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JP2000049092A - 窒化物半導体の結晶成長方法および窒化物半導体装置並びにその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体の結晶成長方法および窒化物半導体装置並びにその製造方法

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Publication number
JP2000049092A
JP2000049092A JP14114399A JP14114399A JP2000049092A JP 2000049092 A JP2000049092 A JP 2000049092A JP 14114399 A JP14114399 A JP 14114399A JP 14114399 A JP14114399 A JP 14114399A JP 2000049092 A JP2000049092 A JP 2000049092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
layer
metal
nitride semiconductor
crystal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14114399A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Ito
国雄 伊藤
Masahiro Ishida
昌宏 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electronics Corp filed Critical Matsushita Electronics Corp
Priority to JP14114399A priority Critical patent/JP2000049092A/ja
Publication of JP2000049092A publication Critical patent/JP2000049092A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化物半導体結晶層における転位を従来よりも
減少させる窒化物半導体の結晶成長方法を提供する。 【解決手段】本発明の窒化物半導体の結晶成長方法は、
基板上に金属単結晶層を形成する工程と、金属単結晶層
を窒化することによって金属窒化物単結晶層を形成する
工程と、金属窒化物単結晶層上に窒化物半導体層をエピ
タキシャル成長する工程とを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体の結
晶成長方法、窒化物半導体装置およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】GaN、InN、AlN等の窒化物半導
体は、青色半導体レーザ装置や、高温で高速動作するト
ランジスタ等の半導体装置に用いる材料として好適であ
る。
【0003】半導体装置に好適に用いられる窒化物半導
体の単結晶層を得るために、種々の方法が検討されてき
た。
【0004】サファイア(Al23)単結晶基板または
Si単結晶基板上に直接、窒化物半導体層(例えばAl
N)を有機金属気相エピタキシャル成長法(以下MOV
PE法;有機金属化学気相成長法(MOCVD法)とも
言われる)で堆積する技術が検討された。しかしなが
ら、この方法によって得られた窒化物半導体層は、表面
モフォロジが悪く、また窒化物半導体層にクラックが発
生し易く歩留まりが低い、等の問題があり、実用される
に至らなかった。クラックは、窒化物半導体層の成膜温
度(AlNの場合は約1000℃)から室温までに降温
する過程において、単結晶基板と窒化物半導体層との熱
膨張係数の違いによる熱応力に起因して発生すると考え
らる。
【0005】その後、サファイア単結晶基板やSi単結
晶基板上に、MOVPE法を用いて比較的低い温度で、
一旦アモルファスまたは多結晶の窒化物半導体層(Ga
NまたはGa1-aAlaN(0<a≦1)層)を形成し、
この窒化物半導体層を加熱することによって、部分的に
単結晶化されたバッファ層を形成し、このバッファ層上
に半導体装置を形成するための窒化物半導体層をエピタ
キシャル成長する技術が開発された(例えば、特開平4
−297023号公報および特開平7−312350号
公報)。
【0006】バッファ層上に形成された窒化物半導体層
を用いた半導体装置の一例として、特開平6−1774
23号公報に開示されている発光素子が知られている。
この発光素子900は、図14に示すようにサファイア
基板92上に多結晶またはアモルファスの、GaNまた
はGa1-aAlaN(0<a≦1)よりなるバッファ層9
5、n型Ga1-bAlbN(0≦b<1)クラッド層9
6、n型InxGa1-xN(0<x<0.5)活性層9
7、p型Ga1-cAlcN(0≦c<1)クラッド層98
が順次積層された構造を有している。
【0007】また、バッファ層95の結晶成長に関する
技術は、上述の特開平4−297023号公報および特
開平7−312350号公報に開示されている。特開平
4−297023号公報および特開平7−312350
号公報には、GaNまたはGa1-aAlaN(0<a≦
1)よりなるバッファ層95をMOVPE法を用い、2
00℃以上900℃以下の結晶成長温度にて積層する方
法が示されている。この方法は、多結晶のGa1-aAla
N(0≦a≦1)よりなるバッファ層95をサファイア
基板92上に低温で積層し、その上にMOVPE法を用
い、1000℃程度の結晶成長温度で積層される窒化物
半導体結晶層、例えばn型Ga1-bAlbNクラッド層9
6を積層する前の昇温過程においてバッファ層95の一
部を単結晶化するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者が、上記従来の方法によりサファイア基板上に低温
で成長させたバッファ層の上に成長させた窒化物半導体
結晶の断面を透過型電子顕微鏡などで詳細に調べた結
果、上記の従来技術の結晶成長方法によって得られた窒
化物半導体結晶層は多くの転位を有しており、その結
果、得られた半導体装置の寿命が短いことが分かった。
【0009】上記従来の半導体装置の製造方法におい
て、窒化物半導体結晶層を結晶成長する前の昇温過程に
おいてバッファ層95が単結晶化されるのはサファイア
基板92の面内の一部の領域だけである。従って、バッ
ファ層95が単結晶化されない領域においては、バッフ
ァ層95を構成する多結晶の配向性が悪く、サファイア
基板92とバッファ層95との界面で転位(欠陥)が発
生し、それが窒化物半導体結晶層(クラッド層96、活
性層97及びクラッド層98)にまで成長していくと考
えられる。窒化物半導体結晶層中の転位の密度は109
cm-2にも達し、半導体装置の寿命を短くしていた。
【0010】また、サファイア単結晶基板の表面を窒化
することによって、AlNからなるバッファ層を形成す
る技術も検討されたが(例えば、特開昭63−1785
16号公報)、バッファ層にクラックが発生したり、上
述の従来技術と同様に、バッファ層に多量の転位が発生
し、実用化されるに至っていない。
【0011】本発明はこのような課題を解決するための
ものであり、窒化物半導体結晶層における転位を従来よ
りも減少させる窒化物半導体の結晶成長方法、寿命が長
く信頼性の高い窒化物半導体装置およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化物半導体の
結晶成長方法は、基板上に第1金属単結晶層を形成する
工程と、前記第1金属単結晶層を窒化することによって
金属窒化物単結晶層を形成する工程と、前記金属窒化物
単結晶層上に第1窒化物半導体層をエピタキシャル成長
する工程とを包含し、そのことによって上記目的が達成
される。
【0013】前記第1金属単結晶層を形成する工程は、
単結晶基板を用意する工程と、前記単結晶基板上に前記
第1金属単結晶層をエピタキシャル成長させる工程とを
包含することが好ましい。
【0014】前記第1金属単結晶層をエピタキシャル成
長させる工程はクラスターイオンビーム法によって行わ
れることが好ましい。
【0015】ある実施例において、前記第1金属単結晶
層は、Al1-x-yGaxIny(0≦x、y≦1、0≦x
+y<1)から形成されている。
【0016】ある実施例において、前記第1窒化物半導
体層は、Al1-s-tGasIntN(0≦s、t≦1、0
≦s+t≦1)から形成されている。
【0017】前記第1金属単結晶層を窒化する工程は、
少なくともヒドラジンまたはアンモニアを含む雰囲気中
で、前記第1金属単結晶層を窒化する工程であることが
好まし。
【0018】前記第1金属単結晶層を窒化する工程は、
前記第1金属単結晶層の金属原子を前記単結晶基板中に
拡散させることによって、前記単結晶基板の表面に金属
拡散層を形成する工程を包含してもよい。
【0019】前記単結晶基板上に第2金属単結晶層を形
成する工程を更に包含し、前記第1金属単結晶層を形成
する工程は、前記第2金属単結晶層上に前記第1金属単
結晶層をエピタキシャル成長する工程であってもよい。
【0020】前記第1金属単結晶層を窒化する工程は、
前記第2金属単結晶層の金属原子を前記単結晶基板中に
拡散させることによって、前記単結晶基板の表面に金属
拡散層を形成する工程を包含してもよい。
【0021】本発明の窒化物半導体装置の製造方法は、
半導体積層構造と前記半導体積層構造に電圧を印加する
ための一対の電極を有する窒化物半導体装置の製造方法
であって、前記半導体積層構造を形成する工程は、請求
項1に記載の窒化物半導体の結晶成長方法によって、第
1窒化物半導体層をエピタキシャル成長する工程を包含
し、そのことによって上記目的が達成される。
【0022】前記単結晶基板は導電性を有する単結晶基
板であって、前記電極を形成する工程は、前記単結晶基
板および前記半導体積層構造を介して互いに対向する面
に一対の電極を形成する工程であることが好ましい。
【0023】前記第1窒化物半導体層をエピタキシャル
成長する工程は、前記単結晶基板として半導体単結晶基
板を用い、前記半導体単結晶基板上に前記金属単結晶層
をエピタキシャル成長する工程と、前記金属単結晶層を
窒化することによって前記金属窒化物単結晶層を形成す
るとともに、前記金属単結晶層の金属原子を拡散させる
ことによって前記半導体単結晶基板の表面に金属拡散層
を形成する工程とを包含してもよい。
【0024】ある実施例において、前記単結晶基板は
(111)面を主面とするSi単結晶基板であって、前
記金属単結晶層を形成する工程は、前記Si単結晶基板
の(111)面上に、(111)面を主面とするAl
1-x-yGaxIny(0≦x、y≦1、0≦x+y<1)
からなる層をエピタキシャル成長させる工程であって、
前記金属窒化物単結晶層を形成する工程は、前記Al
1-x-yGaxInyからなる前記金属単結晶層を窒化する
ことによって、(0001)を主面とするAl1-x-y
xInyNからなる前記金属窒化物単結晶層を形成する
工程である。
【0025】本発明による窒化物半導体装置は、単結晶
基板と、前記単結晶基板上に形成された、窒化された金
属単結晶層から形成されている金属窒化物単結晶層と、
前記金属窒化物単結晶層上にエピタキシャル成長された
第1窒化物半導体層を含む半導体積層構造と、前記半導
体積層構造に電圧を印加するための一対の電極とを有
し、そのことによって上記目的が達成される。
【0026】ある実施例の窒化物半導体装置は、導電性
を有する単結晶基板と、前記単結晶基板上に形成され
た、窒化された金属単結晶層から形成されている金属窒
化物単結晶層と、前記金属窒化物単結晶層上にエピタキ
シャル成長された第1窒化物半導体層を含む半導体積層
構造と、前記単結晶基板と前記半導体積層構造とを介し
て、互いに対向する面に設けられた一対の電極とを有す
る。
【0027】前記単結晶基板の上に、第1金属単結晶層
を更に有し、前記金属窒化物単結晶層は、前記第1金属
単結晶層上にエピタキシャル成長された第2金属単結晶
層が窒化された層から形成されている構成であってもよ
い。
【0028】前記単結晶基板は、前記金属窒化物単結晶
層の金属原子が拡散した金属拡散層を有してもよい。ま
た、前記単結晶基板は、前記第1金属単結晶層の金属原
子が拡散した金属拡散層を有してもよい。
【0029】前記単結晶基板は、Si1-s-tGes
t(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)から形成されて
いてもよい。あるいは、前記単結晶基板は、A1-u
u(0<u<1)から形成されており、ここでAはA
l、Ga及びInの内の1つであり、BはAs、P及び
Sbの内の1つであってもよい。また、前記単結晶基板
は、サファイア、スピネル、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、酸化クロム、酸化リチウムニオブ、酸化リチウムタ
ンタルおよび酸化リチウムガリウムからなる群から選択
されてもよい。
【0030】ある実施例において、前記第1金属単結晶
層は、AuまたはAuを含む合金から形成されている。
【0031】ある実施例において、前記金属窒化物単結
晶層は、Al1-x-yGaxInyN(0≦x、y≦1、0
≦x+y<1)から形成されている。
【0032】ある実施例において、前記単結晶基板は
(111)面を主面とするSi単結晶基板であって、前
記金属窒化物単結晶層は(111)面上に形成され、且
つ(0001)を主面とする。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の窒化物半導体の結晶成長
方法は、まず、基板上に金属単結晶層を形成し、金属単
結晶層を窒化することによって金属窒化物単結晶層を形
成する。その後、得られた金属窒化物単結晶層上に窒化
物半導体層をエピタキシャル成長する。窒化工程におい
て、金属単結晶層の全てを窒化する必要は無い。金属単
結晶層の一部を窒化し、表面に形成された金属窒化物単
結晶層上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長しても
よい。さらに、窒化される金属単結晶層とは異なる金属
単結晶層を基板上に形成し、その上に窒化される金属単
結晶層を形成してもよい。
【0034】その上に窒化物半導体層がエピタキシャル
成長される金属窒化物単結晶層は、従来のバッファ層と
して機能し、窒化物半導体層の結晶性を高める。金属単
結晶層を窒化することによって金属窒化物からなるバッ
ファ層を形成すると、従来の多結晶層や多結晶層が部分
的に単結晶化された層とは異なり、欠陥の少ない単結晶
層が形成されるので、その上に転位密度の低い窒化物半
導体層をエピタキシャル成長によって堆積することがで
きる。
【0035】また、従来の成長方法よりも、金属窒化物
単結晶層またはその上に形成される窒化物半導体層にク
ラックが発生することを抑制・防止することができる。
クラックの発生が抑制されるメカニズムは、金属単結
晶層の形成工程および金属単結晶層の窒化工程の熱履歴
によって金属窒化物単結晶層と基板または金属単結晶層
との間に発生する熱応力が低減されている、金属単結
晶層または金属窒化物単結晶層と基板との界面の状態
が、従来の成長方法によって形成される状態と異なり、
応力を緩和または応力の発生を抑制すると推測される。
【0036】金属単結晶層の形成は、従来から知られて
いる方法を用いて実施することができる。例えば、クラ
スタイオンビーム(Ionized Cluster Beam:ICB)法やス
パッタ法を用いて、単結晶基板上に金属単結晶層をエピ
タキシャル成長することによって、金属単結晶層を形成
することができる。ICB法を用いた金属単結晶層の成
長方法(ICB装置及び成長条件)は、例えば、H. Ino
kawa et al. Jpn. J.Appl. Phys. 24, (1985) pp. L173
-L174、I. Yamada et al. J. Appl. Phys. 56(1986) p
p. 2746-2750、山田公著、日本表面科学会編「イオンビ
ームによる薄膜設計」第5.5節、第90〜95頁、共
立出版、1991等に記載されている。また、スパッタ
法を用いた金属単結晶層の成長方法は、S. Yokoyama et
al. Jpn. J. Appl. Phys. 32(1993)pp. L283- L286に
記載されている。特に、ICB法を用いることによっ
て、品質の良い金属単結晶層(単結晶基板との界面の状
態も良いと推測される)を形成することができる。ま
た、ICB法を用いると、格子不整合の比較的大きな
(例えば、約25%以上)単結晶基板上に金属単結晶層
をエピタキシャル成長することができる。本願発明の実
施形態における金属単結晶層の形成方法に用いられる金
属単結晶層のエピタキシャル成長方法を開示する文献と
して、上記文献を本願明細書に援用する。
【0037】単結晶基板上に金属単結晶層をエピタキシ
ャル成長する方法において、種々の単結晶基板を用いる
ことができる。単結晶基板は、誘電体(絶縁体)であっ
てもよし、導電性を有してもよい(半導体や導電体)。
導電性を有する基板を用いることによって、半導体装置
の構造を簡略化できる利点がある。このことは、半導体
装置の製造方法の実施形態において後に詳述する。
【0038】本願発明による窒化物半導体の結晶成長方
法を用いて窒化物半導体装置を製造すると、窒化物半導
体層のクラックの発生や欠陥の密度を低下することがで
きるので、寿命が長く信頼性に優れた窒化物半導体装置
を製造することができる。
【0039】本発明による実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を図1〜図6を参照しながら説明する。以下
の図において、基本的な機能が同一の構成要素は、簡単
さのために同一の参照符号で示す。
【0040】図1(a)、(b)および(c)は、本発
明による一実施形態の窒化物半導体の結晶成長方法の工
程を説明するための断面図である。
【0041】図1(a)に示すように、基板22上に金
属単結晶層24を形成する。例えば、基板22として単
結晶基板を用い、単結晶基板22上にICB法を用いて
金属単結晶層をエピタキシャル成長させる。ICB法は
上述の文献に開示されている方法で実施できる。例え
ば、約1×10-9Torr(約1.4×10-7Pa)以
下の雰囲気中、常温で実施することができる。エピタキ
シャル成長工程の前に、単結晶基板22の表面を清浄化
する工程を実施してもよい。
【0042】単結晶基板22としては、サファイア、ス
ピネル、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸
化リチウムニオブ、酸化リチウムタンタルおよび酸化リ
チウムガリウムなどの絶縁体単結晶や、Si1-s-tGes
t(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)やA1-u
u(0<u<1、ここでAはAl、Ga及びInの内の
1つであり、BはAs、P及びSbの内の1つである)
で表される半導体単結晶や、ハフニウム等の金属単結晶
を用いることができる。単結晶基板22上にエピタキシ
ャル成長される金属単結晶層24は、例えば、Al
1-x-yGaxIny(0≦x、y≦1、0≦x+y<1)
から形成される。
【0043】次に、図1(b)に示すように、金属単結
晶層24を窒化することによって、金属窒化物単結晶層
25を形成する。窒化工程は、窒素を含む化合物雰囲気
中で、金属単結晶層24を加熱することによって実施で
きる。窒素を含む化合物として、ヒドラジン(N24
またはアンモニア(NH3)を好適に用いることができ
る。特に、ヒドラジンはアンモニアによりも窒化能力が
高く、窒化時間を短縮または窒化温度を低くすることが
できるので好ましい。
【0044】窒化温度は適宜必要に応じて設定できる。
但し、窒化温度の上限は、金属単結晶層24の融点未満
であることが好ましい。融点以上の温度に長時間加熱す
ると金属単結晶層24が融解し、結晶構造が崩れるの
で、窒化によって形成された金属窒化物層が単結晶とな
らない場合や、多くの転位を含む結晶層となることがあ
る。良質の金属窒化物単結晶層を形成するためには、金
属単結晶層の融点よりも約100℃以上低い温度以下の
温度で窒化することが好ましい。窒化温度の下限値に特
に制限は無い。金属の窒化反応はアレニウス型の反応な
ので、窒化温度が高いほど短時間に窒化が進む。例え
ば、Al1-x-yGaxIny金属単結晶層を窒化する温度
は、ヒドラジンを用いる場合には約200℃以上が好ま
しく、アンモニアを用いる場合には約400℃以上が好
ましい。上述の温度条件であれば、それぞれ、数十nm
の金属単結晶層を数十分で窒化することができる。な
お、金属単結晶層24を窒化することによって得られる
金属窒化物単結晶層25は、金属単結晶層24よりも厚
さが大きいので、図1(b)ではそれを強調して図示し
ている。
【0045】得られた金属窒化物層25上に、常法に従
って、窒化物半導体層26をエピタキシャル成長する。
例えば、窒化物半導体層26として、Al1-s-tGas
tN(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)で表される
窒化物からなる層をエピタキシャル成長することができ
る。窒化物半導体層26の組成と金属窒化物層25の組
成は勿論異なってもよい。金属窒化物単結晶層25は転
位の少ない単結晶層なので、その上にエピキシャル成長
された窒化物半導体層26も転位の少ない単結晶層とな
る。また、金属窒化物単結晶層25およびその上に形成
された窒化物半導体層26中のクラック発生が抑制され
る。例えば、従来の方法に従って、Si単結晶基板にA
lNバッファ層を高温(約1000℃)で堆積し、Al
Nバッファ層上にGaN層をエピタキシャル成長する
と、平均約20μm間隔でクラックが発生するのに対し
て、本願発明の方法に従って、Si単結晶基板に形成し
たAl金属単結晶層を窒化することによってAlN層を
形成し、AlN層上にGaN層をエピタキシャル成長す
ると、クラック間の平均距離は約2mm〜30mm程度
となる。本発明の結晶成長方法に従って形成された窒化
物半導体層に発生するクラック間の平均距離は約10m
m以上であり、歩留まり良く半導体素子を製造すること
ができる。
【0046】窒化物半導体の結晶成長方法の他の実施形
態を図2(a)、(b)および(c)に示す。この実施
形態は、図2(b)に示した窒化工程において、金属単
結晶層24が窒化されるとともに、金属単結晶層24を
構成する金属原子が基板22中に拡散し、基板22の表
面(金属窒化物単結晶層25との界面)に金属拡散層2
2aを形成する点において、図1に示した実施形態と異
なる。
【0047】この金属原子の拡散の起こり易さは、単結
晶基板22の材料と金属単結晶層24の材料との組み合
わせに依存する。例えば、単結晶基板22として、Si
単結晶基板やA1-uu(0<u<1、ここでAはAl、
Ga及びInの内の1つであり、BはAs、P及びSb
の内の1つである)で表される半導体単結晶基板を用
い、金属単結晶層24として、AlまたはAlを含む合
金、更に具体的には、Al1-x-yGaxInyで表される
金属単結晶層を用いると、Al原子が基板22中に拡散
し金属拡散層22aを形成しやすい。例えば、Alを用
いて金属単結晶層24を形成し、約550℃で、約1時
間窒化処理することによって、約1nmの金属拡散層2
2aが形成される。
【0048】この金属拡散層22aは、基板22と金属
窒化物単結晶層25との接着性を改善するとともに熱膨
張係数の違いに起因する応力を緩和する働きをすると考
えられる。また、基板22とその上に形成される積層構
造との間の接触熱抵抗を低減することができる。さら
に、単結晶基板22および金属窒化物単結晶層25が導
電性を有する場合、金属拡散層22aによってこれらの
間にオーミックコンタクトを形成することができる。
【0049】窒化物半導体の結晶成長方法の他の実施形
態を図3(a)、(b)および(c)に示す。この実施
形態は、図3(b)に示した窒化工程において、金属単
結晶層24の一部だけが窒化され金属窒化物単結晶層2
5が形成されている点において、図1に示した実施形態
と異なる。金属単結晶層24の内の窒化される厚さは、
例えば、窒化時間を調整することによって制御できる。
【0050】金属単結晶層24を完全に窒化せずに、単
結晶基板22と金属窒化物単結晶層25との間に金属単
結晶24を有することによって、単結晶基板22とその
上に形成される積層構造体との間の接触熱抵抗を低減す
ることができる。また、単結晶基板22と金属窒化物単
結晶層25との間に発生する応力を金属単結晶層24で
緩和することができる。これは、一般に金属の弾性率は
金属窒化物の弾性率よりも低いからと考えられる。
【0051】窒化物半導体の結晶成長方法の他の実施形
態を図4(a)、(b)および(c)に示す。この実施
形態は、図4(b)に示した窒化工程において、金属単
結晶層24の一部が窒化されて金属窒化物単結晶層25
が形成されるとともに、金属単結晶層24を構成する金
属原子が基板22中に拡散し、基板22の表面(金属単
結晶層24との界面)に金属拡散層22aを形成する点
において、図1に示した実施形態と異なる。図2に示し
た実施形態について説明したように、金属拡散層22a
の形成のされ易さは、単結晶基板22の材料と金属単結
晶層24の材料との組み合わせに依存する。先に説明し
た材料の組み合わせを用いて、且つ金属単結晶層24の
内の窒化される厚さを制御することによって、図4
(b)に示した構造を得ることができる。窒化される厚
さの制御は、図3に示した実施形態について説明したよ
うに、例えば、窒化時間を調整することによって行うこ
とができる。
【0052】さらに、窒化物半導体の結晶成長方法の他
の実施形態を図5(a)、(b)、(c)および(d)
に示す。この実施形態は、図5(a)に示したように、
基板22上に窒化される金属単結晶層24を形成する前
に、別の金属単結晶層23を形成する工程を更に含んで
いる点において、先の実施形態と異なる。
【0053】金属単結晶層23は、先の実施形態におけ
る金属単結晶層24と同様に公知の方法で形成される。
例えば、基板22として単結晶基板22を用意し、その
上に金属単結晶層23を例えばICB法を用いてエピタ
キシャル成長させる。金属単結晶層23を形成する金属
材料としては、AuまたはAuを含む合金(例えばAu
とGeとの合金)を用いることが好ましい。更なる金属
単結晶層23を形成することによって、単結晶基板22
とその上に形成される積層構造との間の接触熱抵抗を低
減することができる。
【0054】また、金属単結晶層23をAuまたはAu
を含む合金で形成する場合に、単結晶基板22としてS
1-s-tGest(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)
やA1 -uu(0<u<1、ここでAはAl、Ga及びI
nの内の1つであり、BはAs、P及びSbの内の1つ
である)で表される半導体単結晶基板を用いると、金属
単結晶層24を窒化する工程において、金属単結晶層2
3を構成する原子が単結晶基板22中に拡散し、金属拡
散層を形成するので、単結晶基板22とその上に形成さ
れる半導体積層構造との間の接触熱抵抗とともに接触電
気抵抗を低減できる。金属単結晶層23を構成する一部
の原子を拡散させても良いし、図6(a)〜図6(d)
に示すように、金属単結晶層24を窒化して金属窒化物
単結晶層25を形成する工程において、金属単結晶層2
3を構成する全ての原子を単結晶基板22中に拡散させ
ることによって金属拡散層22aを形成してもよい。こ
の方法を用いると、金属単結晶層23は消失する(図6
(c))。金属単結晶層23を拡散によって消失させる
ためには、金属単結晶層23の厚さを約3nm以下とす
ることが好ましい。また、金属単結晶層24の窒化工程
の温度および時間を、金属単結晶層23の拡散の程度を
考慮して設定すればよい。例えば、金属単結晶層24の
窒化反応が終了した後も、金属単結晶層23の拡散を進
行させるために加熱し続けても良い。
【0055】この実施形態は、先の実施形態と組み合わ
せても良い。例えば、金属単結晶層23をAuまたAu
を含む合金を用いて形成し、単結晶基板として上記のS
1- s-tGestやA1-uuで表される半導体単結晶基
板22を用いると、単結晶金属層23を構成する金属原
子が半導体単結晶基板22中に拡散し、図2(b)と同
様に、金属拡散層22aが形成される。このとき、単結
晶金属層23の厚さを十分に薄くしておくと(例えば、
約3nm以下)、単結晶金属層23を構成する全ての金
属原子が単結晶基板22中に拡散し、単結晶金属層23
が実質的に残らない構造を形成することができる。この
構造においては、半導体/金属界面が存在しないので、
半導体/金属界面に形成されるショットキーバリア等に
よる抵抗をなくすことができる。
【0056】また、図3の実施形態について説明したよ
うに、金属単結晶層24の一部だけを窒化しても良い
し、図4の実施形態について説明したように、金属拡散
層22aを形成するとともに、金属単結晶層24の一部
だけを窒化し金属窒化物単結晶層25と金属単結晶層2
3との間に金属単結晶層24を残しても良い。いずれも
先の実施形態について得られる効果を合わせて得ること
ができる。
【0057】なお、半導体装置に用いられる窒化物半導
体層は一般に(0001)面を主面とするので、(00
01)面を主面とする窒化物半導体層がエピタキシャル
成長されるように、金属窒化物単結晶層は主面が(00
01)面となるように形成することが好ましい。具体的
には、Si1-s-tGest(0≦s、t≦1、0≦s+
t≦1)やA1-uu(0<u<1;AはAl、Ga及び
Inの内の1つであり、BはAs、P及びSbの内の1
つ)から形成されている単結晶基板を用いる場合には、
(111)面を主面とする単結晶基板を用い、その上
に、(111)面を主面とするAl1-s-tGasIn
t(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)からなる金属単
結晶を形成し、得られた金属単結晶層を窒化することに
よって、(0001)面を主面とするAl1-s-tGas
tNからなる金属窒化物単結晶層を形成することがで
きる。
【0058】以下、上述した窒化物半導体の結晶成長方
法を用いて半導体装置を製造する実施例を説明する。以
下の実施例は、半導体装置として発光素子(半導体レー
ザ)を例示するが、本願発明は以下の例に限られず、例
えば、電界効果型トランジスタ(FET)等の半導体装
置に適用できる。
【0059】(実施例1)本発明の第1の実施例におけ
る発光素子100は、導電性を有さない基板を用いて形
成される。
【0060】(実施例1−1)図7に示すようにサファ
イア基板22の上に、層厚が10nmの単結晶AlN層
25、層厚が1μmのn型Ga0.9Al0.1Nクラッド層
26、多重量子井戸(以下MQWという)活性層27、
層厚が0.5μmのp型Ga0.9Al0.1Nクラッド層2
8、層厚が0.1μmのp型GaNコンタクト層29を
順次積層して構成されたものである。MQW活性層27
は、層厚5nmのアンドープIn0.2Ga0.8N層と層厚
5nmのアンドープGaN層とが交互になるように、互
いに10層ずつ積層されて構成されており、n型Ga
0.9Al0.1Nクラッド層26に接する側にはアンドープ
GaN層が接している。
【0061】単結晶AlN層25上に形成されている半
導体積層構造(クラッド層26、活性層27、クラッド
層28及びコンタクト層29を含む)は、メサエッチン
グされており、半導体積層構造に電圧を印加するための
電極32aおよび32bが、コンタクト層29およびク
ラッド層26上にそれぞれ形成されている。
【0062】この構成によれば、サファイア基板22の
直上に結晶の配向性がよい単結晶AlN層25を形成し
ているので、サファイア基板22と単結晶AlN層25
との界面において発生する欠陥や転位の密度を減少させ
ることができ、その上に積層されるn型Ga0.9Al0.1
Nクラッド層26、MQW活性層27、p型Ga0.9
0.1Nクラッド層28およびGaNコンタクト層29
の欠陥や転位の密度を従来よりも低減させることができ
る。
【0063】発光素子100は、図1に示した結晶成長
方法を用いて製造される。この発光素子100の製造方
法を、図8を用いて説明する。
【0064】まずサファイア基板22上にAl単結晶層
24を、ICB法を用いて積層する(図8(a))。次
にAl単結晶層24を窒化し、単結晶AlN層25に変
化させる(図8(b))。窒化の方法として、サファイ
ア基板22の温度をAl単結晶の融点である660℃よ
り約100℃低い550℃に保ち、ヒドラジンまたはア
ンモニア等の窒素化合物を含む、適当なガス(H2キャ
リアガス)を流し、窒素化合物中の窒素成分とAl単結
晶層24とを反応させる。
【0065】その後、MOVPE法を用い、Si添加の
n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層2
7、Mg添加のp型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28、
Mg添加のp型GaNコンタクト層29を順次積層する
(図8(c))。n型Ga0. 9Al0.1Nクラッド層2
6、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびp型G
aNコンタクト層29の結晶成長温度は1000℃であ
り、MQW活性層27の結晶成長温度は800℃であ
る。
【0066】得られた半導体積層構造(層26、27、
28および29を含む)の一部をエッチングで除去し、
n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26を露出させる。そ
の後、p型GaNコンタクト層29およびn型Ga0.9
Al0.1Nクラッド層26上にそれぞれオーミック電極
32aおよび32bをそれぞれ形成することによって、
発光素子100が得られる。電極32aは例えばNi/
Au、電極32bは例えばTi/Auを用いて電子ビー
ム蒸着法で形成することができる。
【0067】この構成によれば、Al単結晶層24を窒
化させて単結晶AlN層25とするために、単結晶Al
N層25をサファイア基板22全面に形成させることが
でき、単結晶AlN層25の上に積層されるn型Ga
0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層27、p型
Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびGaNコンタク
ト層29の結晶性を向上させることができる。
【0068】本発明の実施例1−1における発光素子1
00について、その断面を透過型電子顕微鏡(以下TE
Mという)により観察したところ、n型Ga0.9Al0.1
Nクラッド層26、MQW活性層27、p型Ga0.9
0.1Nクラッド層28およびGaNコンタクト層29
の欠陥や転位の密度は、1×105/cm2であり、従来
の発光素子に比して1/10000であることが認めら
れた。
【0069】(実施例1−2)本発明の実施例1−2に
おける発光素子は、図7に示したように、MgAl24
(以下スピネルという)基板22上に層厚が5nmの単
結晶Al0.9Ga0.1N層25、n型Ga0.9Al0.1Nク
ラッド層26、MQW活性層27、p型Ga 0.9Al0.1
Nクラッド層28、p型GaNコンタクト層29を順次
積層して構成されたものである。
【0070】この構成によれば、スピネル基板22の直
上に結晶の配向性がよい単結晶Al 0.9Ga0.1N層25
を形成しているので、スピネル基板22と単結晶Al
0.9Ga0.1N層25との界面において発生する欠陥や転
位の密度を減少させることができ、その上に積層される
n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層2
7、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびGaN
コンタクト層29の欠陥や転位の密度を従来よりも低減
させることができる。
【0071】この発光素子100の製造方法を、再び図
8を用いて説明する。
【0072】まずスピネル基板22上に層厚が5nmの
Al0.9Ga0.1合金単結晶層24を、ICB法を用いて
積層する(図8(a))。次にAl0.9Ga0.1合金単結
晶層24を窒化し、単結晶Al0.9Ga0.1N層25に変
化させる(図8(b))。窒化の方法として、スピネル
基板22の温度を500℃に保ち、ヒドラジンまたはア
ンモニア等の窒素化合物を含むガスを流し、窒素化合物
中の窒素成分とAl0. 9Ga0.1合金単結晶層24とを反
応させる。
【0073】その後、実施例1−1と同様に、Si添加
のn型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層
27、Mg添加のp型Ga0.9Al0.1Nクラッド層2
8、Mg添加のp型GaNコンタクト層29を順次積層
する(図8(c))。得られた半導体積層構造(層2
6、27、28および29を含む)の一部をエッチング
で除去し、n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26を露出
させる。その後、p型GaNコンタクト層29およびn
型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26上にそれぞれオーミ
ック電極32aおよび32bをそれぞれ形成する。
【0074】この構成によれば、Al0.9Ga0.1合金単
結晶層24を窒化させて単結晶Al 0.9Ga0.1N層25
とするために、単結晶Al0.9Ga0.1N層25をスピネ
ル基板22全面に形成させることができ、単結晶Al
0.9Ga0.1N層25の上に積層されるn型Ga0.9Al
0.1Nクラッド層26、MQW活性層27、p型Ga0.9
Al0.1Nクラッド層28およびGaNコンタクト層2
9の結晶性を向上させることができる。
【0075】本発明の実施例1−2における発光素子1
00について、断面をTEMにより観察したところ、n
型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層2
7、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびGaN
コンタクト層29の欠陥や転位の密度は1×105/c
2であり、従来の発光素子に比して1/10000で
あることが認められた。
【0076】本発明の実施例1−1の発光素子100
(以下、発光素子E1という。)、実施例1−2の発光
素子100(以下、発光素子E2という。)および従来
の発光素子(以下、発光素子Cという。)の、70℃の
温度環境の下でかつ5mWの光出力でレーザ動作させた
ときの寿命測定の結果を図9に示す。図9において、曲
線E1、E2およびCはそれぞれ実施例1の発光素子E
1、E2、および従来の発光素子Cの動作時間と動作電
流の変化率との関係を表す。この図において、動作電流
の、動作時間に対する変化率ΔI/Δtが1に近いほ
ど、発光素子の劣化の度合いが小さく、長寿命であるこ
とが知られている。図9より、本発明の発光素子E1お
よび本発明の発光素子E2は、動作時間が10000時
間経過してもΔI/Δtは1に近いが、従来の発光素子
Cに関しては動作時間が約5000時間経過するとΔI
/Δtの値が1より大きくずれてくることがわかった。
このことから、本発明の発光素子E1および本発明の発
光素子E2は従来の発光素子Cに比べて寿命が長く信頼
性が高いことがわかった。なお、これらの発光素子の発
振波長はいずれも420nmであった。
【0077】なお、上記実施例においてサファイア基板
22またはスピネル基板22の代わりに、MgO、Zn
O、Cr23、LiNbO3、LiTaO3、LiGaO
2等からなる単結晶基板を用いても同様の効果が得られ
る。
【0078】以上説明したように、本発明の実施例1に
よれば、絶縁物単結晶基板と窒化物半導体結晶層との界
面において発生する欠陥や転位が従来よりも少なく、従
来よりも寿命が長く信頼性の高い半導体装置およびその
製造方法を得ることができる。
【0079】なお、本実施例では、図1に示した窒化物
半導体の結晶成長方法を用いて発光素子を製造した例を
示したが、図2から図6を参照しながら説明した種々の
結晶成長方法を適用できる。上述したいずれの結晶成長
方法を用いても、本実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0080】(実施例2)本発明の第2の実施例におけ
る発光素子は、導電性を有する基板を用いて形成され
る。導電性を有する基板は、半導体基板や金属等からな
る導体基板を含む。
【0081】(実施例2−1)実施例2−1における発
光素子200は、図10に示すように、n型Si単結晶
基板22の上に、層厚が8nmのAl単結晶層24、層
厚が2nmの単結晶AlN層25、層厚が1μmのn型
Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層27、
層厚が0.5μmのp型Ga0.9Al0.1Nクラッド層2
8、層厚が0.1μmのp型GaNコンタクト層29を
順次積層して構成されたものである。MQW活性層27
は、層厚5nmのアンドープIn0.2Ga0.8N層と層厚
5nmのアンドープGaN層とが交互になるように、2
0層構造にて構成されており、n型Ga0.9Al0.1Nク
ラッド層26に接する側にはアンドープGaN層が接し
ている。
【0082】単結晶AlN層25上に形成されている半
導体積層構造(n型クラッド層26、活性層27、p型
クラッド層28及びコンタクト層29を含む)に電圧を
印加するための電極32aおよび32bが、コンタクト
層29およびSi単結晶基板22上に互いに対向するよ
うに、それぞれ形成されている。
【0083】この構成によれば、n型Si単結晶基板2
2の直上に結晶の配向性がよいAl単結晶層24を形成
し、さらにその上に単結晶AlN層25を形成している
ので、n型Si単結晶基板22とAl単結晶層24との
界面において発生する欠陥や転位の密度を減少させるこ
とができ、その上に積層されるn型Ga0.9Al0.1Nク
ラッド層26、MQW活性層27、p型Ga0.9Al0.1
Nクラッド層28およびp型GaNコンタクト層29の
欠陥や転位の密度を従来よりも低減させることができ
る。また、MQW活性層27において発生する熱を直接
n型Si単結晶基板22を通して逃すことができる。さ
らにn型Si単結晶基板22裏面に電極を設けることが
できるので、基板1枚当たり得られる発光素子の数が従
来よりも増加し、従来よりも安価な発光素子を得ること
ができる。
【0084】発光素子200は、図3に示した結晶成長
方法を用いて製造される。この発光素子200の製造方
法を、図11を用いて説明する。
【0085】まずn型Si単結晶基板22上に層厚が1
0nmのAl単結晶層24を、ICB法を用いて積層す
る(図11(a))。次にAl単結晶層24を、表面よ
り2nmの深さまで窒化し、層厚が2nmの単結晶Al
N層25に変化させる(図11(b))。窒化の方法と
して、n型Si単結晶基板22の温度をAlの融点であ
る660℃より約100℃低い550℃に保ち、ヒドラ
ジンまたはアンモニア等の窒素化合物を含む、適当なガ
ス(H2キャリアガス)を流し、窒素化合物中の窒素成
分とAl単結晶層24とを反応させる。
【0086】その後、MOVPE法を用い、Si添加の
n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層2
7、Mg添加のp型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28、
Mg添加のp型GaNコンタクト層29を順次積層する
(図11(c))。n型Ga 0.9Al0.1Nクラッド層2
6、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびp型G
aNコンタクト層29の結晶成長温度は1000℃であ
り、MQW活性層27の結晶成長温度は800℃であ
る。
【0087】この後、コンタクト層29およびSi単結
晶基板22上に、互いに対向する面上にオーミック電極
32a及び32bを形成することによって、発光素子2
00が得られる。なお、オーミック電極32bは、A
l、TiやPt等を用い、必要に応じて300℃〜40
0℃でのアニールを行うことによって形成できる。オー
ミック電極32aは実施例1と同様にして形成できる。
【0088】この構成によれば、Al単結晶層24を窒
化させて単結晶AlN層25とするために、Al単結晶
層24および単結晶AlN層25をn型Si単結晶基板
22全面に形成させることができ、単結晶AlN層25
の上に積層されるn型Ga0. 9Al0.1Nクラッド層2
6、MQW活性層27、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド
層28およびp型GaNコンタクト層29の結晶性を向
上させることができる。
【0089】本発明の実施例2−1における発光素子2
00について、その断面をTEMにより観察したとこ
ろ、n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性
層27、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびp
型GaNコンタクト層29の欠陥や転位の密度は1×1
5/cm2であり、従来の発光素子に比して1/100
00であることが認められた。
【0090】(実施例2−2)本発明の実施例2−2に
おける発光素子300は、図12に示したように、n型
GaAs基板22上に層厚が5nmの単結晶Al0.9
0.1N層25、n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層2
6、MQW活性層27、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド
層28、p型GaNコンタクト層29を順次積層して構
成されたものである。
【0091】この構成によれば、n型GaAs基板22
の直上に結晶の配向性がよい単結晶Al0.9Ga0.1N層
25を形成しているので、n型GaAs基板22と単結
晶Al0.9Ga0.1N層25との界面において発生する欠
陥や転位の密度を減少させることができ、その上に積層
されるn型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活
性層27、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28および
p型GaNコンタクト層29の欠陥や転位の密度を従来
よりも低減させることができる。また、MQW活性層2
7において発生する熱を直接n型GaAs基板22を通
して逃すことができる。さらにn型GaAs基板22の
裏面に電極を設けることができるので、基板1枚当たり
得られる発光素子の数が従来よりも増加し、従来よりも
安価な発光素子を得ることができる。
【0092】発光素子300は、図1に示した結晶成長
方法を用いて製造される。この発光素子300の製造方
法を、再び図8を用いて説明する。
【0093】まずn型GaAs基板22上に層厚が5n
mのAl0.9Ga0.1合金単結晶層24をICB法を用い
て積層する(図8(a))。次にAl0.9Ga0.1合金単
結晶層24を窒化し、単結晶Al0.9Ga0.1N層25に
変化させる(図8(b))。窒化の方法として、n型G
aAs基板22の温度を500℃に保ち、ヒドラジンま
たはアンモニア等の窒素化合物を含む、適当なガス(H
2キャリアガス)を流し、窒素化合物中の窒素成分とA
0.9Ga0.1合金単結晶層24とを反応させる。その
後、第1の実施例と同様にSi添加のn型Ga0.9Al
0.1Nクラッド層26、MQW活性層27、Mg添加の
p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28、Mg添加のp型
GaNコンタクト層29を順次積層する(図8
(c))。
【0094】この後、コンタクト層29およびGaAs
単結晶基板22上に、互いに対向する面上にオーミック
電極32a及び32bを形成することによって、発光素
子300が得られる。
【0095】この構成によれば、Al0.9Ga0.1合金単
結晶層24を窒化させて単結晶Al 0.9Ga0.1N層25
とするために、単結晶Al0.9Ga0.1N層25をn型G
aAs基板22全面に形成させることができ、単結晶A
0.9Ga0.1N層25の上に積層されるn型Ga0.9
0.1Nクラッド層26、MQW活性層27、p型Ga
0.9Al0.1Nクラッド層28およびp型GaNコンタク
ト層29の結晶性を向上させることができる。
【0096】本発明の実施例2−2における発光素子3
00について、その断面をTEMにより観察したとこ
ろ、n型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性
層27、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびG
aNコンタクト層29の欠陥や転位の密度は1×105
/cm2であり、従来の発光素子に比して1/1000
0であることが認められた。
【0097】本発明の実施例2−1の発光素子200、
本発明の実施例2−2の発光素子300の70℃の温度
環境の下でかつ5mWの光出力でレーザ動作させたとき
の寿命測定の結果は、それぞれ図9の曲線E1およびE
2と同様であり、実施例2の発光素子200および30
0は、動作時間が10000時間経過してもΔI/Δt
は1に近いが、従来の発光素子に関しては動作時間が約
5000時間経過するとΔI/Δtの値が1より大きく
ずれてくることがわかった。このことから、実施例2の
発光素子は従来の発光素子に比べて寿命が長く信頼性が
高いことがわかった。なお、これらの発光素子の発振波
長はすべて420nmであった。
【0098】なお、上述の実施例2−1および2−2に
おけるn型Si単結晶基板22またはn型GaAs基板
22の代わりに、n型GaAs基板、n型SiC基板等
の導電性を有する半導体単結晶基板を用いても同様の効
果が得られる。また、p型の導電性を有する半導体単結
晶基板を用いてもよく、ハフニウム等の金属よりなる導
体単結晶基板を用いてもよい。金属の内、ハフニウム単
結晶は窒化物半導体単結晶の格子定数に近い値を有して
いるので好ましい。
【0099】(実施例2−3)本発明の実施例2−3に
おける発光素子400は、図13に示したように、n型
GaAs基板22と、n型GaAs単結晶基板22上に
順次積層された層厚が5nmの単結晶AlN層25、n
型Ga0.9Al0.1Nクラッド層26、MQW活性層2
7、p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層28およびp型G
aNコンタクト層29を有している。n型GaAs基板
22の単結晶AlN層25側の表面近傍には金属拡散層
22aが形成されている。金属拡散層22aは、Auを
含む合金がn型GaAs単結晶基板22に拡散すること
によって形成されている。
【0100】単結晶AlN層25上に形成されている半
導体積層構造(n型クラッド層26、活性層27、p型
クラッド層28及びコンタクト層29を含む)に電圧を
印加するための電極32aおよび32bが、コンタクト
層29およびn型GaAs基板22上に互いに対向する
ように、それぞれ形成されている。
【0101】発光素子400は、図6(a)〜(d)に
示した結晶成長方法を用いて製造される。
【0102】(111)面を主面とするn型GaAs単
結晶基板22を用意する。この単結晶基板22の(11
1)面にAuとGeとの合金からなる厚さ約1nmの金
属単結晶層23をICB法を用いてエピタキシャル成長
させる(図6(a))。得られたAuGe単結晶層23
は(111)主面を有する。
【0103】次に、AuGe単結晶層23の(111)
面上に1018cm-3程度のSiが添加された厚さ約20
nmのAl単結晶層24をICB法を用いてエピタキシ
ャル成長させる(図6(b))。得られたAl単結晶層
24は(111)主面を有する。
【0104】金属単結晶層23および24をICB法を
用いてエピタキシャル成長する工程は、金属単結晶層2
3および24のそれぞれの原料を供給する原料源(Au
Ge源およびSi添加Al源)を一つのチャンバ内に有
し、原料源からの原料ガスの供給量を例えばシャッタを
用いて制御できるICB装置を用いることが好ましい。
この様なICB装置を用いると、試料をチャンバから出
すことなく(チャンバ内の真空を破る(リークする)必
要がないので)、高純度な膜を成長できる。金属単結晶
層23および24をICB法を用いてエピタキシャル成
長する工程は、例えば室温で実施することができる。
【0105】次に、Al単結晶層24を窒化するととも
に、AuGe単結晶層23のAuGeをn型GaAs基
板22中に拡散させる。GaAs単結晶基板22の温度
を、GaAs単結晶基板22の融点およびAl単結晶層
24の融点よりも低い温度(例えば550℃)に加熱
し、窒素を含む化合物ガスをチャンバ内に流す。窒素を
含む化合物としては、ヒドラジンまたはアンモニアが好
ましい。特に、ヒドラジンは窒化能力が高いので、窒化
時間を短縮できる及び/又は窒化温度を下げることがで
きるので生産性の観点から好ましい。約10〜15分窒
化することによって、約20nmの厚さのAl単結晶層
24を窒化し、AlN単結晶層25が形成される。得ら
れるAlN単結晶層25の主面は(0001)面であ
る。窒化することによって層の厚さが増すので図中では
厚く示している。また、AuGeがn型GaAs基板2
2に拡散することによってAuGe拡散層22aが形成
される(図6(c))。AuGeを拡散させるために、
窒化工程における加熱温度および加熱時間を適宜調整し
てもよい。実質的に窒化反応が終了しても、拡散だけの
ために加熱を継続しても良い。
【0106】その後、AlN単結晶層25上に、n型G
0.9Al0.1Nの単結晶からなるクラッド層26をIC
B法を用いてエピタキシャル成長する(図6(d))。
この後は、上述した他の実施例と同様に、ダブルヘテロ
構造を有する半導体積層構造(n型クラッド層26、活
性層27、p型クラッド層28およびコンタクト層29
を含む)エピタキシャル成長によって形成する。その
後、コンタクト層29およびn型GaAs基板22上に
互いに対向するように電極32aおよび32bをそれぞ
れ形成することによって、図13に示した発光素子40
0が得られる。上記の半導体積層構造の結晶構造は六方
晶系であり、結晶の劈開面をキャビティの端面(face
t)とするレーザ素子を形成することができる。
【0107】n−GaAs基板22のn−AlN層25
側の表面近傍に形成されたAuGe拡散層22aにおい
て、Ge原子はドナーとして機能するので、n−GaA
s基板22とn−AlN層25との界面の電気抵抗を低
下させる。従って、発光素子400のように、導電性の
基板22と半導体積層構造とを挟持するするように一対
の電極32aおよび32bを配置した構成において、動
作電圧を低減することができる。
【0108】また、実施例2−3において、導電性単結
晶基板22としてp型GaAs基板を、金属単結晶層2
3としてAuNi単結晶層を、金属単結晶層24として
Mg(例えば約0.5モル%)を添加したAl単結晶層
を用いれば、p型GaAs基板22上にp型AlN層2
5を形成することができるので、ダブルヘテロ構造の導
電型の配置が上述の配置を反転させた配置の発光素子を
製造することができる。さらに、この逆転配置において
は、p型GaAs基板22のp型AlN25層側の表面
に近傍にAuNi拡散層22aが形成される。AuNi
拡散層中のNiはアクセプタとして機能するので、p−
GaAs基板22とp−AlN層25との界面の電気抵
抗を低下させ、発光素子の動作電圧を低減することがで
きる。
【0109】なお、上記の実施例において、金属単結晶
層23の材料として、Au(単体)やAuを含む他の合
金を用いてもよい。
【0110】以上説明したように、本発明の実施例2に
よれば、導電性単結晶基板の直上に金属単結晶層および
窒化物半導体単結晶層を順次形成し、さらにその上に半
導体層を形成しているので、従来よりも放熱性がよく、
半導体層の欠陥や転位の密度を低減させることができ
る。また、導電性単結晶基板の裏面に電極を設けること
ができるので、従来よりも安価な半導体装置およびその
製造方法を得ることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明の窒化物半導体の結晶成長方法に
よれば、金属単結晶層を窒化することによって形成され
た金属窒化物単結晶層上に窒化物半導体結晶層がエピタ
キシャル成長されるので、従来よりも欠陥や転位が少な
い窒化物半導体層が得られる。
【0112】また、本発明による窒化物半導体の結晶成
長方法を用いて窒化物半導体を製造することによって、
従来よりも寿命が長く信頼性の高い窒化物半導体装置が
得られる。本発明による窒化物半導体の結晶成長方法
は、例えば、青色半導体レーザの製造方法に好適に適用
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の窒化物半導体の結晶成
長方法を示す断面図である。
【図2】本発明による他の実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を示す断面図である。
【図3】本発明による他の実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を示す断面図である。
【図4】本発明による他の実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を示す断面図である。
【図5】本発明による他の実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を示す断面図である。
【図6】本発明による他の実施形態の窒化物半導体の結
晶成長方法を示す断面図である。
【図7】本発明による実施例の発光素子100を模式的
に示す断面図である。
【図8】図7に示した発光素子100の製造方法を模式
的に示す断面図である。
【図9】本発明の発光素子および従来の発光素子の動作
時間と動作電流の変化率との関係を表すグラフである。
【図10】本発明による実施例の発光素子200を模式
的に示す断面図である。
【図11】図10に示した発光素子200の製造方法を
模式的に示す断面図である。
【図12】本発明による実施例の発光素子300を模式
的に示す断面図である。
【図13】本発明による実施例の発光素子400を模式
的に示す断面図である。
【図14】従来の発光素子を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
22 基板(単結晶基板) 22a 金属拡散層 23 金属単結晶層(AuまたはAuを含む合金層) 24 金属単結晶層(AlまたはAlを含む合金層) 25 金属窒化物単結晶層 26 窒化物半導体層(n型Ga0.9Al0.1Nクラッド
層) 27 多重量子井戸活性層 28 p型Ga0.9Al0.1Nクラッド層 29 p型GaNコンタクト層 32a、32b 電極 92 サファイア基板 95 バッファ層 96 n型クラッド層 97 n型活性層 98 p型クラッド層 100、200、300、400、900 発光素子

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1金属単結晶層を形成する工
    程と、 前記第1金属単結晶層を窒化することによって金属窒化
    物単結晶層を形成する工程と、 前記金属窒化物単結晶層上に第1窒化物半導体層をエピ
    タキシャル成長する工程と、 を包含する窒化物半導体の結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 前記第1金属単結晶層を形成する工程
    は、 単結晶基板を用意する工程と、 前記単結晶基板上に前記第1金属単結晶層をエピタキシ
    ャル成長させる工程と、 を包含する請求項1に記載の窒化物半導体の結晶成長方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1金属単結晶層をエピタキシャル
    成長させる工程はクラスターイオンビーム法によって行
    われる請求項2に記載の窒化物半導体の結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 前記第1金属単結晶層は、Al1-x-y
    xIny(0≦x、y≦1、0≦x+y<1)から形成
    されている請求項2に記載の窒化物半導体の結晶成長方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1窒化物半導体層は、Al1-s-t
    GasIntN(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)から
    形成されている請求項4に記載の窒化物半導体の結晶成
    長方法。
  6. 【請求項6】 前記第1金属単結晶層を窒化する工程
    は、少なくともヒドラジンまたはアンモニアを含む雰囲
    気中で、前記第1金属単結晶層を窒化する工程である、
    請求項1から5のいずれかに記載の窒化物半導体の結晶
    成長方法。
  7. 【請求項7】 前記第1金属単結晶層を窒化する工程
    は、前記第1金属単結晶層の金属原子を前記単結晶基板
    中に拡散させることによって、前記単結晶基板の表面に
    金属拡散層を形成する工程を包含する、請求項1から6
    のいずれかに記載の窒化物半導体の結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 前記単結晶基板上に第2金属単結晶層を
    形成する工程を更に包含し、 前記第1金属単結晶層を形成する工程は、前記第2金属
    単結晶層上に前記第1金属単結晶層をエピタキシャル成
    長する工程である請求項2に記載の窒化物半導体の結晶
    成長方法。
  9. 【請求項9】 前記第1金属単結晶層を窒化する工程
    は、前記第2金属単結晶層の金属原子を前記単結晶基板
    中に拡散させることによって、前記第単結晶基板の表面
    に金属拡散層を形成する工程を包含する、請求項8に記
    載の窒化物半導体の結晶成長方法。
  10. 【請求項10】 半導体積層構造と前記半導体積層構造
    に電圧を印加するための一対の電極を有する窒化物半導
    体装置の製造方法であって、 前記半導体積層構造を形成する工程は、請求項1に記載
    の窒化物半導体の結晶成長方法によって、第1窒化物半
    導体層をエピタキシャル成長する工程を包含する窒化物
    半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記単結晶基板は導電性を有する単結
    晶基板であって、 前記電極を形成する工程は、前記単結晶基板および前記
    半導体積層構造を介して互いに対向する面に一対の電極
    を形成する工程である請求項10に記載の窒化物半導体
    装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1窒化物半導体層をエピタキシ
    ャル成長する工程は、前記単結晶基板として半導体単結
    晶基板を用い、前記半導体単結晶基板上に前記金属単結
    晶層をエピタキシャル成長する工程と、 前記金属単結晶層を窒化することによって前記金属窒化
    物単結晶層を形成するとともに、前記金属単結晶層の金
    属原子を拡散させることによって前記半導体単結晶基板
    の表面に金属拡散層を形成する工程とを包含する請求項
    10に記載の窒化物半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記単結晶基板は(111)面を主面
    とするSi単結晶基板であって、 前記金属単結晶層を形成する工程は、前記Si単結晶基
    板の(111)面上に、(111)面を主面とするAl
    1-x-yGaxIny(0≦x、y≦1、0≦x+y<1)
    からなる層をエピタキシャル成長させる工程であって、 前記金属窒化物単結晶層を形成する工程は、前記Al
    1-x-yGaxInyからなる前記金属単結晶層を窒化する
    ことによって、(0001)を主面とするAl1- x-y
    xInyNからなる前記金属窒化物単結晶層を形成する
    工程である請求項12に記載の窒化物半導体装置の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 単結晶基板と、 前記単結晶基板上に形成された、窒化された金属単結晶
    層から形成されている金属窒化物単結晶層と、 前記金属窒化物単結晶層上にエピタキシャル成長された
    第1窒化物半導体層を含む半導体積層構造と、 前記半導体積層構造に電圧を印加するための一対の電極
    と、を有する窒化物半導体装置。
  15. 【請求項15】 導電性を有する単結晶基板と、 前記単結晶基板上に形成された、窒化された金属単結晶
    層から形成されている金属窒化物単結晶層と、 前記金属窒化物単結晶層上にエピタキシャル成長された
    第1窒化物半導体層を含む半導体積層構造と、 前記単結晶基板と前記半導体積層構造とを介して、互い
    に対向する面に設けられた一対の電極と、 を有する窒化物半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記単結晶基板の上に、第1金属単結
    晶層を更に有し、 前記金属窒化物単結晶層は、前記第1金属単結晶層上に
    エピタキシャル成長された第2金属単結晶層が窒化され
    た層から形成されている請求項14または15に記載の
    窒化物半導体装置。
  17. 【請求項17】 前記単結晶基板は、前記金属窒化物単
    結晶層の金属原子が拡散した金属拡散層を有する請求項
    14または15に記載の窒化物半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記単結晶基板は、前記第1金属単結
    晶層の金属原子が拡散した金属拡散層を有する請求項1
    6に記載の窒化物半導体装置。
  19. 【請求項19】 前記単結晶基板は、Si1-s-tGes
    t(0≦s、t≦1、0≦s+t≦1)から形成されて
    いる請求項14から18のいずれかに記載の窒化物半導
    体装置。
  20. 【請求項20】 前記単結晶基板は、A1-uu(0<u
    <1)から形成されており、ここでAはAl、Ga及び
    Inの内の1つであり、BはAs、P及びSbの内の1
    つである請求項14から18のいずれかに記載の窒化物
    半導体装置。
  21. 【請求項21】 前記単結晶基板は、サファイア、ス
    ピネル、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸
    化リチウムニオブ、酸化リチウムタンタルおよび酸化リ
    チウムガリウムからなる群から選択される請求項14に
    記載の窒化物半導体装置。
  22. 【請求項22】 前記第1金属単結晶層は、Auまたは
    Auを含む合金から形成されている請求項18に記載の
    窒化物半導体装置。
  23. 【請求項23】 前記金属窒化物単結晶層は、Al
    1-x-yGaxInyN(0≦x、y≦1、0≦x+y<
    1)から形成されている請求項14から21のいずれか
    に記載の窒化物半導体装置。
  24. 【請求項24】 前記単結晶基板は(111)面を主面
    とするSi単結晶基板であって、前記金属窒化物単結晶
    層は(111)面上に形成され、且つ(0001)を主
    面とする請求項23に記載の窒化物半導体装置。
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