JP2000143239A - 石膏の製造方法 - Google Patents
石膏の製造方法Info
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Landscapes
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 粒子を粗大化して沈降性、脱水性、運送性お
よび流動性に優れた石膏を得る。 【解決手段】 硫酸を150〜400g/lおよび塩素
を3〜20g/l含む溶液に、炭酸カルシウムおよび苛
性ソーダを添加する。これにより、塩素を固定化すると
ともに塩化ナトリウムの存在によって石膏の過飽和度を
下げ、石膏粒子を粗大化する。
よび流動性に優れた石膏を得る。 【解決手段】 硫酸を150〜400g/lおよび塩素
を3〜20g/l含む溶液に、炭酸カルシウムおよび苛
性ソーダを添加する。これにより、塩素を固定化すると
ともに塩化ナトリウムの存在によって石膏の過飽和度を
下げ、石膏粒子を粗大化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸を含む廃水か
ら石膏を製造する方法に係り、特に、生成する石膏の粒
径を大きくする技術に関する。
ら石膏を製造する方法に係り、特に、生成する石膏の粒
径を大きくする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】石膏は、天然のものが産出される他に、
排煙脱硫廃水や各種金属精錬で生じる廃水を中和するこ
とによっても製造される。排煙脱硫廃水には亜硫酸が含
まれているので、これを硫酸に酸化した後に炭酸カルシ
ウムを添加し、硫酸カルシウムの二水和物(以下、二水
石膏と称する)として沈殿させて回収するようにしてい
る。
排煙脱硫廃水や各種金属精錬で生じる廃水を中和するこ
とによっても製造される。排煙脱硫廃水には亜硫酸が含
まれているので、これを硫酸に酸化した後に炭酸カルシ
ウムを添加し、硫酸カルシウムの二水和物(以下、二水
石膏と称する)として沈殿させて回収するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、硫酸の中和
反応により石膏を製造する方法では、生成した石膏の粒
径が10〜20μmと小さいため、生産性と品質が低下
するという問題があった。すなわち、石膏の粒径が小さ
いと沈降させるのに長時間を要するとともに、溶液中に
浮遊した石膏の量が多いために歩留りが低下する。ま
た、水分を含み易いために脱水性が悪く、重量が増加し
て運送費用が割高になるとともに、流動性が悪化して品
質上も問題となる。よって、本発明は、粒径の大きな石
膏を製造することができ、上記したような問題を解決す
ることができる石膏の製造方法を提供することを目的と
している。
反応により石膏を製造する方法では、生成した石膏の粒
径が10〜20μmと小さいため、生産性と品質が低下
するという問題があった。すなわち、石膏の粒径が小さ
いと沈降させるのに長時間を要するとともに、溶液中に
浮遊した石膏の量が多いために歩留りが低下する。ま
た、水分を含み易いために脱水性が悪く、重量が増加し
て運送費用が割高になるとともに、流動性が悪化して品
質上も問題となる。よって、本発明は、粒径の大きな石
膏を製造することができ、上記したような問題を解決す
ることができる石膏の製造方法を提供することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の石膏の製
造方法は、硫酸を150〜400g/lおよび塩素を3
〜20g/l含む溶液に、カルシウム化合物および苛性
ソーダを添加することにより、平均粒径が100〜15
0μmの二水石膏を直接得ることを特徴としている。
造方法は、硫酸を150〜400g/lおよび塩素を3
〜20g/l含む溶液に、カルシウム化合物および苛性
ソーダを添加することにより、平均粒径が100〜15
0μmの二水石膏を直接得ることを特徴としている。
【0005】たとえば銅精錬の硫酸工場では、硫酸とと
もに廃ガス中の塩素を含んだ廃酸が排出される。上記製
造方法では、そのような廃酸にカルシウム化合物ととも
に苛性ソーダを添加することにより、塩素を塩化ナトリ
ウムとして固定化(無害化)すると同時に、生成した塩
化ナトリウムによって石膏粒子の粗大化を計ることがで
きる。すなわち、石膏の粒子を微細化しないためには、
過剰の結晶核を発生させない必要があり、そのために
は、石膏の過飽和度を下げて石膏結晶の析出を抑制する
必要がある。溶液中の塩化ナトリウムは、特開昭49−
69575号公報にも記載されているように、石膏の溶
解度を高める(過飽和度を下げる)働きがあるため、結
晶核の過剰な発生が抑制され、これにより、石膏の粒子
が粗大化する。
もに廃ガス中の塩素を含んだ廃酸が排出される。上記製
造方法では、そのような廃酸にカルシウム化合物ととも
に苛性ソーダを添加することにより、塩素を塩化ナトリ
ウムとして固定化(無害化)すると同時に、生成した塩
化ナトリウムによって石膏粒子の粗大化を計ることがで
きる。すなわち、石膏の粒子を微細化しないためには、
過剰の結晶核を発生させない必要があり、そのために
は、石膏の過飽和度を下げて石膏結晶の析出を抑制する
必要がある。溶液中の塩化ナトリウムは、特開昭49−
69575号公報にも記載されているように、石膏の溶
解度を高める(過飽和度を下げる)働きがあるため、結
晶核の過剰な発生が抑制され、これにより、石膏の粒子
が粗大化する。
【0006】ここで、溶液中に含まれる硫酸濃度を15
0g/l以上、塩素濃度を3g/l以上としたのは、そ
れら下限値未満であると希薄すぎて製造効率がかなり悪
くなるからである。塩素濃度は、望ましくは5g/l以
上が良い。なお、廃酸に含まれる硫酸および塩素の一般
的濃度を考慮してそれらの上限値を設定した。また、カ
ルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カル
シウム、炭酸カルシウムが望ましく、とりわけ炭酸カル
シウムが好適である。ただし、塩化カルシウムや硝酸カ
ルシウムなどを用いることも可能である。
0g/l以上、塩素濃度を3g/l以上としたのは、そ
れら下限値未満であると希薄すぎて製造効率がかなり悪
くなるからである。塩素濃度は、望ましくは5g/l以
上が良い。なお、廃酸に含まれる硫酸および塩素の一般
的濃度を考慮してそれらの上限値を設定した。また、カ
ルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カル
シウム、炭酸カルシウムが望ましく、とりわけ炭酸カル
シウムが好適である。ただし、塩化カルシウムや硝酸カ
ルシウムなどを用いることも可能である。
【0007】ところで、製造コストを考慮すると、可能
な限り安価に入手可能な材料を用いることが望ましい。
本発明者は、このような観点から苛性ソーダを用いない
で粗大化した石膏を得る方法について検討した。その結
果、硫酸を含む溶液に対してカルシウム化合物を段階的
に添加することにより、当初の段階(例えば第1段階)
での石膏の過飽和度を下げるために効果的であることを
見い出した。本発明の第2の石膏の製造方法は、このよ
うな知見に基づいてなされたもので、硫酸を150〜4
00g/l含む溶液に、カルシウム化合物を添加して二
水石膏を直接得る石膏の製造方法において、溶液に対す
るカルシウム化合物の添加を3段階以上に分けることに
より、平均粒径が100〜150μmの二水石膏を得る
ことを特徴としている。
な限り安価に入手可能な材料を用いることが望ましい。
本発明者は、このような観点から苛性ソーダを用いない
で粗大化した石膏を得る方法について検討した。その結
果、硫酸を含む溶液に対してカルシウム化合物を段階的
に添加することにより、当初の段階(例えば第1段階)
での石膏の過飽和度を下げるために効果的であることを
見い出した。本発明の第2の石膏の製造方法は、このよ
うな知見に基づいてなされたもので、硫酸を150〜4
00g/l含む溶液に、カルシウム化合物を添加して二
水石膏を直接得る石膏の製造方法において、溶液に対す
るカルシウム化合物の添加を3段階以上に分けることに
より、平均粒径が100〜150μmの二水石膏を得る
ことを特徴としている。
【0008】上記製造方法によれば、当初のカルシウム
化合物の添加(たとえば1段階目と2段階目での添加)
では、カルシウム化合物に対して溶液の割合が多いか
ら、生成した石膏の溶解度が大きく過剰な結晶の析出が
抑制され、これにより、石膏粒子が粗大化する。具体的
には、例えば3つの反応容器を連設した製造装置を用い
ることができる。まず、第1反応容器に硫酸を含む溶液
を導入し、これにカルシウム化合物を添加して攪拌す
る。次いで、第1反応容器内の石膏スラリーを含む溶液
を第2反応容器に移送し、さらにカルシウム化合物を添
加して攪拌する。このようにして、石膏スラリーを含む
溶液を移送しながらカルシウム化合物の添加を段階的に
行う。そして、石膏スラリーをシックナーに送液し、石
膏を沈降分離してアンダーフローの石膏濃縮液を遠心分
離機で濾過分離する。また、静澄なオーバーフローは排
水として次工程へ送液する。
化合物の添加(たとえば1段階目と2段階目での添加)
では、カルシウム化合物に対して溶液の割合が多いか
ら、生成した石膏の溶解度が大きく過剰な結晶の析出が
抑制され、これにより、石膏粒子が粗大化する。具体的
には、例えば3つの反応容器を連設した製造装置を用い
ることができる。まず、第1反応容器に硫酸を含む溶液
を導入し、これにカルシウム化合物を添加して攪拌す
る。次いで、第1反応容器内の石膏スラリーを含む溶液
を第2反応容器に移送し、さらにカルシウム化合物を添
加して攪拌する。このようにして、石膏スラリーを含む
溶液を移送しながらカルシウム化合物の添加を段階的に
行う。そして、石膏スラリーをシックナーに送液し、石
膏を沈降分離してアンダーフローの石膏濃縮液を遠心分
離機で濾過分離する。また、静澄なオーバーフローは排
水として次工程へ送液する。
【0009】上記のように、カルシウム化合物の添加を
段階的に行うことにより、微細な石膏粒子が次の反応容
器で種結晶となるため、発生した結晶核が付着して種結
晶が粗大化するとともに過剰な結晶核の発生が抑制され
る。なお、上記のような段階的な反応は1つの反応容器
でも行うことができる。すなわち、反応容器に硫酸を含
む溶液を導入し、カルシウム化合物を硫酸の量に対して
必要な量の数10%添加する。次いで、攪拌した後、さ
らに、カルシウム化合物を必要な量の数10%添加す
る。そして、このようにして、カルシウム化合物の添加
を所定回数繰り返し、最後に石膏を沈降分離および濾過
分離する。
段階的に行うことにより、微細な石膏粒子が次の反応容
器で種結晶となるため、発生した結晶核が付着して種結
晶が粗大化するとともに過剰な結晶核の発生が抑制され
る。なお、上記のような段階的な反応は1つの反応容器
でも行うことができる。すなわち、反応容器に硫酸を含
む溶液を導入し、カルシウム化合物を硫酸の量に対して
必要な量の数10%添加する。次いで、攪拌した後、さ
らに、カルシウム化合物を必要な量の数10%添加す
る。そして、このようにして、カルシウム化合物の添加
を所定回数繰り返し、最後に石膏を沈降分離および濾過
分離する。
【0010】添加するカルシウム化合物の総量は、溶液
に含まれる硫酸の化学当量にほぼ一致する。また、一度
に添加するカルシウム化合物の量が多いと、段階的に添
加する効果が減殺されるので、添加量のバランスが重要
である。本発明者の検討によれば、必要なカルシウム化
合物の量を100%としたときに、1段階目で添加する
カルシウム化合物の添加量を30〜40%、2段階目で
添加するカルシウム化合物の量を30〜40%、3段階
目で添加するカルシウム化合物の量を25〜35%にす
ることが望ましい。さらに、溶液の温度を30〜100
℃に設定することにより、石膏の結晶粒子をより確実に
粗大化することができ、より望ましくは40〜80℃の
範囲が良い。
に含まれる硫酸の化学当量にほぼ一致する。また、一度
に添加するカルシウム化合物の量が多いと、段階的に添
加する効果が減殺されるので、添加量のバランスが重要
である。本発明者の検討によれば、必要なカルシウム化
合物の量を100%としたときに、1段階目で添加する
カルシウム化合物の添加量を30〜40%、2段階目で
添加するカルシウム化合物の量を30〜40%、3段階
目で添加するカルシウム化合物の量を25〜35%にす
ることが望ましい。さらに、溶液の温度を30〜100
℃に設定することにより、石膏の結晶粒子をより確実に
粗大化することができ、より望ましくは40〜80℃の
範囲が良い。
【0011】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明をさらに
詳細に説明する。 [実施例1]銅精錬の硫酸工場から排出された硫酸25
0g/l、塩素15g/lを含む溶液(廃酸)を反応容
器に10l注入し、この溶液を40℃に加熱して炭酸カ
ルシウムを200g/l、苛性ソーダを16g/l含有
する乳液を12l添加した。この溶液を250分間攪拌
した後に30分間静置し、反応容器から静澄液を排水し
て石膏スラリーを取り出した。次いで、石膏スラリーを
脱水、乾燥し3.9kgの二水石膏を得た。この二水石
膏粒子を沈降粒子法によって測定したときの積算分布曲
線の50%径で表示される平均粒径(ストークス換算
値)を求めたところ、125μmであった。
詳細に説明する。 [実施例1]銅精錬の硫酸工場から排出された硫酸25
0g/l、塩素15g/lを含む溶液(廃酸)を反応容
器に10l注入し、この溶液を40℃に加熱して炭酸カ
ルシウムを200g/l、苛性ソーダを16g/l含有
する乳液を12l添加した。この溶液を250分間攪拌
した後に30分間静置し、反応容器から静澄液を排水し
て石膏スラリーを取り出した。次いで、石膏スラリーを
脱水、乾燥し3.9kgの二水石膏を得た。この二水石
膏粒子を沈降粒子法によって測定したときの積算分布曲
線の50%径で表示される平均粒径(ストークス換算
値)を求めたところ、125μmであった。
【0012】[実施例2]図1は実施例2で使用する石
膏の製造装置を示す概略図である。図1に示すように、
この製造装置は、第1反応容器1、第2反応容器2およ
び第3反応容器3を備え、それぞれに攪拌機4を有して
いる。また、符号5はシックナーであり、シックナー5
の内部には回転可能なレーキ6が設けられている。ま
ず、第1反応容器1に硫酸300g/lを含む溶液(廃
酸)を10l/min連続的に注入し、200g/l炭
酸カルシウム乳液を4.5l/min(総添加量の30
%)添加した。この溶液を所定の滞留時間を有する第1
反応容器1で攪拌し、第1反応容器1から石膏スラリー
を含む溶液を連続的に抜き出して所定の滞留時間を有す
る第2反応容器2に注入した。第2反応容器2に、20
0g/l炭酸カルシウム乳液を5.9l/min添加し
た。次いで、第2反応容器2から石膏スラリーを含む溶
液を抜き出して所定の滞留時間を有する第3反応容器3
に連続的に注入し、第3反応容器3に、200g/l炭
酸カルシウム乳液を4.5l/min添加し、攪拌して
シックナー5へ液を連続的に抜き出して静置した。次い
で、シックナー5の底部から濃厚石膏スラリーを取り出
し、脱水および乾燥を行って5.2kg/minの二水
石膏を得た。この二水石膏粒子の平均粒径を実施例1と
同じ方法で求めたところ、130μmであった。
膏の製造装置を示す概略図である。図1に示すように、
この製造装置は、第1反応容器1、第2反応容器2およ
び第3反応容器3を備え、それぞれに攪拌機4を有して
いる。また、符号5はシックナーであり、シックナー5
の内部には回転可能なレーキ6が設けられている。ま
ず、第1反応容器1に硫酸300g/lを含む溶液(廃
酸)を10l/min連続的に注入し、200g/l炭
酸カルシウム乳液を4.5l/min(総添加量の30
%)添加した。この溶液を所定の滞留時間を有する第1
反応容器1で攪拌し、第1反応容器1から石膏スラリー
を含む溶液を連続的に抜き出して所定の滞留時間を有す
る第2反応容器2に注入した。第2反応容器2に、20
0g/l炭酸カルシウム乳液を5.9l/min添加し
た。次いで、第2反応容器2から石膏スラリーを含む溶
液を抜き出して所定の滞留時間を有する第3反応容器3
に連続的に注入し、第3反応容器3に、200g/l炭
酸カルシウム乳液を4.5l/min添加し、攪拌して
シックナー5へ液を連続的に抜き出して静置した。次い
で、シックナー5の底部から濃厚石膏スラリーを取り出
し、脱水および乾燥を行って5.2kg/minの二水
石膏を得た。この二水石膏粒子の平均粒径を実施例1と
同じ方法で求めたところ、130μmであった。
【0013】[比較例]第1反応容器1に硫酸300g
/lを含む溶液(廃酸)を10l/min連続的に注入
し、200g/l炭酸カルシウム乳液を13.4l/m
in(総添加量の90%)添加した。この溶液を所定の
滞留時間を有する第1反応容器1で攪拌し、第1反応容
器1から石膏スラリーを含む溶液を連続的に抜き出して
所定の滞留時間を有する第2反応容器2に注入した。第
2反応容器2に、200g/l炭酸カルシウム乳液を
1.4l/min(総添加量の10%)添加し、シック
ナー5へ液を連続的に抜き出して静置した。次いで、シ
ックナー5の底部から濃厚石膏スラリーを取り出し、脱
水および乾燥を行って5.2kg/minの二水石膏を
得た。この二水石膏粒子の平均粒径を実施例1と同じ方
法で求めたところ、15μmであった。
/lを含む溶液(廃酸)を10l/min連続的に注入
し、200g/l炭酸カルシウム乳液を13.4l/m
in(総添加量の90%)添加した。この溶液を所定の
滞留時間を有する第1反応容器1で攪拌し、第1反応容
器1から石膏スラリーを含む溶液を連続的に抜き出して
所定の滞留時間を有する第2反応容器2に注入した。第
2反応容器2に、200g/l炭酸カルシウム乳液を
1.4l/min(総添加量の10%)添加し、シック
ナー5へ液を連続的に抜き出して静置した。次いで、シ
ックナー5の底部から濃厚石膏スラリーを取り出し、脱
水および乾燥を行って5.2kg/minの二水石膏を
得た。この二水石膏粒子の平均粒径を実施例1と同じ方
法で求めたところ、15μmであった。
【0014】以上の実施例および比較例から明らかなよ
うに、硫酸および塩酸を含む溶液に炭酸カルシウムに加
えて苛性ソーダを添加することにより、石膏粒子が粗大
化することが確認された。また、炭酸カルシウムを3段
階に分けて添加することによっても、微細な石膏粒子が
次の反応容器で種結晶となるため、発生した結晶核が付
着して種結晶が粗大化するとともに過剰な結晶核の発生
が抑制されることが確認された。
うに、硫酸および塩酸を含む溶液に炭酸カルシウムに加
えて苛性ソーダを添加することにより、石膏粒子が粗大
化することが確認された。また、炭酸カルシウムを3段
階に分けて添加することによっても、微細な石膏粒子が
次の反応容器で種結晶となるため、発生した結晶核が付
着して種結晶が粗大化するとともに過剰な結晶核の発生
が抑制されることが確認された。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
石膏粒子を粗大化することができるので、脱水性に優れ
た石膏を製造することができ、水分の低減によって運送
性や流動性を向上させることができるという効果が得ら
れる。
石膏粒子を粗大化することができるので、脱水性に優れ
た石膏を製造することができ、水分の低減によって運送
性や流動性を向上させることができるという効果が得ら
れる。
【図1】 本発明の実施例で使用する石膏製造装置を示
す概略図である。
す概略図である。
【符号の説明】 1…第1反応容器、2…第2反応容器、3…第3反応容
器、4…攪拌機、5…シックナー、6…レーキ。
器、4…攪拌機、5…シックナー、6…レーキ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千田 裕史 大分県北海部郡佐賀関町大字関3−3382 日鉱金属株式会社佐賀関製錬所内 Fターム(参考) 4G076 AA14 AA21 AB02 AB04 AB06 AB07 AB09 AB27 BA15 BA43 BB06 BC02 BC07 BD02 CA02 CA26 GA04
Claims (4)
- 【請求項1】 硫酸を150〜400g/lおよび塩素
を3〜20g/l含む溶液に、カルシウム化合物および
苛性ソーダを添加することにより、平均粒径が100〜
150μmの二水石膏を直接得ることを特徴とする石膏
の製造方法。 - 【請求項2】 硫酸を150〜400g/l含む溶液
に、カルシウム化合物を添加して二水石膏を直接得る石
膏の製造方法において、上記溶液に対するカルシウム化
合物の添加を3段階以上に分けることにより、平均粒径
が100〜150μmの二水石膏を得ることを特徴とす
る石膏の製造方法。 - 【請求項3】 前記硫酸を反応させるに必要なカルシウ
ム化合物の量を100%としたときに、1段階目で添加
するカルシウム化合物の添加量を30〜40%、2段階
目で添加するカルシウム化合物の量を30〜40%、3
段階目で添加するカルシウム化合物の量を25〜35%
としたことを特徴とする請求項2に記載の石膏の製造方
法。 - 【請求項4】 前記溶液の温度を30〜100℃に設定
することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
石膏の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26281298A JP2000143239A (ja) | 1998-09-08 | 1998-09-17 | 石膏の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-253816 | 1998-09-08 | ||
JP25381698 | 1998-09-08 | ||
JP26281298A JP2000143239A (ja) | 1998-09-08 | 1998-09-17 | 石膏の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000143239A true JP2000143239A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=26541410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26281298A Pending JP2000143239A (ja) | 1998-09-08 | 1998-09-17 | 石膏の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000143239A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014141926A1 (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | 株式会社トクヤマ | 石膏スラリーの連続的な製造方法 |
CN105819485A (zh) * | 2016-03-29 | 2016-08-03 | 云南华联锌铟股份有限公司 | 从锌冶炼的含酸溶液中产出石膏的方法和装置 |
WO2020251149A1 (ko) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 신유근 | 고농도 폐황산을 이용한 다공성 석고, 그 제조방법 및 제조장치 |
KR20200143220A (ko) * | 2019-06-13 | 2020-12-23 | 신유근 | 고농도 폐황산을 이용한 다공성 석고, 그 제조방법 및 제조장치 |
JP7451333B2 (ja) | 2020-07-16 | 2024-03-18 | 株式会社トクヤマ | 二水石膏粒子の析出方法 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP26281298A patent/JP2000143239A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014141926A1 (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | 株式会社トクヤマ | 石膏スラリーの連続的な製造方法 |
CN105819485A (zh) * | 2016-03-29 | 2016-08-03 | 云南华联锌铟股份有限公司 | 从锌冶炼的含酸溶液中产出石膏的方法和装置 |
WO2020251149A1 (ko) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 신유근 | 고농도 폐황산을 이용한 다공성 석고, 그 제조방법 및 제조장치 |
KR20200143220A (ko) * | 2019-06-13 | 2020-12-23 | 신유근 | 고농도 폐황산을 이용한 다공성 석고, 그 제조방법 및 제조장치 |
KR102223195B1 (ko) | 2019-06-13 | 2021-03-04 | 신유근 | 고농도 폐황산을 이용한 다공성 석고, 그 제조방법 및 제조장치 |
JP7451333B2 (ja) | 2020-07-16 | 2024-03-18 | 株式会社トクヤマ | 二水石膏粒子の析出方法 |
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