JP2000026271A - 表皮のタ―ンオ―バ―亢進抑制剤 - Google Patents
表皮のタ―ンオ―バ―亢進抑制剤Info
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- JP2000026271A JP2000026271A JP11121662A JP12166299A JP2000026271A JP 2000026271 A JP2000026271 A JP 2000026271A JP 11121662 A JP11121662 A JP 11121662A JP 12166299 A JP12166299 A JP 12166299A JP 2000026271 A JP2000026271 A JP 2000026271A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表皮のターンオーバー亢進抑制剤及び表皮角
化正常化剤の提供。 【解決手段】 スフィンゴシンを含有することを特徴と
する表皮のターンオーバー亢進抑制剤;及びスフィンゴ
シンを含有することを特徴とする表皮角化正常化剤。
化正常化剤の提供。 【解決手段】 スフィンゴシンを含有することを特徴と
する表皮のターンオーバー亢進抑制剤;及びスフィンゴ
シンを含有することを特徴とする表皮角化正常化剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表皮のターンオーバ
ー亢進抑制剤及び表皮角化正常化剤に関する。
ー亢進抑制剤及び表皮角化正常化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚は、外観的容姿を整えるとともに、
生体と外界との境界壁としての重要な機能を有してい
る。皮膚は、内因的には組織からの水分や種々の生体成
分の損失を防ぎ、体表面の水分蒸散や体温の恒常的維持
を司どっており、他方、外界の物理的、化学的刺激(温
度、湿度、紫外線、さらには種々の化学物質)から身体
を保護するバリアー能も有している。このように、皮膚
は、その生理的機能により、生体の生命活動において非
常に重要な役割をになっている。
生体と外界との境界壁としての重要な機能を有してい
る。皮膚は、内因的には組織からの水分や種々の生体成
分の損失を防ぎ、体表面の水分蒸散や体温の恒常的維持
を司どっており、他方、外界の物理的、化学的刺激(温
度、湿度、紫外線、さらには種々の化学物質)から身体
を保護するバリアー能も有している。このように、皮膚
は、その生理的機能により、生体の生命活動において非
常に重要な役割をになっている。
【0003】しかしながら、外環境の変化や生理的機能
の変動(疾患や加歳に伴う)が起こると皮膚組織の機能
異常が生じ皮膚のターンオーバーの亢進による表皮肥
厚、不全角化、表皮脂質代謝異常等がしばしば誘起され
る。そのような内外因子の相互作用から結果的に乾性あ
るいは脂性肌、フケ症等の様々な尋常性の皮膚のトラブ
ルが生じる。
の変動(疾患や加歳に伴う)が起こると皮膚組織の機能
異常が生じ皮膚のターンオーバーの亢進による表皮肥
厚、不全角化、表皮脂質代謝異常等がしばしば誘起され
る。そのような内外因子の相互作用から結果的に乾性あ
るいは脂性肌、フケ症等の様々な尋常性の皮膚のトラブ
ルが生じる。
【0004】従来、これらの皮膚のトラブルを予防、改
善する主たる方法としては、合成あるいは天然の保湿成
分を塗布することにより皮膚の乾燥を防ぎ皮膚の保湿能
を高める手法や、血行促進剤の塗布による皮膚の血行促
進効果により改善する等の試みがなされてきた。
善する主たる方法としては、合成あるいは天然の保湿成
分を塗布することにより皮膚の乾燥を防ぎ皮膚の保湿能
を高める手法や、血行促進剤の塗布による皮膚の血行促
進効果により改善する等の試みがなされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の方
法は、種々の皮膚トラブルの予防、改善等の有効性の評
価のみならず、効果の持続性、さらには薬剤の安定性、
安全性等の点で数々の問題点を有している。とくに、前
記従来の方法とは、一般的に角層表面の水分補給又は保
湿成分の一部補給を行なうものであることから、その効
能又は効果は一時的なものに留まり、永続的な改良効果
が期待できないものである。そのため、この問題の速や
かな解決が望まれていた。
法は、種々の皮膚トラブルの予防、改善等の有効性の評
価のみならず、効果の持続性、さらには薬剤の安定性、
安全性等の点で数々の問題点を有している。とくに、前
記従来の方法とは、一般的に角層表面の水分補給又は保
湿成分の一部補給を行なうものであることから、その効
能又は効果は一時的なものに留まり、永続的な改良効果
が期待できないものである。そのため、この問題の速や
かな解決が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、表皮内に存
在する生理活性成分であるスフィンゴシンが紫外線や種
々の成分に起因する表皮のターンオーバー亢進(表皮肥
厚、表皮不全角化や表皮脂質代謝の異常等)を抑制し、
表皮の角化を正常化する効果を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
在する生理活性成分であるスフィンゴシンが紫外線や種
々の成分に起因する表皮のターンオーバー亢進(表皮肥
厚、表皮不全角化や表皮脂質代謝の異常等)を抑制し、
表皮の角化を正常化する効果を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、スフィンゴシンを含
有することを特徴とする表皮のターンオーバー亢進抑制
剤を提供する。本発明はまた、スフィンゴシンを含有す
ることを特徴とする表皮角化正常化剤を提供する。
有することを特徴とする表皮のターンオーバー亢進抑制
剤を提供する。本発明はまた、スフィンゴシンを含有す
ることを特徴とする表皮角化正常化剤を提供する。
【0008】本発明に用いられるスフィンゴシンは、炭
素鎖の炭素数が12〜24であることが好ましい。また
天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然
型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然
型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相
対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外
の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの
混合物によるものでもよい。スフィンゴシンの具体例
は、次の(1)式で表わされる。
素鎖の炭素数が12〜24であることが好ましい。また
天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然
型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然
型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相
対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外
の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの
混合物によるものでもよい。スフィンゴシンの具体例
は、次の(1)式で表わされる。
【0009】
【化1】
【0010】スフィンゴシンは、スフィンゴリピド等を
適当な組織(たとえば、牛脳)から抽出し、加水分解後
有機溶媒で抽出することにより得られる。
適当な組織(たとえば、牛脳)から抽出し、加水分解後
有機溶媒で抽出することにより得られる。
【0011】また、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン
・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.)95巻,4098頁(1973年)、ジャーナル
・オブ・リピド・リサーチ(J.Lipid Re
s.)19巻,250頁(1978年)、テトラヘドロ
ン・レターズ(Tetrahedron Lett.)
29巻,239頁(1988年)、テトラヘドロン(T
etrahedron)42巻,5961頁(1986
年)等に記載の方法により合成できる。
・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.)95巻,4098頁(1973年)、ジャーナル
・オブ・リピド・リサーチ(J.Lipid Re
s.)19巻,250頁(1978年)、テトラヘドロ
ン・レターズ(Tetrahedron Lett.)
29巻,239頁(1988年)、テトラヘドロン(T
etrahedron)42巻,5961頁(1986
年)等に記載の方法により合成できる。
【0012】スフィンゴシンの、本発明の表皮のターン
オーバー亢進抑制剤及び表皮角化正常化剤への配合量
は、特に制限されないが、通常乳化系の皮膚外用剤とし
て用いる場合には、全組成量の0.001〜5重量%
(以下%で示す)であり、特に0.01〜1%が好まし
い。また、スクワラン等の液状炭化水素を基剤とする油
性の皮膚外用剤として用いる場合では、通常0.01〜
10%であり、特に0.05〜2%が好ましい。
オーバー亢進抑制剤及び表皮角化正常化剤への配合量
は、特に制限されないが、通常乳化系の皮膚外用剤とし
て用いる場合には、全組成量の0.001〜5重量%
(以下%で示す)であり、特に0.01〜1%が好まし
い。また、スクワラン等の液状炭化水素を基剤とする油
性の皮膚外用剤として用いる場合では、通常0.01〜
10%であり、特に0.05〜2%が好ましい。
【0013】本発明の表皮のターンオーバー亢進抑制剤
及び表皮角化正常化剤は、薬用皮膚外用剤、化粧薬用皮
膚外用剤、化粧料等の種々の使用形態をとることができ
る。薬用皮膚外用剤及び化粧薬用皮膚外用剤としては、
例えば、薬効成分を含有する各種の軟膏剤が挙げられ
る。軟膏剤としては、油性基剤をベースとするもの、油
/水、水/油型の乳化系基剤をベースとするもののいず
れであってもよい。上記油性基剤としては、特に制限は
なく、例えば、植物油、動物油、合成油、脂肪酸、及び
天然又は合成のグリセライド等が挙げられる。また、上
記薬効成分としては、特に制限はなく、例えば、鎮痛消
炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホル
モン剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
及び表皮角化正常化剤は、薬用皮膚外用剤、化粧薬用皮
膚外用剤、化粧料等の種々の使用形態をとることができ
る。薬用皮膚外用剤及び化粧薬用皮膚外用剤としては、
例えば、薬効成分を含有する各種の軟膏剤が挙げられ
る。軟膏剤としては、油性基剤をベースとするもの、油
/水、水/油型の乳化系基剤をベースとするもののいず
れであってもよい。上記油性基剤としては、特に制限は
なく、例えば、植物油、動物油、合成油、脂肪酸、及び
天然又は合成のグリセライド等が挙げられる。また、上
記薬効成分としては、特に制限はなく、例えば、鎮痛消
炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホル
モン剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
【0014】また、化粧料として使用する場合は、化粧
料成分として一般に使用されている油分、保湿剤、紫外
線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐
剤、増粘剤、色素、香料等を任意に組み合わせて配合す
ることができる。化粧料としては、種々の用途及び形
態、例えば、水/油、油/水型乳化化粧料、クリーム、
化粧乳液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファンデーショ
ン、皮膚洗浄剤、ヘアートニック、整髪剤、養毛剤、育
毛剤等として用いることができる。
料成分として一般に使用されている油分、保湿剤、紫外
線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐
剤、増粘剤、色素、香料等を任意に組み合わせて配合す
ることができる。化粧料としては、種々の用途及び形
態、例えば、水/油、油/水型乳化化粧料、クリーム、
化粧乳液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファンデーショ
ン、皮膚洗浄剤、ヘアートニック、整髪剤、養毛剤、育
毛剤等として用いることができる。
【0015】本発明の表皮のターンオーバー亢進抑制剤
及び表皮角化正常化剤は、常用の方法により上記種々の
形態のものに調製することができる。
及び表皮角化正常化剤は、常用の方法により上記種々の
形態のものに調製することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の表皮のターンオーバー亢進抑制
剤は、紫外線その他種々の因子の影響による表皮肥厚、
不全角化、脂質代謝異常等の表皮のターンオーバー亢進
に対し顕著な抑制作用を有している。又表皮角化正常化
剤は、皮膚の正常な機能を回復させ、かつ恒常性の維持
に資するものである。
剤は、紫外線その他種々の因子の影響による表皮肥厚、
不全角化、脂質代謝異常等の表皮のターンオーバー亢進
に対し顕著な抑制作用を有している。又表皮角化正常化
剤は、皮膚の正常な機能を回復させ、かつ恒常性の維持
に資するものである。
【0017】
【0018】参考例1 表皮角化細胞のDNA合成に対するスフィンゴシン誘導
体の抑制効果 (1)方法 a)ヒト表皮角化細胞の培養 表皮角化細胞は、クラボウ(株)より発売されているヒ
ト正常角化細胞(商品名:エピパック)を購入し使用し
た。なお、細胞の維持、継代には同社より発売されてい
るヒト正常角化細胞用培地(商品名:K−GM)を用い
た。 b)DNA合成(チミジン取り込み測定)の測定 24穴プレート中で増殖状態に培養された角化細胞を使
用した。まず、各ウエルの培地を吸引除去し、脳下垂体
抽出液を添加していないK−GMを450μl加え培地
交換を行った。そののち、スフィンゴシン誘導体を添加
した。さらに、経時的に0.2μCi/ml〔3H〕チミ
ジンを加え、4時間インキュベーションした。そのの
ち、上澄を吸引除去し、PBS(−)で3回洗浄後、5
00μlの2N NaOHを加えた。37℃で10分間
インキュベーションした後、同量の2N HClを加え
中和し、氷冷した10%トリクロロ酢酸を4ml加え30
分間静置した。ガラスフィルターで沈澱物を回収した
後、氷冷10%トリクロロ酢酸3mlで3回洗浄した。さ
らに氷冷エタノール3mlで1回フィルターを洗浄したの
ち、ガラスフィルターを風乾し液体シンチレーションカ
ウンターでその放射活性を測定することにより細胞への
チミジンの取り込み量を算定した。
体の抑制効果 (1)方法 a)ヒト表皮角化細胞の培養 表皮角化細胞は、クラボウ(株)より発売されているヒ
ト正常角化細胞(商品名:エピパック)を購入し使用し
た。なお、細胞の維持、継代には同社より発売されてい
るヒト正常角化細胞用培地(商品名:K−GM)を用い
た。 b)DNA合成(チミジン取り込み測定)の測定 24穴プレート中で増殖状態に培養された角化細胞を使
用した。まず、各ウエルの培地を吸引除去し、脳下垂体
抽出液を添加していないK−GMを450μl加え培地
交換を行った。そののち、スフィンゴシン誘導体を添加
した。さらに、経時的に0.2μCi/ml〔3H〕チミ
ジンを加え、4時間インキュベーションした。そのの
ち、上澄を吸引除去し、PBS(−)で3回洗浄後、5
00μlの2N NaOHを加えた。37℃で10分間
インキュベーションした後、同量の2N HClを加え
中和し、氷冷した10%トリクロロ酢酸を4ml加え30
分間静置した。ガラスフィルターで沈澱物を回収した
後、氷冷10%トリクロロ酢酸3mlで3回洗浄した。さ
らに氷冷エタノール3mlで1回フィルターを洗浄したの
ち、ガラスフィルターを風乾し液体シンチレーションカ
ウンターでその放射活性を測定することにより細胞への
チミジンの取り込み量を算定した。
【0019】(2)結果 結果を図1に示す。
【0020】図1は、C12ジヒドロスフィンゴシン(2
−アミノ−1,3−ドデカンジオール)、C12ジメチル
ジヒドロスフィンゴシン〔2−(ジメチルアミノ)−
1,3−ドデカンジオール〕、C20ジヒドロスフィンゴ
シン(2−アミノ−1,3−エイコサンジオール)、及
びC20ジメチルジヒドロスフィンゴシン〔2−(ジメチ
ルアミノ)−1,3−エイコサンジオール〕(C12等は
炭素鎖の炭素数を示す)をそれぞれ10μM(上段)、
及び100μM(下段)添加したときの〔3H〕チミジ
ンの取り込み率(コントロール%)を示す。とくに、C
12ジヒドロスフィンゴシン及びC12ジメチルジヒドロス
フィンゴシンをそれぞれ100μM添加したとき、〔3
H〕チミジン取り込み率の著しい減少がみられた。
−アミノ−1,3−ドデカンジオール)、C12ジメチル
ジヒドロスフィンゴシン〔2−(ジメチルアミノ)−
1,3−ドデカンジオール〕、C20ジヒドロスフィンゴ
シン(2−アミノ−1,3−エイコサンジオール)、及
びC20ジメチルジヒドロスフィンゴシン〔2−(ジメチ
ルアミノ)−1,3−エイコサンジオール〕(C12等は
炭素鎖の炭素数を示す)をそれぞれ10μM(上段)、
及び100μM(下段)添加したときの〔3H〕チミジ
ンの取り込み率(コントロール%)を示す。とくに、C
12ジヒドロスフィンゴシン及びC12ジメチルジヒドロス
フィンゴシンをそれぞれ100μM添加したとき、〔3
H〕チミジン取り込み率の著しい減少がみられた。
【0021】上記によりチミジンの取り込み率がスフィ
ンゴシン誘導体の添加により著しく減少すること、すな
わち、ヒト表皮角化細胞のDNA合成が著しく阻害され
ることが明らかとなった。
ンゴシン誘導体の添加により著しく減少すること、すな
わち、ヒト表皮角化細胞のDNA合成が著しく阻害され
ることが明らかとなった。
【0022】実施例1 表皮角化細胞のトランスグルタミナーゼ活性に対するス
フィンゴシン及びスフィンゴシン誘導体の効果 (1)トランスグルタミナーゼ活性の測定 6穴プレート中で増殖状態に培養された角化細胞を使用
した。各ウエルの培地を吸引除去し、脳下垂体抽出液を
添加していないK−GMを2ml加え培地交換を行った。
そののち、スフィンゴシン又はジメチルスフィンゴシン
を添加した。24時間後、各ウエルをPBS(−)で3
回洗浄したのちラバーポリスマンにより細胞を剥離回収
した。得られた細胞懸濁液を2,500rpm 、10分間
遠心分離し沈渣を回収した。沈渣に緩衡液(a)〔10
mM Tris−HCl 緩衡液、10mM DTT、
0.5mM EDTA;pH7.4〕200μlを加え、
1分間、2回超音波によりソニケーションした。得られ
た懸濁液を25,000rpm 、30分間超遠心分離し、
上澄を得た。この上澄を一定量ずつ分配したのち、それ
ぞれに反応液〔300mM Tris−HCl緩衡液、
pH8.1、60mMCaCl2 100μl、30mM
DTT 100μl、ジメチルカゼイン540μgを
含む蒸留水100μl、12mMプトレシン50μl、
2.5μCi〔14C〕プトレシン50μl、蒸留水10
0μlを混合した溶液〕を加え、37℃で1時間インキ
ュベーションした。つぎに10%トリクロロ酢酸600
μlを加え、30分間静置したのち、0.45μmニト
ロセルロースメンブランを用いて沈渣を回収した。この
メンブランを5%濃度の氷冷トリクロロ酢酸15ml(1
%プトレシン含有)で洗浄後、メンブラン上の放射活性
を液体シンチレーションカウンターにより算定した。
フィンゴシン及びスフィンゴシン誘導体の効果 (1)トランスグルタミナーゼ活性の測定 6穴プレート中で増殖状態に培養された角化細胞を使用
した。各ウエルの培地を吸引除去し、脳下垂体抽出液を
添加していないK−GMを2ml加え培地交換を行った。
そののち、スフィンゴシン又はジメチルスフィンゴシン
を添加した。24時間後、各ウエルをPBS(−)で3
回洗浄したのちラバーポリスマンにより細胞を剥離回収
した。得られた細胞懸濁液を2,500rpm 、10分間
遠心分離し沈渣を回収した。沈渣に緩衡液(a)〔10
mM Tris−HCl 緩衡液、10mM DTT、
0.5mM EDTA;pH7.4〕200μlを加え、
1分間、2回超音波によりソニケーションした。得られ
た懸濁液を25,000rpm 、30分間超遠心分離し、
上澄を得た。この上澄を一定量ずつ分配したのち、それ
ぞれに反応液〔300mM Tris−HCl緩衡液、
pH8.1、60mMCaCl2 100μl、30mM
DTT 100μl、ジメチルカゼイン540μgを
含む蒸留水100μl、12mMプトレシン50μl、
2.5μCi〔14C〕プトレシン50μl、蒸留水10
0μlを混合した溶液〕を加え、37℃で1時間インキ
ュベーションした。つぎに10%トリクロロ酢酸600
μlを加え、30分間静置したのち、0.45μmニト
ロセルロースメンブランを用いて沈渣を回収した。この
メンブランを5%濃度の氷冷トリクロロ酢酸15ml(1
%プトレシン含有)で洗浄後、メンブラン上の放射活性
を液体シンチレーションカウンターにより算定した。
【0023】(2)結果 図2に、それぞれ10μMのスフィンゴシン、及びジメ
チルスフィンゴシンを添加したときのトランスグルタミ
ナーゼ活性(コントロール%)を示す。スフィンゴシン
又はジメチルスフィンゴシンの添加により表皮角化細胞
のトランスグルタミナーゼ活性がコントロールに対し
1.8〜2.2倍に増加した。したがって、スフィンゴ
シン及びジメチルスフィンゴシンは角化細胞の分化誘導
活性を有し、表皮の不全角化を抑制することが明らかと
なった。
チルスフィンゴシンを添加したときのトランスグルタミ
ナーゼ活性(コントロール%)を示す。スフィンゴシン
又はジメチルスフィンゴシンの添加により表皮角化細胞
のトランスグルタミナーゼ活性がコントロールに対し
1.8〜2.2倍に増加した。したがって、スフィンゴ
シン及びジメチルスフィンゴシンは角化細胞の分化誘導
活性を有し、表皮の不全角化を抑制することが明らかと
なった。
【0024】実施例2 表皮肥厚に対するスフィンゴシンの抑制効果 (1)方法 4〜6週齢白色系モルモット25頭の耳介部を剃毛した
のち、紫外線(UVB:2〜3MED)を照射した。照
射直後、0.05%スフィンゴシンを含有するスクワラ
ン溶液を1日1回50μlずつ1週間塗布した。1週間
後、モルモットの耳介部を切除し、皮膚組織の切片を作
製した。各組織サンプルを顕微鏡下で写真撮影し、表皮
の厚みを計測することにより紫外線による肥厚に対する
各評価サンプルの抑制効果を検討した。 (2)結果 図3に、紫外線照射(コントロール)、及び紫外線照射
+スフィンゴシン添加により得られる表皮厚を示した。
スフィンゴシンは表皮の肥厚を抑制することが明らかと
なった。
のち、紫外線(UVB:2〜3MED)を照射した。照
射直後、0.05%スフィンゴシンを含有するスクワラ
ン溶液を1日1回50μlずつ1週間塗布した。1週間
後、モルモットの耳介部を切除し、皮膚組織の切片を作
製した。各組織サンプルを顕微鏡下で写真撮影し、表皮
の厚みを計測することにより紫外線による肥厚に対する
各評価サンプルの抑制効果を検討した。 (2)結果 図3に、紫外線照射(コントロール)、及び紫外線照射
+スフィンゴシン添加により得られる表皮厚を示した。
スフィンゴシンは表皮の肥厚を抑制することが明らかと
なった。
【0025】実施例3 W/Oクリームの製造
【0026】
【表1】 (重量%) (1) スフィンゴシン 0.1 (2) コレステロール 0.5 (3) コレステリルイソステアレート 1.0 (4) ポリエーテル変性シリコーン 1.5 (5) 環状シリコーン 20.0 (6) メチルフェニルポリシロキサン 2.0 (7) メチルポリシロキサン 2.0 (8) 硫酸マグネシウム 0.5 (9) 55%エタノール 5.0 (10)カルボキシメチルキチン (一丸ファルコス社製,キチンリキッドHV) 0.5 (11)精製水 バランス
【0027】(1)〜(7)を80℃に加温して溶解
し、これに(8)〜(11)を加えて均一に混合し、W
/Oクリームを調製した。
し、これに(8)〜(11)を加えて均一に混合し、W
/Oクリームを調製した。
【0028】実施例4 軟膏の製造
【0029】
【表2】 (重量%) (1)スフィンゴシン 0.5 (2)白色ワセリン バランス (3)コレステリルイソステアレート 3.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)グリセリルエーテル 1.0 (6)グリセリン 10.0
【0030】(1)〜(6)を80℃に加温して溶解し
た後冷却し、軟膏を調製した。
た後冷却し、軟膏を調製した。
【0031】実施例3及び4で得られたW/Oクリー
ム、軟膏は、それぞれ不全角化、表皮肥厚、脂質代謝異
常等の表皮のターンオーバー亢進に対して抑制作用を有
し、皮膚正常機能の回復、及び恒常性維持に資するもの
であった。
ム、軟膏は、それぞれ不全角化、表皮肥厚、脂質代謝異
常等の表皮のターンオーバー亢進に対して抑制作用を有
し、皮膚正常機能の回復、及び恒常性維持に資するもの
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1におけるスフィンゴシン誘導体添加に
よるチミジン取り込み率変化を示す図である。
よるチミジン取り込み率変化を示す図である。
【図2】実施例1におけるスフィンゴシン又はスフィン
ゴシン誘導体添加によるトランスグルタミナーゼ活性変
化を示す図である。
ゴシン誘導体添加によるトランスグルタミナーゼ活性変
化を示す図である。
【図3】実施例2における紫外線照射及びスフィンゴシ
ン添加による表皮厚変化を示す図である。
ン添加による表皮厚変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/133 A61K 31/13 603 (72)発明者 藤村 努 栃木県芳賀郡市貝町市塙4594 (72)発明者 大橋 幸浩 栃木県宇都宮市越戸町30−19 (72)発明者 川俣 章 栃木県宇都宮市花房3丁目1−17−707
Claims (3)
- 【請求項1】 スフィンゴシンを含有することを特徴と
する表皮のターンオーバー亢進抑制剤。 - 【請求項2】 表皮のターンオーバー亢進が、表皮肥
厚、表皮不全角化又は表皮脂質代謝異常である請求項1
記載の表皮のターンオーバー亢進抑制剤。 - 【請求項3】 スフィンゴシンを含有することを特徴と
する表皮角化正常化剤。
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Family Applications (1)
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JP2010095499A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Unitika Ltd | コラーゲン産生促進剤 |
WO2023043876A1 (en) * | 2021-09-15 | 2023-03-23 | Ocusoft, Inc. | Ointments for treating dry skin |
-
1999
- 1999-04-28 JP JP12166299A patent/JP3342672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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FR2820037A1 (fr) * | 2001-01-29 | 2002-08-02 | Dermaconcept Jmc | Composition dermatologique a usage veterinaire comprenant une base sphingoide |
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WO2023043876A1 (en) * | 2021-09-15 | 2023-03-23 | Ocusoft, Inc. | Ointments for treating dry skin |
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Also Published As
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