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JP2000006315A - プリント配線板用熱硬化性樹脂積層板 - Google Patents

プリント配線板用熱硬化性樹脂積層板

Info

Publication number
JP2000006315A
JP2000006315A JP17496898A JP17496898A JP2000006315A JP 2000006315 A JP2000006315 A JP 2000006315A JP 17496898 A JP17496898 A JP 17496898A JP 17496898 A JP17496898 A JP 17496898A JP 2000006315 A JP2000006315 A JP 2000006315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
laminate
epoxy resin
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17496898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Iizuka
健児 飯塚
Kazuhide Sakamoto
一秀 阪本
Masayuki Isawa
正幸 石和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP17496898A priority Critical patent/JP2000006315A/ja
Publication of JP2000006315A publication Critical patent/JP2000006315A/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 面方向、厚み方向ともに線膨張係数のマッチ
ングが良好で、耐熱性に優れ、且つ従来のガラスエポキ
シ基板と同様に低コストのプリント配線板用熱硬化性樹
脂積層板を提供する。 【解決手段】 粉末状フェノール系樹脂(I)100重
量部に対し、3個以上のグリシジル基を有する多官能型
エポキシ樹脂(II)50〜450重量部を配合した樹
脂組成物をガラス繊維布に含浸してなるプリプレグを複
数枚積層して加熱プレスしたプリント配線板用熱硬化性
樹脂積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等の部品
であるプリント配線板等の材料として使用される熱硬化
性樹脂積層板及びその製造方法に関し、特に線膨張係数
が低く、耐熱性に優れた、マルチチップモジュール等の
半導体パッケージ用基板の材料として好適な熱硬化性樹
脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器をはじめとする電
子機器の小型化が急速に進み、半導体パッケージ等の電
子部品の実装密度が飛躍的に上昇するに伴って、更なる
高密度化を目的としてマルチチップモジュール等に見ら
れる様に、プリント配線板にLSI等の半導体チップを
直接接合する方法も広く行われる様になっている。この
様に半導体チップをプリント配線板に直接接合する場
合、接合部の信頼性を確保する上で、プリント配線板の
線膨張係数を半導体チップの線膨張係数(面方向で10
ppm/℃以下)に近づける必要があること、及びマル
チチップモジュールの様にパッケージ形態をとる場合に
は通常の半導体パッケージ同様200℃以上の耐熱性が
要求されること等から、従来は主にセラミック製プリン
ト配線板が使われてきた。しかしながら、セラミック製
プリント配線板では通常の樹脂製プリント配線板に比べ
て脆く取り扱いが難しいことや、2層を越える多層板の
製造が難しく配線密度の向上が困難なこと、製造コスト
が高いことなどの問題点があった。このため、最近では
ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリイ
ミド樹脂、高耐熱エポキシ樹脂等の高耐熱樹脂をガラス
やアラミド等の繊維布と複合化した樹脂製プリント配線
板を使用する例が増えてきている。
【0003】一方、これらの高耐熱樹脂製プリント配線
板に関しても、半導体チップとの面方向の線膨張係数の
マッチング(10ppm/℃以下)、スルーホール信頼
性を確保する上での基盤厚さ方向の線膨張係数とスルー
ホール内の銅めっきとの線膨張係数(30ppm/℃程
度)のマッチング、数回のはんだ付けに耐えうる耐熱性
(ガラス転移温度Tg:200℃以上、260℃はんだ
耐熱:180秒以上)、及びコスト等の面で十分満足で
きるものが無いのが現状である。例えば、高耐熱エポキ
シ樹脂をガラス繊維布に含浸した構造のものでは、ガラ
ス繊維に通常のEガラスを用いた場合で、面方向の線膨
張係数は15〜20ppm/℃、厚み方向で60〜10
0ppm/℃と大きく、耐熱性もTgが140℃前後と
マルチチップモジュール等の用途には不十分なものであ
る。また、ガラス繊維に高強度、低線膨張のSガラスや
Tガラスを使用した基板では、面方向の線膨張係数は1
0数ppm/℃と比較的小さいものの、厚み方向では6
0ppm以上と大きく、耐熱性もTgが170℃〜18
0℃と不十分であった。一方、ポリイミド樹脂やBTレ
ジン等の高耐熱型熱硬化性樹脂をガラス繊維布に含浸し
た基板では、耐熱性に関してはTgは200℃以上と良
好であるが線膨張係数についてはエポキシ樹脂をガラス
繊維布に含浸したものと同程度である上、コスト的には
ガラスエポキシ基板に比べ遥かに高価であった。
【0004】また、フェノール系樹脂とエポキシ樹脂と
の樹脂組成物を積層板に利用する例としては、特開平6
−97596号公報、特表平7−509022号公報、
特公昭62−35417号公報、特開昭58−1520
45号公報、特開平1−74211号公報、特開平2−
129233号公報、特開平2−129234号公報等
に開示されている。しかしながら、これらの公報に記載
された技術はいずれも、積層板の線膨張係数、耐熱性な
どのプリント配線板に必要な特性を満足するものではな
かった。例えば、まず、特開平6−97596号公報で
はノボラック型フェノール樹脂と各種エポキシ樹脂との
組成物を用いたプリント配線板が開示されているが、そ
こで示されたプリント配線板は、Tgも低く、はんだ耐
熱の評価も260℃×20秒と耐熱性が不十分である。
次に、特表平7−509022号公報ではフェノール硬
化性のエポキシ樹脂成型コンパウンドについて開示され
ており、グリシジルアミン型エポキシ樹脂を配合した組
成についても例示されているが、フェノール樹脂は通常
のノボラック型フェノール樹脂もしくはノボラック樹脂
の変性樹脂であり、この樹脂組成物から得られる積層板
は、線膨張係数、耐熱性が不十分である。またグリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂を単独で用いた例は開示されて
いない。
【0005】特開平1−74211号公報、および特開
平2−129234号公報では粉末状フェノール系樹脂
もしくは通常のレゾール樹脂もしくはノボラック樹脂と
各種エポキシ樹脂と充填物質とからなる組成物を使用し
たプリプレグについて開示されているが、電子部品用と
してのプリント配線板として重要な特性である電気特
性、耐熱性、線膨張係数等を満足するものではない。ま
た、特開昭58−113243号公報、特開昭58−1
52045号公報では粉末状フェノール系樹脂と他の熱
硬化性樹脂、並びに充填物質とからなる樹脂組成物が開
示されており、該熱硬化性樹脂として各種のエポキシ樹
脂、充填物質としてガラス繊維の例示がなされている
が、耐熱性、線膨張係数などを満足するものではなかっ
た。更に特開平2−129233号公報においては粉末
状フェノール系樹脂を使用した熱硬化性樹脂溶液が開示
されている。しかしながら詳しく例示されているのは当
該フェノール系樹脂単体を樹脂溶液とした場合のみであ
り、開示されている特性も機械的特性のみに止まり、プ
リント配線板として重要な電気特性等についての技術の
開示はなされておらず、且つ他の樹脂との組成物に関し
ても例えばエポキシ樹脂等との配合について具体的な配
合比率などの記載はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであり、面方向、厚み方向ともに
線膨張係数のマッチングが良好で、耐熱性に優れ、且つ
従来のガラスエポキシ基板と同様に低コストのプリント
配線板用熱硬化性樹脂積層板を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の熱硬化
性粉末状フェノール系樹脂に特定の多官能型エポキシ樹
脂を所定量配合した樹脂組成物をガラス繊維布に含浸さ
せたプリプレグを用いて積層板を製造することによっ
て、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完
成するに至ったものである。
【0008】すなわち本願は下記(1)(2)の発明を
提供するものである。 (1)下記(A)〜(D)の特性を有する粉末状フェノ
ール系樹脂(I)100重量部に対し、3個以上のグリ
シジル基を有する多官能型エポキシ樹脂(II)50〜
450重量部を配合した樹脂組成物をガラス繊維布に含
浸してなるプリプレグを複数枚積層して加熱プレスした
ことを特徴とするプリント配線板用熱硬化性樹脂積層
板。 (A)G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)による測定値として、ポリスチレン換算重量
平均分子量が1,000以上であり、(B)液体クロマ
トグラフィーによる測定値として、遊離フェノール含有
量が500ppm以下であり、(C)フェノール類とホ
ルムアルデヒドとの縮合物であり、(イ)実質的に炭
素、水素及び酸素原子から構成されており、(ロ)メチ
レン基、メチロール基、並びにフェノール類の3官能性
の残基を主たる結合単位として含有しており、(ハ)該
3官能性の残基はフェノール類の2,4及び6位の一箇
所でメチレン基と結合しそして少なくとも他の一箇所で
メチロール基及び/又はメチレン基と結合しており、そ
して(ニ)KBr錠剤法による赤外吸収スペクトルにお
いて、1600cm-1(ベンゼンに帰属する吸収ピー
ク)の吸収強度をD1600、990〜1015cm-1(メ
チロール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最も大きな
吸収強度をD990-10 15、890cm-1(ベンゼン核の孤
立水素原子の吸収ピーク)の吸収強度をD890 、で表し
た場合に、 D990-1015/D1600=0.2〜9.0 D890 /D1600=0.05〜0.7 であり、かつ(D)粒径0.1〜100μmの球形一次
粒子及びその二次凝集物を含有する。 (2)前記多官能型エポキシ樹脂(II)が、芳香族ア
ミンとエピクロルヒドリンとの反応から得られる芳香族
グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂であることを特
徴とする(1)項記載のプリント配線板用熱硬化性樹脂
積層板。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明に用いる樹脂組成物
の各成分について説明する。 (I)粉末状フェノール系樹脂 本発明においては、前記(A)〜(D)の特性を有する
粉末状フェノール系樹脂を用いる。前記(A)で規定す
る重量平均分子量は好ましくは3,000以上であり、
上限は特に制限はないが通常12,000程度である。
前記(B)で規定する遊離フェノール含有量は好ましく
は300ppm以下であり、下限は特に制限はないが通
常50ppm以上である。
【0010】前記(C)で規定するように、粉末状フェ
ノール系樹脂はフェノール類とホルムアルデヒドとの縮
合物であり、フェノール、又は少なくとも50重量%特
に少なくとも70重量%のフェノールを含有するフェノ
ールと、例えばo−クレゾール、m−クレゾール、p−
クレゾール、ビス−フェノールA、o−,m−又はp−
アルキル(好ましくは炭素数2〜4のアルキル)フェノ
ール、p−フェニルフェノール、キシレノール、レゾル
シノール等公知のフェノール誘導体の1種又はそれ以上
との混合物と、ホルムアルデヒドとの縮合物を包含す
る。本発明で用いる粉末状フェノール系樹脂は、前記
(C)(ロ)で規定するメチレン基、メチロール基、フ
ェノール類の3官能性の残基という3種の主たる結合単
位を、(ハ)及び(ニ)で規定する関係を満足するよう
に有する。ここで、フェノール類の3官能性の残基と
は、フェノール又は前記フェノール誘導体に由来するフ
ェノール性水酸基の他に少なくとも2つの結合手を有す
る残基を意味する。ここで、前記(C)(ニ)で規定す
る赤外吸収スペクトルにおける吸収強度は次のようにし
て求められるものである。
【0011】赤外線吸収スペクトルの測定及び吸収強度
の求め方(添付図面の図1参照) まず、赤外線分光光度計を用い、通常のKBr錠剤法に
より調製した測定用試料について赤外線吸収スペクトル
を測定する。次に特定波長における吸収強度は次のよう
にして求める。測定した赤外線吸収スペクトル図におけ
る、吸収強度を求めようとするピークにベースラインを
引く。そのピークの頂点の透過率をtp で表わし、その
波長におけるベースラインの透過率をtb で表わすと、
その特定波長における吸収強度Dは下記式で与えられ
る。 D=log(tb /tp ) 従って、例えば890cm-1のピークの吸収強度と16
00cm-1のピークの吸収強度との比は、上記式で求め
たそれぞれの吸収強度の比(D890 /D1600)として与
えられる。
【0012】本発明に用いられる粉末状フェノール樹脂
は、赤外吸収スペクトルにおける吸収強度についてD
990-1015/D1600=0.2〜9.0であり、好ましくは
0.4〜5.0、さらに好ましくは0.4〜3.0であ
る。このような値を有するということは、分子中に適度
な量の反応性メチロール基を含有していることを示して
いる。この値が上記範囲の上限値を超えると、樹脂の硬
化速度が速くなってワニスの保存安定性が低下し、含浸
作業性の低下を招くこととなる。一方、D990-1015/D
1600の値が上記範囲の下限値を下回ると樹脂組成物を硬
化せしめたときの架橋密度が低下し、線膨張係数や耐熱
性の特性が低下する。同様に、本発明に用いられる粉末
状フェノール樹脂は、赤外吸収スペクトルにおける吸収
強度についてD890 /D1600=0.05〜0.7であ
り、好ましくは0.07〜0.5、さらに好ましくは
0.07〜0.2である。このような範囲の値を有する
ということは、樹脂中のフェノール骨格のオルト及びパ
ラ位が適度にメチレン結合又はメチロール基によって置
換されていることを示している。この値が前記範囲の上
限値を越えると樹脂組成物を硬化したときの架橋密度が
低下して線膨張係数や耐熱性が悪化し、また上記範囲の
下限値未満であるとワニス粘度の上昇をもたらし、含浸
作業性が低下するため好ましくない。
【0013】また、前記(D)で規定する一次粒子の粒
径は、好ましくは0.5〜40μmである。なお、本発
明で用いられる前記粉末状フェノール樹脂に対して、従
来公知のフェノール樹脂である例えばノボラック樹脂や
レゾール樹脂では、G.P.C.によるポリスチレン換
算重量平均分子量が通常1,000未満であり、且つ赤
外吸収スペクトルにおける吸収強度についてD990-1015
/D1600およびD890 /D1600の両方あるいはどちらか
一方が前記本発明で規定した範囲の下限よりも低い値と
なる。このことは、前記特性について規定した条件を満
たす本発明で用いられる粉末状フェノール系樹脂は、ノ
ボラック樹脂やレゾール樹脂と比較して分子量が大き
く、且つメチレン架橋密度が低く、適度な反応性メチロ
ール基を含有している事を示している。本発明で用いら
れる粉末状フェノール系樹脂(I)は、常法により、例
えば特開昭58−113243号公報記載の方法により
製造することができる。また本発明で用いることができ
る粉末状フェノール系樹脂の市販品として、例えば鐘紡
(株)製の「ベルパール」(商品名)を挙げることがで
きる。
【0014】(II)多官能型エポキシ樹脂 本発明においては、3個以上のグリシジル基を有する多
官能型エポキシ樹脂を用いる。前記多官能型エポキシ樹
脂は、ジアミノジフェニルメタン、メタキシリレンジア
ミン等の芳香族アミンとエピクロルヒドリンとの反応か
ら得られる芳香族グリシジルアミン型多官能エポキシ樹
脂であることが好ましい。また、本発明において好まし
く用いられる芳香族グリシジルアミン型多官能エポキシ
樹脂としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、テトラグリシジルメタキシリレンジアミ
ン、トリグリシジルアミノフェノールなどの樹脂を挙げ
ることができる。本発明で用いられる多官能型エポキシ
樹脂(II)は、常法により製造することができる。ま
た本発明で用いることができる市販品としては、例えば
東都化成(株)製の「エポトート YH−434」(商
品名)を挙げることができる。
【0015】本発明においては、粉末状フェノール系樹
脂(I)100重量部に対して、多官能型エポキシ樹脂
(II)50〜450重量部、好ましくは60〜420
重量部、さらに好ましくは67〜400重量部を配合し
て樹脂組成物を得る。この多官能型エポキシ樹脂の量が
前記範囲より少なすぎると積層板の吸水率が高く(耐湿
性が低く)なり、また、耐マイグレーション性が低下
し、逆にこの量が多すぎると線膨張係数が大きくなり、
チップ搭載時の信頼性が悪くなるために好ましくない。
また、本発明において積層板の耐燃性を向上させる目的
で、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲ
ン化合物、クレジルジフェニルホスフェート等のリン化
合物、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム等の無機難燃
剤、その他の難燃剤を樹脂組成物に配合してもよい。
【0016】以下、前記樹脂組成物からの本発明のプリ
ント配線板用熱硬化性樹脂積層板の製造について述べ
る。樹脂組成物からのプリプレグの製造、プレスによる
硬化、アフターキュアの各工程は、常法にしたがって行
うことができる。まず、前記粉末状フェノール系樹脂
(I)と多官能型エポキシ樹脂(II)を含んでなる樹
脂組成物を、例えば、メチルエチルケトンなどの適当な
溶媒に溶解させて樹脂溶液を得る。または、樹脂
(I)、(II)をそれぞれ溶解した後、単にそれらの
溶液を混合しもしくはさらに溶媒を加えても混合しても
よい。次に、得られた樹脂溶液を、SガラスクロスやE
ガラスクロスなどのガラス繊維布に含浸させ、加熱乾燥
により溶媒を除いてプリプレグを得る。ガラス繊維布は
予めシランカップリング処理などにより表面処理を施し
ておいてもよい。次に、プリプレグを2枚以上、好まし
くは2〜4枚積層して加熱プレスし、アフターキュアし
て本発明のプリント配線板用積層板を得る。本発明のプ
リント配線板用熱硬化性樹脂積層板の厚さは、特に制限
されるものではないが、通常0.05〜1.5mmであ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。特性試験の方法を以下に述べる。 (1)線膨張係数 JIS C6481に準拠して測定した。得られた積層
板を面方向:1.0cm×0.5cm、厚み方向:0.
5cm×0.5cmに切断したものを試料とし、試料に
荷重2gをかけ、昇温速度2℃/分で25℃〜200℃
の温度範囲で測定した線膨張係数について、試料の面方
向と厚み方向それぞれの平均値で示した。面方向の線膨
張係数で10以下、厚み方向では60以下を合格、これ
らを越える場合を不合格とする。 (2)ガラス転移温度 得られた積層板についてJIS C4681により、T
MA法で測定した。耐熱性の点からは200℃以上を合
格、200℃未満を不合格とする。 (3)260℃はんだ耐熱 得られた積層板について、JIS C6481に従って
試験した。260℃のはんだ浴に浸漬し、表面の銅箔に
ふくれが生じるまでの時間(秒)で示した。耐熱性の点
から、180秒以上を合格、それ未満を不合格とする。 (4)吸水率 JIS C6481により試験した。数値が小さい程、
吸水性がよいことを意味する。 (5)体積抵抗率 JIS C6481により試験した。 (6)誘電率、誘電正接 JIS C6481により試験した。 (7)耐マイグレーション性(電気特性) 両面に銅箔層を設けた銅張り積層板の表面にエッチング
により櫛形対向電極(配線巾0.1mm、配線間のすき
間0.1mm)を形成して85℃、85%RHでDC5
0Vの電圧をかけた。結果を108 Ω以上の抵抗値を保
持した時間(時間)で示した。プリント配線板用積層板
として、この結果が1000時間以上のものを合格と
し、それ未満のものを不合格とする。
【0018】(実施例1)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:鐘紡(株)製ベルパール S890]1
00重量部と、テトラグリシジルジアミノジフェニルメ
タン樹脂[商品名:東都化成(株)製エポトート YH
−434、エポキシ当量110〜140g/eq]10
0重量部とをメチルエチルケトンに溶解して50重量%
樹脂溶液とした。この樹脂溶液を、予めシランカップリ
ング剤により表面処理を施したガラス繊維布(Sガラス
クロス、0.18mm厚)に含浸させ、加熱乾燥してプ
リプレグを得た。このプリプレグを3枚積層し、温度1
80℃で加熱プレスして積層板を製造した。この積層板
を240℃でアフターキュアした後、25℃に放冷して
プリント配線板用積層板を得た。得られたプリント配線
板用積層板について特性を試験した。なお、電気特性の
試験については、積層プレス時に、表裏両面に9μm厚
の銅箔を同時にプレスした銅張り積層板を使用した。結
果を表1に示す。いずれの特性にも良好な結果が得られ
たことがわかる。
【0019】(実施例2)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:鐘紡(株)製ベルパール S890]1
00重量部とテトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン樹脂150重量部とをメチルエチルケトンに溶解して
50重量%樹脂溶液を作成した。以下、ガラス繊維布と
してEガラスクロス(0.18mm厚)を使用した以外
は実施例1と同一条件で積層板を作成し、各種特性の試
験を行った。結果を表1に併せて示す。表1から、線膨
張係数、耐熱性ともSガラスを使用した実施例1と比べ
ても遜色のない結果が得られたことがわかる。 (実施例3、4)表1に示した組成および積層板構成に
変えた以外は実施例1と同様にして積層板を作成して同
様の試験を行い、その結果を表1に示した。何れの実施
例においても線膨張係数、耐熱性、電気特性は良好な結
果を示している。
【0020】
【表1】
【0021】(比較例1)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:ベルパール S890]200重量部を
メチルエチルケトンに溶解して50重量%樹脂溶液を作
成した以外は実施例1と同様にして積層板を作成し、同
様の試験を行った。結果を表2に示す。各実施例に比べ
特性が低く、特に吸水率、耐マイグレーション性で著し
く劣る結果であった。 (比較例2)熱硬化性粉末状フェノール系樹脂[商品
名:ベルパール S890]100重量部と、テトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン樹脂40重量部とを
メチルエチルケトンに溶解して50重量%樹脂溶液とし
た後、実施例1と同様にして積層板を作成し同様の試験
を行った。結果を表2に示す。各実施例と比べて耐熱
性、線膨張係数、吸水率、耐マイグレーション性の各項
目とも劣っていることがわかる。
【0022】(比較例3)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:ベルパール S890]100重量部
と、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン樹脂5
00重量部とをメチルエチルケトンに溶解して50重量
%樹脂溶液とした後、実施例2と同様にして積層板を作
成し、同様の試験を行った。結果を表2に示す。各実施
例と比較して線膨張係数が大きく著しく劣った結果であ
った。 (比較例4)高耐熱ガラスエポキシ積層板[アメリカ電
気工業規格(NEMA)FR−5相当品、板厚0.6m
m]について実施例1と同様に各種特性の評価を行っ
た。結果を表2に示した。厚み方向の線膨張係数、耐熱
性に劣るものであった。
【0023】(比較例5)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:鐘紡(株)製ベルパール S890]1
00重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂
[商品名:日本化薬(株)製BREN−S、エポキシ当
量280g/eq、臭素含有量35%]100重量部と
をメチルエチルケトンに溶解して50重量%樹脂溶液と
した後、実施例2と同様にして積層板を作成し、同様の
試験を行なった。結果を表2に併せて示す。吸水率、初
期の電気特性等については良好であったが、実施例に比
較すると260℃はんだ耐熱、及び耐マイグレーション
性が著しく劣る結果であった。 (比較例6)フェノール系樹脂としてノボラック樹脂
[商品名:昭和高分子(株)製ショウノールBRG−5
56]100重量部と、テトラグリシジルジアミノジフ
ェニルメタン樹脂[商品名:東都化成(株)製エポトー
ト YH−434、エポキシ当量110〜140g/e
q]120重量部とをメチルエチルケトンに溶解して5
0重量%樹脂溶液とした後、実施例1と同様にして積層
板を作成し、同様の試験を行った。結果を表2に併せて
示す。線膨張係数、耐熱性に著しく劣るものであった。
【0024】(比較例7)熱硬化性粉末状フェノール系
樹脂[商品名:鐘紡(株)製ベルパール S890]1
00重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[商品
名:東都化成(株)製エポトート YDB−400、エ
ポキシ当量400g/eq、臭素含有量48%]100
重量部とをメチルエチルケトンに溶解して50重量%樹
脂溶液とした後、実施例2と同様にして積層板を作成
し、同様の試験を行なった。結果を表2に併せて示す。
吸水率、初期の電気特性等については良好であったが、
比較例5と同様に、260℃はんだ耐熱、及び耐マイグ
ラーション性が著しく劣る結果であった。
【0025】
【表2】
【0026】また表3には、実施例及び比較例で使用し
たフェノール系樹脂の赤外吸収スペクトル法による99
0〜1015cm-1と890cm-1の吸収強度の160
0cm-1の吸収強度に対する比(IR吸収強度比)、重
量平均分子量、及び一次粒子の粒径をそれぞれ求めた結
果を示した。
【0027】
【表3】
【0028】(比較例8)特公昭62−35417号公
報に記載の参考例1、Run No.6の原料・製法で
粉末状フェノール樹脂を合成し、IR吸収強度比を測定
した。また実施例1と同様の樹脂比率のワニスを調製
し、積層板を作成して、ワニスの150℃におけるゲル
タイムとTMA法による積層板のガラス転移温度を測定
した。結果を表4に示す。これより、耐熱性は優れてい
るものの150℃のゲルタイムが短く、プリプレグが硬
化過多となり積層板の外観が悪いことがわかる。 (参考例)特公昭62−35417号公報に記載の参考
例1、Run No.10の原料・製法で粉末状フェノ
ール樹脂を合成し、比較例8と同様の評価を行ったが、
表4に示した通り、150℃のゲルタイムは実施例1よ
りも長くワニスの保存安定性が良好であり、積層板の外
観も良好であったが、積層板の耐熱性がやや劣る結果と
なった。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明においては、特定の粉末状フェノ
ール系樹脂に特定の多官能型エポキシ樹脂を所定量添加
した樹脂組成物を用いてプリント配線板用積層板を得て
いることにより、硬化時の架橋密度を高くする事が出来
る上、添加するエポキシ樹脂の分子自身も立体障害が大
きく、分子の剛性が高いため耐熱性、線膨張係数を大き
く改善することができ、通常線膨張の大きいEガラス繊
維布との組み合わせにおいても十分低い線膨張係数を実
現することが出来る。また、エポキシ樹脂が粉末状フェ
ノール系樹脂の水酸基と反応することで樹脂中の親水性
基を減少させることができ、耐水性や電気特性の改善に
寄与する。また、使用するガラス繊維についても、高強
度、低線膨張のSガラスはもとより、より安価なEガラ
スでも十分な特性を得る事が出来るため、より低コスト
でプリント配線板用積層板を提供することが出来るとい
う利点も備えている。以上のように本発明の熱硬化性樹
脂積層板は、200℃以上の耐熱性を持ち、面方向で1
0ppm/℃以下、厚み方向でも60ppm/℃以下と
従来の熱硬化性樹脂積層板よりも低い極めて良好な線膨
張率を実現したものであるため、特にマルチチップモジ
ュール等の高耐熱、高寸法安定性が要求される用途に好
適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた粉末状フェノール系樹
脂の赤外線吸収スペクトルである。図中に、特定波長の
ピークにおける吸収強度を求める方法も示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610K 610L

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(D)の特性を有する粉末
    状フェノール系樹脂(I)100重量部に対し、3個以
    上のグリシジル基を有する多官能型エポキシ樹脂(I
    I)50〜450重量部を配合した樹脂組成物をガラス
    繊維布に含浸してなるプリプレグを複数枚積層して加熱
    プレスしたことを特徴とするプリント配線板用熱硬化性
    樹脂積層板。 (A)G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィー)による測定値として、ポリスチレン換算重量
    平均分子量が1,000以上であり、 (B)液体クロマトグラフィーによる測定値として、遊
    離フェノール含有量が500ppm以下であり、 (C)フェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物であ
    り、 (イ)実質的に炭素、水素及び酸素原子から構成されて
    おり、 (ロ)メチレン基、メチロール基、並びにフェノール類
    の3官能性の残基を主たる結合単位として含有してお
    り、 (ハ)該3官能性の残基はフェノール類の2,4及び6
    位の一箇所でメチレン基と結合しそして少なくとも他の
    一箇所でメチロール基及び/又はメチレン基と結合して
    おり、そして (ニ)KBr錠剤法による赤外吸収スペクトルにおい
    て、1600cm-1(ベンゼンに帰属する吸収ピーク)
    の吸収強度をD1600、990〜1015cm-1(メチロ
    ール基に帰属する吸収ピーク)の範囲の最も大きな吸収
    強度をD990-1015、890cm-1(ベンゼン核の孤立水
    素原子の吸収ピーク)の吸収強度をD890 、で表した場
    合に、 D990-1015/D1600=0.2〜9.0 D890 /D1600=0.05〜0.7 であり、かつ (D)粒径0.1〜100μmの球形一次粒子及びその
    二次凝集物を含有する。
  2. 【請求項2】 前記多官能型エポキシ樹脂(II)が、
    芳香族アミンとエピクロルヒドリンとの反応から得られ
    る芳香族グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板用熱硬
    化性樹脂積層板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011179001A (ja) * 2011-03-28 2011-09-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグ、回路基板および半導体装置
JP2012057169A (ja) * 2011-11-14 2012-03-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリプレグ、回路基板および半導体装置

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