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JP2000144114A - 帯電防止用樹脂改質剤 - Google Patents

帯電防止用樹脂改質剤

Info

Publication number
JP2000144114A
JP2000144114A JP10320350A JP32035098A JP2000144114A JP 2000144114 A JP2000144114 A JP 2000144114A JP 10320350 A JP10320350 A JP 10320350A JP 32035098 A JP32035098 A JP 32035098A JP 2000144114 A JP2000144114 A JP 2000144114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
maleic anhydride
maleimide
polyalkylene oxide
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10320350A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Fujii
悟 藤井
Ryozo Hama
良三 濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Kasei Kogyo KK
Original Assignee
Nagase Kasei Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Kasei Kogyo KK filed Critical Nagase Kasei Kogyo KK
Priority to JP10320350A priority Critical patent/JP2000144114A/ja
Publication of JP2000144114A publication Critical patent/JP2000144114A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂、特に、スチレン系樹脂に、その
熱的及び機械的特性を損なうことなく、長期間にわたっ
て持続する帯電防止性を付与することができる樹脂改質
剤を提供することにある。 【解決手段】本発明による帯電防止用樹脂改質剤は、
(A)スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体
と、(B)ポリアルキレンオキサイドモノアルキルエー
テル、ポリアルキレンオキサイドモノフェニルエーテル
及びポリアルキレンオキサイドモノアルキルフェニルエ
ーテルから選ばれる少なくとも1種のポリアルキレンオ
キサイドモノエーテルとの反応生成物か、又はその金属
塩を有効成分とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の帯
電防止用改質剤に関し、詳しくは、特に、スチレン系樹
脂の熱的及び機械的特性を損なうことなく、長期間にわ
たって持続する帯電防止性を付与することができる樹脂
改質剤に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)やA
BS樹脂のようなスチレン系樹脂は、耐衝撃性のほか、
成形加工性、耐熱性、機械的物性等にすぐれており、そ
のために、自動車部品、電気機器部品、情報通信機器や
それらの部品のほか、種々の分野において広く用いられ
ている。
【0003】このように、スチレン系樹脂は、種々の特
性にすぐれているが、しかし、その他の樹脂と同様に、
その成形加工品は、樹脂自体が絶縁体であるために、容
易に帯電し、ほこり等が付着して、外観を損なうのみな
らず、蓄積した静電気の放電による電気ショックや火花
による引火爆発や火災のおそれがあり、更に、電気機器
においては、誤動作が起こる等、種々の問題がある。
【0004】従来、一般に、合成樹脂成形品に帯電防止
性を付与する一つの方法として、それ自体が帯電防止性
を有するポリエチレンオキシドモノアルキルエーテルを
成形前の樹脂に混練配合したり、また、樹脂を成形した
後、その成形品の表面に上記ポリエチレンオキシドモノ
アルキルエーテルを塗布する方法が知られている。しか
し、このような方法によれば、成形品を水洗したり、表
面を拭いたりすることによって、帯電防止効果が低下
し、又は消滅する。他方、ポリエチレンオキシドモノア
ルキルエーテルを樹脂に大量に練り込んだ場合には、相
溶性に欠けるために、成形品の表面にブリードし、べと
ついて、却って、ほこりが付着しやすくなり、また、樹
脂の成形性や成形品としての機械的特性が低下するとい
う問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の帯電
防止剤における上述したような種々の問題を解決するた
めになされたものであって、熱可塑性樹脂、特に、スチ
レン系樹脂に、その熱的及び機械的特性を損なうことな
く、長期間にわたって持続する帯電防止性を付与するこ
とができる樹脂改質剤を提供することを目的とし、更
に、本発明は、そのような改質剤を配合してなる熱可塑
性樹脂組成物、特に、スチレン系樹脂組成物や、それよ
り得られる成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による帯電防止用
樹脂改質剤は、(A)スチレン・マレイミド・無水マレ
イン酸共重合体と、(B)ポリアルキレンオキシドモノ
アルキルエーテル、ポリアルキレンオキシドモノフェニ
ルエーテル及びポリアルキレンオキシドモノアルキルフ
ェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種のポリアル
キレンオキシドモノエーテルとの反応生成物か、又はそ
の金属塩を有効成分とすることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による帯電防止用樹脂改質
剤の第一の原料であるスチレン・マレイミド・無水マレ
イン酸共重合体は、5000〜300000の範囲の数
平均分子量を有すると共に、無水マレイン酸成分1モル
部に対するスチレン成分の割合が1〜50モル部の範囲
にあり、マレイミド成分の割合が1〜20モル部の範囲
にあるものが好ましく、なかでも、10000〜200
000の範囲の数平均分子量、特に、50000〜15
0000の範囲の数平均分子量を有すると共に、無水マ
レイン酸成分1モル部に対するスチレンの割合が1〜4
0モル部の範囲にあり、マレイミド成分の割合が1〜1
5モル部の範囲にあるものが好ましい。このようなスチ
レン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体は、種々の
ものを市販品として入手することができる。
【0008】スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
重合体において、無水マレイン酸成分1モル部に対する
マレイミド成分の割合が1モル部よりも少ないときは、
得られる樹脂改質剤を熱可塑性樹脂に配合したとき、得
られる樹脂組成物の耐熱性の低下が著しく、他方、20
モル部よりも多いときは、ポリアルキレンオキシドモノ
アルキルエーテルとの反応性に乏しく、目的とする樹脂
改質剤を得ることができない。
【0009】スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
重合体において、無水マレイン酸成分1モル部に対する
スチレン成分の割合が1モル部よりも少ないときは、得
られる樹脂改質剤が熱可塑性樹脂、特に、スチレン系樹
脂に対して相溶性に乏しいので好ましくなく、他方、5
0モル部を越えるときは、得られる樹脂改質剤を熱可塑
性樹脂に配合しても、樹脂の表面固有抵抗が低下せず、
帯電防止効果が乏しいので好ましくない。
【0010】本発明による帯電防止用樹脂改質剤の第二
の原料であるポリアルキレンオキシドモノエーテルは、
一般式(I)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル
基、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を有す
るフェニル基を示し、R2は、水素又は炭素数1若しくは
2のアルキル基を示し、nは、5〜100の整数であ
る。)で表わされ、数平均分子量が400〜5000の
範囲にあるのがよい。
【0013】ポリアルキレンオキシドモノエーテルにお
いて、モノエーテルを形成するアルキルアルコール残基
又はアルキルフェノール残基におけるアルキル基の炭素
数が10よりも大きいときは、スチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体との反応生成物として得られる
改質剤の樹脂への相溶性が悪くなる。また、ポリアルキ
レンオキシドモノエーテルの数平均分子量が400より
も小さいときは、後述するように、スチレン・マレイミ
ド・無水マレイン酸共重合体との反応生成物として得ら
れる改質剤を樹脂に配合しても、樹脂に十分な帯電防止
効果を与えることができず、他方、数平均分子量が50
00よりも大きいときは、スチレン・マレイミド・無水
マレイン酸共重合体との反応性に乏しく、目的とする改
質剤を得ることができない。特に、本発明においては、
ポリアルキレンオキシドモノエーテルは、500〜40
00の範囲の数平均分子量を有することが好ましい。
【0014】このようなポリアルキレンオキシドモノエ
ーテルは、通常、対応するポリアルキレンオキシドにア
ルキルアルコール、フェノール又はアルキルフェノール
を反応させることによって得ることができる。ここに、
ポリアルキレンオキシドは、一般に、アルキレンオキシ
ドの開環重合によって得ることができるが、本発明にお
いて、このポリアルキレンオキシドは、単独重合体でも
よく、共重合体でもよい。即ち、ポリアルキレンオキシ
ドは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリエチレンポリプロピレンオキシドのいずれでも
よい。
【0015】しかしながら、本発明においては、これら
種々のポリアルキレンオキシドモノエーテルのなかで
も、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体と
の反応性や、得られる反応生成物の改質剤としての帯電
防止効果や、特に、スチレン系樹脂との相溶性がすぐれ
る点から、特に、ポリエチレンオキシドモノアルキルフ
ェニルエーテル、なかでも、ポリエチレンオキシドモノ
ノニルフェニルエーテルや、ポリプロピレンオキシドモ
ノアルキルエーテル、なかでも、ポリプロピレンオキシ
ドモノブチルエーテルが好ましい。
【0016】先ず、スチレン・マレイミド・無水マレイ
ン酸共重合体と前記ポリアルキレンオキシドモノエーテ
ルとの反応生成物の製造について説明する。この反応生
成物は、バッチ方式、連続方式のいずれによっても製造
することができる。バッチ方式は、例えば、攪拌機を備
えた反応容器中でスチレン・マレイミド・無水マレイン
酸共重合体とポリアルキレンオキシドモノエーテルとを
加熱し、溶融させ、攪拌下に反応させるものであり、連
続方式は、1軸、2軸又は多軸の押出機中で上記二つの
原料を加熱し、溶融させ、攪拌下に反応させるものであ
る。
【0017】いずれの方式においても、スチレン・マレ
イミド・無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキ
シドモノエーテルは、スチレン・マレイミド・無水マレ
イン酸共重合体の無水マレイン酸成分1モル部に対し
て、ポリアルキレンオキシドモノエーテル(即ち、水酸
基成分)は、0.05〜1.5モル部、好ましくは、0.08
〜1.2モル部の範囲、最も好ましくは、0.1〜1.0モル
部の範囲にて用いられる。このスチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分1モル部
に対して、ポリアルキレンオキシドモノエーテル(即
ち、水酸基)を1.5モル部を越えて用いるときは、反応
後に未反応のポリアルキレンオキシドモノエーテルが多
くなり、反応生成物を樹脂改質剤として用いれば、樹脂
組成物の成形性を低下させたり、また、成形品にべたつ
きを生じさせたり、熱的物性の低下を引き起こしたりす
る。スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体の
無水マレイン酸成分1モル部に対して、ポリアルキレン
オキシドモノエーテル(即ち、水酸基)を0.05モル部
を下回って用いるときは、得られる反応生成物が十分な
帯電防止効果をもたない。
【0018】好ましい態様によれば、バッチ式にて改質
剤を製造する場合は、反応容器にスチレン・マレイミド
・無水マレイン酸共重合体と所定量の半分のポリアルキ
レンオキシドモノエーテルを仕込み、窒素雰囲気下に1
70〜300℃、好ましくは190℃〜280℃の温度
に加熱して溶融させ、これらが溶融した後、ポリアルキ
レンオキシドモノエーテルの残りの半分を仕込み、更
に、170〜260℃、好ましくは、190℃〜230
℃の温度で反応させる。反応時間は、通常、10分から
6時間、好ましくは、15分から4時間程度である。
【0019】反応温度が170℃よりも低いときは、ス
チレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体の反応性
が乏しく、他方、300℃を越えるときは、用いるポリ
アルキレンオキシドモノエーテルによっては、分解が起
こって、反応時、スチレン・マレイミド・無水マレイン
酸との相溶性に欠けるので、反応が均一に起こらないお
それがある。
【0020】1軸又は多軸の押出機を用いる連続方式で
は、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体と
所定量の半分のポリアルキレンオキシドモノエーテルを
押出機に仕込み、190〜280℃の温度で溶融混練し
て、冷却して、目的物の前駆体を固体として得た後、こ
れを粉砕し、これをポリアルキレンオキシドモノエーテ
ルの残りの半分と共に、再度、押出機に仕込み、150
℃〜250℃で溶融混練して目的物を得る。
【0021】このようにして、スチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシドモノ
エーテルとの反応生成物、即ち、スチレン・マレイミド
・無水マレイン酸共重合体へのポリアルキレンオキシド
モノエーテルのグラフト型ポリマーとして、本発明によ
る帯電防止用樹脂改質剤を得ることができる。本発明に
よれば、このようなグラフト型ポリマーそのものを熱可
塑性樹脂に配合すれば、帯電防止効果を与えることがで
きるが、グラフト型ポリマーの金属塩も、有効な帯電防
止剤として用いることができる。
【0022】即ち、本発明によれば、スチレン・マレイ
ミド・無水マレイン酸共重合体とポリアルキレンオキシ
ドモノエーテルとの反応に際して、酸無水物基から副次
的に形成されるカルボキシル基や、未反応の酸無水物基
を利用して、得られるグラフト型ポリマーを種々の金属
塩構造としたり、又はグラフト型ポリマーをアイオノマ
ー構造とすることができる。このように、グラフト型ポ
リマーを金属塩構造としたり、アイオノマー構造とする
ことによって、グラフト型ポリマーのゴム弾性的特性を
高めるのみならず、帯電防止効果も高めることができる
場合がある。
【0023】このように、グラフト型ポリマーを金属塩
構造や、又はアイオノマー構造とするには、スチレン・
マレイミド・無水マレイン酸共重合体とポリアルキレン
オキシドモノエーテルとを溶融混練して、反応させる際
に、種々の金属の酸化物や水酸化物、又は炭酸塩、酢酸
塩、有機酸塩(例えば、ステアリン酸塩)等の金属塩を
共存させればよい。ここに、本発明によれば、上記金属
酸化物、水酸化物、金属塩等は、通常、スチレン・マレ
イミド・無水マレイン酸共重合体と前記ポリアルキレン
オキシドモノエーテルとの反応生成物に基づいて、0.0
1〜10重量%、好ましくは、0.05〜5重量%の範囲
で用いられる。
【0024】上記金属塩を形成する金属イオンとして
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、
マグネシウム、亜鉛等の金属イオンを挙げることができ
るが、本発明によれば、特に、リチウム又はナトリウム
イオンが好ましい。
【0025】本発明による帯電防止用樹脂改質剤は、こ
れを熱可塑性樹脂に配合することによって、持続性を有
する帯電防止性を付与することができるが、特に、本発
明による帯電防止用樹脂改質剤は、スチレン系樹脂に好
適に用いることができる。ここに、スチレン系樹脂と
は、スチレン系単量体の単独重合体やスチレン系単量体
とこれに共重合可能なモノマーとの共重合体のほか、こ
れら単独重合体若しくは共重合体とゴム質重合体との混
合物や、単独重合体若しくは共重合体のゴム質重合体に
よる変性物を含むものとする。
【0026】ここに、上記スチレン系単量体としては、
例えば、スチレン、ハロゲン化スチレン(クロロスチレ
ン、ブロモスチレン等)、アルキル化スチレン(α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン等)、ジビニルベンゼン
等を挙げることができる。
【0027】これらスチレン系単量体と共重合可能な単
量体としては、例えば、1−アルケン(エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−オクテン等)、共役ジエン(イソブレン、ブタジエン
等)、一塩基脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等)、不飽和カルボン酸((メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等)及びそれらのエステル類、シアン化ビニル
(アクリロニトリル、メタクリロニトリル)、アルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート(1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート等)等の1種又は2種以上
を挙げることができる。
【0028】代表的なスチレン系樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹
脂)、ブタジエンゴムとのブレンドである耐衝撃性ポリ
スチレン等を挙げることができる。
【0029】本発明による改質剤は、熱可塑性樹脂に対
して、通常、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜2
0重量%の範囲で配合される。
【0030】本発明による樹脂改質剤は、このように、
ポリアルキレンオキシドモノエーテルとスチレン・マレ
イミド・無水マレイン酸共重合体とを前者の末端水酸基
と後者の無水マレイン酸部位との間のエステル化反応に
て結合させることによって、スチレン・マレイミド・無
水マレイン酸共重合体を主鎖とし、ポリアルキレンオキ
シドモノエーテルを側鎖とする適当な分子量を有するグ
ラフト型ポリマーとして、前述したような従来の帯電防
止剤の有する問題を解決したものである。即ち、本発明
の改質剤によれば、主鎖であるスチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体が、これを配合してなる熱可塑
性樹脂組成物の耐熱性の低下を抑制しつつ、熱可塑性樹
脂への相溶性を向上させ、更に、側鎖のポリアルキレン
オキシドモノエーテルの有する帯電防止効果と、改質剤
におけるこの側鎖によるグラフト構造の弾性的な特性に
よる機械的特性の維持の効果とによって、従来の帯電防
止剤にみられない特徴を有するものである。
【0031】更に、本発明による改質剤は、その極性構
造によって、熱可塑性樹脂に配合される種々の極性基を
有する多くの添加剤や充填剤との親和性が高いので、そ
れらの熱可塑性樹脂への分散性を改善することができる
と共に、ブリードによる成形時の金型への付着や成形品
の外観不良の問題も低減するのにも効果的である。
【0032】本発明による改質剤は、成形品の要求特性
や用途に応じて、種々の熱安定剤、酸化防止剤、老化防
止剤、光安定剤、滑剤、離型剤、防曇剤、加工助剤、可
塑剤、着色剤、顔料、充填剤、補強材、難燃剤等の添加
剤と組合わせて、また、必要に応じて、従来より知られ
ている帯電防止剤を併用して、熱可塑性樹脂に配合して
もよい。
【0033】本発明による改質剤は、必要に応じて、上
記の添加剤等と共に、適宜の手段にて熱可塑性樹脂に配
合し、溶融混練して、樹脂組成物とした後、適宜の手段
にて種々の成形品に加工することができる。改質剤を熱
可塑性樹脂に配合し、溶融混練するには、例えば、ヘン
シェルミキサー、バンバリーミキサー、ミキシングロー
ル、ニーダーや、1軸、2軸等の押出機等、従来より知
られているものが適宜に用いられる。また、このように
して得られた樹脂組成物を所要の成形品に加工するに
は、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等、従来
より知られている適宜の手段によることができる。
【0034】本発明による帯電防止用樹脂改質剤は、種
々の樹脂に適用することによって、持続性ある帯電防止
効果を与えることができるほか、樹脂の成形加工性をも
高めることができる。特に、本発明による改質剤は、熱
的及び機械的特性を損なうことなく、スチレン系樹脂に
持続性ある帯電防止性とすぐれた成形加工性を付与する
ことができる。
【0035】本発明による改質剤を配合した熱可塑性、
特に、スチレン系樹脂は、高い帯電防止性を長期間にわ
たって持続して有し、電気機器部品や情報通信機器、そ
れらの部品のほか、自動車部品、包装材料、工業資材、
室内外用部品、雑貨類等、広い分野において好適に用い
ることができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、ポリエチレンオキシドモノエーテル
の反応率は、反応物をサンプリングし、これをジオキサ
ン又はテトラヒドロフランに溶解させた後、水酸化カリ
ウムのメタノール溶液で滴定して、酸価の消失を測定す
る方法から求めた。
【0037】(帯電防止用樹脂改質剤の製造) 実施例1 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体(数平
均分子量140000、スチレン/マレイミド/無水マ
レイン酸モル比=7.25/4.25/1、酸価88.73m
gKOH/g)100gと酸化防止剤(チバ・ガイギー
製イルガノックス1076、以下、同じ)0.1gとポリ
エチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル(ノニル
フェノールエチレンオキシド70モル付加物、数平均分
子量3300)50g(0.015モル)とを仕込み、窒
素雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱して溶融さ
せ、この後、1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固
体として得た。この前駆体の酸価から求めた反応率は9
8%であった。次いで、この前駆体に上記ポリエチレン
オキシドモノノニルフェニルエーテル50g(0.015
モル)を更に加え、200℃〜230℃の温度に加熱
し、1時間反応させて、目的物であるスチレン・マレイ
ミド・無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシド
モノノニルフェニルエーテルとの反応生成物を得た。目
的物の反応率は98%であり、スチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対する
ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモ
ル比は0.38であった。以下、これをSA−1という。
【0038】実施例2 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.1gと実施例1と同じ
ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル50
g(0.015モル)とを仕込み、更に、酢酸ナトリウム
0.6gを加え、窒素雰囲気下に250〜270℃の温度
に加熱して溶融させ、この後、1.5時間反応させて、目
的物の前駆体を固体として得た。この前駆体の酸価から
求めた反応率は98%であった。次いで、この前駆体に
上記ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル
50g(0.015モル)と酢酸ナトリウム0.2gとを加
え、200℃〜230℃の温度に加熱し、1時間反応さ
せて、目的物であるスチレン・マレイミド・無水マレイ
ン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノノニルフェニ
ルエーテルとの反応生成物を得た。目的物の反応率は9
8%であり、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
重合体の無水マレイン酸成分に対するポリエチレンオキ
シドモノノニルフェニルエーテルのモル比は0.38であ
った。以下、これをSA−1Aという。
【0039】実施例3 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.1gとポリエチレンオ
キシドモノノニルフェニルエーテル(ノニルフェノール
エチレンオキシド40モル付加物、数平均分子量194
0)29.1g(0.015モル)とを仕込み、窒素雰囲気
下に250〜270℃の温度に加熱して溶融させ、この
後、1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固体として
得た。この前駆体の酸価から求めた反応率は98%であ
った。次いで、この前駆体に実施例1と同じポリエチレ
ンオキシドモノノニルフェニルエーテル29.1g(0.0
15モル)を加え、200℃〜230℃の温度に加熱
し、1時間反応させて、目的物であるスチレン・マレイ
ミド・無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシド
モノノニルフェニルエーテルとの反応生成物を得た。目
的物の反応率は98%であり、スチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対する
ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモ
ル比は0.38であった。以下、これをSA−2という。
【0040】実施例4 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.1gとポリエチレンオ
キシドモノノニルフェニルエーテル(ノニルフェノール
エチレンオキシド10モル付加物、数平均分子量64
0)9.6g(0.015モル)を仕込み、窒素雰囲気下に
250〜270℃の温度に加熱して溶融させ、この後、
1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固体として得
た。この前駆体の酸価から求めた反応率は98%であっ
た。次いで、この前駆体に実施例1と同じポリエチレン
オキシドモノノニルフェニルエーテル9.6g(0.015
モル)を加え、200℃〜230℃の温度に加熱し、1
時間反応させて、目的物であるスチレン・マレイミド・
無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノノ
ニルフェニルエーテルとの反応生成物を得た。目的物の
反応率は98%であり、スチレン・マレイミド・無水マ
レイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポリエ
チレンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモル比は
0.38であった。以下、これをSA−3という。
【0041】実施例5 2軸押出機((株)プラスチック工学研究所製BT−3
0−S2−42−L)に実施例1と同じスチレン・マレ
イミド・無水マレイン酸共重合体1000gと酸化防止
剤1gと実施例1と同じポリエチレンオキシドモノノニ
ルフェニルエーテル500g(0.15モル)とを仕込
み、窒素雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱し、
30分間溶融混練して、目的物の前駆体を固体として得
た。この前駆体の酸価から求めた反応率は99%であっ
た。次いで、この前駆体に実施例1と同じポリエチレン
オキシドモノノニルフェニルエーテル500g(0.15
モル)を加え、200℃〜230℃の温度に加熱し、溶
融混練して、目的物であるスチレン・マレイミド・無水
マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノノニル
フェニルエーテルとの反応生成物を得た。目的物の反応
率は99%であり、スチレン・マレイミド・無水マレイ
ン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポリエチレ
ンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモル比は0.3
8であった。以下、これをSA−11という。
【0042】実施例6 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.1gと実施例1と同じ
ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル50
g(0.015モル)と塩化リチウム0.8gとを仕込み、
窒素雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱して溶融
させ、この後、1.5時間反応させて、目的物の前駆体を
固体として得た。この前駆体の酸価から求めた反応率は
98%であった。次いで、この前駆体に実施例1と同じ
ポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル50
g(0.015モル)と塩化リチウム0.2gとを加え、2
00℃〜230℃の温度に加熱し、1時間反応させて、
目的物であるスチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
重合体とポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエー
テルとの反応生成物を得た。目的物の反応率は98%で
あり、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体
の無水マレイン酸成分に対するポリエチレンオキシドモ
ノノニルフェニルエーテルのモル比は0.38であった。
以下、これをSA−1Bという。
【0043】実施例7 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.025gと実施例1と
同じポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル
12.5g(0.004モル)とを仕込み、窒素雰囲気下に
250〜270℃の温度に加熱して溶融させ、この後、
1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固体として得
た。この前駆体の酸価から求めた反応率は98%であっ
た。次いで、この前駆体に実施例1と同じポリエチレン
オキシドモノノニルフェニルエーテル12.5g(0.00
4モル)を加え、200℃〜230℃の温度に加熱し、
1時間反応させて、目的物であるスチレン・マレイミド
・無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノ
ノニルフェニルエーテルとの反応生成物を得た。目的物
の反応率は98%であり、スチレン・マレイミド・無水
マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポリ
エチレンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモル比
は0.10であった。以下、これをSA−1−1という。
【0044】実施例8 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.25gと実施例1と同
じポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル1
00g(0.03モル)とを仕込み、窒素雰囲気下に25
0〜270℃に加熱して溶融させ、この後1.5時間反応
させて、目的物の前駆体を固体として得た。この前駆体
の酸価から求めた反応率は98%であった。次いで、こ
の前駆体に実施例1と同じポリエチレンオキシドモノノ
ニルフェニルエーテル100g(0.03モル)を加え、
200℃〜230℃の温度に加熱し、1時間反応させ
て、目的物であるスチレン・マレイミド・無水マレイン
酸共重合体とポリエチレンオキシドモノノニルフェニル
エーテルとの反応生成物を得た。目的物の反応率は98
%であり、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重
合体の無水マレイン酸成分に対するポリエチレンオキシ
ドモノノニルフェニルエーテルのモル比は0.76であっ
た。以下、これをSA−1−2という。
【0045】比較例1 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.004gとポリエチレ
ンオキシドモノノニルフェニルエーテル(ノニルフェノ
ールエチレンオキシド20モル付加物、数平均分子量3
00)4.5g(0.015モル)とを仕込み、窒素雰囲気
下に250〜270℃の温度に加熱して溶融させ、この
後、1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固体として
得た。この前駆体の酸価から求めた反応率は98%であ
った。次いで、この前駆体に上記ポリエチレンオキシド
モノノニルフェニルエーテル4.5g(0.015モル)を
更に加え、200℃〜230℃の温度に加熱し、1時間
反応させて、目的物であるスチレン・マレイミド・無水
マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノノニル
フェニルエーテルとの反応生成物を得た。目的物の反応
率は98%であり、スチレン・マレイミド・無水マレイ
ン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポリエチレ
ンオキシドモノノニルフェニルエーテルのモル比は0.3
8であった。以下、これをSA−4という。
【0046】実施例9 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.06gとポリオキシエ
チレンラウリルエーテル(数平均分子量2000)30
g(0.015モル)とを仕込み、窒素雰囲気下に250
〜270℃の温度に加熱して溶融させ、この後、1.5時
間反応させて、目的物の前駆体を固体として得た。この
前駆体の酸価から求めた反応率は98%であった。次い
で、この前駆体に上記ポリオキシエチレンラウリルエー
テル30g(0.015モル)を更に加え、200℃〜2
30℃の温度に加熱し、1時間反応させて、目的物であ
るスチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体とポ
リオキシエチレンラウリルエーテルとの反応生成物を得
た。目的物の反応率は98%であり、スチレン・マレイ
ミド・無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に
対するポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテ
ルのモル比は0.38であった。以下、これをSA−5と
いう。
【0047】比較例2 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
スチレン・無水マレイン酸共重合体(数平均分子量10
0000、スチレン/無水マレイン酸モル比=1/1、
酸価500mgKOH/g)100gと酸化防止剤0.1
gとポリエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル
(ノニルフェノールエチレンオキシド70モル付加物、
数平均分子量3300)50g(0.015モル)とを仕
込み、窒素雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱し
て溶融させ、この後、1.5時間反応させて、目的物の前
駆体を固体として得た。この前駆体の酸価から求めた反
応率は98%であった。次いで、この前駆体に上記ポリ
エチレンオキシドモノノニルフェニルエーテル50g
(0.015モル)を更に加え、200℃〜230℃の温
度に加熱し、1時間反応させて、目的物であるスチレン
・無水マレイン酸共重合体とポリエチレンオキシドモノ
ノニルフェニルエーテルとの反応生成物を得た。目的物
の反応率は98%であり、スチレン・無水マレイン酸共
重合体の無水マレイン酸成分に対するポリエチレンオキ
シドモノノニルフェニルエーテルのモル比は0.067で
あった。以下、これをSA−6という。
【0048】(試験片の調製と帯電防止用樹脂改質剤の
評価)押出成形機(ユニオンプラスチック(株)製UE
V型押出機)を用いて、ABS樹脂(宇部サイコン
(株)製モディファイヤーレジンB300N(登録商
標))に実施例1〜9及び比較例1及び2で製造した帯
電防止用樹脂改質剤を表1に示す割合で配合し、190
〜240℃の温度で混練配合した後、射出成形機(TOSH
IBA MACHINE Battenfeld PLUS 250)を用いて、8c
m×5cm×3mmの試験片に成形した。いずれの試験
片も、良好な外観を有し、表面にべとつきはなかった。
これらの試験片について、静電特性(表面固有抵抗)、
熱変形温度及びアイゾット衝撃強度を以下のようにして
測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0049】静電特性 成形した試験片を3日間、温度23℃、湿度50%で保
管した後、超絶縁計(東亜電波工業(株)製DSM−8
103、平板用電極SME−8310)を用いて、表面
抵抗を測定し(初期)、この1か月後に再び測定した
(1か月後)。
【0050】熱変形温度 樹脂組成物の試験片について、JIS K 7206に
従って熱変形温度を測定した。
【0051】アイゾット衝撃強度 樹脂組成物の試験片について、JIS K 7110に
従ってアイゾット衝撃強度を測定した。
【0052】比較例3 帯電防止剤として市販品1(エチレンオキシド・エピハ
ロヒドリン共重合体)を用いた以外は、上記と同様にし
て、試験片を調製し、表面固有抵抗、熱変形温度及びア
イゾット衝撃強度を測定した。結果を表2に示す。
【0053】比較例4 ABS樹脂(宇部サイコン(株)製サイコラックL(登
録商標))に帯電防止用樹脂改質剤を配合することな
く、上記と同様にして、試験片を作製した。この試験片
について、上記と同様にして、表面固有抵抗、熱変形温
度及びアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表2に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例10 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体(数平
均分子量100000、スチレン/マレイミド/無水マ
レイン酸モル比=37.5/11.5/1、酸価21.94m
gKOH/g)100gと酸化防止剤0.1gとポリプロ
ピレンオキシドモノブチルエーテル(数平均分子量28
00)23.3g(0.008モル)とを仕込み、窒素雰囲
気下に240〜270℃の温度に加熱して溶融させ、こ
の後、1.5時間反応させて、目的物であるスチレン・マ
レイミド・無水マレイン酸共重合体とポリプロピレンオ
キシドモノブチルエーテルとの反応生成物を得た。目的
物の反応率は98%であり、スチレン・マレイミド・無
水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポ
リプロピレンオキシドモノブチルエーテルのモル比は0.
4であった。以下、これをBA−1−1という。
【0057】実施例11 2軸押出機((株)プラスチック工学研究所製BT−3
0−S2−42−L)に実施例10と同じスチレン・マ
レイミド・無水マレイン酸共重合体1000gと酸化防
止剤1gと実施例10と同じポリプロピレンオキシドモ
ノブチルエーテル233g(0.08モル)とを仕込み、
窒素雰囲気下に240〜270℃の温度に加熱し、30
分間溶融混練して、目的物であるスチレン・マレイミド
・無水マレイン酸共重合体とポリプロピレンオキシドモ
ノブチルエーテルとの反応生成物を得た。目的物の反応
率は99%であり、スチレン・マレイミド・無水マレイ
ン酸共重合体の無水マレイン酸成分に対するポリプロピ
レンオキシドモノブチルエーテルのモル比は0.4であっ
た。以下、これをBA−1−2という。
【0058】実施例12 500mL容量の電磁攪拌機付きセパラブルフラスコに
実施例1と同じスチレン・マレイミド・無水マレイン酸
共重合体100gと酸化防止剤0.1gと実施例10と同
じポリプロピレンオキシドモノブチルエーテル43.6g
(0.015モル)と酢酸ナトリウム0.8gを加え、窒素
雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱して溶融さ
せ、この後、1.5時間反応させて、目的物の前駆体を固
体として得た。この前駆体の酸価から求めた反応率は9
8%であった。次いで、この前駆体に上記ポリプロピレ
ンオキシドモノブチルエーテル43.6g(0.015モ
ル)と酢酸ナトリウム0.2gとを加え、200℃〜23
0℃の温度に加熱し、1時間反応させて、目的物である
スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体とポリ
プロピレンオキシドモノブチルエーテルとの反応生成物
を得た。目的物の反応率は98%であり、スチレン・マ
レイミド・無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸成
分に対するポリプロピレンオキシドモノブチルエーテル
のモル比は0.38であった。以下、これをSBA−1A
という。
【0059】実施例13 2軸押出機((株)プラスチック工学研究所製BT−3
0−S2−42−L)に実施例1と同じスチレン・マレ
イミド・無水マレイン酸共重合体1000gと酸化防止
剤1gと実施例10と同じポリプロピレンオキシドモノ
ブチルエーテル436g(0.15モル)とを仕込み、窒
素雰囲気下に250〜270℃の温度に加熱し、30分
間溶融混練して、目的物の前駆体を固体として得た。こ
の前駆体の酸価から求めた反応率は99%であった。次
いで、この前駆体に実施例10と同じポリプロピレンオ
キシドモノブチルエーテル436g(0.15モル)を加
え、200℃〜230℃の温度に加熱し、溶融混練し
て、目的物であるスチレン・マレイミド・無水マレイン
酸共重合体とポリプロピレンオキシドモノブチルエーテ
ルとの反応生成物を得た。目的物の反応率は99%であ
り、スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共重合体の
無水マレイン酸成分に対するポリプロピレンオキシドモ
ノブチルエーテルのモル比は0.38であった。以下、こ
れをSBA−1Lという。
【0060】(試験片の調製と帯電防止用樹脂改質剤の
評価)押出成形機(ユニオンプラスチック(株)製UE
V型押出機)を用いて、ABS樹脂(宇部サイコン
(株)製EX−120(登録商標))に実施例10〜1
3で製造した帯電防止用樹脂改質剤を表3に示す割合で
配合し、190〜240℃の温度で混練配合した後、射
出成形機(TOSHIBA MACHINE Battenfeld PLUS 250)
を用いて、8cm×5cm×3mmの試験片に成形し
た。いずれの試験片も、良好な外観を有し、表面にべと
つきはなかった。これらの試験片について、静電特性
(表面固有抵抗)、熱変形温度及びアイゾット衝撃強度
を前記と同じ方法にて測定した。結果を表3に示す。
【0061】比較例5 ABS樹脂(宇部サイコン(株)製EX−120(登録
商標))に帯電防止用樹脂改質剤を配合することなく、
上記と同様にして、試験片を作製した。この試験片につ
いて、上記と同様にして、表面固有抵抗、熱変形温度及
びアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表3に示す。
【0062】比較例6 比較例2において製造した帯電防止用樹脂改質剤をAB
S樹脂(宇部サイコン(株)製EX−120(登録商
標))に配合した以外は、上記と同様にして、試験片を
成形し、静電特性(表面固有抵抗)、熱変形温度及びア
イゾット衝撃強度を以下のようにして測定した。静電特
性、熱変形温度及びアイゾット衝撃強度は、前記と同じ
方法にて測定した。結果を表3に示す。
【0063】比較例7 帯電防止剤として市販品2(ポリエーテルエステルアミ
ド)を用いた以外は、上記と同様にして、試験片を調製
し、表面固有抵抗、熱変形温度及びアイゾット衝撃強度
を測定した。結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明による改質剤は、
種々の熱可塑性樹脂、特に、耐衝撃性ポリスチレン(H
IPS)やABS樹脂のようなスチレン系樹脂との相溶
性にすぐれており、このようなスチレン系樹脂に、それ
らが本来、有する熱的、機械的物性を損なうことなく、
長期間にわたって持続する帯電防止性を付与することが
でき、更に、それらスチレン系樹脂の成形加工性をも改
善することができる。
【0066】更に、本発明による改質剤は、種々の充填
剤や添加剤のそれらスチレン系樹脂への分散性や相溶性
を高める効果もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 35/06 C08L 35/06 71/02 71/02 Fターム(参考) 4J002 BC031 BC042 BC051 BC061 BC071 BC081 BC091 BC111 BH022 BN182 CH052 FD010 FD020 FD030 FD040 FD060 FD070 FD090 FD130 FD160 FD170 GG02 GN00 GQ00 4J031 AA13 AA22 AA53 AB01 AC03 AD01 AF10 AF11 AF19 AF23 AF30 4J100 AB02P AK32R AM43Q BA04H BA08H BA15H BA16H BA17H BC43H CA05 CA31 DA01 DA58 HA11 HA61 HC13 JA15 JA43 JA57 JA58

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)スチレン・マレイミド・無水マレイ
    ン酸共重合体と、(B)ポリアルキレンオキシドモノア
    ルキルエーテル、ポリアルキレンオキシドモノフェニル
    エーテル及びポリアルキレンオキシドモノアルキルフェ
    ニルエーテルから選ばれる少なくとも1種のポリアルキ
    レンオキシドモノエーテルとの反応生成物か、又はその
    金属塩を有効成分とする帯電防止用樹脂改質剤。
  2. 【請求項2】スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
    重合体の無水マレイン酸成分1モル部に対して、ポリア
    ルキレンオキシドモノエーテル0.05〜1.5モル部との
    反応生成物か、又はその金属塩を有効成分とする請求項
    1に記載の帯電防止用樹脂改質剤。
  3. 【請求項3】スチレン・マレイミド・無水マレイン酸共
    重合体が5000〜300000の範囲の数平均分子量
    を有すると共に、無水マレイン酸成分1モル部に対する
    スチレン成分の割合が1〜50モル部の範囲にあり、マ
    レイミド成分の割合が1〜20モル部の範囲にある請求
    項1又は2に記載の樹脂改質剤。
  4. 【請求項4】ポリアルキレンオキシドモノエーテルが4
    00〜5000の範囲の数平均分子量を有する請求項1
    又は2に記載の樹脂改質剤。
  5. 【請求項5】ポリアルキレンオキシドモノエーテルがポ
    リエチレンオキシドモノノニルフェニルエーテルである
    請求項1、2又は4に記載の樹脂改質剤。
  6. 【請求項6】ポリアルキレンオキシドモノエーテルがポ
    リプロピレンオキシドモノブチルエーテルである請求項
    1、2又は4に記載の樹脂改質剤。
  7. 【請求項7】金属塩がリチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、マグネシウム、アルミニウム又は亜鉛塩である請求
    項1又は2に記載の樹脂改質剤。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂に請求項1から7のいずれか
    に記載の改質剤を0.1〜30重量%配合してなる熱可塑
    性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物から
    なる成形品。
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CN108779338A (zh) * 2015-12-24 2018-11-09 Agc株式会社 树脂组合物、基材以及细胞培养方法

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