JP2000018292A - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキInfo
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- JP2000018292A JP2000018292A JP10199575A JP19957598A JP2000018292A JP 2000018292 A JP2000018292 A JP 2000018292A JP 10199575 A JP10199575 A JP 10199575A JP 19957598 A JP19957598 A JP 19957598A JP 2000018292 A JP2000018292 A JP 2000018292A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 制動時のキャリアの不要な変形を抑制できる
簡易な構成のディスクブレーキを提供する。 【解決手段】 ディスクパッド3の微小面積dAのモー
メントの総和を求め、ディスクパッド3全体としてトル
ク受部14に作用する回転モーメントを算出する。この
回転モーメントが0となるトルク受部高さHを求め、ト
ルク受部14をその高さHに定める。トルク受部14回
りの回転モーメントが0となるようにしたことにより、
キャリア4へのディスクパッド3からのディスクロータ
の半径方向(矢印D方向)の力の入力が0となるので、
キャリア4の延設部11、ひいてはピン12に対する穴
13の傾きを発生させず、ピン12が穴13に同心状態
で維持されキャリパ6のスムーズな移動が確保される。
このため、従来技術が惹起したブレーキの引きずりを招
かず、ひいてはディスクロータ2の偏摩耗及びジャダの
発生を防止できる。
簡易な構成のディスクブレーキを提供する。 【解決手段】 ディスクパッド3の微小面積dAのモー
メントの総和を求め、ディスクパッド3全体としてトル
ク受部14に作用する回転モーメントを算出する。この
回転モーメントが0となるトルク受部高さHを求め、ト
ルク受部14をその高さHに定める。トルク受部14回
りの回転モーメントが0となるようにしたことにより、
キャリア4へのディスクパッド3からのディスクロータ
の半径方向(矢印D方向)の力の入力が0となるので、
キャリア4の延設部11、ひいてはピン12に対する穴
13の傾きを発生させず、ピン12が穴13に同心状態
で維持されキャリパ6のスムーズな移動が確保される。
このため、従来技術が惹起したブレーキの引きずりを招
かず、ひいてはディスクロータ2の偏摩耗及びジャダの
発生を防止できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
ディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキの一例として図
4ないし図6に示すものがある。図において、ディスク
ブレーキ1は、ディスクロータ2の車両内側、外側に配
置されるインナパッド3a、アウタパッド3b(一対の
ディスクパッド)と、ディスクロータ2に対し車両内側
に配置される車両の非回転部分(図示省略)に保持され
たキャリア4と、該キャリア4にスライド機構5を介し
てディスクロータ2の軸方向に移動可能に支持されたキ
ャリパ6と、キャリパ6に設けられてインナパッド3a
をディスクロータ2に押圧し、その反力で該キャリパ6
に形成した爪部7に前記アウタパッド3bを前記ディス
クロータ2に押圧させるシリンダ機構8(押圧手段)
と、から大略構成されている。
4ないし図6に示すものがある。図において、ディスク
ブレーキ1は、ディスクロータ2の車両内側、外側に配
置されるインナパッド3a、アウタパッド3b(一対の
ディスクパッド)と、ディスクロータ2に対し車両内側
に配置される車両の非回転部分(図示省略)に保持され
たキャリア4と、該キャリア4にスライド機構5を介し
てディスクロータ2の軸方向に移動可能に支持されたキ
ャリパ6と、キャリパ6に設けられてインナパッド3a
をディスクロータ2に押圧し、その反力で該キャリパ6
に形成した爪部7に前記アウタパッド3bを前記ディス
クロータ2に押圧させるシリンダ機構8(押圧手段)
と、から大略構成されている。
【0003】キャリア4は、前記車両の非回転部分に保
持されるキャリア本体9と、キャリア本体9から相対向
して立上る一対の立上り部10と、一対の立上り部10
の先端側にディスクロータ2を跨ぐように形成された延
設部11と、一対の延設部11の先端側を連接する図示
しない補強部とを備えている。一対の延設部11には、
後述するキャリパ6のピン12が挿入される穴13が形
成されている。
持されるキャリア本体9と、キャリア本体9から相対向
して立上る一対の立上り部10と、一対の立上り部10
の先端側にディスクロータ2を跨ぐように形成された延
設部11と、一対の延設部11の先端側を連接する図示
しない補強部とを備えている。一対の延設部11には、
後述するキャリパ6のピン12が挿入される穴13が形
成されている。
【0004】一対の立上り部10及び補強部における延
設部11との連接部分には、ディスクロータ2の軸方向
に凹状に延びるトルク受部14が形成されている。一対
の立上り部10のトルク受部14にはインナパッド3a
が吊下支持され、補強部の一対のトルク受部14にはア
ウタパッド3bが吊下支持されており、それぞれディス
クロータ2の軸方向に移動可能とされている。また、ト
ルク受部14は、インナパッド3a及びアウタパッド3
bからのトルクを受けてこれを支持するようになってい
る。インナパッド3a及びアウタパッド3bは、裏板1
5と、この裏板15に貼着された摩擦材16とからなっ
ている。裏板15の両側部には略矩形の耳部17が突出
形成されており、この耳部17が前記トルク受部14に
嵌合するようになっている。以下、インナパッド3a及
びアウタパッド3bを適宜、ディスクパッド3という。
設部11との連接部分には、ディスクロータ2の軸方向
に凹状に延びるトルク受部14が形成されている。一対
の立上り部10のトルク受部14にはインナパッド3a
が吊下支持され、補強部の一対のトルク受部14にはア
ウタパッド3bが吊下支持されており、それぞれディス
クロータ2の軸方向に移動可能とされている。また、ト
ルク受部14は、インナパッド3a及びアウタパッド3
bからのトルクを受けてこれを支持するようになってい
る。インナパッド3a及びアウタパッド3bは、裏板1
5と、この裏板15に貼着された摩擦材16とからなっ
ている。裏板15の両側部には略矩形の耳部17が突出
形成されており、この耳部17が前記トルク受部14に
嵌合するようになっている。以下、インナパッド3a及
びアウタパッド3bを適宜、ディスクパッド3という。
【0005】キャリパ6は、ディスクロータ2に対し車
両内側に配置される、シリンダ機構8を有するキャリパ
本体18と、キャリパ本体18からディスクロータ2を
跨ぐように延設され先端側が屈曲してアウタパッド3b
に対面するように形成された爪部7と、キャリパ本体1
8の側部に形成された一対の腕部19と、この腕部19
にボルト20により固定され前記延設部11(穴13)
と共にスライド機構5を構成するピン12と、を備えて
いる。キャリパ6は、ピン12がキャリア4の穴13に
摺動案内されて、ディスクロータ2の軸方向に移動可能
とされている。そして、前記シリンダ機構8のピストン
(図示省略)がインナパッド3aをディスクロータ2に
押圧すると、その反力でキャリパ6がピストンの押圧方
向と反対方向に移動し、爪部7がアウタパッド3bをデ
ィスクロータ2に押しつけ、インナパッド3a及びアウ
タパッド3bがディスクロータ2を挟み付けて所望の制
動力を発生する。
両内側に配置される、シリンダ機構8を有するキャリパ
本体18と、キャリパ本体18からディスクロータ2を
跨ぐように延設され先端側が屈曲してアウタパッド3b
に対面するように形成された爪部7と、キャリパ本体1
8の側部に形成された一対の腕部19と、この腕部19
にボルト20により固定され前記延設部11(穴13)
と共にスライド機構5を構成するピン12と、を備えて
いる。キャリパ6は、ピン12がキャリア4の穴13に
摺動案内されて、ディスクロータ2の軸方向に移動可能
とされている。そして、前記シリンダ機構8のピストン
(図示省略)がインナパッド3aをディスクロータ2に
押圧すると、その反力でキャリパ6がピストンの押圧方
向と反対方向に移動し、爪部7がアウタパッド3bをデ
ィスクロータ2に押しつけ、インナパッド3a及びアウ
タパッド3bがディスクロータ2を挟み付けて所望の制
動力を発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したデ
ィスクブレーキ1では、制動時、ディスクパッド3から
のトルクをトルク受部14を介してキャリア4が受ける
が、このトルクによりキャリア4が変形すると、図6に
示すように、キャリア4(延設部11)の穴13がディ
スクロータ2の半径方向(図5矢印D方向。図6上下方
向。図4紙面表裏方向)に傾き、ピン12が穴13の中
でこじれ良好に摺動しないことが起こり得た。なお、デ
ィスクロータ2の半径方向(図5矢印D方向)に対し、
ディスクロータ2の周方向を図5に矢印Bで示す。
ィスクブレーキ1では、制動時、ディスクパッド3から
のトルクをトルク受部14を介してキャリア4が受ける
が、このトルクによりキャリア4が変形すると、図6に
示すように、キャリア4(延設部11)の穴13がディ
スクロータ2の半径方向(図5矢印D方向。図6上下方
向。図4紙面表裏方向)に傾き、ピン12が穴13の中
でこじれ良好に摺動しないことが起こり得た。なお、デ
ィスクロータ2の半径方向(図5矢印D方向)に対し、
ディスクロータ2の周方向を図5に矢印Bで示す。
【0007】そして、このようにピン12が良好に摺動
しないと、キャリパ6の戻りが悪くなり、ブレーキの引
きずりを生じ、引きずりを生じることにより、ディスク
ロータ2が偏摩耗し(ディスクロータ2の表面に凹凸部
を生じ)、この偏摩耗が悪化すると、制動時に制動トル
クの変動によるジャダ(ブレーキペダルやボデーなどの
振動現象)を発生する虞があった。
しないと、キャリパ6の戻りが悪くなり、ブレーキの引
きずりを生じ、引きずりを生じることにより、ディスク
ロータ2が偏摩耗し(ディスクロータ2の表面に凹凸部
を生じ)、この偏摩耗が悪化すると、制動時に制動トル
クの変動によるジャダ(ブレーキペダルやボデーなどの
振動現象)を発生する虞があった。
【0008】上述した問題を改善するために、キャリア
4の各部を補強し剛性を高くしてキャリア4の変形を少
なくすることが考えられる。しかしながら、上述した対
策では、キャリア4の補強を伴い全体の質量が増加する
上、周囲部材(ナックル等の車両の非回転部分やホイー
ル等)との干渉のためスペース上の制約を受けてしま
い、上述した問題を十分改善し得るように適切には補強
等行えないというのが実情であった。
4の各部を補強し剛性を高くしてキャリア4の変形を少
なくすることが考えられる。しかしながら、上述した対
策では、キャリア4の補強を伴い全体の質量が増加する
上、周囲部材(ナックル等の車両の非回転部分やホイー
ル等)との干渉のためスペース上の制約を受けてしま
い、上述した問題を十分改善し得るように適切には補強
等行えないというのが実情であった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、制動時のキャリアの不要な変形を抑制できる簡易な
構成のディスクブレーキを提供することを目的とする。
で、制動時のキャリアの不要な変形を抑制できる簡易な
構成のディスクブレーキを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディスクロー
タの車両内側、外側に配置されるインナパッド、アウタ
パッドからなる一対のディスクパッドと、該一対のディ
スクパッドを前記ディスクロータの軸方向に移動可能に
支持し、かつ該一対のディスクパッドからのトルクを受
け得るトルク受部を有する、車両の非回転部分に保持さ
れたキャリアと、該キャリアにスライド機構を介して前
記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持されたキャ
リパと、を備え、該キャリパに設けられた押圧手段が前
記インナパッドをディスクロータに押圧し、その反力で
前記スライド機構を介して該キャリパが前記キャリアに
対して移動することにより前記アウタパッドを前記ディ
スクロータに押圧して制動力を発生するディスクブレー
キにおいて、前記キャリアは、前記ディスクパッドから
のトルクにより生じる前記トルク受部回りの回転モーメ
ントが0となるように前記ディスクロータの軸中心に対
する前記トルク受部の高さを定めたことを特徴とする。
タの車両内側、外側に配置されるインナパッド、アウタ
パッドからなる一対のディスクパッドと、該一対のディ
スクパッドを前記ディスクロータの軸方向に移動可能に
支持し、かつ該一対のディスクパッドからのトルクを受
け得るトルク受部を有する、車両の非回転部分に保持さ
れたキャリアと、該キャリアにスライド機構を介して前
記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持されたキャ
リパと、を備え、該キャリパに設けられた押圧手段が前
記インナパッドをディスクロータに押圧し、その反力で
前記スライド機構を介して該キャリパが前記キャリアに
対して移動することにより前記アウタパッドを前記ディ
スクロータに押圧して制動力を発生するディスクブレー
キにおいて、前記キャリアは、前記ディスクパッドから
のトルクにより生じる前記トルク受部回りの回転モーメ
ントが0となるように前記ディスクロータの軸中心に対
する前記トルク受部の高さを定めたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態のデ
ィスクブレーキ1を図1に基づき、図4ないし図6を参
照して説明する。
ィスクブレーキ1を図1に基づき、図4ないし図6を参
照して説明する。
【0012】この実施の形態は、上述した図4ないし図
6に示す従来技術に比して、ディスクロータ2の軸中心
Cに対するトルク受部14の高さHを後述するようにし
て寸法Hに定めたことが異なっている。他の部材、部分
は、図4ないし図6に示す部材、部分と同等であり、図
4に対応した図、及び図6に対応した図は省略する。な
お、図6は、従来技術において、制動時、ディスクパッ
ド3からのトルクをトルク受部14を介してキャリア4
が受けることにより、キャリア4(延設部11)の穴1
3がディスクロータ2の半径方向(図5矢印D方向。図
6上下方向)に傾くことを示しているが、本実施の形態
では、後述するようにトルク受部14の高さ(以下、ト
ルク受部高さという。)Hを設定することにより、この
ようなキャリア4(図4ないし図6)ひいては延設部1
1の穴13の傾きを発生させず、キャリア4(延設部1
1)の穴13にピン12が同心で配置されるようにして
いる。本実施の形態では、穴13を有する延設部11及
びキャリパ6のピン12等からスライド機構5を構成し
ている。
6に示す従来技術に比して、ディスクロータ2の軸中心
Cに対するトルク受部14の高さHを後述するようにし
て寸法Hに定めたことが異なっている。他の部材、部分
は、図4ないし図6に示す部材、部分と同等であり、図
4に対応した図、及び図6に対応した図は省略する。な
お、図6は、従来技術において、制動時、ディスクパッ
ド3からのトルクをトルク受部14を介してキャリア4
が受けることにより、キャリア4(延設部11)の穴1
3がディスクロータ2の半径方向(図5矢印D方向。図
6上下方向)に傾くことを示しているが、本実施の形態
では、後述するようにトルク受部14の高さ(以下、ト
ルク受部高さという。)Hを設定することにより、この
ようなキャリア4(図4ないし図6)ひいては延設部1
1の穴13の傾きを発生させず、キャリア4(延設部1
1)の穴13にピン12が同心で配置されるようにして
いる。本実施の形態では、穴13を有する延設部11及
びキャリパ6のピン12等からスライド機構5を構成し
ている。
【0013】この実施の形態では、次のようにして、ト
ルク受部高さHを設定している。すなわち、図1におい
て、ディスクロータ2(図4参照)の軸中心Cを含む垂
直線Sに対する角度θ、軸中心C及びトルク受部14を
結ぶ線分Tと垂直線Sとがなす角度θ1 、軸中心Cから
トルク受部14までの水平方向の距離L、及びトルク受
部高さH等を変数とした関数を用いて、ディスクパッド
3の微小部分(微小面積dA)を対象にして制動時に発
生するトルク受部14回りのモーメント(トルク受部回
りの回転モーメント)を求める。この微小面積dAのモ
ーメントの総和を求め、ディスクパッド3全体としてト
ルク受部14に作用する回転モーメント(ディスクパッ
ド3全体の回転モーメント)を算出している。そして、
ディスクパッド3全体の回転モーメントが0となるトル
ク受部高さHを求め、トルク受部14をこのトルク受部
高さHに対応する部分に設けている。
ルク受部高さHを設定している。すなわち、図1におい
て、ディスクロータ2(図4参照)の軸中心Cを含む垂
直線Sに対する角度θ、軸中心C及びトルク受部14を
結ぶ線分Tと垂直線Sとがなす角度θ1 、軸中心Cから
トルク受部14までの水平方向の距離L、及びトルク受
部高さH等を変数とした関数を用いて、ディスクパッド
3の微小部分(微小面積dA)を対象にして制動時に発
生するトルク受部14回りのモーメント(トルク受部回
りの回転モーメント)を求める。この微小面積dAのモ
ーメントの総和を求め、ディスクパッド3全体としてト
ルク受部14に作用する回転モーメント(ディスクパッ
ド3全体の回転モーメント)を算出している。そして、
ディスクパッド3全体の回転モーメントが0となるトル
ク受部高さHを求め、トルク受部14をこのトルク受部
高さHに対応する部分に設けている。
【0014】ところで、ディスクパッド3がキャリア4
(トルク受部14)に与える力のうちディスクロータ2
の周方向成分があれば制動力は確保される。一方、キャ
リア4(延設部11)の穴13をディスクロータ2の半
径方向(矢印D方向)に傾かせるような力をなくすこと
により、上記従来技術が惹起するキャリア4の穴13が
同方向(矢印D方向)に傾くことが抑制される。そし
て、本実施の形態では、上述したようにトルク受部14
を上述したように求めたトルク受部高さHの部分に設け
ており、ディスクパッド3全体の回転モーメントが0と
なり、ひいてはキャリア4(延設部11)の穴13をデ
ィスクロータ2の半径方向(矢印D方向)に傾かせるこ
とがなくなる。
(トルク受部14)に与える力のうちディスクロータ2
の周方向成分があれば制動力は確保される。一方、キャ
リア4(延設部11)の穴13をディスクロータ2の半
径方向(矢印D方向)に傾かせるような力をなくすこと
により、上記従来技術が惹起するキャリア4の穴13が
同方向(矢印D方向)に傾くことが抑制される。そし
て、本実施の形態では、上述したようにトルク受部14
を上述したように求めたトルク受部高さHの部分に設け
ており、ディスクパッド3全体の回転モーメントが0と
なり、ひいてはキャリア4(延設部11)の穴13をデ
ィスクロータ2の半径方向(矢印D方向)に傾かせるこ
とがなくなる。
【0015】このため、制動時、延設部11の穴13の
傾きを発生させず、延設部11の穴13にピン12が同
心で配置されることになる。このように延設部11の穴
13にピン12が同心で配置されることにより、ピン1
2が延設部11の穴13内を良好に摺動し、キャリパ本
体18の戻りを良好に行え、従来技術が惹起したブレー
キの引きずりを招くことがなく、ひいてはディスクロー
タ2の偏摩耗及びジャダの発生を防止できる。
傾きを発生させず、延設部11の穴13にピン12が同
心で配置されることになる。このように延設部11の穴
13にピン12が同心で配置されることにより、ピン1
2が延設部11の穴13内を良好に摺動し、キャリパ本
体18の戻りを良好に行え、従来技術が惹起したブレー
キの引きずりを招くことがなく、ひいてはディスクロー
タ2の偏摩耗及びジャダの発生を防止できる。
【0016】延設部11の穴13の傾き防止をトルク受
部高さHの設定により図るので、構造を複雑化すること
がないし、補強部材等の部品の追加を招くことがないの
でスペース上大きな制約を受けることがない。
部高さHの設定により図るので、構造を複雑化すること
がないし、補強部材等の部品の追加を招くことがないの
でスペース上大きな制約を受けることがない。
【0017】また、ピン12が延設部11の穴13内を
スムーズに摺動することによりピストンがインナパッド
3aを押す力の反力でアウタパッド3bを押す力の一部
が、ピン12からキャリア4に伝達されてしまうような
ことがなくなってロス分を必要最小限に抑えることが可
能になって良好な制動効率を維持することができる。さ
らに、キャリパ6とキャリア4との間で、ピン12を介
してディスクロータ2の軸方向の力が伝達されるような
ことがないので、自励振動を招かずこの自励振動による
鳴きを発生することがない。
スムーズに摺動することによりピストンがインナパッド
3aを押す力の反力でアウタパッド3bを押す力の一部
が、ピン12からキャリア4に伝達されてしまうような
ことがなくなってロス分を必要最小限に抑えることが可
能になって良好な制動効率を維持することができる。さ
らに、キャリパ6とキャリア4との間で、ピン12を介
してディスクロータ2の軸方向の力が伝達されるような
ことがないので、自励振動を招かずこの自励振動による
鳴きを発生することがない。
【0018】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図2及び図3に基
づき、図1、図4ないし図6を参照して説明する。この
実施例は、ディスクパッド3として簡易なモデルを対象
にしており、上述した図4ないし図6に示す従来技術に
比して、ディスクパッド3が、図2に示すように、θ1
×2の角度の円弧形状をなす簡易な形状であること、デ
ィスクロータ2の軸中心Cに対するトルク受部高さHを
後述するようにして寸法Hに定めたことが異なってい
る。他の部材、部分は、図4ないし図6に示す部材、部
分と同等であり、図4ないし図6に対応した図は省略
し、図4ないし図6を参照して説明する。なお、図6
は、上述したように従来技術において、制動時、ディス
クパッド3からのトルクをトルク受部14を介してキャ
リア4が受けることにより、延設部11の穴13がディ
スクロータ2の半径方向(図5矢印D方向)に傾くこと
を示しているが、本実施例では、後述するようにトルク
受部高さHを設定することにより、このようなキャリア
4(図4ないし図6)ひいては延設部11の穴13の傾
きを発生させず、延設部11の穴13にピン12が同心
で配置されるようにしている。本実施例では、延設部1
1及びキャリパ6のピン12等からスライド機構5を構
成している。図2中、ri ,ro は、軸中心Cからディ
スクパッド3の内周側部分までの寸法、外周側部分まで
の寸法をそれぞれ示す。
づき、図1、図4ないし図6を参照して説明する。この
実施例は、ディスクパッド3として簡易なモデルを対象
にしており、上述した図4ないし図6に示す従来技術に
比して、ディスクパッド3が、図2に示すように、θ1
×2の角度の円弧形状をなす簡易な形状であること、デ
ィスクロータ2の軸中心Cに対するトルク受部高さHを
後述するようにして寸法Hに定めたことが異なってい
る。他の部材、部分は、図4ないし図6に示す部材、部
分と同等であり、図4ないし図6に対応した図は省略
し、図4ないし図6を参照して説明する。なお、図6
は、上述したように従来技術において、制動時、ディス
クパッド3からのトルクをトルク受部14を介してキャ
リア4が受けることにより、延設部11の穴13がディ
スクロータ2の半径方向(図5矢印D方向)に傾くこと
を示しているが、本実施例では、後述するようにトルク
受部高さHを設定することにより、このようなキャリア
4(図4ないし図6)ひいては延設部11の穴13の傾
きを発生させず、延設部11の穴13にピン12が同心
で配置されるようにしている。本実施例では、延設部1
1及びキャリパ6のピン12等からスライド機構5を構
成している。図2中、ri ,ro は、軸中心Cからディ
スクパッド3の内周側部分までの寸法、外周側部分まで
の寸法をそれぞれ示す。
【0019】この実施例では、次のようにして、ディス
クパッド3の微小部分(微小面積dA)を対象にした制
動時に発生するトルク受部14回りのモーメント(微小
面積dAでのモーメント)dM及びディスクパッド3全
体の回転モーメント(トルク受部14回りのモーメン
ト)Mを求め、さらに、このトルク受部14回りのモー
メントMが0となるようにディスクパッド3の厚さtを
変数としたトルク受部高さ関数H(t)を求め、関数H
(t)からトルク受部高さHを算出しこの算出したトル
ク受部高さHに基づいてトルク受部14の位置を定めて
いる。
クパッド3の微小部分(微小面積dA)を対象にした制
動時に発生するトルク受部14回りのモーメント(微小
面積dAでのモーメント)dM及びディスクパッド3全
体の回転モーメント(トルク受部14回りのモーメン
ト)Mを求め、さらに、このトルク受部14回りのモー
メントMが0となるようにディスクパッド3の厚さtを
変数としたトルク受部高さ関数H(t)を求め、関数H
(t)からトルク受部高さHを算出しこの算出したトル
ク受部高さHに基づいてトルク受部14の位置を定めて
いる。
【0020】まず、ディスクパッド3の摩擦面内におい
て、径方向がディスク中心軸Cから距離rの位置、周方
向がディスク中心軸Cを中心としたディスクパッド3の
中心線からの傾きθの位置にある微小面積dAにおける
摩擦力dF、微小面積dAの大きさ、微小面積dAでの
モーメント)dMは、それぞれ、次式(1)、(2)、
(3)で示される。ここで、ディスクパッド3の面積を
AP 、r,θ位置でのプレーキパッドとディスクロータ
2の接触面圧をP(r, θ) とすると、ディスクパッド3
の押付力Fは、接触面圧Pの関数で表される。なお、デ
ィスクパッド3全体の平均面圧PAは次式(イ)で表せ
る。
て、径方向がディスク中心軸Cから距離rの位置、周方
向がディスク中心軸Cを中心としたディスクパッド3の
中心線からの傾きθの位置にある微小面積dAにおける
摩擦力dF、微小面積dAの大きさ、微小面積dAでの
モーメント)dMは、それぞれ、次式(1)、(2)、
(3)で示される。ここで、ディスクパッド3の面積を
AP 、r,θ位置でのプレーキパッドとディスクロータ
2の接触面圧をP(r, θ) とすると、ディスクパッド3
の押付力Fは、接触面圧Pの関数で表される。なお、デ
ィスクパッド3全体の平均面圧PAは次式(イ)で表せ
る。
【0021】
【数1】
【0022】 dF=μP(r, θ) ・dA … … … (1) (μ:ディスクパッド3の摩擦係数) dA=r・dθ・dr … … … (2) dM=(dF cosθ)(H−r cosθ)+(dF sinθ)(L−r sinθ) =dF・(H cosθ+L sinθ−r) … … … (3)
【0023】一方、プレーキパッドとディスクロータ2
の接触面圧P(r, θ) は、周方向の摩擦力Fにより、デ
ィスクパッド3の裏板15の中心を通るディスクロータ
2の直径(垂直線S)回りのモーメントMr を生じ、図
3に示すように接触面圧分布P(r, θ) が周方向に傾斜
した特性を示す。
の接触面圧P(r, θ) は、周方向の摩擦力Fにより、デ
ィスクパッド3の裏板15の中心を通るディスクロータ
2の直径(垂直線S)回りのモーメントMr を生じ、図
3に示すように接触面圧分布P(r, θ) が周方向に傾斜
した特性を示す。
【0024】そして、モーメントMr のr位置での微小
幅drでのモーメントdMr(r)は、ディスクパッド3の
厚さをt(ここではtをモーメントMr の中心から摺動
面までの距離としており、厳密にはtはパッド厚さから
裏板厚さの半分を引いた寸法である。)とすると、図3
上側部分に示す内容から次式(4)により表すことがで
きる。なお、前記ディスクパッド3のr位置でのdr幅
の面積dAP(r)はdAP(r)=r・2θ1 ・drで表すこ
とができる。 dMr(r)=dFr(r)・t (但し、Fr(r):r位置でのdrの幅の摩擦力) =μPA ・dAP(r)・t =μPA ・r・2θ1 ・dr・t … … … (4)
幅drでのモーメントdMr(r)は、ディスクパッド3の
厚さをt(ここではtをモーメントMr の中心から摺動
面までの距離としており、厳密にはtはパッド厚さから
裏板厚さの半分を引いた寸法である。)とすると、図3
上側部分に示す内容から次式(4)により表すことがで
きる。なお、前記ディスクパッド3のr位置でのdr幅
の面積dAP(r)はdAP(r)=r・2θ1 ・drで表すこ
とができる。 dMr(r)=dFr(r)・t (但し、Fr(r):r位置でのdrの幅の摩擦力) =μPA ・dAP(r)・t =μPA ・r・2θ1 ・dr・t … … … (4)
【0025】一方、図3下側部分に示される内容から、
接触面圧分布P(r, θ) は、次式(5)で表せる。 P(r, θ) =PA −(θ/θ1 )ΔP … … … (5) (ΔP(r) :r位置での角度θ1 の部分における平均面
圧PA との差分圧)
接触面圧分布P(r, θ) は、次式(5)で表せる。 P(r, θ) =PA −(θ/θ1 )ΔP … … … (5) (ΔP(r) :r位置での角度θ1 の部分における平均面
圧PA との差分圧)
【0026】また、前記式(4)とは別個に、モーメン
トdMr(r)は、各部位における平均面圧PA との差分圧
〔PA −P(r, θ) =(θ/θ1 )ΔP(r) 〕を用いて
次式(6)に示すように得ることができ、変換して式
(7)でモーメントdMr(r)を求められる。
トdMr(r)は、各部位における平均面圧PA との差分圧
〔PA −P(r, θ) =(θ/θ1 )ΔP(r) 〕を用いて
次式(6)に示すように得ることができ、変換して式
(7)でモーメントdMr(r)を求められる。
【0027】
【数2】
【0028】 dMr(r)=(2/3)ΔP(r) ・r2 ・dr・θ1 2 … … (7)
【0029】(4)及び(7)から次式(8)が得られ
る。 ΔP(r) =(3μPA ・t)/(r・θ1 ) … … … (8)
る。 ΔP(r) =(3μPA ・t)/(r・θ1 ) … … … (8)
【0030】式(8)を式(5)に代入して次式(9)
が得られる。 P(r, θ) =PA 〔1−{(3μ・t)/(r・θ1 2 )}θ〕 … (9)
が得られる。 P(r, θ) =PA 〔1−{(3μ・t)/(r・θ1 2 )}θ〕 … (9)
【0031】式(9)を式(1)に代入し、式(2)を
用いて次式(10)が得られる。 dF=μPA ・r・dθ・dr −{(3μ2 PA ・t)/(θ1 2 )}・θ・dθ・dr … … … (10)
用いて次式(10)が得られる。 dF=μPA ・r・dθ・dr −{(3μ2 PA ・t)/(θ1 2 )}・θ・dθ・dr … … … (10)
【0032】式(10)を式(3)に代入して微小面積
dAでのモーメントdMを示す式(11)が得られる。 dM=〔μPA ・r・dθ・dr−{(3μ2 PA ・t)/(θ1 2 )}・θ ・dθ・dr〕・(H cosθ+L sinθ−r) … … (11)
dAでのモーメントdMを示す式(11)が得られる。 dM=〔μPA ・r・dθ・dr−{(3μ2 PA ・t)/(θ1 2 )}・θ ・dθ・dr〕・(H cosθ+L sinθ−r) … … (11)
【0033】次に、微小面積dAでのモーメントdMの
総和であるモーメントMを、次式(12)により求め
る。
総和であるモーメントMを、次式(12)により求め
る。
【0034】
【数3】
【0035】次式(12)を演算すると、モーメントM
は次式(13)に示すようになる。そして、式(13)
で示されるモーメントMを0とすることにより、トルク
受部14回りのモーメントがなくなり(キャンセルされ
た状態になり)、キャリア4に対してディスクパッド3
から上下方向(図1矢印D方向。ディスクロータ2の半
径方向)の力の入力が0となる。すなわち、延設部11
の穴13をディスクロータ2の半径方向(図1矢印D方
向)に傾かせる力をキャンセルすることが可能となり、
キャリア4の延設部11、ひいてはピン12挿入用の穴
13のピン12に対する変形を小さくすることが可能と
なる。 M=(μPA ・H sinθ1 )(r0 2−ri 2) −{6μ2 PA ・t・L( sinθ1 −θ1 cosθ1 )(r0 −ri )} /(θ1 2 )−(2/3)μPA ・θ1 ・(r0 3−ri 3)=0 …(13)
は次式(13)に示すようになる。そして、式(13)
で示されるモーメントMを0とすることにより、トルク
受部14回りのモーメントがなくなり(キャンセルされ
た状態になり)、キャリア4に対してディスクパッド3
から上下方向(図1矢印D方向。ディスクロータ2の半
径方向)の力の入力が0となる。すなわち、延設部11
の穴13をディスクロータ2の半径方向(図1矢印D方
向)に傾かせる力をキャンセルすることが可能となり、
キャリア4の延設部11、ひいてはピン12挿入用の穴
13のピン12に対する変形を小さくすることが可能と
なる。 M=(μPA ・H sinθ1 )(r0 2−ri 2) −{6μ2 PA ・t・L( sinθ1 −θ1 cosθ1 )(r0 −ri )} /(θ1 2 )−(2/3)μPA ・θ1 ・(r0 3−ri 3)=0 …(13)
【0036】式(13)からディスクパッド3の厚さt
を変数としたトルク受部高さ関数H(t)を求めると次
式(14)になる。 H(t)={12μ・t・L( sinθ1 −θ1 cosθ1 ) +2θ1 3(r0 2+r0 ri +ri 2)}/{(3θ1 2 sin θ1 )(r0 +ri ) } … (14)
を変数としたトルク受部高さ関数H(t)を求めると次
式(14)になる。 H(t)={12μ・t・L( sinθ1 −θ1 cosθ1 ) +2θ1 3(r0 2+r0 ri +ri 2)}/{(3θ1 2 sin θ1 )(r0 +ri ) } … (14)
【0037】そして、関数H(t)からトルク受部高さ
Hを算出し、トルク受部14をこの算出したトルク受部
高さHに対応した部分に設けている。ここで、未使用
(新品時)のディスクパッド3の厚さをtmax、摩耗が最
大となった際のディスクパッド3の厚さをtminとする
と、トルク受部高さHは次式(15)の条件を満たす値
になるように設定されている。 H(tmin)≦(トルク受部高さH)≦H(tmax) … … (15)
Hを算出し、トルク受部14をこの算出したトルク受部
高さHに対応した部分に設けている。ここで、未使用
(新品時)のディスクパッド3の厚さをtmax、摩耗が最
大となった際のディスクパッド3の厚さをtminとする
と、トルク受部高さHは次式(15)の条件を満たす値
になるように設定されている。 H(tmin)≦(トルク受部高さH)≦H(tmax) … … (15)
【0038】上述したように構成した本実施例のディス
クブレーキ1では、モーメントdMの総和を求めてモー
メントMを得る〔式(12)及び式(13)〕。そし
て、このモーメントMを0とするトルク受部高さHを求
め、このトルク受部高さHに基づいてトルク受部14の
位置を定めている。
クブレーキ1では、モーメントdMの総和を求めてモー
メントMを得る〔式(12)及び式(13)〕。そし
て、このモーメントMを0とするトルク受部高さHを求
め、このトルク受部高さHに基づいてトルク受部14の
位置を定めている。
【0039】そして、上述したようにトルク受部高さH
としていることにより、モーメントMが0、すなわち、
トルク受部14回りのモーメントがなくなり(キャンセ
ルされた状態になり)、キャリア4に対してディスクパ
ッド3から上下方向(ディスクロータ2の半径方向)の
力の入力が0となる。このため、キャリア4の延設部1
1、ひいては延設部11の穴13の傾きを発生させず、
延設部11の穴13にピン12が同心で配置されること
になる。
としていることにより、モーメントMが0、すなわち、
トルク受部14回りのモーメントがなくなり(キャンセ
ルされた状態になり)、キャリア4に対してディスクパ
ッド3から上下方向(ディスクロータ2の半径方向)の
力の入力が0となる。このため、キャリア4の延設部1
1、ひいては延設部11の穴13の傾きを発生させず、
延設部11の穴13にピン12が同心で配置されること
になる。
【0040】このように延設部11の穴13にピン12
が同心で配置されることにより、ピン12が延設部11
の穴13内を良好に摺動し、キャリパ本体18の戻りを
良好に行え、従来技術が惹起したブレーキの引きずりを
招くことがなく、ひいてはディスクロータ2の偏摩耗及
びジャダの発生を防止できる。
が同心で配置されることにより、ピン12が延設部11
の穴13内を良好に摺動し、キャリパ本体18の戻りを
良好に行え、従来技術が惹起したブレーキの引きずりを
招くことがなく、ひいてはディスクロータ2の偏摩耗及
びジャダの発生を防止できる。
【0041】延設部11の穴13の傾き防止をトルク受
部高さHの設定により図るので、構造を複雑化すること
がないし、補強部材等の部品の追加を招くことがないの
でスペース上大きな制約を受けることがない。
部高さHの設定により図るので、構造を複雑化すること
がないし、補強部材等の部品の追加を招くことがないの
でスペース上大きな制約を受けることがない。
【0042】また、ピン12が延設部11の穴13内を
スムーズに摺動することによりピストンがインナパッド
3aを押す力の反力でアウタパッド3bを押す力の一部
が、ピン12からキャリア4に伝達されてしまうような
ことがなくなってロス分を必要最小限に抑えることが可
能になって良好な制動効率を維持することができる。さ
らに、キャリパ6とキャリア4との間で、ピン12を介
してディスクロータ2の軸方向の力が伝達されるような
ことがないので、自励振動を招かずこの自励振動による
鳴きを発生することがない。
スムーズに摺動することによりピストンがインナパッド
3aを押す力の反力でアウタパッド3bを押す力の一部
が、ピン12からキャリア4に伝達されてしまうような
ことがなくなってロス分を必要最小限に抑えることが可
能になって良好な制動効率を維持することができる。さ
らに、キャリパ6とキャリア4との間で、ピン12を介
してディスクロータ2の軸方向の力が伝達されるような
ことがないので、自励振動を招かずこの自励振動による
鳴きを発生することがない。
【0043】本実施例では、トルク受部高さHを上述し
たように、H(tmin)≦(トルク受部高さH)≦H(tmax)
となるように設定している。このため、ディスクパッ
ド3が摩耗してもトルク受部高さHを良好な範囲に納め
ることが可能になり、通常のブレーキ使用期間にわたっ
て、トルク受部14回りのモーメントの発生を抑制でき
ることになる。
たように、H(tmin)≦(トルク受部高さH)≦H(tmax)
となるように設定している。このため、ディスクパッ
ド3が摩耗してもトルク受部高さHを良好な範囲に納め
ることが可能になり、通常のブレーキ使用期間にわたっ
て、トルク受部14回りのモーメントの発生を抑制でき
ることになる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、ディスクパッドからの力によ
り生じるトルク受部回りの回転モーメントが0となるよ
うにディスクロータの軸中心に対するトルク受部の高さ
を定めており、トルク受部回りの回転モーメントが0と
なるようにしたことにより、キャリアへのディスクパッ
ドからのディスクロータの半径方向の力の入力が0とな
るので、キャリアのスライド機構配置部分をディスクロ
ータの半径方向に傾かせる力をキャンセルすることが可
能となり、キャリアのスライド機構配置部分の傾きを発
生させず、スライド機構の芯ずれを招くことがなくなっ
てスライド機構を介してキャリパのスムーズな移動が確
保される。このため、ブレーキ解除時のキャリパの戻り
を良好に行え、従来技術が惹起したブレーキの引きずり
を招くことがなく、ひいてはディスクロータの偏摩耗及
びジャダの発生を防止できる。
り生じるトルク受部回りの回転モーメントが0となるよ
うにディスクロータの軸中心に対するトルク受部の高さ
を定めており、トルク受部回りの回転モーメントが0と
なるようにしたことにより、キャリアへのディスクパッ
ドからのディスクロータの半径方向の力の入力が0とな
るので、キャリアのスライド機構配置部分をディスクロ
ータの半径方向に傾かせる力をキャンセルすることが可
能となり、キャリアのスライド機構配置部分の傾きを発
生させず、スライド機構の芯ずれを招くことがなくなっ
てスライド機構を介してキャリパのスムーズな移動が確
保される。このため、ブレーキ解除時のキャリパの戻り
を良好に行え、従来技術が惹起したブレーキの引きずり
を招くことがなく、ひいてはディスクロータの偏摩耗及
びジャダの発生を防止できる。
【0045】キャリアのスライド機構配置部の傾き防止
をトルク受部高さの設定により図るので、構造を複雑化
することがないし、補強部材等の部品の追加を招くこと
がないのでスペース上大きな制約を受けることがない。
をトルク受部高さの設定により図るので、構造を複雑化
することがないし、補強部材等の部品の追加を招くこと
がないのでスペース上大きな制約を受けることがない。
【0046】また、キャリパがスムーズに移動すること
によりインナパッドを押す力の反力であるアウタパッド
を押す力の一部が、スライド機構を介してキャリアに伝
達されてしまうようなことを低減できるのでロス分を必
要最小限に抑えることが可能になって良好な制動効率を
維持することができる。さらに、キャリパとキャリアと
の間で、スライド機構を介してディスクロータの軸方向
の力が伝達されるようなことがないので、自励振動を招
かずこの自励振動による鳴きを発生することがない。
によりインナパッドを押す力の反力であるアウタパッド
を押す力の一部が、スライド機構を介してキャリアに伝
達されてしまうようなことを低減できるのでロス分を必
要最小限に抑えることが可能になって良好な制動効率を
維持することができる。さらに、キャリパとキャリアと
の間で、スライド機構を介してディスクロータの軸方向
の力が伝達されるようなことがないので、自励振動を招
かずこの自励振動による鳴きを発生することがない。
【図1】本発明の一実施の形態を模式的に示す断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の一実施例を模式的に示す図である。
【図3】図2のトルク受部高さを算出する方法を説明す
るための模式図である。
るための模式図である。
【図4】従来のディスクブレーキの一例を示す平面図で
ある。
ある。
【図5】図4のディスクブレーキを示すキャリパを省い
た正面図である。
た正面図である。
【図6】従来技術の課題を説明するための図4のY−Y
線に沿う断面図である。
線に沿う断面図である。
1 ディスクブレーキ 2 ディスクロータ 3 ディスクパッド 3a インナパッド 3b アウタパッド 4 キャリア 6 キャリパ 11 延設部 12 ピン 13 穴 14 トルク受部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 AA43 AA48 AA53 AA63 AA69 AA73 AA77 AA83 AA87 BA16 BA53 BA75 CA58 CC03 FA01 FA11 FA21
Claims (1)
- 【請求項1】 ディスクロータの車両内側、外側に配置
されるインナパッド、アウタパッドからなる一対のディ
スクパッドと、 該一対のディスクパッドを前記ディスクロータの軸方向
に移動可能に支持し、かつ該一対のディスクパッドから
のトルクを受け得るトルク受部を有する、車両の非回転
部分に保持されたキャリアと、 該キャリアにスライド機構を介して前記ディスクロータ
の軸方向に移動可能に支持されたキャリパと、を備え、 該キャリパに設けられた押圧手段が前記インナパッドを
ディスクロータに押圧し、その反力で前記スライド機構
を介して該キャリパが前記キャリアに対して移動するこ
とにより前記アウタパッドを前記ディスクロータに押圧
して制動力を発生するディスクブレーキにおいて、 前記キャリアは、前記ディスクパッドからのトルクによ
り生じる前記トルク受部回りの回転モーメントが0とな
るように前記ディスクロータの軸中心に対する前記トル
ク受部の高さを定めたことを特徴とするディスクブレー
キ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10199575A JP2000018292A (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10199575A JP2000018292A (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | ディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000018292A true JP2000018292A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16410124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10199575A Pending JP2000018292A (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | ディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000018292A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105452701A (zh) * | 2013-06-06 | 2016-03-30 | 福乐尼·乐姆宝公开有限公司 | 垫更换套件、卡钳本体、垫和插入物组件,以及施加改变的制动作用的方法 |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP10199575A patent/JP2000018292A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105452701A (zh) * | 2013-06-06 | 2016-03-30 | 福乐尼·乐姆宝公开有限公司 | 垫更换套件、卡钳本体、垫和插入物组件,以及施加改变的制动作用的方法 |
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