JP2000080982A - 圧縮機 - Google Patents
圧縮機Info
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- JP2000080982A JP2000080982A JP11096448A JP9644899A JP2000080982A JP 2000080982 A JP2000080982 A JP 2000080982A JP 11096448 A JP11096448 A JP 11096448A JP 9644899 A JP9644899 A JP 9644899A JP 2000080982 A JP2000080982 A JP 2000080982A
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- chamber
- oil
- oil supply
- compressor
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B39/00—Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
- F04B39/16—Filtration; Moisture separation
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B39/00—Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
- F04B39/02—Lubrication
- F04B39/0207—Lubrication with lubrication control systems
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Compressor (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】圧縮機内の潤滑の確保、冷凍回路における熱交
換効率の向上に加えて、オイル圧縮などの完全防止を図
る。 【解決手段】吐出室17に連なって高圧領域に内装され
た油分離機構及び油溜室44と、該油溜室44の貯溜油
を吸入系へ還給する給油路61a、61bと、該給油路
61a、61b中に介装された弁手段50とを備え、該
弁手段50は、ベローズ56によって区画された領域の
一方が下流側の給油路61bと接続される第1弁室55
aと、第1弁室55aに隔板52cを介して隣接され、
上流側の給油路61aと接続される第2弁室55bと、
ベローズ56から延在し、ベローズ56の変形を介して
作用する圧縮室圧力により隔板52cに貫設された弁孔
58を開閉する弁体59とを有し、弁体59に作用する
圧縮室圧力が、ベローズ56の弾性復元力に屈したと
き、弁孔58が閉止されるように構成されている。
換効率の向上に加えて、オイル圧縮などの完全防止を図
る。 【解決手段】吐出室17に連なって高圧領域に内装され
た油分離機構及び油溜室44と、該油溜室44の貯溜油
を吸入系へ還給する給油路61a、61bと、該給油路
61a、61b中に介装された弁手段50とを備え、該
弁手段50は、ベローズ56によって区画された領域の
一方が下流側の給油路61bと接続される第1弁室55
aと、第1弁室55aに隔板52cを介して隣接され、
上流側の給油路61aと接続される第2弁室55bと、
ベローズ56から延在し、ベローズ56の変形を介して
作用する圧縮室圧力により隔板52cに貫設された弁孔
58を開閉する弁体59とを有し、弁体59に作用する
圧縮室圧力が、ベローズ56の弾性復元力に屈したと
き、弁孔58が閉止されるように構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧冷媒ガスの油
分離機構を内蔵した圧縮機、具体的には往復式及び回転
式を含む容積型圧縮機の改良に関する。
分離機構を内蔵した圧縮機、具体的には往復式及び回転
式を含む容積型圧縮機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】主として車両空調用に供されるこれらの
圧縮機では、機内摺動部の潤滑に供される潤滑油が冷媒
ガス中にミスト状に混在されている。したがって、圧縮
機から吐出される冷媒ガスと共に混在油成分がそのまま
冷凍回路に吐出循環されると、この油成分が蒸発器の内
壁等に付着して熱交換効率を低下させる。
圧縮機では、機内摺動部の潤滑に供される潤滑油が冷媒
ガス中にミスト状に混在されている。したがって、圧縮
機から吐出される冷媒ガスと共に混在油成分がそのまま
冷凍回路に吐出循環されると、この油成分が蒸発器の内
壁等に付着して熱交換効率を低下させる。
【0003】このため、従来では、圧縮機から凝縮器に
至る高圧管路中に油分離器を別設して、分離された潤滑
油を還油配管を介して圧縮機内へ戻すように構成したも
のが実用されているが、機器、配管の増設に伴う総合的
な冷凍回路構成の幅輳化に加えて、小径、かつ長尺状に
形成された還油配管に目詰りなどの事故も生じ易いの
で、圧縮機に直接油分離機構を内蔵させた構成のものも
提案されている。
至る高圧管路中に油分離器を別設して、分離された潤滑
油を還油配管を介して圧縮機内へ戻すように構成したも
のが実用されているが、機器、配管の増設に伴う総合的
な冷凍回路構成の幅輳化に加えて、小径、かつ長尺状に
形成された還油配管に目詰りなどの事故も生じ易いの
で、圧縮機に直接油分離機構を内蔵させた構成のものも
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、既に知られる油
分離機構内蔵型の圧縮機では、機内の高圧領域で分離さ
れた分離油を回収する油溜室と、該油溜室内の貯溜油を
還給する低圧領域(例えばクランク室)とが還油通路に
より連通され、該還油通路には状況に応じて還油量を制
御する弁手段が設けられている。
分離機構内蔵型の圧縮機では、機内の高圧領域で分離さ
れた分離油を回収する油溜室と、該油溜室内の貯溜油を
還給する低圧領域(例えばクランク室)とが還油通路に
より連通され、該還油通路には状況に応じて還油量を制
御する弁手段が設けられている。
【0005】例えば特開平9ー324758号公報に開
示の弁手段は、圧縮機の運転中は還油通路を閉鎖し、運
転停止に連動して同通路を開放するものであり、また、
特開平6ー249146号公報に開示のような可変容量
圧縮機に適用される弁手段では、油分離室内の圧力が高
い(大容量運転)状態では還油通路の開度を縮小し、同
圧力が低い(小容量運転)状態では同通路の開度を拡大
するように制御している。
示の弁手段は、圧縮機の運転中は還油通路を閉鎖し、運
転停止に連動して同通路を開放するものであり、また、
特開平6ー249146号公報に開示のような可変容量
圧縮機に適用される弁手段では、油分離室内の圧力が高
い(大容量運転)状態では還油通路の開度を縮小し、同
圧力が低い(小容量運転)状態では同通路の開度を拡大
するように制御している。
【0006】すなわち、かかる制御は、いずれも潤滑油
の冷凍回路への流出を完全に封ずるものではなく、機内
潤滑の主体をあくまでも帰還冷媒ガス中の混在油成分に
依存するものである。そのため、再起動時の潤滑油不足
に備えて少なくとも運転が停止されたときには、低圧領
域への還油量を増大させるといった構成を採用してい
る。
の冷凍回路への流出を完全に封ずるものではなく、機内
潤滑の主体をあくまでも帰還冷媒ガス中の混在油成分に
依存するものである。そのため、再起動時の潤滑油不足
に備えて少なくとも運転が停止されたときには、低圧領
域への還油量を増大させるといった構成を採用してい
る。
【0007】しかしながら、量の多寡にかかわらず潤滑
油の回路流出を容認するといった思想は、オイルレート
に基づく熱交換効率の向上を依然として阻むものであ
り、一方、大量の残存油は起動時に突沸してオイル圧縮
を生起し、果ては起動ショックや異音を誘発する原因と
もなりかねない。本発明は、圧縮機内の潤滑の確保、冷
凍回路における熱交換効率の向上に加えて、オイル圧縮
などの完全防止を図ることを解決すべき技術課題として
いる。
油の回路流出を容認するといった思想は、オイルレート
に基づく熱交換効率の向上を依然として阻むものであ
り、一方、大量の残存油は起動時に突沸してオイル圧縮
を生起し、果ては起動ショックや異音を誘発する原因と
もなりかねない。本発明は、圧縮機内の潤滑の確保、冷
凍回路における熱交換効率の向上に加えて、オイル圧縮
などの完全防止を図ることを解決すべき技術課題として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明に係る圧縮機は、吸入系から吸入した冷
媒ガスを圧縮して吐出室へ吐出するように構成した圧縮
機において、上記吐出室に連なって高圧領域に内装され
た油分離機構及び油溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸
入系へ還給する給油路と、該給油路中に介装された弁手
段とを備え、該弁手段は、ベローズによって区画された
領域の一方が下流側の上記給油路と接続される第1弁室
と、該第1弁室に隔板を介して隣接され、上流側の上記
給油路と接続される第2弁室と、該ベローズから延在
し、ベローズの変形を介して作用する圧縮室圧力により
該隔板に貫設された弁孔を開閉する弁体とを有し、上記
給油路には絞りが配設されるとともに該弁体に作用する
圧縮室圧力が該ベローズの弾性復元力に屈したとき、上
記両給油路を導通する弁孔が閉止されるように構成され
ていることを特徴としている。
項1記載の発明に係る圧縮機は、吸入系から吸入した冷
媒ガスを圧縮して吐出室へ吐出するように構成した圧縮
機において、上記吐出室に連なって高圧領域に内装され
た油分離機構及び油溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸
入系へ還給する給油路と、該給油路中に介装された弁手
段とを備え、該弁手段は、ベローズによって区画された
領域の一方が下流側の上記給油路と接続される第1弁室
と、該第1弁室に隔板を介して隣接され、上流側の上記
給油路と接続される第2弁室と、該ベローズから延在
し、ベローズの変形を介して作用する圧縮室圧力により
該隔板に貫設された弁孔を開閉する弁体とを有し、上記
給油路には絞りが配設されるとともに該弁体に作用する
圧縮室圧力が該ベローズの弾性復元力に屈したとき、上
記両給油路を導通する弁孔が閉止されるように構成され
ていることを特徴としている。
【0009】すなわち、機内に形成された油溜室は、封
入油のほぼ全量を機内循環させうるに足る程度の容積を
有して、可及的に分離油の回路への流出が抑制されてお
り、かかるオイルレートの低減によって蒸発器等の熱交
換効率は著しく改善される。したがって、運転中におけ
る要部の潤滑は、専ら吸入系及び油分離機構を経由する
貯溜油の機内循環で賄われ、圧縮機の停止時にはこの循
環給油も自動的に停止される。このため、吸入系(クラ
ンク室等)の残存油の増加がなく、起動時のオイル圧縮
が確実に防止される一方、起動初期における要部の潤滑
に関しては、貯溜油の機内循環が直ちに再開されること
で、十分に確保される。
入油のほぼ全量を機内循環させうるに足る程度の容積を
有して、可及的に分離油の回路への流出が抑制されてお
り、かかるオイルレートの低減によって蒸発器等の熱交
換効率は著しく改善される。したがって、運転中におけ
る要部の潤滑は、専ら吸入系及び油分離機構を経由する
貯溜油の機内循環で賄われ、圧縮機の停止時にはこの循
環給油も自動的に停止される。このため、吸入系(クラ
ンク室等)の残存油の増加がなく、起動時のオイル圧縮
が確実に防止される一方、起動初期における要部の潤滑
に関しては、貯溜油の機内循環が直ちに再開されること
で、十分に確保される。
【0010】しかも上記弁手段は、両弁室を経由して上
流及び下流の給油路を導通する弁孔が、ベローズの伸縮
作用に従動する弁体によって開閉するよう構成されてお
り、例えばスプール弁などにみられる作動部のシール等
を必要としないため、性能のばらつきとともに作動不良
などの不具合も完全に一掃することができる。なお、開
弁時の還油流量を制限するため、給油路には絞りが設け
られているが、請求項2記載の発明のように、弁孔それ
自体を流量絞りとして機能すべく設定すれば、給油路中
の絞りを省略して一層簡素化を図ることができる。
流及び下流の給油路を導通する弁孔が、ベローズの伸縮
作用に従動する弁体によって開閉するよう構成されてお
り、例えばスプール弁などにみられる作動部のシール等
を必要としないため、性能のばらつきとともに作動不良
などの不具合も完全に一掃することができる。なお、開
弁時の還油流量を制限するため、給油路には絞りが設け
られているが、請求項2記載の発明のように、弁孔それ
自体を流量絞りとして機能すべく設定すれば、給油路中
の絞りを省略して一層簡素化を図ることができる。
【0011】請求項3記載の発明は、上記弁手段を、上
記第1弁室に嵌挿され、かつ双方の環状溝に共装される
Oリングによって支持されたスプールと、該スプールか
ら延在し、該Oリングの変形を介して作用する圧縮室圧
力により、上記隔板に貫設された弁孔を開閉する弁体と
で構成したものであって、Oリングの変形に基づく弾性
復元力を弁孔の閉止に利用することにより、更なる構造
の簡素化を図ることができる。また、請求項6記載の発
明のように、弁体に作用する圧縮室圧力の導圧路に絞り
機能を付与すれば、弁体に作用する圧力を変動の小さい
圧縮室圧力のほぼ平均的な圧力とすることができて、と
くにピストンを備えた往復式圧縮機にはきわめて好適で
あり、一方、請求項7記載の発明のように、回転式圧縮
機に適用する場合は、弁体に作用する圧力として圧縮室
の中間圧力を導出することにより、同様に安定した作動
圧力を得ることができる。
記第1弁室に嵌挿され、かつ双方の環状溝に共装される
Oリングによって支持されたスプールと、該スプールか
ら延在し、該Oリングの変形を介して作用する圧縮室圧
力により、上記隔板に貫設された弁孔を開閉する弁体と
で構成したものであって、Oリングの変形に基づく弾性
復元力を弁孔の閉止に利用することにより、更なる構造
の簡素化を図ることができる。また、請求項6記載の発
明のように、弁体に作用する圧縮室圧力の導圧路に絞り
機能を付与すれば、弁体に作用する圧力を変動の小さい
圧縮室圧力のほぼ平均的な圧力とすることができて、と
くにピストンを備えた往復式圧縮機にはきわめて好適で
あり、一方、請求項7記載の発明のように、回転式圧縮
機に適用する場合は、弁体に作用する圧力として圧縮室
の中間圧力を導出することにより、同様に安定した作動
圧力を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図に基づいて本発明の実施
形態を具体的に説明する。図1は、往復式圧縮機として
片側5気筒の両頭斜板式圧縮機を示すもので、前後に対
設されたシリンダブロック1、2の両端部は前後の弁板
3、4を介してフロント及びリヤのハウジング5、6に
より閉塞され、これらは図示しないボルト挿通孔に挿通
された複数本の通しボルトによって結合されている。シ
リンダブロック1、2の結合部分には斜板室(クランク
室)8が形成され、そこには両シリンダブロック1、2
の中心軸孔1a、2aを貫通する駆動軸9に固定された
斜板10が収容されている。上記シリンダブロック1、
2には、5対のボア11が、駆動軸9と平行に、かつ駆
動軸9を中心とする放射位置に形成され、該ボア11に
は両頭形のピストン12が嵌挿されて、各ピストン12
は半球状のシュー13を介して斜板10に係留されてい
る。
形態を具体的に説明する。図1は、往復式圧縮機として
片側5気筒の両頭斜板式圧縮機を示すもので、前後に対
設されたシリンダブロック1、2の両端部は前後の弁板
3、4を介してフロント及びリヤのハウジング5、6に
より閉塞され、これらは図示しないボルト挿通孔に挿通
された複数本の通しボルトによって結合されている。シ
リンダブロック1、2の結合部分には斜板室(クランク
室)8が形成され、そこには両シリンダブロック1、2
の中心軸孔1a、2aを貫通する駆動軸9に固定された
斜板10が収容されている。上記シリンダブロック1、
2には、5対のボア11が、駆動軸9と平行に、かつ駆
動軸9を中心とする放射位置に形成され、該ボア11に
は両頭形のピストン12が嵌挿されて、各ピストン12
は半球状のシュー13を介して斜板10に係留されてい
る。
【0013】上記両ハウジング5、6にはそれぞれ外方
域に吸入室14、15が形成され、内方域に吐出室1
6、17が形成されている。また、前後の弁板3、4に
はそれぞれ吸入室14、15から各ボア11内に低圧の
冷媒ガスを吸入するための吸入孔18、19と、各ボア
11から吐出室16、17内に圧縮された高圧の冷媒ガ
スを吐出するための吐出孔20、21とが形成されてい
る。さらに、弁板3、4のシリンダブロック1、2側に
は吸入弁(図示せず)が設けられ、弁板3、4のハウジ
ング5、6側にはリテーナ22、23とともに吐出弁
(図示せず)が設けられている。
域に吸入室14、15が形成され、内方域に吐出室1
6、17が形成されている。また、前後の弁板3、4に
はそれぞれ吸入室14、15から各ボア11内に低圧の
冷媒ガスを吸入するための吸入孔18、19と、各ボア
11から吐出室16、17内に圧縮された高圧の冷媒ガ
スを吐出するための吐出孔20、21とが形成されてい
る。さらに、弁板3、4のシリンダブロック1、2側に
は吸入弁(図示せず)が設けられ、弁板3、4のハウジ
ング5、6側にはリテーナ22、23とともに吐出弁
(図示せず)が設けられている。
【0014】図1に示すように、両ハウジング5、6に
形成された吐出室16、17の外方に向う局部的な延出
部は、両シリンダブロック1、2を貫通する吐出通路3
0a、30bによって接続され、更にリヤハウジング6
内を延びる吐出通路30cは、以下に述べる油分離機構
を経由して図示しない吐出ポートと連通されている。油
分離室41はリヤハウジング6内に有底円孔状に形成さ
れ、該吐出通路30cと連通される一方、該油分離室4
1内には止め輪42により分離筒43が装着されてい
る。そして油分離室41の下方には、あらかじめ機内に
封入される潤滑油のほぼ全量を機内循環させうるに足る
容積の油溜室44が形成され、油孔45を介して該油分
離室41と連通されている。
形成された吐出室16、17の外方に向う局部的な延出
部は、両シリンダブロック1、2を貫通する吐出通路3
0a、30bによって接続され、更にリヤハウジング6
内を延びる吐出通路30cは、以下に述べる油分離機構
を経由して図示しない吐出ポートと連通されている。油
分離室41はリヤハウジング6内に有底円孔状に形成さ
れ、該吐出通路30cと連通される一方、該油分離室4
1内には止め輪42により分離筒43が装着されてい
る。そして油分離室41の下方には、あらかじめ機内に
封入される潤滑油のほぼ全量を機内循環させうるに足る
容積の油溜室44が形成され、油孔45を介して該油分
離室41と連通されている。
【0015】50は、図2及び図3に拡大図として示す
差圧弁(弁手段)であって、該差圧弁50は、有底状の
円孔51に内装された枠体52を有し、分割された枠体
52a、52bは一括して止め輪53により係止される
とともに、円孔51の口端は蓋板54により封塞されて
いる。枠体52内は隔板52cにより中空状の第1弁室
55aと第2弁室55bとに区画され、該第1弁室55
a内には枠体52bに止着された伸縮可能なベローズ5
6が配設され、該ベローズ56内は、円孔51及び絞り
として機能する狭隘な導圧路57を介して、一つの圧縮
室(ボア)11と連通されている。そして該ベローズ5
6にはその伸長方向に延在し、上記隔板52cに開口さ
れた弁孔58を通貫する弁体59が装着され、その球状
弁部59aは第2弁室55b内に配置されている。な
お、70は枠体52に嵌着された封止用シール(Oリン
グ)である。
差圧弁(弁手段)であって、該差圧弁50は、有底状の
円孔51に内装された枠体52を有し、分割された枠体
52a、52bは一括して止め輪53により係止される
とともに、円孔51の口端は蓋板54により封塞されて
いる。枠体52内は隔板52cにより中空状の第1弁室
55aと第2弁室55bとに区画され、該第1弁室55
a内には枠体52bに止着された伸縮可能なベローズ5
6が配設され、該ベローズ56内は、円孔51及び絞り
として機能する狭隘な導圧路57を介して、一つの圧縮
室(ボア)11と連通されている。そして該ベローズ5
6にはその伸長方向に延在し、上記隔板52cに開口さ
れた弁孔58を通貫する弁体59が装着され、その球状
弁部59aは第2弁室55b内に配置されている。な
お、70は枠体52に嵌着された封止用シール(Oリン
グ)である。
【0016】リヤハウジング6にはシリンダブロック2
の中心軸孔2aを経由して斜板室8に連なる座繰孔60
が穿設されており、上記油溜室44と該座繰孔60と
は、差圧弁50を挟んで給油路61a、61bにより連
通されている。具体的には油溜室44から延びる上流側
の給油路61aは第2弁室55bに接続され、一方、座
繰孔60に至る下流側の給油路61bは第1弁室55a
に接続されている。なお、給油路61a、61bが差圧
弁50を介して導通され、貯溜油の機内循環が行われる
際の還油流量を制限するため、給油路61aに絞り62
が配設されている。
の中心軸孔2aを経由して斜板室8に連なる座繰孔60
が穿設されており、上記油溜室44と該座繰孔60と
は、差圧弁50を挟んで給油路61a、61bにより連
通されている。具体的には油溜室44から延びる上流側
の給油路61aは第2弁室55bに接続され、一方、座
繰孔60に至る下流側の給油路61bは第1弁室55a
に接続されている。なお、給油路61a、61bが差圧
弁50を介して導通され、貯溜油の機内循環が行われる
際の還油流量を制限するため、給油路61aに絞り62
が配設されている。
【0017】本実施形態は上述のように構成されてお
り、圧縮機が起動されて駆動軸9が回転されると、斜板
10に係留されたピストン12がボア11内で往復動さ
れ、それによって冷媒ガスの吸入、圧縮及び吐出が行わ
れる。圧縮された高圧の冷媒ガスは、吐出室16、17
から吐出通路30a〜30cを介して油分離室41に導
入される。すなわち、吐出通路30cから油分離室41
内へ進入した冷媒ガスは、円孔状の内壁に沿った旋回流
を生じながら分離筒43の開口から筒内へと案内され、
図示しない吐出ポートを経て外部冷凍回路へと送給され
る。この間、旋回流に基づく遠心力により冷媒ガス中の
混在油成分は有効に分離され、回路へ流出する油成分比
率(オイルレート)は実質的に無害な程度にまで低減さ
れる。なお、このような油分離の過程を経ることによっ
て冷媒ガスの脈動は物理的に鎮静化されるので、きわめ
て安定した状態で冷凍回路へと送給される。
り、圧縮機が起動されて駆動軸9が回転されると、斜板
10に係留されたピストン12がボア11内で往復動さ
れ、それによって冷媒ガスの吸入、圧縮及び吐出が行わ
れる。圧縮された高圧の冷媒ガスは、吐出室16、17
から吐出通路30a〜30cを介して油分離室41に導
入される。すなわち、吐出通路30cから油分離室41
内へ進入した冷媒ガスは、円孔状の内壁に沿った旋回流
を生じながら分離筒43の開口から筒内へと案内され、
図示しない吐出ポートを経て外部冷凍回路へと送給され
る。この間、旋回流に基づく遠心力により冷媒ガス中の
混在油成分は有効に分離され、回路へ流出する油成分比
率(オイルレート)は実質的に無害な程度にまで低減さ
れる。なお、このような油分離の過程を経ることによっ
て冷媒ガスの脈動は物理的に鎮静化されるので、きわめ
て安定した状態で冷凍回路へと送給される。
【0018】このように圧縮機の運転が継続されている
状態では、導圧路57を介してベローズ56内に導入さ
れる圧縮室圧力は至って高く、下流側の給油路61bを
経由して座繰孔(吸入系)60と接続される第1弁室5
5a内の圧力と、ベローズ56の弾性復元力(収縮力)
との合力に打勝って、ベローズ56ともども弁体59は
伸動し、図2に示すように弁孔58は開口されている。
したがって、両給油路61a、61bは第2弁室55
b、弁孔58及び第1弁室55aを介して導通され、油
溜室44内の貯溜油は絞り62により制限された流量を
保ちながら、該給油路61a、61bを経由して座繰孔
60に導かれたのち、中心軸孔2aを潜通して斜板室8
へと還給される。すなわち、圧縮機の運転中は、油溜室
44内から斜板室8及び油分離室41を巡って所要の潤
滑油が機内循環されるので、各摺動部の潤滑は良好に確
保される。なお、圧縮機が起動されて開弁直前の第2弁
室55bには、貯溜油を介して作用する吐出圧力が開弁
に抵抗することになるが、弁体59に働く吐出圧力の受
圧面積は、ベローズ56の伸動方向に働く圧縮室圧力の
受圧面積に比べて遙かに小さいので、開弁に関しての支
障は全く生じない。
状態では、導圧路57を介してベローズ56内に導入さ
れる圧縮室圧力は至って高く、下流側の給油路61bを
経由して座繰孔(吸入系)60と接続される第1弁室5
5a内の圧力と、ベローズ56の弾性復元力(収縮力)
との合力に打勝って、ベローズ56ともども弁体59は
伸動し、図2に示すように弁孔58は開口されている。
したがって、両給油路61a、61bは第2弁室55
b、弁孔58及び第1弁室55aを介して導通され、油
溜室44内の貯溜油は絞り62により制限された流量を
保ちながら、該給油路61a、61bを経由して座繰孔
60に導かれたのち、中心軸孔2aを潜通して斜板室8
へと還給される。すなわち、圧縮機の運転中は、油溜室
44内から斜板室8及び油分離室41を巡って所要の潤
滑油が機内循環されるので、各摺動部の潤滑は良好に確
保される。なお、圧縮機が起動されて開弁直前の第2弁
室55bには、貯溜油を介して作用する吐出圧力が開弁
に抵抗することになるが、弁体59に働く吐出圧力の受
圧面積は、ベローズ56の伸動方向に働く圧縮室圧力の
受圧面積に比べて遙かに小さいので、開弁に関しての支
障は全く生じない。
【0019】そして圧縮機が停止されると、ベローズ5
6に作用していた圧縮機圧力は吸入圧力と同程度まで低
下するため、弾性復元力によるベローズ56の縮動に伴
って、球状弁部59aは弁孔58を閉止する(図3)。
このように圧縮機の停止時には、潤滑油の機内循環、つ
まり斜板室8への還油も自動的に停止されるので、斜板
室8には過剰な残留油が存在せず、再起動時のオイル圧
縮は確実に防止される。一方、起動初期における要部の
潤滑に関しては、直ちに再開される貯溜油の機内循環に
よって十分対応することができる。なお、圧縮機の休止
(均圧)状態が継続されても、ベローズ56の弾性復元
力によって差圧弁50の閉止状態は不変に保持される。
また、上記弁孔58それ自体を流量絞りとして機能する
ように設定すれば、給油路61a中に配置した絞り62
を省略しえて構成を一層簡素化することができる。
6に作用していた圧縮機圧力は吸入圧力と同程度まで低
下するため、弾性復元力によるベローズ56の縮動に伴
って、球状弁部59aは弁孔58を閉止する(図3)。
このように圧縮機の停止時には、潤滑油の機内循環、つ
まり斜板室8への還油も自動的に停止されるので、斜板
室8には過剰な残留油が存在せず、再起動時のオイル圧
縮は確実に防止される。一方、起動初期における要部の
潤滑に関しては、直ちに再開される貯溜油の機内循環に
よって十分対応することができる。なお、圧縮機の休止
(均圧)状態が継続されても、ベローズ56の弾性復元
力によって差圧弁50の閉止状態は不変に保持される。
また、上記弁孔58それ自体を流量絞りとして機能する
ように設定すれば、給油路61a中に配置した絞り62
を省略しえて構成を一層簡素化することができる。
【0020】図4は、差圧弁(弁手段)の変形例とし
て、その開弁状態のみを示したものであって、該差圧弁
80は、枠体82が隔板82cにより中空状の第1弁室
85aと第2弁室85bとに区画され、該第1弁室85
a内には隔板82cに止着された伸縮可能なベローズ8
6が配設され、実質的に該ベローズ86を囲包する領域
(85a)は、前実施形態と同様の導圧路57を介して
一つの圧縮室(ボア)11と連通されている。そして該
ベローズ86にはその収縮方向に延在し、上記隔板82
cに開口された弁孔88を通貫する弁体89が装着さ
れ、その球状弁部89aは第2弁室85b内に配置され
ている。そして上流側の給油路61aは第2弁室85b
と接続され、下流側の給油路61bはベローズ86の内
部と接続されている。
て、その開弁状態のみを示したものであって、該差圧弁
80は、枠体82が隔板82cにより中空状の第1弁室
85aと第2弁室85bとに区画され、該第1弁室85
a内には隔板82cに止着された伸縮可能なベローズ8
6が配設され、実質的に該ベローズ86を囲包する領域
(85a)は、前実施形態と同様の導圧路57を介して
一つの圧縮室(ボア)11と連通されている。そして該
ベローズ86にはその収縮方向に延在し、上記隔板82
cに開口された弁孔88を通貫する弁体89が装着さ
れ、その球状弁部89aは第2弁室85b内に配置され
ている。そして上流側の給油路61aは第2弁室85b
と接続され、下流側の給油路61bはベローズ86の内
部と接続されている。
【0021】したがって、本変形例の場合も、弁孔88
の閉止に関与するベローズ86の弾性復元力が伸張力で
ある点で相違するものの、基本的な弁の開閉動作は前実
施形態と全く異なるところはないので、詳しい説明は省
略する。図5、図6は、構造の簡素化を図った差圧弁
(弁手段)の他の実施形態を示すもので、該差圧弁90
も前実施形態と同様、枠体92内が隔板92cにより第
1弁室95aと第2弁室95bとに区画され、第1弁室
95a内に嵌挿されたスプール94の外周壁と第1弁室
95aの内周壁との間には、相互に対向する谷形の環状
溝R1、R2が凹刻されており、該環状溝R1、R2内
にOリング96が共装されることによって、スプール9
4は実質的に第1弁室95a内に支持されるとともに、
導圧路57を介して圧縮室(ボア)11に連なる導圧路
97と該第1弁室95aとを流体的に遮断している。そ
して該スプール94には、一体的に延在して隔板92c
に開口された弁孔98を貫通する弁体99が設けられ、
その球状弁部99aは第2弁室95b内に配置されてい
る。
の閉止に関与するベローズ86の弾性復元力が伸張力で
ある点で相違するものの、基本的な弁の開閉動作は前実
施形態と全く異なるところはないので、詳しい説明は省
略する。図5、図6は、構造の簡素化を図った差圧弁
(弁手段)の他の実施形態を示すもので、該差圧弁90
も前実施形態と同様、枠体92内が隔板92cにより第
1弁室95aと第2弁室95bとに区画され、第1弁室
95a内に嵌挿されたスプール94の外周壁と第1弁室
95aの内周壁との間には、相互に対向する谷形の環状
溝R1、R2が凹刻されており、該環状溝R1、R2内
にOリング96が共装されることによって、スプール9
4は実質的に第1弁室95a内に支持されるとともに、
導圧路57を介して圧縮室(ボア)11に連なる導圧路
97と該第1弁室95aとを流体的に遮断している。そ
して該スプール94には、一体的に延在して隔板92c
に開口された弁孔98を貫通する弁体99が設けられ、
その球状弁部99aは第2弁室95b内に配置されてい
る。
【0022】したがって、本実施形態ではOリング96
の変形に基づいた弾性復元力を弁孔98の閉止に利用す
ることにより、更なる構造の簡素化を図ることができ、
しかもOリング96はこれを挟持する相対的な嵌合周面
のいずれとも摺接しないので、摺動抵抗に起因する弁の
作動不良も全く生じない。図7は、弁孔98の開閉状態
とOリング96の変形状態とを対比して示した状態図で
あって、図中3段階のレベルで表示したOリング96の
変形度は、0が捩り荷重の全く作用していないレベル、
1は弁孔閉止力(弾性復元力)を得るために、予め所要
の捩り荷重が作用しているレベル、2は開弁によって最
大の捩り荷重が作用しているレベルを表している。
の変形に基づいた弾性復元力を弁孔98の閉止に利用す
ることにより、更なる構造の簡素化を図ることができ、
しかもOリング96はこれを挟持する相対的な嵌合周面
のいずれとも摺接しないので、摺動抵抗に起因する弁の
作動不良も全く生じない。図7は、弁孔98の開閉状態
とOリング96の変形状態とを対比して示した状態図で
あって、図中3段階のレベルで表示したOリング96の
変形度は、0が捩り荷重の全く作用していないレベル、
1は弁孔閉止力(弾性復元力)を得るために、予め所要
の捩り荷重が作用しているレベル、2は開弁によって最
大の捩り荷重が作用しているレベルを表している。
【0023】そして状態(ii)及び(iii)は差圧
弁90の閉弁時及び開弁時を示しており、状態(i)は
Oリング96に作用する捩り荷重が除去された弁体99
位置を仮想的に示したものである。このようにOリング
96には閉弁時であっても予荷重(捩り荷重)が作用し
ているが、例えば状態(iV)に示すようにばね手段に
よって積極的に予荷重を付与するか、又は状態(V)に
示すように球状弁に代わるリード弁を採用し、リード弁
の弾性復元力及び差圧によって弁孔閉止力を与えるよう
にすれば、閉弁時におけるOリング96の捩り変形を消
去若しくは極端に縮減しうるので、Oリング96の耐久
性を格段と向上させることができる。
弁90の閉弁時及び開弁時を示しており、状態(i)は
Oリング96に作用する捩り荷重が除去された弁体99
位置を仮想的に示したものである。このようにOリング
96には閉弁時であっても予荷重(捩り荷重)が作用し
ているが、例えば状態(iV)に示すようにばね手段に
よって積極的に予荷重を付与するか、又は状態(V)に
示すように球状弁に代わるリード弁を採用し、リード弁
の弾性復元力及び差圧によって弁孔閉止力を与えるよう
にすれば、閉弁時におけるOリング96の捩り変形を消
去若しくは極端に縮減しうるので、Oリング96の耐久
性を格段と向上させることができる。
【0024】図8は、回転式圧縮機としてスクロール式
圧縮機に本発明を適用した実施形態を示すものであっ
て、スクロール式圧縮機は、圧縮機の外郭をなすシェル
部と一体的に形成された固定スクロール101と、その
前後に結合された両ハウジング102、103とを有
し、前部ハウジング102内には軸受104を介して駆
動軸105が支承されており、該駆動軸105の内端に
は軸心から偏心したスライドキー106が突設されてい
る。このスライドキー106には径方向の微少移動可能
に駆動ブッシュ107が係合され、該駆動ブッシュ10
7に軸受108を介して可動スクロール109が支承さ
れている。可動スクロール109は可動側板109a
と、この可動側板109aから渦巻状に突出する可動渦
巻部109bとからなり、これらは同様に形成された固
定スクロール101の固定側板101a及び固定渦巻部
101bと噛合し、両者間に圧縮室Pを形成している。
圧縮機に本発明を適用した実施形態を示すものであっ
て、スクロール式圧縮機は、圧縮機の外郭をなすシェル
部と一体的に形成された固定スクロール101と、その
前後に結合された両ハウジング102、103とを有
し、前部ハウジング102内には軸受104を介して駆
動軸105が支承されており、該駆動軸105の内端に
は軸心から偏心したスライドキー106が突設されてい
る。このスライドキー106には径方向の微少移動可能
に駆動ブッシュ107が係合され、該駆動ブッシュ10
7に軸受108を介して可動スクロール109が支承さ
れている。可動スクロール109は可動側板109a
と、この可動側板109aから渦巻状に突出する可動渦
巻部109bとからなり、これらは同様に形成された固
定スクロール101の固定側板101a及び固定渦巻部
101bと噛合し、両者間に圧縮室Pを形成している。
【0025】さらに前部ハウジング102には複数本の
ピン111が固定され、他方可動側板109aにも複数
本のピン112が固定され、これらピン111、112
は、前部ハウジング102に凹設された座面を摺動する
リテーナ113にそれぞれ嵌合されることにより、自転
防止機構を構成している。また、固定側板101aの中
央部には吐出孔101cが貫設され、吐出孔101cの
開口面にはリテーナ115によって開度規制される吐出
弁114が配置されている。吐出室116及び油溜室1
17は固定スクロール101と後部ハウジング103と
に跨って形成されており、吐出室116は通路118に
より油分離室119と連通され、油分離室119の底部
はさらに通孔120によって油溜室117に連通される
とともに、油分離室119には吐出ポートを兼ねる分離
筒121が内装されている。
ピン111が固定され、他方可動側板109aにも複数
本のピン112が固定され、これらピン111、112
は、前部ハウジング102に凹設された座面を摺動する
リテーナ113にそれぞれ嵌合されることにより、自転
防止機構を構成している。また、固定側板101aの中
央部には吐出孔101cが貫設され、吐出孔101cの
開口面にはリテーナ115によって開度規制される吐出
弁114が配置されている。吐出室116及び油溜室1
17は固定スクロール101と後部ハウジング103と
に跨って形成されており、吐出室116は通路118に
より油分離室119と連通され、油分離室119の底部
はさらに通孔120によって油溜室117に連通される
とともに、油分離室119には吐出ポートを兼ねる分離
筒121が内装されている。
【0026】差圧弁50Aは、図1に示す差圧弁50と
は上下反転した態様で固定スクロール101に内装され
てはいるが、本質的な機能は全く変るものでなく、第1
弁室55aに止着されたベローズ56の内部は導圧路5
7を介して中間圧力に相当する位置の圧縮室Pに連通さ
れ、油溜室117から延びる上流側の給油路61aは第
2弁室55bに接続されている。そして第1弁室55a
から延びる下流側の給油路61bは、固定渦巻部101
bと可動側板109aとの摺動部位に開口されている。
は上下反転した態様で固定スクロール101に内装され
てはいるが、本質的な機能は全く変るものでなく、第1
弁室55aに止着されたベローズ56の内部は導圧路5
7を介して中間圧力に相当する位置の圧縮室Pに連通さ
れ、油溜室117から延びる上流側の給油路61aは第
2弁室55bに接続されている。そして第1弁室55a
から延びる下流側の給油路61bは、固定渦巻部101
bと可動側板109aとの摺動部位に開口されている。
【0027】したがって、圧縮機が駆動され、固定スク
ロール101と可動スクロール109との間に形成され
る圧縮室Pの移動によって圧縮された冷媒ガスは、吐出
孔101c及び吐出弁114を介して吐出室116へと
吐出されたのち、通路118から油分離室119に導入
される。すなわち油分離室119内に進入した冷媒ガス
は、円筒状の内壁に沿った旋回流を生じながら分離筒1
21の下部から筒内へと案内され、吐出ポートを兼ねる
分離筒121の開口を経て外部冷凍回路へと送給され
る。この間、旋回流に基づく遠心力により冷媒ガス中の
混在油成分は有効に分離され、回路へ流出する油成分比
率(オイルレート)は実質的に無害な程度にまで低減さ
れる。
ロール101と可動スクロール109との間に形成され
る圧縮室Pの移動によって圧縮された冷媒ガスは、吐出
孔101c及び吐出弁114を介して吐出室116へと
吐出されたのち、通路118から油分離室119に導入
される。すなわち油分離室119内に進入した冷媒ガス
は、円筒状の内壁に沿った旋回流を生じながら分離筒1
21の下部から筒内へと案内され、吐出ポートを兼ねる
分離筒121の開口を経て外部冷凍回路へと送給され
る。この間、旋回流に基づく遠心力により冷媒ガス中の
混在油成分は有効に分離され、回路へ流出する油成分比
率(オイルレート)は実質的に無害な程度にまで低減さ
れる。
【0028】このように圧縮機の運転が継続されている
状態では、導圧路57を介してベローズ56内に導入さ
れる圧縮室P圧力は至って高く、これが下流側の給油路
61bを経由して固定渦巻部101bと可動側板109
aとの摺動部位に接続される第1弁室55a内の圧力
と、ベローズ56の弾性復元力との合力に打勝って、差
圧弁50Aを開弁状態に保持するので、油溜室117内
の貯溜油は給油路61a、61bを経由して上記摺動部
位(吸入系)へと還給され、潤滑に供される。なお、こ
の場合、ベローズ56に作用する圧縮室P圧力は、回転
式圧縮機の特性として安定した中間圧力をいとも容易に
導出することができる。そして圧縮機が停止されると、
ベローズ56に作用していた圧縮室P圧力は吸入圧力と
同程度まで低下するため、差圧弁50Aは速やかに閉弁
状態へと移行し、前実施形態と同様、再起動時のオイル
圧縮は確実に防止される。
状態では、導圧路57を介してベローズ56内に導入さ
れる圧縮室P圧力は至って高く、これが下流側の給油路
61bを経由して固定渦巻部101bと可動側板109
aとの摺動部位に接続される第1弁室55a内の圧力
と、ベローズ56の弾性復元力との合力に打勝って、差
圧弁50Aを開弁状態に保持するので、油溜室117内
の貯溜油は給油路61a、61bを経由して上記摺動部
位(吸入系)へと還給され、潤滑に供される。なお、こ
の場合、ベローズ56に作用する圧縮室P圧力は、回転
式圧縮機の特性として安定した中間圧力をいとも容易に
導出することができる。そして圧縮機が停止されると、
ベローズ56に作用していた圧縮室P圧力は吸入圧力と
同程度まで低下するため、差圧弁50Aは速やかに閉弁
状態へと移行し、前実施形態と同様、再起動時のオイル
圧縮は確実に防止される。
【0029】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
封入油のほぼ全量を機内循環させうるに足る容積の油溜
室を有して、分離油の回路への流出が可及的に抑制され
ており、かかるオイルレートの極端な低減によって蒸発
器等の熱交換効率は著しく改善される。しかも運転中、
とりわけ起動初期における要部の潤滑が、貯溜油の機内
循環で機敏に保証されるので、起動に備えたクランク室
の蓄油の必要も解消され、オイル圧縮などの不具合を未
然に防止することができる。しかも弁手段には、ベロー
ズやOリングの弾性変形(復元力)を利用した差圧弁を
採用しており、作動部にシール等の摺動を生じないた
め、性能のばらつきとともに作動不良なども全くなく、
構造的にもきわめて簡素化される。
封入油のほぼ全量を機内循環させうるに足る容積の油溜
室を有して、分離油の回路への流出が可及的に抑制され
ており、かかるオイルレートの極端な低減によって蒸発
器等の熱交換効率は著しく改善される。しかも運転中、
とりわけ起動初期における要部の潤滑が、貯溜油の機内
循環で機敏に保証されるので、起動に備えたクランク室
の蓄油の必要も解消され、オイル圧縮などの不具合を未
然に防止することができる。しかも弁手段には、ベロー
ズやOリングの弾性変形(復元力)を利用した差圧弁を
採用しており、作動部にシール等の摺動を生じないた
め、性能のばらつきとともに作動不良なども全くなく、
構造的にもきわめて簡素化される。
【図1】本発明の一実施形態に係る斜板式圧縮機の断面
図。
図。
【図2】差圧弁の開弁状態を示す拡大断面図。
【図3】差圧弁の閉弁状態を示す拡大断面図。
【図4】変形例に係る差圧弁の開弁状態を示す拡大断面
図。
図。
【図5】他の実施形態に係る差圧弁の開弁状態を示す拡
大断面図。
大断面図。
【図6】他の実施形態に係る差圧弁の閉弁状態を示す拡
大断面図。
大断面図。
【図7】他の実施形態に係る差圧弁の開閉状態とOリン
グの変形状態とを対比した状態図。
グの変形状態とを対比した状態図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るスクロール式圧縮
機の断面図。
機の断面図。
8は斜板室(吸入系)、11はボア(圧縮室)、14、
15は吸入室、16、17は吐出室、30a〜30cは
吐出通路、41は油分離室、44は油溜室、50は差圧
弁(弁手段)、52cは隔板、55aは第1弁室、55
bは第2弁室、56はベローズ、58は弁孔、59は弁
体、61a、61bは給油路、62は絞り
15は吸入室、16、17は吐出室、30a〜30cは
吐出通路、41は油分離室、44は油溜室、50は差圧
弁(弁手段)、52cは隔板、55aは第1弁室、55
bは第2弁室、56はベローズ、58は弁孔、59は弁
体、61a、61bは給油路、62は絞り
フロントページの続き (72)発明者 中垣 恵司 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 山本 真也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】吸入系から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐
出室へ吐出するように構成した圧縮機において、上記吐
出室に連なって高圧領域に内装された油分離機構及び油
溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸入系へ還給する給油
路と、該給油路中に介装された弁手段とを備え、該弁手
段は、ベローズによって区画された領域の一方が下流側
の上記給油路と接続される第1弁室と、該第1弁室に隔
板を介して隣接され、上流側の上記給油路と接続される
第2弁室と、該ベローズから延在し、ベローズの変形を
介して作用する圧縮室圧力により該隔板に貫設された弁
孔を開閉する弁体とを有し、上記給油路には絞りが配設
されるとともに、該弁体に作用する圧縮室圧力が該ベロ
ーズの弾性復元力に屈したとき、上記両給油路を導通す
る弁孔が閉止されるように構成されていることを特徴と
する圧縮機。 - 【請求項2】吸入系から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐
出室へ吐出するように構成した圧縮機において、上記吐
出室に連なって高圧領域に内装された油分離機構及び油
溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸入系へ還給する給油
路と、該給油路中に介装された弁手段とを備え、該弁手
段は、ベローズによって区画された領域の一方が下流側
の上記給油路と接続される第1弁室と、該第1弁室に隔
板を介して隣接され、上流側の上記給油路と接続される
第2弁室と、該ベローズから延在し、ベローズの変形を
介して作用する圧縮室圧力により該隔板に貫設された絞
り兼用の弁孔を開閉する弁体とを有し、該弁体に作用す
る圧縮機圧力が該ベローズの弾性復元力に屈したとき、
上記両給油路を導通する弁孔が閉止されるように構成さ
れていることを特徴とする圧縮機。 - 【請求項3】吸入系から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐
出室へ吐出するように構成した圧縮機において、上記吐
出室に連なって高圧領域に内装された油分離機構及び油
溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸入系へ還給する給油
路と、該給油路中に介装された弁手段とを備え、該弁手
段は、下流側の上記給油路と接続される第1弁室と、該
第1弁室に嵌挿され、かつ双方の環状溝に共装されるO
リングによって支持されるスプールと、該第1弁室に隔
板を介して隣接され、上流側の上記給油路と接続される
第2弁室と、該スプールから延在し、該Oリングの変形
を介して作用する圧縮室圧力により、該隔板に貫設され
た弁孔を開閉する弁体とを有し、上記給油路には絞りが
配設されるとともに、該弁体に作用する圧縮室圧力が該
Oリングの弾性復元力に屈したとき、上記両給油路を導
通する弁孔が閉止されるように構成されていることを特
徴とする圧縮機。 - 【請求項4】吸入系から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐
出室へ吐出するように構成した圧縮機において、上記吐
出室に連なって高圧領域に内装された油分離機構及び油
溜室と、該油溜室の貯溜油を上記吸入系へ還給する給油
路と、該給油路中に介装された弁手段とを備え、該弁手
段は、下流側の上記給油路と接続される第1弁室と、該
第1弁室に嵌挿され、かつ双方の環状溝に共装されるO
リングによって支持されるスプールと、該第1弁室に隔
板を介して隣接され、上流側の上記給油路と接続される
第2弁室と、該スプールから延在し、該Oリングの変形
を介して作用する圧縮室圧力により、該隔板に貫設され
た絞り兼用の弁孔を開閉する弁体とを有し、該弁体に作
用する圧縮室圧力が該Oリングの弾性復元力に屈したと
き、上記両給油路を導通する弁孔が閉止されるように構
成されていることを特徴とする圧縮機。 - 【請求項5】上記環状溝の相対変位に基づいたOリング
の弾性復元力は、閉止状態の弁体に所要の予荷重として
負荷されていることを特徴とする請求項3又は4記載の
圧縮機。 - 【請求項6】上記圧縮機は往復式であり、上記弁体に作
用する圧縮室圧力の導圧路には絞り機能が付与されてい
ることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の
圧縮機。 - 【請求項7】上記圧縮機は回転式であり、上記弁体に作
用する圧力は圧縮室の中間圧力が導出されていることを
特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の圧縮機。
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JPH06249146A (ja) * | 1993-02-19 | 1994-09-06 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 斜板式圧縮機 |
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-
1999
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- 1999-07-08 EP EP99113594A patent/EP0971128A3/en not_active Withdrawn
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Also Published As
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