JP2000266079A - 湿式摩擦部材及び摩擦ディスク - Google Patents
湿式摩擦部材及び摩擦ディスクInfo
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- JP2000266079A JP2000266079A JP11066027A JP6602799A JP2000266079A JP 2000266079 A JP2000266079 A JP 2000266079A JP 11066027 A JP11066027 A JP 11066027A JP 6602799 A JP6602799 A JP 6602799A JP 2000266079 A JP2000266079 A JP 2000266079A
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H45/00—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
- F16H45/02—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
- F16H2045/0273—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
- F16H2045/0289—Details of friction surfaces of the lock-up clutch
Landscapes
- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 例えばトルクコンバータのロックアップ装置
のような湿式クラッチにおいて、ドラグトルクを減少さ
せる。 【解決手段】 第1摩擦フェーシング46aは、湿式ク
ラッチの摩擦板に固定されるものである。第1摩擦フェ
ーシング46aは環状かつ平坦な本体からなる。本体は
摩擦板に固定される第1面と、反対側の第2面と、第2
面に形成され内周縁から外周縁まで貫通し途中で偶数の
曲部83,85を持つ複数の溝部81とを有する。
のような湿式クラッチにおいて、ドラグトルクを減少さ
せる。 【解決手段】 第1摩擦フェーシング46aは、湿式ク
ラッチの摩擦板に固定されるものである。第1摩擦フェ
ーシング46aは環状かつ平坦な本体からなる。本体は
摩擦板に固定される第1面と、反対側の第2面と、第2
面に形成され内周縁から外周縁まで貫通し途中で偶数の
曲部83,85を持つ複数の溝部81とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式摩擦部材及び
それが用いられる摩擦ディスクに関する。
それが用いられる摩擦ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、トルクコンバータは、流体によ
り動力を伝達するために加速及び減速をスムーズに行う
ことができる。しかし、流体の滑りによりエネルギーロ
スが生じ、燃費が悪い。
り動力を伝達するために加速及び減速をスムーズに行う
ことができる。しかし、流体の滑りによりエネルギーロ
スが生じ、燃費が悪い。
【0003】そこで従来のトルクコンバータには、入力
側のフロントカバーと出力側のタービンとを機械的に連
結するロックアップ装置が取り付けられたものがある。
ロックアップ装置はフロントカバーとタービンとの間の
空間に配置されている。ロックアップ装置は、主に、フ
ロントカバーに圧接可能な円板状ピストンと、タービン
の背面側に取り付けられたドリブンプレートと、ピスト
ンとドリブンプレートとを回転方向に弾性的に連結する
トーションスプリングとから構成されている。ピストン
には、フロントカバーの平坦な摩擦面に対向する位置に
円環状の摩擦部材が接着されている。
側のフロントカバーと出力側のタービンとを機械的に連
結するロックアップ装置が取り付けられたものがある。
ロックアップ装置はフロントカバーとタービンとの間の
空間に配置されている。ロックアップ装置は、主に、フ
ロントカバーに圧接可能な円板状ピストンと、タービン
の背面側に取り付けられたドリブンプレートと、ピスト
ンとドリブンプレートとを回転方向に弾性的に連結する
トーションスプリングとから構成されている。ピストン
には、フロントカバーの平坦な摩擦面に対向する位置に
円環状の摩擦部材が接着されている。
【0004】前記従来のロックアップ装置では、ピスト
ンの作動はトルクコンバータ本体内を流れる作動油によ
り制御されている。具体的には、ロックアップ連結解除
時にピストンとフロントカバーとの間に外部の油圧作動
機構から作動油が供給される。この作動油はフロントカ
バーとピストンとの間の空間を半径方向外側に流れ、さ
らに外周部側においてトルクコンバータ本体内に流れ込
む。ロックアップ連結時には、フロントカバーとピスト
ンとの間の空間の作動油が内周側からドレンされ、その
結果ピストンがフロントカバー側に移動する。この結果
ピストンに設けられた摩擦部材がフロントカバーの摩擦
面に押し付けられる。このようにしてフロントカバーの
トルクがロックアップ装置を介してタービン側に伝達さ
れる。
ンの作動はトルクコンバータ本体内を流れる作動油によ
り制御されている。具体的には、ロックアップ連結解除
時にピストンとフロントカバーとの間に外部の油圧作動
機構から作動油が供給される。この作動油はフロントカ
バーとピストンとの間の空間を半径方向外側に流れ、さ
らに外周部側においてトルクコンバータ本体内に流れ込
む。ロックアップ連結時には、フロントカバーとピスト
ンとの間の空間の作動油が内周側からドレンされ、その
結果ピストンがフロントカバー側に移動する。この結果
ピストンに設けられた摩擦部材がフロントカバーの摩擦
面に押し付けられる。このようにしてフロントカバーの
トルクがロックアップ装置を介してタービン側に伝達さ
れる。
【0005】従来のロックアップ装置においては、十分
なトルク伝達容量を確保する目的で、複数の摩擦板によ
り複数の摩擦面を確保する複板クラッチが用いられてい
る。
なトルク伝達容量を確保する目的で、複数の摩擦板によ
り複数の摩擦面を確保する複板クラッチが用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の複板クラッチを
用いたトルクコンバータのロックアップ装置では、例え
ばクラッチ連結部がドリブンプレートとその両側に配置
されたドライブプレートとを有しているものがある。ド
リブンプレートの両面には湿式摩擦フェーシングが貼ら
れており、各ドライブプレートとの間に摩擦面を形成し
ている。このような複数の摩擦面を有する複板式のクラ
ッチ連結部においては従来からドラグトルクの問題があ
る。ドラグトルクとは、圧力の低下等によって、クラッ
チ連結解除時にドライブプレートとドリブンプレートと
が互いに接触することで発生する引きずりトルクををい
う。
用いたトルクコンバータのロックアップ装置では、例え
ばクラッチ連結部がドリブンプレートとその両側に配置
されたドライブプレートとを有しているものがある。ド
リブンプレートの両面には湿式摩擦フェーシングが貼ら
れており、各ドライブプレートとの間に摩擦面を形成し
ている。このような複数の摩擦面を有する複板式のクラ
ッチ連結部においては従来からドラグトルクの問題があ
る。ドラグトルクとは、圧力の低下等によって、クラッ
チ連結解除時にドライブプレートとドリブンプレートと
が互いに接触することで発生する引きずりトルクををい
う。
【0007】本発明の課題は、トルクコンバータのロッ
クアップ装置のような湿式クラッチにおいて、ドラグト
ルクを減少させることにある。
クアップ装置のような湿式クラッチにおいて、ドラグト
ルクを減少させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の湿式摩
擦部材は、湿式クラッチの摩擦板に固定されるものであ
る。湿式摩擦部材は環状かつ平坦な本体からなる。本体
は摩擦板に固定される第1面と、反対側の第2面と、第
2面に形成され内周縁から外周縁まで貫通し途中で偶数
の曲部を持つ複数の溝とを有する。
擦部材は、湿式クラッチの摩擦板に固定されるものであ
る。湿式摩擦部材は環状かつ平坦な本体からなる。本体
は摩擦板に固定される第1面と、反対側の第2面と、第
2面に形成され内周縁から外周縁まで貫通し途中で偶数
の曲部を持つ複数の溝とを有する。
【0009】クラッチ連結解除時において、摩擦板は近
接する他の部材と相対回転している。そのため、流体は
湿式摩擦部材の表面に形成された複数の溝部を流れ、曲
部において流体同士が衝突したり流体が曲部に衝突する
などして抵抗が発生し、曲部において圧力が高くなる。
つまり、湿式摩擦部材と他の部材との間に動圧が発生
し、摩擦板は他の部材から離れようとする。そのため、
ドラグトルクが減少する。
接する他の部材と相対回転している。そのため、流体は
湿式摩擦部材の表面に形成された複数の溝部を流れ、曲
部において流体同士が衝突したり流体が曲部に衝突する
などして抵抗が発生し、曲部において圧力が高くなる。
つまり、湿式摩擦部材と他の部材との間に動圧が発生
し、摩擦板は他の部材から離れようとする。そのため、
ドラグトルクが減少する。
【0010】ここでは、摩擦板の両面に本発明に係る湿
式摩擦部材を用いた場合において、複数の溝は偶数の曲
部を有しているため、軸方向両側において流体の衝突が
生じる曲部の数が同じである。この結果、摩擦板の軸方
向両側で発生する動圧が同じになり、摩擦板は軸方向の
所定位置を保つことができる。
式摩擦部材を用いた場合において、複数の溝は偶数の曲
部を有しているため、軸方向両側において流体の衝突が
生じる曲部の数が同じである。この結果、摩擦板の軸方
向両側で発生する動圧が同じになり、摩擦板は軸方向の
所定位置を保つことができる。
【0011】請求項2に記載の湿式摩擦部材は、請求項
1において、各溝は曲部を2つ有する。
1において、各溝は曲部を2つ有する。
【0012】請求項3に記載の湿式摩擦部材は、請求項
2において、各溝は、外周縁から内周側に延びる第1溝
部と、内周縁から外周側に延びる第2溝部と、第1溝部
と第2溝部とを連結しそれぞれとの接合部に曲部を形成
する第3溝部とを有する。
2において、各溝は、外周縁から内周側に延びる第1溝
部と、内周縁から外周側に延びる第2溝部と、第1溝部
と第2溝部とを連結しそれぞれとの接合部に曲部を形成
する第3溝部とを有する。
【0013】この湿式摩擦部材が摩擦板の両面に固定さ
れた場合において、片側の湿式摩擦部材で第1溝部と第
3溝部とにより形成された曲部で流体の衝突が生じ、反
対側の湿式摩擦部材では第2溝部と第3溝部とにより形
成された曲部で流体の衝突が生じている。この結果、摩
擦板の両側で発生する動圧が等しくなる。
れた場合において、片側の湿式摩擦部材で第1溝部と第
3溝部とにより形成された曲部で流体の衝突が生じ、反
対側の湿式摩擦部材では第2溝部と第3溝部とにより形
成された曲部で流体の衝突が生じている。この結果、摩
擦板の両側で発生する動圧が等しくなる。
【0014】請求項4に記載の湿式摩擦部材は、請求項
3において、第1溝部の外周側端と第2溝部の内周側端
は概ね同一円周方向位置にあり、第1溝部の内周側端と
第2溝部の外周側端は異なる円周方向位置にある。
3において、第1溝部の外周側端と第2溝部の内周側端
は概ね同一円周方向位置にあり、第1溝部の内周側端と
第2溝部の外周側端は異なる円周方向位置にある。
【0015】この湿式摩擦部材では、第1溝部の外周側
端と内周側端とは円周方向の異なる位置にあり、さらに
第2溝部の内周側端と外周側端とは円周方向に異なる位
置にあるため、いずれか一方の溝部は摩擦板の回転方向
に対して開いている。このため、溝部に流入する流体の
流量が大きくなり、保圧効果が高まる。
端と内周側端とは円周方向の異なる位置にあり、さらに
第2溝部の内周側端と外周側端とは円周方向に異なる位
置にあるため、いずれか一方の溝部は摩擦板の回転方向
に対して開いている。このため、溝部に流入する流体の
流量が大きくなり、保圧効果が高まる。
【0016】請求項5に記載の湿式摩擦部材では、請求
項3において、第1溝部と第2溝部は円周方向の異なる
位置で概ね半径方向に延び、第3溝部は概ね円周方向に
延びている。
項3において、第1溝部と第2溝部は円周方向の異なる
位置で概ね半径方向に延び、第3溝部は概ね円周方向に
延びている。
【0017】この湿式摩擦部材では、第3溝部は概ね円
周方向に延びているため、各溝部を鋭角に折り曲げなく
ても、広範囲に渡って溝部を設けることができる。この
ように摩擦部材の表面において溝部の面積を増やすこと
ができるため、冷却効果が高まる。
周方向に延びているため、各溝部を鋭角に折り曲げなく
ても、広範囲に渡って溝部を設けることができる。この
ように摩擦部材の表面において溝部の面積を増やすこと
ができるため、冷却効果が高まる。
【0018】請求項6に記載の摩擦ディスクは、湿式ク
ラッチに用いられるものであり、摩擦板と湿式摩擦部材
とを備えている。摩擦板は環状の摩擦連結部を有してい
る。湿式摩擦部材は、摩擦連結部の両面に各々貼られた
1対の部材である。湿式摩擦部材は請求項1〜5のいず
れかに記載のものである。
ラッチに用いられるものであり、摩擦板と湿式摩擦部材
とを備えている。摩擦板は環状の摩擦連結部を有してい
る。湿式摩擦部材は、摩擦連結部の両面に各々貼られた
1対の部材である。湿式摩擦部材は請求項1〜5のいず
れかに記載のものである。
【0019】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバー
タ1を示している。図1において、トルクコンバータ1
は、主に、フロントカバー2と、フロントカバー2と同
心に配置された3種の羽根車(インペラー10、タービ
ン11、ステータ12)からなる流体作動部3と、フロ
ントカバー2とタービン11との軸方向間の空間Cに配
置されたロックアップ装置4とから構成されている。フ
ロントカバー2とインペラー10のインペラーシェル1
5は外周部が溶接により固定されており、両者で作動油
が充填された流体室Aを形成している。インペラーシェ
ル15においてインペラーブレード16からさらに延び
る部分は、タービン11の外周側に配置され、フロント
カバー2の外周筒状部8と一体になっている。
タ1を示している。図1において、トルクコンバータ1
は、主に、フロントカバー2と、フロントカバー2と同
心に配置された3種の羽根車(インペラー10、タービ
ン11、ステータ12)からなる流体作動部3と、フロ
ントカバー2とタービン11との軸方向間の空間Cに配
置されたロックアップ装置4とから構成されている。フ
ロントカバー2とインペラー10のインペラーシェル1
5は外周部が溶接により固定されており、両者で作動油
が充填された流体室Aを形成している。インペラーシェ
ル15においてインペラーブレード16からさらに延び
る部分は、タービン11の外周側に配置され、フロント
カバー2の外周筒状部8と一体になっている。
【0020】フロントカバー2は、エンジンのクランク
シャフト(図示せず)からトルクが入力される部材であ
る。フロントカバー2は主に円板状の本体5から構成さ
れている。本体5の中心にはボス6が固定されている。
本体5の外周部エンジン側面には複数のナット7が固定
されている。本体5の外周部にはトランスミッション側
に延びる外周筒状部8が形成されている。外周筒状部8
には全周にわたって半径方向の交互に突出する凹凸が形
成されている。この凹凸により外周筒状部8の内側には
ラグ又はスプライン9が形成されている。さらにフロン
トカバー2の本体5の内側で外周部には環状かつ平坦な
摩擦面70が形成されている。摩擦面70は軸方向トラ
ンスミッション側を向いている。
シャフト(図示せず)からトルクが入力される部材であ
る。フロントカバー2は主に円板状の本体5から構成さ
れている。本体5の中心にはボス6が固定されている。
本体5の外周部エンジン側面には複数のナット7が固定
されている。本体5の外周部にはトランスミッション側
に延びる外周筒状部8が形成されている。外周筒状部8
には全周にわたって半径方向の交互に突出する凹凸が形
成されている。この凹凸により外周筒状部8の内側には
ラグ又はスプライン9が形成されている。さらにフロン
トカバー2の本体5の内側で外周部には環状かつ平坦な
摩擦面70が形成されている。摩擦面70は軸方向トラ
ンスミッション側を向いている。
【0021】流体作動部3は流体室A内で軸方向トラン
スミッション側に配置されている。これにより、流体室
A内は流体作動部3からなる流体作動室Bと、フロント
カバー2の本体5とタービン11との間に形成された空
間Cとに分かれている。
スミッション側に配置されている。これにより、流体室
A内は流体作動部3からなる流体作動室Bと、フロント
カバー2の本体5とタービン11との間に形成された空
間Cとに分かれている。
【0022】インペラー10は、インペラーシェル15
と、インペラーシェル15の内側に固定された複数のイ
ンペラーブレード16と、インペラーブレード16の内
側に固定されたインペラーコア17と、インペラーシェ
ル15の内周縁に固定されたインペラーハブ18とから
構成されている。
と、インペラーシェル15の内側に固定された複数のイ
ンペラーブレード16と、インペラーブレード16の内
側に固定されたインペラーコア17と、インペラーシェ
ル15の内周縁に固定されたインペラーハブ18とから
構成されている。
【0023】タービン11は流体室A内でインペラー1
0に対向して配置されている。タービン11は、タービ
ンシェル20と、タービンシェル20に固定された複数
のタービンブレード21と、タービンブレード21の内
側に固定されたタービンコア22と、タービンシェル2
0の内周縁に固定されたタービンハブ23とから構成さ
れている。タービンハブ23は円筒状の部材であり、外
周側にフランジ26を有している。フランジ26は複数
のリベット24によってタービンシェル20の内周部に
固定されいる。さらに、タービンハブ23の内周縁には
スプライン25が形成されている。スプライン25には
トランスミッション側から延びる図示しないシャフトが
係合している。これによりタービンハブ23からのトル
クは図示しないシャフトに出力される。
0に対向して配置されている。タービン11は、タービ
ンシェル20と、タービンシェル20に固定された複数
のタービンブレード21と、タービンブレード21の内
側に固定されたタービンコア22と、タービンシェル2
0の内周縁に固定されたタービンハブ23とから構成さ
れている。タービンハブ23は円筒状の部材であり、外
周側にフランジ26を有している。フランジ26は複数
のリベット24によってタービンシェル20の内周部に
固定されいる。さらに、タービンハブ23の内周縁には
スプライン25が形成されている。スプライン25には
トランスミッション側から延びる図示しないシャフトが
係合している。これによりタービンハブ23からのトル
クは図示しないシャフトに出力される。
【0024】ステータ12はインペラー10の内周部と
タービン11の内周部との間に配置されている。ステー
タ12はタービン11からインペラー10へと戻る作動
油の流れを整流するための機構である。ステータ12は
ステータキャリア27と、その外周面に固定された複数
のステータブレード28と、ステータブレード28の内
側に固定されたステータコア29とから構成されてい
る。さらに、ステータキャリア27はワンウェイクラッ
チ30を介して図示しない固定シャフトに支持されてい
る。
タービン11の内周部との間に配置されている。ステー
タ12はタービン11からインペラー10へと戻る作動
油の流れを整流するための機構である。ステータ12は
ステータキャリア27と、その外周面に固定された複数
のステータブレード28と、ステータブレード28の内
側に固定されたステータコア29とから構成されてい
る。さらに、ステータキャリア27はワンウェイクラッ
チ30を介して図示しない固定シャフトに支持されてい
る。
【0025】フロントカバー2の本体5とタービンハブ
23との軸方向間には第1スラストベアリング32が配
置されている。なお、タービンハブ23の軸方向エンジ
ン側端面には半径方向に延びる複数の溝が形成されてお
り、これらの溝により第1スラストベアリング32の半
径方向両側を作動油が流通可能となっている。タービン
ハブ23とワンウェイクラッチ30との間には第2スラ
ストベアリング33が配置されている。ワンウェイクラ
ッチ30を構成する部材の軸方向エンジン側には半径方
向に延びる複数の溝が形成されている。これらの溝によ
り第2スラストベアリング33の半径方向両側間で作動
油が流通することが可能となっている。
23との軸方向間には第1スラストベアリング32が配
置されている。なお、タービンハブ23の軸方向エンジ
ン側端面には半径方向に延びる複数の溝が形成されてお
り、これらの溝により第1スラストベアリング32の半
径方向両側を作動油が流通可能となっている。タービン
ハブ23とワンウェイクラッチ30との間には第2スラ
ストベアリング33が配置されている。ワンウェイクラ
ッチ30を構成する部材の軸方向エンジン側には半径方
向に延びる複数の溝が形成されている。これらの溝によ
り第2スラストベアリング33の半径方向両側間で作動
油が流通することが可能となっている。
【0026】ステータキャリア37とインペラーハブ1
8との軸方向間には第3スラストベアリング34が配置
されている。ステータキャリア27の軸方向トランスミ
ッション側には半径方向に延びる複数の溝が形成されて
いる。これらの溝により第3スラストベアリングの半径
方向両側間で作動油が流通可能となっている。
8との軸方向間には第3スラストベアリング34が配置
されている。ステータキャリア27の軸方向トランスミ
ッション側には半径方向に延びる複数の溝が形成されて
いる。これらの溝により第3スラストベアリングの半径
方向両側間で作動油が流通可能となっている。
【0027】なお、この実施形態ではインペラーハブ1
8とステータ12との軸方向間に油圧作動機構の第1油
路が連結され、ステータ12とタービンハブ23との軸
方向間に油圧作動機構の第2油路が連結され、タービン
ハブ23とフロントカバー2の内周部との間に油圧作動
機構の第3油路が連結されている。第1油路と第2油路
は通常は共通の油圧回路につながっており、ともに、流
体作動部3に作動油を供給し、又は流体作動部から作動
油を排出する。第3油路は、シャフトの内部に形成さ
れ、フロントカバー2とタービンハブ23との間にすな
わち空間Cの内周部に作動油を供給したり又は空間Cか
ら作動油を排出することができる。
8とステータ12との軸方向間に油圧作動機構の第1油
路が連結され、ステータ12とタービンハブ23との軸
方向間に油圧作動機構の第2油路が連結され、タービン
ハブ23とフロントカバー2の内周部との間に油圧作動
機構の第3油路が連結されている。第1油路と第2油路
は通常は共通の油圧回路につながっており、ともに、流
体作動部3に作動油を供給し、又は流体作動部から作動
油を排出する。第3油路は、シャフトの内部に形成さ
れ、フロントカバー2とタービンハブ23との間にすな
わち空間Cの内周部に作動油を供給したり又は空間Cか
ら作動油を排出することができる。
【0028】次に、空間Cについて説明する。空間Cは
フロントカバー2の本体5とタービン11との軸方向間
に形成された環状の空間である。空間Cは、軸方向エン
ジン側がフロントカバー2の本体5により形成され、軸
方向トランスミッション側がタービン11のタービンシ
ェル20により形成されている。さらに、空間Cは外周
側が主に外周筒状部8の内周面により形成され、その内
周側がタービンハブ23の外周面により形成されてい
る。空間Cは、前述のように、内周側すなわちフロント
カバー2の内周部とタービンハブ23との間において外
部の油圧作動機構に連結している。さらに、空間Cは外
周部においてインペラー10出口とタービン11入口と
の間の隙間から流体作動室Bに連通している。
フロントカバー2の本体5とタービン11との軸方向間
に形成された環状の空間である。空間Cは、軸方向エン
ジン側がフロントカバー2の本体5により形成され、軸
方向トランスミッション側がタービン11のタービンシ
ェル20により形成されている。さらに、空間Cは外周
側が主に外周筒状部8の内周面により形成され、その内
周側がタービンハブ23の外周面により形成されてい
る。空間Cは、前述のように、内周側すなわちフロント
カバー2の内周部とタービンハブ23との間において外
部の油圧作動機構に連結している。さらに、空間Cは外
周部においてインペラー10出口とタービン11入口と
の間の隙間から流体作動室Bに連通している。
【0029】ロックアップ装置4は、空間C内に配置さ
れ、空間C内の油圧変化によってフロントカバー2とタ
ービン11とを機械的にに連結・連結解除するための装
置である。ロックアップ装置4は、主に、ピストン機構
41とピストン42とから構成されている。
れ、空間C内の油圧変化によってフロントカバー2とタ
ービン11とを機械的にに連結・連結解除するための装
置である。ロックアップ装置4は、主に、ピストン機構
41とピストン42とから構成されている。
【0030】ピストン機構41は自らが空間C内で油圧
変化によって作動するピストン機能と、回転方向の捩じ
り振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有して
いる。
変化によって作動するピストン機能と、回転方向の捩じ
り振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有して
いる。
【0031】ピストン機構41は第1ピストン43とダ
ンパー機構44とから構成されている。第1ピストン4
3は空間C内においてフロントカバー2の本体5側に近
接して配置された円板状の部材である。第1ピストン4
3は主に円板状のプレート45から構成され、空間C内
をフロントカバー2側の第1空間Dとタービン11側の
第2空間Eとに分割している。プレート45の外周部
は、フロントカバー2の摩擦面70の軸方向トランスミ
ッション側に配置された第1摩擦連結部49となってい
る。第1摩擦連結部49は環状かつ平坦な板状部分であ
り、軸方向両側に環状の摩擦部材46が貼られている。
摩擦部材46において摩擦面70に対向するものを第1
摩擦部材46aとし、その反対側のものを第2摩擦部材
46bとする。プレート45の内周縁には内周筒状部7
1が形成されている。内周筒状部71はプレート45の
内周縁から軸方向トランスミッション側に延びている。
内周筒状部71の内周面はタービンハブ23の外周面6
5によって軸方向及び回転方向に移動可能に支持されて
いる。タービンハブ23の外周面には内周筒状部71の
軸方向トランスミッション側に位置する環状の当接部4
8が形成されている。これによりプレート45の軸方向
トランスミッション側への移動が制限されている。な
お、外周面65には環状の溝が形成されており、その溝
内にはシールリング57が配置されいる。シールリング
57は内周筒状部71の内周面に当接している。このシ
ールリング57により第1空間Dと第2空間Eとの間が
シールされている。
ンパー機構44とから構成されている。第1ピストン4
3は空間C内においてフロントカバー2の本体5側に近
接して配置された円板状の部材である。第1ピストン4
3は主に円板状のプレート45から構成され、空間C内
をフロントカバー2側の第1空間Dとタービン11側の
第2空間Eとに分割している。プレート45の外周部
は、フロントカバー2の摩擦面70の軸方向トランスミ
ッション側に配置された第1摩擦連結部49となってい
る。第1摩擦連結部49は環状かつ平坦な板状部分であ
り、軸方向両側に環状の摩擦部材46が貼られている。
摩擦部材46において摩擦面70に対向するものを第1
摩擦部材46aとし、その反対側のものを第2摩擦部材
46bとする。プレート45の内周縁には内周筒状部7
1が形成されている。内周筒状部71はプレート45の
内周縁から軸方向トランスミッション側に延びている。
内周筒状部71の内周面はタービンハブ23の外周面6
5によって軸方向及び回転方向に移動可能に支持されて
いる。タービンハブ23の外周面には内周筒状部71の
軸方向トランスミッション側に位置する環状の当接部4
8が形成されている。これによりプレート45の軸方向
トランスミッション側への移動が制限されている。な
お、外周面65には環状の溝が形成されており、その溝
内にはシールリング57が配置されいる。シールリング
57は内周筒状部71の内周面に当接している。このシ
ールリング57により第1空間Dと第2空間Eとの間が
シールされている。
【0032】以上に述べたように、第1空間Dの内周部
は第3油路と連通しており、第1ピストン43の内周縁
とタービンハブ23の外周面65とによって第2空間E
から遮断されており、外周部は第1摩擦連結部49が摩
擦面70に当接した状態で第2空間Eから遮断されかつ
離れた状態で第2空間Eと連通する。
は第3油路と連通しており、第1ピストン43の内周縁
とタービンハブ23の外周面65とによって第2空間E
から遮断されており、外周部は第1摩擦連結部49が摩
擦面70に当接した状態で第2空間Eから遮断されかつ
離れた状態で第2空間Eと連通する。
【0033】ダンパー機構44は、第1ピストン43か
らのトルクをタービン11側に伝達すると共に、捩じり
振動を吸収・減衰するための機構である。ダンパー機構
44は第2空間E内において第1ピストン43の内周部
とタービンシェル20の内周部との間に配置されてい
る。ダンパー機構44は、主に、ドライブ部材50とド
リブン部材51とトーションスプリング52とから構成
されている。ドライブ部材50は第1ピストン43に堅
く固定されている。ドリブン部材51はタービン11に
トルクを出力可能になっている。トーションスプリング
52はドライブ部材50とドリブン部材51とを回転方
向に弾性的に連結している。より具体的に説明すると、
ドライブ部材50は第1ドライブプレート54と第2ド
ライブプレート55とから構成されている。両ドライブ
プレート54,55は環状に形成されたプレートであり
軸方向に並んで配置されている。第1ドライブプレート
54は第1ピストン43のプレート45の軸方向トラン
スミッション側に近接して配置されている。第2ドライ
ブプレート55は第1ドライブプレート54の軸方向ト
ランスミッション側に配置されている。両ドライブプレ
ート54,55の外周部は第1ピストン43に対して複
数のリベット56により固定されている。第1ドライブ
プレート54と第2ドライブプレート55の内周部は軸
方向に離れて配置されている。また、両ドライブプレー
ト54,55にはトーションスプリング52が係合する
複数の角窓35,36が形成されている。なお、第2ド
ライブプレート55は、図3に示すように、リベット5
6により第1ピストン43に固定された外周部55a
と、外周部55aから軸方向トランスミッション側に延
びる筒状部55bと、筒状部55bから半径方向内側に
延びる環状部55cとを有している。環状部55cに前
述の角窓35,36が形成されている。ドリブン部材5
1は、環状のプレートであり、その外周部は両ドライブ
プレート54,55の軸方向間に配置されている。ドリ
ブン部材51には、ドライブプレート54,55の角窓
に対応する位置に窓孔58が形成されている。窓孔58
内にはトーションスプリング52が配置されている。ト
ーションスプリング52は回転方向に延びるコイルスプ
リングである。トーションスプリング52は前述の窓孔
58及び角窓35,36によって回転方向を支持されて
いる。さらに、トーションスプリング52はドライブプ
レート54,55の角窓35,36により軸方向の移動
を制限されている。ドリブン部材51の内周部には、軸
方向トランスミッション側に延びる筒状部38が形成さ
れている。筒状部38には先端からさらに軸方向トラン
スミッション側に延びる複数の爪59が形成されてい
る。
らのトルクをタービン11側に伝達すると共に、捩じり
振動を吸収・減衰するための機構である。ダンパー機構
44は第2空間E内において第1ピストン43の内周部
とタービンシェル20の内周部との間に配置されてい
る。ダンパー機構44は、主に、ドライブ部材50とド
リブン部材51とトーションスプリング52とから構成
されている。ドライブ部材50は第1ピストン43に堅
く固定されている。ドリブン部材51はタービン11に
トルクを出力可能になっている。トーションスプリング
52はドライブ部材50とドリブン部材51とを回転方
向に弾性的に連結している。より具体的に説明すると、
ドライブ部材50は第1ドライブプレート54と第2ド
ライブプレート55とから構成されている。両ドライブ
プレート54,55は環状に形成されたプレートであり
軸方向に並んで配置されている。第1ドライブプレート
54は第1ピストン43のプレート45の軸方向トラン
スミッション側に近接して配置されている。第2ドライ
ブプレート55は第1ドライブプレート54の軸方向ト
ランスミッション側に配置されている。両ドライブプレ
ート54,55の外周部は第1ピストン43に対して複
数のリベット56により固定されている。第1ドライブ
プレート54と第2ドライブプレート55の内周部は軸
方向に離れて配置されている。また、両ドライブプレー
ト54,55にはトーションスプリング52が係合する
複数の角窓35,36が形成されている。なお、第2ド
ライブプレート55は、図3に示すように、リベット5
6により第1ピストン43に固定された外周部55a
と、外周部55aから軸方向トランスミッション側に延
びる筒状部55bと、筒状部55bから半径方向内側に
延びる環状部55cとを有している。環状部55cに前
述の角窓35,36が形成されている。ドリブン部材5
1は、環状のプレートであり、その外周部は両ドライブ
プレート54,55の軸方向間に配置されている。ドリ
ブン部材51には、ドライブプレート54,55の角窓
に対応する位置に窓孔58が形成されている。窓孔58
内にはトーションスプリング52が配置されている。ト
ーションスプリング52は回転方向に延びるコイルスプ
リングである。トーションスプリング52は前述の窓孔
58及び角窓35,36によって回転方向を支持されて
いる。さらに、トーションスプリング52はドライブプ
レート54,55の角窓35,36により軸方向の移動
を制限されている。ドリブン部材51の内周部には、軸
方向トランスミッション側に延びる筒状部38が形成さ
れている。筒状部38には先端からさらに軸方向トラン
スミッション側に延びる複数の爪59が形成されてい
る。
【0034】ダンパー機構44は爪部材53をさらに有
している。爪部材53はタービン11に堅く固定される
ことでタービン11と一体回転する部材である。爪部材
53は、ドリブン部材51に対して相対回転可能及び軸
方向に移動可能となることを許容する部材である。爪部
材53は、リベット24によりタービンシェル20と共
にタービンハブ23に固定される環状部60を有してい
る。環状部60の内周縁からは半径方向内側に延びる爪
部61が形成されている。爪部61はドリブン部材51
の爪59と互いに係合している。この状態でドリブン部
材51はタービン11に対して相対回転不能にかつ軸方
向に移動可能となっている。なお、爪部61と爪59と
の係合部分では半径方向に軸方向に連通する隙間が確保
されている。
している。爪部材53はタービン11に堅く固定される
ことでタービン11と一体回転する部材である。爪部材
53は、ドリブン部材51に対して相対回転可能及び軸
方向に移動可能となることを許容する部材である。爪部
材53は、リベット24によりタービンシェル20と共
にタービンハブ23に固定される環状部60を有してい
る。環状部60の内周縁からは半径方向内側に延びる爪
部61が形成されている。爪部61はドリブン部材51
の爪59と互いに係合している。この状態でドリブン部
材51はタービン11に対して相対回転不能にかつ軸方
向に移動可能となっている。なお、爪部61と爪59と
の係合部分では半径方向に軸方向に連通する隙間が確保
されている。
【0035】ドリブン部材51の筒状部38の外周面
は、第2ドリブンプレート55の内周面に当接して半径
方向に支持されている。このようにして、ドリブン部材
51は第2ドライブプレート55や第1ピストン43を
介してタービンハブ23に対してセンタリングされてい
る。
は、第2ドリブンプレート55の内周面に当接して半径
方向に支持されている。このようにして、ドリブン部材
51は第2ドライブプレート55や第1ピストン43を
介してタービンハブ23に対してセンタリングされてい
る。
【0036】このようにして、ドリブン部材51を直接
タービンハブ23に対して半径方向位置決めを行う必要
がないため、ピストン機構41とタービン11との係合
においてタービンハブ23にスプラインを加工する必要
がない。この結果、全体の加工コストが低下する。
タービンハブ23に対して半径方向位置決めを行う必要
がないため、ピストン機構41とタービン11との係合
においてタービンハブ23にスプラインを加工する必要
がない。この結果、全体の加工コストが低下する。
【0037】ピストン42は第2空間E内において第1
ピストン43外周部の軸方向トランスミッション側、か
つ、ダンパー機構44の外周側に配置されている。ピス
トン42は、環状のプレートであり、第1摩擦連結部4
9の軸方向トランスミッション側に近接する第2摩擦連
結部68を有している。第2摩擦連結部68は、図2に
示すように環状かつ平坦な形状であり、軸方向エンジン
側に押圧面69を有している。押圧面69は第2摩擦部
材46bに対して軸方向に対向している。ピストン42
の外周縁には軸方向トランスミッション側に延びる外周
筒状部62が形成されている。外周筒状部62はフロン
トカバー2の外周筒状部8の内周面に近接して配置され
ている。外周筒状部62は半径方向両側に交互に突出す
る歯64が形成されている。歯64はフロントカバー2
の外周筒状部8に形成されたラグ又はスプライン9に係
合している。この係合によりピストン42はフロントカ
バー2に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能と
なっている。なお、ラグ又はスプライン9の軸方向トラ
ンスミッション側部分には環状の溝が形成されており、
その溝内にワイヤーリング67が配置されている。この
ワイヤーリング67に対してピストン42の外周筒状部
62の軸方向トランスミッション端面が当接すること
で、ピストン42の軸方向トランスミッション側への移
動が制限されている。なお、歯64とラグ又はスプライ
ン9との係合部分には軸方向に作動油が移動可能な隙間
が形成されている。
ピストン43外周部の軸方向トランスミッション側、か
つ、ダンパー機構44の外周側に配置されている。ピス
トン42は、環状のプレートであり、第1摩擦連結部4
9の軸方向トランスミッション側に近接する第2摩擦連
結部68を有している。第2摩擦連結部68は、図2に
示すように環状かつ平坦な形状であり、軸方向エンジン
側に押圧面69を有している。押圧面69は第2摩擦部
材46bに対して軸方向に対向している。ピストン42
の外周縁には軸方向トランスミッション側に延びる外周
筒状部62が形成されている。外周筒状部62はフロン
トカバー2の外周筒状部8の内周面に近接して配置され
ている。外周筒状部62は半径方向両側に交互に突出す
る歯64が形成されている。歯64はフロントカバー2
の外周筒状部8に形成されたラグ又はスプライン9に係
合している。この係合によりピストン42はフロントカ
バー2に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能と
なっている。なお、ラグ又はスプライン9の軸方向トラ
ンスミッション側部分には環状の溝が形成されており、
その溝内にワイヤーリング67が配置されている。この
ワイヤーリング67に対してピストン42の外周筒状部
62の軸方向トランスミッション端面が当接すること
で、ピストン42の軸方向トランスミッション側への移
動が制限されている。なお、歯64とラグ又はスプライ
ン9との係合部分には軸方向に作動油が移動可能な隙間
が形成されている。
【0038】ピストン42の内周縁には軸方向トランス
ミッション側に延びる内周筒状部63が形成されてい
る。内周筒状部63の内周縁は第2ドライブプレート5
5の筒状部55b外周面73によって支持され、半径方
向の位置決めがされ、回転方向及び軸方向の移動が可能
となっている。さらに、外周面73には環状の溝が形成
されており、その中にはシールリング66が配置されて
いる。シールリング66は内周筒状部63の内周面に当
接している。このシールリング66により、ピストン4
2の内周縁において軸方向両側の空間が互いにシールさ
れている。このようにして、主に第1ピストン43の外
周部分とピストン42との軸方向間に第3空間Fが形成
されている。第3空間Fは、前述のシールリング66に
より第2空間Eにおける他の部分とは遮断されている。
さらに、第3空間Fは、第1摩擦連結部49と第2摩擦
連結部68とが互いに当接した状態では外周側が閉ざさ
れており、両者が離れた状態では開放されている。第3
空間Fがピストン42とプレート45との間に形成され
ているため、部品点数が少なくなり構造が簡単になって
いる。さらに、プレート45において第1摩擦連結部4
9の半径方向内側部分には、軸方向に貫通する複数の孔
47が形成されている。この孔47により、第1空間D
と第3空間Fとは互いに連通している。
ミッション側に延びる内周筒状部63が形成されてい
る。内周筒状部63の内周縁は第2ドライブプレート5
5の筒状部55b外周面73によって支持され、半径方
向の位置決めがされ、回転方向及び軸方向の移動が可能
となっている。さらに、外周面73には環状の溝が形成
されており、その中にはシールリング66が配置されて
いる。シールリング66は内周筒状部63の内周面に当
接している。このシールリング66により、ピストン4
2の内周縁において軸方向両側の空間が互いにシールさ
れている。このようにして、主に第1ピストン43の外
周部分とピストン42との軸方向間に第3空間Fが形成
されている。第3空間Fは、前述のシールリング66に
より第2空間Eにおける他の部分とは遮断されている。
さらに、第3空間Fは、第1摩擦連結部49と第2摩擦
連結部68とが互いに当接した状態では外周側が閉ざさ
れており、両者が離れた状態では開放されている。第3
空間Fがピストン42とプレート45との間に形成され
ているため、部品点数が少なくなり構造が簡単になって
いる。さらに、プレート45において第1摩擦連結部4
9の半径方向内側部分には、軸方向に貫通する複数の孔
47が形成されている。この孔47により、第1空間D
と第3空間Fとは互いに連通している。
【0039】以上の説明をまとめながら、ロックアップ
装置4のクラッチ連結部40について説明する。クラッ
チ連結部40は、フロントカバー2の摩擦面70と、第
1ピストン43の第1摩擦連結部49と、ピストン42
の第2摩擦連結部68の押圧面69とから構成されてい
る。このようにしてクラッチ連結部40は2面の摩擦面
を有している。なお、ピストン42と第2ドライブプレ
ート55はクラッチ連結部40が遮断された状態で相対
回転する。しかし、クラッチ連結部40が連結された状
態で両者は一体回転し、内周筒状部63と筒状部55b
は回転方向に摺動しない。
装置4のクラッチ連結部40について説明する。クラッ
チ連結部40は、フロントカバー2の摩擦面70と、第
1ピストン43の第1摩擦連結部49と、ピストン42
の第2摩擦連結部68の押圧面69とから構成されてい
る。このようにしてクラッチ連結部40は2面の摩擦面
を有している。なお、ピストン42と第2ドライブプレ
ート55はクラッチ連結部40が遮断された状態で相対
回転する。しかし、クラッチ連結部40が連結された状
態で両者は一体回転し、内周筒状部63と筒状部55b
は回転方向に摺動しない。
【0040】ここでは、第1摩擦連結部49と第2摩擦
連結部68とがそれぞれ軸方向に自ら移動するピストン
となっているため、摩擦面70と摩擦部材46との間に
は第1ピストン43からの押圧力が作用し、摩擦部材4
6と押圧面69との間にはピストン42からの押圧力が
作用する。
連結部68とがそれぞれ軸方向に自ら移動するピストン
となっているため、摩擦面70と摩擦部材46との間に
は第1ピストン43からの押圧力が作用し、摩擦部材4
6と押圧面69との間にはピストン42からの押圧力が
作用する。
【0041】このクラッチ連結部40では、ピストン4
2の内径(ID2)が第1ピストン43の内径(ID
1)より大きいことで、ピストン42から第1摩擦連結
部49に作用する押圧力は、ピストン42の内径が第1
ピストン43の内径に等しい場合に比べて小さい。その
ため、摩擦面を単に2倍にした場合に比べて小さな押圧
力を発生することができ、摩擦部材46等の摩耗や破損
を押さえることができる。また、ピストン42の大きさ
を変更することでクラッチ連結部40に作用する押圧力
を容易に変更することができる。ピストン42の内径は
ピストン機構41の内径よりも大きいともいえる。この
ような構造はピストン機構41にダンパー機構44が設
けられていない場合に前述の優れた効果を発揮する。
2の内径(ID2)が第1ピストン43の内径(ID
1)より大きいことで、ピストン42から第1摩擦連結
部49に作用する押圧力は、ピストン42の内径が第1
ピストン43の内径に等しい場合に比べて小さい。その
ため、摩擦面を単に2倍にした場合に比べて小さな押圧
力を発生することができ、摩擦部材46等の摩耗や破損
を押さえることができる。また、ピストン42の大きさ
を変更することでクラッチ連結部40に作用する押圧力
を容易に変更することができる。ピストン42の内径は
ピストン機構41の内径よりも大きいともいえる。この
ような構造はピストン機構41にダンパー機構44が設
けられていない場合に前述の優れた効果を発揮する。
【0042】フロントカバー2と一体回転する入力部材
としてピストン42がダンパー機構44の外周側に配置
されるため、より具体的には、ピストン42の内径がダ
ンパー機構44の外径より大きくかつピストン42がダ
ンパー機構44の外周に配置されているため、ダンパー
機構44の軸方向片側のスペースが制約されていない。
したがって、ダンパー機構44におけるトーションスプ
リング52の軸方向寸法を大きくすることができる。こ
れにより、設計が容易になりさらに低剛性化などのトー
ションスプリング52の高機能化を実現できる。
としてピストン42がダンパー機構44の外周側に配置
されるため、より具体的には、ピストン42の内径がダ
ンパー機構44の外径より大きくかつピストン42がダ
ンパー機構44の外周に配置されているため、ダンパー
機構44の軸方向片側のスペースが制約されていない。
したがって、ダンパー機構44におけるトーションスプ
リング52の軸方向寸法を大きくすることができる。こ
れにより、設計が容易になりさらに低剛性化などのトー
ションスプリング52の高機能化を実現できる。
【0043】さらに、自ら軸方向に移動するピストン部
材としてのピストン42がダンパー機構44の一部特に
ドライブ部材を構成する第2ドライブプレート55によ
って半径方向に支持されることによって、ピストン42
を支持するための特別な部材や構成を設けることがなく
なり、ロックアップ装置4全体の構造が簡単になる。
材としてのピストン42がダンパー機構44の一部特に
ドライブ部材を構成する第2ドライブプレート55によ
って半径方向に支持されることによって、ピストン42
を支持するための特別な部材や構成を設けることがなく
なり、ロックアップ装置4全体の構造が簡単になる。
【0044】次に動作について説明する。クラッチ連結
解除状態では、第3油路から第1空間Dの内周側に作動
油が供給されている。第1空間D内の作動油はを半径方
向外側に流れ、摩擦面70と第1摩擦部材46aとの間
を流れさらにラグ又はスプライン9と歯64との間の隙
間を通って第2空間Eの外周側に流れる。第2空間Eの
作動油は、インペラーシェル15とタービンシェル20
との隙間を通り、インペラー10出口とタービン11の
入口間の隙間から流体作動室B内に流れる。また、第1
空間D内を移動する作動油は第1ピストン43に形成さ
れた孔47を通って第3空間F内に流れ込む。第3空間
F内の作動油は押圧面69と第2摩擦部材46bとの間
を通って半径方向外側に流れる。その作動油もラグ又は
スプライン9及び歯64との間の隙間を通って第2空間
Eの外周側に流れる。
解除状態では、第3油路から第1空間Dの内周側に作動
油が供給されている。第1空間D内の作動油はを半径方
向外側に流れ、摩擦面70と第1摩擦部材46aとの間
を流れさらにラグ又はスプライン9と歯64との間の隙
間を通って第2空間Eの外周側に流れる。第2空間Eの
作動油は、インペラーシェル15とタービンシェル20
との隙間を通り、インペラー10出口とタービン11の
入口間の隙間から流体作動室B内に流れる。また、第1
空間D内を移動する作動油は第1ピストン43に形成さ
れた孔47を通って第3空間F内に流れ込む。第3空間
F内の作動油は押圧面69と第2摩擦部材46bとの間
を通って半径方向外側に流れる。その作動油もラグ又は
スプライン9及び歯64との間の隙間を通って第2空間
Eの外周側に流れる。
【0045】ここでは、第1ピストン43とピストン4
2とがそれぞれ空間C内の油圧の変化によって軸方向に
移動するピストンとして機能しているため、両部材の軸
方向動作が安定している。そのためクラッチ連結部40
において各部材は互いに接触しにくい。具体的には、ピ
ストン42はワイヤーリング67により軸方向トランス
ミッション側への移動を制限され、第1ピストン43は
タービンハブ23によって軸方向への移動を制限されて
いる。この結果、図2に示すように、摩擦面70と第1
摩擦部材46aとの間、さらには第2摩擦部材46bと
押圧面69との間に所定のクリアランスが確保されてい
る。
2とがそれぞれ空間C内の油圧の変化によって軸方向に
移動するピストンとして機能しているため、両部材の軸
方向動作が安定している。そのためクラッチ連結部40
において各部材は互いに接触しにくい。具体的には、ピ
ストン42はワイヤーリング67により軸方向トランス
ミッション側への移動を制限され、第1ピストン43は
タービンハブ23によって軸方向への移動を制限されて
いる。この結果、図2に示すように、摩擦面70と第1
摩擦部材46aとの間、さらには第2摩擦部材46bと
押圧面69との間に所定のクリアランスが確保されてい
る。
【0046】次に、クラッチ連結動作について説明す
る。第3油路から第1空間D内の作動油をドレンする。
これより第1空間D内の作動油は内周側に流れ、さらに
第3空間F内の作動油は孔47を通って第1空間D内に
流れ込む。この結果、第1ピストン43は軸方向エンジ
ン側に移動し、第1摩擦連結部49がフロントカバー2
の摩擦面70に当接する。さらに、ピストン42も軸方
向エンジン側に移動し、押圧面69が第2摩擦部材46
bに当接する。このように、孔47によって第1空間D
と第3空間Fとが互いに連通することによって、ピスト
ン42の動作がスムーズになる。
る。第3油路から第1空間D内の作動油をドレンする。
これより第1空間D内の作動油は内周側に流れ、さらに
第3空間F内の作動油は孔47を通って第1空間D内に
流れ込む。この結果、第1ピストン43は軸方向エンジ
ン側に移動し、第1摩擦連結部49がフロントカバー2
の摩擦面70に当接する。さらに、ピストン42も軸方
向エンジン側に移動し、押圧面69が第2摩擦部材46
bに当接する。このように、孔47によって第1空間D
と第3空間Fとが互いに連通することによって、ピスト
ン42の動作がスムーズになる。
【0047】次にクラッチ解除動作について説明する。
第3油路から第1空間D内に作動油が供給されると、そ
の作動油は外周側に移動し、さらに孔47を通って第3
空間F内に流れ込む。この結果、第1ピストン43及び
ピストン42は軸方向トランスミッション側に移動す
る。このように、孔47によってピストン42の動作が
スムーズになっている。〔クラッチ連結部における摩擦
フェーシング溝による保圧効果〕第1ピストン43の第
1摩擦連結部49は環状かつ平坦な形状であり、その軸
方向両側に摩擦部材46が貼られている。第1ピストン
43は、摩擦板とその両側に貼られた摩擦部材とからな
る湿式クラッチ用摩擦ディスクとして機能する。
第3油路から第1空間D内に作動油が供給されると、そ
の作動油は外周側に移動し、さらに孔47を通って第3
空間F内に流れ込む。この結果、第1ピストン43及び
ピストン42は軸方向トランスミッション側に移動す
る。このように、孔47によってピストン42の動作が
スムーズになっている。〔クラッチ連結部における摩擦
フェーシング溝による保圧効果〕第1ピストン43の第
1摩擦連結部49は環状かつ平坦な形状であり、その軸
方向両側に摩擦部材46が貼られている。第1ピストン
43は、摩擦板とその両側に貼られた摩擦部材とからな
る湿式クラッチ用摩擦ディスクとして機能する。
【0048】図4を用いて第1摩擦部材46aの形状に
ついて説明する。第1摩擦部材46a本体は環状かつ平
坦なプレート形状であり、第1摩擦連結部49の軸方向
エンジン側面に固定されている。第1摩擦部材46aの
第1面は第1摩擦連結部49に接着材等により貼られ、
第2面は摩擦面70に対向している。この第2面が摩擦
係合面となっている。
ついて説明する。第1摩擦部材46a本体は環状かつ平
坦なプレート形状であり、第1摩擦連結部49の軸方向
エンジン側面に固定されている。第1摩擦部材46aの
第1面は第1摩擦連結部49に接着材等により貼られ、
第2面は摩擦面70に対向している。この第2面が摩擦
係合面となっている。
【0049】第1摩擦部材46aの第2面には複数の溝
部75が円周方向に並んで形成されている。溝部75
は、クラッチ連結時には半径方向に作動油が流れること
で摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時には後述の保圧
効果を得るためのものである。図4では各溝部75は円
周方向に等間隔に配置されているが、不等間隔であって
もよい。図5に示すように、溝部75によって円周方向
に分割された各部分74が前述の摩擦係合面となってい
る。
部75が円周方向に並んで形成されている。溝部75
は、クラッチ連結時には半径方向に作動油が流れること
で摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時には後述の保圧
効果を得るためのものである。図4では各溝部75は円
周方向に等間隔に配置されているが、不等間隔であって
もよい。図5に示すように、溝部75によって円周方向
に分割された各部分74が前述の摩擦係合面となってい
る。
【0050】各溝部75の形状について説明する。各溝
部75は第1摩擦部材46aの内周縁から外周縁まで貫
通する溝であり、途中に曲部78を有している。ここで
いう曲部とは、溝の向きが途中で変わる部分であり、そ
こまで流れてきた流体が壁面に衝突する部分のことをい
う。各溝部75は、外周縁から内周側に延びる第1溝部
76と、内周縁から外周側に延びる第2溝部77とから
構成されている。第1溝部76は外周側端が内周側端に
比べてR2側に位置している。また第2溝部77は内周
側端が外周側端に比べてR2側に位置している。第1溝
部76の外周側端と第2溝部77の内周側端は円周方向
においてほぼ同一の位置にある。すなわち溝部75は矢
印R2側に向かって開いたV字形状となっている。
部75は第1摩擦部材46aの内周縁から外周縁まで貫
通する溝であり、途中に曲部78を有している。ここで
いう曲部とは、溝の向きが途中で変わる部分であり、そ
こまで流れてきた流体が壁面に衝突する部分のことをい
う。各溝部75は、外周縁から内周側に延びる第1溝部
76と、内周縁から外周側に延びる第2溝部77とから
構成されている。第1溝部76は外周側端が内周側端に
比べてR2側に位置している。また第2溝部77は内周
側端が外周側端に比べてR2側に位置している。第1溝
部76の外周側端と第2溝部77の内周側端は円周方向
においてほぼ同一の位置にある。すなわち溝部75は矢
印R2側に向かって開いたV字形状となっている。
【0051】溝部75は深さが第1摩擦連結部49まで
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部を形成しても良い。
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部を形成しても良い。
【0052】クラッチ連結部40が連結解除された状態
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとの各々で、
両側の部材が相対回転している。なお、図4における矢
印R1が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2
がクラッチレリーズ時における第1ピストン43のフロ
ントカバー2に対する回転方向である。
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとの各々で、
両側の部材が相対回転している。なお、図4における矢
印R1が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2
がクラッチレリーズ時における第1ピストン43のフロ
ントカバー2に対する回転方向である。
【0053】第1摩擦部材46aにおいて、第1溝部7
6と第2溝部77内を作動油が流れ、曲部78で作動油
が衝突する。曲部78で圧力が高まり、この結果、第1
摩擦部材46aの表面において動圧が発生する。したが
って第1ピストン43の第1摩擦連結部43はフロント
カバー2の摩擦面70から軸方向トランスミッション側
に付勢され、その結果ドラグトルクが生じにくい。
6と第2溝部77内を作動油が流れ、曲部78で作動油
が衝突する。曲部78で圧力が高まり、この結果、第1
摩擦部材46aの表面において動圧が発生する。したが
って第1ピストン43の第1摩擦連結部43はフロント
カバー2の摩擦面70から軸方向トランスミッション側
に付勢され、その結果ドラグトルクが生じにくい。
【0054】なお、第1ピストンの相対回転方向が矢印
R1側である場合には、各溝部75はR1側に開いたV
字形状であることが必要である。
R1側である場合には、各溝部75はR1側に開いたV
字形状であることが必要である。
【0055】また、第1溝部76と第2溝部77とが成
す角度θは図4においては120゜である。この角θは
90゜以上140゜以下であることが望ましい。90゜
以下である場合には第1摩擦部材46aの耐久性が低下
する。また、140゜を超える場合には作動油の衝突に
よる保圧効果が少なくなる。
す角度θは図4においては120゜である。この角θは
90゜以上140゜以下であることが望ましい。90゜
以下である場合には第1摩擦部材46aの耐久性が低下
する。また、140゜を超える場合には作動油の衝突に
よる保圧効果が少なくなる。
【0056】第2摩擦部材46bの表面に複数の溝部7
5を形成していてもよい。それらの溝部も回転方向に開
いたV字状であることが好ましい。この場合は隙間Yに
おいて保圧効果が得られる。第2実施形態 図6に示す第1摩擦部材46aの表面には、複数の溝部
81が円周方向に並んで形成されている。図6では溝部
81は円周方向に等間隔に並んでいるが、不等間隔でも
よい。溝部81は、クラッチ連結時には半径方向に作動
油が流れることで摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時
には後述の保圧効果を得るためのものである。
5を形成していてもよい。それらの溝部も回転方向に開
いたV字状であることが好ましい。この場合は隙間Yに
おいて保圧効果が得られる。第2実施形態 図6に示す第1摩擦部材46aの表面には、複数の溝部
81が円周方向に並んで形成されている。図6では溝部
81は円周方向に等間隔に並んでいるが、不等間隔でも
よい。溝部81は、クラッチ連結時には半径方向に作動
油が流れることで摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時
には後述の保圧効果を得るためのものである。
【0057】各溝部81の形状について説明する。各溝
部81は偶数個、具体的には2個の曲部85,86を有
している。各溝部81は、外周縁から内周側に延びる第
1溝部82と、内周縁から外周側に延びる第2溝部83
と、第1溝部82と第2溝部83とを連結する第3溝部
84とから構成されている。第1溝部82は外周側端が
内周側端に比べてR2側に位置している。第2溝部83
は外周側端が内周側端に比べてR2側に位置している。
第3溝部84はほぼ直線状に延びており、この結果、第
1溝部82と第3溝部84とによりR2側に開いた曲部
85が形成され、第2溝部83と第3溝部84とにより
R1側に開いた曲部86が形成されている。なお、第1
溝部82の外周側端と第1溝部82の内周側端とは円周
方向においてほぼ同じ位置に配置されている。第1溝部
82と第3溝部84とが成す角θ1は120゜であり、
第2溝部83と第3溝部84とが成す角θ2は120゜
である。
部81は偶数個、具体的には2個の曲部85,86を有
している。各溝部81は、外周縁から内周側に延びる第
1溝部82と、内周縁から外周側に延びる第2溝部83
と、第1溝部82と第2溝部83とを連結する第3溝部
84とから構成されている。第1溝部82は外周側端が
内周側端に比べてR2側に位置している。第2溝部83
は外周側端が内周側端に比べてR2側に位置している。
第3溝部84はほぼ直線状に延びており、この結果、第
1溝部82と第3溝部84とによりR2側に開いた曲部
85が形成され、第2溝部83と第3溝部84とにより
R1側に開いた曲部86が形成されている。なお、第1
溝部82の外周側端と第1溝部82の内周側端とは円周
方向においてほぼ同じ位置に配置されている。第1溝部
82と第3溝部84とが成す角θ1は120゜であり、
第2溝部83と第3溝部84とが成す角θ2は120゜
である。
【0058】図7において、第1摩擦部材46aと第2
摩擦部材46bに同一の摩擦フェーシングを用いた場合
の各溝部81の配置を示す。第1摩擦部材46a側と第
2摩擦部材46b側とでは各溝部81において第1溝部
82,第2溝部83及び第3溝部84の傾きが反対にな
っている。
摩擦部材46bに同一の摩擦フェーシングを用いた場合
の各溝部81の配置を示す。第1摩擦部材46a側と第
2摩擦部材46b側とでは各溝部81において第1溝部
82,第2溝部83及び第3溝部84の傾きが反対にな
っている。
【0059】溝部81は深さが第1摩擦連結部49まで
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部81を形成しても良い。
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部81を形成しても良い。
【0060】クラッチ連結部40が連結解除された状態
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとで、両側の
部材が相対回転している。なお、図6における矢印R1
が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2がクラ
ッチレリーズ時における第1ピストン43のフロントカ
バー2に対する回転方向である。
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとで、両側の
部材が相対回転している。なお、図6における矢印R1
が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2がクラ
ッチレリーズ時における第1ピストン43のフロントカ
バー2に対する回転方向である。
【0061】第1摩擦部材46a側では第1溝部82か
ら作動油が主に流れ込み、曲部85で作動油が衝突す
る。曲部85では圧力が高まり、この結果、第1摩擦部
材46aの表面において動圧が発生する。したがって第
1ピストン43の第1摩擦連結部43はフロントカバー
2の摩擦面70から軸方向トランスミッション側に付勢
され、その結果ドラグトルクが生じにくい。
ら作動油が主に流れ込み、曲部85で作動油が衝突す
る。曲部85では圧力が高まり、この結果、第1摩擦部
材46aの表面において動圧が発生する。したがって第
1ピストン43の第1摩擦連結部43はフロントカバー
2の摩擦面70から軸方向トランスミッション側に付勢
され、その結果ドラグトルクが生じにくい。
【0062】第2摩擦部材46b側では第2溝部83か
ら主に作動油が流れ込み、曲部86で作動油が衝突す
る。曲部86では圧力が高まり、この結果、第2摩擦部
材46bの表面において動圧が発生する。したがって第
1ピストン43の第1摩擦連結部43はピストン42の
押圧面69から軸方向エンジン側に付勢され、その結果
ドラグトルクが生じにくい。
ら主に作動油が流れ込み、曲部86で作動油が衝突す
る。曲部86では圧力が高まり、この結果、第2摩擦部
材46bの表面において動圧が発生する。したがって第
1ピストン43の第1摩擦連結部43はピストン42の
押圧面69から軸方向エンジン側に付勢され、その結果
ドラグトルクが生じにくい。
【0063】このように、第1摩擦連結部49の軸方向
両側でそれぞれ1箇所の曲部において作動油が衝突する
ため、第1摩擦連結部49の軸方向両側で発生する動圧
がほぼ同じになる。この結果、第1ピストン43は軸方
向にほぼ中立の位置を保つことができる。
両側でそれぞれ1箇所の曲部において作動油が衝突する
ため、第1摩擦連結部49の軸方向両側で発生する動圧
がほぼ同じになる。この結果、第1ピストン43は軸方
向にほぼ中立の位置を保つことができる。
【0064】このようにして、1種類の摩擦フェーシン
グを両面に貼っても良好な結果が得られる。この結果、
摩擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくな
り、コストが低減される。第3実施形態 図8に示す第1摩擦部材46aの表面には、複数の溝部
88が円周方向に並んで形成されている。図8では溝部
88は円周方向に等間隔に並んでいるが、不等間隔でも
よい。溝部88は、クラッチ連結時には半径方向に作動
油が流れることで摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時
には後述の保圧効果を得るためのものである。
グを両面に貼っても良好な結果が得られる。この結果、
摩擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくな
り、コストが低減される。第3実施形態 図8に示す第1摩擦部材46aの表面には、複数の溝部
88が円周方向に並んで形成されている。図8では溝部
88は円周方向に等間隔に並んでいるが、不等間隔でも
よい。溝部88は、クラッチ連結時には半径方向に作動
油が流れることで摩擦面を冷却し、クラッチ連結解除時
には後述の保圧効果を得るためのものである。
【0065】各溝部88の形状について説明する。各溝
部88は、偶数個、具体的には2個の曲部93,94を
有している。各溝部88は、外周縁から内周側に延びる
第1溝部90と、内周縁から外周側に延びる第2溝部9
1と、第1溝部と第2溝91とを連結する第3溝部92
とから構成されている。第1溝部90と第2溝部91は
それぞれ概ね半径方向に延びる溝である。第2溝部91
は第1溝部90に対してR2側にずれて形成されてい
る。第3溝部92は概ね円周方向に延びている。第3溝
部92のR1側端と第1溝部90の内周側端とにより曲
部93が形成され、第3溝部92のR2側端と第2溝部
91の外周側端とにより曲部94が形成されている。第
1溝部90と第3溝部92とが成す角θ3はほぼ90゜
であり、第2溝部91と第3溝部92とが成す角θ4は
ほぼ90゜である。この実施形態では、第1溝部90と
第2溝部91とを円周方向にさらに離し、しかも第3溝
部92を円周方向に長くすることで、各曲部の角度を鋭
角にすることなく溝部88が摩擦面において占める面積
を増加させることができる。これにより、クラッチ冷却
効果が向上する。なお、各曲部の角度が鋭角になればな
るほど、摩擦部材の耐久性が低下する。
部88は、偶数個、具体的には2個の曲部93,94を
有している。各溝部88は、外周縁から内周側に延びる
第1溝部90と、内周縁から外周側に延びる第2溝部9
1と、第1溝部と第2溝91とを連結する第3溝部92
とから構成されている。第1溝部90と第2溝部91は
それぞれ概ね半径方向に延びる溝である。第2溝部91
は第1溝部90に対してR2側にずれて形成されてい
る。第3溝部92は概ね円周方向に延びている。第3溝
部92のR1側端と第1溝部90の内周側端とにより曲
部93が形成され、第3溝部92のR2側端と第2溝部
91の外周側端とにより曲部94が形成されている。第
1溝部90と第3溝部92とが成す角θ3はほぼ90゜
であり、第2溝部91と第3溝部92とが成す角θ4は
ほぼ90゜である。この実施形態では、第1溝部90と
第2溝部91とを円周方向にさらに離し、しかも第3溝
部92を円周方向に長くすることで、各曲部の角度を鋭
角にすることなく溝部88が摩擦面において占める面積
を増加させることができる。これにより、クラッチ冷却
効果が向上する。なお、各曲部の角度が鋭角になればな
るほど、摩擦部材の耐久性が低下する。
【0066】図9に、この摩擦フェーシングを第1摩擦
部材46aと第2摩擦部材46bとに固定した場合の各
溝部88の位置を示す。第2摩擦部材46b側では、第
1溝部90が第2溝部91に対してR2側に位置してい
る。
部材46aと第2摩擦部材46bとに固定した場合の各
溝部88の位置を示す。第2摩擦部材46b側では、第
1溝部90が第2溝部91に対してR2側に位置してい
る。
【0067】作動油の衝突によるドラグトルク低減の効
果は前記実施形態と同様である。
果は前記実施形態と同様である。
【0068】溝部81は深さが第1摩擦連結部49まで
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部81を形成しても良い。
達しておらず、第1摩擦連結部49は摩擦面70側に露
出していない。しかし、例えば複数の摩擦フェーシング
のピースを環状に配置することで第1摩擦連結部49が
露出した溝部81を形成しても良い。
【0069】クラッチ連結部40が連結解除された状態
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとで、両側の
部材が相対回転している。なお、図9における矢印R1
が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2がクラ
ッチレリーズ時における第1ピストン43のフロントカ
バー2に対する回転方向である。
で、ピストン42はフロントカバー2と一体回転し、第
1ピストン43はタービン11と一体回転している。こ
こでインペラー10とタービン11との間では速度差が
あるため、第1ピストン43はフロントカバー2及びピ
ストン42に対して相対回転している。すなわち、摩擦
面70と第1摩擦部材46aとの間の隙間Xと、第2摩
擦部材46bと押圧面69との間の隙間Yとで、両側の
部材が相対回転している。なお、図9における矢印R1
が第1ピストン43の回転方向であり、矢印R2がクラ
ッチレリーズ時における第1ピストン43のフロントカ
バー2に対する回転方向である。
【0070】作動油は、第1摩擦部材46aでは第3溝
部92をR2側に流れ、曲部94において衝突する。曲
部94では圧力が高まり、この結果、第1摩擦部材46
aの表面において動圧が発生する。したがって第1ピス
トン43の第1摩擦連結部43はフロントカバー2の摩
擦面70から軸方向トランスミッション側に付勢され、
その結果ドラグトルクが生じにくい。
部92をR2側に流れ、曲部94において衝突する。曲
部94では圧力が高まり、この結果、第1摩擦部材46
aの表面において動圧が発生する。したがって第1ピス
トン43の第1摩擦連結部43はフロントカバー2の摩
擦面70から軸方向トランスミッション側に付勢され、
その結果ドラグトルクが生じにくい。
【0071】また、第2摩擦部材46b側では、第3溝
部92を作動油がR2側に流れ曲部93で作動油が衝突
する。曲部93では圧力が高まり、この結果、第2摩擦
部材46bの表面において動圧が発生する。したがって
第1ピストン43の第1摩擦連結部43はピストン42
の押圧面69から軸方向エンジン側に付勢され、その結
果ドラグトルクが生じにくい。
部92を作動油がR2側に流れ曲部93で作動油が衝突
する。曲部93では圧力が高まり、この結果、第2摩擦
部材46bの表面において動圧が発生する。したがって
第1ピストン43の第1摩擦連結部43はピストン42
の押圧面69から軸方向エンジン側に付勢され、その結
果ドラグトルクが生じにくい。
【0072】このように、第1摩擦連結部49の軸方向
両側でそれぞれ1箇所の曲部において作動油が衝突する
ため、第1摩擦連結部49の軸方向両側で発生する動圧
がほぼ同じになる。この結果、第1ピストン43は軸方
向にほぼ中立の位置を保つことができる。
両側でそれぞれ1箇所の曲部において作動油が衝突する
ため、第1摩擦連結部49の軸方向両側で発生する動圧
がほぼ同じになる。この結果、第1ピストン43は軸方
向にほぼ中立の位置を保つことができる。
【0073】このようにして、1種類の摩擦フェーシン
グを両面に貼っても良好な結果が得られる。この結果、
摩擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくな
り、コストが低減される。 〔他の実施形態〕なお、本発明に係る摩擦部材又はそれ
が用いられる湿式クラッチ用摩擦ディスクは、本実施形
態における第1ピストン43の構造に限定されない。例
えばピストン機能を有さないクラッチプレートに採用で
きる。また、本発明が採用される湿式クラッチはロック
アップ装置に限定されず、動力遮断クラッチであっても
よい。さらに、本発明が採用される湿式クラッチはトル
クコンバータに限定されず、例えばトランスミッション
の多板クラッチであってもよい。
グを両面に貼っても良好な結果が得られる。この結果、
摩擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくな
り、コストが低減される。 〔他の実施形態〕なお、本発明に係る摩擦部材又はそれ
が用いられる湿式クラッチ用摩擦ディスクは、本実施形
態における第1ピストン43の構造に限定されない。例
えばピストン機能を有さないクラッチプレートに採用で
きる。また、本発明が採用される湿式クラッチはロック
アップ装置に限定されず、動力遮断クラッチであっても
よい。さらに、本発明が採用される湿式クラッチはトル
クコンバータに限定されず、例えばトランスミッション
の多板クラッチであってもよい。
【0074】第2及び第3実施形態において各溝部の曲
部の数は偶数個であれば摩擦ディスクの軸方向両側でほ
ぼ同じ動圧が得られる。曲部の数が4個である場合は、
片側で主に作動油が衝突する曲部は2つであり、反対側
で主に作動油が衝突する曲部2つとなる。この場合も摩
擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくなり、
コストが低減される。
部の数は偶数個であれば摩擦ディスクの軸方向両側でほ
ぼ同じ動圧が得られる。曲部の数が4個である場合は、
片側で主に作動油が衝突する曲部は2つであり、反対側
で主に作動油が衝突する曲部2つとなる。この場合も摩
擦フェーシングを2パターン用意する必要がなくなり、
コストが低減される。
【0075】
【発明の効果】本発明に係る摩擦ディスクでは、複数の
溝は偶数の曲部を有しているため、軸方向両側において
流体の衝突が生じる曲部の数が同じである。この結果、
摩擦板の軸方向両側で発生する動圧が同じになり、摩擦
板は軸方向の所定位置を保つことができる。
溝は偶数の曲部を有しているため、軸方向両側において
流体の衝突が生じる曲部の数が同じである。この結果、
摩擦板の軸方向両側で発生する動圧が同じになり、摩擦
板は軸方向の所定位置を保つことができる。
【図1】本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバ
ータの縦断面概略図。
ータの縦断面概略図。
【図2】図1の部分拡大図であり、ロックアップ装置の
クラッチ連結部を示す図。
クラッチ連結部を示す図。
【図3】図1の部分拡大図であり、ピストンのダンパー
機構による支持を示すための図である。
機構による支持を示すための図である。
【図4】摩擦フェーシングの溝形状を説明するための部
分平面図。
分平面図。
【図5】図4のV矢視図。
【図6】摩擦フェーシングの溝形状を説明するための部
分平面図。
分平面図。
【図7】摩擦フェーシングの溝形状を説明するための部
分平面図。
分平面図。
【図8】摩擦フェーシングの溝形状を説明するための部
分平面図。
分平面図。
【図9】摩擦フェーシングの溝形状を説明するための部
分平面図。
分平面図。
46a 第1摩擦部材 81 溝 82 第1溝部 83 第2溝部 84 第3溝部 85 曲部 86 曲部 88 溝 90 第1溝部 91 第2溝部 92 第3溝部 93 曲部 94 曲部
Claims (6)
- 【請求項1】湿式クラッチの摩擦板に固定される湿式摩
擦部材であって、 環状かつ平坦な本体からなり、 前記本体は、前記摩擦板に固定される第1面と、反対側
の第2面と、前記第2面上に形成され内周縁から外周縁
まで貫通し途中で偶数の曲部を持つ複数の溝とを有す
る、湿式摩擦部材。 - 【請求項2】前記各溝は前記曲部を2つ有する、請求項
1に記載の湿式摩擦部材。 - 【請求項3】前記各溝は、前記外周縁から内周側に延び
る第1溝部と、前記内周縁から外周側に延びる第2溝部
と、前記第1溝部と前記第2溝部とを連結しそれぞれと
の接合部に前記曲部を形成する第3溝部とを有する、請
求項2に記載の湿式摩擦部材。 - 【請求項4】前記第1溝部の外周側端と前記第2溝部の
内周側端は概ね同一円周方向位置にあり、 前記第1溝部の内周側端と前記第2溝部の外周側端は異
なる円周方向位置にある、請求項3に記載の湿式摩擦部
材。 - 【請求項5】前記第1溝部と前記第2溝部は円周方向の
異なる位置で概ね半径方向に延び、前記第3溝部は概ね
円周方向に延びている、請求項3に記載の湿式摩擦部
材。 - 【請求項6】湿式クラッチに用いられる摩擦ディスクで
あって、 環状の摩擦連結部を有する摩擦板と、 前記摩擦連結部の両面に各々貼られた、1対の、請求項
1〜5のいずれかに記載の前記湿式摩擦部材と、を備え
た摩擦ディスク。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11066027A JP2000266079A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 湿式摩擦部材及び摩擦ディスク |
US09/457,298 US6247568B1 (en) | 1998-12-25 | 1999-12-09 | Friction member for disk assembly, especially for torque converter |
DE19961758A DE19961758B4 (de) | 1998-12-25 | 1999-12-21 | Reibelement für eine Scheibenanordnung, insbesondere für einen Drehmomentwandler |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11066027A JP2000266079A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 湿式摩擦部材及び摩擦ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000266079A true JP2000266079A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13304032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11066027A Pending JP2000266079A (ja) | 1998-12-25 | 1999-03-12 | 湿式摩擦部材及び摩擦ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000266079A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001343061A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-12-14 | Nsk Warner Kk | 多板ロックアップクラッチ及び該多板ロックアップクラッチを内蔵したトルクコンバータ装置 |
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KR101143751B1 (ko) * | 2003-06-17 | 2012-05-11 | 발레오 앙브라이아쥐 | 차량용 유체 동역학적 커플링 장치 및 이러한 장치를 위한마찰 라이너 |
WO2012147433A1 (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-01 | 株式会社エクセディ | 摩擦部材、クラッチプレート、クラッチ装置、及びトルクコンバータ |
WO2016198052A1 (de) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Reibfläche |
JP2020085037A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
-
1999
- 1999-03-12 JP JP11066027A patent/JP2000266079A/ja active Pending
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US9151334B2 (en) | 2011-04-25 | 2015-10-06 | Exedy Corporation | Friction member, clutch plate, clutch device and torque converter |
KR101897048B1 (ko) * | 2011-04-25 | 2018-09-10 | 가부시키가이샤 에쿠세디 | 마찰 부재, 클러치 플레이트, 클러치 장치, 및 토크 컨버터 |
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JP2020085037A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
JP7074649B2 (ja) | 2018-11-16 | 2022-05-24 | アイシン化工株式会社 | 湿式摩擦材 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050414 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050920 |