JP2000221297A - 使用済み燃料利用発電プロセスとシステム - Google Patents
使用済み燃料利用発電プロセスとシステムInfo
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- JP2000221297A JP2000221297A JP11020703A JP2070399A JP2000221297A JP 2000221297 A JP2000221297 A JP 2000221297A JP 11020703 A JP11020703 A JP 11020703A JP 2070399 A JP2070399 A JP 2070399A JP 2000221297 A JP2000221297 A JP 2000221297A
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- G—PHYSICS
- G21—NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
- G21H—OBTAINING ENERGY FROM RADIOACTIVE SOURCES; APPLICATIONS OF RADIATION FROM RADIOACTIVE SOURCES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; UTILISING COSMIC RADIATION
- G21H1/00—Arrangements for obtaining electrical energy from radioactive sources, e.g. from radioactive isotopes, nuclear or atomic batteries
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- High Energy & Nuclear Physics (AREA)
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用済み燃料の崩壊熱から発生する熱エネルギ
ーを、電気エネルギーに変換し、プラント全体の熱利用
効率を向上させる発電プロセスとシステムを提供するこ
と。 【解決手段】 使用済み燃料23の熱エネルギーを取出
す工程と、取出された熱エネルギーにより非水蒸気低沸
点媒体を昇温させ前記非水蒸気低沸点媒体の少なくとも
一部を気体状とする昇温工程と、気体状となった前記非
水蒸気低沸点媒体により、タービン7を駆動させる駆動
工程と、前記タービンを駆動した非水蒸気低沸点媒体を
液体状にする復液工程と、液体状となった前記非水蒸気
低沸点媒体を前記昇温工程に供給する供給工程とを有す
る。
ーを、電気エネルギーに変換し、プラント全体の熱利用
効率を向上させる発電プロセスとシステムを提供するこ
と。 【解決手段】 使用済み燃料23の熱エネルギーを取出
す工程と、取出された熱エネルギーにより非水蒸気低沸
点媒体を昇温させ前記非水蒸気低沸点媒体の少なくとも
一部を気体状とする昇温工程と、気体状となった前記非
水蒸気低沸点媒体により、タービン7を駆動させる駆動
工程と、前記タービンを駆動した非水蒸気低沸点媒体を
液体状にする復液工程と、液体状となった前記非水蒸気
低沸点媒体を前記昇温工程に供給する供給工程とを有す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み燃料の崩
壊熱を利用した発電プロセスとシステムに関し、特に低
温度差においても発電が可能となる発電プロセスとシス
テムに関する。
壊熱を利用した発電プロセスとシステムに関し、特に低
温度差においても発電が可能となる発電プロセスとシス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子炉から取り出された使用済み
燃料は、原子力発電所内、または専用の貯蔵施設内にあ
る燃料貯蔵プール内に貯蔵され、プール水で冷却・除熱
されていた。
燃料は、原子力発電所内、または専用の貯蔵施設内にあ
る燃料貯蔵プール内に貯蔵され、プール水で冷却・除熱
されていた。
【0003】しかし、例えば、熱エネルギーを伝達され
て加熱されたプール水と海水等とを熱交換させても、海
水等の温度は取水温度と比べて約7〜8℃しか高くなら
ないため利用範囲が限られ、ほとんどの場合、プール水
に伝達された熱エネルギーは、海水や大気等と熱交換さ
れて外部環境に放出されていた。たとえ熱エネルギーを
利用する場合でも、熱をそのままの形で所内暖房等に用
いるだけで(特開平9−264991)、高い利用効率
は望めなかった。
て加熱されたプール水と海水等とを熱交換させても、海
水等の温度は取水温度と比べて約7〜8℃しか高くなら
ないため利用範囲が限られ、ほとんどの場合、プール水
に伝達された熱エネルギーは、海水や大気等と熱交換さ
れて外部環境に放出されていた。たとえ熱エネルギーを
利用する場合でも、熱をそのままの形で所内暖房等に用
いるだけで(特開平9−264991)、高い利用効率
は望めなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、原子力発電の
熱効率は約30%であり、残りの約70%の熱は上述の
ようにほとんどが利用されないまま外部環境に放出され
てきた。利用されている場合でも、温排水を利用した養
殖、温室、冷暖房等、熱としての利用が主であり、その
利用効率は低かった。
熱効率は約30%であり、残りの約70%の熱は上述の
ようにほとんどが利用されないまま外部環境に放出され
てきた。利用されている場合でも、温排水を利用した養
殖、温室、冷暖房等、熱としての利用が主であり、その
利用効率は低かった。
【0005】近年、地球環境保護、資源保護および省エ
ネルギーなどの観点から、原子力発電の発電効率を向上
させるだけでなく、発電所内で発生する熱を総合的に有
効利用し、プラント全体としての熱利用効率を向上させ
る必要性が高まっている。
ネルギーなどの観点から、原子力発電の発電効率を向上
させるだけでなく、発電所内で発生する熱を総合的に有
効利用し、プラント全体としての熱利用効率を向上させ
る必要性が高まっている。
【0006】しかし、従来の原子力発電は、飽和水蒸気
を利用したランキンサイクルで発電を行うので、熱効率
を向上させることが非常に難しかった。これまでに、発
電効率を向上させるためにカリーナサイクルなどの新サ
イクルを用いることで効率を向上させる試みがされてき
た(特願平10−57908)が、本発明は、プラント
全体としての熱利用効率を向上させるため、発電所内で
利用されずに外部に放出されている未利用エネルギーを
活用することに着目するものである。
を利用したランキンサイクルで発電を行うので、熱効率
を向上させることが非常に難しかった。これまでに、発
電効率を向上させるためにカリーナサイクルなどの新サ
イクルを用いることで効率を向上させる試みがされてき
た(特願平10−57908)が、本発明は、プラント
全体としての熱利用効率を向上させるため、発電所内で
利用されずに外部に放出されている未利用エネルギーを
活用することに着目するものである。
【0007】すなわち、本発明は、未利用エネルギーの
一つである使用済み燃料の崩壊熱から発生する熱エネル
ギーを、従来のように熱として使用するのではなく(特
開平9−264991)、利用価値の高い電気エネルギ
ーに変換し、プラント全体の熱利用効率を向上させる発
電プロセスとシステムを提供することを目的とする。
一つである使用済み燃料の崩壊熱から発生する熱エネル
ギーを、従来のように熱として使用するのではなく(特
開平9−264991)、利用価値の高い電気エネルギ
ーに変換し、プラント全体の熱利用効率を向上させる発
電プロセスとシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の使用済み燃料利用発電プロセスは、使用済み燃料の熱
エネルギーを取出す取出し工程と、取出された熱エネル
ギーにより非水蒸気低沸点媒体を昇温させ前記非水蒸気
低沸点媒体の少なくとも一部を気体状とする昇温工程
と、気体状となった前記非水蒸気低沸点媒体により、タ
ービンを駆動する駆動工程と、前記タービンを駆動した
非水蒸気低沸点媒体を液体状にする復液工程と、液体状
となった前記非水蒸気低沸点媒体を前記昇温工程に供給
する供給工程とを有することを特徴とする。
の使用済み燃料利用発電プロセスは、使用済み燃料の熱
エネルギーを取出す取出し工程と、取出された熱エネル
ギーにより非水蒸気低沸点媒体を昇温させ前記非水蒸気
低沸点媒体の少なくとも一部を気体状とする昇温工程
と、気体状となった前記非水蒸気低沸点媒体により、タ
ービンを駆動する駆動工程と、前記タービンを駆動した
非水蒸気低沸点媒体を液体状にする復液工程と、液体状
となった前記非水蒸気低沸点媒体を前記昇温工程に供給
する供給工程とを有することを特徴とする。
【0009】非水蒸気低沸点媒体とは、水より沸点の低
い媒体のことである。こうした構成により、低温差でも
効率よく発電を行える。
い媒体のことである。こうした構成により、低温差でも
効率よく発電を行える。
【0010】また、復液工程においては、冷熱源として
水深100m以下の深海水を用いることもできる。
水深100m以下の深海水を用いることもできる。
【0011】請求項2記載の使用済み燃料利用発電プロ
セスは、請求項1記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記非水蒸気低沸点媒体がハイドロフルオロ
カーボン( Hydro Fluoro Carbon、HFC)系化合物、
アルコール系化合物、アンモニアおよびアンモニウム化
合物の少なくとも1種であることを特徴とする。
セスは、請求項1記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記非水蒸気低沸点媒体がハイドロフルオロ
カーボン( Hydro Fluoro Carbon、HFC)系化合物、
アルコール系化合物、アンモニアおよびアンモニウム化
合物の少なくとも1種であることを特徴とする。
【0012】アンモニア、アンモニウム化合物として
は、比熱、蒸発潜熱に優れる、アンモニア単体、メチル
アミン等が好ましく用いられる。
は、比熱、蒸発潜熱に優れる、アンモニア単体、メチル
アミン等が好ましく用いられる。
【0013】HFC系代替フロン化合物としては、低毒
性である、標準沸点がシステム構成に適している等の利
点をもつ、R−32、R−123、R−125,R−1
34a、R−142b、R−143a、R152a等が
好ましい。
性である、標準沸点がシステム構成に適している等の利
点をもつ、R−32、R−123、R−125,R−1
34a、R−142b、R−143a、R152a等が
好ましい。
【0014】アルコール系化合物としては、等エントロ
ピー性に優れる、TFE(2,2,2−トリフロロエタ
ノール、Tri-Fluoro-Ethanol)、メタノール、HFIP
(ヘキサフロロイソプロパノール、Hexa-Fluoro-Iso-Pr
opanol)等が好ましい。
ピー性に優れる、TFE(2,2,2−トリフロロエタ
ノール、Tri-Fluoro-Ethanol)、メタノール、HFIP
(ヘキサフロロイソプロパノール、Hexa-Fluoro-Iso-Pr
opanol)等が好ましい。
【0015】請求項3記載の使用済み燃料利用発電プロ
セスは、使用済み燃料の熱エネルギーを取出す取出し工
程と、少なくとも第1の媒体と前記第1の媒体に易溶性
の第2の媒体とを含む混合媒体を、前記取出し工程にお
いて取出された熱エネルギーで昇温させ、前記第2の媒
体の少なくとも一部を気体状とする昇温工程と、前記第
2の媒体の少なくとも一部が気体状となった前記混合媒
体を気液分離する分離工程と、前期分離工程において分
離された気体状の混合媒体でタービンを駆動する駆動工
程と、前記分離工程で分離された液体状の混合媒体を減
圧する減圧工程と、前記駆動工程で前記タービンを駆動
した混合媒体と前記減圧工程で減圧された混合媒体とを
混合して、気体状の混合媒体を液体状の混合媒体に吸収
させる吸収工程と、前記吸収工程で得られた混合媒体を
前記昇温工程に供給する供給工程とを有することを特徴
とする。
セスは、使用済み燃料の熱エネルギーを取出す取出し工
程と、少なくとも第1の媒体と前記第1の媒体に易溶性
の第2の媒体とを含む混合媒体を、前記取出し工程にお
いて取出された熱エネルギーで昇温させ、前記第2の媒
体の少なくとも一部を気体状とする昇温工程と、前記第
2の媒体の少なくとも一部が気体状となった前記混合媒
体を気液分離する分離工程と、前期分離工程において分
離された気体状の混合媒体でタービンを駆動する駆動工
程と、前記分離工程で分離された液体状の混合媒体を減
圧する減圧工程と、前記駆動工程で前記タービンを駆動
した混合媒体と前記減圧工程で減圧された混合媒体とを
混合して、気体状の混合媒体を液体状の混合媒体に吸収
させる吸収工程と、前記吸収工程で得られた混合媒体を
前記昇温工程に供給する供給工程とを有することを特徴
とする。
【0016】こうした構成により、低温差でも効率よく
発電を行える。減圧工程の前に、分離工程で分離された
液体状の混合媒体を冷却する冷却工程を設けてもよい。
発電を行える。減圧工程の前に、分離工程で分離された
液体状の混合媒体を冷却する冷却工程を設けてもよい。
【0017】吸収工程の後に、復液工程を設けてもよ
い。さらに、吸収工程あるいは復液工程と供給工程との
間に混合媒体を加熱する加熱工程を設けてもよい。
い。さらに、吸収工程あるいは復液工程と供給工程との
間に混合媒体を加熱する加熱工程を設けてもよい。
【0018】請求項4記載の使用済み燃料利用発電プロ
セスは、請求項3記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記分離工程で分離された気体状の混合媒体
と液体状の混合媒体との流量比が2:1〜1:2である
ことを特徴とする。
セスは、請求項3記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記分離工程で分離された気体状の混合媒体
と液体状の混合媒体との流量比が2:1〜1:2である
ことを特徴とする。
【0019】熱源温度、圧力等の条件によっても異なる
が、効率よく発電を行うためには、分離工程で分離され
た気体状の混合媒体と液体状の混合媒体の流量比が約
2:1〜1:2、好ましくは約1.5:1〜1:1.
5、さらに好ましくは約1:1程度になることが望まし
い。したがって、こうした条件を満たすように、混合媒
体の各成分の混合比率を設定することが好ましい。
が、効率よく発電を行うためには、分離工程で分離され
た気体状の混合媒体と液体状の混合媒体の流量比が約
2:1〜1:2、好ましくは約1.5:1〜1:1.
5、さらに好ましくは約1:1程度になることが望まし
い。したがって、こうした条件を満たすように、混合媒
体の各成分の混合比率を設定することが好ましい。
【0020】請求項5記載の使用済み燃料利用発電プロ
セスは、請求項3または4記載の使用済み燃料利用発電
プロセスにおいて、前記第2の媒体が水よりも沸点の低
い物質であることを特徴とする。
セスは、請求項3または4記載の使用済み燃料利用発電
プロセスにおいて、前記第2の媒体が水よりも沸点の低
い物質であることを特徴とする。
【0021】低温度差でも効率よく発電を行うためであ
る。
る。
【0022】請求項6記載の使用済み燃料利用発電プロ
セスは、請求項5記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記第1の媒体が水であり、前記第2の媒体
がアンモニアであることを特徴とする。
セスは、請求項5記載の使用済み燃料利用発電プロセス
において、前記第1の媒体が水であり、前記第2の媒体
がアンモニアであることを特徴とする。
【0023】必ずしもこの組み合わせに限られるもので
はなく、低温度差でも効率よくタービンを駆動できる組
み合わせであればよい。
はなく、低温度差でも効率よくタービンを駆動できる組
み合わせであればよい。
【0024】請求項7記載の使用済み燃料利用発電シス
テムは、使用済み燃料と第1の熱媒体とに熱交換を行わ
せる第1の熱交換手段と、前記使用済み燃料と熱交換し
た前記第1の熱媒体と第2の熱媒体とに熱交換を行わせ
る第2の熱交換手段と、前記第1の熱媒体を前記第1の
熱交換手段から前記第2の熱交換手段へと輸送し次いで
前記第1の熱交換手段へと循環させる閉ループ状の熱媒
体循環手段と、前記第1の熱媒体と熱交換した前記第2
の熱媒体により直接あるいは他の熱媒体を介して駆動さ
れる発電手段とを有することを特徴とする。
テムは、使用済み燃料と第1の熱媒体とに熱交換を行わ
せる第1の熱交換手段と、前記使用済み燃料と熱交換し
た前記第1の熱媒体と第2の熱媒体とに熱交換を行わせ
る第2の熱交換手段と、前記第1の熱媒体を前記第1の
熱交換手段から前記第2の熱交換手段へと輸送し次いで
前記第1の熱交換手段へと循環させる閉ループ状の熱媒
体循環手段と、前記第1の熱媒体と熱交換した前記第2
の熱媒体により直接あるいは他の熱媒体を介して駆動さ
れる発電手段とを有することを特徴とする。
【0025】こうした構成により、使用済み燃料の熱エ
ネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
ネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
【0026】なお、第1の熱媒体と熱交換した第2の熱
媒体を、さらに別の熱媒体と熱交換させ、この別の熱媒
体により、発電手段を駆動してもよい。使用済み燃料に
より、第1の熱媒体が放射能を帯びる恐れがあるときで
も、放射能の外部への漏洩を防ぐことができ好ましい。
媒体を、さらに別の熱媒体と熱交換させ、この別の熱媒
体により、発電手段を駆動してもよい。使用済み燃料に
より、第1の熱媒体が放射能を帯びる恐れがあるときで
も、放射能の外部への漏洩を防ぐことができ好ましい。
【0027】請求項8記載の使用済み燃料利用発電シス
テムは、請求項7記載の使用済み燃料利用発電システム
において、前記第1の熱交換手段が、使用済み燃料を貯
蔵する燃料貯蔵プールであり、前記第1の熱媒体が前記
熱貯蔵プール内に保持されるプール水であり、前記熱媒
体循環手段が、プール水取出し口と、このプール水取出
し口より低位に設けたプール水戻し口とを有するプール
水循環手段であることを特徴とする。
テムは、請求項7記載の使用済み燃料利用発電システム
において、前記第1の熱交換手段が、使用済み燃料を貯
蔵する燃料貯蔵プールであり、前記第1の熱媒体が前記
熱貯蔵プール内に保持されるプール水であり、前記熱媒
体循環手段が、プール水取出し口と、このプール水取出
し口より低位に設けたプール水戻し口とを有するプール
水循環手段であることを特徴とする。
【0028】こうした構成によれば、使用済み燃料の残
留熱で加熱されて、燃料貯蔵プール内のプール水の表面
に向かって対流する高温のプール水をプール水循環設備
に取水することができる。
留熱で加熱されて、燃料貯蔵プール内のプール水の表面
に向かって対流する高温のプール水をプール水循環設備
に取水することができる。
【0029】また、熱交換器で冷却されたプール水を、
プール水循環設備により燃料貯蔵プール内のプール水の
下部へ戻すことで、効率的に使用済み燃料から熱エネル
ギーを取り出せる。
プール水循環設備により燃料貯蔵プール内のプール水の
下部へ戻すことで、効率的に使用済み燃料から熱エネル
ギーを取り出せる。
【0030】請求項9記載の使用済み燃料利用発電シス
テムは、請求項7または8記載の使用済み燃料利用発電
システムにおいて、前記プール水循環手段が、使用済み
燃料集合体付近の温水を収集する温水収集手段を有する
ことを特徴とする。
テムは、請求項7または8記載の使用済み燃料利用発電
システムにおいて、前記プール水循環手段が、使用済み
燃料集合体付近の温水を収集する温水収集手段を有する
ことを特徴とする。
【0031】こうした構成により、高温の温水を取水す
ることができる。
ることができる。
【0032】請求項10記載の使用済み燃料利用発電シ
ステムは、請求項9記載の使用済み燃料利用発電システ
ムにおいて、前記温水収集手段が空気注入により移動可
能であることを特徴とする。
ステムは、請求項9記載の使用済み燃料利用発電システ
ムにおいて、前記温水収集手段が空気注入により移動可
能であることを特徴とする。
【0033】温水回収手段の位置を調節することで、加
熱されるプール水の量を調節できるため、収集する温水
の温度や量を調節可能できる。
熱されるプール水の量を調節できるため、収集する温水
の温度や量を調節可能できる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明による使用済み燃料利用発
電システムおよびプロセスの実施の形態について図を参
照しながら説明する。以下の実施例あるいは図面の説明
において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説
明を省略する。
電システムおよびプロセスの実施の形態について図を参
照しながら説明する。以下の実施例あるいは図面の説明
において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説
明を省略する。
【0035】(実施例1)図1は、本実施例に係る使用
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
図に示すように本実施例の使用済み燃料利用発電システ
ムは、使用済み燃料から熱を取出し輸送する熱取出し系
統と、取出された熱エネルギーを利用して発電を行う発
電系統とを備えている。
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
図に示すように本実施例の使用済み燃料利用発電システ
ムは、使用済み燃料から熱を取出し輸送する熱取出し系
統と、取出された熱エネルギーを利用して発電を行う発
電系統とを備えている。
【0036】熱取出し系統は、第1の熱交換手段として
の燃料貯蔵プール1、第2の熱交換手段としての熱交換
器3および熱媒体循環手段としてのプール水循環設備
2、13からなる。
の燃料貯蔵プール1、第2の熱交換手段としての熱交換
器3および熱媒体循環手段としてのプール水循環設備
2、13からなる。
【0037】燃料貯蔵プール1の第1の熱媒体としての
プール水中には、使用済み燃料23が貯蔵されている。
使用済み燃料は、通常は貯蔵ラックに収容した形で貯蔵
される。
プール水中には、使用済み燃料23が貯蔵されている。
使用済み燃料は、通常は貯蔵ラックに収容した形で貯蔵
される。
【0038】プール水としては純水を用いることが望ま
しい。プール水中に不純物が含まれると、原子燃料によ
って放射化され、プール水が系外に漏れた場合に放射性
物質による汚染が広がることになるが、純水を用いれ
ば、こうした問題が防げるからである。
しい。プール水中に不純物が含まれると、原子燃料によ
って放射化され、プール水が系外に漏れた場合に放射性
物質による汚染が広がることになるが、純水を用いれ
ば、こうした問題が防げるからである。
【0039】プール水循環設備2、13はプール水が内
部を流れる閉ループ配管を構成する。燃料貯蔵プール1
にはプール水循環設備2の入口側が取り付けられてい
る。プール水循環設備2の出口側には、熱交換器3が接
続されている。熱交換器3の出口側は、プール水循環設
備13を介して、燃料貯蔵プール1に接続されている。
部を流れる閉ループ配管を構成する。燃料貯蔵プール1
にはプール水循環設備2の入口側が取り付けられてい
る。プール水循環設備2の出口側には、熱交換器3が接
続されている。熱交換器3の出口側は、プール水循環設
備13を介して、燃料貯蔵プール1に接続されている。
【0040】熱交換手段3において、プール水と熱交換
する第2の熱媒体としては、非水蒸気低沸点媒体(水よ
り沸点の低い媒体)が使用される。
する第2の熱媒体としては、非水蒸気低沸点媒体(水よ
り沸点の低い媒体)が使用される。
【0041】発電系統は、配管15を介して熱交換器3
と接続されたタービン7、タービン7と同軸に接続され
た発電機8、排気配管21を介してタービン7の出口側
に接続された復水器10、復水配管16を介して復水器
10の出口側に接続された給水ポンプ20および給水ポ
ンプ20の出口側を熱交換器3に接続する復水配管17
からなる。
と接続されたタービン7、タービン7と同軸に接続され
た発電機8、排気配管21を介してタービン7の出口側
に接続された復水器10、復水配管16を介して復水器
10の出口側に接続された給水ポンプ20および給水ポ
ンプ20の出口側を熱交換器3に接続する復水配管17
からなる。
【0042】配管15内には熱交換器3で加熱された非
水蒸気低沸点媒体が流れる。水よりも沸点が低いため、
低温差でも効率よく発電を行え好ましい。
水蒸気低沸点媒体が流れる。水よりも沸点が低いため、
低温差でも効率よく発電を行え好ましい。
【0043】一般的に、本実施例のようないわゆるバイ
ナリサイクルの媒体として用いる非水蒸気低沸点媒体に
は、熱的・化学的安定性、優れた熱力学的特性、良好な
輸送特性、低毒性、低可燃性、低価格性等が求められ
る。なお、バイナリサイクルとは、一般的には、熱媒体
(ここではプール水)と作動媒体とが異なるサイクルを
いう。
ナリサイクルの媒体として用いる非水蒸気低沸点媒体に
は、熱的・化学的安定性、優れた熱力学的特性、良好な
輸送特性、低毒性、低可燃性、低価格性等が求められ
る。なお、バイナリサイクルとは、一般的には、熱媒体
(ここではプール水)と作動媒体とが異なるサイクルを
いう。
【0044】こうした要件を満たす非水蒸気低沸点媒体
としては、アンモニア、アンモニウム化合物、ハイドロ
フルオロカーボン( Hydro Fluoro Carbon、HFC)系
代替フロン化合物、およびアルコール系化合物等が挙げ
られる。
としては、アンモニア、アンモニウム化合物、ハイドロ
フルオロカーボン( Hydro Fluoro Carbon、HFC)系
代替フロン化合物、およびアルコール系化合物等が挙げ
られる。
【0045】アンモニア、アンモニウム化合物は、比
熱、蒸発潜熱に優れ、例えば、アンモニア単体、メチル
アミン等が好ましく用いられる。
熱、蒸発潜熱に優れ、例えば、アンモニア単体、メチル
アミン等が好ましく用いられる。
【0046】HFC系代替フロン化合物は、低毒性であ
る、標準沸点がシステム構成に適している等の利点があ
り、媒体として多くの使用実績がある。例えば、R−3
2、R−123、R−125,R−134a、R−14
2b、R−143a、R152a等が好ましい。
る、標準沸点がシステム構成に適している等の利点があ
り、媒体として多くの使用実績がある。例えば、R−3
2、R−123、R−125,R−134a、R−14
2b、R−143a、R152a等が好ましい。
【0047】アルコール系化合物は、等エントロピー性
に優れ、例えば、TFE(2,2,2−トリフロロエタ
ノール、Tri-Fluoro-Ethanol)、メタノール、HFIP
(ヘキサフロロイソプロパノール、Hexa-Fluoro-Iso-Pr
opanol)等が好ましく用いられる。
に優れ、例えば、TFE(2,2,2−トリフロロエタ
ノール、Tri-Fluoro-Ethanol)、メタノール、HFIP
(ヘキサフロロイソプロパノール、Hexa-Fluoro-Iso-Pr
opanol)等が好ましく用いられる。
【0048】復水器10の内部には、冷熱源として海水
が流されている。効率よく冷却を行うためには、冬季海
水あるいは深層海水等の冷海水を使用することが好まし
い。深層海水としては、採取地域、気候などにもよる
が、例えば、水深100m以下の海水が好ましい。
が流されている。効率よく冷却を行うためには、冬季海
水あるいは深層海水等の冷海水を使用することが好まし
い。深層海水としては、採取地域、気候などにもよる
が、例えば、水深100m以下の海水が好ましい。
【0049】次に、本実施例に係る使用済み燃料利用発
電プロセスについて、図1を参照して説明する。燃料貯
蔵プール1では、貯蔵されている使用済み燃料23を、
プール水により冷却・除熱する。こうして、使用済み燃
料23の崩壊熱エネルギーを、プール水へ移し、温水と
なったプール水を熱源として利用する。
電プロセスについて、図1を参照して説明する。燃料貯
蔵プール1では、貯蔵されている使用済み燃料23を、
プール水により冷却・除熱する。こうして、使用済み燃
料23の崩壊熱エネルギーを、プール水へ移し、温水と
なったプール水を熱源として利用する。
【0050】燃料貯蔵プール1で温水となったプール水
は、プール水循環設備2を介して熱交換器3に導かれ、
ここで非水蒸気低沸点媒体と熱交換を行う。すなわち、
熱交換器3において、使用済み燃料から取り出された熱
エネルギーが、非水蒸気低沸点媒体に伝達され、非水蒸
気低沸点媒体の少なくとも一部は気体状となる。熱交換
後のプール水は、プール水循環設備13を介して燃料貯
蔵プール1へと戻される。
は、プール水循環設備2を介して熱交換器3に導かれ、
ここで非水蒸気低沸点媒体と熱交換を行う。すなわち、
熱交換器3において、使用済み燃料から取り出された熱
エネルギーが、非水蒸気低沸点媒体に伝達され、非水蒸
気低沸点媒体の少なくとも一部は気体状となる。熱交換
後のプール水は、プール水循環設備13を介して燃料貯
蔵プール1へと戻される。
【0051】熱交換器3において加熱され、少なくとも
一部が気体状となった非水蒸気低沸点媒体は、配管15
を介してタービン7に導かれ、タービン7を駆動する。
タービン7には発電機8が同軸に接続されているため、
タービン7の駆動により発電を行うことができる。
一部が気体状となった非水蒸気低沸点媒体は、配管15
を介してタービン7に導かれ、タービン7を駆動する。
タービン7には発電機8が同軸に接続されているため、
タービン7の駆動により発電を行うことができる。
【0052】タービン7の排気は、排気配管21を介し
て復水器10に導かれ、ここで冷却・凝縮されて液体と
なる。復水器10で液体状となった非水蒸気低沸点媒体
は、復水配管16を通って、復水ポンプ20に送られ昇
圧される。昇圧された液体状の非水蒸気低沸点媒体は、
復水配管17を通り熱交換器3へと導かれ、再びプール
水と熱交換して加熱される。
て復水器10に導かれ、ここで冷却・凝縮されて液体と
なる。復水器10で液体状となった非水蒸気低沸点媒体
は、復水配管16を通って、復水ポンプ20に送られ昇
圧される。昇圧された液体状の非水蒸気低沸点媒体は、
復水配管17を通り熱交換器3へと導かれ、再びプール
水と熱交換して加熱される。
【0053】以上の工程を繰り返すことで、使用済み燃
料の崩壊熱を利用した発電が可能となる。
料の崩壊熱を利用した発電が可能となる。
【0054】図2に、本実施例における熱バランスを計
算した結果の一例を示す。計算条件としては、110 万kW
級沸騰水型原子力発電所内の燃料貯蔵プールに、最大量
の使用済み燃料が保管されている場合を想定している。
算した結果の一例を示す。計算条件としては、110 万kW
級沸騰水型原子力発電所内の燃料貯蔵プールに、最大量
の使用済み燃料が保管されている場合を想定している。
【0055】この時、使用済燃料から発生する熱量は、
15ヶ月運転、60日定検、炉停止21日後という条件におい
て、約3.3MW となる。
15ヶ月運転、60日定検、炉停止21日後という条件におい
て、約3.3MW となる。
【0056】冷熱源は、冬季海水温(あるいは深海水
温)である8 ℃の海水とする。プール水には純水を用
い、非水蒸気低沸点媒体としては単体のアンモニアを使
用する。
温)である8 ℃の海水とする。プール水には純水を用
い、非水蒸気低沸点媒体としては単体のアンモニアを使
用する。
【0057】その結果、本実施例における使用済み燃料
利用発電システムでは、約6.2 %の効率が得られ、約20
5kW の発電量が見込めることがわかった。
利用発電システムでは、約6.2 %の効率が得られ、約20
5kW の発電量が見込めることがわかった。
【0058】以上のようなサイクルを構成することで、
従来は熱として利用されるか、外部環境に排気されてい
た使用済み燃料の残留熱を、電気エネルギーに変換して
利用できる。その結果、原子力発電プラントの全体的な
熱効率を向上させることができ、環境負荷の低減、資源
保護、省エネルギー等に寄与できる。
従来は熱として利用されるか、外部環境に排気されてい
た使用済み燃料の残留熱を、電気エネルギーに変換して
利用できる。その結果、原子力発電プラントの全体的な
熱効率を向上させることができ、環境負荷の低減、資源
保護、省エネルギー等に寄与できる。
【0059】本実施例においては、非水蒸気低沸点媒体
を作動媒体として用いたことにより、従来難しかった使
用済み燃料利用発電システムおよびプロセスを達成する
ことができる。
を作動媒体として用いたことにより、従来難しかった使
用済み燃料利用発電システムおよびプロセスを達成する
ことができる。
【0060】使用済み燃料の熱エネルギーをタービンを
駆動する機械エネルギーに変換し、さらに、発電機を介
して電気エネルギーに変換することができる。
駆動する機械エネルギーに変換し、さらに、発電機を介
して電気エネルギーに変換することができる。
【0061】非水蒸気低沸点媒体の使用については、従
来地熱発電などで実績があり、さらに、単独媒体を用い
ることで、システム構成を単純化して低コスト化を図る
こともできる。
来地熱発電などで実績があり、さらに、単独媒体を用い
ることで、システム構成を単純化して低コスト化を図る
こともできる。
【0062】本実施例のようないわゆるバイナリサイク
ルは、特に小規模発電システムの場合に、コスト的効率
的に有利である。
ルは、特に小規模発電システムの場合に、コスト的効率
的に有利である。
【0063】(実施例2)本実施例に係る使用済み燃料
利用発電システムは、熱取出し系統が、発電系統との間
に、熱媒体が流れる閉ループ配管4と熱交換器5とを有
すること以外は、実施例1に示した使用済み燃料利用発
電システムと同様の構成を有する。
利用発電システムは、熱取出し系統が、発電系統との間
に、熱媒体が流れる閉ループ配管4と熱交換器5とを有
すること以外は、実施例1に示した使用済み燃料利用発
電システムと同様の構成を有する。
【0064】図3に示すように、熱交換器3と熱交換器
5とをつなぐように、閉ループ配管4が設けられてい
る。本実施例においては、閉ループ配管4を流れる熱媒
体として、コストや安全性を考慮して水を用いるが、特
にこれに限られるものではない。アンモニア、代替フロ
ン、液体金属等を使用してもよい。
5とをつなぐように、閉ループ配管4が設けられてい
る。本実施例においては、閉ループ配管4を流れる熱媒
体として、コストや安全性を考慮して水を用いるが、特
にこれに限られるものではない。アンモニア、代替フロ
ン、液体金属等を使用してもよい。
【0065】熱交換器3においては、使用済み燃料の熱
エネルギーで加熱された後プール水循環設備2の内部を
流れるプール水と、閉ループ配管4の内部を流れる熱媒
体との間で熱交換が行われる。
エネルギーで加熱された後プール水循環設備2の内部を
流れるプール水と、閉ループ配管4の内部を流れる熱媒
体との間で熱交換が行われる。
【0066】熱交換器3において、プール水から熱エネ
ルギーを伝達された熱媒体は、閉ループ配管4を通って
熱交換器5に導かれる。
ルギーを伝達された熱媒体は、閉ループ配管4を通って
熱交換器5に導かれる。
【0067】熱交換器5においては、熱媒体と非水蒸気
低沸点媒体との間で熱交換が行われる。熱交換により冷
却された熱媒体は、閉ループ配管4を介して熱交換器3
に戻され、再びプール水と熱交換して加熱される。
低沸点媒体との間で熱交換が行われる。熱交換により冷
却された熱媒体は、閉ループ配管4を介して熱交換器3
に戻され、再びプール水と熱交換して加熱される。
【0068】こうした、熱交換器3、閉ループ配管4お
よび熱交換器5からなる閉ループ中を熱媒体が流れる構
成を採用することで、プール水から非水蒸気低沸点媒体
への熱エネルギーの伝達が、熱媒体を介して間接的に行
われる。したがって、実施例1の効果に加えて、使用済
み燃料の影響でプール水に含まれる放射能の外部への放
出を防ぐことができる。
よび熱交換器5からなる閉ループ中を熱媒体が流れる構
成を採用することで、プール水から非水蒸気低沸点媒体
への熱エネルギーの伝達が、熱媒体を介して間接的に行
われる。したがって、実施例1の効果に加えて、使用済
み燃料の影響でプール水に含まれる放射能の外部への放
出を防ぐことができる。
【0069】(実施例3)図4は、本実施例に係る使用
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
本実施例の使用済み燃料利用発電システムは、作動媒体
として混合媒体を用い、この混合媒体を気液2相とした
後、分離された気体でタービンを駆動して発電する点が
第1の実施例と異なる。
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
本実施例の使用済み燃料利用発電システムは、作動媒体
として混合媒体を用い、この混合媒体を気液2相とした
後、分離された気体でタービンを駆動して発電する点が
第1の実施例と異なる。
【0070】熱取出し系統は、実施例1に示した使用済
み燃料利用発電システムと同様である。
み燃料利用発電システムと同様である。
【0071】図4に示すように、熱交換器3とタービン
7との間をつなぐ配管15には、分離器6が設けられて
いる。発電機8が同軸に接続されたタービン7と復水器
10の間の排気配管21には、吸収器9が設置されてい
る。
7との間をつなぐ配管15には、分離器6が設けられて
いる。発電機8が同軸に接続されたタービン7と復水器
10の間の排気配管21には、吸収器9が設置されてい
る。
【0072】復水器10の出口側には復水配管16を介
して給水ポンプ20が接続されている。給水ポンプ20
と熱交換器3を接続する復水配管17には熱交換器12
が設けられている。
して給水ポンプ20が接続されている。給水ポンプ20
と熱交換器3を接続する復水配管17には熱交換器12
が設けられている。
【0073】分離器6の下部には、気液分離された液体
状の混合媒体を吸収器9へ輸送する配管18が接続され
ている。配管18を流れる混合媒体と復水配管17を流
れる混合媒体との間で熱交換を行わせるため、配管18
は、熱交換器12を経由し、減圧器22を経て吸収器9
と接続されている。
状の混合媒体を吸収器9へ輸送する配管18が接続され
ている。配管18を流れる混合媒体と復水配管17を流
れる混合媒体との間で熱交換を行わせるため、配管18
は、熱交換器12を経由し、減圧器22を経て吸収器9
と接続されている。
【0074】混合媒体を構成する複数の成分のうち、少
なくとも一つは水より沸点が低い物質とする。
なくとも一つは水より沸点が低い物質とする。
【0075】こうした混合媒体としては、アンモニアと
水との混合媒体が好ましく用いられる。混合比率は、熱
源温度、圧力等を考慮して最適な値を選択することが望
ましい。なお、効率よく発電を行うためには、分離器6
における気体状の混合媒体と液体状の混合媒体の流量比
が約2:1〜1:2、好ましくは約1.5:1〜1:
1.5、さらに好ましくは約1:1程度になることが望
ましいため、こうした条件を満たすような混合比率を選
択することが好ましい。
水との混合媒体が好ましく用いられる。混合比率は、熱
源温度、圧力等を考慮して最適な値を選択することが望
ましい。なお、効率よく発電を行うためには、分離器6
における気体状の混合媒体と液体状の混合媒体の流量比
が約2:1〜1:2、好ましくは約1.5:1〜1:
1.5、さらに好ましくは約1:1程度になることが望
ましいため、こうした条件を満たすような混合比率を選
択することが好ましい。
【0076】次に、本実施例に係る使用済み燃料利用発
電プロセスについて、図4を参照して説明する。
電プロセスについて、図4を参照して説明する。
【0077】実施例1と同様に、燃料貯蔵プール1内の
使用済み燃料23の崩壊熱で加熱されたプール水は、プ
ール水循環設備2を介して熱交換器3に導かれ、ここで
混合媒体と熱交換を行う。すなわち、熱交換器3におい
ては、使用済み燃料から取り出された熱エネルギーが、
混合媒体に伝達され、混合媒体の少なくとも一部は気体
状となる。このとき、低沸点成分のほうが容易に気体状
とされる。熱交換後のプール水は、プール水循環設備1
3を介して燃料貯蔵プール1へと戻される。
使用済み燃料23の崩壊熱で加熱されたプール水は、プ
ール水循環設備2を介して熱交換器3に導かれ、ここで
混合媒体と熱交換を行う。すなわち、熱交換器3におい
ては、使用済み燃料から取り出された熱エネルギーが、
混合媒体に伝達され、混合媒体の少なくとも一部は気体
状となる。このとき、低沸点成分のほうが容易に気体状
とされる。熱交換後のプール水は、プール水循環設備1
3を介して燃料貯蔵プール1へと戻される。
【0078】熱交換器3で加熱され、少なくとも一部が
気体状となり気液2相となった混合媒体は、配管15を
通って分離器6に導かれ、気体と液体とに分離される。
こうして分離された気体状の混合媒体中には高濃度の低
沸点成分が含まれるが、液体状の混合媒体に含まれる低
沸点成分の濃度は低い。
気体状となり気液2相となった混合媒体は、配管15を
通って分離器6に導かれ、気体と液体とに分離される。
こうして分離された気体状の混合媒体中には高濃度の低
沸点成分が含まれるが、液体状の混合媒体に含まれる低
沸点成分の濃度は低い。
【0079】気体状混合媒体は、分離器6の上部に接続
された配管15を介して、タービン7に導かれ、タービ
ン7を駆動する。タービン7が駆動されると、これと同
軸に接続された発電機8により発電が行われる。
された配管15を介して、タービン7に導かれ、タービ
ン7を駆動する。タービン7が駆動されると、これと同
軸に接続された発電機8により発電が行われる。
【0080】液体状混合媒体は、分離器6の下部に接続
された配管18を介して熱交換器12へと導かれ、ここ
で復水配管17を流れる混合媒体と熱交換して冷却され
た後、減圧器22へ送られる。
された配管18を介して熱交換器12へと導かれ、ここ
で復水配管17を流れる混合媒体と熱交換して冷却され
た後、減圧器22へ送られる。
【0081】液体状混合媒体は、減圧器22においてタ
ービン7の排気と同等の圧力まで減圧される。減圧後、
吸収器9へと送られ、タービン7からの排気と共に吸収
器9で混合・吸収された後、復水器10で冷却・凝縮さ
れ液体となる。
ービン7の排気と同等の圧力まで減圧される。減圧後、
吸収器9へと送られ、タービン7からの排気と共に吸収
器9で混合・吸収された後、復水器10で冷却・凝縮さ
れ液体となる。
【0082】復水器10で液体となった混合媒体は、復
水配管16を通って、復水ポンプ20に送られ昇圧され
る。昇圧された混合媒体は、復水配管17で熱交換器1
2へ導かれ、分離器6で分離された液体状混合媒体と熱
交換を行い加熱される。
水配管16を通って、復水ポンプ20に送られ昇圧され
る。昇圧された混合媒体は、復水配管17で熱交換器1
2へ導かれ、分離器6で分離された液体状混合媒体と熱
交換を行い加熱される。
【0083】熱交換器12で熱交換を行った混合媒体
は、復水配管17で熱交換器3へと送られ再びプール水
と熱交換して加熱される。
は、復水配管17で熱交換器3へと送られ再びプール水
と熱交換して加熱される。
【0084】以上の工程を繰り返すことで、使用済み燃
料の崩壊熱を利用した発電が可能となる。
料の崩壊熱を利用した発電が可能となる。
【0085】なお、本実施例においては、吸収器9と復
水器10とを別々に設けたが、一体としてもよい。ま
た、熱交換器12を設けることで、混合媒体の温度制御
を効率よく行えるようにしたが、条件によっては、こう
した手段や工程を設けなくてもよい。
水器10とを別々に設けたが、一体としてもよい。ま
た、熱交換器12を設けることで、混合媒体の温度制御
を効率よく行えるようにしたが、条件によっては、こう
した手段や工程を設けなくてもよい。
【0086】図5に、本実施例における熱バランスを計
算した結果の一例を示す。計算条件としては、110 万kW
級沸騰水型原子力発電所内の燃料貯蔵プールに、最大量
の使用済み燃料が保管されている場合を想定している。
このとき、使用済燃料から発生する熱量は、15ヶ月運
転、60日定検、炉停止21日後という条件において、約3.
3MW となる。冷熱源は、冬季海水温( あるいは深海水
温) である8 ℃の海水とする。
算した結果の一例を示す。計算条件としては、110 万kW
級沸騰水型原子力発電所内の燃料貯蔵プールに、最大量
の使用済み燃料が保管されている場合を想定している。
このとき、使用済燃料から発生する熱量は、15ヶ月運
転、60日定検、炉停止21日後という条件において、約3.
3MW となる。冷熱源は、冬季海水温( あるいは深海水
温) である8 ℃の海水とする。
【0087】混合媒体としては水・アンモニア混合媒体
を想定している。アンモニア濃度は、約85%(アンモ
ニア重量/混合媒体重量x100%)である。
を想定している。アンモニア濃度は、約85%(アンモ
ニア重量/混合媒体重量x100%)である。
【0088】その結果、本実施例における使用済み燃料
利用発電システムでは、約5.9 %の効率が得られ、約19
5kW の発電量が見込めることがわかった。
利用発電システムでは、約5.9 %の効率が得られ、約19
5kW の発電量が見込めることがわかった。
【0089】以上のようなサイクルを構成することによ
って、従来は熱として利用されるか、外部環境に排気さ
れていた使用済み燃料の残留熱を、電気エネルギーに変
換して利用できる。その結果、原子力発電プラントの全
体的な熱効率を向上させることができ、環境負荷の低
減、資源保護、省エネルギー等に寄与できる。
って、従来は熱として利用されるか、外部環境に排気さ
れていた使用済み燃料の残留熱を、電気エネルギーに変
換して利用できる。その結果、原子力発電プラントの全
体的な熱効率を向上させることができ、環境負荷の低
減、資源保護、省エネルギー等に寄与できる。
【0090】本実施例においては、作動媒体として、水
より沸点の低い媒体を含む混合媒体を採用することで、
従来困難であった使用済み燃料を利用した発電システム
およびプロセスを達成することができる。
より沸点の低い媒体を含む混合媒体を採用することで、
従来困難であった使用済み燃料を利用した発電システム
およびプロセスを達成することができる。
【0091】使用済み燃料の熱エネルギーをタービンを
駆動する機械エネルギーに変換し、さらに、発電機を介
して電気エネルギーに変換することができる。
駆動する機械エネルギーに変換し、さらに、発電機を介
して電気エネルギーに変換することができる。
【0092】混合媒体を用いると、熱源によって加熱さ
れる際に、非共沸現象により飽和温度が変化するため、
熱源との温度差を小さくして熱交換時の損失を低減でき
る。
れる際に、非共沸現象により飽和温度が変化するため、
熱源との温度差を小さくして熱交換時の損失を低減でき
る。
【0093】また、タービン7の出口においては、高濃
度アンモニア蒸気を低濃度アンモニア水に吸収させるこ
とで凝縮しているので、復水器10における圧力を大気
圧と同程度に設定しても、大きなタービン熱落差を確保
することができる。したがって、低温度差発電において
も、効率よく発電を行える。特に、比較的大規模な発電
システムに有利である。
度アンモニア蒸気を低濃度アンモニア水に吸収させるこ
とで凝縮しているので、復水器10における圧力を大気
圧と同程度に設定しても、大きなタービン熱落差を確保
することができる。したがって、低温度差発電において
も、効率よく発電を行える。特に、比較的大規模な発電
システムに有利である。
【0094】(実施例4)図6は、本実施例に係る使用
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
本実施例に係る使用済み燃料利用発電システムは、熱取
出し系統が、発電系統との間に、熱媒体が流れる閉ルー
プ配管4と熱交換器5とを有すること以外は、実施例3
に示した使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を
有する。
済み燃料利用発電システムの概要を示す系統図である。
本実施例に係る使用済み燃料利用発電システムは、熱取
出し系統が、発電系統との間に、熱媒体が流れる閉ルー
プ配管4と熱交換器5とを有すること以外は、実施例3
に示した使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を
有する。
【0095】図6に示すように、熱交換器3と熱交換器
5とをつなぐように、閉ループ配管4が設けられてい
る。閉ループ配管4を流れる熱媒体としては、コストや
安全性を考慮して水を用いるが、特にこれに限られるも
のではない。アンモニア、代替フロン、液体金属等を使
用してもよい。
5とをつなぐように、閉ループ配管4が設けられてい
る。閉ループ配管4を流れる熱媒体としては、コストや
安全性を考慮して水を用いるが、特にこれに限られるも
のではない。アンモニア、代替フロン、液体金属等を使
用してもよい。
【0096】熱交換器3においては、使用済み燃料の熱
エネルギーで加熱された後プール水循環設備2の内部を
流れるプール水と、閉ループ配管4の内部を流れる熱媒
体との間で熱交換が行われる。
エネルギーで加熱された後プール水循環設備2の内部を
流れるプール水と、閉ループ配管4の内部を流れる熱媒
体との間で熱交換が行われる。
【0097】熱交換器3において、プール水から熱エネ
ルギーを伝達された熱媒体は、閉ループ配管4を通って
熱交換器5に導かれる。
ルギーを伝達された熱媒体は、閉ループ配管4を通って
熱交換器5に導かれる。
【0098】熱交換器5においては、熱媒体と混合媒体
との間で熱交換が行われる。熱交換により冷却された熱
媒体は、閉ループ配管4を介して熱交換器3に戻され、
再びプール水と熱交換して加熱される。
との間で熱交換が行われる。熱交換により冷却された熱
媒体は、閉ループ配管4を介して熱交換器3に戻され、
再びプール水と熱交換して加熱される。
【0099】こうした、熱交換器3、閉ループ配管4お
よび熱交換器5からなる閉ループ中を熱媒体が流れる構
成を採用することで、プール水と混合媒体との熱交換
が、熱媒体を介して間接的に行われる。したがって、実
施例3の効果に加えて、使用済み燃料の影響でプール水
に含まれる放射能の外部への放出を防ぐことができる。
よび熱交換器5からなる閉ループ中を熱媒体が流れる構
成を採用することで、プール水と混合媒体との熱交換
が、熱媒体を介して間接的に行われる。したがって、実
施例3の効果に加えて、使用済み燃料の影響でプール水
に含まれる放射能の外部への放出を防ぐことができる。
【0100】(実施例5)本実施例における使用済み燃
料利用発電システムは、プール水循環設備2、13の燃
料貯蔵プール1への接続部分の構成以外は、実施例1の
使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を有する。
料利用発電システムは、プール水循環設備2、13の燃
料貯蔵プール1への接続部分の構成以外は、実施例1の
使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を有する。
【0101】図7、8に、燃料貯蔵プール1と、プール
水循環設備2、13との関係を模式的に示す。
水循環設備2、13との関係を模式的に示す。
【0102】図7においては、燃料貯蔵プール1の相対
する側壁に、プール水循環設備2の入口側が接続される
取水口と、プール水循環設備13の出口側が接続される
放水口がそれぞれ設けられている。取水口の位置は、プ
ール水位より低くならない範囲で、放水口の位置より高
くする。
する側壁に、プール水循環設備2の入口側が接続される
取水口と、プール水循環設備13の出口側が接続される
放水口がそれぞれ設けられている。取水口の位置は、プ
ール水位より低くならない範囲で、放水口の位置より高
くする。
【0103】取水口を燃料貯蔵プール1のプール水位の
上部、すなわち水面付近の側壁に設け、放水口をプール
水位の下部、すなわちのプール底部付近の側壁に設ける
ことが好ましい。
上部、すなわち水面付近の側壁に設け、放水口をプール
水位の下部、すなわちのプール底部付近の側壁に設ける
ことが好ましい。
【0104】図8においては、プール水循環設備2の入
口側は、燃料貯蔵プール1の側壁を乗り越えて燃料貯蔵
プール1内に至り、プール水24中に取水口が設けられ
ている。同様に、プール水循環設備13の出口側は、燃
料貯蔵プール1の側壁を乗り越えて燃料貯蔵プール1内
に至り、プール水24中に放水口が設けられている。
口側は、燃料貯蔵プール1の側壁を乗り越えて燃料貯蔵
プール1内に至り、プール水24中に取水口が設けられ
ている。同様に、プール水循環設備13の出口側は、燃
料貯蔵プール1の側壁を乗り越えて燃料貯蔵プール1内
に至り、プール水24中に放水口が設けられている。
【0105】このとき、放水口より取水口の方が水面近
くに位置するようにする。取水口をプール水位の上部、
すなわちプール水24内の水面近くに設け、放水口はプ
ール水位の下部、すなわちプールの底部付近に設けるこ
とが好ましい。
くに位置するようにする。取水口をプール水位の上部、
すなわちプール水24内の水面近くに設け、放水口はプ
ール水位の下部、すなわちプールの底部付近に設けるこ
とが好ましい。
【0106】こうした構成によれば、使用済み燃料の残
留熱で加熱されて、燃料貯蔵プール1内のプール水の表
面に向かって対流する高温のプール水をプール水循環設
備2に取水することができる。
留熱で加熱されて、燃料貯蔵プール1内のプール水の表
面に向かって対流する高温のプール水をプール水循環設
備2に取水することができる。
【0107】また、熱交換器3で冷却されたプール水
を、プール水循環設備13により燃料貯蔵プール1内の
プール水24の下部へ戻すことで、効率的に使用済み燃
料23を冷却できる。
を、プール水循環設備13により燃料貯蔵プール1内の
プール水24の下部へ戻すことで、効率的に使用済み燃
料23を冷却できる。
【0108】本実施例に示したプール水循環設備2、1
3の燃料貯蔵プール1への接続部分の構成は、実施例1
の使用済み燃料利用発電システムのみではなく、実施例
2〜4の使用済み燃料利用発電システムと組み合わせる
こともできる。
3の燃料貯蔵プール1への接続部分の構成は、実施例1
の使用済み燃料利用発電システムのみではなく、実施例
2〜4の使用済み燃料利用発電システムと組み合わせる
こともできる。
【0109】(実施例6)本実施例における使用済み燃
料利用発電システムは、使用済み燃料貯蔵プール1から
の取水のために温水収集装置を用いたこと以外は、実施
例1の使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を有
する。
料利用発電システムは、使用済み燃料貯蔵プール1から
の取水のために温水収集装置を用いたこと以外は、実施
例1の使用済み燃料利用発電システムと同様の構成を有
する。
【0110】図9に、燃料貯蔵プール1と、温水収集装
置25、プール水循環設備2および13の関係を模式的
に示す。図に示すように、使用済み燃料が収納されたそ
れぞれの貯蔵ラック27には、上方から温水収集装置2
5が被せられている。温水収集装置25は、空気を注入
することで上下させることができ、容易に移動可能であ
る。
置25、プール水循環設備2および13の関係を模式的
に示す。図に示すように、使用済み燃料が収納されたそ
れぞれの貯蔵ラック27には、上方から温水収集装置2
5が被せられている。温水収集装置25は、空気を注入
することで上下させることができ、容易に移動可能であ
る。
【0111】各温水収集装置25には、収集された温水
を回収するための温水回収配管26が接続されている。
この温水回収配管26の出口側は、プール水循環設備2
に接続されている。
を回収するための温水回収配管26が接続されている。
この温水回収配管26の出口側は、プール水循環設備2
に接続されている。
【0112】使用済み燃料の崩壊熱により加熱された温
水は、使用済み燃料貯蔵ラック27を覆う温水収集装置
25に収集される。収集された温水は温水回収配管26
を通ってプール水循環設備2に入り、熱交換器3におい
て熱交換して冷却された後、プール水循環設備13によ
り燃料貯蔵プール1に戻される。
水は、使用済み燃料貯蔵ラック27を覆う温水収集装置
25に収集される。収集された温水は温水回収配管26
を通ってプール水循環設備2に入り、熱交換器3におい
て熱交換して冷却された後、プール水循環設備13によ
り燃料貯蔵プール1に戻される。
【0113】本実施例においては、温水収集装置25を
用いることで、実施例1の効果に加えて、高温の温水を
取水することができ、発電効率の向上が可能となる。
用いることで、実施例1の効果に加えて、高温の温水を
取水することができ、発電効率の向上が可能となる。
【0114】さらに、温水回収装置25の上下位置を調
節することで、加熱されるプール水の量を調節できるた
め、収集する温水の温度や量を調節可能である。したが
って、崩壊熱が減少した場合でも、収集する温水の温度
を高く保てる。また、温水の使用状況等に合わせて、収
集する温水の温度をコントロールすることもできる。
節することで、加熱されるプール水の量を調節できるた
め、収集する温水の温度や量を調節可能である。したが
って、崩壊熱が減少した場合でも、収集する温水の温度
を高く保てる。また、温水の使用状況等に合わせて、収
集する温水の温度をコントロールすることもできる。
【0115】本実施例に示した温水回収装置は、実施例
1の使用済み燃料利用発電システムのみではなく、実施
例2〜4の使用済み燃料利用発電システムと組み合わせ
て使用することもできる。実施例5に示した放水口と組
み合わせて使用してもよい。
1の使用済み燃料利用発電システムのみではなく、実施
例2〜4の使用済み燃料利用発電システムと組み合わせ
て使用することもできる。実施例5に示した放水口と組
み合わせて使用してもよい。
【0116】また、使用する温水回収装置の個数は、燃
料プールの大きさ、プール内の貯蔵ラックの数、コスト
等を考慮して適宜選択することが好ましい。
料プールの大きさ、プール内の貯蔵ラックの数、コスト
等を考慮して適宜選択することが好ましい。
【0117】
【発明の効果】以上に記述したように、本発明の使用済
み燃料利用発電プロセスおよびシステムによれば、使用
済み燃料から発生する崩壊熱を、電気エネルギーに変換
することによって有効利用し、プラント全体としての熱
利用効率を向上できる。
み燃料利用発電プロセスおよびシステムによれば、使用
済み燃料から発生する崩壊熱を、電気エネルギーに変換
することによって有効利用し、プラント全体としての熱
利用効率を向上できる。
【図1】実施例1に係る使用済み燃料利用発電システム
の概要を示す系統図。
の概要を示す系統図。
【図2】実施例1における熱バランスの計算結果の一例
を示す熱バランス図。
を示す熱バランス図。
【図3】実施例2に係る使用済み燃料利用発電システム
の概要を示す系統図。
の概要を示す系統図。
【図4】実施例3に係る使用済み燃料利用発電システム
の概要を示す系統図。
の概要を示す系統図。
【図5】実施例3における熱バランスの計算結果の一例
を示す熱バランス図。
を示す熱バランス図。
【図6】実施例4に係る使用済み燃料利用発電システム
の概要を示す系統図。
の概要を示す系統図。
【図7】実施例5に係る使用済み燃料利用発電システム
の燃料貯蔵プール周辺の構造を模式的に示す図。
の燃料貯蔵プール周辺の構造を模式的に示す図。
【図8】実施例5に係る使用済み燃料利用発電システム
の燃料貯蔵プール周辺の構造を模式的に示す図。
の燃料貯蔵プール周辺の構造を模式的に示す図。
【図9】実施例6に係る使用済み燃料利用発電システム
の燃料貯蔵プール周辺の構造をを模式的に示す図。
の燃料貯蔵プール周辺の構造をを模式的に示す図。
1…燃料貯蔵プール、2、13…プール水循環設備、
3、5、12…熱交換器、4…閉ループ配管、6…分離
器、7…タービン、8…発電機、9…吸収器、10…復
水器、11、16、17…復水配管、15、18、19
…配管、20…給水ポンプ、21…排気配管、22…減
圧器、23…使用済み燃料、24…プール水、25…温
水収集装置、26…温水回収配管、27…貯蔵ラック。
3、5、12…熱交換器、4…閉ループ配管、6…分離
器、7…タービン、8…発電機、9…吸収器、10…復
水器、11、16、17…復水配管、15、18、19
…配管、20…給水ポンプ、21…排気配管、22…減
圧器、23…使用済み燃料、24…プール水、25…温
水収集装置、26…温水回収配管、27…貯蔵ラック。
Claims (10)
- 【請求項1】 使用済み燃料の熱エネルギーを取出す取
出し工程と、 取出された熱エネルギーにより非水蒸気低沸点媒体を昇
温させ前記非水蒸気低沸点媒体の少なくとも一部を気体
状とする昇温工程と、 気体状となった前記非水蒸気低沸点媒体により、タービ
ンを駆動する駆動工程と、 前記タービンを駆動した非水蒸気低沸点媒体を液体状に
する復液工程と、 液体状となった前記非水蒸気低沸点媒体を前記昇温工程
に供給する供給工程とを有することを特徴とする使用済
み燃料利用発電プロセス。 - 【請求項2】 前記非水蒸気低沸点媒体がハイドロフル
オロカーボン( Hydro Fluoro Carbon、HFC)系化合
物、アルコール系化合物、アンモニアおよびアンモニウ
ム化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求
項1記載の使用済み燃料利用発電プロセス。 - 【請求項3】 使用済み燃料の熱エネルギーを取出す取
出し工程と、 少なくとも第1の媒体と前記第1の媒体に易溶性の第2
の媒体とを含む混合媒体を、前記取出し工程において取
出された熱エネルギーで昇温させ、前記第2の媒体の少
なくとも一部を気体状とする昇温工程と、 前記第2の媒体の少なくとも一部が気体状となった前記
混合媒体を気液分離する分離工程と、 前記分離工程で分離された気体状の混合媒体でタービン
を駆動する駆動工程と、 前記分離工程で分離された液体状の混合媒体を減圧する
減圧工程と、 前記駆動工程で前記タービンを駆動した混合媒体と前記
減圧工程で減圧された混合媒体とを混合して、気体状の
混合媒体を液体状の混合媒体に吸収させる吸収工程と、 前記吸収工程で得られた混合媒体を前記昇温工程に供給
する供給工程とを有することを特徴とする使用済み燃料
利用発電プロセス。 - 【請求項4】 前記分離工程で分離された気体状の混合
媒体と液体状の混合媒体との流量比が2:1〜1:2で
あることを特徴とする請求項3記載の記載の使用済み燃
料利用発電プロセス。 - 【請求項5】 前記第2の媒体が水よりも沸点の低い物
質であることを特徴とする請求項3または4記載の使用
済み燃料利用発電プロセス。 - 【請求項6】 前記第1の媒体が水であり、前記第2の
媒体がアンモニアであることを特徴とする請求項5記載
の使用済み燃料利用発電プロセス。 - 【請求項7】 使用済み燃料と第1の熱媒体とに熱交換
を行わせる第1の熱交換手段と、 前記使用済み燃料と熱交換した前記第1の熱媒体と第2
の熱媒体とに熱交換を行わせる第2の熱交換手段と、 前記第1の熱媒体を前記第1の熱交換手段から前記第2
の熱交換手段へと輸送し次いで前記第1の熱交換手段へ
と循環させる閉ループ状の熱媒体循環手段と、 前記第1の熱媒体と熱交換した前記第2の熱媒体により
直接あるいは他の熱媒体を介して駆動される発電手段と
を有することを特徴とする使用済み燃料利用発電システ
ム。 - 【請求項8】 前記第1の熱交換手段が、使用済み燃料
を貯蔵する燃料貯蔵プールであり、 前記第1の熱媒体が前記熱貯蔵プール内に保持されるプ
ール水であり、 前記熱媒体循環手段が、プール水取出し口と、このプー
ル水取出し口より低位に設けたプール水戻し口とを有す
るプール水循環手段であることを特徴とする請求項7記
載の使用済み燃料利用発電システム。 - 【請求項9】 前記プール水循環手段が、使用済み燃料
集合体付近の温水を収集する温水収集手段を有すること
を特徴とする請求項7または8記載の使用済み燃料利用
発電システム。 - 【請求項10】 前記温水収集手段が空気注入により移
動可能であることを特徴とする請求項9記載の使用済み
燃料利用発電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11020703A JP2000221297A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 使用済み燃料利用発電プロセスとシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11020703A JP2000221297A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 使用済み燃料利用発電プロセスとシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000221297A true JP2000221297A (ja) | 2000-08-11 |
Family
ID=12034519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11020703A Withdrawn JP2000221297A (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 使用済み燃料利用発電プロセスとシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000221297A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002168132A (ja) * | 2000-12-04 | 2002-06-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | メタノール・ギ酸メチルの化学エネルギーを用いる熱回収と熱利用および発電の方法 |
WO2003058642A1 (fr) * | 2002-01-08 | 2003-07-17 | Nuclear Power Institut Of China | Reacteur a faible temperature utilisant le combustible epuise d'une centrale nucleaire |
JP2003213251A (ja) * | 2001-10-23 | 2003-07-30 | Ausimont Spa | 電離放射線および/または中性子照射の存在下での熱交換用または作動液としてのフッ素化液体の使用 |
CN1316506C (zh) * | 2002-06-19 | 2007-05-16 | 北京北大青鸟有限责任公司 | 采用核电站乏燃料的深水池核供热反应堆 |
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CN107785092A (zh) * | 2017-11-01 | 2018-03-09 | 中国船舶重工集团公司第七〇九研究所 | 可持久使用的充电宝 |
CN110926049A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-03-27 | 陕西鼓风机(集团)有限公司 | 一种热电联产低温供暖工艺及系统 |
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-
1999
- 1999-01-28 JP JP11020703A patent/JP2000221297A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060404 |