JP2000287717A - 網形ファスナー - Google Patents
網形ファスナーInfo
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- JP2000287717A JP2000287717A JP11097674A JP9767499A JP2000287717A JP 2000287717 A JP2000287717 A JP 2000287717A JP 11097674 A JP11097674 A JP 11097674A JP 9767499 A JP9767499 A JP 9767499A JP 2000287717 A JP2000287717 A JP 2000287717A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の突子を有する第1ファスナー部材とそ
れら突子に係合する係合部を有する第2ファスナー部材
とからなるファスナーの、剪断強度を高める。 【解決手段】 網形ファスナー10の第1ファスナー部
材12は、基部16の主表面16aに立設される複数の
突子18を備える。第2ファスナー部材14は、第1フ
ァスナー部材12の複数の突子18に着脱自在に係合可
能な係合部20を備える。第2ファスナー部材14の係
合部20は、第1ファスナー部材12の基部16の主表
面16aに対面配置されて複数の突子18を受容する網
状構造を有する。係合部20の網状構造は、互いに略直
交して格子状に延びる複数の縦材22及び横材24によ
って形成される。それにより係合部20には複数の貫通
穴28が形成され、各貫通穴28に、第1ファスナー部
材12の少なくとも1つの突子18が挿入される。
れら突子に係合する係合部を有する第2ファスナー部材
とからなるファスナーの、剪断強度を高める。 【解決手段】 網形ファスナー10の第1ファスナー部
材12は、基部16の主表面16aに立設される複数の
突子18を備える。第2ファスナー部材14は、第1フ
ァスナー部材12の複数の突子18に着脱自在に係合可
能な係合部20を備える。第2ファスナー部材14の係
合部20は、第1ファスナー部材12の基部16の主表
面16aに対面配置されて複数の突子18を受容する網
状構造を有する。係合部20の網状構造は、互いに略直
交して格子状に延びる複数の縦材22及び横材24によ
って形成される。それにより係合部20には複数の貫通
穴28が形成され、各貫通穴28に、第1ファスナー部
材12の少なくとも1つの突子18が挿入される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに係合可能な
2部材を組合せて使用する固着装置に関し、特に、複数
の突子を備えた第1ファスナー部材と、それら突子に係
合する係合部を備えた第2ファスナー部材とを具備する
ファスナーに関する。
2部材を組合せて使用する固着装置に関し、特に、複数
の突子を備えた第1ファスナー部材と、それら突子に係
合する係合部を備えた第2ファスナー部材とを具備する
ファスナーに関する。
【0002】
【従来の技術】椅子、ベッド、自動車座席等、弾性体か
らなる物体すなわちパッド芯材と、パッド芯材の表面を
被覆する被覆材すなわち表皮材とを備えた物品におい
て、パッド芯材に表皮材を強固に固定的に被着するため
に、クリップや面ファスナー等の固定手段を使用するこ
とは知られている。
らなる物体すなわちパッド芯材と、パッド芯材の表面を
被覆する被覆材すなわち表皮材とを備えた物品におい
て、パッド芯材に表皮材を強固に固定的に被着するため
に、クリップや面ファスナー等の固定手段を使用するこ
とは知られている。
【0003】例えば実開平6−82968号公報は、自
動車座席の表皮材を座席フレームに固定するためのクリ
ップを開示する。このクリップは、複数の弾性係止片を
備えた板状の脚部と、脚部の一端から脚部に略直交して
延長される板状の取付部とを備える。脚部は、座席フレ
ームに形成された係止溝に挿入される。このとき、弾性
係止片が係止溝の壁に弾性的に当接され、それによりク
リップが座席フレームに固定される。クリップは、取付
部に表皮材の一端縁を巻付けて縫着することにより、表
皮材に取付けられる。この構成によれば、表皮材に引張
力が加わったときにも、クリップの脚部が係止溝から抜
け出すことなく、比較的強固に座席フレームに固定され
るので、座席のパッド芯材に表皮材を安定的に被着する
ことができる。
動車座席の表皮材を座席フレームに固定するためのクリ
ップを開示する。このクリップは、複数の弾性係止片を
備えた板状の脚部と、脚部の一端から脚部に略直交して
延長される板状の取付部とを備える。脚部は、座席フレ
ームに形成された係止溝に挿入される。このとき、弾性
係止片が係止溝の壁に弾性的に当接され、それによりク
リップが座席フレームに固定される。クリップは、取付
部に表皮材の一端縁を巻付けて縫着することにより、表
皮材に取付けられる。この構成によれば、表皮材に引張
力が加わったときにも、クリップの脚部が係止溝から抜
け出すことなく、比較的強固に座席フレームに固定され
るので、座席のパッド芯材に表皮材を安定的に被着する
ことができる。
【0004】また実開平5−60398号公報及び実開
平5−70397号公報は、自動車座席のヘッドレスト
の表皮材の両端縁を、面ファスナーを用いて相互に又は
パッド芯材に接合する接合構造を開示する。この接合構
造では、面ファスナーを構成する雌雄のファスナー部材
を相互に面接触させて、それらの基部の接触面に設けた
多数の係合要素同士を係合させるだけで、表皮材の両端
縁を相互に又はパッド芯材に接合することができる。
平5−70397号公報は、自動車座席のヘッドレスト
の表皮材の両端縁を、面ファスナーを用いて相互に又は
パッド芯材に接合する接合構造を開示する。この接合構
造では、面ファスナーを構成する雌雄のファスナー部材
を相互に面接触させて、それらの基部の接触面に設けた
多数の係合要素同士を係合させるだけで、表皮材の両端
縁を相互に又はパッド芯材に接合することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したクリップによ
る表皮材固定構造では、表皮材をパッド芯材に適正に、
かつ外観を損なわずに取付けるためには、クリップを表
皮材の所定位置に予め正確に縫着しておかなければなら
ない。表皮材へのクリップの縫着位置が不正確な場合に
は、表皮材をパッド芯材に被着したときにクリップが係
止溝に届かなかったり、不完全な挿入しかできなかった
りする不具合が生じる。或いはクリップを係止溝に完全
に挿入できたとしても、良好な外観を維持するための予
張力を表皮材に負荷できずに表皮材が弛んでしまう場合
がある。このような不具合を排除すべく、クリップを表
皮材の所定位置に正確に縫着することは、実際には容易
でなく、それを実現しようとすると座席の製造工程が煩
雑になり、製造コストが上昇する危惧がある。
る表皮材固定構造では、表皮材をパッド芯材に適正に、
かつ外観を損なわずに取付けるためには、クリップを表
皮材の所定位置に予め正確に縫着しておかなければなら
ない。表皮材へのクリップの縫着位置が不正確な場合に
は、表皮材をパッド芯材に被着したときにクリップが係
止溝に届かなかったり、不完全な挿入しかできなかった
りする不具合が生じる。或いはクリップを係止溝に完全
に挿入できたとしても、良好な外観を維持するための予
張力を表皮材に負荷できずに表皮材が弛んでしまう場合
がある。このような不具合を排除すべく、クリップを表
皮材の所定位置に正確に縫着することは、実際には容易
でなく、それを実現しようとすると座席の製造工程が煩
雑になり、製造コストが上昇する危惧がある。
【0006】他方、面ファスナーを用いた表皮材接合構
造では、雌雄ファスナー部材の接触面の一部の係合要素
同士が係合するだけでも、ある程度の固着力を得ること
ができるので、クリップを使用する場合のような表皮材
に対する高い取付位置決め精度は要求されない。しか
し、例えばフックアンドループ形式の雌雄ファスナー部
材を有した面ファスナーでは、フックとループとが相互
係合状態でも容易に撓むので、接触面に垂直な剥離方向
への外力に対する固着強度(すなわち剥離強度)に比較
して、接触面に平行な剪断方向への外力に対する固着強
度(すなわち剪断強度)が若干劣る傾向がある。ところ
が、パッド芯材に表皮材を強固にかつ安定的に被着する
ためには、表皮材の接合部分に十分な剪断強度が要求さ
れるのである。
造では、雌雄ファスナー部材の接触面の一部の係合要素
同士が係合するだけでも、ある程度の固着力を得ること
ができるので、クリップを使用する場合のような表皮材
に対する高い取付位置決め精度は要求されない。しか
し、例えばフックアンドループ形式の雌雄ファスナー部
材を有した面ファスナーでは、フックとループとが相互
係合状態でも容易に撓むので、接触面に垂直な剥離方向
への外力に対する固着強度(すなわち剥離強度)に比較
して、接触面に平行な剪断方向への外力に対する固着強
度(すなわち剪断強度)が若干劣る傾向がある。ところ
が、パッド芯材に表皮材を強固にかつ安定的に被着する
ためには、表皮材の接合部分に十分な剪断強度が要求さ
れるのである。
【0007】さらに、上記した面ファスナーによる表皮
材接合構造は、各ファスナー部材の基部の接触面をパッ
ド芯材や表皮材の表面に平行に配置した状態で、それら
接触面に設けた係合要素同士を係合させる形態であるか
ら、2個のファスナー部材が直接的に表皮材接合部分の
全体厚みを増加させることになる。その結果、パッド芯
材に表皮材を取付けた後に、座席の外観が特に表皮材接
合部分で損なわれる懸念がある。
材接合構造は、各ファスナー部材の基部の接触面をパッ
ド芯材や表皮材の表面に平行に配置した状態で、それら
接触面に設けた係合要素同士を係合させる形態であるか
ら、2個のファスナー部材が直接的に表皮材接合部分の
全体厚みを増加させることになる。その結果、パッド芯
材に表皮材を取付けた後に、座席の外観が特に表皮材接
合部分で損なわれる懸念がある。
【0008】本発明の目的は、複数の突子を備えた第1
ファスナー部材と、それら突子に係合する係合部を備え
た第2ファスナー部材とを具備するファスナーにおい
て、剪断強度を容易に向上させることができるファスナ
ーを提供することにある。本発明の他の目的は、物体に
その外面を覆う被覆材を固定的に被着するために使用で
きる一対のファスナー部材を備えたファスナーにおい
て、表皮材に対するファスナー部材の取付位置決め精度
を要することなく、しかも物体を被覆したときの被覆材
の外観を損なうことなく、被覆材を物体に安定的に被着
できるファスナーを提供することにある。
ファスナー部材と、それら突子に係合する係合部を備え
た第2ファスナー部材とを具備するファスナーにおい
て、剪断強度を容易に向上させることができるファスナ
ーを提供することにある。本発明の他の目的は、物体に
その外面を覆う被覆材を固定的に被着するために使用で
きる一対のファスナー部材を備えたファスナーにおい
て、表皮材に対するファスナー部材の取付位置決め精度
を要することなく、しかも物体を被覆したときの被覆材
の外観を損なうことなく、被覆材を物体に安定的に被着
できるファスナーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、基部に立設される複数の
突子を備えた第1ファスナー部材と、第1ファスナー部
材の基部に対面して複数の突子に係合する係合部を備え
た第2ファスナー部材とを具備するファスナーにおい
て、第2ファスナー部材の係合部が、第1ファスナー部
材の複数の突子を受容する網状構造を有することを特徴
とする網形ファスナーを提供する。
に、請求項1に記載の発明は、基部に立設される複数の
突子を備えた第1ファスナー部材と、第1ファスナー部
材の基部に対面して複数の突子に係合する係合部を備え
た第2ファスナー部材とを具備するファスナーにおい
て、第2ファスナー部材の係合部が、第1ファスナー部
材の複数の突子を受容する網状構造を有することを特徴
とする網形ファスナーを提供する。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の網形ファスナーにおいて、第2ファスナー部材の網状
構造が、格子状に延びて交差部分で互いに固定的に連結
される複数の縦材及び横材を有する網形ファスナーを提
供する。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記
載の網形ファスナーにおいて、第2ファスナー部材の網
状構造が複数の貫通穴を有し、それら貫通穴の各々に第
1ファスナー部材の少なくとも1つの突子が挿入される
網形ファスナーを提供する。
の網形ファスナーにおいて、第2ファスナー部材の網状
構造が、格子状に延びて交差部分で互いに固定的に連結
される複数の縦材及び横材を有する網形ファスナーを提
供する。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記
載の網形ファスナーにおいて、第2ファスナー部材の網
状構造が複数の貫通穴を有し、それら貫通穴の各々に第
1ファスナー部材の少なくとも1つの突子が挿入される
網形ファスナーを提供する。
【0011】請求項1に記載の発明では、第1ファスナ
ー部材の複数の突子が第2ファスナー部材の係合部20
の網状構造に受容されることにより、相互連結中の各フ
ァスナー部材に基部に平行な剪断方向への外力が加わっ
たときに、突子が網状構造に引っ掛かり、外力に抗して
相互連結状態を保持するに十分な剪断強度が発揮され
る。
ー部材の複数の突子が第2ファスナー部材の係合部20
の網状構造に受容されることにより、相互連結中の各フ
ァスナー部材に基部に平行な剪断方向への外力が加わっ
たときに、突子が網状構造に引っ掛かり、外力に抗して
相互連結状態を保持するに十分な剪断強度が発揮され
る。
【0012】請求項2に記載の発明では、相互連結中の
第1及び第2ファスナー部材の剪断方向への相対的位置
ずれが可及的に低減される。請求項3に記載の発明で
は、突子の高さを網状構造の厚みよりも大きくすること
により、剪断強度が容易に高められる。
第1及び第2ファスナー部材の剪断方向への相対的位置
ずれが可及的に低減される。請求項3に記載の発明で
は、突子の高さを網状構造の厚みよりも大きくすること
により、剪断強度が容易に高められる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一
又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。図1
は、本発明の実施の形態による網形ファスナー10を相
互連結前の状態で示す斜視図、図2及び図3はそれぞ
れ、相互連結時の網形ファスナー10を示す概略平面図
及び断面正面図である。網形ファスナー10は、互いに
着脱自在に連結可能な第1ファスナー部材12と第2フ
ァスナー部材14とを備える。
明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一
又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。図1
は、本発明の実施の形態による網形ファスナー10を相
互連結前の状態で示す斜視図、図2及び図3はそれぞ
れ、相互連結時の網形ファスナー10を示す概略平面図
及び断面正面図である。網形ファスナー10は、互いに
着脱自在に連結可能な第1ファスナー部材12と第2フ
ァスナー部材14とを備える。
【0014】第1ファスナー部材12は、帯状に延びる
平板状の基部16と、基部16の主表面16aに略鉛直
に立設される複数の円柱状の突子18とを備える。それ
ら突子18は、後述する第2ファスナー部材14の係合
部20に係合可能な係合要素であり、図示実施形態で
は、基部16の主表面16a上に2列の千鳥格子状に配
置される。この場合、複数の突子18を、基部16の主
表面16a上に所定間隔で規則的に配置してもよいし、
また図2及び図3に示すように、不規則な間隔を空けて
配置してもよい。或いは、複数の突子18を正方格子状
に配置することもできる。
平板状の基部16と、基部16の主表面16aに略鉛直
に立設される複数の円柱状の突子18とを備える。それ
ら突子18は、後述する第2ファスナー部材14の係合
部20に係合可能な係合要素であり、図示実施形態で
は、基部16の主表面16a上に2列の千鳥格子状に配
置される。この場合、複数の突子18を、基部16の主
表面16a上に所定間隔で規則的に配置してもよいし、
また図2及び図3に示すように、不規則な間隔を空けて
配置してもよい。或いは、複数の突子18を正方格子状
に配置することもできる。
【0015】第2ファスナー部材14は、第1ファスナ
ー部材12の複数の突子18に着脱自在に係合可能な係
合部20を備える。第2ファスナー部材14の係合部2
0は、第1ファスナー部材12の基部16の主表面16
aに対面配置されて複数の突子18を受容する網状構造
を有する。係合部20の網状構造は、互いに略直交して
格子状に延びる複数の縦材22及び横材24によって形
成される。それら縦材22及び横材24は、交差部分2
6で互いに固定的かつ一体的に連結される。それにより
係合部20には、網状構造を貫通して開口する複数の貫
通穴28が形成される。各貫通穴28は、第1ファスナ
ー部材12の少なくとも1つの突子18を受容可能な寸
法を有する。なお図示実施形態では、係合部20の側方
に、帯状に延びる平板状の取付部30が形成される。
ー部材12の複数の突子18に着脱自在に係合可能な係
合部20を備える。第2ファスナー部材14の係合部2
0は、第1ファスナー部材12の基部16の主表面16
aに対面配置されて複数の突子18を受容する網状構造
を有する。係合部20の網状構造は、互いに略直交して
格子状に延びる複数の縦材22及び横材24によって形
成される。それら縦材22及び横材24は、交差部分2
6で互いに固定的かつ一体的に連結される。それにより
係合部20には、網状構造を貫通して開口する複数の貫
通穴28が形成される。各貫通穴28は、第1ファスナ
ー部材12の少なくとも1つの突子18を受容可能な寸
法を有する。なお図示実施形態では、係合部20の側方
に、帯状に延びる平板状の取付部30が形成される。
【0016】図3に示すように、第1ファスナー部材1
2の突子18の高さHは、第2ファスナー部材14の係
合部20の縦材22及び横材24の厚みS以上に設定さ
れる。また、突子18の直径Dは、係合部20の貫通穴
28の一辺の長さL以下に設定される。なお、係合部2
0の縦材22及び横材24が撓曲できる場合には、突子
18の直径Dを貫通穴28の一辺の長さLより僅かに大
きく設定することもできる。さらに、第1ファスナー部
材12の基部16上での突子18の配置間隔は、全ての
突子18を第2ファスナー部材14の係合部20のいず
れかの貫通穴28に挿入できるように設定される。
2の突子18の高さHは、第2ファスナー部材14の係
合部20の縦材22及び横材24の厚みS以上に設定さ
れる。また、突子18の直径Dは、係合部20の貫通穴
28の一辺の長さL以下に設定される。なお、係合部2
0の縦材22及び横材24が撓曲できる場合には、突子
18の直径Dを貫通穴28の一辺の長さLより僅かに大
きく設定することもできる。さらに、第1ファスナー部
材12の基部16上での突子18の配置間隔は、全ての
突子18を第2ファスナー部材14の係合部20のいず
れかの貫通穴28に挿入できるように設定される。
【0017】第1ファスナー部材12の基部16及び複
数の突子18は、好ましくは同一の樹脂材料から一体的
に形成される。好ましくは各突子18は、後述する両フ
ァスナー部材12、14の相互連結時に、第2ファスナ
ー部材14の係合部20の縦材22及び横材24との係
合により容易には変形ないし撓曲しない程度の剛性を有
する。また、第2ファスナー部材14の係合部20及び
取付部30は、好ましくは同一の樹脂材料又は金属材料
から一体的に形成される。第2ファスナー部材14の係
合部20の複数の縦材22及び横材24は、射出成形等
により予め交差部分26を一体化した形態に成形しても
よいし、或いは繊維状の素材を組合せた後に交差部分2
6を相互に固着して形成してもよい。好ましくは縦材2
2及び横材24は、後述する両ファスナー部材12、1
4の相互連結時に、第1ファスナー部材14の突子18
との係合により容易には伸びない程度の剛性を有する。
数の突子18は、好ましくは同一の樹脂材料から一体的
に形成される。好ましくは各突子18は、後述する両フ
ァスナー部材12、14の相互連結時に、第2ファスナ
ー部材14の係合部20の縦材22及び横材24との係
合により容易には変形ないし撓曲しない程度の剛性を有
する。また、第2ファスナー部材14の係合部20及び
取付部30は、好ましくは同一の樹脂材料又は金属材料
から一体的に形成される。第2ファスナー部材14の係
合部20の複数の縦材22及び横材24は、射出成形等
により予め交差部分26を一体化した形態に成形しても
よいし、或いは繊維状の素材を組合せた後に交差部分2
6を相互に固着して形成してもよい。好ましくは縦材2
2及び横材24は、後述する両ファスナー部材12、1
4の相互連結時に、第1ファスナー部材14の突子18
との係合により容易には伸びない程度の剛性を有する。
【0018】このように網形ファスナー10は、第1フ
ァスナー部材12の複数の突子18を第2ファスナー部
材14の係合部20の複数の貫通穴28に挿入すること
により、第1及び第2ファスナー部材12、14が相互
に連結される構成を有する(図2参照)。相互連結時に
は、第1ファスナー部材12の各突子18がその円柱部
分の側面で、第2ファスナー部材14の各貫通穴28を
画成する縦材22及び横材24の少なくとも一方に摩擦
係合することにより、両ファスナー部材12、14の連
結状態が保持される。このような構成は、相互連結した
各ファスナー部材12、14に、基部16の主表面16
aに平行な剪断方向への外力が加わったときに、外力に
抗して相互連結状態を保持するに十分な剪断強度を発揮
し得るものである。網形ファスナー10による作用効果
を、幾つかの適用例を参照して以下に説明する。
ァスナー部材12の複数の突子18を第2ファスナー部
材14の係合部20の複数の貫通穴28に挿入すること
により、第1及び第2ファスナー部材12、14が相互
に連結される構成を有する(図2参照)。相互連結時に
は、第1ファスナー部材12の各突子18がその円柱部
分の側面で、第2ファスナー部材14の各貫通穴28を
画成する縦材22及び横材24の少なくとも一方に摩擦
係合することにより、両ファスナー部材12、14の連
結状態が保持される。このような構成は、相互連結した
各ファスナー部材12、14に、基部16の主表面16
aに平行な剪断方向への外力が加わったときに、外力に
抗して相互連結状態を保持するに十分な剪断強度を発揮
し得るものである。網形ファスナー10による作用効果
を、幾つかの適用例を参照して以下に説明する。
【0019】網形ファスナー10は、例えば図4に示す
ように、自動車用座席においてヘッドレストのパッド芯
材32の外面を被覆する表皮材34をパッド芯材32に
固定的に取付けるために、好適に使用される。図示の例
では、表皮材34の両端縁34aのそれぞれに第1ファ
スナー部材12及び第2ファスナー部材14が固定さ
れ、両ファスナー部材12、14の相互連結により表皮
材34の両端縁34a同士が接合される。表皮材34は
その両端縁34aが内側すなわちパッド芯材32側に折
返され、それら折返し部分にそれぞれ第1ファスナー部
材12及び第2ファスナー部材14が、例えば縫着、接
着等により固定される。この場合、第1ファスナー部材
12は基部16が、また第2ファスナー部材14は係合
部20に隣接する取付部30が、それぞれ表皮材34の
端縁34aに固定される。
ように、自動車用座席においてヘッドレストのパッド芯
材32の外面を被覆する表皮材34をパッド芯材32に
固定的に取付けるために、好適に使用される。図示の例
では、表皮材34の両端縁34aのそれぞれに第1ファ
スナー部材12及び第2ファスナー部材14が固定さ
れ、両ファスナー部材12、14の相互連結により表皮
材34の両端縁34a同士が接合される。表皮材34は
その両端縁34aが内側すなわちパッド芯材32側に折
返され、それら折返し部分にそれぞれ第1ファスナー部
材12及び第2ファスナー部材14が、例えば縫着、接
着等により固定される。この場合、第1ファスナー部材
12は基部16が、また第2ファスナー部材14は係合
部20に隣接する取付部30が、それぞれ表皮材34の
端縁34aに固定される。
【0020】表皮材取付作業では、パッド芯材32の外
面に表皮材34を被せ、表皮材34の両端縁34aに固
定した第1及び第2ファスナー部材12、14を相互に
連結する。このとき、パッド芯材32に巻付けた表皮材
34に適正な張力、つまり表皮材34が十分な摩擦力に
よってパッド芯材32に固定的に被着されるとともに、
被着後に表皮材34に弛みが生じないような張力を負荷
した状態で、第1ファスナー部材12の複数の突子18
を第2ファスナー部材14の係合部20のいずれかの貫
通穴28に挿入する。このようにすれば、第1及び第2
ファスナー部材12、14が相互連結状態で、パッド芯
材32及び表皮材34の復元力に起因する剪断方向への
外力を受ける。両ファスナー部材12、14は、この外
力に対し十分な剪断強度を発揮するとともに、第1ファ
スナー部材12の各突子18がその円柱部分の側面で、
第2ファスナー部材14の貫通穴28の特に縦材22に
圧力下で摩擦係合する。その結果、両ファスナー部材1
2、14の連結状態が保持され、表皮材34の両端縁3
4a同士が強固に接合される。
面に表皮材34を被せ、表皮材34の両端縁34aに固
定した第1及び第2ファスナー部材12、14を相互に
連結する。このとき、パッド芯材32に巻付けた表皮材
34に適正な張力、つまり表皮材34が十分な摩擦力に
よってパッド芯材32に固定的に被着されるとともに、
被着後に表皮材34に弛みが生じないような張力を負荷
した状態で、第1ファスナー部材12の複数の突子18
を第2ファスナー部材14の係合部20のいずれかの貫
通穴28に挿入する。このようにすれば、第1及び第2
ファスナー部材12、14が相互連結状態で、パッド芯
材32及び表皮材34の復元力に起因する剪断方向への
外力を受ける。両ファスナー部材12、14は、この外
力に対し十分な剪断強度を発揮するとともに、第1ファ
スナー部材12の各突子18がその円柱部分の側面で、
第2ファスナー部材14の貫通穴28の特に縦材22に
圧力下で摩擦係合する。その結果、両ファスナー部材1
2、14の連結状態が保持され、表皮材34の両端縁3
4a同士が強固に接合される。
【0021】網形ファスナー10はまた、図5に示すよ
うに、例えば自動車用座席の座部のパッド芯材36を覆
う表皮材38を、その端縁部38aで座席フレーム40
に固定するためにも使用できる。この場合、座席フレー
ム40に形成された溝42内に、予め第1ファスナー部
材12が、例えば接着剤により固定される。第2ファス
ナー部材14は、表皮材38の一端縁38aに縫着、接
着等により固定される。表皮材取付作業では、パッド芯
材36の外面に表皮材38を被せ、表皮材38の一端縁
38aに固定した第2ファスナー部材14を、座席フレ
ーム40の溝42内に挿入して、第1ファスナー部材1
2に連結する。この場合も上記したように、第1ファス
ナー部材12の複数の突子18を第2ファスナー部材1
4の係合部20のいずれかの貫通穴28に挿入すること
により、表皮材38に適正な張力を加えた状態でパッド
芯材36に被着できる。その結果、両ファスナー部材1
2、14に剪断方向への外力が加わってその連結状態が
保持され、表皮材38の一端縁38aが座席フレーム4
0に強固に接合される。
うに、例えば自動車用座席の座部のパッド芯材36を覆
う表皮材38を、その端縁部38aで座席フレーム40
に固定するためにも使用できる。この場合、座席フレー
ム40に形成された溝42内に、予め第1ファスナー部
材12が、例えば接着剤により固定される。第2ファス
ナー部材14は、表皮材38の一端縁38aに縫着、接
着等により固定される。表皮材取付作業では、パッド芯
材36の外面に表皮材38を被せ、表皮材38の一端縁
38aに固定した第2ファスナー部材14を、座席フレ
ーム40の溝42内に挿入して、第1ファスナー部材1
2に連結する。この場合も上記したように、第1ファス
ナー部材12の複数の突子18を第2ファスナー部材1
4の係合部20のいずれかの貫通穴28に挿入すること
により、表皮材38に適正な張力を加えた状態でパッド
芯材36に被着できる。その結果、両ファスナー部材1
2、14に剪断方向への外力が加わってその連結状態が
保持され、表皮材38の一端縁38aが座席フレーム4
0に強固に接合される。
【0022】なお図5の例では、座席フレーム40の溝
42に第1ファスナー部材12を固定しているが、その
代わりに、座席フレーム40に溝42を形成する際に、
溝42の内壁に第1ファスナー部材12の突子18と同
様の複数の突子を一体的に形成することもできる。この
場合、座席フレーム40の溝42自体を第1ファスナー
部材12と見なすことができる。
42に第1ファスナー部材12を固定しているが、その
代わりに、座席フレーム40に溝42を形成する際に、
溝42の内壁に第1ファスナー部材12の突子18と同
様の複数の突子を一体的に形成することもできる。この
場合、座席フレーム40の溝42自体を第1ファスナー
部材12と見なすことができる。
【0023】このように、網形ファスナー10によれ
ば、第1ファスナー部材12の複数の突子18を第2フ
ァスナー部材14の係合部20のいずれかの貫通穴28
に挿入するだけの単純な操作で、両ファスナー部材1
2、14を相互連結できるので、両ファスナー部材1
2、14の相対的な位置決めが不要であり、ファスナー
連結作業が極めて容易となる利点がある。しかも、突子
18を挿入する貫通穴28を自由に選択できるので、上
記した表皮材34、38等の被覆材に適正な張力を加え
た状態で、パッド芯材32、36等の物体に被覆材を被
着することができる。さらに、第1ファスナー部材12
の複数の突子18を第2ファスナー部材14の係合部2
0の貫通穴28から引き抜くだけで、両ファスナー部材
12、14を脱離できるので、物体や被覆材の交換作業
が容易になる。
ば、第1ファスナー部材12の複数の突子18を第2フ
ァスナー部材14の係合部20のいずれかの貫通穴28
に挿入するだけの単純な操作で、両ファスナー部材1
2、14を相互連結できるので、両ファスナー部材1
2、14の相対的な位置決めが不要であり、ファスナー
連結作業が極めて容易となる利点がある。しかも、突子
18を挿入する貫通穴28を自由に選択できるので、上
記した表皮材34、38等の被覆材に適正な張力を加え
た状態で、パッド芯材32、36等の物体に被覆材を被
着することができる。さらに、第1ファスナー部材12
の複数の突子18を第2ファスナー部材14の係合部2
0の貫通穴28から引き抜くだけで、両ファスナー部材
12、14を脱離できるので、物体や被覆材の交換作業
が容易になる。
【0024】また、第1ファスナー部材12の一部の突
子18のみが第2ファスナー部材14の網状構造の係合
部20に係合するだけでも、ある程度の剪断強度を得る
ことができるので、上記したパッド芯材32、36や表
皮材34、38等の固定対象物に対する高い取付位置決
め精度が要求されない。さらに、相互連結時に第1ファ
スナー部材12の突子18が第2ファスナー部材14の
網状構造の係合部20を貫通する構成であるから、特に
図4のヘッドレストへの適用時に、表皮材34の接合部
分の全体厚みは、突子18を含む第1ファスナー部材1
2の全体厚みの影響のみを受ける。したがって、表皮材
34をパッド芯材32に外観良く被着することができ
る。
子18のみが第2ファスナー部材14の網状構造の係合
部20に係合するだけでも、ある程度の剪断強度を得る
ことができるので、上記したパッド芯材32、36や表
皮材34、38等の固定対象物に対する高い取付位置決
め精度が要求されない。さらに、相互連結時に第1ファ
スナー部材12の突子18が第2ファスナー部材14の
網状構造の係合部20を貫通する構成であるから、特に
図4のヘッドレストへの適用時に、表皮材34の接合部
分の全体厚みは、突子18を含む第1ファスナー部材1
2の全体厚みの影響のみを受ける。したがって、表皮材
34をパッド芯材32に外観良く被着することができ
る。
【0025】上記構成を有する網形ファスナー10は、
様々な変形が可能である。例えば図6(a)、(b)に
示すように、第1ファスナー部材12の突子18を、一
端で基部16に連結される柱状の脚部44と、脚部44
の他端に連結されるドーム状の頭部46とを備えた茸状
に構成することもできる。この場合も、脚部44の高さ
H′は、第2ファスナー部材14の係合部20の縦材2
2及び横材24の厚みS(図3)以上に設定される。ま
た、頭部46の直径D′は、係合部20の貫通穴28の
一辺の長さL(図3)以下に設定される。なお、係合部
20の縦材22及び横材24が撓曲できる場合には、頭
部46の直径D′を貫通穴28の一辺の長さLより僅か
に大きく設定することもできる。
様々な変形が可能である。例えば図6(a)、(b)に
示すように、第1ファスナー部材12の突子18を、一
端で基部16に連結される柱状の脚部44と、脚部44
の他端に連結されるドーム状の頭部46とを備えた茸状
に構成することもできる。この場合も、脚部44の高さ
H′は、第2ファスナー部材14の係合部20の縦材2
2及び横材24の厚みS(図3)以上に設定される。ま
た、頭部46の直径D′は、係合部20の貫通穴28の
一辺の長さL(図3)以下に設定される。なお、係合部
20の縦材22及び横材24が撓曲できる場合には、頭
部46の直径D′を貫通穴28の一辺の長さLより僅か
に大きく設定することもできる。
【0026】この構成によれば、第1及び第2ファスナ
ー部材12、14を相互連結したときに、複数の突子1
8の先端で膨出する頭部46が、係合部20の縦材22
及び横材24の少なくとも一方に係合することにより、
基部16の主表面16aに垂直な剥離方向への外力に対
する剥離強度を効果的に高めることができる。この場
合、突子18の脚部44の剛性が、剪断方向への外力に
より比較的容易に撓曲する程度のものであっても、頭部
46と縦材22又は横材24との係合により、両ファス
ナー部材12、14の剪断強度を確保することができ
る。
ー部材12、14を相互連結したときに、複数の突子1
8の先端で膨出する頭部46が、係合部20の縦材22
及び横材24の少なくとも一方に係合することにより、
基部16の主表面16aに垂直な剥離方向への外力に対
する剥離強度を効果的に高めることができる。この場
合、突子18の脚部44の剛性が、剪断方向への外力に
より比較的容易に撓曲する程度のものであっても、頭部
46と縦材22又は横材24との係合により、両ファス
ナー部材12、14の剪断強度を確保することができ
る。
【0027】また、図7(a)、(b)に示すように、
脚部44の先端で脚部44の両側に突出する矢尻状の頭
部48を備えた突子18や、図8(a)、(b)に示す
ように、脚部44の片側のみに突出する矢尻状の頭部5
0を備えた突子18によっても、同様の効果が奏され
る。特に図8の突子18によれば、突子18の脚部44
が剪断方向への外力により比較的容易に撓曲する程度の
剛性を有する場合に、頭部50により一方向への剪断強
度を確保できる一方で、反対方向への剪断強度を意図的
に劣化させることができる。このように剪断強度に方向
性を付加するためには、突子18を基部16の主表面1
6aに対して斜めに立設することも有効である。
脚部44の先端で脚部44の両側に突出する矢尻状の頭
部48を備えた突子18や、図8(a)、(b)に示す
ように、脚部44の片側のみに突出する矢尻状の頭部5
0を備えた突子18によっても、同様の効果が奏され
る。特に図8の突子18によれば、突子18の脚部44
が剪断方向への外力により比較的容易に撓曲する程度の
剛性を有する場合に、頭部50により一方向への剪断強
度を確保できる一方で、反対方向への剪断強度を意図的
に劣化させることができる。このように剪断強度に方向
性を付加するためには、突子18を基部16の主表面1
6aに対して斜めに立設することも有効である。
【0028】第2ファスナー部材14の係合部20の縦
材22及び横材24は、図3に示す矩形断面形状だけで
なく、図9に示す円形や、他の楕円形、多角形等の様々
な断面形状を有することができる。また、縦材22及び
横材24を繊維状の素材から形成する場合は、複数の繊
維状素材を縒り合せることにより縦材22及び横材24
を構成することもできる。いずれの場合も、相互連結中
の第1及び第2ファスナー部材12、14の剪断方向へ
の相対的位置ずれを可及的に低減するために、縦材22
と横材24とは交差部分26で固定的に連結されること
が望ましい。
材22及び横材24は、図3に示す矩形断面形状だけで
なく、図9に示す円形や、他の楕円形、多角形等の様々
な断面形状を有することができる。また、縦材22及び
横材24を繊維状の素材から形成する場合は、複数の繊
維状素材を縒り合せることにより縦材22及び横材24
を構成することもできる。いずれの場合も、相互連結中
の第1及び第2ファスナー部材12、14の剪断方向へ
の相対的位置ずれを可及的に低減するために、縦材22
と横材24とは交差部分26で固定的に連結されること
が望ましい。
【0029】網形ファスナー10では、第1及び第2フ
ァスナー部材12、14の相互連結時に、第1ファスナ
ー部材12の複数の突子18が第2ファスナー部材14
の係合部20の貫通穴28を貫通する構成であるから、
用途によっては複数の突子18の先端(例えば頭部4
6)が使用感等に影響を及ぼすことが考えられる。その
ような影響を排除するためには、例えば図9に示すよう
に、第2ファスナー部材14の係合部20の全ての貫通
穴28を遮蔽する位置に、スポンジ状の緩衝部材52を
積層することが有利である。
ァスナー部材12、14の相互連結時に、第1ファスナ
ー部材12の複数の突子18が第2ファスナー部材14
の係合部20の貫通穴28を貫通する構成であるから、
用途によっては複数の突子18の先端(例えば頭部4
6)が使用感等に影響を及ぼすことが考えられる。その
ような影響を排除するためには、例えば図9に示すよう
に、第2ファスナー部材14の係合部20の全ての貫通
穴28を遮蔽する位置に、スポンジ状の緩衝部材52を
積層することが有利である。
【0030】網形ファスナー10は、第1及び第2ファ
スナー部材12、14は何れも、基部16及び係合部2
0の厚み方向、すなわち第1ファスナー部材12におい
ては突子18の延長方向、また第2ファスナー部材14
においては貫通孔26の貫通方向へ、比較的容易に撓曲
できるので、固定対象物の固定箇所(例えば前述した溝
42)が曲面状に延びる場合にも、第1及び第2ファス
ナー部材12、14を当該固定箇所に容易に設置でき
る。それに加えて、図10(a)、(b)に示すよう
に、第1ファスナー部材12の基部16の長手方向へ延
びる縁部の所望箇所に、横断方向への切欠き54を設け
ることにより、第1ファスナー部材12を基部16の主
表面16aに平行な方向へも容易に撓曲できるようにす
ることができる。それにより網形ファスナー10は、固
定対象物の三次元的曲面にも容易に適用できるようにな
る。
スナー部材12、14は何れも、基部16及び係合部2
0の厚み方向、すなわち第1ファスナー部材12におい
ては突子18の延長方向、また第2ファスナー部材14
においては貫通孔26の貫通方向へ、比較的容易に撓曲
できるので、固定対象物の固定箇所(例えば前述した溝
42)が曲面状に延びる場合にも、第1及び第2ファス
ナー部材12、14を当該固定箇所に容易に設置でき
る。それに加えて、図10(a)、(b)に示すよう
に、第1ファスナー部材12の基部16の長手方向へ延
びる縁部の所望箇所に、横断方向への切欠き54を設け
ることにより、第1ファスナー部材12を基部16の主
表面16aに平行な方向へも容易に撓曲できるようにす
ることができる。それにより網形ファスナー10は、固
定対象物の三次元的曲面にも容易に適用できるようにな
る。
【0031】本発明に係る網形ファスナーは、所望の剪
断強度を発揮し得るような様々な寸法を有することがで
きる。例えば、第1ファスナー部材の複数の突子の配置
間隔は、3mm〜5mmの範囲であればよい。また複数の突
子の配列は、対向すべき剪断方向への外力の負荷方向に
関して、1〜3列程度であればよい。これに対し、第2
ファスナー部材の係合部の縦材及び横材は、その太さが
網形ファスナーの剪断強度に直接的に影響するので、要
求される剪断強度から逆算して縦材及び横材の太さを設
定することができる。特に、第1及び第2ファスナー部
材の相互連結中の相対的な位置ずれの許容程度に応じ
て、縦材及び横材の剛性を調整できる。
断強度を発揮し得るような様々な寸法を有することがで
きる。例えば、第1ファスナー部材の複数の突子の配置
間隔は、3mm〜5mmの範囲であればよい。また複数の突
子の配列は、対向すべき剪断方向への外力の負荷方向に
関して、1〜3列程度であればよい。これに対し、第2
ファスナー部材の係合部の縦材及び横材は、その太さが
網形ファスナーの剪断強度に直接的に影響するので、要
求される剪断強度から逆算して縦材及び横材の太さを設
定することができる。特に、第1及び第2ファスナー部
材の相互連結中の相対的な位置ずれの許容程度に応じ
て、縦材及び横材の剛性を調整できる。
【0032】本発明に係る網形ファスナーは、様々な材
料から形成することができる。第1ファスナー部材の好
適な材料としては、ポリオキシメチレン、ポリアミド
(6−ナイロン(商標)、6,6−ナイロン(商標)
等)、ポリプロピレン等の樹脂材料が挙げられる。ま
た、第2ファスナー部材は、これら樹脂材料の他に、ア
ルミニウム等の金属材料から形成することもできる。
料から形成することができる。第1ファスナー部材の好
適な材料としては、ポリオキシメチレン、ポリアミド
(6−ナイロン(商標)、6,6−ナイロン(商標)
等)、ポリプロピレン等の樹脂材料が挙げられる。ま
た、第2ファスナー部材は、これら樹脂材料の他に、ア
ルミニウム等の金属材料から形成することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、複数の突子を備えた第1ファスナー部材と、
それら突子に係合する係合部を備えた第2ファスナー部
材とを具備するファスナーにおいて、剪断強度を容易に
向上させることが可能になる。さらに本発明によれば、
物体にその外面を覆う被覆材を固定的に被着するために
使用できる一対のファスナー部材を備えたファスナーに
おいて、表皮材に対するファスナー部材の位置決め精度
を要することなく、しかも物体を被覆したときの被覆材
の外観を損なうことなく、被覆材を物体に安定的に被着
することが可能になる。
によれば、複数の突子を備えた第1ファスナー部材と、
それら突子に係合する係合部を備えた第2ファスナー部
材とを具備するファスナーにおいて、剪断強度を容易に
向上させることが可能になる。さらに本発明によれば、
物体にその外面を覆う被覆材を固定的に被着するために
使用できる一対のファスナー部材を備えたファスナーに
おいて、表皮材に対するファスナー部材の位置決め精度
を要することなく、しかも物体を被覆したときの被覆材
の外観を損なうことなく、被覆材を物体に安定的に被着
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による網形ファスナーの、
第1及び第2ファスナー部材の一部分を、相互に離脱し
た状態で示す斜視図である。
第1及び第2ファスナー部材の一部分を、相互に離脱し
た状態で示す斜視図である。
【図2】図1の網形ファスナーの第1及び第2ファスナ
ー部材を相互連結した状態で示す概略平面図である。
ー部材を相互連結した状態で示す概略平面図である。
【図3】図1の網形ファスナーの第1及び第2ファスナ
ー部材を相互連結した状態で示す部分拡大断面断面図で
ある。
ー部材を相互連結した状態で示す部分拡大断面断面図で
ある。
【図4】本発明に係る網形ファスナーの一適用例を示す
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明に係る網形ファスナーの他の適用例を示
す拡大断面図である。
す拡大断面図である。
【図6】図1の網形ファスナーの第1ファスナー部材の
突子の変形例を示す図で、(a)平面図、及び(b)正
面図である。
突子の変形例を示す図で、(a)平面図、及び(b)正
面図である。
【図7】図1の網形ファスナーの第1ファスナー部材の
突子の他の変形例を示す図で、(a)平面図、及び
(b)正面図である。
突子の他の変形例を示す図で、(a)平面図、及び
(b)正面図である。
【図8】図1の網形ファスナーの第1ファスナー部材の
突子の他の変形例を示す図で、(a)平面図、及び
(b)正面図である。
突子の他の変形例を示す図で、(a)平面図、及び
(b)正面図である。
【図9】図1の網形ファスナーの変形例を両ファスナー
部材の相互連結状態で示す断面図である。
部材の相互連結状態で示す断面図である。
【図10】図1の網形ファスナーの第1ファスナー部材
のさらに他の変形例を示す図で、(a)正面図、及び
(b)平面図である。
のさらに他の変形例を示す図で、(a)正面図、及び
(b)平面図である。
10…網形ファスナー 12…第1ファスナー部材 14…第2ファスナー部材 16…基部 18…突子 20…係合部 22…縦材 24…横材 26…交差部分 28…貫通穴 32、36…パッド芯材 34、38…表皮材 40…座席フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B100 DA01 DB05 DB08 3J001 AA01 BA03 DE07 4F213 AA11 AA23 AA29 AC03 AH08 AH10 WA05 WA41 WA54 WA60 WB01
Claims (3)
- 【請求項1】 基部に立設される複数の突子を備えた第
1ファスナー部材と、該第1ファスナー部材の該基部に
対面して該複数の突子に係合する係合部を備えた第2フ
ァスナー部材とを具備するファスナーにおいて、 前記第2ファスナー部材の前記係合部が、前記第1ファ
スナー部材の前記複数の突子を受容する網状構造を有す
ることを特徴とする網形ファスナー。 - 【請求項2】 前記第2ファスナー部材の前記網状構造
が、格子状に延びて交差部分で互いに固定的に連結され
る複数の縦材及び横材を有する請求項1に記載の網形フ
ァスナー。 - 【請求項3】 前記第2ファスナー部材の前記網状構造
が複数の貫通穴を有し、それら貫通穴の各々に前記第1
ファスナー部材の少なくとも1つの前記突子が挿入され
る請求項1又は2に記載の網形ファスナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11097674A JP2000287717A (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 網形ファスナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11097674A JP2000287717A (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 網形ファスナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000287717A true JP2000287717A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14198573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11097674A Pending JP2000287717A (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 網形ファスナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000287717A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006264601A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Mitsubishi Electric Corp | サーマルブランケットおよびその取付方法 |
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