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JP2000256519A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000256519A
JP2000256519A JP11059325A JP5932599A JP2000256519A JP 2000256519 A JP2000256519 A JP 2000256519A JP 11059325 A JP11059325 A JP 11059325A JP 5932599 A JP5932599 A JP 5932599A JP 2000256519 A JP2000256519 A JP 2000256519A
Authority
JP
Japan
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weight
talc
parts
polypropylene
silicone oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11059325A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Sasai
優 笹井
Hiroyuki Umeda
博之 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP11059325A priority Critical patent/JP2000256519A/ja
Publication of JP2000256519A publication Critical patent/JP2000256519A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】目ヤニの発生が少なく、分散性のよいシート用
のタルクを高充填したポリオレフィン系樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂100重量部と表面
処理タルク30〜400重量部とからなるポリプロピレ
ン系樹脂組成物において、該表面処理タルクが、タルク
100重量部に対してシリコーンオイル0.1〜5重量
部と高級脂肪酸金属塩0.1〜5重量部とにより表面処
理されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工品とし
て、自動車用部品や電気、電子部品等の工業分野用のポ
リオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリプロピレン系樹脂の剛
性、耐熱性、成形収縮率、寸法安定性等を改良する目的
で、タルクを配合することは広く行われており、タルク
配合ポリプロピレン系樹脂組成物は、各種工業部品をは
じめとして広く使用されている。
【0003】最近、シート用途において、さらに剛性を
上げる目的でタルクを高充填させたポリプロピレン系樹
脂組成物の需要が増えてきている。しかしながら、高剛
性をを付与するために、タルクを高充填したポリプロピ
レン系樹脂組成物は、押出成形によりシート加工する
と、該樹脂組成物に特有の「目ヤニ」と呼ばれる付着物
が押出機のリップに付着、堆積し、特に、連続生産時に
は、上記「目ヤニ」が成長し、シートに付着するように
なり、シートの外観を著しく損なった不良品が発生する
という問題が発生する。
【0004】上記した「目ヤニ」の発生原因は、一般に
次のように考えられている。タルクは天然滑石を粉砕、
分級したものであり、主成分はケイ酸マグネシウムであ
るが、不純物としてカルシウム、鉄、ナトリウム、カリ
ウムなどが含まている。また、原産地によっては、この
他ニッケル、マンガンを含むものがある。これらの不純
物のうち、鉄、ニッケル、マンガンは、ポリプロピレン
の3級炭素に結合している水素をラジカルとして引き抜
く性質を有している。その結果、ポリプロピレンの分子
鎖切断反応が起こり、低分子量ポリプロピレンを生成さ
せる。すなわち、タルクに接した部分で局部的に低分子
量ポリプロピレンが生成され、低分子量ポリプロピレン
とタルクの混合物が「目ヤニ」として、押出機のリップ
に付着すると考えられている。
【0005】この問題を解決する方法として、押出機の
運転を止めてリップの清掃を行ったり、成形温度を下げ
る方法があるが、いずれも、生産性の低下を招いてしま
う。また、発生するラジカルを補足するためにヒンダー
トフェノールやリン系酸化防止剤を多量に添加する方法
もあるが、十分な効果が得られていない。
【0006】そこで、特開平7−252389号公報に
は、タルクをステアリン酸誘導体とメラミンとで処理す
る方法が提案されている。この方法によると、ステアリ
ン酸誘導体を用いてタルクの表面処理を行うことにより
「目ヤニ」の発生が低減される。
【0007】一方、タルクを充填したポリプロピレン系
樹脂組成物において、高剛性を付与するためには、ポリ
プロピレン樹脂組成物中のタルクを十分に分散させる必
要がある。しかしながら、上記した特開平7−2523
89号公報記載の方法では、特に高充填した場合におけ
るタルクの分散性が十分でなかった。
【0008】高充填した場合におけるタルクの分散性を
上げるために、シリコーンオイルにより表面処理された
タルクが用いられている。しかしながら、シリコーンオ
イルで表面処理したタルクでは、上記した「目ヤニ」の
問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、「目
ヤニ」が発生せず、タルクの分散性が良好な、押出成形
用ポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、タルクの表
面処理において、高級脂肪酸金属塩とシリコーンの処理
を併用することにより上記課題を改良することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹
脂100重量部と表面処理タルク30〜400重量部と
からなるポリプロピレン系樹脂組成物において、該表面
処理タルクが、タルク100重量部に対してシリコーン
オイル0.1〜5重量部と高級脂肪酸金属塩0.1〜5
重量部とにより表面処理されていることを特徴とするポ
リプロピレン系樹脂組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリプロピレ
ン系樹脂は、ポリプロピレンを主体とするものであれ
ば、公知のものが何等制限されることなく使用される。
上記ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体
や、プロピレンとエチレン、ブテン−1、炭素数が5〜
10のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重
合体等のポリプロピレンが挙げられる。
【0013】また、上記ポリプロピレン系樹脂には、上
記ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラス
トマー等を40重量%以下配合することができる。
【0014】熱可塑性樹脂の具体的な例としては、高密
度ポリエチレンや低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、ポリ4−メチル1−ペンテン、ポリ1−ブテ
ン等のポリオレフィンや、エチレン−酢酸ビニル共重合
体や、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等を挙げる
ことができる。
【0015】また、熱可塑性エラストマーとしては、エ
チレン−プロピレンラバー(EPR)、エチレン−プロ
ピレン−ブチレンラバー(EPBR)、エチレン−プロ
ピレンジエンゴム(EPDM)等のオレフィン系エラス
トマー、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンゴム(SI
S)、SBSの水素添加ゴム(SEBS)、SISの水
素添加ゴム(SEPS)、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)等のスチレン系エラストマーが挙げられる。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂のMFR
は、特に限定されないが、MFR(230℃、2,16
kg荷重)が0.2〜20g/10分、好ましくは0.
4〜15g/10分、さらに好ましくは0.6〜10g
/10分である。MFRが0.2g/分未満の場合、押
出成形時に機械負荷がかかり、得られる成形体にフロー
マーク等の外観不良が発生しやすく好ましくない。MF
Rが20g/10分を越えると押出成形時時にシートの
破断の原因となり、好ましくない。
【0017】本発明で用いられるタルクは、公知のもの
が特に制限なく使用でき、たとえば、中国産、北朝鮮
産、インド産、オーストラリア産等の天然滑石を粉砕、
分級したものが良好に使用できる。タルクの平均粒径は
特に限定はないが、2〜30μmが好ましい。上記の平
均粒径が2μm未満の場合にはかさ比重が小さく、取扱
いが非常に困難で、コストも高くなる。平均粒径が30
μmを超える場合は、成形品の剛性、耐衝撃性等の機械
的特性が著しく低下するので好ましくない。
【0018】なお、上記平均粒径は、レーザー回折散乱
法を用いて測定した累積量50重量%の時の粒径値であ
る。
【0019】本発明におけるポリプロピレン系樹脂と表
面処理タルクの配合比は、ポリプロピレン系樹脂100
重量部に対して、表面処理タルク30〜400重量部で
ある必要があり、好ましくは30〜150重量部であ
る。表面処理タルクの充填量が30重量部より少ない場
合は、十分な剛性・耐熱性が得られないため好ましくな
い。一方、表面処理タルクの充填量が400重量部を超
えると、シート成形等が困難となる。
【0020】本発明における最大の特徴は、シリコーン
オイルと高級脂肪酸金属塩とにより表面処理したタルク
を用いることにある。
【0021】本発明において表面処理タルクは、ポリプ
ロピレン系樹脂に配合する前に、予めシリコーンオイル
と高級脂肪酸金属塩とにより表面処理する必要がある。
ポリプロピレン系樹脂とタルクとを配合する際、または
配合した後に、シリコーンオイルおよび/または高級脂
肪酸金属塩を配合しても、本発明の効果を発現させるこ
とはできない。
【0022】本発明に用いられるシリコーンオイルは公
知のものが何等制限なく用いられる。たとえば、ストレ
ートシリコーンオイルや変性シリコーンオイル等が挙げ
られる。上記ストレートシリコーンオイルとしては、ジ
メチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオ
イル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げ
られる。また、上記変性シリコーンオイルとしては、ポ
リエーテル変性シリコーンオイルやエポキシ変性シリコ
ーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ
ル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコー
ン、メタクリル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリ
コーン等が挙げられる。
【0023】上記した中でも、化学的安定性の点から、
ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーン
オイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、長鎖
アルキル変性シリコーンオイルが好ましい。
【0024】本発明に用いられるシリコーンオイルのタ
ルクへの表面処理量は、タルク100重量部に対して、
0.1〜5重量部である必要があり、好ましくは、0.
2〜4重量部、より好ましくは、0.3〜3重量部であ
る。シリコーンオイルの表面処理量が5重量部を超える
と、強度の低下につながるだけでなく、ブリードアウト
の原因にもなるため好ましくない。一方、シリコーンオ
イルの表面処理量が0.1重量部より少ない場合、タル
クが十分に分散しないため好ましくない。
【0025】本発明に用いられる高級脂肪酸金属塩は、
公知の高級脂肪酸と金属との塩が何等制限なく用いられ
る。上記高級脂肪酸は、炭素数10〜30の飽和高級脂
肪酸であることが好ましく、炭素数が13〜20の飽和
高級脂肪酸がより好ましい。また上記金属は、タルクと
の親和性の点から、マグネシウム、アルミニウム、カル
シウム、バリウム、亜鉛等が望ましい。
【0026】上記した高級脂肪酸金属塩を具体的に例示
すると、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。また、これ
らの金属塩を2種類以上併用してもよい。
【0027】本発明に用いられる高級脂肪酸金属塩の表
面処理量は、タルク100重量部に対して、0.1〜5
重量部である必要があり、好ましくは、0.2〜4重量
部、より好ましくは、0.3〜3重量部である。高級脂
肪酸金属塩の表面処理量が5重量部を超えると、強度の
低下につながるだけでなく、ブリードアウトの原因にも
なる。一方、高級脂肪酸金属塩の表面処理量が0.1重
量部より少ない場合、押出成形時に目ヤニが発生しやす
くなるので好ましくない。
【0028】上記シリコーンオイルおよび高級脂肪酸金
属塩のタルクへの表面処理方法は、公知の方法を採用す
ることができ、たとえば乾式あるいは湿式で行うことが
できる。具体的には、粉砕により得られたタルクに表面
処理剤を直接噴霧、あるいはドライブレンドすることに
より処理する乾式法、水などの溶媒中で無機充填剤と処
理剤とを室温もしくは加熱下で撹拌し処理する湿式法が
挙げられる。
【0029】また、シリコーンオイルと高級脂肪酸金属
塩との表面処理は、同時あるいは別々に行うことができ
る。たとえば、タルクをシリコーンオイルで表面処理し
た後、高級脂肪酸金属塩で表面処理する方法、逆にタル
クを高級脂肪酸金属塩で表面処理した後、シリコーンオ
イルで表面処理する方法、タルクをシリコーンオイルと
高級脂肪酸金属塩を同時に表面処理する方法が挙げられ
る。
【0030】上記した中でも操作性や分散性の点から、
タルクをシリコーンオイルで表面処理した後、高級脂肪
酸金属塩で処理する方法が好適である。
【0031】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、
公知の配合剤を添加することが可能である。例えば、上
記配合剤としては、木粉、籾殻粉、竹粉、椰子殻粉、各
種穀物粉、セルロース粉等の有機充填剤が挙げられる。
また、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイト
等の有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤、ヒン
ダードアミン系等の熱安定剤、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤、
アニオン系やカチオン系、非イオン系、両性イオン系等
の帯電防止剤、ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩
系、エステル系等の滑剤、オキシド系、ハイドロタルサ
イト系等の分解剤、ヒドラジン系、アミン系等金属不活
性剤、含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水
酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤、金属イオン系等
の無機・有機抗菌剤、無機・有機顔料、核剤、可塑剤、
発泡剤等、公知の添加剤を配合することも可能である。
【0032】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物にお
いて、上記した添加剤の中で、帯電防止剤を配合した場
合に、特徴的な効果が発揮される。
【0033】すなわち、従来のタルク充填ポリプロピレ
ン系樹脂組成物に帯電防止剤を配合した場合において
は、帯電防止効果が十分に発揮されず、多量の配合を必
要としていたのに対し、本発明のポリプロピレン系樹脂
組成物に帯電防止剤を配合した場合においては、少量の
帯電防止剤の配合でも、帯電防止効果が十分に発揮され
る。
【0034】上記の場合における帯電防止剤は特に限定
されないが、耐熱性やポリプロピレン系樹脂との相溶性
の点から、非イオン系帯電防止剤が好ましい。具体的に
例示すると、多価アルコールの部分的脂肪酸のエステル
や脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪
酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪族アミン又は脂肪
酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノ
ールやアルキルナフトールのエチレンオキサイド付加
物、多価アルコールの部分脂肪酸エステルのエチレンオ
キサイド付加物等が挙げられる。
【0035】上記の場合における帯電防止剤の配合量
は、特に制限されないが、ポリプロピレン系樹脂100
重量部に対し0.1〜7重量部であることが好適であ
る。
【0036】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製
造方法は、特に制限されず公知の方法を採用すればよ
く、たとえば、上記表面処理を施したタルクとポリプロ
ピレン系樹脂とを直接成形する方法、上記表面処理を施
したタルクとポリプロピレン系樹脂と一旦ペレット化し
た後に成形する方法、あらかじめ表面処理を施したタル
クを高充填したポリプロピレン系樹脂マスターバッチペ
レットにして利用する方法等のいずれでもかまわない。
【0037】また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物においては、高充填しても分散性が良好であるため、
利便性のよいマスターバッチペレットにして利用する方
法を好適に用いることができる。
【0038】上記の場合におけるマスターバッチペレッ
トの製造方法は、公知の方法が何ら制限なく用いること
ができ、たとえば、ポリプロピレン系樹脂と表面処理タ
ルクとを内部に攪拌羽根を有するミキサーで高速攪拌し
て塊状化させてから押出機を用いて製造する方法が好適
である。
【0039】上記ミキサーによる高速攪拌における温度
は、特に制限されないが、好ましくは、ポリプロピレン
系樹脂の溶融温度付近まで昇温し、ポリプロピレン系樹
脂の一部が溶融し始める温度でおこなうことが望まし
い。
【0040】かかるポリプロピレンの一部が溶融し始め
る時点は、攪拌羽根の負荷の上昇を電気信号等で検出す
ることにより知ることができる。即ち、該攪拌羽根の負
荷が200〜500%上昇した時点をポリプロピレン系
樹脂の一部が溶融し始める時点の目安とすることができ
る。
【0041】なお、高速攪拌による昇温は、伝熱及び攪
拌による摩擦熱による方法、あるいは外部からの加熱す
る方法を併用しても良い。
【0042】本発明において、ミキサーにより得られた
塊状物は、そのままの状態、もしくは10〜100℃に
冷却したミキサーで更に処理して細かな塊状にした後、
一軸押出機または二軸押出機を用いて押出して、更に押
出機の先端に設けたカッターにて適宜必要な大きさに切
断して、目的とするマスターバッチペレットが得られ
る。
【0043】上記マスターバッチペレットの大きさは、
公知の範囲が特に制限なく採用されるが、一般的にはペ
レット径が2〜10mmのものが適当である。
【0044】また、上記マスターバッチペレットにおけ
るポリプロピレン系樹脂と表面処理タルクとの割合は、
特に制限されず、通常のマスターバッチペレットにおけ
る充填剤の割合である、ポリプロピレン系樹脂100重
量部に対して200〜900重量部が好適であり、より
好ましくは表面処理タルクを230〜500重量部で充
填する場合が効果的である。
【0045】本発明において、マスターバッチペレット
を用いる場合は、タルク無充填のポリプロピレン系樹脂
と上記マスターバッチペレットと本発明で規定する範囲
になるように混合して用いればよい。
【0046】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するため実施例
を示すが本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例における原料は下記の通
りである。
【0047】(1)ポリプロピレンパウダー MFR:1.5g/10分(230℃)、エチレンに基
づく単量体単位4wt%のプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体 (2)ポリプロピレンペレット MFR:1.5g/10分(230℃)、エチレンに基
づく単量体単位4wt%のプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体 (2)ポリエチレン MFRが2g/10分(190℃)の線状低密度ポリエ
チレン(出光石油化学製、商品名:0234CL) (3)タルク 平均粒径15μm (4)高級脂肪酸金属塩 ステアリン酸カルシウム(大日本インキ化学工業製) ステアリン酸マグネシウム(大日本インキ化学工業製) (5)シリコーンオイル ジメチルシリコーンオイル(信越化学製、商品名:KF
96) メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学製、
商品名:KF99) (6)帯電防止剤 ステアリルジエタノールアミンモノステアレート(丸菱
油化工業製、商品名:デノン331−P) また、実施例及び比較例の結果は、以下の方法で測定評
価した。
【0048】(A)「目ヤニ」の評価 田辺プラスチックス株式会社製40mmシート押出機
(形式SM0750F)を用い、10kgのタルク充填
ポリプロピレン系樹脂組成物を樹脂温度230℃、シー
トの厚みが200μmの条件でシート成形を行い、連続
成形1時間後のリップに付着した目ヤニの量を目視で以
下のように判断した。
【0049】○:目ヤニがほとんど見られない。
【0050】△:目ヤニの付着が見られる。
【0051】×:著しい目ヤニの付着が観察される。
【0052】(B)表面固有抵抗値 目ヤニの評価を行ったシートを200mm四方×10枚
切断し、温度23℃、湿度50%の恒湿恒温槽に1枚づ
つ切り離して2週間保存し、2週間後の表面固有抵抗値
を、横河ヒュレット・パッカード製表面固有抵抗測定値
(形式4329A)で測定した。
【0053】(C)分散性の評価 目ヤニの評価を行ったシートを200mm四方に10枚
切断し、0.5mm以上のフィッシュアイの数を目視で
評価を行った。
【0054】実施例1 平均粒径15μmのタルク100重量部とジメチルシリ
コーンオイル0.5重量部とをヘンシェルミキサーでよ
く混合し、アトマイザー(不二パウダル製)で粉砕し、
平均粒径10μmのシリコーンオイル表面処理タルクを
得た。次いで、得られたシリコーンオイル表面処理タル
クとステアリン酸カルシウム0.5重量部とをヘンシェ
ルミキサーでよく混合し、シリコーンオイル−ステアリ
ン酸カルシウム表面処理タルクを得た。得られた表面処
理タルク80重量部とポリプロピレン粉末20重量部と
を混合して65mm2軸押出機を用いてタルク80wt
%含有マスタバッチペレットを得た。このマスターバッ
チペレット5kgとポリプロピレンペレット5kgとを
混合して、40mmシート機で厚み200μmのシート
を作成した。連続成形1時間後のリップに付着した目ヤ
ニの量を目視で評価した。また、作成したシートを用い
て、分散性および表面固有抵抗を測定した。結果を表1
に示す。
【0055】実施例2 実施例1で得られたマスターバッチペレット5kgとポ
リプロピレンペレット3kg、ポリエチレンペレット2
kgとを混合した以外は、実施例1と同様の操作をおこ
なった。結果を表1に示す。
【0056】実施例3 ステアリン酸カルシウムの表面処理量を0.5重量部か
ら1重量部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行
った。結果を表1に示す。
【0057】実施例4 高級脂肪酸金属塩の表面処理を、ステアリン酸カルシウ
ム0.5重量部とステアリン酸マグネシウム0.5重量
部とでおこなった以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表1に示す。
【0058】実施例5 シリコーンオイルの表面処理を、メチルハイドロジェン
シリコーンオイルに変更した以外は実施例1と同様の操
作を行った。結果を表1に示す。
【0059】実施例6 平均粒径15μmのタルク100重量部とステアリン酸
カルシウム0.5重量部とをヘンシェルミキサーでよく
混合し、アトマイザー(不二パウエル社製)で粉砕し、
平均粒径10μmのステアリン酸カルシウム表面処理タ
ルクを得た。このステアリン酸カルシウム表面処理タル
クとジメチルシリコーンオイル0.5重量部とをヘンシ
ェルミキサーでよく混合し、ステアリン酸カルシウム−
シリコーンオイル表面処理タルクを得た。その後、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0060】実施例7 実施例1で得られたシリコーン−ステアリン酸カルシウ
ム処理タルク40重量部とポリプロピレン60重量部を
混合して、40mmシート機で厚み200μmのシート
を作成し、その後、実施例1と同様の操作を行った。結
果を表1に示す。
【0061】比較例1 タルクの表面処理をジメチルシリコーンオイルだけで行
なった以外は実施例1と同様に行なった。結果を表1に
示す。
【0062】比較例2 タルクの表面処理をジメチルシリコーンオイルだけで行
った以外は実施例1と同様の操作を行いマスターバッチ
ペレットを得た。次いで、このマスターバッチペレット
5kgとポリプロピレンペレット5kgと、さらにステ
アリン酸カルシウムをタルクに対して1重量部加えて、
40mmシート機で厚み200μmのシートを作成し
た。結果を表1に示す。
【0063】比較例3 タルクの表面処理を、ステアリン酸カルシウムのみでタ
ルク100重量部に対して1重量部で処理した以外は実
施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0064】比較例4 実施例1において、シリコーンオイルとステアリン酸カ
ルシウムとの表面処理を行わなかった以外は、実施例1
と同様の操作を行いマスターバッチを得た。得られたマ
スターバッチペレット5kg、ポリプロピレンペレット
5kg、ジメチルシリコーンオイル20gおよびステア
リン酸カルシウム20gを混合して、40mmシート機
で厚み200μmのシートを作成し、実施例1と同様の
評価をおこなった。結果を表1に示す。
【0065】実施例8 実施例1で得られたマスターバッチペレット5kg、ポ
リプロピレンペレット5kgおよび帯電防止剤40gを
混合して、40mmシート機で厚み200μmのシート
を作成し、実施例1と同様の評価をおこなった。結果を
表1に示す。
【0066】比較例5 比較例4で得られたマスターバッチペレット5kg、ポ
リプロピレンペレット5kg、ジメチルシリコーンオイ
ル20g、ステアリン酸カルシウム20gおよび帯電防
止剤40gを混合して、40mmシート機で厚み200
μmのシートを作成し、実施例1と同様の評価をおこな
った。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、「目ヤニ」の発生が少なく、かつ分散性に優れたも
のである。さらに帯電防止剤を併用した場合において
は、帯電防止性能に優れたものである。
【0069】したがって、本発明のポリプロピレン系樹
脂組成物は、自動車用部品をはじめとする各種工業製品
に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA15 AC13 AC27 AD06 AE05 BA08 4J002 BB121 BB141 BB151 BP021 DJ046 EG036 EG046 EH057 EN017 EP017 FB096 FD016 FD107 GN00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂100重量部と表面
    処理タルク30〜400重量部とからなるポリプロピレ
    ン系樹脂組成物において、該表面処理タルクが、タルク
    100重量部に対してシリコーンオイル0.1〜5重量
    部と高級脂肪酸金属塩0.1〜5重量部とにより表面処
    理されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】表面処理タルクがシリコーンオイルで表面
    処理された後に高級脂肪酸金属塩で表面処理されたタル
    クである請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
    し、帯電防止剤0.1〜7重量部配合された請求項1な
    いし請求項2のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】タルク100重量部に対して、シリコーン
    オイル0.1〜5重量部及び高級脂肪酸金属塩0.1〜
    5重量部により表面処理されたタルクとポリプロピレン
    系樹脂とからなるマスタバッチペレットに、タルク無充
    填ポリプロピレン系樹脂を配合することを特徴とするポ
    リプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
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