラメ
ータとして車速Vと駆動力Fとの関係をマップとして予
め定めておく。その場合、対象とする車両の特性を反映
するように駆動力Fを定める。そしてそのマップに基づ
いて目標駆動力Fが求められる。
【0028】ステップ1で求められた目標駆動力Fと現
在の車速Vとに基づいて目標出力Pが求められる(ステ
ップ2)。すなわち目標出力Pは、目標駆動力Fと車速
Vとの積である。したがってこのステップ2の機能が請
求項1における目標出力を求める手段に相当する。
【0029】変速比を制御するためにその目標出力Pに
対応した目標エンジン回転数Netが求められる(ステッ
プ3)。前述したように定常走行状態では、最適運転ラ
インに即して制御されるから、目標出力Pに達した時点
での運転状態は最適運転ライン上の運転状態となる。す
なわち目標出力Pに達した時点では、エンジン1は、最
良燃費曲線に基づく状態に制御されるから、目標エンジ
ン回転数Netは、最良燃費曲線に基づいて出力と回転数
とを定めた目標エンジン回転数テーブル(線図)を利用
して求められる。
【0030】この目標エンジン回転数Netと検出された
実際のエンジン回転数Ne とに基づいて変速制御手段が
実エンジン回転数を目標エンジン回転数となるように変
速比を制御する(ステップ4)。この変速制御手段は、
具体的には前述した図4に示す電子制御装置9である。
したがってこのステップ9の機能が請求項1の発明にお
ける変速比を制御する手段に相当する。
【0031】一方、エンジン1を制御するために、上記
の目標出力Pと現在のエンジン回転数Ne とに基づいて
目標エンジントルクTo を求める(ステップ5)。これ
は、例えば目標出力Pを現在のエンジン回転数Ne で割
り算することにより実行される。なお、図1に示す式
は、単位を揃えるための処理をおこなったものである。
したがってエンジン回転数Ne に替えてエンジン1の出
力軸の角速度を採用することもできる。
【0032】このようにして求められた目標エンジント
ルクTo となるようにエンジントルク制御手段がエンジ
ン1を制御する(ステップ6)。具体的には、前述した
図4に示す電子制御装置4によって燃料噴射量あるいは
電子スロットルバルブの開度が制御される。したがって
このステップ6の機能が請求項1における動力源を制御
する手段に相当する。
【0033】車両の加速時あるいは減速時に上記の制御
をおこなった場合のエンジン1の運転状態の変化の例を
図2に示してある。この図2は、等出力線をパラメータ
としたエンジン回転数と軸トルク(出力トルク)との関
係を示す図であり、最適運転ラインが太い折線で示され
ている。図2において例えば符号Aで示す運転状態にあ
るときにアクセルペダルが踏み込まれるなどのことによ
って加速要求があり、そのアクセル開度Accと車速Vと
から求まる目標運転状態が符号Cで示される運転点とす
ると、上記の制御によれば、符号Bで示される運転点を
経て目標とする運転状態に制御される。
【0034】すなわちステップ5で演算される目標エン
ジントルクTo は、目標出力Pを現在(すなわち運転状
態Aの時点)でのエンジン回転数(出力軸の角速度)で
除算した値であるから、その目標エンジントルクTo
は、運転状態Cでの等出力線(すなわち目標出力Pの等
出力線)上での現在のエンジン回転数Ne の点で示され
る軸トルク(B点)となる。この符号Bで示される運転
状態は、最適運転ラインを外れたものとなるが、定常走
行状態では、最適運転ラインに沿って制御されるので、
結局は、符号Bで示す運転状態からその等出力線に沿っ
て軸トルクおよびエンジン回転数が変化するようにエン
ジン1が制御され、目標とする運転状態Cに到る。
【0035】したがって上記の制御装置によれば、加速
要求があった時点で、エンジントルクが最適運転ライン
を外れて増大させられるので、それに応じて駆動トルク
が増大する。その結果、要求に即した加速力が得られ、
ドライバビリティ(動力性能)が良好になる。
【0036】また符号Dで示す運転状態で加速要求があ
り、その目標とする運転状態が符号Gで示されるとする
と、加速要求時点でのエンジン回転数における最大トル
クまで軸トルクが増大させられる。その後、目標とする
運転状態Gの出力での等出力線上で最大トルクとなる運
転状態Fまで、軸トルクが最大トルクに維持される。こ
れは、加速要求が大きいことにより、目標とする運転状
態Gの等出力線上における現在のエンジン回転数に相当
するトルクが、エンジン1に許容される最大トルクを超
えているためであり、符号Eおよび符号Fで示す運転状
態の間では、軸トルクがエンジン最大トルクに制限され
る。その後、エンジン回転数が増大したことにより、そ
れに応じたトルクが最大トルクを下回り始めると、目標
とする運転状態Gでの等出力線に沿って運転状態が変化
し、目標とする運転状態Gに到る。したがってこの場合
も、加速要求と同時にエンジントルクが最適運転ライン
を外れて増大させられるので、加速要求に応じた駆動力
を得ることができる。
【0037】これとは反対に減速する場合について説明
すると、例えば図2に符号Hで示す運転状態にあるとき
に、アクセル開度Accが減じられ、符号Cで示す運転状
態が目標とする状態であるとすると、アクセル開度Acc
が減じられると同時に、その時点のエンジン回転数のま
ま、目標とする運転状態Cと同じ等出力線上のトルクま
でエンジントルク(軸トルク)が低下させられる。その
運転状態を符号Jで示してある。その後、目標とする運
転状態Cの等出力線と最適運転ラインとの交点である目
標運転状態Cにまで軸トルクおよびエンジン回転数が変
化させられる。この場合も、減速要求に伴って最適運転
ラインを外れて軸トルクが低下させられるので、減速要
求に応じた駆動力を得ることができる。その場合、駆動
輪とエンジン1とがトルク伝達可能に連結された状態で
あれば、すなわち適宜のクラッチが解放されて動力伝達
系統が遮断されるなどの状態になっていなければ、減速
要求に即したエンジンブレーキ力を得ることができる。
【0038】このようにこの発明に係る制御装置では、
駆動力の増大もしくは減少の要求があった場合、目標出
力の等出力線上における現在のエンジン回転数に対応し
た出力トルクにまでトルクを変化させ、その後、その等
出力線に沿ってトルクを最適運転ライン上のトルクに変
化させる。これに対して従来の装置では、常時、最適運
転ライン上の運転状態すなわちトルクに制御する。した
がってこの発明の装置と従来の装置とでは、加減速要求
に伴う駆動力の変化過渡時に最適運転ラインから外れて
エンジンを制御するか否かの点で顕著な相違がある。言
い換えれば、従来の装置が最良燃費曲線に沿ってエンジ
ンの制御をおこなうのに対して、この発明の装置は、エ
ンジンのトルクを、目標運転状態の等出力線上のトルク
に変更した後、その等出力線に沿って目標運転状態にま
でトルクを変化させる点に両者の装置の相違がある。
【0039】つぎにこの発明の他の例を説明する。図3
は加減速の要求に伴う変速過渡時に駆動力を変速終了後
の駆動力に近似させるように構成した例である。先ず、
エンジン運転目標ポイント設定手段により目標運転状態
を設定する(ステップ11)。これは、例えば図2にお
ける符号Cや符号Gで示す運転状態を設定する制御であ
り、図1に示す例と同様に、アクセル開度Accなどの駆
動力の要求量と現在の車速Vとに基づいて要求駆動力を
求め、さらにその要求駆動力となる目標出力を求めるこ
とによりおこなうことができる。
【0040】エンジン出力は、トルクと回転数との積で
表されるから、上記のようにして求められた目標出力か
ら目標エンジン回転数Netと最終目標エンジントルクT
t とが求められ、これらの値と現在のエンジン回転数N
e とによって目標エンジントルクTo が求められる(ス
テップ12)。すなわち最終目標エンジントルクTtと
目標エンジン回転数Netとの積である目標出力を、現在
のエンジン回転数Neで割り算することにより、目標エ
ンジントルクTo が求められる。したがってこのステッ
プ12は、図1に示すステップ5と実質的に同じであ
る。そしてエンジントルク制御手段がその目標エンジン
トルクTo となるようにエンジン1を制御する。
【0041】また一方、ステップ12で目標エンジン回
転数Netが求まることにより、変速制御手段がその目標
エンジン回転数Netと現在のエンジン回転数Ne とに基
づいて変速比を制御する(ステップ14)。
【0042】したがってこの図3に示す例では、ステッ
プ11が請求項1における目標駆動力を求める手段およ
び目標出力を求める手段ならびに目標回転数を求める手
段に相当し、またステップ12が請求項1の目標出力ト
ルクを求める手段に相当し、ステップ13が請求項1の
動力源を制御する手段に相当し、さらにステップ14が
請求項1の変速比を制御する手段に相当する。
【0043】上述したようにこの発明では、エンジン1
の出力トルクと回転数とを互いに独立して制御できるこ
とを利用し、変速当初は、最適運転ラインを外れてトル
クの制御をおこない、ついで最適運転ライン上の運転点
での運転状態となるように変速をおこなう。その場合、
変速比の変化のさせ方すなわち変速速度の設定の態様に
よっては変速の遅れ感やエンジン回転数の意図しない変
化などが生じることがある。そこでこの発明では、変速
速度を複数段階に変化させるように制御する。その例を
上述した図2におけるD点で示す運転状態からG点で示
す運転状態に変化させる場合を例にとって説明する。
【0044】図5はその制御例を説明するためのフロー
チャートであって、先ず、第1目標変速比を算定する
(ステップ21)。D点からG点への運転状態の変更
は、前述したように加速要求に基づく変更であり、した
がって、目標出力Pに対応したその時点での出力トルク
となるようにエンジン1の出力トルクが制御される。そ
の場合、図2に示す例では、加速要求時点における目標
トルクが、エンジン1で出力することのできる最大トル
クを越えているので、E点として示すトルクまでエンジ
ン1の出力トルクが制御され、かつそのトルクに対応す
る目標出力Pでの回転数にエンジン回転数が制御され
る。これは、F点で示されている。
【0045】このD点で示す運転状態からF点で示す運
転状態への変更の際に、出力トルクの増大によって車速
が増大することがあり、またF点でのエンジン回転数が
変速判断成立時におけるD点でのエンジン回転数より高
回転数であるから、エンジン回転数をF点で示される回
転数に設定するためには、変速比を制御する必要があ
る。したがってF点で示されるエンジン回転数を車速で
割った値が第1目標変速比となる。
【0046】つぎに、この目標出力に対応するトルクを
出力する運転状態までの変速すなわち第1目標変速比へ
の変速を第1変速期間とすると、この第1変速期間にお
ける変速速度すなわち第1変速速度を設定する(ステッ
プ22)。この第1変速速度は、可及的に速いことが好
ましく、例えば図6の(A)に示すように、アクセル開
度の変化率(エンジン出力の変化量)Δαに対する変速
速度(de/dt)をマップとして予め設定しておき、
そのマップに基づいて決定することができる。また、図
6の(B)に示すように、目標回転数と実回転速度との
差ΔNに対する変速速度(de/dt)をマップとして
予め設定しておき、そのマップに基づいて決定すること
ができる。いずれの場合も、アクセル開度の変化率Δα
あるいは回転速度差ΔNが大きいほど、変速速度(de
/dt)が大きくなる。
【0047】さらに目標出力Pでの最適運転ライン(最
良燃費線)上のG点で示される運転状態におけるエンジ
ン回転数となるように第2目標変速比を設定する(ステ
ップ23)。このG点でのエンジン回転数は前述した目
標回転数Netであり、したがって車速で割った値が第2
目標変速比である。
【0048】この第2目標変速比への変速をおこなう第
2変速期間での第2変速速度を設定する(ステップ2
4)。この第2変速期間の変速速度は、上述した第1変
速期間での変速速度より遅い変速速度に設定される。例
えば予め定めた一定の変速速度とすることができる。ま
た、最適運転ライン上の運転点に近づくに従って変速速
度を遅くすることができる。すなわち図2におけるG点
で示す最適運転ライン上の運転点から離れるほど、燃費
の悪い運転状態となるから、G点から遠く離れている状
態では変速速度を速くして、燃費の悪い状態での運転時
間を短くすることが好ましい。さらに、上述した第1変
速期間での変速速度を決定する場合と同様に、目標回転
数と実回転数との差ΔNに対する変速速度(de/d
t)をマップとして予め設定しておき(図7参照)、そ
のマップに基づいて決定してもよい。
【0049】このようにして設定された変速速度での変
速を実行する変速指令信号を出力する(ステップ2
5)。したがって上述したD点からG点への変速の場
合、第1変速期間では迅速に変速が実行されるので、変
速の遅れを生じることなく、目標とする駆動力を得るこ
とができ、また第2変速期間では第1変速期間よりもゆ
っくり変速が進行してエンジン回転数が車速の変化に応
じて変化する。そのため、加速力の不足や車速の変化に
沿わないエンジン回転数の変化(回転数のふらつき)な
どが防止され、変速時の違和感が未然に回避される。
【0050】ここで図5ないし図7に示す具体例と請求
項3の発明との関係を説明すると、図5に示すステップ
5およびステップ7の機能が請求項3の発明における変
速速度制御手段に相当する。
【0051】ところで、上述した制御では、アクセルペ
ダルを踏み込むなどの操作による出力の変更要求があっ
た場合、目標エンジン回転数Netを求め、実際のエンジ
ン回転数がその目標エンジン回転数となるように無段変
速機の変速比を制御する。したがって例えばアクセルペ
ダルを大きく踏み込んだ場合、エンジン回転数は通常使
用される最高回転数に増大し、その状態で車速が次第に
増大することになる。すなわちエンジン回転数のみが先
行して変化し、その後に車速が変化することになる。こ
れに対して手動変速機や有段式の自動変速機を搭載して
いる通常の車両では、エンジン回転数と車速とが並行し
て変化するので、エンジン回転数のみが先行して変化す
ると、違和感を生じることがある。この発明の制御装置
では、そのような違和感を回避するように変速比を制御
することも可能である。以下その例を説明する。
【0052】図8はその制御例を説明するためのフロー
チャートであって、この図8に示す制御ルーチンは、予
め定めた時間Δt(ミリ秒)ごとに実行される。図8に
おいて、先ず、アクセル開度および車速を入力する(ス
テップ31)。ついで入力したアクセル開度および車速
ならびに予め記憶している目標駆動力マップに基づいて
目標駆動力を求める(ステップ32)。このステップ3
2の制御は、図1に示すステップ1と同様の制御であ
る。
【0053】その目標駆動力と入力してある車速とに基
づいて目標出力を演算する(ステップ33)。このステ
ップ33の制御は図1に示すステップ2の制御と同様の
制御である。そして、エンジン1を制御するために、エ
ンジン回転数を入力(ステップ34)するとともに、そ
のエンジン回転数と目標出力とから目標エンジントルク
を求める(ステップ35)。このステップ35の制御
は、図1に示すステップ5の制御と同様の制御である。
こうして求められた目標エンジントルクとなるようにエ
ンジン1のスロットル開度や燃料噴射量を制御する(ス
テップ36)。このステップ36は、図1にエンジント
ルク制御手段として示すステップ6での制御と同様の制
御である。
【0054】他方、ステップ33で求められた目標出力
と予め記憶してある目標エンジン回転数マップ(テーブ
ル)とに基づいて目標エンジン回転数を求める(ステッ
プ37)。このステップ37の制御は図1に示すステッ
プ3と同様の制御であるが、後述するように、目標とす
るエンジン回転数が制限されることがあるので、図8の
ステップ37では、目標出力およびマップから求められ
たエンジン回転数を仮目標エンジン回転数としてある。
【0055】つぎに、車両の走行モードとしてパワーモ
ードが選択されているか否かが判断される(ステップ3
8)。この走行モードは、例えば従来の自動変速機を搭
載した車両に設けられているモード切換スイッチなどの
選択手段と同様の手段によって選択されるモードであっ
て、パワーモードは、相対的に大きい変速比を使用して
エンジン回転数を高くすることにより、駆動力を大きく
した状態で走行するモードである。
【0056】パワーモードが選択されていることにより
ステップ38で肯定判断された場合には、車速制限最高
エンジン回転数マップに基づいて車速制限最高エンジン
回転数を設定する(ステップ39)。その車速制限最高
エンジン回転数マップの例を図9に示してあり、パワー
モードが選択されている場合には、図9にNemax1の符
号を付してあるマップに従って車速制限最高エンジン回
転数を設定する。このマップは、車速の増大に従って車
速制限最高エンジン回転数を次第に増大させるマップで
あり、その上昇勾配が最も大きく、かつ変速比が最増速
変速比に達する以前にエンジン回転数が最高使用エンジ
ン回転数に達するように設定される。なおここで、最高
使用エンジン回転数は、出力が最大となる回転数であっ
てエンジン1ごとに設定されている回転数である。
【0057】これに対してパワーモードが選択されてい
ないことにより、ステップ38で否定判断された場合に
は、車速制限最高エンジン回転数を図9にNemax2もし
くはNemax3で示すマップに基づいて設定する(ステッ
プ40)。これらのマップNemax2,Nemax3は、相対的
に小さい変速比を使用してエンジン回転数を下げるマッ
プであり、そのうちのNemax2で示すマップは、車速制
限最高エンジン回転数の増加勾配が車速の増大に応じて
二段に低下し、最増速変速比で最高使用エンジン回転数
となるように設定したマップである。また、Nemax3で
示すマップは、車速制限最高エンジン回転数が直線的に
増大するように設定したマップである。
【0058】このようにして求められた車速制限最高エ
ンジン回転数と前記の仮目標エンジン回転数とが比較さ
れる(ステップ41)。前記ステップ37で求められた
仮目標エンジン回転数が車速制限最高エンジン回転数よ
り小さい場合には、ステップ41で肯定判断される。す
なわちアクセルペダルの踏み込み量が少ないことにより
出力の増大要求が小さい場合には、仮目標エンジン回転
数が小さくなり、ステップ41で肯定判断される。その
場合、ステップ42に進んで、前記ステップ37で求め
られた仮目標エンジン回転数が目標エンジン回転数とし
て採用される。
【0059】これに対して出力の増大要求量(すなわち
加速要求)が大きいと、仮目標エンジン回転数が大きく
なるので、ステップ41で否定判断される。すなわち仮
目標エンジン回転数が車速制限最高エンジン回転数を越
えてしまうので、この場合は、マップから求まる車速制
限最高エンジン回転数が目標エンジン回転数として採用
される(ステップ43)。すなわち目標エンジン回転数
が制限される。
【0060】そして、ステップ42もしくはステップ4
3で設定された目標エンジン回転数となるように無段変
速機の変速比が制御される(ステップ44)。これは、
図1に示すステップ4での変速制御手段による制御と同
様である。
【0061】したがって図8に示す制御では、出力の増
大要求が大きい場合、目標エンジン回転数が目標出力に
基づいた回転数に設定されずに、車速に応じた回転数に
制限される。そのため、エンジントルクが増大して車速
が大きくなるに従って目標エンジン回転数すなわちエン
ジン回転数の上限値が増大することになり、その結果、
エンジン回転数が車速の増大に伴って増大する。言い換
えれば、加速時にエンジン回転数をある程度抑制するこ
とになるので、加速時の騒音を低下させることができ
る。また、エンジン回転数の上昇が車速の増大に対応し
て生じるので、体感される速度感とエンジン1の挙動と
の齟齬が少なくなって違和感を回避することができる。
また、選択されている走行モードによって目標エンジン
回転数の制限の仕方を異ならせてあるので、運転者の要
求に応じた加速性や静粛性を達成でき、運転者の要求す
る走行をおこなうことができる。
【0062】ここで上記の図8に示す制御をおこなう装
置と請求項4の発明との関係を説明すると、上記のステ
ップ39およびステップ40の機能が、請求項4の発明
における目標回転数制限手段に相当する。
【0063】なお、上記の図8および図9に示す例で
は、目標エンジン回転数の制限値を車速に応じて変化さ
せることとしたが、目標エンジン回転数の制限値は、要
は、出力の変更要求があった後に次第に変化させればよ
いのであって、例えばタイマを用いて、制御開始後、一
定時間ごとに目標エンジン回転数の制限値を段階的もし
くは連続的に変化させてもよく、あるいは車速に替わる
他のパラメータに従って目標エンジン回転数の制限値を
変化させてもよい。また、上記の例では、アクセル開度
としてアクセルペダルの踏み込み量に基づく値を採用し
たが、この発明では、例えば車速を、運転者によって設
定された車速に維持するクルーズコントロール装置から
出力される出力要求信号をアクセル開度信号とすること
もできる。
【0064】上述した各具体例から知られるようにこの
発明の制御装置は、目標出力に基づいて目標エンジン回
転数および目標エンジントルクを算出し、かつ無段変速
機の変速比およびエンジンの出力トルクをそれぞれ制御
するように構成されている。したがってエンジン1から
駆動輪に到る動力伝達系統およびその制御系統に何らか
の故障もしくは異常があった場合においても、無段変速
機の変速比およびエンジンの出力トルクを同時に制御す
ることが好ましい。その制御例を示せば、以下のとおり
である。
【0065】図10および図11はその制御例を示して
おり、ここに示す例では、故障時の目標出力の制限のた
めに、アクセル開度を制限するように構成されている。
すなわち図10に示す制御ルーチンは予め定めた所定時
間Δt(ミリ秒)ごとに実行されるルーチンであって、
先ず、実アクセル開度と車速とが入力される(ステップ
51)。ここで、実アクセル開度とは、アクセルペダル
の踏み込み角度であり、これを電気的に処理してアクセ
ル開度が得られる。
【0066】つぎに故障状態が発生しているか否かが判
断される(ステップ52)。その故障状態は、要は、エ
ンジン1から駆動輪に到るまでの無段変速機6を含む動
力伝達系統およびその制御のための系統での故障であ
り、エンジン1を制御する電子制御装置4や無段変速機
6のための電子制御装置9での故障の他に、エンジン1
のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、エ
ンジン1の吸入空気量を検出するエアフローメータ、エ
ンジン1に対する燃料の供給系統、エンジン1の吸気を
制御する吸気制御弁、電子スロットルバルブ、排気をエ
ンジン1に対して循環させるEGR弁、無段変速機6に
おける変速制御弁、回転数センサなどの故障である。こ
れらの故障は、例えば指令信号と検出信号との不一致に
よって検出することができる。
【0067】故障が検出されないことによりステップ5
2で否定判断された場合には、実アクセル開度をマップ
用アクセル開度とする(ステップ53)。これを図によ
って示せば図11のとおりであり、前述した図1のステ
ップ1で目標駆動力を求める際に使用するアクセル開度
Accとして実際のアクセルペダルの踏み込み量に1対1
で対応する値を設定しておき、故障の生じていない正常
時にはその値をアクセル開度として使用する。
【0068】これに対して故障が検出されることにより
ステップ52で否定判断された場合には、実アクセル開
度が故障状態での制限値より小さいか否かが判断される
(ステップ54)。この故障状態での制限値は、検出さ
れた故障の状態に応じてエンジン1の出力を制限するた
めのものであって、例えば図11に示すように、故障の
内容に応じて一定値に設定されている。
【0069】実アクセル開度が故障状態制限値より小さ
いことによりステップ54で肯定判断された場合には、
実アクセル開度がマップ用アクセル開度すなわち制御で
使用されるアクセル開度として採用される(ステップ5
3)。これに対して実アクセル開度が故障状態制限値以
上であることによりステップ54で否定判断された場合
には、故障状態制限値がマップ用アクセル開度すなわち
目標駆動力を決定するためのアクセル開度として採用さ
れる(ステップ55)。したがって故障状態が検出され
た場合には、実アクセル開度が大きくても制御のために
採用されるアクセル開度は、小さい値に制限される。
【0070】このようにして求められたマップ用アクセ
ル開度と車速ならびに予め記憶しているマップとに基づ
いて目標駆動力が求められ(ステップ56)、さらにこ
の目標駆動力と車速とに基づいて目標出力が求められる
(ステップ57)。これらのステップ56およびステッ
プ57は、図1に示すステップ1およびステップ2、あ
るいは図8に示すステップ32およびステップ33と同
様の制御である。
【0071】そして図1に示す制御例あるいは図8に示
す制御例と同様に、エンジン回転数を入力し(ステップ
58)、そのエンジン回転数と目標出力とから目標エン
ジントルクを算出し(ステップ59)、さらにその目標
エンジントルクとなるようにスロットル開度および燃料
噴射量を制御する(ステップ60)。他方、これと並行
して、目標出力と予め記憶している目標エンジン回転数
テーブル(マップ)とに基づいて目標エンジン回転数を
求め(ステップ61)、その目標エンジン回転数となる
ように無段変速機6の変速比を制御する(ステップ6
2)。このステップ61およびステップ62の制御は、
図1に示すステップ3およびステップ4、あるいは図8
に示すステップ37およびステップ44と同様の制御で
ある。
【0072】したがって故障状態が検出されると、その
故障内容に応じてアクセル開度が制限されるので、その
アクセル開度に基づいて求められる目標駆動力が小さい
値となり、さらにその目標駆動力に基づいて求められる
目標出力が、正常時より小さい値となる。エンジン1の
出力および無段変速機6の変速比は、この目標出力を達
成するように制御されるので、結局、エンジントルクや
無段変速機6の出力軸トルクあるいは駆動トルクが、正
常時よりも低い値に制限される。その結果、故障時にお
いて走行のための駆動力を可能な限り確保できるととも
に、故障状態で過大な駆動トルクが生じることが防止さ
れて動力伝達系統の損傷やその損傷の悪化を防止するこ
とができる。
【0073】したがって図10および図11に示す制御
を実行する具体例と請求項5の発明との関係を説明する
と、図10におけるステップ52の機能が、請求項5の
発明における故障検出手段に相当し、またステップ55
の機能が請求項5の発明における制限手段に相当する。
また、このステップ55の機能は、検出された故障の内
容ごとに目標出力の制限値を設定する手段となってい
る。
【0074】上述した各具体例は、アクセル開度Accに
代表される出力要求量が変更された場合にエンジントル
クと無段変速機での変速比を制御する例であり、これ
は、いわゆる自動変速モードでの制御例である。一方、
最近では、基本的な構成が自動変速機であってもその変
速機で設定するべき変速比を手動操作によって直接指示
するように構成した自動変速機が開発されている。これ
は、自動変速機での変速制御が電気的におこなわれるよ
うになってきていることを背景に、走行状態に基づいて
出力される変速指示信号と同様の信号を、手動操作可能
なスイッチから出力するように構成した装置である。こ
の発明で対象とする無段変速機を搭載した車両において
も、変速比を手動操作によって直接指示するように構成
することも可能であり、以下にその例について説明す
る。
【0075】図12は、図4に示すシステムに手動変速
機構20を追加して設けたシステムを示しており、この
手動変速機構20は、変速比の指示信号を出力する変速
比指示スイッチ21と、その変速比指示スイッチ21の
機能を選択的に有効にする有効化スイッチ22とを備え
ている。その変速比指示スイッチ21は、例えばシフト
レバーを備えたシフト装置(それぞれ図示せず)に内蔵
されたアップシフトスイッチおよびダウンシフトスイッ
チであり、あるいは複数の変速比ごとに設けられた複数
の変速段スイッチであって、シフトレバーによってオン
動作されて信号を出力するように構成されている。ある
いはまた、ステアリングホイール(図示せず)に設けら
れたスイッチであり、手動でオン操作されてアップシフ
ト信号およびダウンシフト信号もしくは変速比を直接指
示する信号を出力するように構成されている。さらに、
変速比指示スイッチ21は、オン動作させられている
間、数値を連続的に増大もしくは減少させ、オフ状態に
切り替わった時点のカウント値を、選択された変速比と
して出力する構成であってもよい。
【0076】有効化スイッチ22は、このように機能す
る変速比指示スイッチ21を有効に動作させるためのも
のであり、例えばシフト装置にモード切換スイッチとし
て内蔵されている。すなわち自動変速モードから手動変
速モードにシフトレバーを操作することによりオン動作
させられ、それに伴って上記の変速比指示スイッチ21
が有効に機能するように構成されている。なお、その有
効化スイッチ22もステアリングホイールなどの適宜の
位置に設けることができる。
【0077】これらの各スイッチ21,22が無段変速
機用の電子制御装置9に電気的に接続されている。そし
てこの電子制御装置9では、前記有効化スイッチ22か
ら信号が入力されることにより、いわゆる手動変速モー
ドに切り替わり、その時点の変速比を一時的に維持する
とともに、その切り換えに続けて変速比指示スイッチ2
1から入力される信号に基づいて所定の変速比を設定す
る制御を実行するようになっている。これは、例えばア
ップシフト信号もしくはダウンシフト信号が入力された
場合には、現在の変速比に対して予め定めた変速比幅の
他の変速比を設定するように構成してもよく、あるいは
選択可能な複数の変速比を予め用意しておき、変速比指
示スイッチからの信号によってそれらの変速比のうちの
いずれかを選択して設定するように構成することもでき
る。
【0078】このような手動操作に基づく変速指示がお
こなわれた場合の制御例を図13に示してある。手動操
作で選択可能な変速比γ(第1速、…第n速)ごとに、
アクセル開度(出力要求量)Accに応じて車速Vと駆動
力Fとの関係を示すマップが用意されている。したがっ
て所定の状態で走行している際に、手動操作によって変
速比γが選択されると、その変速比γに応じたマップが
読み出され、その時点の車速Vとアクセル開度Accとに
基づく目標駆動力Fがマップから求められる(ステップ
1A)。
【0079】つぎにその目標駆動力Fとその時点の車速
Vとに基づいて原動機(エンジン1)の目標出力P(=
F×V)が求められる(ステップ2A)。このステップ
2Aは、前述した図1に示すステップ2と同じである。
この目標出力Pから目標エンジントルクToを求めてエ
ンジン1を制御するプロセスは図1に示す制御例と同様
であり、目標出力Pとエンジン回転数Ne とによって目
標エンジントルクToを求め(ステップ5A)、その目
標エンジントルクTo となるようにエンジントルク制御
手段がエンジン1のスロットル開度や燃料噴射量などを
制御する(ステップ6A)。
【0080】これに対して、無段変速機6における変速
比は、エンジン回転数Ne が目標回転数Netに一致する
ように制御される。その点では、図1に示すステップ3
およびステップ4の制御と同様である。具体的には、手
動操作によって選択された変速比γと車速Vとに基づい
てエンジン1の目標回転数Net(=C×V×γ)が求め
られる(ステップ3A)。ここでCは定数であって、タ
イヤ径や最終減速機での変速比などを考慮した値であ
る。そしてその目標エンジン回転数Netと現在のエンジ
ン回転数Ne とを比較し、実際のエンジン回転数Ne が
目標エンジン回転数Netに一致するように、変速制御手
段によって無段変速機6の変速比が制御される(ステッ
プ4A)。
【0081】したがって変速比を手動操作によって直接
選択する場合であっても、無段変速機6の変速比は、入
力側の回転数と出力側の回転数とを検出しつつこれらの
回転数の比が、手動操作で指示された変速比となるよう
に制御するのではなく、手動操作で選択された変速比に
対応する目標エンジン回転数に実エンジン回転数が一致
するように制御される。
【0082】このような無段変速機6の変速比の制御
は、図1に示すいわゆる自動変速モードでの変速比制御
と同様の手順の制御である。したがって変速比を手動操
作によって直接指示するいわゆる手動変速モードであっ
ても、図1に示す制御を実行するシステムを利用して実
行することができる。
【0083】これを、変速比を基準にして制御する場合
と比較して説明すると、無段変速機6はその名称が示す
ように変速比を連続的に変化させることができ、特定の
変速比を設定するためには、入力側の回転数と出力側の
回転数とを検出するとともに、それらの回転数の比率を
算出し、その算出された値と、目標とする変速比とを更
に比較し、その算出値と目標とする変速比とが一致する
ように、ベルト式の無段変速機ではプーリー幅を油圧に
よって変更し、またトロイダル式の無段変速機ではパワ
ーローラの傾きを制御することになる。すなわち変速比
を基準にして制御をおこなうためには、無段変速機での
入力側と出力側との回転数の検出やその比率の演算、そ
の演算結果と目標とする変速比との比較など、図1に示
す自動変速モードでの演算プロセスとは異なる演算プロ
セスを必要とする。
【0084】そのため、手動変速モードの際に変速比を
基準に制御するとすれば、自動変速モードでの制御の際
と異なる制御プロセスが必要となり、制御装置の大容量
化などの不都合が生じる。これに対して上述したこの発
明に係る制御では、自動変速モードと手動変速モードと
で共通した制御プロセスとなるので、制御装置の小容量
化や小型化が可能になる。
【0085】なお、上記の具体例では、手動変速機構に
よって変速比を直接するように構成した例を説明した
が、この発明では、変速比の最低値(高車速側の最高
値)を複数パターンに制限する構成とすることができ
る。これは、設定可能な変速比の幅を変更する機構であ
って、いわゆるレンジ切換に相当し、例えばDポジショ
ン、“4”ポジション、“3”ポジション、“2”ポジ
ション、Lポジションなどのポジションごとに変速比の
上限値(高車速側の値)を順に大きく(低車速側に)設
定するように構成してもよい。この場合、前述した有効
化スイッチ22は不要となる。このような構成であって
も、走行中にシフトポジションを切り換えることによ
り、変速比が特定の値に制限され、その変速比への変速
を実行することになるので、その変速比を設定する変速
制御では、上述した変速比を手動で指示する変速と同様
に制御が実行される。
【0086】ここで図12および図13に示す具体例と
請求項6の発明との関係を説明すると、上記の手動変速
機構20が請求項6の手動変速機構に相当し、また図1
3に示すステップ1Aを実行する機能的手段が請求項6
の発明における目標駆動力を求める手段に相当し、図1
3に示すステップ3Aを実行する機能的手段が請求項6
の発明における目標出力回転数を求める手段に相当す
る。
【0087】つぎに、この発明における好ましい実施の
態様を挙げれば、以下のとおりである。
【0088】前記目標出力トルクに向けて前記動力源の
出力を制御している第1変速期間は変速速度を速くし、
目標出力における前記予め定めた目標出力回転数に向け
て回転数を変化させる第2変速期間は変速速度を遅くす
る。
【0089】前記予め定めた目標出力回転数は、前記目
標出力で燃費が最適になる回転数である。
【0090】第1変速期間での変速速度は、出力の変化
率に基づいて決定される。
【0091】第1変速期間での変速速度は、目標出力回
転数と実回転数との差に基づいて決定される。
【0092】第2変速期間での変速速度は、予め定めた
られた時間に基づいて決定される。
【0093】第2変速期間での変速速度は、目標出力回
転数に近づくに従って遅くなる変速速度である。
【0094】第2変速期間での変速速度は、目標出力回
転数と実回転数との差に基づいて決定される。
【0095】第1変速期間の長さは、出力の変化率に基
づいて決定される。
【0096】第1変速期間の長さは、目標出力回転数と
実回転数との差に基づいて決定される。
【0097】走行のための駆動力が相互に相違する複数
の走行モードを選択する走行モード選択手段と、動力源
の目標回転数の制限値を、その走行モードごとに異なら
せる手段を更に備えている。
【0098】走行のための駆動力が相互に相違する複数
の走行モードを選択する走行モード選択手段と、動力源
の目標回転数の制限値の変化傾向を、その走行モードご
とに異ならせる手段を更に備えている。
【0099】目標出力を制限するための制限制御を実行
する手段は、故障内容に応じて制限内容を異ならせる手
段を含んでいる。
【0100】目標出力を制限する制限制御を実行する手
段は、制御データとして入力される出力要求量を制限す
る手段を含む。
【0101】目標出力を制限する制限制御を実行する手
段は、出力要求量に基づいて求められる目標駆動力を制
限する手段を含む。
【0102】目標出力を制限する制限制御を実行する手
段は、目標駆動力に基づいて求められる目標出力を制限
する手段を含む。
【0103】なお、第2変速期間での変速速度を上記の
ようにして設定する替わりに、その第1変速期間の長さ
を設定して変速制御を実行してもよい。その変速期間の
長さは、例えばアクセル開度の変化率や目標回転数と実
回転数との差などに応じて決定することができる。ま
た、上記の例では加速する場合に目標トルクがエンジン
1の最大トルクを越える変速の場合について説明した
が、目標トルクがエンジンの最大トルクを越えない加速
の場合や減速の場合についても、上述した変速制御を同
様に実施することができる。
【0104】また、上述した具体例では、動力源が内燃
機関の場合について説明したが、この発明は上記の例に
限定されないのであって、電動機と内燃機関とを組み合
わせて動力源とした車両などの他の形式の車両に適用す
ることができる。その場合、内燃機関を最適運転ライン
に沿って制御し、電動機の出力を前述した等出力線上で
の運転点およびその運転点から最適運転ライン上の運転
点に変化させるように制御すればよい。また、変速速度
の変化は、複数段階であればよいのであって、上述した
2段階に限定されない。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、加減速の要求があった場合、その時点の動力源
の出力回転数(あるいは出力角速度)と動力源の目標と
する出力とに基づいて目標トルクを求め、そのトルクを
出力するよう動力源を制御した後に目標出力まで動力源
を制御するから、加減速の要求に適合した駆動トルクを
得ることができ、その結果、車両としての動力性能ある
いはドライバビリティを従来になく向上させることがで
きる。
【0106】また請求項2の発明によれば、目標駆動力
を予め設定したマップ基づいて求めることができるの
で、出力要求と加速の特性の設定を容易におこなうこと
が可能になる。
【0107】さらに、請求項3の発明によれば、例えば
目標出力が求められると、その目標出力から目標出力ト
ルクが求められ、動力源がその目標出力トルクを発生す
るように制御され、その場合、例えば出力の増大要求に
基づく変速であれば、目標出力に応じた動力源の回転数
となるように急速に変速比が変化させられるので、要求
に応じた駆動力が得られるとともに、動力源の回転数が
車速の変化に対して乖離して変化することがなく、さら
に、目標出力が達成された後、その出力での予め設定さ
れた目標出力回転数への変速の際には、変速比がゆっく
り変化させられ、例えば車速の変化と動力源の回転数の
変化とが対応した状態となるので、要求に応じた加減速
度を得ることができ、また違和感のない変速を実行する
ができる。
【0108】請求項4の発明によれば、出力要求量の変
化が大きい場合であっても、動力源の出力回転数が、目
標出力に対して予め設定した目標回転数に直ちに変化せ
ずに、制限値で定まる回転数になり、その制限値が変化
することに応じて動力源の回転数が、前記目標出力に対
して予め設定した目標回転数に向けて次第に変化するの
で、例えば加速要求があった場合、動力源の回転数が車
速の増大に関連して変化し、動力源の挙動の変化が車両
の挙動の変化に合致したものとなり、その結果、違和感
が生じることを未然に回避することができ、また動力源
の回転数を抑制することになるので、騒音を緩和するこ
とができる。
【0109】そして、請求項5の発明によれば、故障が
検出された場合、前記目標出力を制限する制御が実行さ
れ、その結果、目標出力が出力要求に応じた値より小さ
くなるので、目標出力に基づいて設定される動力源の出
力トルクや無段変速機の変速比が小さくなる。そのた
め、動力源の出力が伝達される動力伝達系統に、故障状
態で過大な荷重が掛かることが未然に回避され、動力伝
達系統を有効に保護することができるとともに、故障状
態でも可能に限り駆動力が確保されて走行可能になる。
【0110】さらに、請求項6の発明によれば、無段変
速機で設定するべき変速比を、手動操作によって直接指
示するように構成した場合であっても、その変速比を設
定するための無段変速機の制御は、動力源の回転数をそ
の変速比に応じた回転数に一致させるように実行され、
すなわち動力源の回転数を基準に変速比の制御が実行さ
れ、同時に動力源の出力トルクは要求駆動力に基づいて
手動変速以外の場合と同様に制御する。これは、要求駆
動力に基づく変速比の自動制御の場合と同様の制御とな
り、その結果、請求項6の発明によれば、いわゆる自動
変速制御と手動変速制御とで共通した制御プロセス(制
御ロジック)を用いることになり、そのため制御装置を
小容量化し、かつ小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明による制御例を説明するため
のブロック図である。
【図2】 請求項1の発明の装置でエンジンの制御をお
こなった場合の運転状態の変化を示す線図である。
【図3】 請求項1の発明の他の例を説明するためのブ
ロック図である。
【図4】 この発明で対象とすることのできる動力伝達
系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図5】 請求項3の発明の一例を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図6】 第1変速期間での変速速度を決定するための
マップの例を示す図である。
【図7】 第2変速期間での変速速度を決定するための
マップの例を示す図である。
【図8】 請求項4の発明の一例を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図9】 車速制限最高エンジン回転数マップの例を示
す線図である。
【図10】 請求項5の発明の一例を説明するためのフ
ローチャートである。
【図11】 実アクセル開度の故障に伴う制限をおこな
うためのマップの異例を示す線図である。
【図12】 請求項6の発明による制御系統の一例を模
式的に示すブロック図である。
【図13】 請求項6の発明による制御例を説明するた
めのブロック図である。
【符号の説明】
1…原動機、 4,9…電子制御装置、 6…無段変速
機、 20…手動変速機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:44 63:06 Fターム(参考) 3D041 AA32 AA33 AA80 AB01 AC06 AC19 AC20 AD02 AD10 AD51 AE03 AE04 AE07 AE31 AE45 3G093 AA06 BA04 BA10 BA15 BA23 CA12 CB01 DA01 DA06 DB05 EA02 EA03 EA05 EB03 EC01 FA07 FA10 FB01 FB02 FB03 3J052 AA04 AA14 CA22 DA11 EA04 FB33 GC13 GC23 GC44 GC46 HA12 LA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力要求量と車速とに基づいて目標駆動
    力を求める手段と、その目標駆動力を達成するための動
    力源の目標出力を求める手段と、その目標出力に対して
    予め設定された目標出力回転数を求める手段と、動力源
    の実際の出力回転数がその目標出力回転数となるように
    無段変速機の変速比を制御する手段とを有する無段変速
    機を備えた車両の制御装置において、 前記目標出力と前記動力源の現在の出力回転数とに基づ
    いて前記動力源の目標出力トルクを求める手段と、 その目標出力トルクとなるように前記動力源を制御する
    手段とを更に具備していることを特徴とする無段変速機
    を備えた車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標駆動力を求める手段が、出力要
    求量と車速とに関連して駆動力を定めてあるマップに基
    づいて目標駆動力を求める手段を備えていることを特徴
    とする請求項1に記載の無段変速機を備えた車両の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記無段変速機の変速比の変速速度を、
    前記動力源の実際の回転数が前記目標回転数になるまで
    少なくとも緩急二段階に変化させる変速速度制御手段を
    更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段
    変速機を備えた車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記動力源の目標出力回転数を予め定め
    た制限値に制限するとともに、前記目標出力に対して予
    め設定された目標出力回転数を求める手段で求められた
    前記目標回転数に一致するように前記制限値を次第に変
    化させる目標回転数制限手段を更に備えていることを特
    徴とする請求項1に記載の無段変速機を備えた車両の制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記動力源と無段変速機とのいずれか一
    方もしくはその動力源と無段変速機とのいずれかの制御
    系統の故障を検出する故障検出手段と、 その故障検出手段が故障を検出した場合に、前記目標出
    力を制限するための制限制御を実行する制限手段とを更
    に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変
    速機を備えた車両の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記無段変速機で設定するべき変速比を
    手動による選択操作で出力される変速信号によって指示
    する手動変速機構を更に備え、 前記目標駆動力を求める手段が、前記手動変速機構によ
    って選択された変速比ごとに出力要求量と車速とに基づ
    いて目標駆動力を求める手段を含み、かつ前記目標出力
    回転数を求める手段が、前記目標出力に対して予め設定
    された目標出力回転数を求める替わりに、前記手動変速
    機構によって選択された変速比と車速もしくは車速に対
    応する所定の物理量とに基づいて目標出力回転数を求め
    るように構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の無段変速機を備えた車両の制御装置。
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