JP2000257488A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents
エンジンの空燃比制御装置Info
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- JP2000257488A JP2000257488A JP11061520A JP6152099A JP2000257488A JP 2000257488 A JP2000257488 A JP 2000257488A JP 11061520 A JP11061520 A JP 11061520A JP 6152099 A JP6152099 A JP 6152099A JP 2000257488 A JP2000257488 A JP 2000257488A
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Landscapes
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】学習領域の数を特に増やすことなく、低開度領
域におけるスロットル開度の変化に応じて空燃比を高精
度に制御すること。 【解決手段】エンジン1の空燃比制御装置の電子制御装
置(ECU)30は、スロット開度とエンジン回転速度
とに基づいて基本燃料噴射量を決定し、スロットル開度
とエンジン回転速度とから設定される複数の学習領域毎
に算出される学習値に基づいてその基本燃料噴射量を補
正することによりエンジン1に供給される可燃混合気の
空燃比が所定の理論空燃比となるようにフィードバック
制御する。ECU30は、スロットルバルブ5の低開度
領域でスロットル開度が変化したときに、スロットル開
度の単位時間当たりの変化量と、スロットル開度と、エ
ンジン回転速度とに基づいて低開度領域における学習理
論値を予測的に算出する。ECU30は、更に、算出さ
れた学習理論値に基づいて基本燃料噴射量を補正する。
域におけるスロットル開度の変化に応じて空燃比を高精
度に制御すること。 【解決手段】エンジン1の空燃比制御装置の電子制御装
置(ECU)30は、スロット開度とエンジン回転速度
とに基づいて基本燃料噴射量を決定し、スロットル開度
とエンジン回転速度とから設定される複数の学習領域毎
に算出される学習値に基づいてその基本燃料噴射量を補
正することによりエンジン1に供給される可燃混合気の
空燃比が所定の理論空燃比となるようにフィードバック
制御する。ECU30は、スロットルバルブ5の低開度
領域でスロットル開度が変化したときに、スロットル開
度の単位時間当たりの変化量と、スロットル開度と、エ
ンジン回転速度とに基づいて低開度領域における学習理
論値を予測的に算出する。ECU30は、更に、算出さ
れた学習理論値に基づいて基本燃料噴射量を補正する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンに供給
される可燃混合気の空燃比をフィードバック制御する空
燃比制御装置に係る。詳しくは、スロットルバルブ開度
とエンジン回転速度とに基づいて決定される基本燃料噴
射量を空燃比に基づいて学習補正するようにしたエンジ
ンの空燃比制御装置に関する。
される可燃混合気の空燃比をフィードバック制御する空
燃比制御装置に係る。詳しくは、スロットルバルブ開度
とエンジン回転速度とに基づいて決定される基本燃料噴
射量を空燃比に基づいて学習補正するようにしたエンジ
ンの空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの運転状態に応じて
エンジンに供給される燃料噴射量を制御するようにした
燃料噴射制御装置がある。この種の制御装置の一つのタ
イプとして、エンジンの吸気通路に設けられたスロット
ルバルブの開度(スロットル開度)とエンジン回転速度
とから決定される基本燃料噴射量に基づいて燃料噴射量
を制御するようにしたものがある。この種のタイプを、
いわゆる「スロットル・スピードタイプ」と称される。
このタイプの制御装置では、操作されるスロットル開度
によって燃料噴射量が直接変化することから、エンジン
の加速応答性を向上させることができる。その一方で、
スロットルボディを含むエンジン構成部品の個体ばらつ
き又は寸法ばらつき、それら構成部品の経年変化等によ
り、エンジンに供給される基本燃料噴射量に誤差が生じ
て可燃混合気の空燃比にズレが生じることがあるため、
このズレを修正する必要があった。
エンジンに供給される燃料噴射量を制御するようにした
燃料噴射制御装置がある。この種の制御装置の一つのタ
イプとして、エンジンの吸気通路に設けられたスロット
ルバルブの開度(スロットル開度)とエンジン回転速度
とから決定される基本燃料噴射量に基づいて燃料噴射量
を制御するようにしたものがある。この種のタイプを、
いわゆる「スロットル・スピードタイプ」と称される。
このタイプの制御装置では、操作されるスロットル開度
によって燃料噴射量が直接変化することから、エンジン
の加速応答性を向上させることができる。その一方で、
スロットルボディを含むエンジン構成部品の個体ばらつ
き又は寸法ばらつき、それら構成部品の経年変化等によ
り、エンジンに供給される基本燃料噴射量に誤差が生じ
て可燃混合気の空燃比にズレが生じることがあるため、
このズレを修正する必要があった。
【0003】特開昭59−120734号公報は、「ス
ロットル・スピードタイプ」の燃料噴射量制御装置にお
いて、エンジン構成部品の個体ばらつき等及び経年変化
による空燃比のズレを修正することのできる装置を開示
している。即ち、この装置では、エンジンに燃料を噴射
供給するインジェクタを駆動するための基本パルス幅
(基本燃料噴射量)をスロットル開度信号及びエンジン
回転速度信号に基づいて算出する。それとは別に、スロ
ットルバルブ前後の差圧信号及びエンジン回転速度信号
に基づいて第2の基本パルス幅(第2の基本燃料噴射
量)を算出する。更に、基本パルス幅と第2の基本パル
ス幅との偏差値をエンジンの定常運転時に算出する。そ
して、算出された偏差値に基づいてスロットル開度デー
タをシフトすることにより、常に最適混合比を保つ学習
機能を持つようにしている。
ロットル・スピードタイプ」の燃料噴射量制御装置にお
いて、エンジン構成部品の個体ばらつき等及び経年変化
による空燃比のズレを修正することのできる装置を開示
している。即ち、この装置では、エンジンに燃料を噴射
供給するインジェクタを駆動するための基本パルス幅
(基本燃料噴射量)をスロットル開度信号及びエンジン
回転速度信号に基づいて算出する。それとは別に、スロ
ットルバルブ前後の差圧信号及びエンジン回転速度信号
に基づいて第2の基本パルス幅(第2の基本燃料噴射
量)を算出する。更に、基本パルス幅と第2の基本パル
ス幅との偏差値をエンジンの定常運転時に算出する。そ
して、算出された偏差値に基づいてスロットル開度デー
タをシフトすることにより、常に最適混合比を保つ学習
機能を持つようにしている。
【0004】しかしながら、上記公報の装置では、最適
混合比を保つ学習機能を持つために、スロットルバルブ
前後の差圧を検出するための差圧センサを特別に設けな
ければならなず、構成が複雑になるという問題があっ
た。しかも、近時の燃料噴射制御では、その制御精度を
向上させるために空燃比をフィードバック制御する空燃
比制御が主流となっており、その制御中に学習機能を確
保するための学習補正が行われている。即ち、この種の
空燃比制御装置は、エンジンの排気通路に設けられた酸
素濃度センサを用いて可燃混合気の空燃比を、エンジン
の運転状態に応じて設定される目標空燃比にフィードバ
ック制御するようにしている。そのために、酸素濃度セ
ンサの出力から得られる実際の空燃比と、所定の目標空
燃比とに基づいて算出される空燃比補正係数を用いて基
本燃料噴射量を補正する。更に、エンジン運転時に空燃
比補正係数と所定の理論空燃比との差を学習値として算
出し、この学習値を用いて基本燃料噴射量を補正するよ
うにしている。例えば、特開昭62−203951号公
報、特開平4−203237号公報及び特開平4−20
3237号等は、この種の空燃比制御を含む制御の一例
を開示している。
混合比を保つ学習機能を持つために、スロットルバルブ
前後の差圧を検出するための差圧センサを特別に設けな
ければならなず、構成が複雑になるという問題があっ
た。しかも、近時の燃料噴射制御では、その制御精度を
向上させるために空燃比をフィードバック制御する空燃
比制御が主流となっており、その制御中に学習機能を確
保するための学習補正が行われている。即ち、この種の
空燃比制御装置は、エンジンの排気通路に設けられた酸
素濃度センサを用いて可燃混合気の空燃比を、エンジン
の運転状態に応じて設定される目標空燃比にフィードバ
ック制御するようにしている。そのために、酸素濃度セ
ンサの出力から得られる実際の空燃比と、所定の目標空
燃比とに基づいて算出される空燃比補正係数を用いて基
本燃料噴射量を補正する。更に、エンジン運転時に空燃
比補正係数と所定の理論空燃比との差を学習値として算
出し、この学習値を用いて基本燃料噴射量を補正するよ
うにしている。例えば、特開昭62−203951号公
報、特開平4−203237号公報及び特開平4−20
3237号等は、この種の空燃比制御を含む制御の一例
を開示している。
【0005】一般に、上記の空燃比制御においては、所
定の運転パラメータに従ってエンジンの運転状態が複数
の学習領域に区画され、それら各学習領域に応じて学習
値が算出され、各学習値が不揮発性メモリに記憶される
ようになっている。
定の運転パラメータに従ってエンジンの運転状態が複数
の学習領域に区画され、それら各学習領域に応じて学習
値が算出され、各学習値が不揮発性メモリに記憶される
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した
「スロットル・スピードタイプ」の燃料噴射量制御装置
に対して上記空燃比制御を採用することが考えられる。
この場合には、スロットル開度及びエンジン回転速度に
従ってエンジンの運転状態が複数の学習領域に区画さ
れ、それら各学習領域に応じて学習値が算出され、メモ
リに記憶されることになる。
「スロットル・スピードタイプ」の燃料噴射量制御装置
に対して上記空燃比制御を採用することが考えられる。
この場合には、スロットル開度及びエンジン回転速度に
従ってエンジンの運転状態が複数の学習領域に区画さ
れ、それら各学習領域に応じて学習値が算出され、メモ
リに記憶されることになる。
【0007】しかし、この場合に、スロットルバルブの
低開度領域では、エンジン構成部品の個体ばらつき等や
経年変化による影響度が高開度領域に比べて大きくなる
傾向があり、空燃比制御の学習値が適正値からずれるお
それがある。これは、一つの学習領域が比較的広く、学
習領域の設定数が少ないことによるものである。この場
合、例えば、低開度領域に対して一つの学習領域が設定
されることになり、その領域内でスロットル開度が変化
しても、その変化が学習値による基本燃料噴射量の補正
に反映され難いことになる。このことが、空燃比のズレ
を比較的大きなものにしている。
低開度領域では、エンジン構成部品の個体ばらつき等や
経年変化による影響度が高開度領域に比べて大きくなる
傾向があり、空燃比制御の学習値が適正値からずれるお
それがある。これは、一つの学習領域が比較的広く、学
習領域の設定数が少ないことによるものである。この場
合、例えば、低開度領域に対して一つの学習領域が設定
されることになり、その領域内でスロットル開度が変化
しても、その変化が学習値による基本燃料噴射量の補正
に反映され難いことになる。このことが、空燃比のズレ
を比較的大きなものにしている。
【0008】上記不具合に対処するために、個々の学習
領域の範囲を比較的狭くすることにより、学習領域の設
定数を増やすことが考えられる。しかし、この場合は、
使用頻度の少ない学習領域では学習値が更新され難くな
り、学習値の精度が低くなる。このため、使用頻度の少
ない学習領域に対する学習値が基本燃料噴射量の補正に
用いられた場合、その学習値の精度が低いことにより、
空燃比にズレが生じるおそれがある。
領域の範囲を比較的狭くすることにより、学習領域の設
定数を増やすことが考えられる。しかし、この場合は、
使用頻度の少ない学習領域では学習値が更新され難くな
り、学習値の精度が低くなる。このため、使用頻度の少
ない学習領域に対する学習値が基本燃料噴射量の補正に
用いられた場合、その学習値の精度が低いことにより、
空燃比にズレが生じるおそれがある。
【0009】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、いわゆるスロットル・スピード
タイプの燃料噴射量制御で空燃比の学習補正を行うもの
において、学習領域の数を特に増やすことなく、低開度
領域におけるスロットル開度の変化に応じて空燃比を高
精度に制御することを可能にしたエンジンの空燃比制御
装置を提供することにある。
であって、その目的は、いわゆるスロットル・スピード
タイプの燃料噴射量制御で空燃比の学習補正を行うもの
において、学習領域の数を特に増やすことなく、低開度
領域におけるスロットル開度の変化に応じて空燃比を高
精度に制御することを可能にしたエンジンの空燃比制御
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、スロットルバルブ開度と
エンジン回転速度とに基づいて決定される基本燃料噴射
量を、スロットルバルブ開度とエンジン回転速度とから
設定される複数の学習領域毎に算出される学習値に基づ
いて補正することによりエンジンに供給される可燃混合
気の空燃比が所定の理論空燃比となるようにフィードバ
ック制御するようにしたエンジンの空燃比制御装置にお
いて、スロットルバルブの低開度領域でスロットルバル
ブ開度が変化したときに、スロットルバルブ開度の単位
時間当たりの変化量と、スロットルバルブ開度と、エン
ジン回転速度とに基づいて低開度領域における学習値の
理論値を予測的に算出するための予測算出手段と、算出
された学習値の理論値に基づいて基本燃料噴射量を補正
するための基本燃料噴射量補正手段とを備えたことを趣
旨とする。
に、請求項1に記載の発明は、スロットルバルブ開度と
エンジン回転速度とに基づいて決定される基本燃料噴射
量を、スロットルバルブ開度とエンジン回転速度とから
設定される複数の学習領域毎に算出される学習値に基づ
いて補正することによりエンジンに供給される可燃混合
気の空燃比が所定の理論空燃比となるようにフィードバ
ック制御するようにしたエンジンの空燃比制御装置にお
いて、スロットルバルブの低開度領域でスロットルバル
ブ開度が変化したときに、スロットルバルブ開度の単位
時間当たりの変化量と、スロットルバルブ開度と、エン
ジン回転速度とに基づいて低開度領域における学習値の
理論値を予測的に算出するための予測算出手段と、算出
された学習値の理論値に基づいて基本燃料噴射量を補正
するための基本燃料噴射量補正手段とを備えたことを趣
旨とする。
【0011】上記発明の構成によれば、スロットルバル
ブの低開度領域でスロットルバルブ開度が変化したとき
には、予測学習算出手段により、スロットルバルブ開度
の単位時間当たりの変化量、スロットルバルブ開度及び
エンジン回転速度に基づいて低開度領域における学習値
の理論値が予測的に算出される。そして、基本燃料噴射
量補正手段により基本燃料噴射量が、算出された学習値
の理論値に基づいて補正されることにより、エンジンに
供給される可燃混合気が所定の理論空燃比となるように
フィードバック制御されることになる。従って、低開度
領域では、スロットルバルブ開度が多少変化しても、通
常の学習値に代わって、スロットルバルブ開度の変化に
応じて予測的に算出される学習値の理論値に基づき、基
本燃料噴射量が適合性良く補正されることになる。
ブの低開度領域でスロットルバルブ開度が変化したとき
には、予測学習算出手段により、スロットルバルブ開度
の単位時間当たりの変化量、スロットルバルブ開度及び
エンジン回転速度に基づいて低開度領域における学習値
の理論値が予測的に算出される。そして、基本燃料噴射
量補正手段により基本燃料噴射量が、算出された学習値
の理論値に基づいて補正されることにより、エンジンに
供給される可燃混合気が所定の理論空燃比となるように
フィードバック制御されることになる。従って、低開度
領域では、スロットルバルブ開度が多少変化しても、通
常の学習値に代わって、スロットルバルブ開度の変化に
応じて予測的に算出される学習値の理論値に基づき、基
本燃料噴射量が適合性良く補正されることになる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、低
開度領域で既に算出された学習値が高開度領域で既に算
出された学習値から所定値以上ずれているときにのみ低
開度領域における学習値の理論値の算出を許容するため
の算出許容手段を備えたことを趣旨とする。
載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、低
開度領域で既に算出された学習値が高開度領域で既に算
出された学習値から所定値以上ずれているときにのみ低
開度領域における学習値の理論値の算出を許容するため
の算出許容手段を備えたことを趣旨とする。
【0013】上記発明の構成によれば、低開度領域の学
習値の高開度領域の学習値からのずれが所定値以上と大
きいときのみ低開度領域における学習値の理論値の算出
が算出許容手段により許容され、上記学習値のずれが所
定値未満と小さいときには低開度領域における学習値の
理論値の算出が許容されない。従って、低開度領域にお
いて既に算出された学習値を基本燃料噴射量の補正に使
用できる場合には、その学習値が有効に使用されること
になる。
習値の高開度領域の学習値からのずれが所定値以上と大
きいときのみ低開度領域における学習値の理論値の算出
が算出許容手段により許容され、上記学習値のずれが所
定値未満と小さいときには低開度領域における学習値の
理論値の算出が許容されない。従って、低開度領域にお
いて既に算出された学習値を基本燃料噴射量の補正に使
用できる場合には、その学習値が有効に使用されること
になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエンジンの空燃比
制御装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。
制御装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。
【0015】図1には、自動車に搭載されたエンジンシ
ステムの概略構成を示す。エンジン1は周知の構造を有
する多気筒タイプのものであり、この実施の形態では、
1番気筒#1〜4番気筒#4の4つの気筒を有するエン
ジン1が採用される。エンジン1は、吸気通路2を通じ
て供給される燃料及び空気、即ち可燃混合気を、各気筒
#1〜#4の燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排
気ガスを排気通路3を通じて排出させることにより、ピ
ストン(図示しない)を駆動させクランクシャフト4を
回転させて動力を得るものである。
ステムの概略構成を示す。エンジン1は周知の構造を有
する多気筒タイプのものであり、この実施の形態では、
1番気筒#1〜4番気筒#4の4つの気筒を有するエン
ジン1が採用される。エンジン1は、吸気通路2を通じ
て供給される燃料及び空気、即ち可燃混合気を、各気筒
#1〜#4の燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排
気ガスを排気通路3を通じて排出させることにより、ピ
ストン(図示しない)を駆動させクランクシャフト4を
回転させて動力を得るものである。
【0016】吸気通路2に設けられたスロットルバルブ
5は、同通路2を流れて各気筒#1〜#4に吸入される
空気量(吸気量)Qaを調節するために開閉されるもの
である。このバルブ5は、運転席に設けられたアクセル
ペダル6の操作に連動して作動するものである。スロッ
トルバルブ5に対して設けられたスロットルセンサ21
は、このバルブ5の開度(スロットル開度)TAを検出
し、その検出値に応じた電気信号を出力するものであ
る。
5は、同通路2を流れて各気筒#1〜#4に吸入される
空気量(吸気量)Qaを調節するために開閉されるもの
である。このバルブ5は、運転席に設けられたアクセル
ペダル6の操作に連動して作動するものである。スロッ
トルバルブ5に対して設けられたスロットルセンサ21
は、このバルブ5の開度(スロットル開度)TAを検出
し、その検出値に応じた電気信号を出力するものであ
る。
【0017】各気筒#1〜#4に対応する吸気ポートに
設けられた複数のインジェクタ7は、各気筒#1〜#4
に対応して燃料を噴射供給するためのものである。これ
らインジェクタ7は、共通するデリバリパイプ8に設け
られる。デリバリパイプ8は、燃料タンク9から圧送さ
れる燃料を、各インジェクタ7へ分配するためのもので
ある。
設けられた複数のインジェクタ7は、各気筒#1〜#4
に対応して燃料を噴射供給するためのものである。これ
らインジェクタ7は、共通するデリバリパイプ8に設け
られる。デリバリパイプ8は、燃料タンク9から圧送さ
れる燃料を、各インジェクタ7へ分配するためのもので
ある。
【0018】各気筒#1〜#4に対応してエンジン1に
設けられた複数の点火プラグ10は、ディストリビュー
タ11から分配される点火信号を受けて作動する。ディ
ストリビュータ11は、イグナイタ12から出力される
高電圧をクランクシャフト4の回転角、即ち「クランク
角(°CA)」の変化に対応して各点火プラグ10へ分
配するものである。各点火プラグ10の作動時期、即ち
点火時期は、イグナイタ12から出力される高電圧の出
力タイミングにより決定される。従って、イグナイタ1
2を制御することにより、各気筒#1〜#4における各
点火プラグ13による点火時期が制御される。
設けられた複数の点火プラグ10は、ディストリビュー
タ11から分配される点火信号を受けて作動する。ディ
ストリビュータ11は、イグナイタ12から出力される
高電圧をクランクシャフト4の回転角、即ち「クランク
角(°CA)」の変化に対応して各点火プラグ10へ分
配するものである。各点火プラグ10の作動時期、即ち
点火時期は、イグナイタ12から出力される高電圧の出
力タイミングにより決定される。従って、イグナイタ1
2を制御することにより、各気筒#1〜#4における各
点火プラグ13による点火時期が制御される。
【0019】排気通路3に設けられた酸素センサ23
は、各気筒#1〜#4から同通路3へ排出される排気ガ
ス中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気
信号を出力するものである。
は、各気筒#1〜#4から同通路3へ排出される排気ガ
ス中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気
信号を出力するものである。
【0020】ディストリビュータ11に設けられた回転
速度センサ24は、クランクシャフト4の角速度、即
ち、エンジン回転速度NEを検出し、その検出値に応じ
た電気信号を出力するものである。ディストリビュータ
11には、クランクシャフト4の回転に連動して回転す
ると共に外周に複数の歯を有するロータ(図示しない)
が内蔵される。回転速度センサ24は、このロータと、
ロータの外周に対向配置された電磁ピックアップ(図示
しない)とを備える。このロータの回転に伴って電磁ピ
ックアップが各歯の通過を検出する毎に、回転速度セン
サ24からは一つのパルス信号が出力される。この実施
の形態では、クランク角が30°CA進む毎に、回転速
度センサ24から一つのパルス信号が出力されることに
なる。同じく、ディストリビュータ11には、ロータの
回転に応じてクランク角の変化を所定の割合で検出する
ための気筒判別センサ25が設けられる。この実施の形
態では、1番気筒#1〜4番気筒#4の全てが順次に燃
焼行程を終了するまでにクランクシャフト4が2回転す
るものとして、720°CA毎の割合で、気筒判別セン
サ25から基準位置信号GSとしての一つのパルス信号
が出力されるようになっている。
速度センサ24は、クランクシャフト4の角速度、即
ち、エンジン回転速度NEを検出し、その検出値に応じ
た電気信号を出力するものである。ディストリビュータ
11には、クランクシャフト4の回転に連動して回転す
ると共に外周に複数の歯を有するロータ(図示しない)
が内蔵される。回転速度センサ24は、このロータと、
ロータの外周に対向配置された電磁ピックアップ(図示
しない)とを備える。このロータの回転に伴って電磁ピ
ックアップが各歯の通過を検出する毎に、回転速度セン
サ24からは一つのパルス信号が出力される。この実施
の形態では、クランク角が30°CA進む毎に、回転速
度センサ24から一つのパルス信号が出力されることに
なる。同じく、ディストリビュータ11には、ロータの
回転に応じてクランク角の変化を所定の割合で検出する
ための気筒判別センサ25が設けられる。この実施の形
態では、1番気筒#1〜4番気筒#4の全てが順次に燃
焼行程を終了するまでにクランクシャフト4が2回転す
るものとして、720°CA毎の割合で、気筒判別セン
サ25から基準位置信号GSとしての一つのパルス信号
が出力されるようになっている。
【0021】エンジン1に設けられ水温センサ26は、
エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)T
HWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する
ものである。
エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)T
HWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する
ものである。
【0022】この実施の形態において、上記のスロット
ルセンサ21、酸素センサ23、回転速度センサ24、
気筒判別センサ25及び水温センサ26等は、エンジン
1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成
する。
ルセンサ21、酸素センサ23、回転速度センサ24、
気筒判別センサ25及び水温センサ26等は、エンジン
1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成
する。
【0023】前述した各インジェクタ7、デリバリパイ
プ8及び燃料タンク9等は燃料供給装置を構成する。燃
料タンク9に内蔵された電動式の燃料ポンプ13は、同
タンク9に貯溜された燃料を汲み上げ、吐出するもので
ある。燃料ポンプ13の吐出ポート側に接続された燃料
パイプ14は、燃料フィルタ15を介してデリバリパイ
プ8に接続される。ここで、燃料ポンプ13が作動する
ことにより、燃料タンク9内の燃料は、同ポンプ13か
ら燃料パイプ14へと吐出され、燃料フィルタ15で異
物が除去された後、デリバリパイプ8へと圧送され、各
インジェクタ7へ分配される。各インジェクタ7に圧送
された燃料は、それらインジェクタ7の作動に伴い吸気
ポートへと噴射さ、各気筒#1〜#4へと供給される。
プ8及び燃料タンク9等は燃料供給装置を構成する。燃
料タンク9に内蔵された電動式の燃料ポンプ13は、同
タンク9に貯溜された燃料を汲み上げ、吐出するもので
ある。燃料ポンプ13の吐出ポート側に接続された燃料
パイプ14は、燃料フィルタ15を介してデリバリパイ
プ8に接続される。ここで、燃料ポンプ13が作動する
ことにより、燃料タンク9内の燃料は、同ポンプ13か
ら燃料パイプ14へと吐出され、燃料フィルタ15で異
物が除去された後、デリバリパイプ8へと圧送され、各
インジェクタ7へ分配される。各インジェクタ7に圧送
された燃料は、それらインジェクタ7の作動に伴い吸気
ポートへと噴射さ、各気筒#1〜#4へと供給される。
【0024】この実施の形態で、電子制御装置(EC
U)30は、前述したスロットルセンサ21、酸素セン
サ23、回転速度センサ24、気筒判別センサ25及び
水温センサ26等から出力される各種信号を入力する。
ECU30は、これらの入力信号に基づき、空燃比制御
を含む燃料噴射制御及び点火時期制御等を実行するため
に、各インジェクタ7及びイグナイタ12等をそれぞれ
制御する。この実施の形態において、ECU30は、請
求項1及び請求項2の発明の予測学習手段、基本燃料噴
射量補正手段及び算出許容手段に相当する。
U)30は、前述したスロットルセンサ21、酸素セン
サ23、回転速度センサ24、気筒判別センサ25及び
水温センサ26等から出力される各種信号を入力する。
ECU30は、これらの入力信号に基づき、空燃比制御
を含む燃料噴射制御及び点火時期制御等を実行するため
に、各インジェクタ7及びイグナイタ12等をそれぞれ
制御する。この実施の形態において、ECU30は、請
求項1及び請求項2の発明の予測学習手段、基本燃料噴
射量補正手段及び算出許容手段に相当する。
【0025】周知のように、ECU30は中央処理装置
(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム
アクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部
入力回路及び外部出力回路等を備える。ECU30は、
CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMと、外
部入力回路及び外部出力回路等とをバスにより接続して
なる論理演算回路を構成する。ROMは、エンジンの空
燃比制御等に関する所定の制御プログラムを予め記憶し
たものである。RAMは、CPUの演算結果を一時記憶
するものである。バックアップRAMは、予め記憶した
データを保存するものである。CPUは、入力回路を介
して入力される各種センサ21,23〜26の検出信号
に基づき、所定の制御プログラムに従って前述した各種
制御等を実行する。
(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム
アクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部
入力回路及び外部出力回路等を備える。ECU30は、
CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMと、外
部入力回路及び外部出力回路等とをバスにより接続して
なる論理演算回路を構成する。ROMは、エンジンの空
燃比制御等に関する所定の制御プログラムを予め記憶し
たものである。RAMは、CPUの演算結果を一時記憶
するものである。バックアップRAMは、予め記憶した
データを保存するものである。CPUは、入力回路を介
して入力される各種センサ21,23〜26の検出信号
に基づき、所定の制御プログラムに従って前述した各種
制御等を実行する。
【0026】ここで 点火時期制御とは、エンジン1の
運転状態に応じてイグナイタ12を制御することによ
り、各点火プラグ10による点火時期を制御することで
ある。燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じ
て各インジェクタ7から噴射される燃料量(燃料噴射
量)及びその噴射タイミングを制御することである。こ
の実施の形態において、ECU30は、スロットル開度
TAとエンジン回転速度NEとに基づいて基本燃料噴射
量TAUBSEを算出し、その基本燃料噴射量TAUB
SEを各種条件に応じて補正することにより、最終燃料
噴射量TAUを決定する。空燃比制御とは、少なくとも
酸素センサ23の検出値に基づいてエンジン1に供給さ
れる燃料及び空気の可燃混合気の空燃比をフィードバッ
ク制御することである。以下、空燃比制御について簡単
に説明する。図2には、空燃比制御で酸素センサ23に
より検出される酸素濃度Ox、ECU30による空燃比
の判定及び空燃比補正係数FAFの挙動をそれぞれ示
す。
運転状態に応じてイグナイタ12を制御することによ
り、各点火プラグ10による点火時期を制御することで
ある。燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じ
て各インジェクタ7から噴射される燃料量(燃料噴射
量)及びその噴射タイミングを制御することである。こ
の実施の形態において、ECU30は、スロットル開度
TAとエンジン回転速度NEとに基づいて基本燃料噴射
量TAUBSEを算出し、その基本燃料噴射量TAUB
SEを各種条件に応じて補正することにより、最終燃料
噴射量TAUを決定する。空燃比制御とは、少なくとも
酸素センサ23の検出値に基づいてエンジン1に供給さ
れる燃料及び空気の可燃混合気の空燃比をフィードバッ
ク制御することである。以下、空燃比制御について簡単
に説明する。図2には、空燃比制御で酸素センサ23に
より検出される酸素濃度Ox、ECU30による空燃比
の判定及び空燃比補正係数FAFの挙動をそれぞれ示
す。
【0027】ECU30は、エンジン1に供給される可
燃混合気の空燃比が所定の目標空燃比となるよう、酸素
センサ23で検出される酸素濃度(出力電圧)Oxの値
に基づいて空燃比補正係数FAFを算出する。更に、E
CU30は、算出された空燃比補正係数FAFの値に基
づいて各インジェクタ7からエンジン1へ供給される燃
料量を制御する。ここで、ECU30は、空燃比がリッ
チのときには、空燃比補正係数FAFを、各インジェク
タ7から供給される燃料量を減少させる減算値(図2に
右下がりの直線で示す。)として算出する。ECU30
は、空燃比がリーンのときには、空燃比補正係数FAF
を、各インジェクタ7から供給される燃料量を増加させ
る加算値(図2に右上がりの直線で示す。)として算出
する。即ち、ECU30は、酸素センサ23により検出
される酸素濃度Oxに係る出力電圧を、所定の基準電圧
と比較することにより、空燃比がリッチであるか、リー
ンであるかを判定する。そして、ECU30は、空燃比
がリッチであると判定したときに一定の割合で空燃比補
正係数FAFを減らし、空燃比がリーンであると判定し
たときに一定の割合で空燃比補正係数FAFを増やす。
空燃比の判定がリーンからリッチへ、又は、リッチから
リーンへ変わったときは、ECU30は、空燃比補正係
数FAFを階段状にスキップさせる。このスキップは、
空燃比のフィードバック制御の応答性を上げ、空燃比を
より理論空燃比に近付けるための演算手法である。
燃混合気の空燃比が所定の目標空燃比となるよう、酸素
センサ23で検出される酸素濃度(出力電圧)Oxの値
に基づいて空燃比補正係数FAFを算出する。更に、E
CU30は、算出された空燃比補正係数FAFの値に基
づいて各インジェクタ7からエンジン1へ供給される燃
料量を制御する。ここで、ECU30は、空燃比がリッ
チのときには、空燃比補正係数FAFを、各インジェク
タ7から供給される燃料量を減少させる減算値(図2に
右下がりの直線で示す。)として算出する。ECU30
は、空燃比がリーンのときには、空燃比補正係数FAF
を、各インジェクタ7から供給される燃料量を増加させ
る加算値(図2に右上がりの直線で示す。)として算出
する。即ち、ECU30は、酸素センサ23により検出
される酸素濃度Oxに係る出力電圧を、所定の基準電圧
と比較することにより、空燃比がリッチであるか、リー
ンであるかを判定する。そして、ECU30は、空燃比
がリッチであると判定したときに一定の割合で空燃比補
正係数FAFを減らし、空燃比がリーンであると判定し
たときに一定の割合で空燃比補正係数FAFを増やす。
空燃比の判定がリーンからリッチへ、又は、リッチから
リーンへ変わったときは、ECU30は、空燃比補正係
数FAFを階段状にスキップさせる。このスキップは、
空燃比のフィードバック制御の応答性を上げ、空燃比を
より理論空燃比に近付けるための演算手法である。
【0028】この実施の形態では、ECU30は、空燃
比の学習補正を行う。即ち、ECU30は、上記の基本
燃料噴射量TAUBSEを、スロットル開度TA及びエ
ンジン回転速度NEにより設定され区画される複数の学
習領域毎に算出される学習値に基づいて補正することに
より、空燃比が所定の理論空燃比になるようにフィード
バック制御する。
比の学習補正を行う。即ち、ECU30は、上記の基本
燃料噴射量TAUBSEを、スロットル開度TA及びエ
ンジン回転速度NEにより設定され区画される複数の学
習領域毎に算出される学習値に基づいて補正することに
より、空燃比が所定の理論空燃比になるようにフィード
バック制御する。
【0029】次に、ECU30が実行する各種制御のう
ち、学習制御を含む空燃比制御のための処理内容につい
て説明する。図3に空燃比制御に関するフローチャート
を示す。図4に学習値KG及びその理論値(学習理論
値)KGTAの算出に関するフローチャートを示す。
ち、学習制御を含む空燃比制御のための処理内容につい
て説明する。図3に空燃比制御に関するフローチャート
を示す。図4に学習値KG及びその理論値(学習理論
値)KGTAの算出に関するフローチャートを示す。
【0030】ECU30は、図3に示すルーチンを所定
期間毎に周期的に実行する。先ずステップ100で、E
CU30は各種センサ21,23,24,26の検出信
号に基づき、スロットル開度TA、酸素濃度Ox、エン
ジン回転速度NE及び冷却水温THWの値をそれぞれ読
み込む。
期間毎に周期的に実行する。先ずステップ100で、E
CU30は各種センサ21,23,24,26の検出信
号に基づき、スロットル開度TA、酸素濃度Ox、エン
ジン回転速度NE及び冷却水温THWの値をそれぞれ読
み込む。
【0031】次に、ステップ110で、ECU30は、
読み込まれたスロットル開度TA及びエンジン回転速度
NEの値に基づいて基本燃料噴射量TAUBSEを算
出、決定する。ECU30は、この基本燃料噴射量TA
UBSEの算出を、予め定められた関数データを参照す
ることにより行う。
読み込まれたスロットル開度TA及びエンジン回転速度
NEの値に基づいて基本燃料噴射量TAUBSEを算
出、決定する。ECU30は、この基本燃料噴射量TA
UBSEの算出を、予め定められた関数データを参照す
ることにより行う。
【0032】次に、ステップ120で、ECU30は、
読み込まれた酸素濃度Oxの値に基づいて前述したよう
に空燃比補正係数FAFの値を算出する。
読み込まれた酸素濃度Oxの値に基づいて前述したよう
に空燃比補正係数FAFの値を算出する。
【0033】次に、ステップ130で、ECU30は、
読み込まれたスロットル開度TA及びエンジン回転速度
NEの値に基づき、後に詳述する学習値KG又は学習理
論値KGTAを算出する。学習値KG及び学習理論値K
GTAは、スロットルボディを含むエンジン構成部品の
個体ばらつき又は寸法ばらつき、それら構成部品の経年
変化等により、エンジンに供給されるべき基本燃料噴射
量TAUBSEに誤差が生じて可燃混合気の空燃比に生
じるズレを補正するためのものである。
読み込まれたスロットル開度TA及びエンジン回転速度
NEの値に基づき、後に詳述する学習値KG又は学習理
論値KGTAを算出する。学習値KG及び学習理論値K
GTAは、スロットルボディを含むエンジン構成部品の
個体ばらつき又は寸法ばらつき、それら構成部品の経年
変化等により、エンジンに供給されるべき基本燃料噴射
量TAUBSEに誤差が生じて可燃混合気の空燃比に生
じるズレを補正するためのものである。
【0034】次に、ステップ140で、ECU30は、
読み込まれた冷却水温THWの値に基づき、エンジン1
の暖機状態に応じて基本燃料噴射量TAUBSEを補正
するための暖機補正係数KTHWを算出する。
読み込まれた冷却水温THWの値に基づき、エンジン1
の暖機状態に応じて基本燃料噴射量TAUBSEを補正
するための暖機補正係数KTHWを算出する。
【0035】次に、ステップ150で、ECU30は、
上記のように算出された基本燃料噴射量TAUBSE、
空燃比補正係数FAF、学習値KG又は学習理論値KG
TA、暖機補正係数KTHWに基づき、次式(1)に従
って最終燃料噴射量TAUの値を算出する。 TAU=TAUBSE*FAF*(KG or KGTA)*KTHW …(1) ここで、学習値KG及び学習理論値KGTAは選択的に
採用されるものであり、特に学習理論値KGTAは、所
定の条件成立時にスロットルバルブ5の低開度領域、即
ちスロットル開度TAの値が相対的に小さい領域で選択
的に採用されることになる。
上記のように算出された基本燃料噴射量TAUBSE、
空燃比補正係数FAF、学習値KG又は学習理論値KG
TA、暖機補正係数KTHWに基づき、次式(1)に従
って最終燃料噴射量TAUの値を算出する。 TAU=TAUBSE*FAF*(KG or KGTA)*KTHW …(1) ここで、学習値KG及び学習理論値KGTAは選択的に
採用されるものであり、特に学習理論値KGTAは、所
定の条件成立時にスロットルバルブ5の低開度領域、即
ちスロットル開度TAの値が相対的に小さい領域で選択
的に採用されることになる。
【0036】その後、ステップ160で、ECU30
は、算出された最終燃料噴射量TAUの値に基づいて各
インジェクタ7を制御することにより、エンジン1の各
気筒#1〜#4に供給される燃料量を制御する。即ち、
各気筒#1〜#4に供給される燃料と空気の可燃混合気
の空燃比を制御する。
は、算出された最終燃料噴射量TAUの値に基づいて各
インジェクタ7を制御することにより、エンジン1の各
気筒#1〜#4に供給される燃料量を制御する。即ち、
各気筒#1〜#4に供給される燃料と空気の可燃混合気
の空燃比を制御する。
【0037】ここで、上記ステップ130における学習
値KG又は学習理論値KGTAの算出について図4に従
って詳しく説明する。
値KG又は学習理論値KGTAの算出について図4に従
って詳しく説明する。
【0038】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ200で、ECU30は学習制御条件が成立したか否
かを判断する。ここで、学習制御条件とは、冷却水温T
HWが所定値(例えば「80℃」)以上あってエンジン
1が完全な暖機状態にあること、空燃比フィードバック
制御中であること等を含むものである。これら学習制御
条件が成立していない場合、ECU30は、そのままそ
の後の処理を一旦終了する。学習制御条件が成立してい
る場合には、ECU30は、処理をステップ210へ移
行する。
プ200で、ECU30は学習制御条件が成立したか否
かを判断する。ここで、学習制御条件とは、冷却水温T
HWが所定値(例えば「80℃」)以上あってエンジン
1が完全な暖機状態にあること、空燃比フィードバック
制御中であること等を含むものである。これら学習制御
条件が成立していない場合、ECU30は、そのままそ
の後の処理を一旦終了する。学習制御条件が成立してい
る場合には、ECU30は、処理をステップ210へ移
行する。
【0039】ステップ210で、ECU30は、今回読
み込まれたスロットル開度TAの値がスロットル開度T
Aの低開度領域における下限値KTAL以上、上限値K
TAH以下の範囲にあるか否かを判断する。ここで、ス
ロットル開度TAの値が上記低開度領域の範囲にない場
合、ECU30は、通常の学習制御を実行するために処
理をステップ290へ移行する。通常の学習制御とは、
スロット開度TAとエンジン回転速度NEとから設定さ
れる複数の学習領域毎に学習値KGを算出することであ
る。この実施の形態では、対応する学習領域に対応して
過去算出された複数の空燃比補正係数FAFの値の平均
値をその学習領域における学習値KGとして算出する。
一方、スロットル開度TAの値が上記低開度領域の範囲
にある場合、ECU30は処理をステップ220へ移行
する。
み込まれたスロットル開度TAの値がスロットル開度T
Aの低開度領域における下限値KTAL以上、上限値K
TAH以下の範囲にあるか否かを判断する。ここで、ス
ロットル開度TAの値が上記低開度領域の範囲にない場
合、ECU30は、通常の学習制御を実行するために処
理をステップ290へ移行する。通常の学習制御とは、
スロット開度TAとエンジン回転速度NEとから設定さ
れる複数の学習領域毎に学習値KGを算出することであ
る。この実施の形態では、対応する学習領域に対応して
過去算出された複数の空燃比補正係数FAFの値の平均
値をその学習領域における学習値KGとして算出する。
一方、スロットル開度TAの値が上記低開度領域の範囲
にある場合、ECU30は処理をステップ220へ移行
する。
【0040】ステップ220で、ECU30は、低開度
領域で既に算出された学習値KG1と高開度領域で既に
算出された学習値KG4との差の絶対値が所定値、即ち
学習値KGの下限値KKGL以上あるか否かを判断す
る。つまり、低開度領域の学習値KG1が高開度領域の
学習値KG4から下限値KKGL以上ずれているか否か
を判断する。ここで、下限値KKGLとして、例えば
「0.08〜0.1」を当て填めることができる。低開
度領域の学習値KG1が高開度領域の学習値KG4から
下限値KKGL以上ずれていない場合、ECU30は通
常の学習制御を実行するために処理をステップ290へ
移行する。低開度領域の学習値KG1が高開度領域の学
習値KG4から下限値KKGL以上ずれている場合、E
CU30は処理を前述したステップ230へ移行する。
領域で既に算出された学習値KG1と高開度領域で既に
算出された学習値KG4との差の絶対値が所定値、即ち
学習値KGの下限値KKGL以上あるか否かを判断す
る。つまり、低開度領域の学習値KG1が高開度領域の
学習値KG4から下限値KKGL以上ずれているか否か
を判断する。ここで、下限値KKGLとして、例えば
「0.08〜0.1」を当て填めることができる。低開
度領域の学習値KG1が高開度領域の学習値KG4から
下限値KKGL以上ずれていない場合、ECU30は通
常の学習制御を実行するために処理をステップ290へ
移行する。低開度領域の学習値KG1が高開度領域の学
習値KG4から下限値KKGL以上ずれている場合、E
CU30は処理を前述したステップ230へ移行する。
【0041】ステップ230で、ECU30は、単位時
間当たりのスロットル開度TAの変化量ΔTAが所定の
過渡判定基準値KTAFT以上であるか否かを判断す
る。即ち、エンジン1が過渡運転状態(加速運転又は減
速運転の状態)にあるか否か、つまりは、スロットル開
度TAの値に変化があるか否かを判断する。過渡運転状
態にない場合、ECU30は通常の学習制御を実行する
ために処理をステップ290へ移行する。過渡運転状態
にある場合、ECU30は処理を前述したステップ24
0へ移行する。
間当たりのスロットル開度TAの変化量ΔTAが所定の
過渡判定基準値KTAFT以上であるか否かを判断す
る。即ち、エンジン1が過渡運転状態(加速運転又は減
速運転の状態)にあるか否か、つまりは、スロットル開
度TAの値に変化があるか否かを判断する。過渡運転状
態にない場合、ECU30は通常の学習制御を実行する
ために処理をステップ290へ移行する。過渡運転状態
にある場合、ECU30は処理を前述したステップ24
0へ移行する。
【0042】ステップ240で、ECU30は、エンジ
ン回転速度NEの値がその上限値KNE以下であるか否
かを判断する。即ち、この実施の形態では、エンジン回
転速度NEがその上限値KNEに達した場合、エンジン
1に対する燃料供給が遮断される(燃料カットされる)
ことから、ここでは、燃料カットが行われないか否かを
判断することになる。燃料カットが行われる場合、EC
U30は通常の学習制御を実行するために処理をステッ
プ290へ移行する。燃料カットが行われない場合、E
CU30は処理をステップ250へ移行する。
ン回転速度NEの値がその上限値KNE以下であるか否
かを判断する。即ち、この実施の形態では、エンジン回
転速度NEがその上限値KNEに達した場合、エンジン
1に対する燃料供給が遮断される(燃料カットされる)
ことから、ここでは、燃料カットが行われないか否かを
判断することになる。燃料カットが行われる場合、EC
U30は通常の学習制御を実行するために処理をステッ
プ290へ移行する。燃料カットが行われない場合、E
CU30は処理をステップ250へ移行する。
【0043】ステップ250で、ECU30は、スロッ
トル開度TAの変化量ΔTAに対する変化量補正係数F
KGの値を算出する。ECU30は、この算出を、例え
ば、表1に示すような関数データ(二次元マップ)を参
照することにより行う。
トル開度TAの変化量ΔTAに対する変化量補正係数F
KGの値を算出する。ECU30は、この算出を、例え
ば、表1に示すような関数データ(二次元マップ)を参
照することにより行う。
【0044】
【表1】
【0045】次に、ステップ251で、ECU30は、
スロットル開度TAの大きさに対応した開度補正係数F
KGTAの値を算出する。ここで、図5に示すように、
あるスロットル開度TAからスロットルバルブ5を開く
場合、学習理論値KGTAの算出タイミング毎に変化量
ΔTAに対する学習理論値KGTAの変化量は徐々に小
さくなり、あるスロットル開度TAからスロットルバル
ブ5を閉じる場合、学習理論値KGTAの算出タイミン
グ毎に変化量ΔTAに対する学習理論値KGTAの変化
量は徐々に大きくなる。そこで、このステップ251で
は、上記の学習理論値KGTAの変化量の違いを補正す
るために開度補正係数FKGTAを算出するのである。
ECU30は、この算出を、スロットル開度TAに応じ
て予め定められた関数データ(一次元マップ)を参照す
ることにより行う。
スロットル開度TAの大きさに対応した開度補正係数F
KGTAの値を算出する。ここで、図5に示すように、
あるスロットル開度TAからスロットルバルブ5を開く
場合、学習理論値KGTAの算出タイミング毎に変化量
ΔTAに対する学習理論値KGTAの変化量は徐々に小
さくなり、あるスロットル開度TAからスロットルバル
ブ5を閉じる場合、学習理論値KGTAの算出タイミン
グ毎に変化量ΔTAに対する学習理論値KGTAの変化
量は徐々に大きくなる。そこで、このステップ251で
は、上記の学習理論値KGTAの変化量の違いを補正す
るために開度補正係数FKGTAを算出するのである。
ECU30は、この算出を、スロットル開度TAに応じ
て予め定められた関数データ(一次元マップ)を参照す
ることにより行う。
【0046】次に、ステップ252で、ECU30は、
エンジン回転速度NEの大きさに対応した回転速度補正
係数FKGNEの値を算出する。ここで、図6に示すよ
うに、ある同一スロットル開度TAでもエンジン回転速
度NEが高くなるほど学習値KGと要求学習値KGTA
との差が大きくなる。そこで、このステップ252で
は、エンジン回転速度NEの違いを補正するために回転
速度補正係数FKGNEを算出するのである。ECU3
0は、この算出を、エンジン回転速度NEに応じて予め
定められた関数データ(一次元マップ)を参照すること
により行う。
エンジン回転速度NEの大きさに対応した回転速度補正
係数FKGNEの値を算出する。ここで、図6に示すよ
うに、ある同一スロットル開度TAでもエンジン回転速
度NEが高くなるほど学習値KGと要求学習値KGTA
との差が大きくなる。そこで、このステップ252で
は、エンジン回転速度NEの違いを補正するために回転
速度補正係数FKGNEを算出するのである。ECU3
0は、この算出を、エンジン回転速度NEに応じて予め
定められた関数データ(一次元マップ)を参照すること
により行う。
【0047】その後、ステップ260で、ECU30
は、高開度領域の学習値KG4が低開度領域の学習値K
G1よりも大きいか否かを判断する。その判断が肯定の
場合、ECU30は処理をステップ270へ移行する。
そして、ステップ270で、ECU30は、前回算出さ
れた学習理論値KGTAO、今回算出された変化量補正
係数FKG、開度補正係数FKGTA及び回転速度補正
係数FKGNEの値に基づいて今回の学習理論値KGT
Aを次式(2)に従って算出し、その後の処理を一旦終
了する。 KGTA=KGTAO*(1+FKG)*FKGTA*FKGNE …(2) ここで、エンジン1の運転開始後、ステップ200で学
習制御条件が最初に成立したときには、従来の学習値K
G(低開度領域の学習値KG1)を前回の学習理論値K
GTAOとして用い、その後は、1回前の学習理論値K
GTAを前回の学習理論値KGTAOとして用いるよう
にしている。
は、高開度領域の学習値KG4が低開度領域の学習値K
G1よりも大きいか否かを判断する。その判断が肯定の
場合、ECU30は処理をステップ270へ移行する。
そして、ステップ270で、ECU30は、前回算出さ
れた学習理論値KGTAO、今回算出された変化量補正
係数FKG、開度補正係数FKGTA及び回転速度補正
係数FKGNEの値に基づいて今回の学習理論値KGT
Aを次式(2)に従って算出し、その後の処理を一旦終
了する。 KGTA=KGTAO*(1+FKG)*FKGTA*FKGNE …(2) ここで、エンジン1の運転開始後、ステップ200で学
習制御条件が最初に成立したときには、従来の学習値K
G(低開度領域の学習値KG1)を前回の学習理論値K
GTAOとして用い、その後は、1回前の学習理論値K
GTAを前回の学習理論値KGTAOとして用いるよう
にしている。
【0048】一方、ステップ260の判断が否定の場
合、ECU30は処理をステップ280へ移行する。そ
して、ステップ280で、ECU30は、前回算出され
た学習理論値KGTAO、今回算出された変化量補正係
数FKG、開度補正係数FKGTA及び回転速度補正係
数FKGNEの値に基づいて今回の学習理論値KGTA
を次式(3)に従って算出し、その後の処理を一旦終了
する。 KGTA=KGTAO*(1−FKG)*FKGTA*FKGNE …(3) 上記のように学習値KGと学習理論値KGTAの算出が
行われる。
合、ECU30は処理をステップ280へ移行する。そ
して、ステップ280で、ECU30は、前回算出され
た学習理論値KGTAO、今回算出された変化量補正係
数FKG、開度補正係数FKGTA及び回転速度補正係
数FKGNEの値に基づいて今回の学習理論値KGTA
を次式(3)に従って算出し、その後の処理を一旦終了
する。 KGTA=KGTAO*(1−FKG)*FKGTA*FKGNE …(3) 上記のように学習値KGと学習理論値KGTAの算出が
行われる。
【0049】以上説明したように、この実施の形態のエ
ンジンの空燃比制御装置によれば、スロットルバルブ5
の低開度領域で、例えば、エンジン1の過渡運転時にス
ロット開度TAが多少変化したときには、ECU30に
より、スロットル開度TAの単位時間当たりの変化量Δ
TA、スロットル開度TA及びエンジン回転速度NEに
基づいて低開度領域における学習理論値KGTAが予測
的に算出される。そして、その学習理論値KGTAに基
づき基本燃料噴射量TAUBSEがECU30により補
正され、エンジン1に供給される可燃混合気が所定の理
論空燃比となるようにフィードバック制御される。従っ
て、低開度領域では、スロットル開度TAが多少変化し
ても、通常の学習値KGに代わって、スロットル開度T
Aの変化に応じて予測的に算出された学習理論値KGT
Aに基づき、基本燃料噴射量TAUBSEが適合性良く
補正されることになる。このため、いわゆるスロットル
・スピードタイプの燃料噴射量制御で空燃比の学習補正
を行う空燃比制御装置において、低開度領域におけるス
ロットル開度TAの変化に応じて空燃比を高精度に制御
することができるようになる。
ンジンの空燃比制御装置によれば、スロットルバルブ5
の低開度領域で、例えば、エンジン1の過渡運転時にス
ロット開度TAが多少変化したときには、ECU30に
より、スロットル開度TAの単位時間当たりの変化量Δ
TA、スロットル開度TA及びエンジン回転速度NEに
基づいて低開度領域における学習理論値KGTAが予測
的に算出される。そして、その学習理論値KGTAに基
づき基本燃料噴射量TAUBSEがECU30により補
正され、エンジン1に供給される可燃混合気が所定の理
論空燃比となるようにフィードバック制御される。従っ
て、低開度領域では、スロットル開度TAが多少変化し
ても、通常の学習値KGに代わって、スロットル開度T
Aの変化に応じて予測的に算出された学習理論値KGT
Aに基づき、基本燃料噴射量TAUBSEが適合性良く
補正されることになる。このため、いわゆるスロットル
・スピードタイプの燃料噴射量制御で空燃比の学習補正
を行う空燃比制御装置において、低開度領域におけるス
ロットル開度TAの変化に応じて空燃比を高精度に制御
することができるようになる。
【0050】即ち、従来の学習制御では、低開度領域に
おける一つの学習領域が比較的広く、エンジン構成部品
の個体ばらつき等や経年変化による影響度が高開度領域
に比べて大きくなり、従来の学習値KG1が適正値から
ずれるおそれがあった。このため、低開度領域でスロッ
トル開度TAが多少変化しても、その変化が学習値KG
1による基本燃料噴射量TAUBSEの補正に反映され
難くなり、空燃比のズレが比較的大きくなる傾向があっ
た。しかし、この実施の形態の空燃比制御装置によれ
ば、低開度領域において、スロットル開度TAの変化の
大小に拘わらず、理論的な学習理論値KGTAが逐次予
測的に算出され、基本燃料噴射量TAUBSEの補正に
適用されることになる。このため、スロットル開度TA
が多少変化したときでも、その変化を反映して空燃比を
適正に補正することができるようになる。しかも、個々
の学習領域の範囲を比較的狭くして学習領域の設定数を
特別増やす必要がない。従って、使用頻度の少ない学習
領域で学習値が更新されずにその学習精度が低下するお
それもない。
おける一つの学習領域が比較的広く、エンジン構成部品
の個体ばらつき等や経年変化による影響度が高開度領域
に比べて大きくなり、従来の学習値KG1が適正値から
ずれるおそれがあった。このため、低開度領域でスロッ
トル開度TAが多少変化しても、その変化が学習値KG
1による基本燃料噴射量TAUBSEの補正に反映され
難くなり、空燃比のズレが比較的大きくなる傾向があっ
た。しかし、この実施の形態の空燃比制御装置によれ
ば、低開度領域において、スロットル開度TAの変化の
大小に拘わらず、理論的な学習理論値KGTAが逐次予
測的に算出され、基本燃料噴射量TAUBSEの補正に
適用されることになる。このため、スロットル開度TA
が多少変化したときでも、その変化を反映して空燃比を
適正に補正することができるようになる。しかも、個々
の学習領域の範囲を比較的狭くして学習領域の設定数を
特別増やす必要がない。従って、使用頻度の少ない学習
領域で学習値が更新されずにその学習精度が低下するお
それもない。
【0051】図7にスロットル開度TAの変化に対する
本実施の形態の学習理論値KGTA及び従来の学習値K
Gの挙動の一例を示す。図7からも明らかなように、従
来の学習値KGでは、各学習領域毎に変化することか
ら、その要求値との差が比較的大きくなっている。これ
に対し、本実施の形態の学習理論値KGTAでは、その
算出タイミング(例えば、13.3ms)毎、即ちスロ
ットル開度TAの変化量ΔTAに対する単位時間毎に変
化することから、要求値との差が比較的小さくなってい
ることが分かる。
本実施の形態の学習理論値KGTA及び従来の学習値K
Gの挙動の一例を示す。図7からも明らかなように、従
来の学習値KGでは、各学習領域毎に変化することか
ら、その要求値との差が比較的大きくなっている。これ
に対し、本実施の形態の学習理論値KGTAでは、その
算出タイミング(例えば、13.3ms)毎、即ちスロ
ットル開度TAの変化量ΔTAに対する単位時間毎に変
化することから、要求値との差が比較的小さくなってい
ることが分かる。
【0052】この実施の形態の空燃比制御装置によれ
ば、低開度領域の学習値KG1の高開度領域の学習値K
G4からのずれが所定の下限値KKGL以上と大きいと
きのみ、低開度領域における学習理論値KGTAの算出
がECU30により許容される。一方、上記両学習値K
G1,KG4のずれが所定の下限値KKGL未満と小さ
いときには、低開度領域における学習理論値KGTAの
算出が許容されない。従って、低開度領域で既に算出さ
れた従来の学習値KG1を基本燃料噴射量TAUBSE
の補正に使用できる場合には、その学習値KG1が有効
に使用されることになる。このため、低開度領域でも従
来の学習値KGを使用した空燃比制御を学習値KGの学
習状況に応じて適宜に実行することができるようにな
る。
ば、低開度領域の学習値KG1の高開度領域の学習値K
G4からのずれが所定の下限値KKGL以上と大きいと
きのみ、低開度領域における学習理論値KGTAの算出
がECU30により許容される。一方、上記両学習値K
G1,KG4のずれが所定の下限値KKGL未満と小さ
いときには、低開度領域における学習理論値KGTAの
算出が許容されない。従って、低開度領域で既に算出さ
れた従来の学習値KG1を基本燃料噴射量TAUBSE
の補正に使用できる場合には、その学習値KG1が有効
に使用されることになる。このため、低開度領域でも従
来の学習値KGを使用した空燃比制御を学習値KGの学
習状況に応じて適宜に実行することができるようにな
る。
【0053】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
【0054】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
いわゆるスロットル・スピードタイプの燃料噴射量制御
で空燃比の学習補正を行う空燃比制御装置において、学
習領域の数を特別増やすことなく、低開度領域における
スロットル開度の変化の多少に応じて空燃比を高精度に
制御することができるという効果を発揮する。
いわゆるスロットル・スピードタイプの燃料噴射量制御
で空燃比の学習補正を行う空燃比制御装置において、学
習領域の数を特別増やすことなく、低開度領域における
スロットル開度の変化の多少に応じて空燃比を高精度に
制御することができるという効果を発揮する。
【0055】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1に記載の発明の効果に加え、低開度領域において
も従来の学習値を使用した空燃比制御を学習値の学習状
況に応じて適宜に実行することができるという効果を発
揮する。
求項1に記載の発明の効果に加え、低開度領域において
も従来の学習値を使用した空燃比制御を学習値の学習状
況に応じて適宜に実行することができるという効果を発
揮する。
【図1】一実施の形態に係り、エンジンシステムを示す
概略構成図である。
概略構成図である。
【図2】同じく、酸素濃度、空燃比の判定及び空燃比補
正係数の挙動を示すタイムチャートである。
正係数の挙動を示すタイムチャートである。
【図3】同じく、空燃比制御に関するフローチャートで
ある。
ある。
【図4】同じく、学習値及び学習理論値の算出に関する
フローチャートである。
フローチャートである。
【図5】同じく、スロットル開度の変化量に対する学習
理論値の変化量の関係を示すグラフである。
理論値の変化量の関係を示すグラフである。
【図6】同じく、スロットル開度に対する学習理論値の
変化量の関係をエンジン回転速度の違いに応じて示すグ
ラフである。
変化量の関係をエンジン回転速度の違いに応じて示すグ
ラフである。
【図7】同じく、スロットル開度の変化に対する学習理
論値及び従来の学習値の挙動の一例を示すタイムチャー
トである。
論値及び従来の学習値の挙動の一例を示すタイムチャー
トである。
1 エンジン 5 スロットルバルブ 30 ECU(予測算出手段、基本燃料噴射量
補正手段、算出許容手段) TA スロットル開度 ΔTA スロットル開度の変化量 NE エンジン回転速度 KG 学習値 KGTA 学習理論値 TAUBSE 基本燃料噴射量 TAU 最終燃料噴射量
補正手段、算出許容手段) TA スロットル開度 ΔTA スロットル開度の変化量 NE エンジン回転速度 KG 学習値 KGTA 学習理論値 TAUBSE 基本燃料噴射量 TAU 最終燃料噴射量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 俊雄 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業株式会社内 (72)発明者 高木 定夫 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 井上 靖英 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA03 BA09 BA13 CA03 DA12 EB18 EB20 FA10 FA29 FA33 3G301 HA01 HA06 JA18 KA08 LB02 MA01 MA14 ND28 PA11Z PD02A PE01Z
Claims (2)
- 【請求項1】 スロットルバルブ開度とエンジン回転速
度とに基づいて決定される基本燃料噴射量を、前記スロ
ットルバルブ開度と前記エンジン回転速度とから設定さ
れる複数の学習領域毎に算出される学習値に基づいて補
正することによりエンジンに供給される可燃混合気の空
燃比が所定の理論空燃比となるようにフィードバック制
御するようにしたエンジンの空燃比制御装置において、 スロットルバルブの低開度領域で前記スロットルバルブ
開度が変化したときに、前記スロットルバルブ開度の単
位時間当たりの変化量と、前記スロットルバルブ開度
と、前記エンジン回転速度とに基づいて前記低開度領域
における学習値の理論値を予測的に算出するための予測
算出手段と、 前記算出された学習値の理論値に基づいて前記基本燃料
噴射量を補正するための基本燃料噴射量補正手段とを備
えたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの空燃比制御
装置において、 前記低開度領域で既に算出された学習値が高開度領域で
既に算出された学習値から所定値以上ずれているときに
のみ前記低開度領域における学習値の理論値の算出を許
容するための算出許容手段を備えたことを特徴とするエ
ンジンの空燃比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11061520A JP2000257488A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | エンジンの空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11061520A JP2000257488A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | エンジンの空燃比制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000257488A true JP2000257488A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=13173461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11061520A Pending JP2000257488A (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | エンジンの空燃比制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000257488A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1688692A2 (en) | 2005-02-03 | 2006-08-09 | Xenesys Inc. | Heat exchange plate |
JP2009203973A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-09-10 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の燃料噴射装置 |
-
1999
- 1999-03-09 JP JP11061520A patent/JP2000257488A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1688692A2 (en) | 2005-02-03 | 2006-08-09 | Xenesys Inc. | Heat exchange plate |
JP2009203973A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-09-10 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の燃料噴射装置 |
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