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JP2000248113A - スピロクロマン化合物を含有する高分子材料組成物 - Google Patents

スピロクロマン化合物を含有する高分子材料組成物

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Publication number
JP2000248113A
JP2000248113A JP5176999A JP5176999A JP2000248113A JP 2000248113 A JP2000248113 A JP 2000248113A JP 5176999 A JP5176999 A JP 5176999A JP 5176999 A JP5176999 A JP 5176999A JP 2000248113 A JP2000248113 A JP 2000248113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tert
organic polymer
butyl
polymer material
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5176999A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Katsuyama
和樹 勝山
Akito Tokokage
明人 常陰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YOSHITOMI FINE CHEMICAL KK
Original Assignee
YOSHITOMI FINE CHEMICAL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YOSHITOMI FINE CHEMICAL KK filed Critical YOSHITOMI FINE CHEMICAL KK
Priority to JP5176999A priority Critical patent/JP2000248113A/ja
Priority to PCT/JP2000/001052 priority patent/WO2000052090A1/ja
Publication of JP2000248113A publication Critical patent/JP2000248113A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/15Heterocyclic compounds having oxygen in the ring
    • C08K5/151Heterocyclic compounds having oxygen in the ring having one oxygen atom in the ring
    • C08K5/1545Six-membered rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性に加えて、特に加工安定性に優れた安定
化された有機高分子材料を得るための有機高分子材料用
安定化剤が求められている。 【解決手段】一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、ま
たは炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示
し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても異なっ
てよい。)により表される化合物とフェノール系酸化防
止剤とリン系酸化防止剤とを含有し、これらの総量に対
して一般式(1)により表される化合物を特定の割合で
含有する有機高分子材料用安定剤組成物に関する。本発
明の安定剤組成物を有機高分子材料の安定剤として使用
することにより、耐熱性に加えて、特に加工安定性に優
れた安定化された有機高分子材料を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は安定化された有機高
分子材料組成物に関する。更に詳しくは、酸化、熱、光
により劣化を起こす有機高分子材料に対して、加工時お
よび使用時に熱履歴を受けても、物性変化や外観変化な
どの品質低下を起こしにくい安定化された有機高分子材
料組成物ならびに有機高分子材料用安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】天然高分子、合成高分子、油脂、潤滑
油、作動油などの有機化合物よりなる有機高分子材料
は、酸化、熱、光などにより劣化を受けて有用性を減じ
るので、種々の酸化防止剤とよばれる安定剤が研究開発
されて、これら有機高分子に添加し、劣化を受けにくい
有機高分子材料組成物を得ている。
【0003】特公昭59−44343号公報には、本発
明における有機高分子材料用安定剤の必須構成成分の類
似化合物である一般式(2)
【0004】
【化7】
【0005】(式中、Rは置換・未置換のアルキル基や
水素原子などを、R4、R5およびR6は、水素原子、置
換・未置換のアルキル基などを示す。)により表される
化合物が、有機合成高分子材料、油脂類および石油類の
酸化防止剤が請求の範囲に、一般に本発明の酸化防止剤
は安定化しようとする材料に対しその0.001〜30
重量%添加使用されることが明細書に記載されている。
さらに、その他の酸化防止剤と併用して使用できること
も記載されているが、実施例には有機高分子材料に対し
て0.05重量%配合以下の例はなく、また他の成分と
の併用についても具体例は記載されておらず、加工安定
性に関する記載も、示唆もされていない。
【0006】また、特公昭49−20977号公報に
は、一般式(1)に表される化合物またはその類似化合
物が、カラー写真の色素像に対する褐色防止剤として使
用できることが記載されている。
【0007】本発明における有機高分子材料用安定剤の
もう一つの必須構成成分であるフェノール系酸化防止剤
は、1930年代に研究開発され、有機高分子材料の酸
化防止剤としてよく知られて、広範囲に用いられてい
る。
【0008】本発明における有機高分子材料用安定剤の
構成成分として用いられるリン系酸化防止剤は、194
0年代に研究開発され、有機高分子材料の酸化防止剤と
してよく知られて、広範囲に用いられている。
【0009】また、異なった効果を同時に発現させたり
相乗効果を得るために、複数の種類の酸化防止剤を組み
合せて使用することも広く行なわれている。例えば、特
公昭56−5417号、特公昭56−32339号など
の公報には、ホスファイト化合物やホスホナイト化合物
を有機高分子材料の加工時安定化剤として、ヒンダード
フェノール化合物と併用して使用することにより、加工
時の安定性も優れ着色も改善されたことを特徴をする有
機高分子材料を得ることができることが記載されてい
る。
【0010】ところで、特開平7−233160号公報
の段落番号0226に記載された実施例14に本発明と
同様な目的で使用することができる3−(3,4−ジメ
チルフェニル)−5,7−ジ第3級ブチル−3H−ベン
ゾフラン−2−オン(同出願では、化合物103と表
記)が記載されている。1997年2月23日〜26日
に米国テキサス州ヒューストンにて行われたポリオレフ
ィンに関する国際会議(Polyolefins X international
conference)にて発表されたポリマー安定化による飛躍
的な進歩(A major breakthrough in polymer stabiliz
ation)と題するC.Krohnkeによる講演の資料
にも記載されており、フェノール系酸化防止剤やリン系
酸化防止剤の相乗化剤として記載されている。しかしな
がら、この相乗化効果については、満足できるものでは
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】高速成型のための高温
化やエンジニアリングプラスチック等とのアロイによる
高温成型などにも対応できる、耐熱性に加えて、特に、
加工安定性に対して少量で効果のある優れた酸化防止剤
の要求に答える方策が求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について解決するために鋭意検討した結果、フェノール
系酸化防止剤やリン系酸化防止剤に、ごく少量の一般式
(1)により表されるヒドロキシ−スピロ−ビス−クロ
マン化合物を配合することにより、顕著に優れた耐熱性
や加工安定性効果を示すことを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、
【0013】[1]:一般式(1)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、R1、R2およびR3は、水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル
基を示し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても
異なってよい。)により表される化合物とフェノール系
酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有し、これらの総
量に対して、一般式(1)
【0016】
【化9】
【0017】(式中、R1、R2およびR3は、水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル
基を示し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても
異なってよい。)により表される化合物を0.5〜10
重量%、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤と
の総量を99.5〜90重量%の割合で含有することを
特徴とする有機高分子材料用安定剤組成物、
【0018】[2]:一般式(1)により表される化合
物を1〜5重量%、フェノール系酸化防止剤とリン系酸
化防止剤との総量を99〜95重量%の割合で含有する
ことを特徴とする[1]に記載の有機高分子材料用安定
剤組成物、
【0019】[3]:フェノール系酸化防止剤の配合量
とリン系酸化防止剤の配合量との重量比が1:0.1〜
1:10であることを特徴とする[1]または[2]に
記載の有機高分子材料用安定剤組成物,
【0020】[4]:フェノール系酸化防止剤がA群か
らなる群より選ばれた少なくとも1種であり、リン系酸
化防止剤がB群からなる群より選ばれた少なくとも1種
である[1]〜[3]のいずれかに記載の有機高分子材
料用安定剤組成物、
【0021】[5]:有機高分子に、[1]〜[4]の
いずれかに記載の有機高分子材料用安定剤組成物を配合
してなることを特徴とする安定化された有機高分子材
料、
【0022】[6]:[1]〜[4]のいずれかに記載
の有機高分子材料用安定剤組成物と、さらに硫黄系酸化
防止剤および/または光安定剤とを配合してなる[5]
に記載の有機高分子材料、
【0023】[7]:有機高分子に、一般式(1)によ
り表される化合物とフェノール系酸化防止剤とリン系酸
化防止剤とを含有させた有機高分子材料であって、有機
高分子材料100重量部に対して、一般式(1)により
表される化合物を0.0005〜0.025重量部の範
囲で配合することを特徴とする有機高分子材料、
【0024】[8]:一般式(1)により表される化合
物の配合の割合が0.001〜0.005重量部の範囲
で配合することを特徴とする[7]に記載の有機高分子
材料、
【0025】[9]:フェノール系酸化防止剤の配合量
とリン系酸化防止剤の配合量との重量比が1:0.1〜
1:10であることを特徴とする[7]または[8]に
記載の有機高分子材料、
【0026】[10]:フェノール系酸化防止剤がA群
からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、リン系
酸化防止剤がB群からなる群より選ばれた少なくとも1
種であることを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに
記載の安定化された有機高分子材料、
【0027】[11]:有機高分子が、合成樹脂である
[7]〜[10]のいずれかに記載の安定化された有機
高分子材料、
【0028】[12]:有機高分子が、ポリオレフィン
系樹脂である[7]〜[10]のいずれかに記載の安定
化された有機高分子材料、
【0029】[13]:有機高分子が、ポリエチレン系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂とポ
リプロピレン系樹脂との混和物または相溶性重合体、ポ
リエチレン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂
を含む相溶性重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
またはエチレン−プロピレン共重合体である[7]〜
[10]のいずれかに記載の安定化された有機高分子材
料、および
【0030】[14]:さらに硫黄系酸化防止剤および
/または光安定剤とを配合してなる[7]〜[10]の
いずれかに記載の安定化された有機高分子材料に関す
る。
【0031】ここで、A群とは、n−オクタデシル・3
−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシメチル]メタン、トリス(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、および
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
を示す。
【0032】また、B群とは、トリス(2,4−ジ第3
級ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4
−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
ジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル
−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホ
スホナイト、ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,
6−ジ第3級ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホ
スファイト、ビス−[2−メチル−4,6−ビス(1,
1−ジメチルエチル)フェニル]エチルホスファイト、
および2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ−第3級ブチル−1,
1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]
を示す。
【0033】本発明の特徴は、汎用のフェノール系酸化
防止剤とリン系酸化防止剤と一般式(1)で表される化
合物の総量に対して、一般式(1)により表される化合
物が0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、特
に好ましくは1〜5重量%、中でもさらに好ましくは2
〜5重量%の割合で含有されていることにある。
【0034】あるいは、本発明の特徴は、有機高分子材
料中の一般式(1)の化合物の含有量が、有機高分子材
料100重量部に対して、0.0005重量部〜0.0
25重量部、好ましくは、0.0005重量部から0.
01重量部、特に好ましくは0.001重量部〜0.0
05重量部の割合で含有されていることにもある。
【0035】これらより少ない量を添加しても満足な相
乗効果を示さず、これらより多く添加すると樹脂の着色
が生じる。
【0036】また、汎用のフェノール系酸化防止剤/リ
ン系酸化防止剤との重量比は、1:0.1〜1:10、
好ましくは1:0.25〜1:4である。
【0037】
【発明の実施の形態】一般式(1)に含まれる化合物と
しては、
【0038】6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロ−ビ
ス−クロマン
【0039】
【化10】
【0040】6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’−テトラメチル−7,7’−ジエチル−2,2’−
スピロ−ビス−クロマン
【0041】
【化11】
【0042】6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’−テトラメチル−7,7’−ジプロピル−2,2’
−スピロ−ビス−クロマン
【0043】
【化12】
【0044】6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’−テトラメチル−7,7’−ジブチル−2,2’−
スピロ−ビス−クロマン
【0045】
【化13】
【0046】4,4,4’,4’−テトラメチル−2,
2’−スピロビクロマン−6,6’,7,7’−テトラ
オール
【0047】
【化14】
【0048】などがあげられるがこれに限定されるもの
ではない。
【0049】本発明組成物により安定化される合成樹脂
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂が挙
げられる。
【0050】熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン
系樹脂、含ハロゲン系重合体、スチレン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ビニルアセタール樹脂、繊維
素(セルロース)系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、
ポリフェニレンスルフィッド樹脂、ポリエーテルケトン
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオキシベンゾイル
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、フッ素樹脂、アイ
オノマー、熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、これ
らの混合物を使用することもできる。
【0051】前記オレフィン系樹脂としては、例えば、
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペン
テン、ポリ−3−メチルブチレンなどの炭素数2〜8の
α−オレフィン単独重合体;エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合
体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレ
ン・エチレン・ブテン−1ランダム共重合体などのα−
オレフィン共重合体;無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのα−オレフィ
ンと他の単量体との共重合体などが挙げられ、これらの
2種類以上または、これらと他の相溶性重合体との混合
物を使用することもできる。
【0052】これらのオレフィン系樹脂は重合後、触媒
残渣を除去する工程を入れた僅かに精製処理を行ったも
のや、比較的高度に精製したもののほかに、高活性触媒
を用い、触媒除去工程を経ていないか、または簡略化し
て得られる触媒残渣を含有するオレフィン系樹脂、特
に、ハロゲン含有マグネシウム化合物を触媒担体とする
チーグラー型触媒やクロム系触媒を用いて得られ、未だ
触媒残留物除去工程を経ていない結晶性オレフィン系樹
脂であってもよい(特公昭62−4418号公報、特公
平3−56245号公報、米国特許4115639号明
細書参照)。さらに、メタロセン系シングルサイト触媒
によって得られる分子量分布の非常に狭いオレフィン系
樹脂であってもよい(ジャーナル・オブ・ポリマー・サ
イエンス.ポリマー・ケミストリー・エディション(J
ournal of Polymer Scienc
e.Polymer Chemistry Editi
on)第23巻,2151頁(1985年))。
【0053】前記含ハロゲン系重合体としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル・アクリル
酸アルキルエステル共重合体、塩素化ポリエチレンなど
が挙げられる。
【0054】前記スチレン系樹脂としては、例えば、ポ
リスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン・アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン・MMA共重合体、AB
S樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、AAS樹脂、EES
樹脂など、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0055】前記アクリル系樹脂としては、例えば、ポ
リアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられ
る。
【0056】前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどが挙げられる。
【0057】前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナ
イロン4、ナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・
6、ナイロン6・10、ナイロン7、ナイロン8、ナイ
ロン12、ナイロン6・12、ナイロン11・12、ア
ラミドなど、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0058】また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、フラン樹
脂などが挙げられる。
【0059】本発明の安定化された合成樹脂組成物の合
成樹脂としては、特にオレフィン系樹脂、なかでもα−
オレフィン単独重合体またはα−オレフィン共重合体に
配合した場合、優れた酸化防止効果を示す。α−オレフ
ィンとして最も好適であるのはポリプロピレンおよびポ
リエチレンである。
【0060】本発明に用いられる一般式(1)
【0061】
【化15】
【0062】(式中、R1、R2およびR3は、水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル
基を示し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても
異なってよい。)により表される化合物は、特公昭49
−20977号公報に記載のある方法に準じて合成でき
る。
【0063】本発明で用いられるフェノール系酸化防止
剤として、分子内に、一般式(3)
【0064】
【化16】
【0065】(式中、R7は炭素数1〜5のアルキル基
を示し、R8は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R9
水素原子またはメチル基を示し、Lは、
【0066】
【化17】
【0067】または
【0068】
【化18】
【0069】または
【0070】
【化19】
【0071】または
【0072】
【化20】
【0073】または
【0074】
【化21】
【0075】を示す。)により表される構造を分子内に
1または2以上有する化合物等が挙げられる。
【0076】具体的には、例えば、n−オクタデシル・
3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニ
ル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシメチル]メタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ
第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3
−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ]−5−第3級ブチルフェニ
ル]ブタン、ビス(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、1,
3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、3,9−
ビス[2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1
−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン、2,6−ジ第3級ブチル
−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−第3
級ブチルフェノール、2,6−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシメチルフェノール、2,6−ジ第3級ブチル−
4−エチルフェノール、2,4,6−トリ第3級ブチル
フェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、イソオク
チル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチル
フェニル)プロピオネート、ジステアリル・(4−ヒド
ロキシ−3−メチル−5−第3級ブチル)ベンジルマロ
ネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第
3級ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−エチル−6−第3級ブチルフェノール)、4,4’−
メチレンビス(2,6−ジ第3級ブチルフェノール)、
2,2’−ブチリデンビス(4−エチル−6−第3級ブ
チルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−第3級ブチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(4−メチル−6−第3級ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−第3級ブチルフ
ェノール)、スチレン化フェノール、N,N’−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
シヒドロシンナミド)、ビス(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウ
ム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−
メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノ
ール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシ
クロヘキシル)−4−メチルフェノール]、トリエチレ
ングリコール−ビス[3−(3−第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、エ
チレングリコール−ビス(3,3−ビス(3−第3級ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブチラート)、2−第
3級ブチル−6−(3−第3級ブチル−5−メチル−2
−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリラ
ート、2,2’−オキサミド−ビス[エチル・3−
(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−
1,3,5−トリアジン、ビス[2−第3級ブチル−4
−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−
5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、3,
9−ビス[2−[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−
ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス[3−
(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、2,2−
チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−
[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ペンチルフ
ェニル)エチル]−4,6−ジ第3級ペンチルフェニル
アクリレートなどが挙げられ、また、2,4−ビス
[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、没食子
酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルのそ
れぞれの化合物も挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0077】好ましいフェノール系酸化防止剤として
は、n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、1,3,
5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス
[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ第3級ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−
第3級ブチルフェニル]ブタン、2,5,7,8−テト
ラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリ
デシル)クロマン−6−オール、2,4−ビス[(オク
チルチオ)メチル]−o−クレゾール、ビス(3−第3
級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシ
クロペンタジエン、1,3,5−トリス(4−第3級ブ
チル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イ
ソシアヌル酸、3,9−ビス[2−[3−(3−第3級
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンな
どが挙げられる。
【0078】特に好ましいフェノール系酸化防止剤とし
ては、n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラ
キス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、1,
3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンが挙げられる。
【0079】本発明において、これらのフェノール系酸
化防止剤の1種または2種以上を併せて用いることがで
きる。
【0080】本発明で用いられるリン系酸化防止剤とし
て、分子内に、一般式(4)
【0081】
【化22】
【0082】(R10は、アルキル基や1〜3個のアルキ
ル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。)によ
り表される構造を分子内に1個または2個以上有する化
合物、例えば、トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)ホスファイト、ビス−[2−メチル−4,6−ビス
(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エチルホスファ
イト、テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト;
【0083】あるいは、分子内に、一般式(5)
【0084】
【化23】
【0085】(式中、R11は、アルキル基やアリール基
で置換されていてもよいフェニル基を示す。)により表
される構造を分子内に1個または2個以上有する化合
物、例えば、ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス[2,4−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル]ペンタエリスリトールホ
スファイト、(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニ
ル)−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ールホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトール
ジホスファイト;
【0086】あるいは、分子内に、一般式(6)
【0087】
【化24】
【0088】(R12は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R13は水素原子またはメチル基を示し、R14は直接
結合または炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)によ
り表される構造を分子内に1個または2個以上含有する
化合物、例えば2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第
3級ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイ
ト、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ−第3級ブチル−1,
1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイ
ト]、2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ第3級ブ
チルフェニル)フルオロホスホナイト、2,10−ジメ
チル−4,8−ジ第3級ブチル−6−{2−[3−(3
−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エトキシ}−12H−ジベン
ゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン;
【0089】あるいは、ヘキサトリデシル 1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブ
チルフェニル)ブタントリホスファイトなどが挙げられ
る。
【0090】好ましいリン系酸化防止剤としては、トリ
ス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイト、
テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,
4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ第3
級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−
メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェニル)−2
−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−[2−メチル
−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]
エチルホスファイト、2,2’,2”−ニトリロ[トリ
エチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第3級ブ
チル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホス
ファイト]、2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ第
3級ブチルフェニル)フルオロホスホナイト、2,10
−ジメチル−4,8−ジ第3級ブチル−6−{2−[3
−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)プロピオニルオキシ]エトキシ}−12H−ジ
ベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、
ビス[2,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェ
ニル]ペンタエリスリトールホスファイト、 (2,
4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイトが挙
げられる。
【0091】特に好ましいリン系酸化防止剤としては、
トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4
−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−
[2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチ
ル)フェニル]エチルホスファイト、2,2’,2”−
ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テ
トラ−第3級ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’
−ジイル)ホスファイト]などが挙げられる。
【0092】なかでも特に好ましいリン系酸化防止剤と
しては、トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙
げられる。
【0093】本発明において、これらのリン系酸化防止
剤の1種または2種以上を併せて用いることができる。
【0094】本発明の安定化された合成樹脂組成物に
は、硫黄系酸化防止剤と組み合わせることにより、より
安定性に優れた合成樹脂材料を得ることができる。
【0095】その他の硫黄系酸化防止剤として、特に限
定されないが、好ましくはジラウリルチオジプロピオネ
ート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミ
リスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプ
ロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、テ
トラキス[(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)メ
チル]メタン、テトラキス[(3−ステアリルチオプロ
ピオニルオキシ)メチル]メタン、ビス[2−メチル−
4−(3−n−アルキル(C12〜C14)チオプロピ
オニルオキシ)−5−第3級ブチルフェニル]スルフィ
ドなどが挙げられる。
【0096】本発明の有機高分子材料組成物には、1種
または2種以上の硫黄系酸化防止剤を添加することがで
きる。硫黄系酸化防止剤は、有機高分子材料組成物10
0重量部に対し、好ましくは0.005〜5重量部、よ
り好ましくは0.01〜1重量部の割合で配合すること
ができる。2種以上の硫黄系酸化防止剤を使用する場合
は、その総量が上記範囲となるよう添加することが好ま
しい。
【0097】本発明の安定化された合成樹脂組成物と、
紫外線安定剤や光安定剤とを組み合わせることにより、
より安定性に優れた有機高分子材料を得ることができ
る。
【0098】紫外線吸収剤および光安定剤として、サリ
チル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリ
アゾール系化合物、ベンゾエート系化合物、シアノアク
リレート系化合物、ニッケル系化合物、またはピペリジ
ン系化合物などが挙げられる。
【0099】紫外線吸収剤として用いることができるサ
リチル酸系化合物としては、フェニルサリチレート、p
−第3級ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフ
ェニルサリチレートなどが挙げられる。紫外線吸収剤と
して用いることができるベンゾフェノン系化合物とし
て、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボ
キシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒド
ロキシ−2−メトシキフェニル)メタン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリハ
イドレート、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ
ベンゾフェノンなどの化合物が挙げられる。
【0100】紫外線吸収剤として用いることができるベ
ンゾトリアゾール系化合物として、2−(2−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第3
級ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2
−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、メチル・
3−[3−第3級ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオ
ネートと、ポリエチレングリコールとの縮合物、2−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−
(2−ヒドロキシ−5−第3級オクチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,
4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−
メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどの化合物が挙
げられる。
【0101】光安定剤として用いることができるベンゾ
エート系化合物として、n−ヘキサデシル・3,5−ジ
第3級ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−
ジ第3級ブチルフェニル・3,5−ジ第3級ブチル−4
−ヒドロキシベンゾエートなどの化合物が挙げられる。
【0102】紫外線吸収剤として用いることができるシ
アノアクリレート系化合物として、エチル・2−シアノ
−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル・2−シ
アノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられ
る。
【0103】紫外線吸収剤として用いることができるニ
ッケル系化合物として、2−エチルヘキシルアミン・ニ
ッケル、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、[2,
2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)フェノラート]]−n−ブチルアミン・ニッケ
ル、[2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)フェノラート]]ニッケルなどの化
合物が挙げられる。
【0104】光安定剤として用いることができるピペリ
ジン系化合物として、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピぺリジル)−2−(3,5−ジ第3級ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロ
ネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピぺリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピぺリジル)−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、ポリ[[6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ−s−トリアジン−
2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)イミノ]]、
ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジ
イル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリ
ジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ]](塩化シアヌ
ル/第3級オクチルアミン/1,6−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサ
ン縮合物)、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸縮合物、
N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチルジアミン
/2,4−ビス[N−ブチル− N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ− 1,3,5−トリアジン縮合物などの化合
物が挙げられる。
【0105】紫外線吸収剤および光安定剤として用いる
ことができる好ましい化合物として、2−ヒドロキシ−
4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ
[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミ
ノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキ
サメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ]](塩化シアヌル/第3級オクチル
アミン/1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン縮合物)などが挙げ
られる。
【0106】本発明の有機高分子材料組成物には、1種
または2種以上の紫外線吸収剤または光安定剤を添加す
ることができる。紫外線吸収剤または光安定剤は、有機
高分子材料組成物100重量部に対し、好ましくは0.
005〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部
の割合で配合することができる。2種以上の紫外線吸収
剤または光安定剤を使用する場合は、その総量が上記範
囲となるよう添加することが好ましい。
【0107】一般式(1)
【0108】
【化25】
【0109】(式中、R1、R2およびR3は、水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル
基を示し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても
異なってよい。)により表される化合物とフェノール系
酸化防止剤、リン系酸化防止剤に加えて、その他のフェ
ノール系酸化防止剤、その他のリン系酸化防止剤、さら
に必要に応じて硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤を、有機高分子材料に配合することにより、さらに
安定化された合成樹脂組成物を得ることができる。
【0110】さらに必要に応じて、本発明の安定化され
た合成樹脂組成物の性能を著しく損なわない程度の他の
添加物、たとえばハイドロタルサイト類、ステアリン酸
カルシウムなどの金属石鹸、ヒドラジン系化合物などの
重金属不活性化剤、モノアルキル錫トリス(チオグリコ
ール酸オクチルエステル)、ジアルキル錫トリス(チオ
グリコール酸オクチルエステル)、モノアルキル錫トリ
ス(マレイン酸モノアルキルエステル)またはジアルキ
ル錫トリス(マレイン酸モノアルキルエステル)などの
有機錫安定剤、エポキシ化大豆油またはエポキシオクチ
ルステアレートなどのエポキシ化合物、各種の有機顔
料、リン酸エステルなどの難燃剤、カチオン系またはア
ニオン系界面活性剤などの帯電防止剤、脂肪族アミドま
たは脂肪酸の低級アルコールエステル類などの滑剤、ア
クリル系高分子加工助剤、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レートまたはジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの
可塑剤、酸化アルミニウムなどの充填剤、重炭酸ナトリ
ウムまたはアゾジカルボンアミドなどの発泡剤などの1
種以上と併用することもできる。また、本発明の安定化
された合成樹脂組成物に、必要に応じて、結晶核剤、透
明化剤などと併用することもできる。
【0111】結晶核剤、透明化剤として、ビス(p−第
3級ブチル)ヒドロキシアルミニウム、ビス(4−第3
級ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム、2,2’
−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェニル)ホ
スフェートナトリウム塩、ジベンジリデンソルビトー
ル、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビ
ス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p
−クロルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられ
る。
【0112】上記安定剤を有機高分子に配合する方法
は、特に限定されず、従来公知の方法などが挙げられ、
たとえば、有機高分子と安定剤を混合した後、混練り、
押し出しなどの工程を経て処理する方法などが挙げられ
る。
【0113】本発明に係る有機高分子材料を調製するに
は、一般式(1)
【0114】
【化26】
【0115】(式中、R1、R2およびR3は、水素原
子、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル
基を示し、R1、R2およびR3は互いに同じであっても
異なってよい。)により表される化合物と、フェノール
系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤と、さらに必要に応
じて、硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、あ
るいはその他の添加剤とを、それぞれ所定量秤量し、有
機高分子に混合すればよく、混合した後に混練してもよ
い。
【0116】混合する際には、有機高分子に添加物を混
合する際に従来から使用されている混合機、例えば、ボ
ールミル、ペブルミル、タンブルミキサー、チェンジカ
ンミキサー、スーパーミキサー(ヘンシェルミキサー)
などが挙げられ、混練する際には、有機高分子に添加物
を混練する際に従来から使用されている混練機、例え
ば、ミキシングロール、バンバリーミキサー、Σ羽根型
混合機、高速二軸連続ミキサー、押出機型混練機などが
挙げられる。
【0117】本発明に係る有機高分子材料は、従来から
知られている有機高分子材料の各種成形法、例えば、射
出成形法、押出成形法、カレンダー成形法、吹込み成形
法、圧縮成形法などによって、目的の製品に成形するこ
とができる。製品は特に制限がなく、屋内で使用される
もの、屋外で使用されるもののいずれでもよく、具体的
には、電気製品の部品、電子製品の部品、農業機械の部
品、農業用製品、水産機械の部品、水産用製品、自動車
の部品、日用品、雑貨品などが挙げられる。さらに具体
的には、重質油高温輸送用鋼管の被覆層、温熱パイプ
(給湯用、床下暖房用など)、ジャー、ポット、洗濯機
などの家庭電器製品の部品などが挙げられる。
【0118】
【実施例】
【0119】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0120】合成例1 攪拌機及び還流冷却器の付いた5リットルの三ツ口フラ
スコに、メチルハイドロキノン620g(5.0モ
ル)、氷酢酸1500cc、アセトン580g(1.00
モル)及び濃塩酸850ccを攪拌しながら順次加える
と、混合物は僅かに発熱し、次第に均一に溶解し淡褐色
の液体になった。
【0121】ついで、油浴中で攪拌しながら7〜9時間
加熱還流した後、室温に放置する。数日放置した後、析
出した黒色の沈殿物を濾過し、水で十分洗浄した後、メ
タノールから2回再結晶すると融点が145〜149℃
の無色の針状結晶が220g得られる。
【0122】上記、黒色の沈殿物を濾別した後の黒色の
反応母液に60ccのアセトンを加えて、さらに室温に
放置すると、6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロ−ビ
ス−クロマン(別名:2,2’−スピロビ[2H−1−
ベンゾピラン]−6,6’−ジオール,3,3’,4,
4’−テトラヒドロ−4,4,4’4’,7,7’−ヘ
キサメチル−)
【0123】
【化27】
【0124】の白色結晶が50gが得られた。融点20
1〜207℃。
【0125】
【0126】流動性の尺度として有機高分子材料、特に
合成樹脂の成形加工性を予想したり、規格表示や品質管
理を行う目的で、メルトインデックス(以下、MI値と
もいう。)が、工業的に広く用いられている。MI値は
一定温度で溶融した高分子重合体を規定の長さと径の円
形ダイから一定荷重で押出すとき、10分間の流量を重
量(g単位)で表した数値であり、溶融粘度の指標とし
て使われている。高分子重合体のうち、ポリプロピレン
の場合にはその数値が小さいほど加工安定性がよく、大
きいほど加工安定性が悪いと考えられる。また、MI値
を繰り返し測定することにより、その数値の変動の少な
いものが、加工安定性に優れているとされている。
【0127】実施例1 表1に示した配合処方により配合した配合物を、タンブ
ラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した後、直径2
0mmの押し出し機を用い、ダイス設定温度280℃で
繰り返し押し出し、造粒した。加工安定性を見るために
各回毎に押し出したペレットをJIS K−7210に
準じて測定温度230℃、測定荷重2.16kgfにて
MI値を測定した。
【0128】その測定結果を表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】表1に記載した記号の意味は以下の通りで
ある。 PP:ポリプロピレン Ca−St:ステアリン酸カルシウム S−17:6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロ−ビ
ス−クロマン(合成例1により合成したものを用い
た。) AO−2:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) P−1:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホ
スファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)
【0131】MI1:1回目に得たペレットにより測定
したMI値を示した。 MI2:2回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。 MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。 ×: 樹脂の劣化でストランド方式による樹脂の引き取り
ができず、ペレットを得ることができなかった。
【0132】表1に示した結果から、フェノール系酸化
防止剤(AO−2)、リン系酸化防止剤(P−1)およ
びスピロクロマン化合物(S−17)の総量に対して、
スピロクロマン化合物(S−17)を5重量%または2
重量%含有した本発明組成物を、有機高分子材料に配合
した有機高分子材料組成物(配合1、2)は、比較例組
成物(配合3、4、5)に対し、MI値が小さく加工安
定性が優れていることが判明した。特に、少量添加によ
り顕著な相乗効果を示し、良好な加工安定性を示してい
ることがわかる。
【0133】実施例2 表2に示した配合処方により配合した配合物を、実施例
1と同様な方法で混合し、繰り返し押し出し、造粒した
ペレットについてMI値を測定した。
【0134】その測定結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】表2に記載した記号の意味は以下の通りで
ある。 PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム AO−2:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) P−1:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホ
スファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)
【0137】本発明組成物に用いた化合物 S−17:6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロ−ビ
ス−クロマン(合成例1により合成したものを用い
た。) S−16:2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノ
ール(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「ヨ
シノックスBHT」) S−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。)
【0138】表2に示した結果から、スピロクロマン化
合物(S−17)を配合した本発明組成物(配合6)
は、比較例組成物(配合9)に対し、MI値の値が小さ
く加工安定性が優れ、少量添加により相乗効果を示し、
良好な加工安定性を示していることがわかる。
【0139】また、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチ
ルフェノール(S−16)を配合した組成物(配合7)
や3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第3
級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オンを配合した組
成物(配合8)は、これらを配合しない組成物(配合
9)と同程度であり、これらを配合した効果はほとんど
認められなかった。
【0140】実施例3 表3に示した配合処方により配合した配合物を、実施例
1と同様な方法で混合し、繰り返し押し出し、造粒した
ペレットについてMI値を測定した。その測定結果を表
3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】表3に記載した記号の意味は実施例1と同
様である。
【0143】表3に示した結果から、スピロクロマン化
合物(S−17)を配合した本発明組成物(配合10、
11、12、13)は、比較例組成物(配合14)に対
し、MI値の値が小さく加工安定性が優れ、少量添加に
より相乗効果を示し、良好な加工安定性を示しているこ
とがわかる。特に、スピロクロマン化合物(S−17)
を、有機高分子材料に対し0.002重量%配合した有
機高分子材料(配合11)、同0.005重量%配合し
た有機高分子材料(配合12)は、比較例組成物(配合
14)に対し、顕著に良好なMI値、YI値を示してい
る。また、スピロクロマン化合物(S−17)を、有機
高分子材料に対し0.001重量%配合した有機高分子
材料(配合10)、0.007重量%配合した有機高分
子材料(配合13)は、比較例組成物(配合14)に対
し、良好なMI値、YI値を示している。
【0144】実施例4 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)について加工安
定性を見るために、ラボプラストミル(東洋精機製作
所)を用いて210℃,60rpmの条件で混練し、ト
ルクが上昇し始めるまでの時間(以下、トルク上昇開始
時間という)を求めた。トルク上昇開始時間が長いほど
加工時の熱安定性が良好であるといえる。
【0145】配合処方を表4に示す。
【0146】
【表4】
【0147】表4に記載した記号の意味は以下の通りで
ある。 LLDPE:線状低密度ポリエチレン AO−1:n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) P−2:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイ
ト、(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) S−17:6,6’−ジヒドロキシ−4,4,4’,
4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロ−ビ
ス−クロマン(合成例1により合成したものを用い
た。)
【0148】表4から、フェノール系酸化防止剤(AO
−1)、リン系酸化防止剤(P−2)および(S−1
7)の総量に対して、スピロクロマン化合物(S−1
7)を1重量%、5重量%含有した本発明組成物を配合
した有機高分子材料組成物(配合15、16)は、スピ
ロクロマン化合物(S−17)を含有しない比較例組成
物(配合17)に比較して、極めて良好な安定性を示す
ことが判明した。
【0149】
【発明の効果】本発明の組成物は、合成樹脂の安定剤と
して使用することにより、熱加工安定性に優れた、極め
て有効な安定化された合成樹脂組成物を得ることができ
る。
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Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、
    1、R2およびR3は互いに同じであっても異なってよ
    い。)により表される化合物とフェノール系酸化防止剤
    とリン系酸化防止剤とを含有し、これらの総量に対し
    て、一般式(1) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、
    1、R2およびR3は互いに同じであっても異なってよ
    い。)により表される化合物を0.5〜10重量%、フ
    ェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との総量を9
    9.5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする
    有機高分子材料用安定剤組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化3】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭素
    数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R1
    2およびR3は互いに同じであっても異なってよい。)
    により表される化合物を1〜5重量%、フェノール系酸
    化防止剤とリン系酸化防止剤との総量を99〜95重量
    %の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の
    有機高分子材料用安定剤組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール系酸化防止剤の配合量とリン
    系酸化防止剤の配合量との重量比が1:0.1〜1:1
    0であることを特徴とする請求項1または2に記載の有
    機高分子材料用安定剤組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール系酸化防止剤が、 n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4
    −ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベン
    ジル)イソシアヌレート、および1,3,5−トリメチ
    ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4
    −ヒドロキシベンジル)ベンゼンからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種であり、リン系酸化防止剤が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイ
    ト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,
    4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェ
    ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリス
    リトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)
    ペンタエリスリトールジホスファイト、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
    ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−
    [2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチ
    ル)フェニル]エチルホスファイト、および2,2’,
    2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,
    5’−テトラ−第3級ブチル−1,1’−ビフェニル−
    2,2’−ジイル)ホスファイト]からなる群より選ば
    れた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記
    載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  5. 【請求項5】 有機高分子に、請求項1〜4のいずれか
    に記載の有機高分子材料用安定剤組成物を配合してなる
    ことを特徴とする安定化された有機高分子材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の有機高
    分子材料用安定剤組成物と、さらに硫黄系酸化防止剤お
    よび/または光安定剤とを配合してなる請求項5に記載
    の有機高分子材料。
  7. 【請求項7】 有機高分子に、一般式(1) 【化4】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、
    1、R2およびR3は互いに同じであっても異なってよ
    い。)により表される化合物とフェノール系酸化防止剤
    とリン系酸化防止剤とを含有させた有機高分子材料であ
    って、有機高分子材料100重量部に対して、一般式
    (1) 【化5】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、
    1、R2およびR3は互いに同じであっても異なってよ
    い。)により表される化合物を0.0005〜0.02
    5重量部の範囲で配合することを特徴とする有機高分子
    材料。
  8. 【請求項8】 一般式(1) 【化6】 (式中、R1、R2およびR3は、水素原子、水酸基、炭
    素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示し、
    1、R2およびR3は互いに同じであっても異なってよ
    い。)により表される化合物を0.001〜0.005
    重量部の範囲で配合することを特徴とする請求項7に記
    載の有機高分子材料。
  9. 【請求項9】 フェノール系酸化防止剤の配合量とリン
    系酸化防止剤の配合量との重量比が1:0.1〜1:1
    0であることを特徴とする請求項7または8に記載の有
    機高分子材料。
  10. 【請求項10】 フェノール系酸化防止剤が、 n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4
    −ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベン
    ジル)イソシアヌレート、および1,3,5−トリメチ
    ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4
    −ヒドロキシベンジル)ベンゼンからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種であり、リン系酸化防止剤が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイ
    ト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,
    4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェ
    ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリス
    リトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)
    ペンタエリスリトールジホスファイト、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
    ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−[2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチル
    エチル)フェニル]エチルホスファイト、および2,
    2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,
    5,5’−テトラ−第3級ブチル−1,1’−ビフェニ
    ル−2,2’−ジイル)ホスファイト]からなる群より
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    7〜9のいずれかに記載の安定化された有機高分子材
    料。
  11. 【請求項11】 有機高分子が、合成樹脂である請求項
    7〜10のいずれかに記載の安定化された有機高分子材
    料。
  12. 【請求項12】 有機高分子が、ポリオレフィン系樹脂
    である請求項7〜10のいずれかに記載の安定化された
    有機高分子材料。
  13. 【請求項13】 有機高分子が、ポリエチレン系樹脂、
    ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂とポリプロ
    ピレン系樹脂との混和物または相溶性重合体、ポリエチ
    レン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂を含む
    相溶性重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または
    エチレン−プロピレン共重合体である請求項7〜10の
    いずれかに記載の安定化された有機高分子材料。
  14. 【請求項14】 さらに硫黄系酸化防止剤および/また
    は光安定剤とを配合してなる請求項7〜10のいずれか
    に記載の安定化された有機高分子材料。
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