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JP2000107758A - 復水の処理方法および復水処理用中空糸膜モジュール - Google Patents

復水の処理方法および復水処理用中空糸膜モジュール

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Publication number
JP2000107758A
JP2000107758A JP10284556A JP28455698A JP2000107758A JP 2000107758 A JP2000107758 A JP 2000107758A JP 10284556 A JP10284556 A JP 10284556A JP 28455698 A JP28455698 A JP 28455698A JP 2000107758 A JP2000107758 A JP 2000107758A
Authority
JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
layer
condensate
treatment
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10284556A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yoshida
武史 吉田
Osami Kato
修身 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP10284556A priority Critical patent/JP2000107758A/ja
Publication of JP2000107758A publication Critical patent/JP2000107758A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理水量が大きく、復水の浄化性能が良好
で、処理水量の経時変化が少なく、長期間安定して運転
でき、かつ省スペースで処理を行うことができる復水の
処理方法および復水処理用中空糸膜モジュールを提供す
る。 【解決手段】 中空糸膜を含む中空糸膜モジュールを用
いて復水を処理する方法であり、前記中空糸膜として、
スタックドラメラと、該スタックドラメラと結合したミ
クロフィブリルにより形成された微細孔を複数有するポ
リオレフィン製の三次元構造の膜が三層以上積層されて
なり、その最内層と最外層が支持層であり、これらの間
に挟まれた中間層が支持層の微細孔よりも平均孔径の小
さい緻密層である複合微多孔質中空糸膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所、火
力発電所等で発生する復水の処理方法および復水処理用
中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電所、火力発電所等で発
生する復水の浄化処理には、イオン交換樹脂製のプレコ
ートフィルターが使用されてきた。しかしながら、イオ
ン交換樹脂製のプレコートフィルターは寿命が短く、特
に、原子力発電所で発生する放射能を帯びた復水を処理
した後のプレコールフィルターは、ドラム缶に詰めて保
存しなければならない等の問題点があった。そのため、
最近の復水の処理には、寿命が長く、復水の濾過処理後
に焼却可能で二次廃棄物の発生が抑制できる等の特性を
兼ね備えた膜素材として、ポリオレフィン製の多孔質中
空糸膜が使用されるようになってきている。
【0003】復水の処理に用いられる中空糸膜モジュー
ル用中空糸膜の代表的なものとして、特開昭57−66
114号公報には、中空糸膜の長軸方向に配向したミク
ロフィブリルと、中空糸膜の膜の厚さ方向に配向したス
タックドラメラとの結節部とから形成されるスリット状
微細孔が中空糸膜の膜壁内に積層され、かつ膜の一表面
から他表面に向かって貫通しており、厚み方向に均一な
微多孔質構造を形成しているポリエチレン製微多孔質中
空糸膜が開示されている。
【0004】この中空糸膜は、ポリエチレンを溶融賦形
し、この賦形物をさらに延伸することによって製造され
ている。すなわち、特定の紡糸条件でポリエチレンを賦
形した後にアニール処理を施して、賦形物の膜壁内にラ
メラ積層結晶(スタックドラメラ)を形成させ、次いで
この賦形物を延伸してこのスタックドラメラ間を剥離さ
せるとともに、ラメラ積層結晶間を結ぶフィブリルを成
長させることにより、上記の特定の構造を有する微多孔
質膜が形成される。この膜は、上記特定の微多孔質構造
を有しているため機械的強度に優れており、しかもその
製造過程で溶剤を使用しないことから、浄化水への不純
物の混入のおそれが少ないという特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィン製中空糸膜は疎水性膜であるため、これら中空
糸膜を復水の処理に使用する際には、アルコール等によ
る親水化処理を行う必要があった。この難点を改良する
中空糸膜としては、ポリオレフィン製中空糸膜をエチレ
ン−ポリビニルアルコール共重合体で被覆したもの、あ
るいはエチレン−ポリビニルアルコール共重合体をブレ
ンドしたポリオレフィン樹脂を用いて製造した中空糸膜
が知られている(特公平6−96102号公報)。しか
しながら、この中空糸膜は、微細孔の潰れ、目詰まりに
よる透水量の経時的な低下は防止できるものの、微多孔
質中空糸膜特有の透水量の低さは改善されていなかっ
た。そのため、この中空糸膜を用いた復水の処理方法に
は、処理水量の経時変化は少ないものの、処理水量を多
くすることができないという問題点があった。
【0006】中空糸膜モジュール当たりの透水量を増加
させるには、中空糸膜の配設本数を増加させるか、ある
いは中空糸膜の長さを長くすればよい。しかしながら、
中空糸膜の配設密度を増加させた場合、ある程度までは
配設本数に比例して透水量は増加するが、設置密度があ
る程度以上に高くなると、中空糸膜束の中央部への復水
の通過抵抗が大きくなるため、配設本数に比例して透水
量を増加させることはできなかった。また、中空糸膜の
長さを長くして膜面積を増加させた場合も、ある長さま
では透水量は増加するが、中空糸膜の内径と膜の性能と
の関係から、ある長さ以上では中空糸膜内部の流路抵抗
が律速となり、長さに比例して透水量を増加させること
はできなかった。
【0007】透水量を増やす別の方法としては、上述し
た中空糸膜から微細孔孔径の大きなものを選択する方法
が考えられるが、中空糸膜の分画性能が十分ではなくな
るため、所望の水質の浄化水が得られない。また、膜厚
の薄い中空糸膜を用いても透水量は増えるが、その場合
には微多孔質中空糸膜の機械的強度が不足する傾向とな
り、長期間安定して復水の処理を行えなかった。そのた
め、多量の復水を処理するには大型の中空糸膜モジュー
ルを多数使用する必要があり、広い処理スペースが必要
になるという問題があった。
【0008】このように、原子力発電所、火力発電所等
における復水の処理には、処理水量が大きく、復水の浄
化性能が良好で、処理水量の経時変化が少なく、長期間
安定して、かつ省スペースで処理を行うことができる処
理方法が必要とされていた。そして、このような処理方
法には、透水性能(フラックス)が高く、クラッド粒子
の除去が可能な高い分画性能を有し、目詰まりしにく
く、クラッドによる損傷を受けにくく、濾過時の差圧上
昇が少なく、かつ小型化、高寿命化、逆洗浄、バブリン
グ、薬品洗浄等を行うのに必要な機械的強度(耐久性)
を有する中空糸膜が必要とされていた。
【0009】そこで、特開平9−108671号公報に
は、所定の粒径の粒子を分離できる微細孔を有する微多
孔質中空糸膜に、それより所定比だけ大きな微細孔を有
する微多孔質中空糸膜が接合された二層構造のポリオレ
フィン製微多孔質中空糸膜を用いた復水の処理方法が開
示されている。この処理方法で用いられる微多孔質中空
糸膜は、分画性能を担う小孔径の緻密層(内層)と、補
強機能を担い、透水量が大きく、かつ目詰まりしにくい
大孔径の補強機能層(外層)とからなる複合膜であり、
従来の同分画性能の中空糸膜(均一膜)に比べ、クラッ
ド除去可能な分画性能を保ちつつ、耐目詰まり性に優
れ、高寿命化すると共に、高い透水性能を得ることがで
き、かつ使用する膜面積を低減させることでカートリッ
ジのコンパクト化が可能であった。
【0010】しかしながら、この微多孔質中空糸膜を使
用する復水の処理方法は、復水の浄化性能が良好で、処
理水量の経時変化が少なく、長期間安定して処理を行え
るものの、処理水量がいまだ十分ではなく、広い処理ス
ペースを必要としていた。そのため、復水処理に用いる
中空糸膜には、上述の性能を維持しつつ、なおかつ更に
中空糸膜の透水性能(フラックス)を向上させること
で、よりいっそうの高透水量化、コンパクト化を図るこ
とが切望されている。
【0011】よって、本発明の目的は、処理水量が大き
く、復水の浄化性能が良好で、処理水量の経時変化が少
なく、長期間安定して運転でき、かつ省スペースで処理
を行うことができる復水の処理方法を提供することにあ
る。また、復水の処理後に発生する廃棄物の量を抑制で
きる復水の処理方法を提供することにある。また、透水
性能、分画性能が高く、目詰まりしにくく、機械的強
度、耐久性に優れた復水処理用中空糸膜モジュールを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決する目的で、復水の処理に適した高性能な中空糸
膜モジュールに用いられる多孔質中空糸膜の開発につき
鋭意検討した結果、所定の粒径の粒子を分離できる微細
孔を有する微多孔質膜(緻密層)に、それより所定比だ
け大きな微細孔を有する微多孔質膜(支持層)が接合さ
れた複合微多孔質中空糸膜の構成とすることで、膜厚の
拡大にかかわらず膜の透水量の低下の少ない複合多孔質
中空糸膜が得られると共に、更に、複合多孔質中空糸膜
内の分離機能を担う緻密層の位置を考慮し、緻密層位置
を中間層に、つまり緻密層が支持層に挟まれた三層構造
にすることにより、耐目詰まり性に優れる性能を維持し
つつ、従来の均一膜はもとより緻密層内層化複合中空糸
膜に比べ、更に透水量が増大する中空糸膜モジュールが
製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の復水の処理方法は、中
空糸膜を含む中空糸膜モジュールを用いて復水を処理す
る方法であり、前記中空糸膜として、スタックドラメラ
と、該スタックドラメラと結合したミクロフィブリルに
より形成された微細孔を複数有するポリオレフィン製の
三次元構造の膜が三層以上積層されてなり、その最内層
と最外層が支持層であり、これらの間に挟まれた中間層
は微細孔の平均孔径が支持層の微細孔の平均孔径よりも
小さい緻密層である複合微多孔質中空糸膜を用いること
を特徴とする。
【0014】また、前記支持層は緻密層よりも厚く、該
支持層の一層の厚みは20〜50μmであり、前記中空
糸膜の膜全体の空孔率は75vol%以上であることが
望ましい。また、前記中空糸膜は、親水性高分子によっ
て被覆され、ミクロフィブリルが複数本ずつ結束してい
ることが望ましい。また、前記親水性高分子による被覆
量は、被覆前の中空糸膜に対して3〜30重量%であ
り、被覆後の緻密層のミクロフィブリル束間の平均距離
Daに対する、支持層のミクロフィブリル束間の平均距
離Dbとの比Db/Daは、1.3〜4.0の範囲にあ
ることが望ましい。また、本発明の復水処理用中空糸膜
モジュールは、中空糸膜を含む復水処理用中空糸膜モジ
ュールであって、前記中空糸膜が、スタックドラメラ
と、該スタックドラメラと結合したミクロフィブリルに
より形成された微細孔を複数有するポリオレフィン製の
三次元構造の膜が三層以上積層されてなり、その最内層
と最外層が支持層であり、これらの間に挟まれた中間層
は、微細孔の平均孔径が支持層の微細孔の平均孔径より
も小さい緻密層であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の復水の処理方法に用いる
中空糸膜モジュールは、中空糸膜を濾過膜として含むも
のであり、例えば、U字状に集束した中空糸膜の両端部
を集水部にポッティング剤により固定されてなる形態の
ものが代表的であるが、その形態はどのようなものであ
ってもよい。
【0016】図1は、本発明の復水の処理方法に用いる
中空糸膜モジュールの一例を示す模式断面図である。構
造部材1は円管状で、図中の上下方向に開口する開口部
1b,1bを有している。複合微多孔質中空糸膜3(以
下中空糸膜3と略記する)は、U字状に折り返され、そ
の端部3aが構造部材1の一方の開口部1bから挿入さ
れ、この構造部材1内に充填された固定部材2によって
集束、固定されて、この構造部材1に取り付けられてい
る。この中空糸膜3の端部3aは、開口状態が保たれ、
これらの端部3aと前記固定部材2によって、集液面1
aが形成されている。
【0017】構造部材1は、円管状の他、開口部面と平
行方向に切断した断面形状が矩形のものなどが用いら
れ、その形状を限定することはない。また、その外周面
は、中空糸膜モジュールの設置位置の形状に対応して、
種々の形状とすることができる。固定部材2は、通常、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン
等の液状樹脂を硬化させて形成されたものである。中空
糸膜3は、例えばその一端を封止したものを直線状に配
し、その他方の端部の開口状態を保った状態で、構造部
材1に集束、固定して取り付けることもできる。
【0018】この中空糸膜モジュールにおいてOUT→
IN濾過を行う場合、被処理液は、中空糸膜3の表面か
ら、中空糸膜3内に透過する。そして、中空糸膜3内を
移動して、集液面1aを構成する開口状態の端部3aか
ら濾液が排出される。このとき中空糸膜3の表面に供給
される被処理液と、端部3aから排出される濾液とは、
固定部材2によって液密に仕切られている。IN→OU
T濾過を行う場合には、集液面1aに被処理液が供給さ
れ、この集液面1aを構成する端部3aから、被処理液
が中空糸膜3内に入り、中空糸膜3を透過し、濾液が排
出される。
【0019】本発明の復水の処理方法に用いる複合微多
孔質中空糸膜(以下中空糸膜と略記する)は、スタック
ドラメラと、このスタックドラメラと結合したミクロフ
ィブリルにより形成された微細孔を複数有する三次元構
造の膜が、三層以上積層されてなり、緻密層と、微細孔
の平均孔径が前記緻密層よりも大きい支持層とを備えて
いるものである。前記緻密層と前記支持層は、紡糸した
未延伸の中空糸膜が延伸されることによって、微細孔が
多数形成されてなるものである。すなわち、溶融紡糸し
た未延伸中空糸膜に、延伸処理を施すことによって、応
力が構造的に弱い非結晶部分に集中し、非晶鎖が選択的
に延伸方向に伸張し、スタックドラメラ間に開裂が生
じ、同時にスタックドラメラの一部が剥離し、これらが
集合してミクロフィブリルが形成される。そして、スタ
ックドラメラ中での凝集力が強い部分が、その構造を保
持した状態で応力に耐え、図2に示すように、延伸方向
に添った多数のミクロフィブリル20,20,…と、こ
れが結合しているスタックドラメラ18,18,…の結
節部との間にスリット状の微細孔22,22,…が形成
される。
【0020】微細孔22の孔径、すなわち大きさは、ミ
クロフィブリル20の長さ(スリット状微細孔22の長
辺の長さ、またはスタックドラメラ18間の距離に相当
する)Lの平均値と、ミクロフィブリル間隔Wの平均値
のふたつのパラメータによって表現されている。中空糸
膜による濾過においては、透水量は、主にミクロフィブ
リルの長さLに依存し、ミクロフィブリル20が長い
程、透水量は多くなる。他方、分画性能は、主としてミ
クロフィブリルの間隔Wに依存し、ミクロフィブリル間
隔Wが狭い程、分画性能を高めることができる。
【0021】この中空糸膜は、比較的小さな微細孔を有
する緻密層によって、分画性能を高めたものである。そ
して、比較的大きな微細孔を有する支持層によって、膜
強度を向上させ、かつ、透水量を向上させたものであ
る。したがって、この中空糸膜を用いた中空糸膜モジュ
ールにおいて、高い透過流量と高い分画性能と高い耐久
性が得られるものである。
【0022】緻密層において、その平均ミクロフィブリ
ル長は0.2〜5μmが好ましく、平均ミクロフィブリ
ル間隔は0.02〜0.3μmが好ましい。ミクロフィ
ブリル長が0.2μm未満であったり、ミクロフィブリ
ル間隔が0.02μm未満であると、緻密層の濾過抵抗
が大きくなり、中空糸膜全体の透水量が低下する。ま
た、ミクロフィブリル長が5μmよりも長いと緻密層の
機械的強度が不足しやすい。また、ミクロフィブリル間
隔が0.3μmより広い場合は中空糸膜の分画性能が低
下しやすい。支持層において、その平均ミクロフィブリ
ル長は0.5〜10μmが好ましく、平均ミクロフィブ
リル間隔は0.1〜0.6μmが好ましい。ミクロフィ
ブリル長が0.5μm未満であったり、ミクロフィブリ
ル間隔が0.1μm未満であると、中空糸膜全体の透水
量が不足する。また、ミクロフィブリル長が10μmよ
りも長いと中空糸膜の延伸後の破断伸度が不足しやす
い。また、ミクロフィブリル間隔が0.6μmより広い
場合も機械的強度が不足しやすい。
【0023】また、中空糸膜において、被処理液を、大
きな微細孔を有する支持層から、小さな微細孔を有する
緻密層に供給すると、目詰まりが発生しにくい。通常
は、被処理液を中空糸膜の表面から供給するOUT→I
N濾過の方が効率がよい。このため、支持層を最外層と
し、この内層側に緻密層を配置すると、被処理液の供給
側に支持層が配置されるので、目詰まりしにくく、好ま
しいことになる。
【0024】一方、中空糸膜の透水量の律速は、小さな
微細孔を有する緻密層である。したがって、できるだけ
緻密層の膜面積を大きくし、透水量を向上させると好ま
しい。このため緻密層は、できるだけ中空糸膜の内層側
よりも外層側に配置して、その内径と外径を大きくする
ことにより、膜面積を大きくすることが好ましい。ま
た、中空糸膜の製造時においては、中空糸膜自体の保温
効果のために、その内層側は冷却不十分になりやすい。
このため、伸張応力(粘性に比例した応力)を十分に受
けずにポリマー分子鎖が結晶化しやすい。このような乱
れた結晶配向のもとに延伸処理を施すと、延伸後の微細
孔寸法(特にミクロフィブリル間隔)が厚み方向に不均
一となることから、緻密層の分画性能が低下すると考え
られる。このような分画性能の低下を防ぐためには、緻
密層はできるだけ外層側に配置し、十分に冷却されるよ
うにすることが好ましい。
【0025】したがって、本発明において、中空糸膜
は、最内層と最外層に支持層を配置し、これらの間の中
間層として、緻密層を配置した三層以上の構造とするの
が好適である。また、この場合、最内層と最外層が支持
層となっているので、中空糸膜の表面と内面の、どちら
から被処理液を供給しても、目詰まりが起こりにくい。
さらに、分離層である緻密層が中間層として支持層に挟
まれることにより、支持層が緻密層を取扱い時や濾過時
に受ける外傷から保護する役割をも果たしている。
【0026】また、本発明の復水の処理方法に用いる中
空糸膜は、親水性高分子で被覆して水に濡れやすいよう
にしておくことが好ましい。すなわち、中空糸膜のスタ
ックドラメラの結節部と、ミクロフィブリルの表面を親
水性高分子によって被覆する。この親水処理を行うと、
図3に示すように、ミクロフィブリルは、数本ずつ結束
して、ミクロフィブリル束21となり、微細孔22はス
リット状から楕円状になり、微細孔22の平均孔径を拡
大することができる。
【0027】この親水処理を施した中空糸膜において、
緻密層の微細孔22の大きさは、ミクロフィブリル束2
1間の平均距離(平均孔径)Daで表現される。そし
て、このDaが0.2〜0.5μmであることが好まし
く、0.3〜0.4μmであることがより好ましい。前
記Daを0.2μm以上とした中空糸膜では特に透水量
が大きく、Daが0.5μm以下の場合は、微粒子の阻
止能力が良好で、高い分画性能を有する中空糸膜を得る
ことができる。
【0028】親水処理を施した中空糸膜において、支持
層の微細孔22の大きさは、図3に示すミクロフィブリ
ル束21間の平均距離(平均孔径)Dbが0.2〜1μ
mであることが好ましく、0.4〜0.5μmであるこ
とがより好ましい。Dbが0.2μm未満の支持層を有
する中空糸膜においては、水透過速度が低下し、Dbが
1μmを超える場合には、中空糸膜の膜強度が低下す
る。
【0029】また、DbとDaの比が1.3≦Db/D
a≦4.0であることが好ましい。Db/Daが1.3
未満の場合、高い分画性能と高い透水量の中空糸膜が得
られない場合がある。Db/Daが4.0を超えると、
緻密層の材料と支持層との材料の物性差が拡大するの
で、溶融紡糸、あるいは延伸処理における安定性が低下
する。また、支持層におけるスタックドラメラ18の結
節部間の平均距離Mbは、0.4〜4.0μmであるこ
とが好ましく、0.7〜2.0μmであることがより好
ましい。Mbが0.4μm未満である場合、水透過速度
が低下し、Mbが4.0μmを超える場合、中空糸膜の
膜強度が低下する。
【0030】ところで、前記ミクロフィブリル束間の平
均距離Da,Dbは、以下のようにして測定されるもの
である。すなわち、中空糸膜から、繊維軸方向に極薄切
片を切り出してサンプルとし、6500倍の透過型電子
顕微鏡写真より、このサンプルの6cm角の部分を画像
処理装置のCRT画面に取り込む。図4は、この画像の
模式図である。ついで、この取込画像に、繊維軸方向と
直交する方向に、0.052μmピッチで1本目からn
本目までの走査線を引く。そして、ひとつの微細孔の全
範囲がおさまっていないαで示す部分を除外して、1本
目の走査線の内の、微細孔の部分を通過する線分の各距
離、例えばa1からa5の和を求める。次いで、2本目
の走査線について同様に、例えばb1からb6の和を求
め、順次n本目の走査線の、例えばn1からn6の和を
求めて総和(距離総和)を出す。次に、各走査線が通過
した微細孔の数(1本目の走査線では5つ、2本目は6
つ、n本目は6つ)の総和(数総和)を求めて、距離総
和/数総和を平均間隔Da、Dbとする。図2に示すミ
クロフィブリル長L、ミクロフィブリル間隔Wも同様に
して測定することができる。
【0031】本発明の復水の処理方法に用いる中空糸膜
の内径は50〜5000μmの範囲であることが好まし
い。内径が50μm未満では、中空糸膜内部の圧力損失
が大きくなり、実用上不都合である。また、5000μ
mを超えると、中空糸膜の膜面積が低下し、単位容積当
たりの透水量が低下する。中空糸膜の全膜厚は5〜50
0μmであることが好ましく、より好ましくは30〜2
00μmである。5μm未満では膜強度が弱く、変形が
生じる場合がある。また、200μmをこえると、透水
性が低下する。
【0032】緻密層の厚みは、0.5〜20μmである
ことが好ましく、3〜12μmであることがより好まし
い。0.5μm未満であると、緻密層中にピンホール欠
陥が発生しやすく、20μmをこえると、中空糸膜の透
水量が低下する。また、緻密層の膜厚は、中空糸膜の全
膜厚の1/3以下であることが好ましく、これより厚い
と、中空糸膜において、高い透水性能が効果的に得られ
にくくなる場合がある。また、支持層の厚みは緻密層の
厚みよりも厚く、支持層の一層の厚みが20〜50μm
であることが好ましい。支持層が緻密層よりも薄い場合
には、十分な膜強度が得られない場合がある。また、2
0μm未満であると、十分な膜強度と透水量が確保でき
ない場合がある。50μmを超えると、緻密層の膜面積
を大きくすることができない場合がある。
【0033】また、中空糸膜の空孔率は75vol%以
上であることが好ましい。空孔率を75vol%以上と
することにより、濾過寿命を長くすることができる。ま
た、バブルポイント法により求めた微細孔の最大孔径
が、0.05〜1.0μmであることが好ましい。最大
孔径が0.05μm未満の場合、透水速度が低下する傾
向があり、1.0μmを超える場合は、膜強度が低下す
ることがある。
【0034】中空糸膜を構成する素材のポリオレフィン
類としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテ
ン−1、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。これ
らは単独で、あるいは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0035】ポリオレフィンは、ASTM D−123
8によって測定したMI値(メルトインデックス値)が
0.1〜50g/10minの範囲であることが好まし
く、0.3〜15g/10minの範囲がより好まし
い。MI値が0.1g/10min末満のポリオレフィ
ンは、溶融粘度が高過ぎるため、賦形が難しく、所望の
多孔質層を得ることが困難である。また、MI値が50
g/10minを超えるポリオレフィンは、逆に、溶融
粘度が低過ぎて安定な賦形を行うことが困難である。ポ
リエチレンを用いる場合、MI値は、JISK6760
による測定法で、0.05〜20.0g/10minの
範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜
5.0g/10minの範囲である。MI値が0.05
g/10min未満では粘度が非常に高く、溶融紡糸が
困難になる。20.0g/10minを超えると結晶配
向性が不充分となり、均一な微細孔構造を得ることはで
きない。
【0036】ポリオレフィンの密度は、その種類によっ
て異なるが、例えばポリエチレンの場合には0.95g
/cm3 以上であることが好ましく、さらに好ましくは
0.960g/cm3 以上である。ポリプロピレンの場
合には0.91g/cm3 以上であることが好ましい。
これよりも密度が小さいと、延伸による微細孔の形成が
不均一となり、不都合である。これらの密度あるいはM
I値は、重合条件の設定やブレンド等により、自由に調
整することができる。また、緻密層と支持層の材料とし
て、密度やMI値の異なるポリオレフィンを用いること
によって、各層の微細孔の大きさを調整することができ
る。
【0037】このような多孔質構造の中空糸膜は、具体
的には以下のようにして製造することができる。すなわ
ち同心円状に配設された三つ以上の環状吐出口を有する
中空糸膜製造用ノズルを用いて、ポリオレフィンの融点
以上、好ましくは融点より10〜100℃高い温度で、
溶融ポリマーを押出して溶融紡糸した後、10〜40℃
の雰囲気中で冷却し、0.1〜3m/秒の巻取り速度で
巻き取り、緻密層と支持層が積層された複合未延伸中空
繊維(未延伸糸)を得る。この後、必要に応じて、ポリ
オレフィンの融点以下の温度、好ましくは融点より5〜
50℃低い温度で熱処理を行って、スタックドラメラを
形成させる。ついで、延伸処理を施して、多孔質構造の
中空糸膜を得る。延伸処理は比較的低い温度で行われる
冷延伸と、加熱下での熱延伸の二段延伸を行うことが好
ましい。
【0038】冷延伸によって、未延伸糸の結晶構造に破
壊が起こり、スタックドラメラの間に均一でミクロなク
ラッキング(ミクロクラック)が発生する。この冷延伸
は0℃以上で、かつポリオレフィンの融点より50℃低
い温度の範囲で行うのが好ましい。例えばポリオレフィ
ンとしてポリエチレンを用いた場合、この冷延伸温度は
0〜80℃、好ましくは10〜50℃の範囲とされる。
また、冷延伸倍率は5〜200%が好ましい。5%未満
では、ミクロクラックの発生が不十分である。また、2
00%を超えるとスタックドラメラの変形が起こり、緻
密層と支持層のそれぞれの空孔率が低下するため不都合
である。
【0039】熱延伸は、冷延伸によって発生させたミク
ロクラックを拡大させ、スタックドラメラ間にミクロフ
ィブリルを形成して、スリット状の微細孔を有する多孔
質構造の中空糸膜とする工程である。熱延伸温度は、ポ
リオレフィンの融点を超えない範囲で、できるだけ高い
温度で行うのが好ましい。熱延伸倍率は、目的とする微
細孔の孔径によって適宜選定することができるが、50
〜2000%、好ましくは100〜1000%の範囲と
するのが工程安定性の点で好ましい。この後、得られた
中空糸膜を、定長下、または少し弛緩させた状態で熱セ
ット処理し、その寸法を安定させることが好ましい。熱
セット温度は、熱延伸温度以上で、かつ熱可塑性樹脂の
融点温度以下が好ましい。
【0040】ついで、この中空糸膜に親水処理を施す。
具体的には、溶媒に親水性高分子を溶解した親水性高分
子溶液中に中空糸膜を浸漬した後、後述するセッティン
グ処理と乾燥処理を経て溶媒を蒸発させて、親水性高分
子にて被覆された中空糸膜を得る。
【0041】親水性高分子としては、エチレンを20モ
ル%以上、親水性モノマーを10モル%以上含む共重合
体が好ましく、この共重合体は、ランダムコポリマー、
ブロックコポリマー、グラフトコポリマー等のいずれで
もよい。エチレン含量が20モル%末満では、中空糸膜
に対して親和性が弱く、所定の被覆量が得られず、不都
合である。
【0042】親水性モノマーとしては、例えばビニルア
ルコール、(メタ)アクリル酸あるいはその塩、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリル酸エステル、ビニルピロリドン、
アクリルアミド等のビニル化合物などをあげることがで
き、これらを1種、あるいは2種以上組み合わせて用い
ることができる。なかでもビニルアルコールが好適であ
る。また、この親水性高分子は、エチレンと親水性モノ
マー以外の第三成分を一種以上含んでいてもよい。第三
成分としては、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸
エステル、ビニルアルコール脂肪酸エステル、ビニルア
ルコールのフォマール化物、あるいはブチラール化物等
をあげることができる。
【0043】親水性高分子による中空糸膜の被覆量は、
被覆前の中空糸膜(中空糸膜プレカーサー)100重量
%に対して、3〜30重量%の範囲、好ましくは3〜1
5重量%とする。3重量%未満の場合は親水性が十分に
得られない。30重量%を超えると、親水性高分子によ
って微細孔の閉塞などが起こりやすくなる。
【0044】親水性高分子の溶媒としては、水混和性有
機溶剤が好ましい。その具体例としては、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチル
ホルムアミド等をあげることができる。これらは単独で
も用い得るが、水との混合物が、親水性高分子に対する
溶解性が大きく、より好ましい。
【0045】また、溶剤を乾燥する際の、溶剤の蒸気含
有雰囲気の作りやすさ、すなわち、溶剤の蒸気圧の低
さ、人体に対する低毒性の点から、沸点100℃未満の
アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等と、水とを混合した混合系溶剤を用
いることが特に好ましい。有機溶剤と水との混合割合
は、中空糸膜への浸透性を阻害せず、親水性高分子の溶
解を低下させない範囲とされる。具体的には親水性高分
子の種類などによっても異なるが、エタノールを用いる
場合、エタノール/水の割合は、90/10〜30/7
0(vol%)の範囲であることが好ましい。
【0046】親水性高分子溶液中の親水性高分子の濃度
は、0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重
量%の範囲とされる。0.1重量%未満では、親水性高
分子の均一な被覆を行うことが難しく、10重量%を超
えると溶液粘度が大きくなり過ぎ、中空糸膜の微細孔が
親水性高分子によって閉塞されてしまう場合がある。親
水性高分子溶液に中空糸膜を浸漬するにおいては、同じ
濃度の溶液に2回以上浸漬することもできるし、濃度の
異なる溶液に2回以上浸漬することもできる。浸漬の際
の親水性高分子溶液の温度が高い程、親水性高分子溶液
の粘度は低下し、中空糸膜に親水性高分子溶液が浸透し
やすく、好ましい。ただし、安全面から、有機溶剤の沸
点以下であることが好ましい。浸漬時間は、中空糸膜の
膜厚、微細孔径、空孔率により異なるが、数秒〜数分の
範囲とするのが好ましい。
【0047】親水性重合体溶液に浸漬後、乾燥処理を行
う前に、セッティング処理を行うと好ましい。セッティ
ング処理の目的は、親水性高分子の皮膜によって微細孔
が閉塞するのを防ぐとともに、親水性高分子による被覆
を均一化するために、溶剤の蒸発速度を調整することに
ある。セッティング処理は、有機溶剤の蒸気が3vol
%以上含まれた、室温以上、有機溶剤の沸点以下の温度
の雰囲気中に、浸漬浴に浸漬した中空糸膜を引き上げ、
立ち上げた状態で、少なくとも30秒間以上滞在させて
行われる。
【0048】中空糸膜の表面に親水性高分子の皮膜が形
成されるのを防止するには、中空糸膜表面の急速な乾燥
を防ぐ必要がある。このためには、中空糸膜の表面の溶
剤の蒸発速度を遅くし、かつ、中空糸膜の表面が溶剤で
濡れている状態に保つことが必要である。このため、セ
ッティング処理の雰囲気は、溶剤の飽和蒸気濃度に近い
雰囲気とする方が好ましく、有機溶剤の蒸気が3vo1
%以上の雰囲気とすることによって、目的を達成するこ
とができる。中空糸膜からの溶剤の蒸発速度を遅くする
には、セッティング処理の温度を低温にする方がよい
が、低過ぎると脱溶剤化が進まず、不都合である。この
ため、雰囲気の温度は室温以上、かつ溶剤の沸点以下と
すると好ましい。
【0049】セッティング処理において、中空糸膜を浸
漬浴から引き上げて、前記雰囲気中に立ち上げるときの
立ち上げの角度は、45°〜90°の範囲が好ましい。
立ち上げることにより、中空糸膜に付着した親水性高分
子溶液の一部が自重によって脱液される。この脱液量
は、中空糸膜を引き上げる際の速度、親水性高分子溶液
の粘度、中空糸膜の立ち上げる高さ等により異なる。こ
のとき、ガイド、スリット等によって、中空糸膜の表面
の親水性高分子溶液を拭い取ることもできる。
【0050】セッティング時間は30秒以上とされる。
30秒未満では溶剤の濃縮が不十分で、微細孔が閉塞し
たり、均一に被覆することができないなどの不都合が発
生する場合がある。セッティング処理の時間を30秒と
した場合の、中空糸膜からの溶剤の蒸発量は、親水性高
分子溶液の15〜30%程度であることが好ましい。溶
剤の蒸発量をコントロールする方法としては、温度を変
更する、あるいは雰囲気中に、空気や不活性ガス等の気
体を送風する方法等をあげることができる。
【0051】ついで、所定の温度、圧力に調整された雰
囲気に、セッティング処理を終了した中空糸膜を供給
し、乾燥し、巻き取って、親水性高分子にて被覆された
中空糸膜を得る。このとき、乾燥によって中空糸膜の収
縮が発生するため、その収縮分を加味し、中空糸膜の供
給速度を巻取速度よりも大きくすると好ましい。供給速
度と巻取速度とを等しくすると、中空糸膜の収縮によっ
て中空糸膜が引っ張られて、高張力下で処理される。こ
のため、スリット状の微細孔が楕円状にならず、十分な
透水性能が向上しない場合がある。しかし、巻取速度に
対して供給速度が早すぎると、乾燥前に糸たるみが発生
し、工程安定性が低下するため、中空糸膜の収縮状態に
よって適宜調整すると好ましい。
【0052】乾燥処理は、真空乾燥、熱風乾燥等の公知
の乾燥方法を用いることができる。乾燥温度は、中空糸
膜が熱によって変形しない温度とされる。例えばポリエ
チレン製の中空糸膜の場合には120℃以下の温度で乾
燥するのが好ましく、40〜70℃の温度で乾燥するこ
とが特に好ましい。乾燥時間は、微細孔の平均孔径、膜
厚、処理速度等により異なるが、1分から10分程度
で、中空糸膜が十分乾燥していればよい。最終的な親水
性高分子の被覆量は、親水性高分子溶液の濃度やセッテ
ィング処理、乾燥処理の条件等を適宜設定することによ
って調節することができる。
【0053】本発明の復水の処理方法においては、複合
微多孔質中空糸膜は、任意の形状のモジュールの形態
で、復水が循環する経路のいかなる場所に設置して復水
の濾過を行ってもよいが、好ましくは加熱器による加熱
が行われた後ボイラーに至る経路、より好ましくはボイ
ラーの給水ポンプへ至る直前で復水の濾過を行うこと
が、クラッドの給水ポンプ翼への堆積、給水整流板への
沈積、ボイラーチューブ内への沈積を防ぐ上で有効であ
る。
【0054】
【実施例】以下、本発明の復水の処理方法に用いられる
中空糸膜モジュール用複合微多孔質中空糸膜を製造例に
よりさらに詳しく説明する。なお、製造例中の各種測
定、評価は下記の方法によった。
【0055】雰囲気中のエタノール濃度は、ガス検知管
(ガステック検知管、商品名、ガステック株式会社製)
を用いて測定した。親水性共重合体の被覆量は下記式
(1)に従って算出した。
【0056】 (親水化処理後の中空糸膜の乾燥重量−中空糸膜プレカーサーの乾燥重量)/中 空糸膜プレカーサーの乾燥重量×100 ・・・(1)
【0057】中空糸膜の空孔率は、カルロエルバ社製水
銀ポロシメーター221型を用いて測定した。中空糸膜
の透水量は、有効膜面積70〜90cm2 のミニモジュ
ールを作成し、差圧1kg/cm2 (98kPa)で、
水温25℃のイオン交換水を濾過し、その時の透水量を
測定した。中空糸膜の分画粒子径は、膜面積が約50c
2 の中空糸膜のモジュールで0.1wt%の界面活性
剤(ポリエチレングリコール−p−イソオクチルフェニ
ルエーテル)溶液中に、所定の粒子径のポリスチレンラ
テックス粒子を分散させた被処理液を濾過し、濾液のラ
テックス粒子の濃度を日立分光光度計(U−3400)
により320nmの波長で測定し、捕捉率90%におけ
る粒子径を求めた。
【0058】(製造例1)同心円状に配置された三つの
円管状の吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用意し
た。このノズルの最内層と最外層の吐出口に、支持層を
形成する密度0.966g/cm3 、MI値1.35g
/10minの高密度ポリエチレン(サンテックHD−
B161,旭化成工業株式会社製)の溶融ポリマーを供
給し、中間層の吐出口に、緻密層を形成する密度0.9
60g/cm3 、MI値0.9g/10minの高密度
ポリエチレン(ニポロンハード5110,東ソー株式会
社製)の溶融ポリマーを供給して押出し、三層構造のポ
リエチレン中空糸を溶融紡糸した。このとき、吐出温度
は170℃とした。また、最内層の吐出量は3.2cc
/min、最外層の吐出量は3.2cc/min、中間
層の吐出量は0.65cc/min、最内層と中間層と
最外層の吐出量比は4.9/1/4.9、吐出線速度は
6.1cm/min、ドラフト比は979とした。
【0059】ついで、ノズルから吐出させた糸に温度2
1℃、風速1m/秒の冷却風をその周囲に均一にあてな
がら、巻取速度60m/minにて巻き取り、未延伸糸
(ポリエチレン多層体)を得た。得られた未延伸糸を1
15℃に加熱した空気中で定長のまま16時間熱処理し
た。さらに、この未延伸糸を30℃に保たれたローラー
間で60%冷延伸し、引き続いて111℃の加熱炉中で
総延伸量が550%になるように熱延伸を行った。この
とき、熱変形速度は1.3/minとした。さらに12
0℃の加熱炉中で定長のまま、熱セットを行い、複合微
多孔質中空糸膜プレカーサー(以下中空糸膜プレカーサ
ーと略記する)を得た。
【0060】次に、エチレン含有量32mol%のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(ソアノールDC32
03、日本合成化学株式会社製)を、70℃のエタノー
ル/水混合溶液(混合比60/40vol%)に1.0
重量%溶解した親水性共重合体溶液を調整した。この親
水性共重合体溶液中に得られた中空糸膜プレカーサーを
500秒間浸漬した後、引上げ、ガイドにより表面に過
剰に付着した親水性共重合体溶液の一部を絞り落とし
た。引き続き、エタノール蒸気濃度40vol%、60
℃の雰囲気中に立上げ角度90゜で立上げ、500秒間
滞在させて中空糸膜プレカーサーの微小空孔内表面に親
水性共重合体を均一付着させた後、70℃の熱風にて1
0%オーバーフィードさせながら溶媒を乾燥した。得ら
れた親水化中空糸膜の中空糸膜プレカーサーに対するエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の被覆量は10.9
重量%であった。得られた複合微多孔質中空糸膜(中間
層が緻密層である三層複合膜)の膜特性を表1に示し
た。
【0061】(比較製造例1)同心円状に配置された二
つの円管状の吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用意
した。このノズルの内層の吐出口に、支持層を形成する
密度0.960g/cm3 、MI値0.9g/minの
高密度ポリエチレン(ニポロンハード5110,東ソー
株式会社製)の溶融ポリマーを、外層の吐出口に、緻密
層を形成する密度0.966g/cm3 、MI値1.3
5g/minの高密度ポリエチレン(サンテックHD−
B161,旭化成工業株式会社製)を供給して押出し、
二層構造のポリエチレン中空糸を溶融紡糸した。このと
き、吐出温度は170℃とした。また、内層の吐出量は
1.3cc/min、外層の吐出量は10.1cc/m
in、内層と外層の吐出量比は1/7.7、吐出線速度
は14.3cm/min、ドラフト比は714とした。
【0062】ついで、ノズルから吐出させた糸に温度2
1℃、風速1m/秒の冷却風をその周囲に均一にあてな
がら巻取速度102m/minにて巻き取り、未延伸糸
(ポリエチレン多層体)を得た。得られた未延伸糸を1
15℃に加熱した空気中で定長のまま16時間熱処理し
た。さらに、この未延伸糸を30℃に保たれたローラー
間で60%冷延伸し、引き続いて111℃の加熱炉中で
総延伸量が600%になるように熱延伸を行った。この
とき、熱変形速度は1.1/minとした。さらに12
0℃の加熱炉中で定長のまま、熱セットを行い、中空糸
膜プレカーサーを得た。
【0063】次に、エチレン含有量32mol%のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(ソアノールDC32
03、日本合成化学株式会社製)を70℃のエタノール
/水混合溶液(混合比60/40vol%)に1.0重
量%溶解した親水性共重合体溶液を調整した。この親水
性共重合体溶液中に上記の中空糸膜プレカーサーを50
0秒間浸漬した後、中空糸膜プレカーサーを引き上げ、
ガイドにより表面に過剰に付着した親水性共重合体溶液
の一部を絞り落とした。引き続き、エタノール蒸気濃度
40vol%、60℃の雰囲気中に立上げ角度90゜で
立上げ、500秒間滞在させて中空糸膜プレカーサーの
微小空孔内表面に親水性共重合体を均一付着させた後、
70℃の熱風にて10%オーバーフィードさせながら溶
媒を乾燥した。得られた親水化中空糸膜の中空糸膜プレ
カーサーに対するエチレン−ビニルアルコール共重合体
の被覆量は10.5重量%であった。得られた複合微多
孔質中空糸膜(内層が緻密層である二層複合膜)の膜特
性を表1に示した。
【0064】(比較製造例2)一つの円管状の吐出口を
有する中空糸製造用ノズルを用意した。このノズルか
ら、製造例1において中間層(緻密層)に用いた溶融ポ
リマーを、吐出量2.8g/minで押出し、溶融紡糸
した。このとき、吐出温度は170℃とし、35m/m
inの巻取速度で巻き取った。得られた未延伸糸を製造
例1と同じ条件にて熱処理、延伸処理、親水化処理し、
親水化中空糸膜を得た。得られた親水化中空糸膜の中空
糸膜プレカーサーに対するエチレン−ビニルアルコール
共重合体の被覆量は8.0重量%であった。得られた微
多孔質中空糸膜(均一膜)の膜特性を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】(実施例1および比較例1,2)製造例1
および比較製造例1,2で作成した各種の複合微多孔質
中空糸膜および微多孔質中空糸膜を使用して、上述した
図1に示したものと同様の構成の中空糸膜モジュールを
作成した。これらの中空糸膜モジュールを用いて、クラ
ッド(非結晶鉄80%、α-Fe23 20%)の濃度が
100ppbの復水模擬液を、40℃、0.5kg/c
2(49kPa)の外圧で濾過するとともに、1週間
毎に、モジュールの下方から気泡を当てるスクラビング
と加圧逆洗を同時に行う機能回復処理を実施した。この
試験における中空糸膜モジュールの初期差圧および初期
透水量、並びに50日後の機能回復処理直後の差圧およ
び透水量を測定し、その結果を表2に示した。
【0067】
【表2】
【0068】表2からわかるように、実施例1で示した
緻密層を中間層にした三層構造の中空糸膜を用いた中空
糸膜モジュールは、比較例1,2の同一分画を有する緻
密層内層化複合膜(及び均一膜)と比較して透水量が大
きく、かつ目詰まりしにくいものであり、良好な結果が
得られた。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の復水の処
理方法に用いる中空糸膜は、スタックドラメラと、該ス
タックドラメラと結合したミクロフィブリルにより形成
された微細孔を複数有するポリオレフィン製の三次元構
造の膜が三層以上積層されてなり、その最内層と最外層
が支持層であり、これらの間に挟まれた中間層が支持層
の微細孔よりも平均孔径の小さい緻密層である複合微多
孔質中空糸膜であるので、OUT→IN濾過では、従来
の緻密層が最内層に位置する中空糸膜よりも、緻密層部
の膜外表面の膜面積を稼ぐことができ、フラックス(透
水性能)アップが可能となる。そのため、従来の中空糸
膜に比べ、耐目詰まり性の優れ、長寿命、耐久性を維持
しつつ、更なる透水量の増加を図ることができる。ま
た、定流量濾過においては、処理圧力が低く、逆洗回復
性も優れることから、安定した長期安定運転が可能であ
り、長期に渡ってより高い濾過効率を維持することがで
きる。また、加圧濾過においては、高透水量で使用して
も、中空糸膜の固着一体化が生じにくく、透水量の経時
的低下が少なく耐久性にも優れたものである。また、同
じ分画性能を持つ従来の中空糸膜を使用した場合と比較
し、クラッドの完全除去等の目的とする高い分画性能を
保ちながら、より高い透水量を得ることができるので、
使用膜量を低減することができ、その結果、中空糸膜モ
ジュールのコンパクト化も図ることができる。
【0070】よって、このような中空糸膜を用いた本発
明の復水の処理方法にあっては、処理水量が大きく、復
水の浄化性能が良好で、処理水量の経時変化が少なく、
長期間安定して運転でき、かつ省スペースで処理を行う
ことができる。また、中空糸膜にポリオレフィンを用い
ているので、復水の処理後に発生する廃棄物は焼却可能
であり、二次廃棄物の発生を抑制することができる。
【0071】また、前記支持層を緻密層よりも厚くし、
該支持層の一層の厚みを20〜50μmとすることで、
十分な膜強度と透水量を確保し、緻密層の膜面積を大き
くすることができるので、復水の処理水量をさらに増加
させることができる。また、前記中空糸膜の膜全体の空
孔率を75vol%以上とすることで、濾過寿命を長く
することができるので、さらに長期間安定して復水の処
理を行うことができる。また、前記中空糸膜に親水化処
理を行い、ミクロフィブリルを複数本ずつ結束し、微細
孔をスリット状から楕円状にすることで、微細孔の平均
孔径が大きくし、透水量が大きくすることができるの
で、復水の処理水量をさらに増加させることができる。
【0072】また、前記親水性高分子による被覆量を、
被覆前の中空糸膜に対して3〜30重量%とすること
で、親水性が十分に得られ、中空糸膜の微細孔の閉塞な
どが起こりにくくなるので、さらに長期間安定して復水
の処理を行うことができる。また、被覆後の緻密層のミ
クロフィブリル束間の平均距離Daに対する、支持層の
ミクロフィブリル束間の平均距離Dbとの比Db/Da
を、1.3〜4.0の範囲にすることで、高い分画性能
と高い透水量の中空糸膜を得ることができるので、復水
の浄化性能をさらに高めることができ、処理水量もさら
に増加させることができる そして、本発明の復水処理用中空糸膜モジュールは、こ
れに含まれる中空糸膜が、スタックドラメラと、該スタ
ックドラメラと結合したミクロフィブリルにより形成さ
れた微細孔を複数有するポリオレフィン製の三次元構造
の膜が三層以上積層されてなり、その最内層と最外層が
支持層であり、これらの間に挟まれた中間層は、微細孔
の平均孔径が支持層の微細孔の平均孔径よりも小さい緻
密層であるので、透水性能、分画性能が高く、目詰まり
しにくく、機械的強度、耐久性に優れたものとなる。こ
のような中空糸膜は、復水の処理に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の復水の処理方法に用いる中空糸膜モ
ジュールの一例を示す模式断面図である
【図2】 中空糸膜を構成する層の拡大平面図である。
【図3】 親水化処理された中空糸膜を構成する層の拡
大平面図である。
【図4】 微細孔の平均孔径の測定方法を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
3 中空糸膜 18 スタックドラメラ 20 ミクロフィブリル 21 ミクロフィブリル束 22 微細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/06 521 G21F 9/06 521M Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA03 KA43 KC03 KE30R MA08 MA09 MA10 MA22 MA24 MA27 MA31 MA33 MA34 MA40 MB02 MB09 MC21 MC22 MC22X MC23 MC29 MC85 MC89 NA25 NA60 NA63 NA64 NA66 PB22 PC31 PC32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜を含む中空糸膜モジュールを用
    いて復水を処理する方法において、 前記中空糸膜として、スタックドラメラと、該スタック
    ドラメラと結合したミクロフィブリルにより形成された
    微細孔を複数有するポリオレフィン製の三次元構造の膜
    が三層以上積層されてなり、その最内層と最外層が支持
    層であり、これらの間に挟まれた中間層は、微細孔の平
    均孔径が支持層の微細孔の平均孔径よりも小さい緻密層
    である複合微多孔質中空糸膜を用いることを特徴とする
    復水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記支持層は緻密層よりも厚く、該支持
    層の一層の厚みは20〜50μmであり、 前記中空糸膜の膜全体の空孔率が75vol%以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の復水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記中空糸膜は、親水性高分子によって
    被覆され、ミクロフィブリルが複数本ずつ結束している
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の復水の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記親水性高分子による被覆量が、被覆
    前の中空糸膜に対して3〜30重量%であり、 被覆後の緻密層のミクロフィブリル束間の平均距離Da
    に対する、支持層のミクロフィブリル束間の平均距離D
    bとの比Db/Daが、1.3〜4.0の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の
    復水の処理方法。
  5. 【請求項5】 中空糸膜を含む復水処理用中空糸膜モジ
    ュールであって、 前記中空糸膜が、スタックドラメラと、該スタックドラ
    メラと結合したミクロフィブリルにより形成された微細
    孔を複数有するポリオレフィン製の三次元構造の膜が三
    層以上積層されてなり、その最内層と最外層が支持層で
    あり、これらの間に挟まれた中間層は、微細孔の平均孔
    径が支持層の微細孔の平均孔径よりも小さい緻密層であ
    ることを特徴とする復水処理用中空糸膜モジュール。
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