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JP2000010332A - 乾式トナー及び画像形成方法 - Google Patents

乾式トナー及び画像形成方法

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JP2000010332A
JP2000010332A JP17079498A JP17079498A JP2000010332A JP 2000010332 A JP2000010332 A JP 2000010332A JP 17079498 A JP17079498 A JP 17079498A JP 17079498 A JP17079498 A JP 17079498A JP 2000010332 A JP2000010332 A JP 2000010332A
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toner
circularity
image
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thf
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JP17079498A
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Manabu Ono
学 大野
Keiji Kawamoto
恵司 河本
Akira Hashimoto
昭 橋本
Tomohito Handa
智史 半田
Masanori Ito
雅教 伊藤
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 現像性と環境安定性を向上し、尚且つ、高品
位な画像を長期にわたって安定して実現し、画像形成装
置に悪影響を及ぼさない、乾式トナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を
含有する乾式トナーにおいて、 .有機金属化合物が、(i) 金属元素としてジルコ
ニウムを有し、配位子として芳香族ジオール、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸及び/又は、(ii)金属イオンと
してジルコニウムイオンを有し、酸イオンとして芳香族
カルボン酸イオンなどを有しているカルボン酸ジルコニ
ウム塩であり、 .フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数
基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、ト
ナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、且つ、
トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形
度標準偏差が0.040未満である ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した
記録方法に用いられる乾式トナー(以下トナーと称
す)、及び、該トナーを用いた画像形成方法に関するも
のである。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミ
リ、プロッター等に利用し得る画像記録装置に用いられ
るトナー、及び、該トナーを用いた画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで電
気的潜像をトナーを用いて現像を行なって可視像とし、
必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、
熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して定着
画像を得るものである。この際、転写後に転写材に転写
せずに感光体上に残余したトナーは種々の方法でクリー
ニングされる。
【0003】電気的潜像を可視化する方法としては、カ
スケード現像法、磁気ブラシ現像法、非磁性一成分現像
方法、加圧現像方法が知られている。さらには、磁性ト
ナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感
光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる磁性一成
分現像方法も用いられている。
【0004】プリンター装置はLED、LBPプリンタ
ーが最近の市場の主流になっており、技術の方向として
より高解像度即ち、従来240dpi又は300dpi
であったものが400dpi、600dpi、1200
dpiとなって来ている。従って現像方式もこれにとも
なってより高精細が要求されてきている。複写機におい
ても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向
に進みつつある。デジタル方式においては、静電荷像を
レーザーで形成する方法が主であるため、やはり高解像
度になってきており、よって、プリンターと同様に高解
像・高精細の現像方式が要求されてきている。
【0005】このためトナーの小粒径化が進んでおり、
特開平1−112253号公報、特開平1−19115
6号公報、特開平2−214156号公報、特開平2−
284158号公報、特開平3−181952号公報、
特開平4−162048号公報では特定の粒度分布の粒
径の小さいトナーが提案されている。
【0006】近年、半導電性の現像ローラーまたは、表
面に誘電層を形成した現像ローラーを用いて感光体表面
層に押し当てる構成にて現像を行う所謂接触一成分現像
方法が提案されている。
【0007】一成分現像方法において、感光体とトナー
担持体が距離をもつと、感光体上の静電潜像のエッジ部
に電気力線が集中し、電気力線に沿ってトナーが現像さ
れるために画像のエッジ部にトナーが偏って現像される
エッジ効果によって画像の品位が低下し易い。
【0008】感光体とトナー担持体を非常に近づけるこ
とにより、このエッジ効果を防止するが、感光体、トナ
ー担持体間の隙間を機械的に設定する、つまり、トナー
担持体上トナー層の厚みよりも隙間を小さく設定するこ
とは困難である。
【0009】したがって、トナー担持体を感光体に押し
当て現像を行なう接触一成分現像方法を用いて、エッジ
効果を防止することになる。しかしながら、感光体表面
移動速度に対し、トナー担持体表面移動速度が同じであ
ると、感光体上潜像を可視化した場合、満足できる画像
は得られない。よって、接触一成分現像方法において
は、感光体表面移動速度に対する、トナー担持体表面移
動速度に差を持たせることにより、感光体表面の潜像に
対し、トナー担持体上の一部のトナーが現像され、別の
一部のトナーが剥ぎ取られ、その結果、潜像に非常に忠
実なエッジ効果のない現像画像が得られる。
【0010】このような接触一成分現像方法において
は、感光体表面をトナー及びトナー担持体により摺擦す
るため、長期間使用によるトナー劣化、トナー担持体表
面劣化、感光体表面劣化又は磨耗が生じ易いことから、
耐久特性の劣化が問題点として残り、この改善方法が望
まれていた。したがって、接触一成分現像方法において
は、このような理由により、画像形成プロセスの耐久特
性を改良する必要があり、さらに装着により負荷のかか
る高速化が難しいという本質的課題を有している。
【0011】Japan Hardcopy’89論文
集 25〜28頁に接触型一成分非磁性現像方式の検討
がなされている。
【0012】また、特開平5−188765号公報及び
特開平5−188752号公報には、一成分接触現像方
法に関する技術が開示されているが、いずれも、その耐
久特性や耐久性改善のための技術は開示されていない。
【0013】FUJITSU Sci.Tech.
J.,28,4,pp.473−480(Decemb
er l992)には、一成分接触現像方法を用いたプ
リンターの概要が報告されている。しかしながら、その
耐久特性については、さらなる改善の余地がある。
【0014】また、近年では環境保護の観点から、従来
から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び
転写プロセスから、感光体当接部材を用いた一次帯電、
転写プロセスが主流となりつつある。
【0015】例えば、特開昭63−149669号公報
や特開平2−123385号公報が提案されている。こ
れらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであ
るが、感光体に導電性弾性ローラーを当接し、該導電性
ローラーに電圧を印加しながら該感光体を一様に帯電
し、次いで露光、現像工程によってトナー像を得た後、
該感光体に電圧を印加した別の導電性ローラーを押圧し
ながらその間に転写材を通過させ、該感光体上のトナー
画像を転写材に転写した後、定着工程を経て複写画像を
得ている。
【0016】しかしながら、このようなコロナ放電を用
いないローラー転写方式においては、転写部材が転写時
に転写部材を介して感光体に当接されるため、感光体上
に形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナー像
が圧接され、所謂転写中抜けと称される部分的な転写不
良の問題が生じる。
【0017】また、トナーが小径化するに従い、転写で
トナー粒子にかかるクーロン力に比して、トナー粒子の
感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力な
ど)が大きくなってきて結果として転写残トナーが増加
する傾向があった。
【0018】従って、このような画像形成方法に用いら
れるトナーと感光体は、離型性に優れたものであること
が要求されていた。
【0019】一方、懸濁重合法によるトナーも古くから
提案されている(例えば特公昭36−10231号公
報)。この懸濁重合法においては重合性単量体および着
色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御
剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて
単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤
を含有する連続相(例えば水相)中に適当な撹拌器を用
いて分散し同時に重合反応を行なわせ、所望の粒径を有
するトナー粒子を得るものである。
【0020】この懸濁重合法では、水のごとき極性の大
なる分散媒中で単量体組成物の液滴を生成せしめるた
め、単量体組成物に含まれる極性基を有する成分は水相
との界面である表層部に存在しやすく、非極性の成分は
表層部に存在しないという所謂コア/シェル構造や海島
構造を形成することが出来る。
【0021】重合法によるトナーは離型剤であるワック
ス成分の内包化により、低温定着性、耐ブロッキング性
と耐高温オフセット性という相反する性能を両立するこ
とが可能となってきている。
【0022】このようなトナーを使用すると表面への着
色剤の露出等が生じず、均一な摩擦帯電性を有するとい
う利点がある。また、分級工程の省略をも可能にするた
め、エネルギーの節約,時間の短縮,工程収率の向上
等、コスト削減効果が大きい。
【0023】しかし、このような方法によって得られた
トナーであっても特に非磁性一成分接触現像方法に適用
した場合、ドラム上に現像されたトナーの帯電量が高
く、トナー粒子の感光体への付着力(鏡像力)が大きく
なってきて結果として転写残トナーが増加する傾向があ
る。転写残トナーの帯電量も高くなる傾向にあり、やは
りトナー粒子の感光体への付着力が大きくなってクリー
ニングの際にクリーニング不良が発生し易いという問題
があった。
【0024】ところで、トナーは現像される静電潜像の
極性に応じて、正または負の電荷を有する必要がある。
【0025】トナーに電荷を保有せしめるためには、ト
ナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出
来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、
濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の
摩擦帯電性をトナーに付与するために帯電制御剤を添加
することが行われている。
【0026】今日、当該技術分野で知られている帯電制
御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノア
ゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン
酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等
が知られている。正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグ
ロシン染料、アジン染料、トリフェニルメタン系染顔
料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に
有するポリマー等が知られている。
【0027】しかしながら、これらの帯電制御剤のほと
んどは、有色でありカラートナーには使えないものが多
い。そして、カラートナーに適用可能な、無色、白色あ
るいは淡色のものは、性能的に不十分なものがほとんど
である。それらはハイライトの均一性が得られなかった
り、耐久試験での画像濃度の変動が大きい等の欠点を有
する。
【0028】この他、帯電制御剤によっては、以下のよ
うな欠点を有する。画像濃度とカブリのバランスが取り
にくい、高湿環境で、十分な画像濃度を得にくい、樹脂
への分散性が悪い、保存安定性、定着性、耐オフセット
性に悪影響を与える等である。
【0029】従来、芳香族カルボン酸類の金属錯体、金
属塩は特開昭53−127726号公報、特開昭57−
111541号公報、特開昭57−124357号公
報、特開昭57−104940号公報、特開昭61−6
9073号公報、特開昭61−73963号公報、特開
昭61−267058号公報、特開昭62−10515
6号公報、特開昭62−145255号公報、特開昭6
2−163061号公報、特開昭63−208865号
公報、特開平3−276166号公報、特開平4−84
141号公報、特開平8−160668号公報を始めと
して、いくつかの提案がなされている。しかしながら、
これらの公報に提案されているのは、摩擦帯電付与とい
う観点からはいずれも優れたものであるが、簡易な現像
器構成で環境変動、経時、使用状況に関わらず、安定し
た現像性の得られるものは少ない。また、高速機におい
て長期耐久時においても安定した現像性が得られるもの
も少ない。更に、他の原材料の影響があり、他の原材料
への制約が発生するものも多い。以上のようなすべての
項目において満足するものは無いのが現状である。
【0030】トナー中に荷電制御剤としてアゾ系鉄錯体
化合物を含有させることも知られている。
【0031】特開平7−281485号公報では、非磁
性一成分現像方法で、トナーに特定のアゾ系鉄錯体化合
物を含有させ、帯電性を改良した懸濁重合トナーを用い
る提案がなされているが、上述の如き問題点について充
分な解決がなされた従来技術は未だ見当たらない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、係る
従来技術の欠点を大幅に改良し、現像性と環境安定性を
向上し、尚且つ、高品位な画像を長期にわたって安定し
て実現し、画像形成装置に悪影響を及ぼさない、電子写
真プロセスに高度な適用を可能とする乾式トナー及び該
トナーを用いた画像形成方法を提供するものである。
【0033】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも、結着樹脂、着色剤及び有機金属化合物を含有す
る乾式トナーにおいて、 .該有機金属化合物が、(i) 金属元素としてジル
コニウムを有し、配位子として芳香族ジオール、芳香族
ヒドロキシカルボン酸、又は芳香族ポリカルボン酸を配
位しているジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯
塩、及び/又は、(ii)金属イオンとしてジルコニウ
ムイオンを有し、酸イオンとして芳香族カルボン酸イオ
ン、芳香族ヒドロキシカルボン酸イオン、又は芳香族ポ
リカルボン酸イオンを有しているカルボン酸ジルコニウ
ム塩であり、 .フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数
基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該
トナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、且
つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995
で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴
とする乾式トナーに関する。
【0034】更に、本発明は、該トナーを用いた画像形
成方法に関する。
【0035】本発明者等は、鋭意検討の結果、トナー組
成物として特定の有機ジルコニウム化合物を含有し、ト
ナー粒子の形状分布を精密に制御することにより、トナ
ーに望ましい電子写真特性を与えることを見出した。
【0036】また、該トナーを一成分接触現像の構成に
適用した場合、トナー帯電の迅速な立ち上がりと適度な
帯電性による高品位な画像形成性と、画像形成装置との
安定したマッチングを得ることができることを見出し
た。
【0037】
【発明の実施の形態】すなわち、トナー組成物として、
(i)金属元素としてジルコニウムを有し、配位子とし
て芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、又は
芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯体
あるいはジルコニウム錯塩、及び/又は、(ii)金属
イオンとしてジルコニウムイオンを有し、酸イオンとし
て芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒドロキシカルボン
酸イオン、又は芳香族ポリカルボン酸イオンを有してい
るカルボン酸ジルコニウム塩を含有し、且つ、フロー式
粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当
径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相
当個数平均径が2〜10μmであり、該トナーの平均円
形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が
0.040未満となるようにトナーの粒子形状を精密に
制御することにより、現像性と転写性をバランス良く改
良すると共に、転写残トナーのクリーニング性といった
画像形成装置とのマッチングが著しく向上する。
【0038】トナーの円相当個数平均径を2〜10μm
と小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字
画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものと
なる。しかし、一般にトナー粒子を小粒径化すると、必
然的に微小粒径のトナーの存在率が高くなるため、トナ
ーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生
じるばかりか、静電潜像担持体表面やトナー担持体への
付着力が高くなり、結果として転写残トナーの増加や前
述の如き問題を招いていた。
【0039】しかし、本発明のトナーはトナー組成物と
して、特定の有機ジルコニウム化合物を含有し、円形度
頻度分布の平均円形度を0.920〜0.995、円形
度標準偏差を0.040未満とすることにより、現像性
に関わる問題を大幅に改善することができる。その理由
として本発明者らは、現像工程においてトナー担持体上
にトナーの薄層を形成する際に、トナー層規制部材の規
制力を通常よりも強くしても十分なトナーコート量を保
つことができるため、トナー担持体に対するダメージを
与えることなくトナー担持体上のトナー帯電量を適正な
ものとすることが可能となるからだと考えている。
【0040】また、円形度頻度分布の平均円形度を、好
ましくは0.950〜0.995、より好ましくは平均
円形度を0.970〜0.995、円形度標準偏差を
0.035未満とすることにより、従来では困難であっ
た小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善させると
共に低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特
に非磁性一成分接触現像方法に適応されるデジタル方式
の微小スポット潜像を現像する場合に有効である。
【0041】本発明におけるトナーの円相当径、円形度
及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的
に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明
ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東
亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算
出した。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、「粒子投影面積」とは二値化され
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
【0044】本発明における円形度はトナー粒子の凹凸
の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の
場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形
度は小さな値となる。
【0045】
【0046】
【数2】
【0047】
【0048】
【数3】
【0049】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段
としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社
製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着した
ものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液と
する。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない
様に適宜冷却する。
【0050】トナー粒子の形状測定には、前記フロー式
粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が30
00〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整
し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いて、トナーの円相当径や円形度頻度分布
等を求める。
【0051】本発明のトナーは、特定の有機ジルコニウ
ム化合物を必須成分とする。該有機ジルコニウム化合物
としては、ジルコニウムの錯化合物、及び/又は、ジル
コニウム塩である。
【0052】該有機ジルコニウム化合物の具体例として
は、(i)金属元素としてジルコニウムを有し、配位子
として芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、
又は芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム
錯体あるいはジルコニウム錯塩、(ii)金属イオンと
してジルコニウムイオンを有し、酸イオンとして芳香族
カルボン酸イオン、芳香族ヒドロキシカルボン酸イオ
ン、又は芳香族ポリカルボン酸イオンを有しているカル
ボン酸ジルコニウム塩、等が挙げられる。
【0053】なお、該ジルコニウムには、ジルコニウム
元素基準でハフニウム元素を20wt%未満で含んでい
ても良い。また、ジルコニウムの錯化合物及びジルコニ
ウムの芳香族カルボン酸塩の配位子として、芳香族ジオ
ール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカル
ボン酸を2〜4個キレート形成しているものが好まし
く、さらには、2〜3個有しているものが好ましい。更
に、キレート形成数の異なる錯体、錯塩、あるいは配位
子の異なる錯体、錯塩の混合物であっても良い。また、
酸イオンのイオン化数が異なる塩の混合物であっても良
い。
【0054】芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、又は芳香族ポリカルボン酸のジルコニウム錯体あ
るいはジルコニウム錯塩としては、一般式(l)で表わ
せる有機ジルコニウム化合物が好ましい。
【0055】
【化1】
【0056】一般式(1)において、Arは置換基とし
てアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキ
シル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ア
ミド基、カルバモイル基を有していてもよい。芳香族残
基を表わし、X,Yは−0−、−CO−O−を表わし、
X,Yは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性
配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミ
ン、ピリジンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、
1価の金属イオン、アンモニウム、アルキルアンモニウ
ムを表わし、C2は2価のカチオン、2価の金属イオン
を表し、nは2、3、4を表わし、mは0、2、4を表
わす。各錯体または錯塩において配位子となる芳香族カ
ルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異
なるものであってもよい。またn,mの数の異なる錯化
合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体、錯
塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、
芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アン
トラセン環、フェナントレン環が好ましく、置換基とし
てはアルキル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、
Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが
好ましい。
【0057】更に好ましいジルコニウム錯体あるいは錯
塩は一般式(2)、(3)、(4)で表わせる有機ジル
コニウム化合物である。
【0058】
【化2】
【0059】一般式(2)、(3)、(4)において、
Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、カル
バモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環
あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置
換基Rを有していても良く、置換基Rは1から8個持っ
ていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていて
もよく、Cは1価のカチオン、水素、アルカリ金属、ア
ンモニウム、アルキルアンモニウムを表わし、1は1〜
8の整数を表わし、nは2、3、4を表わし、mは0、
2、4を表わし、各錯体または錯塩において配位子とな
る芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じ物であ
っても異なるものであってもよい。またn,mの数の異
なる錯化合物の混合物であっても良い。結着樹脂中への
ジルコニウム錯体あるいは錯塩の分散性向上の観点ある
いは帯電性向上の観点から、置換基Rとしてはアルキル
基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基が好まし
く、Cとしては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、アルキルアンモニウムが好ましい。特に好ましい
のは、カウンターイオンを有さない、一般式においてn
=2の場合のジルコニウム中性錯体であり、優れた環境
安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好
な耐久性が得られる。
【0060】本発明に用いられるジルコニウム錯体ある
いは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位
の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性
式上六配位となる錯化合物がある。このような錯化合物
の構造の代表的なものを、以下の一般化学式(5)〜
(9)でその構造を例示する。以下の構造の中には配位
子Lを持たないものも包含する。
【0061】
【化3】
【0062】
【化4】
【0063】一方、芳香族カルボン酸のジルコニウム塩
としては、一般式(10)、(11)で表わせる有機ジ
ルコニウム化合物が好ましい。
【0064】
【化5】
【0065】一般式(10)、(11)において、Ar
は置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル
基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、
アミノ基、アミド基、カルバモイル基を有していてもよ
い、芳香族残基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロ
ゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は
2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表
し、nは1、2、3、4を表わす。各金属塩において酸
イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は
同じものであっても異なるものであってもよい。また、
nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中
への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観
点から、芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましく、置
換基としてはアルキル基、カルボキシル基、水酸基、ア
シルオキシ基が好ましく、一般式(10)ではnが4の
もの、一般式(11)ではnが2のものが好ましい。
【0066】更に好ましい金属塩は一般式(12)、
(13)で表わせるジルコニウム塩である。
【0067】
【化6】
【0068】一般式(12)及び(13)において、R
は水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カ
ルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド
基、カルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族
環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合
この環に置換基Rを有していても良い、置換基Rは1か
ら8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異
なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイ
オン、水酸イオン、硝酸イオンを表わし、A2は2価の
アニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオンを表し、1は
1〜8の整数を表わし、nは2、3、4を表わす。各金
属塩において酸イオンとなる芳香族カルボン酸類、芳香
族ジオール類は同じものであっても異なるものであって
もよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良
い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは
帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、ア
ルケニル基、カルボキシル基、水酸基、アシルオキシ基
が好ましく、一般式(12)ではnが4のもの、一般式
(13)ではnが2のものが好ましく、優れた環境安定
性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐
久性が得られる。
【0069】本発明の有機ジルコニウム化合物は、塩化
酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニ
ウムなどのジルコニウム化合物を水、アルコール、アル
コール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオ
ールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、ある
いは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を
添加することにより合成される。これらの有機ジルコニ
ウム化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アル
コール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を
鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々
のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明にお
いては、ジルコニウム錯塩のカウンターイオンに水素イ
オン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複
数種有しているものも含む。
【0070】以下に、本発明に用いられる有機ジルコニ
ウム化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示
す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、
ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイ
オンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカ
ウンターイオンのみを記載する。
【0071】
【化7】
【0072】
【化8】
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】本発明のトナーに用いられるワックス成分
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその
誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャ
ートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体
には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、
グラフト変性物も含み、また、高級脂肪族アルコール等
のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸
或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化
ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス
等、スチレンモノマーへの溶解温度が40〜80℃のも
のであれば、どれでも用いることが可能である。
【0080】これらの中でもポリオレフィン、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワッ
クス、高級アルコール、もしくは、高級エステルである
場合、現像性や転写性の改善効果が更に高くなる。
【0081】上述したワックス成分は、結着樹脂100
重量部に対して1〜30重量部使用するのが好ましい。
【0082】本発明のトナーに用いられる結着樹脂とし
ては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アク
リル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチ
レン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により
直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成す
るための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o
−(m−,p−)メチルスチレン,m−(p−)エチル
スチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸
メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル
酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アク
リル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メ
タ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニ
ル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセ
ン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如
きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単
独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第
2版III−P139〜192(John Wiley
&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)
が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用
いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には
トナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じや
すく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇
をもたらす。特にフルカラー画像を形成するためのカラ
ートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性
が低下し色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性が
低下するため好ましくない。
【0083】結着樹脂の分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により測定される。具
体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソック
スレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行っ
た後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せし
めて抽出物を得、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹
脂は溶解しない有機溶剤(例えばクロロホルム等)を抽
出物に加え十分洗浄を行った後、残留物をテトラヒドロ
フラン(THF)に溶解した溶液をポア径が0.3μm
の耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプル
(THF溶液)をウォーターズ社製150Cを用いて測
定する。カラム構成は昭和電工製A−801、802、
803、804、805、806、807を連結し標準
ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得
る。本発明に係る結着樹脂の主たるピーク分子量は50
00〜100万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が、2〜100を示す
ものが本発明には好ましい。
【0084】また、前述の結着樹脂は、1〜60重量
%、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは15〜
60重量%のTHF不溶分を有し、且つ、該THF不溶
分の0.02〜90重量%、好ましくは1〜70重量
%、より好ましくは5〜60重量%をポリエステル成分
とすることにより現像性や耐久性、更には定着性と耐オ
フセット性のバランスを良好なものとする。また、後述
する様なトナー粒子の球形化処理に際してもトナー粒子
表面の劣化による性能低下や粒子同士の合一等を未然に
防ぐことができるので、トナー粒子の球形化の効果が良
好に発現する。
【0085】本発明において結着樹脂のTHF不溶分と
は、トナー粒子中の樹脂組成物のTHFに対して不溶性
となった樹脂成分の重量割合を示し、架橋成分を含む樹
脂組成物の架橋の程度を示す目安となるが、THF不溶
分が0重量%であっても必ずしも架橋していないという
訳ではない。THF不溶分とは、以下のように測定され
た値をもって定義する。
【0086】即ち、トナーが非磁性トナーの場合には顔
料の含有率などを、磁性トナーの場合には顔料及び磁性
体の含有率などを、予め公知の方法で測定しておく。次
に、トナー0.5〜1.0gの一定量を秤量し(W
1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れて
ソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜
200mlを用いて20時間抽出し、溶媒によって抽出
された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時
間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2
g)。そして、該トナー一定量中に含まれている顔料や
磁性体のうち、THFに可溶な成分の重量をW3g、T
HFに不溶な成分の重量をW4gとすると、以下の式に
従って樹脂組成物中のTHF不溶分が算出される。
【0087】
【数4】
【0088】なお、該結着樹脂のTHF不溶分は、前記
のスチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等を
何らかの方法で架橋したものであって、例えば重合法に
より直接トナー粒子を得る方法においては、前記のスチ
レン等の単量体とジビニルベンゼン等の架橋剤を共重合
させる方法等が挙げられるが、本発明においては、不飽
和ポリエステル等の反応性ポリエステルの共存下で単量
体及び必要に応じて架橋剤とを反応重合させる方法が好
適である。
【0089】THF不溶分中に含まれるポリエステル成
分は、例えば以下の様にして定性、定量することができ
る。
【0090】THF不溶分の分析を行なうためには、ま
ずトナーを前述したTHFによるソックスレー抽出を
し、その後乾燥した残渣を核磁気共鳴スペクトル(1
−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(I
R)、紫外吸収スペクトル(UV)、質量スペクトル
(MS)等のスペクトル分析、元素分析、その他化学分
析(例えば酸価,水酸基価の測定)など様々な方法によ
り分析すればよい。また、ポリエステル成分の構造中に
有する水酸基やカルボキシル基と反応する染料等をポリ
エステル成分に結合させ、可視スペクトル分析する方法
なども適用することができる。これらの分析手段は単独
でも複数組み合わせてもよい。
【0091】本発明に係わる反応性ポリエステルとは、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、
マレイン酸、コハク酸、セバシン酸、チオジグリコール
酸、ジグリコール酸、マロン酸、グルタン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、しょうのう酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の多塩基酸
と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコール類とを縮合重合したものであって、得
られた縮合重合体の主鎖又は側鎖に反応性基を有するも
のである。反応性基とは、カルボン酸(又はその塩)、
スルホン酸(又はその塩)、エチレンイミノ酸、エポキ
シ基、イソシアネート基、二重結合、酸無水物、ハロゲ
ン原子等様々なものが例示でき、この反応性ポリエステ
ルをお互いに反応させて、あるいは多官能性の架橋剤
(例えば多価アルコール、多塩基酸など)と反応させ
て、さらに反応性ポリエステルとビニル系単量体を反応
(例えばエステル化、共重合など)させてTHF不溶分
を得ることができる。例えば重合法によりトナーを得る
場合には、反応性ポリエステルとして不飽和ポリエステ
ルを用い、これとビニル系単量体(必要に応じてジビニ
ルベンゼン等の架橋剤も含む)を共重合する。この場合
には、極性を有する不飽和ポリエステルは、重合の進行
と共にトナー表面付近に移行し、トナー粒子の外殻を形
成するため、耐ブロッキング性、耐オフセット性が特に
優れたトナーを得ることが可能である。
【0092】本発明で使用できる反応性ポリエステル
は、前述の反応性基を含有していればどんなものでも使
用可能であるが、あまり分子量が低すぎると架橋反応に
あずからないポリエステルがトナー表面に存在してしま
うことがあり、耐ブロッキング性が低下することがあ
る。また、あまり高分子量であると、例えば重合法によ
りトナーを得る場合には、ビニル系単量体への該反応性
ポリエステルの溶解が困難となるため、製造が困難とな
る。従って、反応性ポリエステルの重量平均分子量は、
3,000〜100,000程度が特に性能の優れたト
ナーを得るのに好適である。
【0093】また、これらはそれぞれ一種類の重合体に
限定されるわけではなく、例えば反応性ポリエステルを
同時に二種以上用いることや、ビニル系重合体を二種以
上用いることが可能であり、さらに全く種類の異なる重
合体、例えば反応性の無いポリエステル、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルビニルエーテル、ポ
リアルキルビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(メタ)
アクリルエステル、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン等
様々な重合体を必要に応じてバインダー樹脂に添加する
ことができる。
【0094】本発明に用いられる着色剤は、以下に示す
イエロー着色剤,マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙
げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体ま
たは以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シア
ン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用され
る。
【0095】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0096】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8;2、48;3、48;4、57;1、81;1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0097】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に
利用できる。
【0098】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相,
彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー粒子中への
分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂
成分100重量部に対し1〜20重量部使用するのが好
ましい。
【0099】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し40
〜150重量部使用するのが好ましい。
【0100】本発明には、前述の有機ジルコニウム化合
物と共に公知の荷電制御剤が利用できるが、特に帯電ス
ピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷
電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法
を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物
の無い荷電制御剤が好ましい。
【0101】具体的化合物としては、ネガ系としてサリ
チル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸またはその誘導体
の金属化合物、アゾ顔料またはその誘導体の金属化合
物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合
物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリー
クスアレーン等が利用できる。ポジ系としてニグロシ
ン、トリフェニルメタン系化合物、四級アンモニウム
塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合
物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好まし
く用いられる。しかしながら、本発明において別の荷電
制御剤の添加は必須ではなく、非磁性一成分ブレードコ
ーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部
材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用すること
でトナー中に必ずしも別の荷電制御剤を含む必要はな
い。
【0102】本発明のトナーに無機微粉体を添加するこ
とは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び耐久性
向上のために好ましい実施形態である。該無機微粉体と
しては公知のものが使用可能であるが、特にシリカ,ア
ルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれ
ることが好ましい。更には、シリカであることがより好
ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やア
ルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式
法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアル
コキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリ
カの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の
内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3
2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。
また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、
塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合
物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シ
リカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能で
ありそれらも包含する。
【0103】本発明に用いられる無機微粉体は、BET
法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結
果を与え、トナー100重量部に対してシリカ微粉末
0.1〜8重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さら
に好ましくは1.0を超えて3.0重量部まで使用する
のが特に良い。
【0104】また、本発明に用いられる無機微粉体は、
必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーン
ワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイ
ル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング
剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機
硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるい
は、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能
であり好ましい。
【0105】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出した。
【0106】高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写
率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコ
ーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
【0107】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン
粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉
末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、
チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化
チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与
剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラッ
ク粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与
剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性
向上剤として少量用いることもできる。
【0108】本発明のトナーを製造する方法としては、
樹脂,低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御
剤等を加圧ニーダーやエクストルーダー又はメディア分
散機を用い均一に分散せしめた後、機械的又はジェット
気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微
粉砕化せしめた後、必要により、トナー粒子の平滑化及
び球形化の工程を付加し、更に分級工程を経て粒度分布
をシャープにせしめトナーにする粉砕方法によるトナー
の製造方法の他に、特公昭56−13945号公報等に
記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空
気中に霧化し球状トナーを得る方法や、特公昭36−1
0231号公報,特開昭59−53856号公報,特開
昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方
法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可
溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接ト
ナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤
存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合
法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造する
ことが可能である。
【0109】粉砕法を用いてトナーを製造する方法にお
いては、トナー粒子の形状を所望の円形度頻度分布の範
囲に納めることが困難であり、溶融スプレー法において
は、ある程度の円形度を得ることができるが、得られる
トナーの粒度分布が広くなり易い傾向があると共に、ト
ナーの表面状態をコントロールすることが困難である。
他方、分散重合法においては、得られるトナーは極めて
シャープな粒度分布を示すが、使用する材料の選択が狭
いことや有機溶剤の利用が廃溶剤の処理や溶剤の引火性
に関する観点から製造装置が複雑で煩雑化しやすい。ソ
ープフリー重合に代表される乳化重合方法は、トナーの
粒度分布が比較的揃うため有効であるが、使用した乳化
剤や重合開始剤末端がトナー粒子表面に存在した時に環
境特性を悪化させやすい。
【0110】本発明においては、トナー粒子の円形度頻
度分布のコントロールが重要であり、比較的容易に円相
当個数平均径が2〜6μmの微粒子トナーが得られる常
圧下、または、加圧下での乳化重合法又は懸濁重合方法
を用い、予め得られた重合体にメディアを用い定形化し
たり、直接加圧衝突板に重合体を衝突せしめる方法や、
更には得られた重合体を水系中にて凍結せしめたり、塩
折や反対表面電荷を有する粒子をpH等の条件を考慮す
ることで合体し、凝集、合一せしめる凝集方法が特に好
ましい。さらに、一旦得られた重合粒子に更に単量体を
吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード
重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0111】トナーの製造方法として直接重合方法を利
用する場合、トナー粒子の円形度頻度分布及び粒径頻度
分布の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用を
する分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条
件(例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等
の撹拌条件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度
等を制御することにより所定のトナー粒子を得ることが
できる。
【0112】また、トナーを加熱乾燥する際にもトナー
粒子に球形化処理を施すことが可能で、例えば流動層乾
燥機を用い、回転翼の撹拌条件と処理時間を調整するこ
とによりトナー粒子形状を好ましいものとすることがで
きる。
【0113】本発明のトナーは、ワックス成分の物理特
性を前述の如きに特定することにより、上記の如きトナ
ー粒子の球形化処理に対してもトナーの粗粒化やワック
ス成分による影響を最小限とすることができるので非常
に有効なものとなる。
【0114】直接重合法によりトナーを製造する際、用
いられる重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、
アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系
重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケ
トンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネ
ート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き
過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の使
用量は、目的とする重合度により変化するが一般的には
重合性単量体に対し0.5〜20重量%用いられる。重
合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間
半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0115】重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖
移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いても良い。
【0116】トナーの製法として分散安定剤を用いた懸
濁重合法を利用する場合、用いる分散安定剤としては、
無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネ
シウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシ
ウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マ
グネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シ
リカ,アルミナ等が挙げられる。有機化合物としては、
ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,
メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロー
ス,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリ
アクリル酸及びその塩,デンプン等が挙げられる。これ
らを水相に分散させて使用できる。これら分散安定剤
は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜20重
量部を使用することが好ましい。
【0117】分散安定剤として、無機化合物を用いる場
合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子
を得るために、分散媒体中にて該無機化合物の微粒子を
生成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、
高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カ
ルシウム水溶液を混合すると良い。
【0118】これら分散安定剤の微細な分散の為に、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよ
い。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するため
のものであり、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウ
ム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナ
トリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリ
ウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,
オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0119】本発明で使用するトナーの製造方法として
直接重合法を用いる場合においては、以下の如き製造方
法が可能である。
【0120】重合性単量体中に、低軟化点物質からなる
離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加
剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均
一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,
ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量
体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するよ
うに撹拌速度,撹拌時間を調整し、造粒する。その後は
分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒
子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温
度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定
して重合を行うのが良い。重合反応後半に昇温しても良
く、更に、本発明における画像形成方法における耐久性
向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除
去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒
体を反応系から留去しても良い。反応終了後、生成した
トナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁
重合法においては、通常単量体組成物100重量部に対
して水300〜3000重量部を分散媒体として使用す
るのが好ましい。
【0121】次に本発明のトナーが適用される画像形成
方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0122】本発明のかかる現像ユニットの例として
は、一成分現像剤として、弾性ローラー表面にトナーを
コーティングし、これを感光体表面と接触させる方法を
採用した現像ユニットが挙げられる。このとき、トナー
の磁性、非磁性は問わず、ただ、トナーと感光体表面が
接触していることが重要となる。また、トナー担持体は
実質的に感光体表面と接触しているが、これは、トナー
担持体からトナーを除いたときに該トナー担持体が感光
体と接触しているということを意味する。このとき、ト
ナーを介して、感光体と感光体表面に対向する弾性ロー
ラー間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得ら
れるためには、弾性ローラ表面あるいは表面近傍が電位
をもち、感光体表面とトナー担持体表面間で電界を有す
る必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが
中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎ
つつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄
層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電
性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質に
より被覆した導電性樹脂スリーブあるいは、絶縁性スリ
ーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可
能である。
【0123】一成分接触現像法を用いた場合、そのトナ
ーを担持するローラー表面と感光体の周速同方向に回転
していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その
回転が同方向である場合感光体の周速に対して、周速比
で100%以上が望ましい。100%未満であると、ラ
インの切れが悪いなどの画像品質に問題を残す。周速比
が高まれば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの
量は多く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不
要な部分は掻き落とされ必要な部分には付与されるとい
う繰り返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。
【0124】本発明に用いられるクリーニング部材とし
ては、ブレード、ローラー、ファーブラシ、磁気ブラシ
等を用いることが出来る。また、これらのクリーニング
部材の2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0125】本発明者らは、接触現像による画像形成方
法にトナー組成物として特定のジルコニウム錯体あるい
はジルコニウム錯塩を使用し、且つ、トナーの形状分布
を精密に制御することで、感光体上の現像トナーの帯電
量を適正に制御し、転写残トナーの過剰帯電によるクリ
ーニング性の低下を防止し得ることを見出した。
【0126】すなわち、転写残トナーが過剰に帯電して
しまうと、感光体への転写残余のトナーの付着力が高い
ためにクリーニング性が低下し易い。特に、懸濁重合法
の如き重合法によって作製されたトナーのように、トナ
ー粒子の形状が比較的球形に近い場合、転写残トナーの
過剰帯電はクリーニング工程でのスクレイプ性の低下や
クリーニング部材からのすり抜け易さ等の点でクリーニ
ング性を著しく低下させる。特にこの現象は、静電潜像
担持体とトナー層を接触させ現像を行う接触現像方式で
はトナーが強く摺擦され摩擦帯電を受けるので顕著な問
題となる。
【0127】転写残余のトナーの帯電は、転写バイアス
条件、転写材の抵抗等によっても大きく変化する。転写
バイアスは一般にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧が
印加されるが、現像が正現像(トナー帯電極性と感光体
帯電極性が逆)である場合、転写材が厚紙、OHTフィ
ルムのように高抵抗なものであると、高い帯電を持った
トナー粒子が感光体との強い付着力によって転写される
ことなく、そのままの帯電でクリーニング工程へと進み
クリーニングしきれなくなり易い。
【0128】したがって、トナーとしては、感光体上の
現像トナーが帯電量を適正に制御されていることが望ま
しいが、トナーの帯電性を抑制した場合、トナーの帯電
が十分でないとカブリ、トナー飛散、転写性の低下等の
弊害を生じ易くなる。
【0129】また、現像が反転現像(トナー帯電極性と
感光体帯電極性が同極性)の場合や転写材が薄紙のよう
に電界を通し易いものの場合、転写バイアスによって逆
極性に強く帯電するトナーが発生し、やはり感光体との
強い付着力をもちクリーニングしきれなくなり易い。
【0130】本発明のトナーは、特定のジルコニウム錯
体あるいはジルコニウム錯塩を使用し、且つ、トナーの
形状分布を精密に制御することにより、常にトナーに適
正な帯電量をもたせ、過剰な帯電を防止すると共に、転
写工程から受ける影響を最小限とすることができるの
で、上述の如き問題点を未然に防止することが可能とな
った。
【0131】この理由については必ずしも明らかではな
いが、本発明者等の知見によれば、本発明に用いられる
特定のジルコニウム錯体あるいはジルコニウム錯塩の荷
電制御効果、及びトナー形状分布の精密制御によるトナ
ー粒子の帯電安定化効果と外部からの電界に対する電荷
遮閉効果等が相乗的に作用した結果によってもたらされ
ているものと考えられる。
【0132】また、本発明は、感光体表面に離型性を付
与することが好ましく、感光体表面の水に対する接触角
は85度以上であることが好ましい。より好ましくは感
光体表面の水に対する接触角は90度以上である。感光
体表面が高い接触角を有することは、感光体表面が高い
離型性有することを示し、この効果により、転写残余の
トナー量を著しく減少させることができ、クリーニング
ヘの負荷を大幅に低減し、本発明中のトナーを用いた
際、クリーニング不良の発生をより確実に防止すること
ができる。
【0133】また、本発明は感光体表面が高分子結着剤
を主体として構成される場合に有効である。例えば、セ
レン、アモルファスシリコンなどの無機感光体の上に、
樹脂を主体とした保護膜を設ける場合、又は機能分離型
有機感光体の電荷輸送層として、電荷輸送材と樹脂から
なる表面層をもつ場合、さらにその上に上記のような保
護層を設ける場合等がある。このような表面層に離型性
を付与する手段としては、 膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いる、 撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、 高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する、 などが挙げられる。の例としては、樹脂の構造中にフ
ッ素含有基、シリコーン含有基等を導入することにより
達成する。としては、界面活性剤等を添加剤とすれば
よい。としては、フッ素原子を含む化合物、すなわち
ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化
カーボン等が挙げられる。
【0134】これらの手段によって感光体表面の水に対
する接触角を85度以上とすることができる。85度未
満では耐久によるトナーおよびトナー担持体の劣化が生
じやすい。
【0135】この中でも特にポリ4フッ化エチレンが好
適である。本発明においては、の含フッ素樹脂などの
離型性粉体の最表面層への分散が好適である。
【0136】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。
【0137】該粉体の表面層への添加量は、表面層総重
量に対して、1〜60重量%、さらには2〜50重量%
が好ましい。1重量%より少ないと転写残余のトナーが
充分に減少せず、転写残トナーのクリーニング効率も充
分でなく、ゴースト防止効果が不十分であり、60重量
%を超えると膜の強度が低下したり、感光体への入射光
量が著しく低下したりするため、好ましくない。また、
該粉体の粒径については、画質の面から、1μm以下、
好ましくは0.5μm以下が望ましい。1μmより大き
いと入射光の散乱によりラインの切れが悪くなり実用に
耐えない。
【0138】本発明に用いられる感光体の好ましい様態
のひとつを以下に説明する。
【0139】導電性基体としては、アルミニウム・ステ
ンレス等の金属、アルミニウム合金・酸化インジウム−
酸化錫合金等による被膜層を有するプラスチック、導電
性粒子を含侵させた紙・プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが用いられる。
【0140】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上・塗工性改良・基体の保護・基体上に欠陥の被覆・
基体からの電荷注入性改良・感光層の電気的破壊に対す
る保護等を目的として下引き層を設けても良い。下引き
層は、ポリビニルアルコール・ポリ−N−ビニルイミダ
ゾール・ポリエチレンオキシド・エチルセルロース・メ
チルセルロース・ニトロセルロース・エチレン−アクリ
ル酸コポリマー・ポリビニルブチラール・フェノール樹
脂・カゼイン・ポリアミド・共重合ナイロン・ニカワ・
ゼラチン・ポリウレタン・酸化アルミニウム等の材料に
よって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、
好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0141】電荷発生層は、アゾ系顔料・フタロシアニ
ン系顔料・インジゴ系顔料・ペリレン系顔料・多環キノ
ン系顔料・スクワリリウム色素・ピリリウム塩類・チオ
ピリリウム塩類・トリフェニルメタン系色素、セレン・
非晶質シリコン等の無機物質などの電荷発生物質を適当
な結着剤に分散し塗工するあるいは蒸着等により形成さ
れる。なかでもフタロシアニン系顔料が感光体感度を本
発明に適合する感度に調整するうえで好ましい。結着剤
としては、広範囲な結着性樹脂から選択でき、例えば、
ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂・ポリビニル
ブチラール樹脂・ポリスチレン樹脂・アクリル樹脂・メ
タクリル樹脂・フェノール樹脂・シリコーン樹脂・エポ
キシ樹脂・酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。電荷発生層
中に含有される結着剤の量は80重量%以下、好ましく
は0〜40重量%に選ぶ。また、電荷発生層の膜厚は5
μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0142】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン・
アントラセン・ピレン・フェナントレンなどの構造を有
する多環芳香族化合物、インドール・カルバゾール・オ
キサジアゾール・ピラゾリンなどの含窒素環式化合物、
ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン・セレン−
テルル・非晶質シリコン・硫化カドニウム等が挙げられ
る。
【0143】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂・
ポリメタクリル酸エステル・ポリスチレン樹脂・アクリ
ル樹脂・ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール・ポリビニルアントラセン等の有機光導電性
ポリマー等が挙げられる。
【0144】また、表面層として、保護層を設けてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル・ポリカーボ
ネート・アクリル樹脂・エポキシ樹脂・フェノール樹
脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤等が単独あるいは2
種以上組み合わされて用いられる。
【0145】また、保護層の樹脂中に導電性微粒子を分
散してもよい。導電性微粒子の例としては、金属・金属
酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛・酸化チタ
ン・酸化スズ・酸化アンチモン・酸化インジウム・酸化
ビスマス・酸化スズ被膜酸化チタン・スズ被膜酸化イン
ジウム・アンチモン被膜酸化スズ・酸化ジルコニウム等
の超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を
混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子を分散さ
せる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入
射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要で
あり、本発明における保護層に分散される導電性、絶縁
性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ま
しい。また、保護層中での含有量は、保護層総重量に対
して2〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより
好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好まし
く、1〜7μmがより好ましい。
【0146】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透(ディッ
ピング)コーティングすることによって行うことができ
る。
【0147】本発明に用いられる現像工程は、現像剤と
感光体表面が接触している。
【0148】一成分現像剤の場合、トナー担持体として
弾性ローラーを用い、弾性ローラー表面等にトナーをコ
ーティングしこれを感光体表面と接触させる方法も用い
られる。このとき、トナーの磁性、非磁性は問わず、た
だ、トナーと感光体表面が接触していることが重要とな
る。また、トナー担持体は実質的に感光体表面と接触し
ているが、これは、トナー担持体からトナーを除いたと
きに該トナー担持体が感光体と接触しているということ
を意味する。このとき、トナーを介して、感光体と感光
体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によってエ
ッジ効果のない画像が得られるためには、弾性ローラ表
面あるいは、表面近傍が電位をもち、感光体表面とトナ
ー担持表面間で電界を有する必要性がある。このため、
弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて
感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導
電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利
用できる。さらには、導電性ローラ上に感光体表面に対
向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリー
ブあるいは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に
導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体
として剛体ローラを用い、感光体をベルトのごときフレ
キシブルなものとした構成も可能である。トナー担持体
としての現像ローラの抵抗としては102〜109Ω・c
mの範囲が好ましい。
【0149】一成分接触現像法を用いた場合そのトナー
を担持するローラー表面と感光体の周速同方向に回転し
ていてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その回
転が同方向である場合感光体の周速に対して、周速比で
100%以上が望ましい。100%未満であると、画像
品質が悪い。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に
供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナーの脱着
頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要な部分
には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画
像が得られる。具体的には、トナー担持体面の移動速度
が感光体面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速
度であることが好ましい。
【0150】以下、本発明の画像形成方法に適用可能な
接触転写工程について具体的に説明する。
【0151】接触転写工程とは、感光体と転写材を介し
て転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写
するものであるが、転写手段の当接圧力としては線圧
2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の
発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0152】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が
使用される。転写ローラーは少なくとも芯金と導電性弾
性層からなり、導電性弾性層はカーボン等の導電材を分
散させたウレタンやEPDM等の、体積抵抗106〜1
10Ωcm程度の弾性体で作られている。
【0153】本発明は、感光体の表面が有機化合物であ
る様な画像形成装置において特に有効に用いられる。即
ち、有機化合物が感光体の表面層を形成している場合に
は、無機材料を用いた他の感光体よりもトナー粒子に含
まれる結着樹脂との接着性に優れ、転写性がより低下す
る傾向にあるためである。
【0154】また、本発明に係わる感光体の表面物質と
しては、たとえばシリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エ
チレン−塩化ビニル、スチレン−アクリロニトリル、ス
チレン−メチルメタクリレート、スチレン、ポリエチレ
ンテレフタレートおよびポリカーボネート等が挙げられ
るが、これらに限定されることはなく他のモノマーある
いは前述の結着樹脂間での共重合体およびブレンド体等
も使用することができる。
【0155】また、本発明は、直径が50mm以下の小
径の感光体を有する画像形成装置に対し特に有効に用い
られる。即ち、小径感光体の場合には、同一の線圧に対
する曲率が大きく、当接部における圧力の集中が起こり
やすいためである。ベルト感光体でも同一の現象がある
と考えられるが、本発明は、転写部での曲率半径が25
mm以下の画像形成装置に対しても有効である。
【0156】さらに本発明に係るトナーの現像に際して
は、トナーの総帯電量をコントロールすることが望まし
く、本発明に係わるトナー担持体の表面は導電性微粒子
及び/又は滑剤を分散した樹脂層で被覆されていること
が好ましい。
【0157】帯電方法としては、コロトロンあるいはス
コロトロンなどと呼ばれる公知のコロナ帯電方法が用い
られるほか、ピン電極を用いた方法等も使用できる。ま
た、直接帯電法も同様に使用できる。
【0158】本発明は、帯電手段が帯電部材を感光体に
当接させる直接帯電法の場合に特に効果的である。すな
わち、帯電手段が感光体に接することのないコロナ放電
等に比べて、直接帯電法は感光体表面の劣化を生じ易
く、耐久性の観点から転写性の低下による転写残トナー
の増加がクリーニング性に厳しい方向にあるためであ
る。さらに、本発明においてはオゾンが発生しないよう
に帯電部材が感光体に当接されていることが環境保全上
好ましい。
【0159】帯電ローラーを用いたときの好ましいプロ
セス条件としては、ローラーの当接圧が5〜500g/
cmで、転写残トナーの極性を感光体帯電極性と同じ極
性に揃え、現像時での回収を容易にするため、直流電圧
の印加がよいが、直流電圧に交流電圧を重畳したものを
用いたときには、2×Vth(V)[Vth;直流印加
における放電開始電圧(V)]未満のピーク間電圧を有
する交流電圧を直流電圧に重畳することが好ましい。
【0160】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不要になったり、オゾ
ンの発生が低減するといった効果がある。
【0161】感光体直接帯電部材としては、ローラーま
たはブレードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ス
テンレス等の金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは金
属酸化物分散樹脂などが用いられ、その形状としては棒
状、板状等が使用できる。例えば、弾性ローラーの構成
としては、導電性基体上に弾性層、導電層、抵抗層を設
けたものが用いられ、ローラー弾性層としては、クロロ
プレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレ
タンゴム、エポキシゴム、ブチルゴムなどのゴム又はス
ポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエ
ラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラス
トマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマ
ー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマー等
のサーモプラスチックエラストマーなどで形成すること
ができ、導電層としては、体積抵抗率を107Ω・cm
以下、望ましくは106Ω・cm以下である。例えば、
金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等が用い
られ、具体例としては、アルミニウム、インジウム、ニ
ッケル、銅、鉄等の蒸着膜、導電性粒子分散樹脂の例と
しては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタ
ンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビ
ニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等
の樹脂中に分散したものなどが挙げられる。導電性樹脂
としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メ
チル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリ
ジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106〜1012Ω・c
mの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂等
を用いることができる。半導性樹脂としては、エチルセ
ルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロ
ン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリ
ビニルヒドリン、カゼイン等の樹脂が用いられる。導電
性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウ
ム、酸化インジウム、酸化チタンなどの導電性粒子をウ
レタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、ポリメタクリル酸メチル等の絶縁性樹脂中に少量分
散したものなどが挙げられる。
【0162】帯電部材としてのブラシは、一般に用いら
れている繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたもの
が用いられる。繊維としては、一般に知られている繊維
が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、レーヨ
ン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。
また導電材としては、これも一般に知られている導電材
が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、
金、銀等の金属あるいは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、さらには
カーボンブラック等の導電粉が挙げられる。なおこれら
導電粉は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理
が施されていてもよい。使用に際しては、繊維との分散
性や生産性を考慮して選択して用いる。ブラシの形状と
しては、繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜
500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15m
m、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本
(1平方メートル当り1.5×107〜4.5×108
程度)のものが好ましく用いられる。
【0163】中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一
例の概略図を図2に示す。
【0164】図2は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。
【0165】1は第1の画像担持体としてのドラム状の
電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢印
の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動
される。
【0166】感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3による露光3を受ける。このよう
にして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエ
ロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0167】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分
像に現像される。この時第2〜第4の現像器、即ちマゼ
ンタ現像器42、シアン色現像器43、およびブラック
色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用
していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上記
第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0168】中間転写ベルト40は、矢印の方向に感光
ドラム1と同じ周速度で回転駆動される。
【0169】感光ドラム1上に形成された上記第1色の
イエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト40
とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ62を
介してバイアス電源29から中間転写ベルト40に印加
される一次転写バイアスによって形成される電界によ
り、中間転写ベルト40の外周面に順次転写(一次転
写)されていく。
【0170】中間転写ベルト40に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、第1のクリーニング装置53により清掃される。
【0171】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト40上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0172】63は二次転写ローラで、二次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト40
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0173】トナー画像を感光ドラム1から中間転写ベ
ルト40へ転写するための一次転写バイアスは、トナー
とは逆極性でバイアス電源49から印加される。その印
加電圧は例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0174】感光ドラム1から中間転写ベルト40への
第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二
次転写ローラ63及び第2のクリーニング装置52は中
間転写ベルト40から離間することも可能である。
【0175】中間転写ベルト40上に転写されたフルカ
ラー画像は、二次転写ローラ63が中間転写ベルト40
に当接され、給紙ローラ51から中間転写ベルト40と
二次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで
第2の画像担持体である転写材Pが給送され、二次転写
バイアスがバイアス電源48から二次転写ローラ63に
印加されることにより転写材Pに二次転写される。トナ
ー画像が転写された転写材Pは、定着器55へ導入され
加熱定着される。
【0176】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト40には第2のクリーニング装置52が当接され、
中間転写ベルト40の表面が清掃される。
【0177】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0178】[トナーの製造例及び比較製造例]本発明
のトナーの製造例及び比較製造例について述べる。
【0179】トナーの製造例1 高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)
を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水
600gと0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液
500gを投入し、回転数を14000rpmに調整
し、65℃に加温せしめた。ここに1.0mol/リッ
トル−CaCl2水溶液70重量部を徐々に添加し、微
小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分
散媒体を調製した。
【0180】一方、分散質として、 ・スチレン 78重量部 ・n−ブチルアクリレート 22重量部 ・ジビニルベンゼン 0.2重量部 ・カーボンブラック(BET比表面積=50m2/g) 5重量部 ・不飽和ポリエステル (エポキシ化ビスフェノールAとフマル酸の縮合重合体、 ピーク分子量=7000) 4重量部 ・有機ジルコニウム化合物(15) 2重量部 ・エステルワックス(mp=62℃) 10重量部 上記混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時
間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)5重量部を添加し重合性単量体組成
物を調製した。
【0181】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温65℃のN2雰囲気下で、高速
撹拌器の回転数を12000rpmに維持しつつ、15
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え50rpmで撹拌
しながら同温度で10時間保持して重合を完了した。
【0182】重合終了後、懸濁液を冷却し、次いで希塩
酸を添加し分散安定剤を除去せしめた。更に水洗浄を数
回繰り返した後、流動層乾燥機(大川原製作所社製)を
用い、熱風中で撹拌しながら10時間トナー粒子の球形
化処理と乾燥処理を行い、重合体粒子(A)を得た。該
重合体粒子(A)は、円相当個数平均径が4.1μm
で、円形度頻度分布における平均円形度が0.990
で、円形度0.950未満のトナー粒子数が2.3個数
%で、GPCによる分子量分布で、ピーク分子量が1.
5万、Mw/Mnが18であった。
【0183】また、該重合体粒子(A)の結着樹脂のT
HF不溶分は21重量%であり、該THF不溶分の16
重量%がポリエステル成分であった。
【0184】上記重合体粒子(A)100重量部と疎水
性オイル処理シリカ微粉体(BET;200m2/g)
2重量部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本発明
のトナー(A)を調製した。
【0185】トナーの製造例2〜5並びに比較製造例1 有機ジルコニウム化合物(15)に代え、有機ジルコニ
ウム化合物(15)、(18)、(24)及びジ−te
rt−ブチルサリチル酸のクロム化合物を各々用いると
共に、ジビニルベンゼンと不飽和ポリエステルの添加量
を変更することにより結着樹脂のTHF不溶分と該TH
F不溶分中のポリエステル成分の存在量をコントロール
し、更に流動層乾燥機の熱風の温度と撹拌条件と処理時
間を変更する以外は、前記のトナー製造例1と同様にし
て重合体粒子(B)〜(E)及び(a)を得た後、本発
明のトナー(B)〜(E)及び比較用トナー(a)を調
製した。
【0186】トナーの比較製造例2 有機ジルコニウム化合物(15)と不飽和ポリエステル
に代え、アゾ系亜鉛化合物と飽和ポリエステル(プロポ
キシ化ビスフェノールAとテレフタル酸の縮合重合体、
ピーク分子量=7500)を用いる以外は、前記のトナ
ーの製造例1と同様にして重合体粒子(b)を得た後、
比較用トナー(b)を調製した。
【0187】 トナーの比較製造例3 ・スチレン−n−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン樹脂 (ピーク分子量=1.5万、Mw/Mn=2.4、Tg=50℃) 100重量部 ・トナーの製造例1で用いた不飽和ポリエステル 4重量部 ・トナーの製造例1で用いたカーボンブラック 5重量部 ・トナーの比較製造例2で用いたアゾ系亜鉛化合物 2重量部 ・トナー製造例1で用いたエステルワックス 10重量部
【0188】上記混合物を二軸エクストルーダーで溶融
混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗
粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物と
市販のリン酸カルシウム微粉体とをヘンシェルミキサー
で混合後、得られた混合粉体を水が入っている容器へ投
入し、更にホモミキサーを用い水中に分散させ水温を徐
々に昇温させ温度60℃で2時間加熱処理せしめた。そ
の後希塩酸を容器に添加し、微粉砕物粒子表面のリン酸
カルシウムを十分溶解した。濾別後に洗浄、乾燥せし
め、次いで400メッシュの篩いを通して凝集物を除い
た後、分級して分級粉(c)とした。分級粉(c)を用
い前記トナーの製造例1と同様にして比較用トナー
(c)を調製した。
【0189】上記で得られた重合体粒子(A)〜
(E)、比較用重合体粒子(a)、(b)及び、分級粉
(c)の諸性状を表1にまとめる。
【0190】
【表1】
【0191】
【化15】
【0192】 トナーの製造例6 ・スチレン 78重量部 ・n−ブチルアクリレート 22重量部 ・ジビニルベンゼン 0.3重量部 ・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド112) 5重量部 ・不飽和ポリエステル (エポキシ化ビスフェノールAとフマル酸の縮合重合体、 ピーク分子量=6500) 5重量部 ・有機ジルコニウム化合物(28) 2重量部 ・エステルワックス(mp=55℃) 15重量部
【0193】上記混合物からなる重合性単量体組成物を
分散質とする以外は、前記のトナー製造例1と同様にし
て、重合体粒子(F)を得た。
【0194】上記重合体粒子(F)100重量部と疎水
性オイル処理シリカ微粉体(BET;50m2/g)
1.5重量部と疎水性オイル処理チタン微粉体(BE
T;200m2/g)0.5重量部をヘンシェルミキサ
ー(三井金属社製)で乾式混合して、本発明のトナー
(F)とした。
【0195】トナーの製造例7、8 着色剤と有機ジルコニウム化合物の種類と添加量を変更
すると共に、流動層乾燥機の熱風の設定温度と撹拌条件
と処理時間を変更する以外は前記のトナーの製造例6と
同様にして、重合体粒子(G)と(H)を得た後、本発
明のトナー(G)と(H)を調製した。
【0196】上記で得られた重合体粒子(F)〜(H)
の諸性状を表2にまとめる。
【0197】
【表2】
【0198】[静電潜像担持体の製造例]本発明の画像
形成方法に用いられる静電潜像担持体として感光体ドラ
ムの製造例について述べる。
【0199】感光体ドラムの製造例1 直径30mm,長さ254mmのアルミニウムシリンダ
ーを基体とし、次に示すような構成の層を順次浸漬塗布
により積層して、感光体ドラム1を作製した。
【0200】(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタ
ンの粉未をフェノール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚15μm。
【0201】(2)下引き層:変性ナイロン及び共重合
ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
【0202】(3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つ
アゾ顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚0.6μm。
【0203】(4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェ
ニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オストワル
ド粘度法による分子量2万)に8:10の重量比で溶解
したものを主体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉体
(粒径0.2μm)を総固形分に対して10重量%添加
し、均一に分散した。膜厚25μm。
【0204】得られた感光体ドラム1の表面の水に対す
る接触角は95度であった。
【0205】なお、接触角の測定は、純水を用い、装置
は、協和界面科学(株)、接触角計CA−DS型を用い
た。
【0206】感光体ドラムの製造例2 電荷輸送層にポリ4フッ化エチレン粉体を添加しなかっ
たことを除いては、感光体ドラムの製造例1と同様にし
て膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体ドラム2
を作製した。得られた感光体ドラム2の表面の水に対す
る接触角は79度であった。
【0207】実施例1 本実施例に用いた画像形成装置について説明する。図1
は本実施例に適用される画像形成装置の断面の概略的説
明図であり、市販のレーザープリンターLBP−EX
(キヤノン社製)を改造し、再設定して用いた。即ち、
静電潜像担持体26の表面は96mm/secの回転周
速(16枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度に
相当)で矢印の方向に移動する。この時、帯電ローラー
32としてナイロン樹脂で被覆された導電性カーボンを
分散したゴムローラー(直径12mm,当接圧55g/
cm)に直流及び交流成分を印加し、静電潜像担持体の
表面を均一に帯電させる。次いで、静電潜像担持体にレ
ーザー光20で露光(600dpi)することにより静
電潜像を形成し、トナー33により可視画像をして画像
を形成した後、電圧29を印加した転写ローラー27に
よりトナー画像を転写材28に転写する。
【0208】また、プロセスカートリッジの現像装置も
改造した。即ち、トナー供給体であるマグネットを内包
したアルミニウムスリーブの代わりにカーボンブラック
を分散して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる中抵
抗ゴムローラー(直径18mm)をトナー担持体24と
し、静電潜像担持体26に当接した。トナー担持体24
の表面の移動方向及び回転周速は、静電潜像担持体26
の表面との接触部分において同方向であり、静電潜像担
持体26の回転周速に対し150%となるように駆動す
る。即ち、トナー担持体24の周速は144mm/sで
あり、静電潜像担持体26の表面に対する相対速度は4
8mm/sである。
【0209】トナー担持体24にトナーを塗布する手段
として、現像部分に塗布ローラー25を設け、トナー担
持体24に当接させた。接触部において、塗布ローラー
25の表面の移動方向がトナー担持体24の移動方向と
反対方向に移動するように回転させることによりトナー
23をトナー担持体24の上に塗布した。さらに、トナ
ー担持体24上トナーのコート層制御のために、樹脂を
コートしたステンレス製ブレード23を取付けた。ま
た、クリーニング部材34としてウレタンゴムからなる
ブレードを用いた。
【0210】静電潜像担持体としては、感光体ドラムの
製造例1で作製した感光体(1)を用い、トナーはトナ
ー(A)を用い、以下の現像条件を満足するようにプロ
セス条件を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V 現像バイアス:−450V(直流成分のみ)
【0211】トナーを補給しつつ1000枚のプリント
アウトを行い画像評価を行ったが、画像濃度やドット再
現性は共に良好であり、画像カブリ、飛び散り、中抜
け、クリーニング不良も発生せず、初期と同等の画像品
質を得た。また、感光体と現像ローラー表面を観察した
が、融着等もなく交換することを必要としなかった。
【0212】評価結果を表3に示す。
【0213】実施例2 下記の条件を除いては実施例1と同様にして行った。
【0214】トナー担持体24の回転周速を、静電潜像
担持体26との接触部分において同方向であり、該静電
潜像担持体26の回転周速に対し200%となるように
駆動した。即ち、トナー担持体24の周速は192mm
/sであり、静電潜像担持体26の表面に対する相対速
度は96mm/sである。
【0215】トナーはトナー(A)を用い、以下の現像
条件を満足するようプロセス条件を設定した。 現像バイアス:−500V(直流成分のみ)
【0216】トナーを補給しつつ1000枚のプリント
アウト試験を行ったが、画像濃度やドット再現性は共に
良好であり、画像カブリ、飛び散り、中抜け、クリーニ
ング不良も発生せず、初期と同等の画像品質を得た。ま
た、感光体と現像ローラー共に観察したが、融着等もな
く交換することを必要としなかった。評価結果を表3に
示す。
【0217】実施例3〜6 トナーとしてトナー(B)〜(E)を使用することを除
いては実施例1と同様にして評価した。結果は表3に示
すように概ね良好であった。
【0218】比較例1 比較用トナー(a)と感光体ドラム製造例2で作製した
感光体(2)を用いたことを除いては実施例1と同様し
てプリントアウト試験を行った。
【0219】以下の現像条件を満足するようプロセス条
件を設定した。 現像バイアス:−350V(直流成分のみ)
【0220】3500枚時に、クリーニング不良が発生
した。そこでクリーニング不良が発生する度にクリーニ
ングブレードを清掃しながら耐久を続けたところ、10
00枚時にプリントアウト画像の一部に感光体表面への
トナー融着に起因する画像不良が発生した。
【0221】そこで感光体を交換したところ画像不良は
消えたが、画像濃度は初期のレベルまでは回復しなかっ
た。また、50μmの孤立ドットの再現が不十分で画像
飛び散りが目立つものであった。その結果を表3に示し
た。
【0222】比較例2,3 トナーとして比較用トナー(b)と(c)を使用するこ
とを除いては実施例1と同様にしてプリントアウト試験
を行った。結果は表3に示すように、比較用トナー
(b)では、クリーニング不良による顕著な画像汚れを
生じた。また、比較用トナー(c)では、1000枚時
に軽微なクリーニング不良を生じると共に、画像濃度が
低かった。
【0223】
【表3】
【0224】実施例7 本実施例では中間転写ベルトを有する画像形成装置を用
いた。即ち、画像形成装置には、図2に示す通り、第1
の転写工程後、感光体表面に残存するトナーを除去する
ための第1のクリーニング手段として、感光体表面に当
接するクリーニング部材を有するクリーナーが第1の転
写部と感光体を帯電する帯電部との間に設けられてお
り、さらに、第2の転写工程後、中間転写体表面に残存
するトナーを除去するための第2のクリーニング手段と
して、中間転写体表面に当接するクリーニング部材を有
するクリーナーが第2の転写部より下流側であり、第1
の転写部よりも上流側に設けられている。
【0225】現像器57としては、図3に示す現像器の
構成のものを用いた。カーボンブラックを分散して抵抗
を調整したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラ
(直径16mm)をトナー担持体9とし、感光体に当接
した。トナー担持体9の表面の移動方向及び回転周速
は、感光体表面との接触部分において同方向であり、該
感光体回転周速に対し150%となるように駆動する。
つまり、トナー担持体の周速は120mm/secであ
り、感光体表面に対する相対速度は40mm/secで
ある。
【0226】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、単層構成のスポンジローラーを塗布ローラー12と
して設け、該トナー担持体に当接させた。接触部におい
て、塗布ローラー12の表面の移動方向が、トナー担持
体の移動方向と反対方向に移動するように回転させるこ
とによりトナーをトナー担持体上に塗布した。さらに、
該トナー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂
をコートしたステンレス製ブレード16を取付けた。
【0227】感光体としては、感光体製造例1で製造し
た感光体(1)を用い、トナーはトナー(A)を用い、
以下の現像条件及び転写条件を満足するよう画像形成条
件を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V 現像ローラーに印加する現像バイアス :−450V
(直流成分のみ) トナー塗布ローラーに印加するバイアス:−300V
(直流成分のみ) 第1の転写工程で中間転写体に印加する転写バイアス:
300V(直流成分のみ) 第2の転写工程で転写ローラーに印加する転写バイア
ス:1000V(直流成分のみ)
【0228】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、以下の加熱定着装置によっ
て、転写材に加熱定着した。
【0229】加熱定着装置70にはオイル塗布機能のな
い熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ
ー68、下部ローラー69共にフッ素系樹脂の表面層を
有するものを使用し、ローラーの直径は55mmであっ
た。また、定着温度は140℃、ニップ幅を7mmに設
定した。
【0230】上記の構成の画像形成装置を用いてトナー
を補給しつつ2000枚の連続画出し試験を行い画像評
価を行ったが、画像濃度、飛び散り抑制、カブリ抑制、
転写性共に良好であり、クリーナー不良も発生せず、初
期と同等の画像品質を得た。感光体、現像ローラー、中
間転写体共に観察したが、融着もなく交換することを必
要としなかった。
【0231】実施例8〜10 トナーとしてトナー(F)〜(H)を使用することを除
いては実施例6と同様にしてプリントアウト試験を行っ
た。結果は表4に示すように、概ね良好であった。
【0232】比較例4,5 トナーとして比較用トナー(b)と(c)を使用するこ
とを除いては実施例6と同様にしてプリントアウト試験
を行った。結果は表4に示すように、比較用トナー
(b)では、クリーニング不良による顕著な画像汚れを
生じた。また、比較用トナー(c)では、1500枚時
に軽微なクリーニング不良を生じると共に、画像濃度が
低かった。
【0233】
【表4】
【0234】本発明の実施例及び比較例中に記載の評価
項目の説明とその評価基準について述べる。
【0235】[プリントアウト画像評価] <1>画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定の枚数の
プリントアウトを終了した時の画像濃度により評価し
た。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス
社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリ
ントアウト画像に対する相対濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
【0236】<2>ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図4に
示す様な小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像
をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。 A:欠損2個以下/100個 B:欠損3〜5個/100個 C:欠損6〜10個/100個 D:欠損11個以上/100個
【0237】<3>画像カブリ 「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した
プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色
度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを
評価した。 A:1.5%未満 B:1.5%以上、2.5%未満 C:2.5%以上、4.0%未満 D:4.0%以上
【0238】<4>画像飛び散り 図5(a)に示した「電」文字パターンを普通紙(75
g/m2)と厚紙(128g/m2)にプリントした際の
文字周辺部へのトナー飛び散り(図5(b)の状態)を
目視で評価した。 A:ほとんど発生せず。 B:軽微な飛び散りが見られる。 C:若干の飛び散りが見られる。 D:顕著な飛び散りが見られる。
【0239】<5>画像中抜け 図6(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(128
g/m2)にプリントした際の文字の中抜け(図6
(b)の状態)を目視で評価した。 A:中抜けはほとんど発生せず。 B:軽微な中抜けが見られる。 C:若干の中抜けが見られる。 D:顕著な中抜けが見られる。
【0240】[画像形成装置マッチング評価] <1>現像スリーブとのマッチング プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留
トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目
視で評価した。 A:固着は未発生。 B:固着はほとんど発生せず。 C:固着があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、画像ムラを生じる。
【0241】<2>感光ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。 A:傷及び固着は未発生。 B:わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はな
い。 C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
【0242】<3>中間転写体とのマッチング プリントアウト試験終了後、中間転写体表面の傷や残留
トナーの固着状況を目視で評価した。 A:傷及び固着は未発生。 B:表面に残留トナーの存在が認められるものの画像へ
の影響はない。 C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。 D:固着が多く、画像欠陥を生じる。
【0243】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トナー組成物として特定の有機ジルコニウム化合物を含
有し、トナー粒子の形状分布を精密に制御することによ
り、トナーに望ましい現像性と転写性を与えることが可
能となり、ドット再現性や耐久性に優れ、高品位画像を
長期に渡って形成することができる。
【0244】また、一成分接触現像においてもトナー帯
電の迅速な立ち上がりと適度な帯電性による高品位な画
像形成性と、画像形成装置との安定したマッチングを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図で
ある。
【図2】本発明に好適な中間転写ベルトを有する画像形
成装置の概略的説明図である。
【図3】本発明の実施例に用いた一成分接触現像用の現
像装置の要部の拡大横断面図である。
【図4】トナーの現像特性をチェックするための孤立ド
ットパターンの説明図である。
【図5】文字画像の飛び散りの状態を示す模式図であ
る。
【図6】文字画像の中抜けの状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1、26 感光体ドラム 2 帯電ローラー 3 像露光手段 22 現像容器 23 トナー規制ブレード 24 トナー担持体(弾性ローラー) 25 トナー塗布ローラー 27 転写ローラー 28 転写材 30 バイアス印加手段 31 定着器 32 帯電ローラー 33 トナー 40 中間転写ベルト 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 52 第2(中間転写体)のクリーニング装置 53 第1(感光体ドラム)のクリーニング装置 62 一次転写ローラー 63 二次転写ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅教 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 CA08 CA25 DA02 DA06 EA05 EA07 EA10 2H077 AD13 AE03 EA14

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、結着樹脂、着色剤及び有機
    金属化合物を含有する乾式トナーにおいて、 .該有機金属化合物が、 (i) 金属元素としてジルコニウムを有し、配位子と
    して芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、又
    は芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯
    体あるいはジルコニウム錯塩、及び/又は、 (ii)金属イオンとしてジルコニウムイオンを有し、
    酸イオンとして芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸イオン、又は芳香族ポリカルボン酸イオ
    ンを有しているカルボン酸ジルコニウム塩であり、 .フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数
    基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該
    トナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、且
    つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995
    で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴
    とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.040未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
  4. 【請求項4】 前記フロー式粒子像測定装置で計測され
    るトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラ
    ムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナー
    粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 該トナーの結着樹脂が1〜60重量%の
    テトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、該
    THF不溶分の0.02〜90重量%がポリエステル成
    分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の乾式トナー。
  6. 【請求項6】 該トナーの結着樹脂が5〜60重量%の
    テトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、該
    THF不溶分の1〜70重量%がポリエステル成分であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    乾式トナー。
  7. 【請求項7】 該トナーの結着樹脂が15〜60重量%
    のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、
    該THF不溶分の5〜60重量%がポリエステル成分で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の乾式トナー。
  8. 【請求項8】 外部より帯電部材に電圧を印加し、静電
    潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜
    像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナー
    担持体の表面に担持されているトナーによって形成され
    るトナー層が静電潜像担持体の表面に接触し、且つ、静
    電潜像担持体の表面とトナー担持体との表面が相互に移
    動することにより静電荷像を現像してトナー像を静電潜
    像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上の
    トナー像を転写体に転写する転写工程と、転写工程後に
    静電潜像担持体の表面に残存しているトナーを回収する
    ためのクリーニング工程と、転写材上のトナー像を加熱
    定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法に
    おいて、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び有機金
    属化合物を含有する乾式トナーであって、 .該有機金属化合物が、 (i) 金属元素としてジルコニウムを有し、配位子と
    して芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、又
    は芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯
    体あるいはジルコニウム錯塩、及び/又は、 (ii)金属イオンとしてジルコニウムイオンを有し、
    酸イオンとして芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸イオン、又は芳香族ポリカルボン酸イオ
    ンを有しているカルボン酸ジルコニウム塩であり、 .フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数
    基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該
    トナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、且
    つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995
    で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴
    とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.040未満である
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%であることを特徴とする請求項8乃
    至10のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 該トナーの結着樹脂が1〜60重量%
    のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、
    該THF不溶分の0.02〜90重量%がポリエステル
    成分であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該トナーの結着樹脂が5〜60重量%
    のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、
    該THF不溶分の1〜70重量%がポリエステル成分で
    あることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該トナーの結着樹脂が15〜60重量
    %のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且
    つ、該THF不溶分の5〜60重量%がポリエステル成
    分であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか
    に記載の乾式トナー。
  15. 【請求項15】 外部より帯電部材に電圧を印加し、静
    電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電
    潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナ
    ー担持体の表面に担持されているトナーによって形成さ
    れるトナー層が静電潜像担持体の表面に接触し、且つ、
    静電潜像担持体の表面とトナー担持体との表面が相互に
    移動することにより静電荷像を現像してトナー像を静電
    潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上
    のトナー像を中間転写体に転写する第一の転写工程と、
    中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第二の転写
    工程と、第一の転写工程後に静電潜像担持体の表面に残
    存しているトナーを回収するための第一のクリーニング
    工程と、第二の転写工程後に中間転写体の表面に残存し
    ているトナーを回収するための第二のクリーニング工程
    と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを少
    なくとも有する画像形成方法において、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び有機金
    属化合物を含有する乾式トナーであって、 .該有機金属化合物が、 (i) 金属元素としてジルコニウムを有し、配位子と
    して芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、又
    は芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯
    体あるいはジルコニウム錯塩、及び/又は、 (ii)金属イオンとしてジルコニウムイオンを有し、
    酸イオンとして芳香族カルボン酸イオン、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸イオン、又は芳香族ポリカルボン酸イオ
    ンを有しているカルボン酸ジルコニウム塩であり、 .フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数
    基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該
    トナーの円相当個数平均径が2〜10μmであり、且
    つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995
    で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴
    とする画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.040未満である
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    15乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 該トナーの結着樹脂が1〜60重量%
    のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、
    該THF不溶分の0.02〜90重量%がポリエステル
    成分であることを特徴とする請求項15乃至18のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該トナーの結着樹脂が5〜60重量%
    のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且つ、
    該THF不溶分の1〜70重量%がポリエステル成分で
    あることを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 該トナーの結着樹脂が15〜60重量
    %のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を有し、且
    つ、該THF不溶分の5〜60重量%がポリエステル成
    分であることを特徴とする請求項15乃至18のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006550A (ja) * 2000-06-23 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 粉体トナーおよびその製法
JP2003043753A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Canon Inc トナー
JP2003043752A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Canon Inc トナー
JP2008076425A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びこれに用いる静電潜像現像用トナー

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JP2003043753A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Canon Inc トナー
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