JP2000248377A - クロムを含まない表面処理亜鉛めっき鋼材 - Google Patents
クロムを含まない表面処理亜鉛めっき鋼材Info
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Abstract
等の使用される最表層に有機高分子被膜層を有するクロ
ムを含有しない耐食性表面処理鋼材を提供する。 【解決手段】 亜鉛を70重量%以上含有し残部がF
e,Ni,Co,Cr,Mn,Mg,Al,Si,Pb
の1種または2種以上を含有する付着量が0.1〜30
0g/m2 の電気亜鉛めっき被覆層の下層にNi,C
o,Fe,Cr,C,Pの1種または2種以上からなる
付着量が0.1〜3000mg/m2 の金属被覆層からな
るめっき鋼材において、めっき層表層にクロムを含有し
ない有機高分子被覆層を付着量で0.05〜50g/m
2 有し、この有機高分子被覆層中にチオカルボニル化合
物、そして任意にリン酸イオン、バナジウム酸化合物、
シリカを含有することを特徴とする表面処理鋼材。
Description
いは自動車用等の使用される最表面に有機樹脂皮膜を有
する耐食性表面処理鋼材に関するものである。
性向上のために6価クロムを含有するクロメート処理が
多用されている。しかし、この6価クロムは有害元素で
あることが知られており、この6価クロムを含有しない
表面処理剤、表面処理鋼板への要求が高まっている。ま
た、3価クロムが主体である電解クロメートも、若干の
6価クロムを含有することがあるため、将来使用しにく
くなる可能性がある。クロメート処理は、鋼板やめっき
鋼板等の一次防錆処理や、塗装や被覆のための下地処理
として使用されているが、このクロメート処理の代わる
クロムを含有しない処理技術の開発が望まれている。
りん酸亜鉛処理等のりん酸塩処理がある。しかし、りん
酸塩処理は一次防錆処理としてはやや耐食性がクロメー
トに劣っており、塗装下地処理としても耐食性を確保す
るためにはクロムシーリングが必要であるなど、クロメ
ートの代替技術としては不十分である。これらの問題点
を解決するために、特開平5−195244号公報或い
は特開平7−145486号公報においては、クロムを
含まない被覆層を形成する処理方法が提案されている
が、いずれも従来のクロメート処理されたものと同等の
性能、すなわち、クロメート処理と同等の耐食性、塗装
密着性を満たすには至っていない。
に施される有機高分子皮膜の下層となる鋼板地鉄表面に
は、通常防錆性を高める下地処理として電気亜鉛めっ
き、電気亜鉛合金めっきが施されるが、このめっき層表
面と前記有機高分子被膜との密着性が高いほどよりすぐ
れた耐食性が得られることになる。本発明は、電気亜鉛
合金被覆層の下層に異種の金属からなる被覆層をもうけ
た事でめっき層の形態や結晶構造を制御しめっき表面の
密着性の向上を発揮する機能を有するものである。
りである。 (1) 亜鉛を70重量%以上含有し残部がFe,N
i,Co,Cr,Mn,Mg,Al,Si,Pbの1種
または2種以上を含有する付着量が0.1〜300g/
m2 の電気亜鉛めっき被覆層の下層にNi,Co,F
e,Cr,C,Pの1種または2種以上からなる付着量
が0.1〜3000mg/m2 の金属被覆層からなるめっ
き鋼材において、めっき層表層にクロムを含有しない有
機高分子被覆層を付着量で0.05〜50g/m2 有
し、有機高分子被覆層が有機高分子100部に対してチ
オカルボニル基含有化合物を0.1〜50部含有するこ
とを特徴とする表面処理鋼材。 (2) 前記有機高分子被覆層が、(a)リン酸成分
0.01〜20重量部、(b)シリカ1〜500重量
部、および(c)バナジウム酸化合物0.1〜20重量
部、のうちの少なくとも一つをさらに含有することを特
徴とする(1)記載の表面処理鋼材。
発明は、有機高分子を最表層に有し、その下層に亜鉛を
70重量%以上からなる亜鉛めっき層を有し、さらにそ
の下層にNi,Co,Fe,Cr,C,Pの1種または
2種以上からなる金属めっき層を施した表面処理鋼材で
ある。最表層の有機高分子層は、酸素、水、塩素イオン
等の腐食反応因子をバリアし金属の腐食を抑制する作用
を有し、亜鉛めっき層は鋼材の犠牲防食作用により耐食
性を発揮する。ここで最表層の有機高分子皮膜と電気亜
鉛めっき層との密着性を高めることは、腐食反応因子の
バリア性を高めることとなり耐食性を確保する上で非常
に重要である。密着性を高める方法を本発明者らは鋭意
検討した結果、電気亜鉛めっき層をめっき面全体に渡っ
て結晶を微細化し、亜鉛の002面を素地に対してある
角度(おおむね5〜90度)を持って存在する様にする
ことが効果的であることを見出した。そして、そのよう
な電気亜鉛めっき層とするためには、電気亜鉛めっき層
の下層として、Ni,Co,Fe,Cr,C,Pの1種
または2種以上からなる付着量が0.1〜3000mg/
m2 の金属被覆層を施せば良いことを見出し本発明とな
したものである。通常鋼材表面は各種汚れや疵、形状不
良部が存在し、そのような部位は健全部と比べてめっき
層が異なる形状や結晶配向性を示すことが判明した。こ
のような部位があっても下層のめっき層が存在すれば、
上層の亜鉛めっき層は均一で望ましいめっき層の状態に
なることを見出した。また一方で、002面を素地に対
してある角度を施せば密着性が向上する理由は明確では
無いが、101面、111面、102面等の高指数面
は、六角板状結晶の積層した側面部にあたり、プリズム
面、ピラミッド面と称する事からも推定できるように微
細な三角錐や階段状の凹凸が形成される。さらに、結晶
サイズが微細化すればこれらの凹凸はより微細化する。
ここで、これらの凹凸は塗膜に対してアンカー効果を発
揮して密着性を向上させると推定される。さらに、これ
らの高指数面は002面と比べて化学反応の活性点を多
く有する事から塗膜との結合反応も活性化し化学的な結
合力が強まると推定される。そこで、鋼材の表面が不可
避的に存在する不均一部が存在したとしても有機被膜と
の密着性が良好なめっき層表面の特性を得るためには、
亜鉛めっき層を施す前にNi,Co,Fe,Cr,C,
Pの1種または2種以上からなる付着量が0.1〜30
00mg/m2 の金属被覆層を施せばよいことを見出し
た。この金属被覆層は鋼材表面の不均一部を遮蔽すると
ともに、その上に形成される電気亜鉛めっき層の形態や
結晶構造を前述した有機高分子との密着性に優れた状態
にする作用を有する。この下地めっき層の形成方法は、
特定されるものではないがたとえば電気めっき法、無電
解めっき法、置換めっき法、真空蒸着法、イオンめっき
法、溶射法等があげられる。
あれば種類を選ばないが、微少な疵部や塗膜の薄い部位
においても良好な耐食性を発揮することが要求される。
そのため、有機高分子中に各種の防錆剤を含有させるこ
とが極めて有効であることを見出した。硫化物は、クロ
ム酸と同様、金属表面に吸着しやすく、また酸化能力に
も優れているために、金属表面を不動態化させることが
できる。従って、酸化物の一つであるチオカルボニル基
含有化合物は、亜鉛めっきの白錆防止効果を有する。
有化合物以外にさらに(a)リン酸成分、(b)シリ
カ、および(c)バナジウム酸化合物のうちの少なくと
も1種が存在することも、表面処理鋼材の耐食性向上に
とって有効である。
有している防錆剤中にバナジウム化合物が添加される
と、次のようなバナジウム酸イオンの防錆作用が加わっ
て一層防錆効果が促進される。バナジウム化合物は、イ
オンとなって防錆剤中に溶解している場合と、化合物や
添加量によってはイオンとしての溶解量が飽和して固体
として防錆剤中に分散して防錆顔料となっている場合と
がある。いずれにしても、バナジン酸イオンは、塗布時
に亜鉛表面に不動態皮膜を形成する。これがバナジウム
化合物による防錆作用発現の理由である。また、有機高
分子皮膜中に腐食因子である水が浸透し、亜鉛表面に腐
食部位が形成されると、皮膜中に存在するバナジウム酸
イオンや浸透してきた水によってバナジウム酸化合物か
ら溶出したバナジウム酸イオンが腐食部位に作用して腐
食反応を抑制すると考えられる。
合物またはリン酸イオンと共存するとこれらとの相乗作
用が発現する。この相乗作用の理由は必ずしも明確では
ないが、リン酸イオンやチオカルボニル基含有化合物が
吸着できないような部位にはバナジウム酸イオンが不動
態皮膜を形成するか、あるいは逆にバナジウム酸イオン
による不動態皮膜の欠陥部にリン酸イオンやチオカルボ
ニル基が吸着することでバナジウム酸イオンの作用を補
い防食作用の相乗効果が得られるものと考えられる。
ン酸イオンとともに添加されると、その防錆効果が著し
く向上し、従来のクロム含有樹脂系防錆剤より優れた防
錆コーティング剤が得られる。これは、チオカルボニル
基含有化合物とリン酸イオンとの相乗作用により防錆効
果が発揮されるからであると推定される。すなわち、
(1)チオカルボニル基含有化合物におけるチオール基
のイオンは、高分子有機被膜処理剤塗布時に亜鉛表面の
サイトに吸着されて、防錆効果を発揮すると推定され
る。本来硫黄原子は亜鉛と配位結合を形成しやすいが、
チオカルボニル基(式1)
るものの方が好ましい。これらの化合物では窒素原子や
酸素原子も亜鉛と配位結合を形成することができるた
め、特にこれらの原子を同時に有するチオカルボニル基
化合物では亜鉛表面にキレート結合を形成しやすくな
り、チオカルボニル化合物が亜鉛表面に強固に吸着する
ことが可能である。不活性な亜鉛表面のサイト(例えば
酸化物の表面)にはチオカルボニル基含有化合物は吸着
されないが、このような不活性な面に対しては、リン酸
イオンが作用して、リン酸亜鉛を形成し、活性な面を形
成する。このように活性化された面にチオカルボニル基
含有化合物が吸着するので、亜鉛表面全体に防錆効果を
発揮するものと推定される。また、(2)チオカルボニ
ル基含有化合物も、リン酸イオンも、有機高分子皮膜の
架橋促進剤として作用する。両者の相乗作用により、有
機高分子皮膜のミクロポアを少なくして水や塩素イオン
等の有害イオンを効率よく遮断することができると推定
される。
基含有化合物とリン酸イオン、バナジウム酸イオンによ
る優れた防錆作用に加えて、これに水分散性シリカを添
加すると更に防錆作用が促進することが発見された。水
分散性シリカは、リン酸イオンやチオカルボニル基含有
化合物、バナジウム酸イオン等の防錆イオンや分子をシ
リカ表面に吸着させ、腐食反応が生じている亜鉛メッキ
表面の部位に適宜防錆イオンや分子を放出させることで
防錆作用を高めていると考えられる。
れた防錆剤は防錆イオン等による金属表面の不動態化を
図る上できわめて有効である。次に、本発明にかかわる
チオカルボニル基含有化合物系防錆剤について詳述す
る。本発明においてチオカルボニル基含有化合物とは、
チオカルボニル基(1)
や酸またはアルカリの存在下の条件においてチオカルボ
ニル基含有化合物を放出することのできる化合物をも含
むことができる。チオカルボニル基含有化合物の代表例
としては、式(3)
例えばメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ
尿素、ジエチルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペ
ンタール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシ
アヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3
−チオウラゾール等;式(4)
ホルムアルデヒド、チオカルボスチリル、チオサッカリ
ン等;式(5)
チオホルムアルデヒド、チオアセトアルデヒド等;式
(6)
酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸等;式(7)
構造を有する化合物、例えばチオクマゾン、チオクモチ
アゾン、チオニンブルーJ、チオピロン、チオピリン、
チオベンゾフェノン等が例示できる。上記の中で直接水
に溶解しないものはアルカリ溶液中で一旦溶解させた後
防錆コーティング中に配合する。
機高分子100重量部に対して0.1重量部未満の場合
には、耐食性は不十分となり、一方、50重量部を越え
ると耐食性が飽和して不経済となるだけではなく、樹脂
含有水溶液に添加する場合には、使用する水性樹脂によ
っては樹脂がゲル化し塗布不能となる。従って樹脂を含
まない処理剤では上限を50重量部とする。
場合には、耐食性は不十分となり、一方、20重量部を
越えると耐食性が飽和して不経済となるだけではなく、
樹脂含有水溶液に添加する場合には樹脂がゲル化し塗布
不能となるため好ましくない。バナジウム酸化合物はバ
ナジウム酸、バナジウム酸アンモニウム、バナジウム酸
ナトリウム、バナジウム酸カリウム、バナジウム酸スト
ロンチウム、バナジウム酸水素ナトリウム等のバナジウ
ム酸塩、またバナジウム酸、リンバナジウム酸アンモニ
ウム等のリンバナジウム酸塩等の形で供給することがで
きる。
塩層を形成させ、不動態化させるとともに樹脂層と素地
との密着性を著しく向上させるとともに水性樹脂由来の
樹脂皮膜の架橋反応を促進させ、緻密な防錆膜を形成す
るため、防錆性が更に向上する。リン酸イオンの含有量
が0.01重量部未満の場合には、防錆効果が十分に発
揮されず、一方、20重量部越えると耐食性が飽和して
不経済となるだけではなく、樹脂含有水溶液に添加する
場合には使用する水性樹脂によっては樹脂がゲル化し塗
布不能となる。従って樹脂を含まない処理剤では上限を
20重量部とする。
に、1〜500重量部の水分散性シリカを添加すること
により耐食性が一層向上する。しかも耐食性に加えて乾
燥性、耐擦傷性、塗膜密着性をも改良することができ
る。本発明において水分散シリカとは、微細な粒径を有
するため水中に分散させた場合に安定な状態を保持でき
半永久的に沈降が認められないような特性を有するシリ
カを総称していうものである。上記水分散性シリカとし
ては、ナトリウム等の不純物が少なく弱アルカリ系のも
のであれば特に限定されない。例えば、「スノーテック
スN」(日産化学工業製)、「アデライトAT−20
N」(旭電化工業社製)等の市販シリカゲル、または市
販のアエロジル粉末シリカ粒子等を用いることができ
る。
未満の場合には耐食性の向上効果が不十分であり、一方
500重量部を越えると耐食性が飽和して不経済とな
る。本発明の高分子有機被膜層は処理方法は特に特定さ
れないが、水性樹脂、有機溶剤系樹脂、粉体樹脂等から
成膜させる方法が良い。特に、水性樹脂からの処理にお
いては、前述した各種防錆剤を容易に混合させられるこ
とから良い。本発明において水性樹脂とは、水溶性樹脂
の他、本来水不溶性でありながらエマルジョンやサスペ
ンジョンのように不溶性樹脂が水中に微分散された状態
のものを含めていう。このような水性樹脂として使用で
きる樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド
系樹脂、フェノール系樹脂、その他の加熱硬化型の樹脂
等を例示でき、架橋可能な樹脂であることがより好まし
い。特に好ましい樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、および両者の混合樹脂系である。上記
水性樹脂は2種以上を混合して使用しても良い。
ティング剤は、更に他の成分が配合されていても良い。
例えば、顔料、界面活性剤等を挙げることができる。ま
た、水性樹脂とシリカ粒子、顔料との親和性を向上さ
せ、更に水性樹脂と亜鉛または鉄のリン酸化物層との密
着性等を向上させるためにシランカップリング剤もしく
はその加水分解縮合物あるいはそれらの両方を配合して
も良い。ここでの「シランカップリング剤の加水分解縮
合物」とは、シランカップリング剤を原料とし、加水分
解重合させたシランカップリング剤のオリゴマーのこと
をいう。
iO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(Z
rO)、炭酸カルシウム(CaCO3 )、硫酸バリウム
(BaSO4 )、アルミナ(Al2 O3 )、カオリンク
レー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe2 O3 ,Fe3
O4 )等の無機顔料や、有機顔料等を用いることができ
る。
ング剤としては特に制限はないが、好ましいものとして
は、例えば以下のものを挙げることができる:ビニルメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,
N’−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エ
チレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン。
ニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)
−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N,N’−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミンである。これらシランカップリン
グ剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類
以上を併用してもよい。
脂および水を主成分とする組成物1リットル中に、0.
02〜20g(シリカ固形分比:約0.04〜40
%)、好ましくは0.1〜2.5g(シリカ固形分比:
約0.2〜5%)の濃度で使用する。シラン化合物の添
加量が0.02g未満になると添加効果の低下が認めら
れ、耐食性、上塗り塗装密着性向上効果が不足し、20
gを越えると貯蔵安定性が低下し、好ましくない。
ーティング剤には水性樹脂の造膜性を向上させ、より均
一で平滑な塗膜を形成するために、溶剤を用いても良
い。溶剤としては、塗料に一般的に用いられているもの
であれば特に限定されず、例えば、アルコール系、ケト
ン系、エステル系、エーテル系のもの等を挙げることが
できる。
含有する防錆コーティング剤を被塗物に塗布し、塗布後
に被塗物を熱風で加熱し乾燥させる方法が一般的であ
る。上記加熱の温度は、50〜250℃である。50℃
未満であると水分の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得ら
れないので防錆力が不足する。一方、250℃を越える
と、水性樹脂の熱分解が生じるので、耐塩水噴霧試験
性、耐水性が低下し、また外観も黄変するので、上記範
囲に限定される。塗布後に被塗物を熱風で加熱し、乾燥
させる場合の乾燥時間は、1秒〜5分が好ましい。
が0.05μm以上であることが望ましい。0.05μ
m未満であると、防錆力が不足する。一方、乾燥膜厚が
厚すぎると、加工時の割れや等の不具合が発生し、不経
済であるので50μm以下が良く、より好ましくは0.
1〜20μmである。塗布方法は、特に限定されず、一
般に使用されるロールコート、エアースプレー、エアー
レススプレー、浸せき等によって塗布することができ
る。塗布後に被塗物を熱風炉や直火炉、1H炉等で加熱
し、乾燥させる。
板、熱延鋼板、厚板、棒鋼、鋼管等の鋼材で良い。本発
明の樹脂を含有する系の防錆コーティング剤中にワック
スを添加することにより潤滑鋼板用の潤滑防錆剤として
も利用できる。なお、以下の実施例において耐食性の評
価は次の方法により行った。 〔評価方法〕 (A)防錆性 a)供試体の作製 市販の冷延鋼板材に電気めっき法で、第一層のめっきを
所定量施し、水洗後さらに第二層の亜鉛めっき層を電気
めっき法で施した。水洗乾燥後、高分子有機物を含む水
溶性防錆剤をバーコート#3で所定の付着量となるよう
に塗布した後、PMT150℃となるように乾燥させ
た。
35℃で被塗物面に噴霧し、240時間後の白錆の程度
を10点満点で評価した。評価は平面部とエリクセン7
mm押し出し加工部の両方について行った。また、評価基
準は下記のものとした。
本ペイント社製;アクリルメラミン塗料)を乾燥膜厚2
0μmとなるようにバーコートで塗布した後にPMT1
50℃で20分間乾燥させて上塗密着試験板を作製し
た。
性を評価し、それを下記の基準で10点満点で評価し
た。 エリクセン7mm:エリクセンで7mmまで押し出し加工し
た部分にテープを貼り、テープ剥離性を同様に評価し
た。
ットを入れた部分をエリクセンで7mmまで押し出し加工
した部分にテープを貼り、テープ剥離性を同様に評価し
た。評価基準は下記のものとした。 10点:異常なし 9点:測定した碁盤目のうち剥離した割合が10%以下 8点: 〃 20%以下 7点: 〃 30%以下 6点: 〃 40%以下 5点: 〃 50%以下 4点: 〃 60%以下 3点: 〃 70%以下 2点: 〃 80%以下 1点: 〃 90%以下 0点: 〃 90%より大 c)二次密着試験 試験板を沸水中に30分浸漬後、一時試験と同様の試験
及び評価を実施した。
〜29は、下層めっき金属種、付着量、上層メッキ種、
付着量、高分子有機被覆層の成分、付着量を種々変化さ
せたものであるが、本特許範囲においてはいずれも良好
な耐SST性、上塗り密着性を示した。一方、比較例に
おいては、耐SST性や上塗り密着性が十分ではなかっ
た。
i,Co,Cr等の下地めっき処理にZn系のめっきを
施し、さらに有機高分子被覆層を施すことにより、めっ
きと高分子層の密着性が良好で耐食性に優れた表面処理
鋼材を提供することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 亜鉛を70重量%以上含有し残部がF
e,Ni,Co,Cr,Mn,Mg,Al,Si,Pb
の1種または2種以上を含有する付着量が0.1〜30
0g/m2 の電気亜鉛めっき被覆層の下層にNi,C
o,Fe,Cr,C,Pの1種または2種以上からなる
付着量が0.1〜3000mg/m2 の金属被覆層からな
るめっき鋼材において、めっき層表層にクロムを含有し
ない有機高分子被覆層を付着量で0.05〜50g/m
2 有し、前記有機高分子被覆層が有機高分子100部に
対してチオカルボニル基含有化合物を0.1〜50部含
有することを特徴とする表面処理鋼材。 - 【請求項2】 前記有機高分子被覆層が、 (a)リン酸成分0.01〜20重量部、 (b)シリカ1〜500重量部、および (c)バナジウム酸化合物0.1〜20重量部、のうち
の少なくとも一つをさらに含有することを特徴とする請
求項1記載の表面処理鋼材。
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JP37517199A JP4349712B2 (ja) | 1998-12-29 | 1999-12-28 | クロムを含まない表面処理亜鉛めっき鋼材 |
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Cited By (3)
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