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JP2000159932A - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物および空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2000159932A
JP2000159932A JP10337927A JP33792798A JP2000159932A JP 2000159932 A JP2000159932 A JP 2000159932A JP 10337927 A JP10337927 A JP 10337927A JP 33792798 A JP33792798 A JP 33792798A JP 2000159932 A JP2000159932 A JP 2000159932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber composition
silane coupling
coupling agent
rubber
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10337927A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Yanagisawa
和宏 柳澤
Shunji Araki
俊二 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP10337927A priority Critical patent/JP2000159932A/ja
Publication of JP2000159932A publication Critical patent/JP2000159932A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムーニー粘度が小さく作業性に優れ、破壊強
度等のゴム物性にも優れたゴム組成物と、そのゴム組成
物を用いることにより生産性および耐久性に優れた空気
入りタイヤを提供する。 【解決手段】 ゴム組成物が、ジエン系ゴム成分と、珪
酸を含有する無機充填剤と、アルカリ金属と単体硫黄と
を有機溶媒中で反応させて無水アルカリ硫化物を合成
し、次いで、得られた無水アルカリ硫化物とハロゲン化
アルキルアルコキシシランとを有機溶媒中で反応させる
ことにより合成されたポリスルフィド含有シランカップ
リング剤とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物および
空気入りタイヤに係り、詳しくは、作業性に優れ、高強
度のゴム組成物と、そのゴム組成物を用いた生産性およ
び耐久性に優れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤトレッド用の各種ゴム組成
物が検討されており、例えば、ゴム成分として、天然ゴ
ム等のジエン系ゴムに、充填剤として所定量のシリカを
添加することにより、走行中の発熱を抑えたタイヤが得
られるという提案が知られている。しかし、シリカを配
合すると発熱は抑えられるが、シリカ−ゴム成分間の物
理的結合は、カーボンブラック−ゴム成分間の結合に比
べて弱いため、タイヤの耐摩耗性は通常のカーボンブラ
ック系に比べて大幅に低下する。また、シリカは粒子同
士が凝集し易く、ゴム中での分散を確保するためには混
練時間を長くする必要がある。このように、シリカ配合
系はバンバリー練り負荷量が大きくなるという問題があ
り、製造コストもかさむため、汎用タイヤへの展開が難
しくなっているのが実状である。そこで、これらシリカ
を添加したゴム組成物では、補強性、耐摩耗性、作業性
を改良するために、シランカップリング剤が使用されて
いる。シランカップリング剤は、シリカ−ゴム成分間の
結合を強化し、耐摩耗性を向上させると同時に、シリカ
表面のシラノール基と反応して水素結合によるシリカ粒
子の凝集を妨げ、作業性を改良する。特に、硫黄含有の
シランカップリング剤は、ゴム成分と加硫反応により容
易に結合する点で、好適に使用されている。この硫黄含
有のシランカップリング剤については、種々の合成法が
知られているが、工業的には、特公昭51−28623
号公報や特開平7−228588号公報に記載されてい
るように、硫化ナトリウム、多硫化ナトリウム等のアル
カリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシシランとの
反応により製造されている。しかしながら、この方法で
製造したシランカップリング剤を用いてゴム組成物を製
造すると、ムーニー粘度等の物性のバラツキが大きく、
その原因の究明が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事実
に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、ムーニー粘
度が小さく作業性に優れ、破壊強度等のゴム物性にも優
れたゴム組成物と、そのゴム組成物を用いることにより
生産性および耐久性に優れた空気入りタイヤを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ゴム組成
物に配合される硫黄含有のシランカップリング剤の製造
方法に着目し、鋭意検討の結果、下記の手段によって、
前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、(1)本発明のゴム組成物は、
以下の成分(A)〜(C)を含有することを特徴とす
る。 (A)ジエン系ゴム成分 (B)珪酸を含有する無機充填剤 (C)アルカリ金属と単体硫黄とを有機溶媒中で反応さ
せて無水アルカリ硫化物を合成し、次いで、得られた無
水アルカリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシシラ
ンとを有機溶媒中で反応させることにより合成されたポ
リスルフィド含有シランカップリング剤
【0006】(2)前記(1)に記載のシランカップリ
ング剤が、前記アルカリ金属と単体硫黄との反応後、得
られた無水アルカリ硫化物を単離することなく、該無水
アルカリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシシラン
との反応を、前記アルカリ金属と単体硫黄との反応に用
いた有機溶媒と同一の有機溶媒中で連続して行うことに
より合成されたことを特徴とする。
【0007】(3)(1)または(2)に記載のゴム組
成物において、前記ジエン系ゴム成分(A)100重量
部に対して、前記珪酸を含有する無機充填剤(B)を2
〜130重量部含有し、前記ポリスルフィド含有シラン
カップリング剤(C)を、該成分(B)に対して1〜2
0重量%含有してなることを特徴とする。
【0008】(4)(1)〜(3)に記載のゴム組成物
において、前記珪酸を含有する無機充填剤(B)が、B
ET比表面積40〜350m2 /gのシリカであること
を特徴とする。
【0009】(5)(1)〜(4)に記載のゴム組成物
において、前記ポリスルフィド含有シランカップリング
剤(C)は、その分子中の硫黄原子の割合が10〜25
重量%であることを特徴とする。
【0010】(6)(1)〜(5)に記載のゴム組成物
において、前記ポリスルフィド含有シランカップリング
剤(C)は、その単量体の割合が90%以上であること
を特徴とする。
【0011】(7)本発明の空気入りタイヤは、(1)
〜(6)に記載のゴム組成物をトレッドゴムとして用い
たことを特徴とする。
【0012】本発明のゴム組成物は、上記のように、ジ
エン系ゴム成分、珪酸を含有する無機充填剤、及びシラ
ンカップリング剤を含有するゴム組成物において、シラ
ンカップリング剤が、アルカリ金属と単体硫黄とを有機
溶媒中で反応させて無水アルカリ硫化物を合成し、次い
で、得られた無水アルカリ硫化物とハロゲン化アルキル
アルコキシシランとを有機溶媒中で反応させることによ
り合成されたポリスルフィド含有シランカップリング剤
であることに大きな特徴がある。
【0013】硫化ナトリウム、多硫化ナトリウム等のア
ルカリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシシランと
の反応による従来の製造方法では、副反応であるハロゲ
ン化アルキルアルコキシシラン同士の脱水縮合反応によ
る多量化物の生成を抑制するために、アルカリ硫化物を
乾燥させて無水物とした後、使用している。しかし、無
水アルカリ硫化物は非常に潮解性が高く水分を吸収し易
いために、アルカリ硫化物の吸湿により反応系内に水分
が取り込まれ、ハロゲン化アルキルアルコキシシラン同
士の脱水縮合反応による多量化を引き起し、90%以上
の単量体を得ることは困難であった。この多量化物は珪
酸との反応性が低く、ゴム組成物のムーニー粘度が大き
くなったり、耐摩耗性、破壊強度等の補強特性を悪化さ
せる。
【0014】発明者等は、鋭意研究の結果、アルカリ金
属と単体硫黄とを有機溶媒中で反応させて無水アルカリ
硫化物を合成することで、上述の副生成物を抑制するこ
とができるという知見を得るに至り、ムーニー粘度が小
さく作業性に優れ、破壊強度等のゴム物性に優れた本発
明のゴム組成物が得られたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、以下の
(A)〜(C)の成分を含有する。 (A)ジエン系ゴム成分 (B)珪酸を含有する無機充填剤 (C)ポリスルフィド含有シランカップリング剤
【0016】(A)ジエン系ゴム成分 本発明のゴム組成物に用いられるジエン系ゴム成分は、
天然ゴム(NR)及び合成ゴムのいずれでもよく、合成
ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプ
レンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2以上組みあわせて用いてもよい。例
えば、NRとSBR、NRとBR、あるいは、NRとS
BRとBRとを配合して用いることもできる。
【0017】(B)珪酸を含有する無機充填剤 本発明の珪酸を含有する無機充填剤は、珪酸を含有する
ものであれば特に制限はなく、シリカ、アルミノ珪酸
塩、ゼオライト、クレー等を用いることができるが、通
常は、シリカを用いる。
【0018】シリカとしては沈降法による合成シリカが
好ましく使用される。具体的には、日本シリカ工業
(株)製の「ニップシールAQ」、ドイツデグサ社製の
「ULTRASIL VN3」、「BV3370G
R」、ローディア社製の「Zeosil 1165M
P」、「Zeosil 165GR」、「Zeosil
175P」、PPG社製の「Hisil 233」、
「Hisil 210」、「Hisil 255」等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。本発明に
おいては、BET比表面積40〜350m2 /gの特性
を有するものが好ましい。
【0019】珪酸を含有する無機充填剤の配合量は、ジ
エン系ゴム成分100重量部に対して、2〜130重量
部が好ましく、10〜90重量部がより好ましい。充填
剤の配合量が2重量部未満では十分な補強性を得られ
ず、130重量部を超えると分散負荷がかかり作業性が
低下する。
【0020】(C)ポリスルフィド含有シランカップリ
ング剤 本発明においては、ゴム組成物にポリスルフィド含有シ
ランカップリング剤を配合する。本発明のポリスルフィ
ド含有シランカップリング剤は、下記一般式(1)で表
される構造を有している。
【0021】
【化1】 式中、R1 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、ま
たはイソプロピル基を表し、R2 はメチル基、またはエ
チル基を表す。R3 は炭素数1〜15の飽和または不飽
和のアルキレン基または炭素数7〜15のフェニレンを
含有する飽和または不飽和のアルキレン基を表す。nは
0〜2の整数を表す。また、ポリスルフィド部のSyの
yはポリスルフィド部の硫黄原子の平均数を表し、1<
y≦5、好ましくは2≦y≦4である。
【0022】ここで、硫黄原子の平均数とは、ポリスル
フィド部におけるS1 〜S9 のような原子数の異なる硫
黄原子の分布の平均の数を意味する。硫黄原子の平均数
yが1では、すなわちS1 ではカップリング作用を示さ
ないので補強性が悪化し、yが5を超えると150℃以
上の高温練りにおいて、ゴム成分のゲル化が起こり易く
なり、ムーニー粘度が大幅に上昇して、生産性が劣るこ
とになる。シランカップリング剤分子中の硫黄原子の割
合に換算すると、その割合が10〜25重量%であるこ
とが好ましい。
【0023】上記のシランカップリング剤としては、例
えば、ビス−(トリアルコキシシリルアルキル)ポリス
ルフィドのアルコキシ基がメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基であり、アルキレン
部分が炭素数1〜15のアルキレン基であり、ポリスル
フィド基−Sy−が上記硫黄原子の平均数を有する基で
ある化合物等が用いられる。
【0024】本発明のポリスルフィド含有シランカップ
リング剤は、下記反応スキームに示すように、アルカリ
金属と単体硫黄とを有機溶媒中で反応させて無水アルカ
リ硫化物を合成し、次いで、得られた無水アルカリ硫化
物とハロゲン化アルキルアルコキシシランとを有機溶媒
中で反応させることにより合成されたことを特徴とす
る。
【0025】
【化2】
【0026】このように、アルカリ金属と単体硫黄とか
らの無水アルカリ硫化物の合成を有機溶媒中で行い、こ
れを単離することなくハロゲン化アルキルアルコキシシ
ランと反応させることにより、無水条件を維持すること
ができ、反応系内に取り込まれた水分により引き起こさ
れる副反応を防止することができる。
【0027】アルカリ金属としては、金属ナトリウム、
金属カリウム等が挙げられるが,コスト、反応性の面か
ら金属ナトリウムが好ましい。
【0028】単体硫黄は、特に限定されないが、昇華硫
黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等が挙げられる。
【0029】アルカリ金属と単体硫黄との反応に用いる
有機溶媒は、極性溶媒が好ましく、例えば、ジメトキシ
エタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒
や、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒が特
に好ましく用いられる。
【0030】アルカリ金属と単体硫黄との反応は、不活
性気体で置換した反応容器中に上記有機溶媒を入れ、ア
ルカリ金属と単体硫黄とを加えて、溶媒の還流温度で、
無水アルカリ硫化物の沈殿が十分に析出するまで加熱攪
拌することにより行う。単体硫黄は、硫黄原子換算で、
アルカリ金属に対して0.5〜2.5モル用いるのが好
ましく、1.0〜2.0モルがより好ましい。溶媒は、
予め水分を除去したものを用いることが好ましい。
【0031】反応終了後、ハロゲン化アルキルアルコキ
シシランを加え、得られた無水アルカリ硫化物とハロゲ
ン化アルキルアルコキシシランとを反応させる。この反
応は、工程の簡略化等を考慮すると、アルカリ金属と単
体硫黄との反応後、得られた無水アルカリ硫化物を単離
することなく、アルカリ金属と単体硫黄との反応に用い
た有機溶媒と同一の有機溶媒中で連続して行うことが好
ましい。
【0032】ハロゲン化アルキルアルコキシシランのア
ルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられるが、シラン
カップリング剤と珪酸との反応時に生じるアルコールの
毒性や、シランカップリング剤と珪酸との反応速度を考
慮すると、エトキシ基を有するものが好ましく、ハロゲ
ン化トリエトキシシランがより好ましい。また、コスト
と反応性の点で、塩素化物が好ましい。
【0033】具体的には、3−クロロプロピルトリエト
キシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、
3−ヨードプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエ
チルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメト
キシシラン、3−クロロプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3
−クロロプロピルジメチルエトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、また、2−
(p−クロロメチル)エチルトリエトキシシランのよう
に、ベンゼン環が含まれていてもよい。この中でも、ク
ロロアルキルトリエトキシシランが好ましく、3−クロ
ロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
【0034】無水アルカリ硫化物とハロゲン化アルキル
アルコキシシランとの反応は、不活性雰囲気下、室温
で、沈殿が十分に消失するまで攪拌することにより行
う。ハロゲン化アルキルアルコキシシランは、無水アル
カリ硫化物に対して、2モル用いるのが好ましい。溶媒
は、予め水分を除去したものを用いることが好ましい。
【0035】反応終了後、塩や未反応の無水アルカリ硫
化物等の固形分を濾過して除き、濾液中の溶媒を減圧除
去することにより、目的のポリスルフィド含有シランカ
ップリング剤を得ることができる。得られたポリスルフ
ィド含有シランカップリング剤は、単量体の割合が90
%以上であり、従来の製造方法に比べて、副反応が抑制
されていることが分かる。
【0036】シランカップリング剤の配合量は、シリカ
の量に対して1〜20重量%、好ましくは3〜15重量
%である。1重量%未満ではシランカップリング剤添加
の効果が不十分で耐摩耗性が低下し、20重量%を超え
るとポリマーのゲル化を引き起し好ましくない。
【0037】本発明のトレッドゴムのゴム組成物には、
本発明の効果を損なわない範囲において、その他の配合
剤として、ゴム工業で通常用いられる酸化亜鉛、ステア
リン酸、老化防止剤、WAX、加硫剤、加硫促進剤等の
成分を適宜配合することができる。
【0038】特に、耐摩耗性を向上させるために、珪酸
を含有する無機充填剤の他に、充填剤としてカーボンブ
ラックを併用して配合することが好ましく、カーボンブ
ラックとしては、SAF、ISAF、HAFが好ましく
使用できるが、特に限定されるものではない。また、カ
ーボンブラックは、ゴム成分100重量部に対して10
0重量部を超えない範囲で配合するのが好ましく、より
好ましくは80重量部である。
【0039】本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム
成分100重量部に対して、前記珪酸を含有する無機充
填剤2〜130重量部と、該無機充填剤に対して1〜2
0重量%の前記ポリスルフィド含有シランカップリング
剤とを配合し、ロール、インターナルミキサー、バンバ
リーミキサー等の混練機を用いて混練した後、硫黄及び
加硫促進剤を配合してさらに混練することにより得ら
れ、成形加工後、加硫を行ない、タイヤトレッド等に用
いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例に何等限定されるもの
ではない。
【0041】以下の方法により、シランカップリング剤
A〜Eを合成した。
【0042】(シランカップリング剤Aの合成)ガス導
入管、還流冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた2リット
ルの反応フラスコ内をアルゴンガスで置換し、ジメトキ
シエタン溶媒600ミリリットル、金属ナトリウム2
3.0g(1.0モル)、単体硫黄64.1g(2.0
モル)を加え、70℃に加熱しながらアルゴンガス気流
下で3時間攪拌を行った。反応終了後、反応溶液を室温
に戻し、無水Na2 n の沈殿が析出している溶液に3
−クロロプロピルトリエトキシシラン481.6g
(2.0モル)を滴下して、室温で5時間攪拌を行っ
た。無水Na2 n の沈殿は反応が進むに連れて消失し
た。最後に、固形物を濾過して除き、濾液を濃縮して、
シランカップリング剤Aを521.0g得た。得られた
シランカップリング剤Aについて、硫黄含有率とモノマ
ーの割合を下記の方法により測定した。結果を表1に示
す。
【0043】(1)硫黄含有率 硫黄含有率は、米LECO社製の硫黄分析装置「SC−
432」を用いて測定した。 (2)モノマーの割合 シランカップリング剤モノマーの割合は、GPC(ゲル
パーミッションクロマトグラフィー)によりRI検出器
を用いて測定した。
【0044】(シランカップリング剤Bの合成)金属ナ
トリウム23.0g(1.0モル)に対して、単体硫黄
32.1g(1.0モル)を加えた他は、シランカップ
リング剤Aの場合と同様にして、シランカップリング剤
Bを442.2g得た。得られたシランカップリング剤
Bの硫黄含有率とモノマーの割合を表1に示す。
【0045】(シランカップリング剤Cの合成)ガス導
入管、還流冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた2リット
ルの反応フラスコ内をアルゴンガスで置換し、無水エタ
ノール溶媒600g、無水Na2 n (市販品)78.
1g(1.0モル)、単体硫黄96.2g(3.0モ
ル)を加え、78℃に加熱しながら5時間攪拌を行っ
た。次いで、エタノールの還流下で、3−クロロプロピ
ルトリエトキシシラン481.6g(2.0モル)を滴
下して、78℃で5時間攪拌を行った。無水Na2 n
の沈殿は反応が進むに連れて消失した。最後に、固形物
を濾過して除き、濾液を濃縮して、シランカップリング
剤Cを501.1g得た。得られたシランカップリング
剤Cの硫黄含有率とモノマーの割合を表1に示す。
【0046】(シランカップリング剤Dの合成)無水N
2 n 78.1g(1.0モル)に対して、単体硫黄
32.1g(1.0モル)を加えた他は、シランカップ
リング剤Cの場合と同様にして、シランカップリング剤
Dを417.4g得た。得られたシランカップリング剤
Dの硫黄含有率とモノマーの割合を表1に示す。
【0047】(シランカップリング剤Eの合成)シラン
カップリング剤Eとして、独デグサ社製「Si69」
(化合物名:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)
テトラスルフィド)を用いた。「Si69」の硫黄含有
率とモノマーの割合を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例1〜2、比較例1〜3)シランカ
ップリング剤A〜Eを用い、下記の表2に示す配合処方
に従って、混練配合を行い、実施例1〜2、比較例1〜
3のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について、
ムーニー粘度、引張り強度、及び300%伸長時の引張
り応力を以下の方法により測定した。測定結果を表2に
示す。
【0050】(1)ムーニー粘度(ML1+4 ) JIS K 6300に準拠して、予熱1分、測定4
分、温度130℃にて、ムーニー粘度を測定した。
【0051】(2)引張り強度(TB)及び300%伸
長時の引張り応力(M300) 150℃で30分間加硫した厚さ2mmのスラブシート
から打ち抜いたJIS3号ダンベル型サンプルを用い
て、JIS K 6301に準拠して、室温(23℃)
にて破断時の引張り強度と300%伸長時の引張り応力
を測定した。
【0052】
【表2】
【0053】表1から、シランカップリング剤A、C、
及びEは硫黄含有量が略同じであり、シランカップリン
グ剤B及びDも硫黄含有量が略同じであることが分か
る。また、シランカップリング剤A及びBはモノマーの
割合が90%以上と高いことが分かる。また、表2か
ら、シランカップリング剤AまたはBを配合した本発明
のゴム組成物は、シランカップリング剤C、D、及びE
を配合した従来のゴム組成物に比べて、300%伸長時
の引張り応力は同等であるが、破断強度が向上している
ことが分かる。未加硫ゴムでのムーニー粘度が低下し、
混練配合も容易であった。これはタイヤ生産において生
産性の向上に結びつくものである。
【0054】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ムーニー
粘度が小さく作業性に優れ、破壊強度等のゴム物性にも
優れたゴム組成物と、そのゴム組成物を用いることによ
り生産性および耐久性に優れた空気入りタイヤが提供さ
れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の成分(A)〜(C)を含有するこ
    とを特徴とするゴム組成物。 (A)ジエン系ゴム成分 (B)珪酸を含有する無機充填剤 (C)アルカリ金属と単体硫黄とを有機溶媒中で反応さ
    せて無水アルカリ硫化物を合成し、次いで、得られた無
    水アルカリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシシラ
    ンとを有機溶媒中で反応させることにより合成されたポ
    リスルフィド含有シランカップリング剤
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属と単体硫黄との反応
    後、得られた無水アルカリ硫化物を単離することなく、
    該無水アルカリ硫化物とハロゲン化アルキルアルコキシ
    シランとの反応を、前記アルカリ金属と単体硫黄との反
    応に用いた有機溶媒と同一の有機溶媒中で連続して行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ジエン系ゴム成分(A)100重量
    部に対して、 前記珪酸を含有する無機充填剤(B)を2〜130重量
    部含有し、 前記ポリスルフィド含有シランカップリング剤(C)
    を、前記珪酸を含有する無機充填剤(B)に対して1〜
    20重量%含有してなることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記珪酸を含有する無機充填剤(B)
    が、BET比表面積40〜350m2 /gのシリカであ
    ることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項
    に記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記ポリスルフィド含有シランカップリ
    ング剤(C)は、その分子中の硫黄原子の割合が10〜
    25重量%であることを特徴とする請求項1から4まで
    のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリスルフィド含有シランカップリ
    ング剤(C)は、その単量体の割合が90%以上である
    ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に
    記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか1項に記
    載のゴム組成物をトレッドゴムとして用いたことを特徴
    とする空気入りタイヤ。
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