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JP2000119254A - +)―シス―(3R)―アミノ―8―メチル―(5R)―フェニル―1,3,4,5―テトラヒドロ―ベンゾ[b]アゼピン―2―オンを製造するための中間体の製造方法 - Google Patents

+)―シス―(3R)―アミノ―8―メチル―(5R)―フェニル―1,3,4,5―テトラヒドロ―ベンゾ[b]アゼピン―2―オンを製造するための中間体の製造方法

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JP2000119254A
JP2000119254A JP11260049A JP26004999A JP2000119254A JP 2000119254 A JP2000119254 A JP 2000119254A JP 11260049 A JP11260049 A JP 11260049A JP 26004999 A JP26004999 A JP 26004999A JP 2000119254 A JP2000119254 A JP 2000119254A
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amino
methyl
compound
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Frank J Urban
アーバン,フランク・ジェイ
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Pfizer Corp Belgium
Pfizer Inc
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Pfizer Corp Belgium
Pfizer Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D223/00Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D223/14Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D223/16Benzazepines; Hydrogenated benzazepines

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】(+)−シス−(3R)−アミノ−8−メチル
−(5R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ
−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンを製造するための中
間体の製造方法を提供する。 【解決手段】 下記式Ia (式中、XおよびNH2は少なくとも90%がシス配置
であり;Y1およびY2はハロ、ニトロ、アミノ、フッ素
原子で置換されていてもよい低級アルキル基などを示
す)の化合物の製造方法であって、下記式II の化合物を、ラニーニッケルおよび水素源で還元するこ
とを含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記の式VIIの
ベンゾ[b]アゼピン−2−オンCCKアンタゴニスト
の製造において使用される、中間体(+)−シス−(3
R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェニル−1,
3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2
−オンを製造するための新規中間体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】1993年8月5日公開のPCT特許公
開公報第WO 93/15059号には、式VIIのC
CKレセプターアンタゴニスト、およびそれらの製造方
法が記載されている。
【0003】1994年4月14日公開のPCT特許公
開公報第WO 94/07483号には、ベンゾ縮合ラ
クタム誘導体が記されており、これらは成長ホルモン放
出薬であるとの記載があり、そしてPCT特許公開公報
第WO 93/15059号に記載の方法と類似の方法
で製造される。
【0004】1994年4月14日公開のPCT特許公
開公報第WO 94/07483号は一般にベンゾ
[b]アゼピン−2−オンに関するものであるが、これ
らの中間体の特定の立体異性体に関するものではない。
【0005】
【発明が解決すべき課題】および
【課題を解決するための手段】本発明の中間体を使用し
て製造される中間体(+)−シス−(3R)−アミノ−
8−メチル−(5R)−フェニル−1,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンは、有機
溶媒、好ましくはアセトンまたは酢酸エチル中で、
(D)−(+)−ジベンゾイル酒石酸と、ラセミ性のま
たは光学的に富化されたシス−3−アミノ−8−メチル
−5−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベン
ゾ[b]アゼピン−2−オンのいずれかとを反応させる
こと、あるいは(L)−(−)−ジベンゾイル酒石酸
と、ラセミ性のまたは光学的に富化されたシス−3−ア
ミノ−8−メチル−5−フェニル−1,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンのいずれ
かとを反応させることを含む、ジアステレオマー塩
(+)−シス−(3R)−アミノ−8−メチル−(5
R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベン
ゾ[b]アゼピン−2−オン・(D)−(+)−ジベン
ゾイル酒石酸塩または(−)−シス−(3S)−アミノ
−8−メチル−(5S)−フェニル−1,3,4,5−
テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン・
(L)−(−)−ジベンゾイル酒石酸塩の製造方法によ
って製造される。
【0006】好ましくは、ジアステレオマー塩(+)−
シス−(3R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェ
ニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オン・(D)−(+)−ジベンゾイル酒石
酸塩または(−)−シス−(3S)−アミノ−8−メチ
ル−(5S)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒド
ロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン・(L)−(−)
−ジベンゾイル酒石酸塩を中和して、各々(+)−シス
−(3R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェニル
−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピ
ン−2−オンまたは(−)−シス−(3S)−アミノ−
8−メチル−(5S)−フェニル−1,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンを形成す
る。
【0007】好ましくは、ジアステレオマー塩(+)−
シス−(3R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェ
ニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オン・(D)−(+)−ジベンゾイル酒石
酸塩または(−)−シス−(3S)−アミノ−8−メチ
ル−(5S)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒド
ロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン・(L)−(−)
−ジベンゾイル酒石酸塩を塩基、好ましくは水酸化ナト
リウムで中和する。
【0008】本発明は、式
【0009】
【化8】
【0010】(式中、XおよびNH2は式Iaの分子の
少なくとも90%においてシス配置であり;Y1および
2は、ハロ、ニトロ、アミノ;1〜3個の弗素原子で
置換されていてもよい(C1−C6)アルキル;および1
〜3個の弗素原子で置換されていてもよい(C1−C6
アルコキシから独立して選択され、そしてXはフェニ
ル、(C3−C8)直鎖または分枝鎖アルキル、および
(C5−C8)シクロアルキルよりなる群から選択され、
ここで、上記フェニルは、ハロ、(C 1−C6)アルキ
ル、(C1−C6)アルコキシ、ニトロ、アミノおよびト
リフルオロメチルよりなる群から独立して選択される1
または2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、
上記(C5−C8)シクロアルキルは、(C1−C6)アル
キルから独立して選択される1または2個の置換基で置
換されていてもよい)のラセミ化合物の製造方法であっ
て、式
【0011】
【化9】
【0012】(式中、Y1、Y2およびXは上記定義通り
である)の化合物を、ラニーニッケルおよび水素源で還
元することを含む方法に関する。本発明はまた、式
【0013】
【化10】
【0014】(式中、X、Y1およびY2は上記定義通り
である)の化合物の製造方法であって、 a)式
【0015】
【化11】
【0016】(式中、X、Y1およびY2は上記定義通り
である)の化合物と、式
【0017】
【化12】
【0018】(式中、Lはヒドロキシ、クロロ、Rが
(C1−C6)アルキルである−O2CORであるか、ま
たはLは式
【0019】
【化13】
【0020】の基である)の化合物とを有機溶媒、好ま
しくはジクロロメタン中で反応させて、式
【0021】
【化14】
【0022】(式中、X、Y1およびY2は上記定義通り
である)の化合物を形成すること、ここで、Lがヒドロ
キシであるとき、上記反応は脱水剤、好ましくはジシク
ロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−3−エチルカルボジイミド、またはジフェ
ニルホスホリルアジドの存在下で行い;ここで、Lがヒ
ドロキシ以外であるとき、上記反応は酸スカベンジャ
ー、好ましくはトリエチルアミン、N−メチル−モルホ
リン、ジメチルアミノピリジンまたはピリジンの存在下
で行う;並びに b) X、Y1およびY2が上記定義通りである上記式I
IIの化合物と、塩基、好ましくはカリウムt−ブトキ
シドとを、有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中
で反応させることを含む方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】以後の記載および反応スキームに
おいて、X、Y1、Y2およびLは前に定義した通りであ
る。
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】本発明のCCK中間体(+)−シス−(3
R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェニル−1,
3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2
−オンは、スキーム1に示した式Iを有し、これはスキ
ームIに記載の方法により製造することができる。
【0027】スキームIでは、式IVの化合物を、Lが
上記定義通りの式Vの化合物と有機溶媒中で反応させ
て、式IIIの化合物を形成する。Lがヒドロキシ(−
OH)であるとき、式IVの化合物と式Vの化合物との反
応には、アミンとの反応のために酸のカルボキシル官能
基を活性化する脱水剤を存在させる必要がある。適した
脱水剤の例は、ジシクロヘキシルカルボジイミド/ヒド
ロキシベンゾ−トリアゾール(HBT)、N−(3−ジ
メチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド
/HBT、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−
1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、カルボニルジ
イミダゾール(CDI)/HBT、ジエチルホスホリル
シアニド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3
−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミ
ド、およびジフェニルホスホリルアジドである。好まし
い脱水剤は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−
エチルカルボジイミドである。上記反応は一般に、約−
30〜約80℃、好ましくは約20〜約80℃で行う。
反応は不活性溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒中で行
う。適した溶媒にはアセトニトリル、ジクロロメタン、
クロロホルム、ジクロロエタンおよびジメチルホルムア
ミドが含まれる。好ましい溶媒はジクロロメタンであ
る。
【0028】Lがヒドロキシ以外であるとき、反応には
酸スカベンジャー、例えばトリエチルアミン、N−メチ
ル−モルホリン、ジメチルアミノピリジンまたはピリジ
ンを存在させる必要がある。好ましい酸スカベンジャー
はジメチルアミノピリジンである。上記反応は一般に、
約−30〜約80℃、好ましくは約20〜約80℃で行
う。反応は不活性溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒中
で行う。適した溶媒にはアセトニトリル、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタンおよびジメチルホル
ムアミドが含まれる。好ましい溶媒はジクロロメタンで
ある。
【0029】式IIIの化合物は、Homer−Wad
sworth−Emmons反応によって、式IIのベ
ンゾアゼピンに環化する。式IIIの化合物は塩基、例
えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、カリウムt
−ブトキシドまたはナトリウムメトキシド、好ましくは
カリウムt−ブトキシドで処理する。上記のHomer
−Wadsworth−Emmons反応に許容される
反応不活性溶媒には、エーテル、テトラヒドロフランま
たはジメチルホルムアミドのような溶媒が含まれ、テト
ラヒドロフランが好ましい。反応は約20〜約70℃、
好ましくは約40〜約70℃で行う。
【0030】このようにして形成された式Vの化合物
は、不活性溶媒中、遷移金属触媒および水素源を用い
て、オレフィン水素添加により、式Iaのラセミアミン
へ還元する。このようにして形成される式Iaの化合物
は、2種のシス異性体(以下の式IおよびI′)および
2種のトランス異性体を含めた4種の異性体の混合物を
包含する。トランス異性体は示していない。2種のシス
異性体(XおよびNH2はベンゾアゼピン環の同じ側に
ある)は、還元で形成される分子の90%を越える。2
種のシス異性体(XおよびNH2はベンゾアゼピン環の
同じ側にある)は、還元で形成される分子の95%を越
えているのが好ましい。トランス異性体は反応生成物の
10%未満、好ましくは5%未満である。式Iaのシス
化合物は式
【0031】
【化17】
【0032】の化合物よりなる。還元に有用な適した遷
移金属触媒には、パラジウム担持炭素、水酸化パラジウ
ム担持炭素、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)、ラニーニッケルおよび酢酸ロジウム
(II)が含まれる。好ましい遷移金属触媒はラニーニ
ッケルである。適した水素源には水素ガス、ギ酸アンモ
ニウムおよびギ酸が含まれる。好ましい水素源は水素ガ
スであり、約1〜約3気圧で用いるのが好ましい。適し
た不活性溶媒には(C1−C4)アルコール、N,N−ジ
メチルホルムアミド、酢酸エチルおよび酢酸が含まれ
る。好ましい溶媒はメタノールである。反応は一般に、
約20〜約75℃、好ましくは約20〜約30℃で行
う。
【0033】Xがフェニル、Y1が8−メチル、そして
2が水素である式Iaのラセミアミンを、適切な溶媒
中、(D)−(+)−ジベンゾイル酒石酸または(L)
−(−)−ジベンゾイル酒石酸でアミン塩を形成するこ
とによって分割すると、式Iの(3R,5R)および
(3S,5S)異性体が得られる。Xがフェニル、Y1
が8−メチル、そしてY2が水素である式Iaのラセミ
アミンを、有機溶媒中、式Iaのラセミ化合物を(D)
−(+)−ジベンゾイル酒石酸または(L)−(−)−
ジベンゾイル酒石酸と共に再結晶することによって分割
すると、式
【0034】
【化18】
【0035】(式中、Xはフェニルである)のジアステ
レオマー塩が得られる。このようにして形成された塩
は、同じまたは異なる溶媒から繰り返し再結晶しても、
あるいはXがフェニルである式Iの純粋な光学的対掌体
へ直接変換してもよい。
【0036】式Iの(3R,5R)および(3S,5
S)異性体の上記分割に適した溶媒には、反応体を溶解
しうる、もしくは形成される2種のジアステレオマー塩
のうちの1種を選択的に溶解し、他方を溶液から沈殿さ
せうる溶媒が含まれる。そのような溶媒の例はアセトン
および酢酸エチルである。好ましい溶媒はアセトンであ
る。上記分割温度は約0〜約100℃、好ましくはほぼ
室温である。初期の塩は少量の不所望のジアステレオマ
ー塩を含んでいるかもしれない。
【0037】第2の結晶化は、上記式AまたはBの光学
的対掌体に富んだジアステレオマー塩を熱メタノールに
溶解し、酢酸エチルを加えて沈殿物を形成し、そして最
後に、新しい酢酸エチルを加えることによって体積を維
持しながらほとんどのメタノールを留去することによっ
て行うことができる。次に、最終スラリーを室温に冷却
し、Xがフェニルである式AまたはBの純粋な塩を濾過
によって集める。
【0038】上記のように(D)−(+)−ジベンゾイ
ル酒石酸塩を分割剤として用いるとき、(D)−(+)
−ジベンゾイル酒石酸塩(+)−シス−(3R)−アミ
ノ−8−メチル−(5R)−フェニル−1,3,4,5
−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オンは溶
液から沈殿し、これは当業者に周知の方法によって物理
的に分離または精製することができる。相対する光学的
対掌体(−)−シス−(3S)−アミノ−8−メチル−
(5S)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−
ベンゾ[b]アゼピン−2−オンの(D)−(+)−ジ
ベンゾイル酒石酸塩は溶液に残る。(L)−(−)−ジ
ベンゾイル酒石酸塩を分割剤として用いるとき、(−)
−シス−(3S)−アミノ−8−メチル−(5S)−フ
ェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]
アゼピン−2−オンは溶液から沈殿し、一方、(+)−
シス−(3R)−アミノ−8−メチル−(5R)−フェ
ニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オンは溶液に残る。
【0039】(+)−シス−(3R)−アミノ−8−メ
チル−(5R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒ
ドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン・(D)−
(+)−ジベンゾイル酒石酸塩または(−)−シス−
(3S)−アミノ−8−メチル−(5S)−フェニル−
1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン
−2−オン・(L)−(+)−ジベンゾイル酒石酸塩の
ジベンゾイル酒石酸塩を中和して、相当する光学活性遊
離アミンを形成するのは、当業界で周知の方法を用いて
行いうる。例えば、そのような中和は、ジベンゾイル酒
石酸塩を塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムと反応させるこ
とによって行いうる。中和工程に適した溶媒には、クロ
ロ炭化水素、エーテル、ベンゼン、トルエンおよび水、
並びに前記溶媒の混合物(例えば、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、塩化メチレンまたは塩化メチ
レン/水)が含まれる。適当な温度は約15〜約100
℃であり、室温(30℃)が好ましい。
【0040】スキーム2の方法により、式Iの化合物を
CCKアンタゴニストである式VIIの化合物へ変換す
ることができる。スキーム2の方法は、1993年8月
5日公開のPCT特許公開公報第WO 93/1505
9に記載されており、その全てを参照することによって
ここに記載されたものとする。
【0041】スキーム2では、式Iの化合物を、式C6
412NCO(式中、Z1およびZ2は、ハロ、(C1
−C6)アルキル、(C1−C6)チオアルキル、(C1
6)アルコキシ、トリフルオロメチル、(C1−C6
カルボアルコキシ、アミノおよびニトロよりなる群から
独立して選択される)のイソシアネートと反応させるこ
とによって、式VIの相当する化合物へ変換する。この
反応に適した反応不活性溶媒には炭化水素、例えばヘキ
サン、ベンゼンおよびトルエン、ハロゲン化炭化水素、
例えば塩化メチレンおよび1,2−ジクロロエタン、エ
ーテル溶媒、例えばエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン(THF)およびグリム、並びにピリジンが含まれ
る。好ましい溶媒は1,2−ジクロロエタンまたは塩化
メチレンである。第3有機アミンは触媒として有用であ
る。反応温度は約0〜約150℃である。還流温度が好
ましい。
【0042】上記反応で用いた式C6412NCOの
イソシアネートは、当業者に周知の手順によって形成し
たり、または商業的に入手することもできる。そのよう
な方法の1つは、安息香酸誘導体とジフェニルホスホリ
ルアジドまたは類似試薬を、有機塩基、例えばトリアル
キルアミン、好ましくはトリエチルアミンまたはジイソ
プロピルエチルアミンの存在下で混合するものである。
この反応は通常は、エーテル、炭化水素または塩素化炭
化水素溶媒、好ましくはテトラヒドロフランまたはベン
ゼン中、ほぼ室温〜約100℃、好ましくは溶媒の還流
温度で、約20分〜約24時間、好ましくは約1時間行
う。
【0043】次に、式VIの化合物を、式L′CH21
[式中、L′は臭素またはヨウ素であり、R1はCO2
2、SO2NR36またはCONR45であり、ここで、
2、R3、R4、R5およびR6は、水素、(C3−C12
アルキル、2または3個の環を含む縮合飽和カルボン酸
系およびフェニルから独立して選択され、ここで、上記
フェニルはハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6
アルコキシ、ニトロ、アミノおよびトリフルオロメチル
から独立して選択される1または2個の置換基で置換さ
れていてもよく;ここで、R1がフェニルまたは置換フ
ェニルであるとき、L′は臭素であり、R1がCO
22、SO2NR36またはCONR45であるとき、
L′はヨウ素である]の化合物と、固体水酸化カリウム
および触媒量の臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムの
存在下で反応させることによって、環窒素でアルキル化
する。式VIIの相当する化合物が得られるこの反応は
通常、約25〜約35℃で行う。室温(30℃)で行う
のが好ましい。
【0044】塩基性の式VIIの化合物は、様々な無機
および有機酸で広い範囲の各種塩を形成することができ
る。そのような塩は、動物へ投与する場合、薬学的に許
容されるものでなければならないが、実際には、式Iま
たはIIの化合物を反応混合物から薬学的に許容されな
い塩として初期に単離し、その後、これをアルカリ性試
薬で処理するによって遊離塩基化合物へ戻し、そしてこ
の遊離塩基を薬学的に許容される酸付加塩へ変換するの
が望ましいことがよくある。本発明の活性塩基化合物の
酸付加塩は、水性溶媒媒質または適当な有機溶媒、例え
ばメタノールまたはエタノール中、塩基化合物を、実質
的に当量の選択された鉱酸または有機酸で処理すること
によって容易に製造される。溶媒を注意深く蒸発させる
と、所望の固体塩がすぐに得られる。
【0045】式VIIの化合物およびそれらの薬学的に
許容される塩(以後、一まとめにして”活性化合物”と
呼ぶ)は、選択的CCK−Bレセプターアンタゴニスト
として有用である。すなわち、これらは哺乳動物のBレ
セプター部位におけるCCKの効果に対して拮抗する能
力を有し、従って、これらは哺乳動物における痛み、潰
瘍および大腸炎のような胃腸障害、並びに不安およびパ
ニック障害のような中枢神経系障害の治療または予防に
おける治療薬として作用することができる。
【0046】活性化合物は経口、非経口または局所ルー
トのいずれかで投与することができる。一般に、これら
の化合物は約5.0〜約1500mg/日の投与量で投
与するのが最も望ましいが、治療対象の体重および症
状、並びに選択される個々の投与ルートによって変える
必要がある。しかしながら、約0.07〜約21mg/
kg体重/日の投与レベルを用いるのが最も望ましい。
それでも、治療動物の種類および上記薬剤に対する個々
の反応、並びに選択される医薬配合物の種類およびその
ような投与を行う時間および間隔によって変わるかもし
れない。場合によっては、投与レベルは上記範囲の下限
より下が適切であるかもしれず、別の場合には、さらに
多量の投与量を有害な副作用を引き起こすことなく用い
うるかもしれない。但し、そのようなより多量の投与量
の場合、少量の投与量に分けて1日に数回投与する。
【0047】活性化合物は単独で、あるいは薬学的に許
容される担体または希釈剤と組み合わせて、上記の3つ
のルートのいずれかによって投与しうる。そしてそのよ
うな投与は1回でまたは何回かに分けて行ってもよい。
さらに詳しくは、本発明の新規治療薬は様々な投与形態
で投与することができ、例えば、これらは各種の薬学的
に許容される不活性担体と合わせて錠剤、カプセル、ロ
ゼンジ、トローチ、ハードキャンディ、粉剤、スプレ
ー、クリーム、膏薬、座薬、ゼリー、ゲル、パスタ、ロ
ーション剤、軟膏、水性懸濁液、注入溶液、エリキシル
剤、シロップ等にしうる。そのような担体には固体希釈
剤または充填剤、殺菌水性媒質および各種非毒性有機溶
媒等が含まれる。さらに、経口医薬組成物には適当に甘
味剤および/または香味剤を加えてもよい。一般に、本
発明の治療に有効な化合物は、そのような投与形態で、
約5.0〜約70重量%の濃度レベルで存在させる。
【0048】活性化合物のCCK−Bアンタゴニストと
しての活性は、モルモットの皮質膜標本における125
−I−BH−CCK−8のCCK−Bレセプターへの結
合阻害能力を測定する分析によって判定しうる。この手
順は次のように行う。皮質を1匹のオスのハートレーモ
ルモットから切り取り、4℃のpH7.4の50mMト
リス(すなわち、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−
1,3−プロパンジオールであるトリメタミン)塩酸お
よび5mMの塩化マグネシウムよりなる20容量(w/
v)の分析緩衝液中で、テフロンホモジナイザーでホモ
ジネートする(15ストローク)。ホモジネートを4℃
で30分間、100,000×Gにて遠心分離する。ペ
レットを同じ緩衝液に再懸濁し、上記のように回転させ
る。最終ペレットを、結合分析に用いるために、分析緩
衝液で20mg/mlの濃度に希釈する。組織はその
間、氷上に保持する。
【0049】上記のように製造した50uLの組織標
本、100uLの125−I−BH−CCK−8(最終
分析で50pMの濃度にする)、20uLのブランクま
たは試験化合物、および4%ジメチルスルホキシド(D
MSO)を含むトリス30uLよりなるインキュベーシ
ョン混合物を製造する。全ての薬剤および希釈物は分析
緩衝液中の4%DMSOを用いて、1%の最終分析DM
SO濃度にする。
【0050】反応は、組織を、125−I−BH−CC
K−8および適当なブランクまたは試験化合物を含有す
る96穴プレートに加えることで開始する。非特異結合
は、1uM硫酸化CCK−8を用いて評価する。反応
は、4℃のSorvall RT6000冷凍遠心機に
固定したH1000Bローター内でプレートを回転する
ことによって終える。上澄みを捨て、ペレットを200
uLの分析緩衝液で洗浄し、プレートを上記のように回
転させる。上澄みを再びデカントし、pH7.4のトリ
スHClを洗浄緩衝液として用いて、222に設定した
スカトロン細胞採取機を使用して、ペレットをベータプ
レートフィルター(0.2%ポリエチレンイミンに最低
2時間浸した)上に採取する。フィルターマットをベー
タプレートカウンターで1つの試料当たり45秒間カウ
ントする。
【0051】データはIC50値(125−I−BH−C
CK−8の特異結合の50%を阻害する濃度)として表
す。データは非線形回帰分析を用いて分析する。
【0052】
【実施例】次の実施例は、本発明の中間体の製造を説明
するものである。市販の試薬をそれ以上精製することな
く用いた。融点は未補正である。NMRデータはppm
で記し、これらは試料溶媒からのジューテリウムロック
信号に関するものである。特異回転はナトリウムDライ
ン(589nm)を用いて室温で測定した。断りがなけ
れば、全ての質量分析は、電子衝撃(EI、70eV)
条件を用いて行った。クロマトグラフィーは、32〜6
3μmシリカゲルを用いて行うカラムクロマトグラフィ
ーであり、これは窒素圧(フラッシュクロマトグラフィ
ー)条件で行った。室温は20〜25℃である。実施例1 (+)−シス−(3R)−アミノ−8−メチル−(5
R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ
[b]アゼピン−2−オン : A. 3−ブロモ−2−(メトキシイミノ)−プロピオ
ン酸エチル ブロモピルビン酸エチル(50g、0.23mol)およ
びメトキシルアミン塩酸塩(23.2g、0.27mo
l)を、35℃の2Bエタノール(185ml)に溶解
し、一晩撹拌した。次に、ほとんどのアルコールを真空
中で蒸発させると半固体が得られ、これを塩化メチレン
(300ml)および0.5M HCl中に取り上げ
た。有機相を分離し、0.5M HClで2回洗浄し、
次にブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。
濾過し、真空蒸発すると、オキシムエステルが黄色油状
物として得られた;48.1g、収率93%。これはそ
れ以上精製することなく用いた。
【0053】B. 3−ホスホノ−2−(メトキシイミ
ノ)−プロピオン酸トリエチル:3−ブロモ−2−(メ
トキシイミノ)−プロピオン酸エチル(48g、0.2
14mol)および亜燐酸トリエチル(35.5g、0.
214mol)を合わせ、窒素雰囲気下、150〜155
℃に5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した。1
H NMRから、得られた油状物は主に所望のホスホネ
ートであることが分かった。これはそのまま次の加水分
解工程に用いた。1H NMR(クロロホルム−d,C
DCl3)δ4.29(q,2),4.05(mおよび
s,7),3.25(d,2,J=24Hz),1.2
5(m,9)。
【0054】C. 3−ホスホノ−2−(メトキシイミ
ノ)−プロピオン酸ジエチル:水酸化ナトリウム 1N
NaOH(45ml、45mmol)を、3−ホスホノ−
2−(メトキシイミノ)−プロピオン酸トリエチル(1
1.6g、41mmol)のエタノール(30ml)中の溶
液に加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。次に、
反応混合物をエーテルで2回抽出し、1N HCl(5
0ml)で酸性にし、そして塩化メチレンで3回抽出し
た。塩化メチレン層をまとめ、ブラインで洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾過し、真空中で蒸発
させると、冷蔵すると結晶化する油状物として酸が得ら
れた。これはそれ以上精製することなく用いた。1
NMR(CDCl3)δ9.20(s,1,CO2 ),
4.20−4.05(m,7),3.34(d,2,J
=24Hz),1.30(t,6)。
【0055】D. 2−(ジエチル 3−ホスホノ−2
−(メトキシイミノ)−プロピオンアミドイル)−4−
メチルベンゾフェノン:3−ホスホノ−2−(メトキシ
イミノ)−プロピオン酸ジエチル(1.7g、7.17
mmol)、2−アミノ−4−メチルベンゾフェノン(1
g、5mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.5g、
7.8mmol)を塩化メチレン(20ml)中で8時間還
流した。次に、反応混合物を水、2N塩酸(HCl)、
水性炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。溶
液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で蒸発させて油
状物を得た。この油状物を、クロロホルム中の5%酢酸
エチルを溶離剤として用いるシリカゲルによるカラムク
ロマトグラフィーによって精製して、未反応ベンゾフェ
ノンを除去した。生成物を0.91g(41%)の結晶
質固体として単離した。融点115〜18℃。1H N
MR(CDCl3)δ11.97(s,1),8.59
(s,1),7.70−7.42(m,6),6.90
(d,1),4.19(s,3),4.13(q,
4),3.40(d,2,J=24Hz),2.42
(s,3),1.32(t,6)。 E. 8−メチル−5−フェニル−1H−ベンゾ[b]
アゼピン−2,3−ジオン 3−(O−メチル−オキシ
ム):2−(ジエチル 3−ホスホノ−2−(メトキシ
イミノ)−プロピオンアミドイル)−4−メチルベンゾ
フェノン(17.6g、39.5mmol)を窒素雰囲気
下、室温のテトラヒドロフラン(150ml)に溶解し
た。反応混合物を氷水で4℃に冷却し、カリウムt−ブ
トキシド(9.32g、79mmol)を一度に加えた。冷
却浴を除き、反応混合物を加熱して0.5時間還流し
た。反応混合物を再び冷却し、そして酢酸エチル(10
0ml)で希釈し、水およびブラインで洗浄した。硫酸
マグネシウムで乾燥した後、溶媒を真空中で蒸発させて
固体を得、これをイソプロパノールから結晶化した;1
0g、収率87%、融点234〜37℃。1H NMR
(CDCl3)δ9.71(s,1,NH),7.38
(bs,5),7.05(s,1),6.96(d,
1,J=8.1Hz),6.84(d,1,J=8.1
Hz),6.67(s,1,ビニル),4.13(s,
3,NOCH3)、2.35(s,3)。13C NMR
(CDCl3)δ167.53,149.09,14
4.69,141.73,140.33,135.0
3,131.45,129.14,128.50,12
8.43,126.14,125.13,122.2
6,118.68,63.62,21.08。 C18
1622として計算された理論値:C,73.96;
H,5.52;N,9.58。実測値:C,74.2
2;H,5.69;N,9.52。構造は単結晶X線分
析によって確認した。 F. シス−3−アミノ−8−メチル−5−フェニル−
1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン
−2−オン:水で1回、メタノールで3回洗浄した(各
回、過剰の溶媒は窒素下、注射器で抜き取った)ラニー
ニッケル(アルドリッチ ケミカル社、40gの水性ス
ラリー)を、メタノール中の8−メチル−5−フェニル
−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピ
ン−2,3−ジオン 3−(O−メチル−オキシム)
(10g、34mmol)のスラリーで希釈して、約600
mlの最終体積にした。反応混合物を50psiの水素
圧で24時間振盪した。アリコートの薄層クロマトグラ
フィーから、還元がこの時点で完了したことが分かっ
た。曇った溶液をセライト(登録商標)に2回通して、
透明な溶液を得、これを真空中で蒸発させて、アミンを
白色固体として得た;8g、収率88%。1H NMR
(CDCl3)δ7.52(s,1),7.80−7.
05(m,6),6.96(d,1),6.71(s,
1),4.30(q,1),3.61(q,1),2.
82(m,1),2.50(m,1),2.32(s,
3),1.70(bs,2,NH 2)。 G. (+)−シス−(3R)−アミノ−8−メチル−
(5R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−
ベンゾ[b]アゼピン−2−オン (+)−ジベ ンゾイ
ル酒石酸塩:シス−3−アミノ−8−メチル−5−フェ
ニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オン(7.81g、29mmol)およびD−
(+)−ジベンゾイル酒石酸(10.5g、29.3mm
ol)をアセトン(300ml)中で合わせ、室温で撹拌
した。これは初めは透明な溶液であり、その後、結晶化
した。4時間の撹拌後、固体を集め、アセトンで洗浄
し、真空中、40℃で乾燥して、7.89gの塩を得
た。この初期の塩(6.74g)を加熱しながらメタノ
ール(75ml)に溶解して、透明な溶液を得た。酢酸
エチル(205ml)を熱溶液へ5分間にわたって加え
て、結晶化させた。追加の酢酸エチルを加えて本来の体
積を維持しながら、合計280mlの留出物を大気圧で
集めた。スラリーを1時間かけて室温に冷却し、固体を
集め、そして酢酸エチルで洗浄した。再結晶収量は6.
2g、92%、または全体分割に対して40%であっ
た。物質は白色固体であり、融点193〜4℃(分解)
であった。[αD]180.6°(c=0.205、メ
タノール、MeOH)。構造および絶対配置は単結晶X
線分析によって判定した。 H. (+)−シス−(3R)−アミノ−8−メチル−
(5R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−
ベンゾ[b]アゼピン−2−オン:ジベンゾイル酒石酸
塩(6.98g、11.2mmol)を、0.5N NaO
Hと塩化メチレン(50ml)との混合物に溶解した。
層を分離し、水性層は塩化メチレン(30ml)で抽出
した。有機層は合わせ、水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥した。これを濾過し、真空中で約25mlに濃縮
した。この時点で、ヘキサン(50ml)をゆっくり加
えた。この工程をさらにヘキサンで繰り返し、生成物を
集め、真空中で乾燥した;2.9g、収率98%。
[αD]259.5°(c=0.264、MeOH)。1
H NMR(CDCl3)はラセミアミンと同じ。13
NMR(CDCl3)δ177.0,143.5,1
38.0,135.8,133.1,131,6,12
8.3,127.2,126.6,126.2,12
3.7,61.1,51.3,45.8,42.0,2
0.9。実施例2 シス−3−アミノ−5−シクロヘキシル−1,3,4,
5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン : D. {2−[2−(シクロヘキシルカルボニル)−フ
ェニルカルバモイル]−2−メトキシイミノ−エチル}
−ホスホン酸ジエチルエステル:表題化合物を、実施例
1の手順A〜Dの方法により、容易に入手しうるフェノ
ンから製造した。
【0056】収量5.65g、66%。融点96〜8
℃。IR(臭化カリウム、KBr)1682,1655
cm-11H NMR(CDCl3)δ12.56(s,
1),8.77(d,1),7.92(d,1),7.
54(t,1),7.15(t,1),4.22(s,
3),4.14(m,4),3.40(d,2),3.
30(m,1),1.92−1.20(m,11)。 E. 5−シクロヘキシル−1H−ベンゾ[b]アゼピ
ン−2,3−ジオン 3−(O−メチル−オキシム)
表題化合物を、実施例1の手順Eと同様な方法で、上記
工程Dの手順から製造した。
【0057】収量1.7g、53%。融点192〜20
0℃。IR(KBr)1675,1629cm-11
NMR(CDCl3)δ9.50(s,1),7.5
0(d,1),7.39(t,1),7.29(m,
2),6.40(s,1),4.04(s,3),2.
69(bt,1),1.95−1.70(m,5),
1.47−1.18(m,5)。13C NMR(CDC
3)δ168.6,149.6,148.8,13
4.5,129.9,129.0,127.1,12
4.6,122.6,116.8,63.42,43.
1,33.23,26.7,26.2。質量スペクト
ル:m/e285(M+1)。C172022として計
算された理論値:C,71.81;H,7.09;N,
9.85。実測値:C,71.80;H,7.37;
N,9.96。 F. シス−3−アミノ−5−シクロヘキシル−1,
3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2
−オン:実施例1の方法Fに記載のものと同様な水素添
加条件下で、工程Eの生成物を還元して表題化合物を得
た。
【0058】収量0.78g、86%。1H NMR
(CDCl3)δ7.68(s,1),7.27−7.
18(m,1),7.10(d,2),6.92(d,
1),3.50(q,1),2.63−2.49(m,
2),2.01(m,2),1.78−1.47(m,
6),1.30−0.78(m,5),0.55(m,
1)。実施例3 シス−3−アミノ−5−シクロヘキシル−8−メチル−
1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン
−2−オン : D. {2−[2−(シクロヘキシルカルボニル)−5
−メチル−フェニルカルバモイル]−2−メトキシイミ
ノ−エチル}−ホスホン酸ジエチルエステル:表題化合
物を、実施例1の手順A〜Dの方法により、容易に入手
しうるフェノンから製造した。
【0059】収量3.14g、52%。融点64〜6
℃。IR(KBr)1680,1643,1612,1
570,1530cm-11H NMR(CDCl3)δ
12.66(s,1),8.63(d,1),6.93
(d,1),4.20(s,3),4.12(q,
4),3.39(d,2),3.28(m,1),2.
38(s,3),1.90−1.19(tを伴うmが
1.27にある,16)。13CNMR(CDCl3)δ
207.0,161.0,146.0,145.8,1
45.5,140.4,130.5,123.5,12
1.5,119.6,63.6,62.3,62.2,
61.0,46.5,29.7,25.9,25.8,
23.6,22.1,21.8,16.3,16.2。
222326Pとして計算された理論値:C,58.
40;H,7.35;N,6.19。実測値:C,5
8.44;H,7.46;N,6.24。 E. 8−メチル−5−シクロヘキシル−1H−ベンゾ
[b]アゼピン−2,3−ジオン 3−(O−メチル−
オキシム):表題化合物を、実施例1の手順Eと同様な
方法で、上記工程Dの手順から製造した。
【0060】収量0.41g、52%。融点222〜2
26℃。IR(KBr)1679,1631,161
7,1563cm-11H NMR(CDCl3)δ9.
53(s,1),7.49(d,1),6.99(m,
2),6.34(s,1),4.02(s,3),2.
66(t,1),2.33(s,3),1.91−1.
69(m,5),1.44−1.12(m,5)。13
NMR(CDCl3)δ168.4,149.8,1
48.8,139.3,134.3,127.1,12
5.6,122.7,116.0,89.0,63.
4,43.0,33.2,26.8,26.2,20.
9。質量スペクトル:m/e298(M+),267
(M+−OMe)。C182222として計算された理
論値:C,72.46;H,7.43;N,9.39。
実測値:C,72.42;H,7.51;N,9.4
5。 F. シス−3−アミノ−5−シクロヘキシル−8−メ
チル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オン:実施例1の方法Fに記載のものと同
様な水素添加条件下で、工程Eからの生成物を還元して
表題化合物を得た。
【0061】収量0.22g、79%。1H NMR
(CDCl3)δ8.03(s,1),6.99(d,
1),6.90(d,1),6.75(s,1),3.
50(q,1),2.61−2.42(m,2),2.
30(s,3),1.98(m,2),1.78−1.
45(m,6),1.26−0.73(m,5),0.
51(m,1)。実施例45−メチル−1H−ベンゾ[b]アゼピン−
2,3−ジオン−3−(O−メチル−オキシム) : D. 2−(ジエチル 3−ホスホノ−2−(メトキシ
イミノ)−プロピオンアミドイル)−アセトフェノン
表題化合物を、実施例1の手順A〜Dの方法により、容
易に入手しうるフェノンから製造した。
【0062】収量1.5g、41%。1H NMR(C
DCl3)δ12.62(s,1),8.79(d,
1),7.89(d,1),7.55(t,1),7.
11(t,1),4.19(s,3),4.10(m,
4),3.40(d,2,J=25Hz),2.66
(s,3),1.27(t,6)。 E. 5−メチル−1H−ベンゾ[b]アゼピン−2,
3−ジオン 3−(O−メチル−オキシム):表題化合
物を、実施例1の手順Eと同様な方法で、上記工程Dの
生成物から製造した。
【0063】収量0.45g、52%。融点190〜3
℃。IR(KBr)1669,1630cm-11
NMR(CDCl3)δ9.61(s,1),7.48
(d,1),7.33−7.13(m,3),6.54
(s,1),4.06(s,3),2.35(s,
3)。13C NMR(CDCl3)δ167.3,14
8.7,139.5,134.2,129.6,12
9.0,127.8,124.4,122.3,11
8.7,63.5,23.8。質量スペクトル:m/e
217(M+1)。C121222として計算された理
論値:C,66.65;H,5.59;N,12.9
5。実測値:C,66.71;H,5.72;N,1
3.05。実施例5シス−3−アミノ−7,8−ジメトキシ−5−
メチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]
アゼピン−2−オン : D. 2−(ジエチル 3−ホスホノ−2−(メトキシ
イミノ)−プロピオンアミドイル)−4,5−ジメトキ
シ−アセトフェノン:表題化合物を、実施例1の手順A
〜Dの方法により、容易に入手しうるフェノンから製造
した。
【0064】収量4.62g、75%。融点103℃。
IR(KBr)1675,1646,1609,158
6cm-11H NMR(CDCl3)δ12.88
(s,1),8.56(s,1),7.29(s,
1),4.20(s,3),4.20(q,4),3.
99(s,3),3.90(s,3),3.40(d,
2),2.61(s,3),1.28(t,6)。C18
2726Pとして計算された理論値:C,50.2
3;H,6.32;N,6.51。実測値:C,50.
36;H,6.37;N,6.73。 E. 5−メチル−7,8−ジメトキシ−1H−ベンゾ
[b]アゼピン−2,3−ジオン 3−(O−メチル−
オキシム):表題化合物を、実施例1の手順Eと同様な
方法で、上記工程Dの生成物から製造した。
【0065】収量1.68g、52%。融点233〜3
5℃。IR(KBr)1659,1627,1615,
1583cm-11H NMR(CDCl3)δ9.80
(s,1),6.88(s,1),6.73(s,
1),6.41(s,1),4.00(s,3),3.
90(s,3),3.85(s,3),2.31(s,
1)。13C NMR(CDCl3)δ166.9,14
9.9,148.8,145.6,139.1,12
8.5,121.5,117.1,110.1,10
5.2,63.3,56.2,56.1,23.9。C
141624として計算された理論値:C,60.8
5;H,5.84;N,10.14。実測値:C,6
1.07;H,5.91;N,10.34。 F. シス−3−アミノ−7.8−ジメトキシ−5−メ
チル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン−2−オン:実施例1の方法Fに記載のものと同
様な水素添加条件下で、上記工程Eからの生成物を還元
して表題化合物を得た。
【0066】収率73%。1H NMR(CDCl3)δ
7.60(s,1),6.69(s,1),6.50
(s,1),3.88(s,3),3.84(s,
3),3.49(q,1),3.00(m,1),2.
74(m,1),1.71(dt,1),1.60(b
s,2),1.30(d,3)。実施例6 シス−9−アミノ−7.7a−ジヒドロ−4H,6H−
フルオレノ−[1,9−bc]アゼピン−2−オン : D. 1−(ジエチル 3−ホスホノ−2−(メトキシ
イミノ)−プロピオンアミドイル)−フルオレノン:表
題化合物を、実施例1の手順A〜Dの方法により、容易
に入手しうるフェノンから製造した。
【0067】収量1.68g、39%。融点104〜7
℃。IR(KBr)1695,1653,1614,1
602cm-11H NMR(CDCl3)δ11.25
(s,1),8.41(d,1),7.51−7.41
(m,3),7.28(dt,1),7.20(d,
1),4.24(s,3),4.11(m,4),3.
40(d,2,J=25Hz),1.29(t,6)。 E. 4H−フルオレノ[1,9−bc]アゼピン−
5,6−ジオン−6−(O−メチル−オキシム):表題
化合物を、実施例1の手順Eと同様な方法で、上記工程
Dに記載のホスホネートアミドから製造した。
【0068】収量0.59g、61%。融点254〜6
1℃。IR(KBr)1681,1667,1637,
1615cm-11H NMR(CDCl3)δ8.75
(s,1),7.70(d,1),7.75(s,
1),7.69(d,1),7.46−7.31(m,
4),6.82(d,1),4.28(s,3)。13
NMR(CDCl3)δ160.7,149.1,14
0.9,140.0,139.3,137.4,13
4.8,132.3,130.6,128.4,12
2.4,122.2,121.2,118.1,11
5.7,110.0,63.8。C171222として
計算された理論値:C,73.90;H,4.38;
N,10.14。実測値:C,74.05;H,4.5
1;N,10.40。 F. シス−6−アミノ−7.7a−ジヒドロ−4H,
6H−フルオレノ[1,9−bc]アゼピン−5−オ
:実施例1の方法Fに記載のものと同様な水素添加条
件下で、上記工程Eからの生成物を還元して表題化合物
を得た。
【0069】収量0.29g、80%。1H NMR
(CDCl3)δ7.88(s,1),7.75(d,
1),7.60(d,1),7.49−7.30(m,
4),6.93(d,1),4.10(t,1),3.
61(q,1),2.71(q,1),2.40(m,
1),1.70(bs,2)。製造例9 A. (+)−3(R)−[3−(3−クロロ−フェニ
ル)−ウレイド]−8−メチル−2−オキソ−5(R)
−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベ ンゾ
[b]アゼピン:(+)−シス−3(R)−アミノ−8
−メチル−5(R)−フェニル−1,3,4,5−テト
ラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン−2−オン(2g、
7.52mmol)を1,2−ジクロロエタン(40ml)
に懸濁し、窒素下で撹拌し、同時に、1,2−ジクロロ
エタン(10ml)中の3−クロロフェニルイソシアネ
ート(1.2g、7.9mmol)を2分かけて滴加した。
これは初めは溶液で得られたが、その後、粘稠な沈殿物
となった。混合物を1時間、やさしく加熱還流したとこ
ろ、溶液となった。次にこれを室温に冷却した。沈殿物
を集め、ジクロロエタンで、次いでヘキサンで洗浄し、
真空中で乾燥した;2.82g、89%。融点133〜
40℃。[αD]49.6°(c=0.42、MeO
H)。1H NMR(ジメチルスルホキシドDMSO−
6を数滴含むCDCl3、)δ8.83(s,1),
8.48(s,1),7.30(s,1),6.90−
6.71(m,8),6.61(d,1),6.54−
6.38(m,3),4.20(q,1),4.03
(q,1),2.70(m,1),2.15(m,
1),1.96(s,3)。 上記と同様な条件下で、
次のシス−3−アミノ−5−置換−1,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾアゼピン−2−オンを3−クロロフ
ェニルイソシアネートと反応させて、相当する尿素を得
た。 B. 3−[3−(3−クロロフェニル)ウレイド]−
5−シクロヘキシル−2−オキソ−1,3,4,5−テ
トラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン 収量1.17g、91%。融点222〜5℃。IR(K
Br)1694,1651cm-11H NMR(DM
SO−d6)δ9.88(s,1),8.99(s,
1),7.60(t,1),7.30−7.06(m,
5),6.98(d,1),6.90(d,1),6.
60(d,1),4.20(m,1),2.58(m,
2),1.96(m,2),1.76−1.43(m,
4),1.22−0.77(m,5),0.53(m,
1)。質量スペクトル:m/e412(M+1)。 C. 3−[3−(3−クロロフェニル)ウレイド]−
5−シクロヘキシル−8−メチル−2−オキソ−1,
3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン:収
量0.193g、62%。融点162〜9℃。IR(K
Br)1674,1619,1592,1554,15
15cm-11H NMR(DMSO−d6)δ9.78
(s,1),8.96(s,1),7.59(s,
1),7.20(t,1),7.10(d,1),7.
04(d,1),6.90(d,2),6.76(s,
1),6.58(d,1),4.19(m,1),2.
51(m,3),2.27(s,3),1.90(m,
2),1.71−1.43(m,4),1.18−0.
72(m,5),0.48(m,1)。質量スペクト
ル:m/e426(M+1)。 D. 3−[3−(3−クロロフェニル)ウレイド]−
5−メチル−7,8−ジメトキシ−2−オキソ−1,
3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン:収
量0.33g、82%。融点208〜10℃。IR(K
Br)1725,1707,1696,1676c
-11H NMR(DMSO−d6)δ9.68(s,
1),9.00(s,1),7.60(t,1),7.
20(t,1),7.10(dd,1),6.91(d
d,1),6.85(s,1),6.61(s,1),
6.55(d,1),4.29(m,1),3.28
(s,3),3.71(s,3),3.04(m,
1),2.72(m,1),1.63(t,1),1.
20(d,3)。C202234Clとして計算された
理論値:C,59.47;H,5.49;N,10.4
0。実測値:C,59.28;H,6.25;N,9.
76。 E. 6−[3−(3−クロロフェニル)ウレイド]−
7,7a−ジヒドロ−4H,6H−フルオレノ[1,9
−bc]−アゼピン−5−オン:収量0.28g、67
%。融点221〜225℃。IR(KBr)1663,
1617,1593,1552cm-11H NMR
(DMSO−d6)δ10.29(s,1),9.04
(s,1),7.90(d,1),7.71(d,
1),7.56(m,2),7.48−7.33(m,
3),7.20(t,1),6.99(d,1),6.
90(d,1),6.76(d,1),4.30−4.
14(m,2),2.80(q,1),2.30(m,
1)。製造例10 N−t−ブチル−2−{3(R)−[3−(3−クロロ
−フェニル)−ウレイド]−8−メチル−2−オキソ−
5(R)−フェニル−1,3,4,5−テトラヒ ドロ−
ベンゾ[b]アゼピン−1−イル}−アセトアミド
(+)−3(R)−[3−(3−クロロ−フェニル)−
ウレイド]−8−メチル−2−オキソ−5(R)−フェ
ニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]ア
ゼピン(2.5g、6mmol)、N−t−ブチルヨードア
セトアミド(1.72g、7.15mmol)および臭化テ
トラブチルアンモニウム(0.2g、0.6mmol)を窒
素雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(50ml)に溶
解した。粉末水酸化カリウム(0.45g、8mmol)を
一度に加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応
混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、水およびブ
ラインで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶
媒を真空中で除去して泡状物を得、これを1:1の酢酸
エチル:ヘキサンを用いてシリカゲル上でフラッシュク
ロマトグラフィーにより精製した。生成物スポットのフ
ラクションを合わせ、物質をメタノールおよび水から結
晶化したところ、白色固体が得られた;2.2g、収率
71%。融点156〜170℃。[αD]124.5°
(c=0.52、CH2Cl2)。 1H NMR(CD
Cl3)δ8.01(s,1),7.60(s,1),
7.32(d,1),7.24(m,2),7.15
(m,4),7.02(m,2),6.90(d,
1),6.83(d,1),6.75(bs,1),
5.88(s,1),4.63(t,1),4.29
(d,1),3.88(d,1),3.02(d,
2),2.89(d,1),2.39(s,3),1.
32(s,9)。製造例11 N−t−ブチル−2−{3−[3−(3−クロロ−フェ
ニル)−ウレイド]−2−オキソ−5−シクロヘキシル
−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b] アゼピ
ン−1−イル}−アセトアミド :先の実験手順に従い、
3−[3−(3−クロロ−フェニル)−ウレイド]−2
−オキソ−5−シクロヘキシル−1,3,4,5−テト
ラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン(0.4g、1mmol)
をN−t−ブチルヨードアセトアミド(0.28g、
1.2mmol)でアルキル化して、表題化合物を白色固体
として得た;0.3g、収率59%。 融点222〜5
℃。 1H NMR(CDCl3)δ8.03(s,
1),7.59(t,1),7.34−7.15(m,
3),7.10(d,1),7.01(t,1),6.
91(d,1),6.83(d,1),6.43(b
d,1),6.31(s,1),4.95(d,1),
4.54(m,1),3.59(d,1),2.66
(m,1),2.53(t,1),2.18(bd,
1),1.78(m,1),1.59(m,1),1.
4(s,9),1.29−0.78(m,6),0.5
8(m,1)。製造例12 3−[t−ブトキシカルボニルアミノ]−8−メチル−
2−オキソ−5−フェニル−1,3,4,5−テトラヒ
ドロ−ベンゾ[b]アゼピン :3−アミノ−8−メチル
−2−オキソ−5−フェニル−1,3,4,5−テトラ
ヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン(1g、3.76mmol)
を窒素雰囲気下、塩化メチレン(10ml)に懸濁し
た。トリエチルアミン(0.38g、3.76mmol)お
よびジ−t−ブチルジカルボネート(0.82g、3.
76mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し
た。反応混合物を1N HClおよびブラインで洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で蒸発させた。
所望のカルバメートを白色泡状物として単離し、これを
それ以上精製することなく次の反応に用いた。1H N
MR(CDCl3)δ7.69(s,1),7.24−
7.06(m,6),6.94(d,1),6.73
(s,1),5.73(d,1),4.49(m,
1),4.40(m,1),2.99(m,1),2.
51(m,1),2.30(s,3),1.43(s,
9)。製造例13 N−t−ブチル−2−{3−[t−ブトキシカルボニル
アミノ]−8−メチル−2−オキソ−5−フェニル−
1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼ ピン
−1−イル}−アセトアミド :3−[t−ブトキシカル
ボニルアミノ]−8−メチル−2−オキソ−5−フェニ
ル−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼ
ピン(1.4g、3.8mmol)、N−t−ブチルヨード
アセトアミド(1.1g、4.56mmol)および臭化テ
トラブチルアンモニウム(85mg、0.26mmol)を
窒素雰囲気下、乾燥テトラヒドロフラン(25ml)に
溶解した。粉末水酸化カリウム(0.3g、4.5mmo
l)を一度に加え、反応混合物を5時間撹拌した。反応
混合物を酢酸エチル(25ml)で希釈し、水(2×5
0ml)およびブラインで洗浄した。硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を真空中で除去して所望の生成物を
泡状物として得た;2g、収率>100%。これはいく
らか過剰のヨードアセトアミドを含有していたが、次の
反応に用いるのに適していた。IR(KBr)172
0,1680,1659,1614cm-11H N
MR(CDCl3) δ7.28−7.07(m,
6),7.00(d,2),6.05(s,1),5.
49(d,1),4.34(m,1),4.08(d,
1),3.62(d,1),2.95(dt,1),
2.63(t,1),2.60(d,1),2.33
(s,3),1.41(s,9),1.32(s,
9)。製造例14 N−t−ブチル−2−{3−アミノ−8−メチル−2−
オキソ−5−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ
−ベンゾ[b]アゼピン−1−イル}−アセトア ミド
N−t−ブチル−2−{3−[t−ブトキシカルボニル
アミノ]−8−メチル−2−オキソ−5−フェニル−
1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]アゼピン
−1−イル}−アセトアミド(1.2g、2.5mmol)
を窒素雰囲気下、塩化メチレン(10ml)に溶解し、
氷浴中で5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(10m
l)を15分かけて滴加し、反応混合物を氷浴温度で4
時間撹拌した。反応混合物を真空中で蒸発させ、残留物
を酢酸エチルに溶解した。有機溶液を1N HCl(3
×30ml)で抽出した。酸性水性層を合わせ、酢酸エ
チルを加え、固体炭酸ナトリウムを加えることによって
pH10.5に調整した。有機層を分離し、水性層を酢
酸エチルで再び抽出した。合わせた酢酸エチル溶液をブ
ラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で
蒸発させてアミンを白色泡状物として得た;0.62
g、収率65%。1H NMR(CDCl3)δ7.28
−6.96(m,8),6.00(bs,1),4.1
4(d,1),3.62−3.50(m,2),2.7
9(m,1),2.61(m,2),2.35(s,
3),2.08(bs,s),1.30(s,9)。
【0070】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、XおよびNH2は少なくとも90%がシス配置
    であり;Y1およびY2は、ハロ、ニトロ、アミノ;1〜
    3個の弗素原子で置換されていてもよい(C1−C6)ア
    ルキル;および1〜3個の弗素原子で置換されていても
    よい(C1−C6)アルコキシから独立して選択され、そ
    してXはフェニル、(C3−C8)直鎖または分枝鎖アル
    キル、および(C5−C8)シクロアルキルよりなる群か
    ら選択され、ここで、上記フェニルは、ハロ、(C 1
    6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ニトロ、ア
    ミノおよびトリフルオロメチルよりなる群から独立して
    選択される1または2個の置換基で置換されていてもよ
    く、ここで、上記シクロアルキルは(C1−C6)アルキ
    ルから独立して選択される1または2個の置換基で置換
    されていてもよい)の化合物の製造方法であって、式 【化2】 (式中、Y1およびY2は、ハロ、ニトロ、アミノ;1〜
    3個の弗素原子で置換されていてもよい(C1−C6)ア
    ルキル;および1〜3個の弗素原子で置換されていても
    よい(C1−C6)アルコキシから独立して選択され、そ
    してXはフェニル、(C3−C8)直鎖または分枝鎖アル
    キル、および(C5−C8)シクロアルキルよりなる群か
    ら選択され、ここで、上記フェニルは、ハロ、(C 1
    6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ニトロ、ア
    ミノおよびトリフルオロメチルよりなる群から独立して
    選択される1または2個の置換基で置換されていてもよ
    く、ここで、上記シクロアルキルは(C1−C6)アルキ
    ルから独立して選択される1または2個の置換基で置換
    されていてもよい)の化合物を、ラニーニッケルおよび
    水素源で還元することを含む方法。
  2. 【請求項2】 式 【化3】 (式中、Y1およびY2は、ハロ、ニトロ、アミノ;1〜
    3個の弗素原子で置換されていてもよい(C1−C6)ア
    ルキル;および1〜3個の弗素原子で置換されていても
    よい(C1−C6)アルコキシから独立して選択され、そ
    してXはフェニル、(C3−C8)直鎖または分枝鎖アル
    キル、および(C5−C8)シクロアルキルよりなる群か
    ら選択され、ここで、上記フェニルは、ハロ、(C 1
    6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ニトロ、ア
    ミノおよびトリフルオロメチルよりなる群から独立して
    選択される1または2個の置換基で置換されていてもよ
    く、ここで、上記シクロアルキルは(C1−C6)アルキ
    ルから独立して選択される1または2個の置換基で置換
    されていてもよい)の化合物の製造方法であって、 a) 式 【化4】 (式中、X、Y1およびY2は上記定義通りである)の化
    合物と、式 【化5】 (式中、Lはヒドロキシ、クロロ、Rが(C1−C6)ア
    ルキルである−O2CORであるか、またはLは式 【化6】 の基である)の化合物とを有機溶媒中で反応させて、式 【化7】 (式中、X、Y1およびY2は上記定義通りである)の化
    合物を形成すること、 ここで、Lがヒドロキシであるとき、上記反応は脱水剤
    の存在下で行い;ここで、Lがヒドロキシ以外であると
    き、上記反応は酸スカベンジャーの存在下で行う;並び
    に b) X、Y1およびY2が上記定義通りである上記式I
    IIの化合物と塩基とを有機溶媒中で反応させることを
    含む方法。
  3. 【請求項3】 上記塩基がカリウムt−ブトキシドであ
    る、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記脱水剤が、ジシクロヘキシルカルボ
    ジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−
    エチルカルボジイミド、またはジフェニルホスホリルア
    ジドである、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記酸スカベンジャーが、トリエチルア
    ミン、N−メチル−モルホリン、ジメチルアミノピリジ
    ンまたはピリジンである、請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程”a”における上記溶媒がジクロロ
    メタンである、請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程”b”における上記溶媒がテトラヒ
    ドロフランである、請求項2に記載の方法。
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KR100466797B1 (ko) * 2001-12-31 2005-01-24 한국과학기술연구원 벤조아제핀 유도체 및 인듐을 이용하는 그의 제조방법

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