JP2000234023A - ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 - Google Patents
ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法Info
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Abstract
液、それから得られる良好な物性を有するポリイミド塗
膜及びそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 特定カルボン酸と特定のジアミンとから
なる塩を溶質として含有するポリイミド前駆体溶液であ
り、この溶液は、溶媒中で例えばピロメリット酸二無水
物に4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応さ
せ、ついで水またはアルコールと反応させてこれらより
なるカルボン酸を得た後、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとピロメリット酸二無水物を反応させて、こ
れらよりなるジアミンを得、得られたカルボン酸とジア
ミンを合わせて塩を生成させることにより得られる。こ
の溶液を基材に塗工し、加熱してイミド化することのよ
り、ポリイミド塗膜を得る。
Description
溶液及びその製造方法、さらにはポリイミド前駆体溶液
から得られるポリイミド塗膜及びその製造方法に関する
ものである。
の応用に有用なものであり、半導体デバイス上への絶縁
フィルムや保護コーティングとして用いられている。特
に全芳香族ポリイミドは、その優れた耐熱性、機械的特
性、電気的特性から、フレキシブル回路基板や集積回路
等において高密度化、多機能化等に大きく貢献してい
る。このように、微細な回路の層間絶縁膜や保護膜を形
成させる場合、従来よりポリイミド前駆体溶液が用いら
れてきた。このポリイミド前駆体溶液として、下記一般
式に示すポリアミド酸の溶液が知られている。
族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応さ
せることにより製造されるもので、例えば特公昭36−
10999号公報、特開昭62−275165号公報、
特開昭64−5057号公報、特公平2−38149号
公報、特公平2−38150号公報、特開平1−299
871号公報、特開昭58−122920号公報、特公
平1−34454号公報、特開昭58−185624号
公報、Journal of Polymer Science,Macromolecular Re
views Vol.11 P.199 (1976) 、米国特許第423852
8号明細書、特公平3−4588号公報、特公平7−3
0247号公報、特開平7−41556号公報、特開平
7−62095号公報、特開平7−133349号公
報、特開平7−149896号公報、特開平6−207
014号公報、特公平7−17870号公報、特公平7
−17871号公報、IBM Technical Disclosure Bulle
tinVol.20 No.6 P.2041(1977 )等に開示されているよ
うに、溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いるもの
や、特開平6−1915号公報に開示されているように
溶媒として水溶性エーテル系化合物、水溶性アルコール
系化合物、水溶性ケトン系化合物及び水から選ばれる混
合溶媒を用いるものなど、種々の溶液が提案されてい
る。
としてのポリイミド前駆体としてはポリアミド酸以外に
も種々のポリマーが知られている。例えば、Macuromole
cules Vol.22 P.4477 (1989)やPolyimides and Other H
igh Temperature Polymers.P.45 (1991)には、下記一般
式に示すポリアミド酸エステルが開示されており、
は、下記一般式に示すポリアミド酸トリメチルシリルエ
ステルが開示されており、
8 P.29 (1970) 、Journal of PolymerScience Part B V
ol.8 P.559 (1970)、日本化学会誌 Vol.1972 P.1992、J
ournal of Polymer Science Polymer Chemistry Editio
n Vol.13 P.365 (1975)には、下記式に示すポリアミド
酸ビス(ジエチルアミド)が開示されている。
ずれも高重合度のポリマーの溶液である。これらポリマ
ー溶液からポリイミド塗膜を得る際は、一般的にはこの
ポリマー溶液を銅、ガラス等の基材上にコーティング
し、加熱することにより溶媒の除去及びイミド化を行い
ポリイミド塗膜を得る。
マーの溶液を塗工する場合には、その重合度故に溶液を
塗工可能な粘度とするためには、溶質濃度を低くしなけ
ればならないという問題があった。また、生産性を高め
るために、溶質濃度を高めると溶液の粘度が高くなり、
塗工できなくなってしまうという問題もあり、またたと
え塗工できたとしても、機械的、熱的特性に優れた塗膜
やフィルムが得られないという問題があった。さらに、
ポリマー溶液は長期の保存に耐え難く、その重合度を維
持しつつ長期間保存することは極めて困難であった。
発明の課題は、高濃度かつ低粘度のポリイミド前駆体溶
液及びその製造方法、それから得られる良好な物性を有
するポリイミド塗膜及びその製造方法を提供することに
ある。
解決すべく鋭意研究した結果、特定のモノマーもしくは
オリゴマーを組み合わせれば、重合体でなくともそれら
モノマーもしくはオリゴマーを含む溶液から、良好な物
性を有するポリイミド塗膜が得られることを見い出し
た。すなわち、後述する一般式(1)に示すカルボン酸
と一般式(2)に示すジアミンとからなるモノマーもし
くはオリゴマーの塩を含有するポリイミド前駆体溶液
は、モノマーもしくはオリゴマーの塩を高濃度で溶解し
ているいるにもかかわらず、低粘度を示し、しかも、こ
の溶液からは高強度のポリイミド塗膜が得られるとの知
見を得、これらの知見に基づいて、本発明に到達したも
のである。かかる知見は、従来、ポリイミド前駆体溶液
を構成するポリイミド前駆体が高重合度のものしか知ら
れていなかったことに鑑みれば全く驚くべき知見であ
る。
一般式(1)に示すカルボン酸と下記一般式(2)に示
すジアミンとからなる塩を溶質として溶媒中に溶解して
いることを特徴とするポリイミド前駆体溶液である。
の炭素6員環を有する4価の芳香族残基を示し、同一又
は異なっていてもよく、4つのカルボニル基は、これら
の残基中の異なる炭素原子に直接連結しており、4つの
うちの2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭
素原子に結合しており、R' 及びR''''は、少なくとも
1つの炭素6員環を有する2価の芳香族残基を示し、同
一又は異なっていてもよく、R''は水素又は炭素数7以
下の1価の有機基を示し、n及びmは1〜20の整数を
示す。〕
すテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、下記一般
式(4)に示すジアミン0.1〜0.95モルを反応さ
せ、下記一般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成
させ、水又はアルコールを加えて末端の酸無水物基を開
環させて一般式(1)に示すカルボン酸とし、同一溶媒
系内あるいは他の溶媒系内で下記一般式(6)に示すジ
アミン1モルに対して、下記一般式(7)に示すテトラ
カルボン酸二無水物0.1〜0.95モルを反応させて
一般式(2)に示すジアミンとし、前記一般式(1)に
示すカルボン酸1モルに対して、前記一般式(2)に示
すジアミン0.95〜1.05モルとなるように、これ
らを合わせて塩として溶媒中に溶解させることを特徴と
するポリイミド前駆体溶液の製造方法である。
の炭素6員環を有する4価の芳香族残基を示し、同一又
は異なっていてもよく、4つのカルボニル基は、この残
基中の異なる炭素原子に直接連結しており、4つのうち
の2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原
子に結合しており、R’及びR''''は、少なくとも1つ
の炭素6員環を有する2価の芳香族残基を示し、同一又
は異なっていてもよく、R''は水素又は炭素数7以下の
1価の有機基を示し、n及びmは1〜20の整数を示
す。〕
すテトラカルボン酸二無水物1モルに対して水又はアル
コール0.1〜1.95モルを加えて酸無水物基の一部
を開環させ、さらに、下記一般式(4)に示すジアミン
0.95〜1.05モルを加えて、下記一般式(1)に
示すカルボン酸と下記一般式(2’)に示すジアミンと
を生成させ、これらを塩として溶媒中に溶解することを
特徴とするポリイミド前駆体溶液の製造方法である。
を有する4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基
は、R基中の異なる炭素原子に直接連結しており、4つ
のうちの2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する
炭素原子に結合しており、R’は少なくとも1つの炭素
6員環を有する2価の芳香族残基を示し、R''は水素又
は炭素数7以下の1価の有機基を示し、n及びmは1〜
20の整数を示す。〕 第4に、前記ポリイミド前駆体溶液から得られるポリイ
ミド塗膜である。第5に、前記ポリイミド前駆体溶液を
基材上に塗工し、加熱してイミド化することを特徴とす
るポリイミド塗膜の製造方法である。
一般式(1)及び一般式(2)において、R及びR'''
がそれぞれ次に挙げるA群より選ばれる少なくとも一つ
であり、R' 及びR''''がそれぞれ次に挙げるB群より
選ばれる少なくとも一つであるポリイミド前駆体溶液が
好ましい態様である。
より好ましい態様である。すなわち、一般式(1)及び
一般式(2)において、R、R' 、R''' 、R''''がそ
れぞれ次のものであるポリイミド前駆体溶液、
R、R' 、R''' 、R''''がそれぞれ次のものであるポ
リイミド前駆体溶液、
R、R' 、R''' 、R''''がそれぞれ次のものであるポ
リイミド前駆体溶液、
R、R' 、R''' 、R''''がそれぞれ次のものであるポ
リイミド前駆体溶液がそれぞれより好ましい態様であ
る。
る。まず、本発明で用いる用語について説明する。 (1)ポリイミド ポリマー鎖の繰り返し単位の80モル%以上がイミド構
造を有する有機ポリマーをいう。そして、この有機ポリ
マーは耐熱性を示す。 (2)ポリイミド前駆体 加熱又は、化学的作用により閉環してポリイミドとなる
有機化合物をいう。ここで、閉環とはイミド環構造が形
成されることをいう。
般式(1)に示すカルボン酸と一般式(2)に示すジア
ミン又は一般式(2' )に示すジアミンとからなる塩を
溶質として溶媒中に溶解しているものである。なお、一
般式(2’)に示すジアミンは、一般式(2)に示すジ
アミンに含まれるものである。ここで溶媒とは、25℃
で液状の化合物をいう。
(B型粘度計)を用い、20℃における回転粘度を測定
したものである。 (5)溶質濃度 溶液中に占めるポリイミド前駆体の重量割合を百分率で
表した数値である。 (6)ポリイミド塗膜 本発明のポリイミド前駆体溶液を、例えば銅、アルミニ
ウム、ガラス等の基材上に塗工し、加熱してポリイミド
前駆体をイミド化して得られるポリイミド塗膜をいい、
ポリイミド塗膜のなかで基材と密着したまま使用される
ものをポリイミド被覆物といい、基材から剥離して使用
されるものをポリイミドフィルムという。
ポリイミド前駆体溶液は、一般式(1)に示すカルボン
酸と一般式(2)に示すジアミンとからなる塩が溶質と
して溶媒中に溶解している。一般式(1)に示すカルボ
ン酸において、Rは少なくとも1つの炭素6員環を有す
る4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基は、R
基中の異なる炭素原子に直接連結しており、4つのうち
の2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原
子に結合しており、Rの具体例としては次のようなもの
が挙げられる。
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
ールに起因する基が挙げられ、特にメチル基及びエチル
基が好ましいものとして挙げられる。
R''' は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香
族残基を示し、4つのカルボニル基は、R''' 基中の異
なる炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2つず
つは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合
しており、R''' の具体例としては前記Rとして示した
ものが挙げられ、好ましいものも前期Rとして示したも
のが挙げられる。また、一般式(1)に示すカルボン酸
と一般式(2)に示すジアミンとからなる塩において、
R及びR''' として同一のものが用いられていても異な
って用いられてもよい。
する2価の芳香族残基を示す。R''''の具体例としては
前記R' として示したものが挙げられ、好ましいものも
前期R’として示したものが挙げられる。また、一般式
(1)に示すカルボン酸と一般式(2)に示すジアミン
とからなる塩において、R' 及びR''''として同一のも
のが用いられていても異なって用いられてもよい。ま
た、一般式(2' )に示すジアミンにおいてR、R' は
前述のR、R' と同様のものである。
溶媒としては一般式(1)に示すカルボン酸と一般式
(2)又は一般式(2' )に示すジアミンからなる塩を
溶かす溶媒であればいかなる溶媒も用いることができ
る。
系化合物、水溶性アルコール化合物等が挙げられる。そ
して、非プロトン性極性溶媒としては、N−メチルピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルフォスフォラアミド等が挙げられ、エーテル系化合物
としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノー
ル、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタ
ノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル等が挙げられ、水溶性アルコ
ール系化合物としては、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−
ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコー
ル等が挙げられ、上記各溶媒を単独、もしくは二種以上
を混合してもちいることができる。このうち特に好まし
い例としては、単独溶媒としてN−メチルピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
混合溶媒としては、N−メチルピロリドンとジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン
とメタノール、N−メチルピロリドンと2―メトキシエ
タノール等の組み合わせが挙げられる。
リイミド前駆体の濃度は、30重量%以上が好ましい。
35重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさら
に好ましい。また、ポリイミド前駆体溶液の粘度は、1
00ポイズ以下が好ましく、85ポイズ以下がより好ま
しく、60ポイズ以下がさらに好ましい。
造するには、一般式(1)に示すカルボン酸又は一般式
(1)に示すカルボン酸と、一般式(2)又は一般式
(2’)に示すジアミンとを、同一系内で順にもしくは
同時に調製して混合する、あるいは別々の系で調製して
それぞれの溶液同士を混合する。ここでは、好ましい例
として、非プロトン性極性化合物中で、テトラカルボン
酸二無水物とジアミン及び水又はアルコールとを反応さ
せることにより、一般式(1)に示すカルボン酸の溶液
を製造した後、同一系内で一般式(2)に示すジアミン
を調製してポリイミド前駆体溶液を得る方法について述
べる。
骨格とする一般式(3)に示す芳香族テトラカルボン酸
二無水物1モルに対して、R' を骨格とする一般式
(4)に示す芳香族ジアミン0.1〜0.95モルを反
応させ、一般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成
させる。このときの反応温度は、−30〜70℃が好ま
しく、−20〜40℃がより好ましい。ついで、この反
応溶液に水又はアルコールを加えて、一般式(5)に示
すカルボン酸二無水物の酸無水物基を開環させ、一般式
(1)に示すカルボン酸溶液を得る。このときの反応温
度は、0〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ま
しい。水又はアルコールの添加量は一般式(5)に示す
カルボン酸ニ無水物の無水物基に対して、同モル量又は
多少過剰量を添加する。また、この際、必要に応じてジ
メチルアミノエタノールなどを触媒として用いても良
い。
すものが挙げられ、これらの中でメチルアルコール、エ
チルアルコールが好ましいものとして挙げられる。
格とする一般式(6)に示す芳香族ジアミンとR''' を
骨格とする一般式(7)に示す芳香族テトラカルボン酸
二無水物を添加し、反応させ、一般式(2)に示すジア
ミンを生成させる。このときの反応温度は、−30〜7
0℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、テ
トラカルボン酸二無水物1モルに対しジアミン0.1〜
0.95モルが好ましく、より好ましくは0.45〜
0.9モルである。テトラカルボン酸二無水物1モルに
対しジアミンが0.1未満でも、0.95モルを超えて
も、一般式(1)に示すカルボン酸が得にくくなる傾向
にある。一般式(2)に示すジアミンを得るためのテト
ラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、ジアミン
1モルに対し、テトラカルボン酸二無水物0.1〜0.
95モルが好ましく、より好ましくは0.45〜0.9
モルである。ジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二
無水物が0.1モル未満でも、0.95モルを超えて
も、一般式(2)に示すジアミンが得にくくなる傾向に
ある。また、一般式(1)に示すカルボン酸と一般式
(2)に示すジアミンとの混合割合は、カルボン酸1モ
ルに対し、ジアミン0.95〜1.05モルが好まし
い。この式の範囲外では目的とする塩が得られにくくな
る傾向にある。
(2)に示すジアミンを合成する際には、モノマー及び
溶媒の混合順序はどんな順序にしてもよい。溶媒とし
て、混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノ
マーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌
下、所定の温度と時間で反応させることによっても、一
般式(1)に示すカルボン酸もしくは一般式(2)に示
すジアミンが得られる。また、例えば、非プロトン性極
性化合物中で、Rを骨格とする一般式(3)に示す芳香
族テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、水又はア
ルコール0.1〜0.95モルを加えて酸無水物基の一
部を開環させ、さらにR’を骨格とする一般式(4)に
示す芳香族ジアミンを0.95〜1.05モルを加えて
一般式(1)に示すカルボン酸と一般式(2')に示すジ
アミンを生成させて、これらを塩として溶解させても、
調製することができる。このときの反応条件は、芳香族
テトラカルボン酸二無水物と水又はアルコールとの反応
温度は0〜80℃が好ましく、20〜70℃がより好ま
しい。また、この際、必要に応じてジメチルアミノメタ
ノールなどを触媒として用いてもよい。ジアミンを加え
る際の反応温度は−30〜70℃が好ましく、−20〜
40℃がより好ましい。
は、必要に応じて例えば、有機シラン、顔料、導電性の
カーボンブラック及び金属粒子のような充填剤、摩滅
剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加することができる。また、他の
重合体や例えば水不溶性のエーテル類、アルコール類、
ケトン類、エステル、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素
類等の溶媒を本発明の効果を損なわない範囲で添加する
ことができる。
溶液を基材に各種の方法で塗工し、乾燥して溶媒を除去
し、ポリイミド前駆体塗膜を得、ポリイミド前駆体をイ
ミド化して得られる。イミド化は、加熱して行うことが
好ましく、200℃以上、好ましくは250℃以上、よ
り好ましくは300℃以上で、5分間以上、好ましくは
30分間以上加熱して行う。ポリイミド前駆体溶液から
ポリイミドフィルムを成形するには、スリット状ノズル
から押し出したり、バーコーター等により基材上に塗工
し、乾燥して溶媒を除去し、これをイミド化した後、基
材上から剥離することにより製造することができる。ポ
リイミド被覆物を得るには、ポリイミド前駆体溶液を従
来公知のスピンコート法、スプレイコート法、浸漬法等
の方法により基材上に塗工し、乾燥して溶媒を除去した
後、イミド化する。
ミド塗膜(ポリイミドフィルム又はポリイミド被覆物)
は、例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着テープ、高密度
磁気記録ベース、コンデンサー、FPC(フレキシブル
プリント基板)用のフィルム等の製造に用いられる。ま
た、例えば、フッ素樹脂やグラファイト等を充填した摺
動部材、ガラス繊維や炭素繊維で強化した構造部材、小
型コイルのボビン、スリーブ、端末絶縁用チューブ等の
成形材や成形品の製造に用いられる。また、パワートラ
ンジスターの絶縁スペーサ、磁気ヘッドスペーサ、パワ
ーリレーのスペーサ、トランスのスペーサ等の積層材の
製造に用いられる。また、電線・ケーブル絶縁被膜用、
太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙断熱材、集積回路、ス
ロットライナー等のエナメルコーティング材の製造に用
いられる。また、限外ろ過膜、逆浸透膜、ガス分離膜の
製造に用いられる。また、耐熱性を有する糸、織物、不
織布等の製造にも用いられる。
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
4.8mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド4
5.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにピロメリ
ット酸二無水物6.45(29.6mmol)を1分間
で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール1.42g
(44.4mmol)およびジメチルアミノエタノール
0.07gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、下記
式に示すカルボン酸を得た。
ジフェニルエーテル5.93g(29.6mmol)を
加えて溶解し、これにピロメリット酸二無水物3.23
g(14.8mmol)を1分間で加え、70℃湯浴上
で2時間攪拌したところ、均一な黄橙色透明溶液が得ら
れた(溶質濃度30重量%)。この溶液の粘度を測定し
たところ、1.49ポイズであった。この溶液をフィル
ムアプリケーターを用いて、ガラス板上に50μmの厚
みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、
窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行った。
得られた塗膜をガラス板上から剥離したところ、ポリイ
ミドフィルムが得られた。このポリイミドフィルムの厚
みは、13.1μmであり、引っ張り強度は9.6kg
/mm2 であった。
9.4mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド4
5.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにピロメリ
ット酸二無水物5.65(25.9mmol)を1分間
で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール0.62g
(19.4mmol)およびジメチルアミノエタノール
0.03gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌した。室
温まで冷却した後、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル5.19g(25.9mmol)を加えて溶解し、
これにピロメリット酸二無水物4.24g(19.4m
mol)を1分間で加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し
たところ、均一な黄橙色透明溶液が得られた(溶質濃度
30重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、9.
18ポイズであった。この溶液をフィルムアプリケータ
ーを用いて、ガラス板上に50μmの厚みで流延し、窒
素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰囲気下3
00℃で5時間加熱イミド化を行った。得られた塗膜を
ガラス板上から剥離したところ、ポリイミドフィルムが
得られた。このポリイミドフィルムの厚みは、13.8
μmであり、引っ張り強度は10.2kg/mm2 であ
った。
(145mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド
300gに溶解し、室温下で攪拌した。これにピロメリ
ット酸二無水物35.13(161mmol)を1分間
で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール1.55g
(48.3mmol)及びジメチルアミノエタノール
0.08gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌した。室
温まで冷却した後、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル32.25g(161mmol)を加えて溶解し、
これにピロメリット酸二無水物31.62g(145m
mol)を1分間で加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し
たところ、均一な黄橙色透明溶液が得られた(溶質濃度
30重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、3
3.6ポイズであった。この溶液をフィルムアプリケー
ターを用いて、ガラス板上に50μmの厚みで流延し、
窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰囲気下
300℃で5時間加熱イミド化を行った。得られた塗膜
をガラス板上から剥離したところ、ポリイミドフィルム
が得られた。このポリイミドフィルムの厚みは、14.
2μmであり、引っ張り強度は11.0kg/mm2 で
あった。
l)を、N,N−ジメチルアセトアミド45gに懸濁
し、メタノール1.42g(44.4mmol)および
ジメチルアミノエタノール0.073gを加え、70℃
湯浴上で2時間攪拌した。4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル8.89g(44.4mmol)を加え、さ
らに70℃湯浴上で2時間攪拌し、均一な黄橙色透明な
溶液が得られた(溶質濃度30重量%)。この溶液の粘
度を測定したところ、0.319ポイズであった。この
溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に
50μmの厚みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間
乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド
化を行った。得られた塗膜をガラス板上から剥離したと
ころ、ポリイミドフィルムが得られた。このポリイミド
フィルムの厚みは、13.5μmであり、引っ張り強度
は9.5kg/mm2 であった。
l)を、N,N−ジメチルアセトアミド45gに懸濁
し、メタノール0.0725g(22.6mmol)お
よびジメチルアミノエタノール0.036gを加え、7
0℃湯浴上で2時間攪拌した。4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル9.06g(45.2mmol)を加
え、さらに70℃湯浴上で2時間攪拌し、均一な黄橙色
透明な溶液が得られた(溶質濃度30重量%)。この溶
液の粘度を測定したところ、1.30ポイズであった。
この溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板
上に50μmの厚みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5
時間乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イ
ミド化を行った。得られた塗膜をガラス板上から剥離し
たところ、ポリイミドフィルムが得られた。このポリイ
ミドフィルムの厚みは、13.7μmであり、引っ張り
強度は9.8kg/mm2 であった。
(80.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド
78.05gに溶解し、室温に保った。これにピロメリ
ット酸二無水物17.45g(80.0mmol)を2
時間にわたり徐々に加え、さらに6時間撹拌を続けたと
ころ、溶液はゲル化した。(溶質濃度30重量%)
1.9mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド5
0.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物12.88(43.8mm
ol)を1分間で加え、室温下1時間攪拌した。メタノ
ール2.10g(65.7mmol)およびジメチルア
ミノエタノール0.11gを加え、70℃湯浴上で2時
間攪拌し、下記式に示すカルボン酸を得た。
ジフェニルエーテル8.76g(43.8mmol)を
加えて溶解し、これにビフェニルテトラカルボン酸二無
水物6.44g(21.9mmol)を1分間で加え、
70℃湯浴上で2時間攪拌したところ、均一な黄橙色透
明溶液が得られた(溶質濃度40重量%)。この溶液の
粘度を測定したところ、8.06ポイズであった。この
溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に
50μmの厚みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間
乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド
化を行った。得られた塗膜をガラス板上から剥離したと
ころ、ポリイミドフィルムが得られた。このポリイミド
フィルムの厚みは、16.1μmであり、引っ張り強度
は18.7kg/mm2 であった。
8.6mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド5
0.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物11.21g(38.1m
mol)を1分間で加え、室温下1時間攪拌した。メタ
ノール0.92g(9.53mmol)およびジメチル
アミノエタノール0.05gを加え、70℃湯浴上で2
時間攪拌した。室温まで冷却した後、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル7.63g(38.1mmol)
を加えて溶解し、これにビフェニルテトラカルボン酸二
無水物8.40g(28.6mmol)を1分間で加
え、70℃湯浴上で2時間攪拌したところ、均一な黄橙
色透明溶液が得られた(溶質濃度40重量%)。この溶
液の粘度を測定したところ、109ポイズであった。こ
の溶液をフィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上
に50μmの厚みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時
間乾燥した後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミ
ド化を行った。得られた塗膜をガラス板上から剥離した
ところ、ポリイミドフィルムが得られた。このポリイミ
ドフィルムの厚みは、15.8μmであり、引っ張り強
度は18.2kg/mm2 であった。
(80.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド
92.2gに溶解し、室温に保った。これにビフェニル
テトラカルボン酸二無水物23.5g(80.0mmo
l)を2時間にわたり徐々に加え、さらに6時間撹拌を
続けたところ、溶液はゲル化した。(溶質濃度30重量
%)
l)を、N,N−ジメチルアセトアミド55.0gに溶
解し、室温下で攪拌した。これにビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物11.05(37.6mmol)を1分
間で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール1.80
g(56.4mmol)およびジメチルアミノエタノー
ル0.09gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、下
記式に示すカルボン酸を得た。
ミン4.06g(37.6mmol)を加えて溶解し、
これにビフェニルテトラカルボン酸二無水物5.52g
(18.8mmol)を1分間で加え、70℃湯浴上で
2時間攪拌したところ、均一な黄橙色透明溶液が得られ
た(溶質濃度30重量%)。この溶液の粘度を測定した
ところ、1.08ポイズであった。この溶液をフィルム
アプリケーターを用いて、ガラス板上に50μmの厚み
で流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒
素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行った。得
られた塗膜をガラス板上から剥離したところ、ポリイミ
ドフィルムが得られた。このポリイミドフィルムの厚み
は、12.7μmであり、引っ張り強度は25.6kg
/mm2 であった。
l)を、N,N−ジメチルアセトアミド55.0gに溶
解し、室温下で攪拌した。これにビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物9.68(32.9mmol)を1分間
で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール0.79g
(24.7mmol)およびジメチルアミノエタノール
0.04gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌した。室
温まで冷却した後、パラフェニレンジアミン3.56g
(32.9mmol)を加えて溶解し、これにビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物7.26g(24.7mm
ol)を1分間で加え、70℃湯浴上で2時間攪拌した
ところ、均一な黄橙色透明溶液が得られた(溶質濃度3
0重量%)。この溶液の粘度を測定したところ、8.2
5ポイズであった。この溶液をフィルムアプリケーター
を用いて、ガラス板上に50μmの厚みで流延し、窒素
雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰囲気下30
0℃で5時間加熱イミド化を行った。得られた塗膜をガ
ラス板上から剥離したところ、ポリイミドフィルムが得
られた。このポリイミドフィルムの厚みは、12.9μ
mであり、引っ張り強度は27.3kg/mm2 であっ
た。
をN,N−ジメチルアセトアミド75.1gに溶解し、
室温に保った。これにビフェニルテトラカルボン酸二無
水物23.5g(80.0mmol)を2時間にわたり
徐々に加え、さらに6時間撹拌を続けたところ、溶液は
ゲル化した。(溶質濃度30重量%)
1.2mmol)を、N−メチル−2−ピロリドン5
0.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにオキシジ
フタル酸二無水物13.2(42.4mmol)を1分
間で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール2.04
g(63.8mmol)およびジメチルアミノエタノー
ル0.10gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し、下
記式に示すカルボン酸を得た。
ジフェニルエーテル8.50g(42.4mmol)を
加えて溶解し、これにオキシジフタル酸二無水物6.5
8g(21.2mmol)を1分間で加え、70℃湯浴
上で2時間攪拌したところ、均一な黄橙色透明溶液が得
られた(溶質濃度40重量%)。この溶液の粘度を測定
したところ、11.1ポイズであった。この溶液をフィ
ルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に50μmの
厚みで流延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した
後、窒素雰囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行っ
た。得られた塗膜をガラス板上から剥離したところ、ポ
リイミドフィルムが得られた。このポリイミドフィルム
の厚みは、15.1μmであり、引っ張り強度は14.
3kg/mm2 であった。
7.8mmol)を、N−メチル−2−ピロリドン5
0.0gに溶解し、室温下で攪拌した。これにオキシジ
フタル酸二無水物7.34g(23.7mmol)を1
分間で加え、室温下1時間攪拌した。メタノール0.5
7g(17.8mmol)およびジメチルアミノエタノ
ール0.03gを加え、70℃湯浴上で2時間攪拌し
た。室温まで冷却した後、3,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル4.74g(23.7mmol)を加えて溶
解し、これにオキシジフタル酸二無水物5.51g(1
7.8mmol)を1分間で加え、70℃湯浴上で2時
間攪拌したところ、均一な黄橙色透明溶液が得られた
(溶質濃度30重量%)。この溶液の粘度を測定したと
ころ、4.2ポイズであった。この溶液をフィルムアプ
リケーターを用いて、ガラス板上に50μmの厚みで流
延し、窒素雰囲気下80℃で5時間乾燥した後、窒素雰
囲気下300℃で5時間加熱イミド化を行った。得られ
た塗膜をガラス板上から剥離したところ、ポリイミドフ
ィルムが得られた。このポリイミドフィルムの厚みは、
13.1μmであり、引っ張り強度は14.4kg/m
m2 であった。
(80.0mmol)をN−メチル−2−ピロリドン9
5.2gに溶解し、室温に保った。これにオキシジフタ
ル酸二無水物24.8g(80.0mmol)を2時間
にわたり徐々に加え、さらに6時間撹拌を続けたとこ
ろ、溶液はゲル化した。(溶質濃度30重量%)
体溶液は、溶質が重合体ではなくモノマーもしくはオリ
ゴマーの塩であり、高濃度で溶解しているにもかかわら
ず、その溶液は低粘度である。また、本発明のポリイミ
ド前駆体溶液から得られるポリイミド塗膜は良好な物性
を有する。したがって、大規模集積回路等の層間絶縁膜
や、保護膜の形成に用いられるスピンコート法等におい
て、優れた効果を有するものである。また、本発明のポ
リイミド前駆体溶液の製造方法によれば前記のポリイミ
ド前駆体溶液を容易に製造することができ、ポリイミド
塗膜の製造方法によればポリイミド塗膜を容易に製造す
ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)に示すカルボン酸と下
記一般式(2)に示すジアミンとからなる塩を溶質とし
て溶媒中に溶解していることを特徴とするポリイミド前
駆体溶液。 【化1】 〔式中、R及びR''' は、少なくとも1つの炭素6員環
を有する4価の芳香族残基を示し、同一又は異なってい
てもよく、4つのカルボニル基は、これらの残基中の異
なる炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2つず
つは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合
しており、R' 及びR''''は、少なくとも1つの炭素6
員環を有する2価の芳香族残基を示し、同一又は異なっ
ていてもよく、R''は水素又は炭素数7以下の1価の有
機基を示し、n及びmは1〜20の整数を示す。〕 - 【請求項2】 一般式(1)及び一般式(2)におい
て、R及びR''' がそれぞれ次に挙げるA群より選ばれ
る少なくとも一つであり、R' 及びR''''がそれぞれ次
に挙げるB群より選ばれる少なくとも一つであることを
特徴とする請求項1記載のポリイミド前駆体溶液。 【化2】 - 【請求項3】 溶質濃度が30重量%以上であり、かつ
粘度が100ポイズ以下であることを特徴とする請求項
1記載のポリイミド前駆体溶液。 - 【請求項4】 溶媒中で、下記一般式(3)に示すテト
ラカルボン酸二無水物1モルに対して、下記一般式
(4)に示すジアミン0.1〜0.95モルを反応さ
せ、下記一般式(5)に示すカルボン酸二無水物を生成
させ、水又はアルコールを加えて末端の酸無水物基を開
環させて一般式(1)に示すカルボン酸とし、同一溶媒
系内あるいは他の溶媒系内で下記一般式(6)に示すジ
アミン1モルに対して、下記一般式(7)に示すテトラ
カルボン酸二無水物0.1〜0.95モルを反応させて
一般式(2)に示すジアミンとし、前記一般式(1)に
示すカルボン酸1モルに対して、前記一般式(2)に示
すジアミン0.95〜1.05モルとなるように、これ
らを合わせて塩として溶媒中に溶解させることを特徴と
する請求項1記載のポリイミド前駆体溶液の製造方法。 【化3】 〔式中、R及びR''' は、少なくとも1つの炭素6員環
を有する4価の芳香族残基を示し、同一又は異なってい
てもよく、4つのカルボニル基は、この残基中の異なる
炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2つずつは
対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合して
おり、R’及びR''''は、少なくとも1つの炭素6員環
を有する2価の芳香族残基を示し、同一又は異なってい
てもよく、R''は水素又は炭素数7以下の1価の有機基
を示し、n及びmは1〜20の整数を示す。〕 - 【請求項5】 溶媒中で、下記一般式(3)に示すテト
ラカルボン酸二無水物1モルに対して水又はアルコール
0.1〜1.95モルを加えて酸無水物基の一部を開環
させ、さらに、下記一般式(4)に示すジアミン0.9
5〜1.05モルを加えて、下記一般式(1)に示すカ
ルボン酸と下記一般式(2’)に示すジアミンとを生成
させ、これらを塩として溶媒中に溶解することを特徴と
する請求項1記載のポリイミド前駆体溶液の製造方法。 【化4】 〔式中、Rは少なくとも1つの炭素6員環を有する4価
の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基は、R基中の
異なる炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2つ
ずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結
合しており、R’は少なくとも1つの炭素6員環を有す
る2価の芳香族残基を示し、R''は水素又は炭素数7以
下の1価の有機基を示し、n及びmは1〜20の整数を
示す。〕 - 【請求項6】 請求項1記載のポリイミド前駆体溶液か
ら得られるポリイミド塗膜。 - 【請求項7】 請求項1記載のポリイミド前駆体溶液を
基材上に塗工し、加熱してイミド化することを特徴とす
るポリイミド塗膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11354609A JP2000234023A (ja) | 1998-12-15 | 1999-12-14 | ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35645498 | 1998-12-15 | ||
JP10-356454 | 1998-12-15 | ||
JP11354609A JP2000234023A (ja) | 1998-12-15 | 1999-12-14 | ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000234023A true JP2000234023A (ja) | 2000-08-29 |
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ID=26580102
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11354609A Pending JP2000234023A (ja) | 1998-12-15 | 1999-12-14 | ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法、それから得られる塗膜及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2000234023A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1999
- 1999-12-14 JP JP11354609A patent/JP2000234023A/ja active Pending
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