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JP2000001559A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体及びその製造方法

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Publication number
JP2000001559A
JP2000001559A JP16646498A JP16646498A JP2000001559A JP 2000001559 A JP2000001559 A JP 2000001559A JP 16646498 A JP16646498 A JP 16646498A JP 16646498 A JP16646498 A JP 16646498A JP 2000001559 A JP2000001559 A JP 2000001559A
Authority
JP
Japan
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polyester resin
weight
pat
dicarboxylic acid
aromatic dicarboxylic
Prior art date
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Application number
JP16646498A
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Inventor
Hiroyuki Ueno
裕之 上野
Takaaki Hirai
孝明 平井
Minoru Fujishima
稔 藤島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Plastics Co Ltd filed Critical Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication of JP2000001559A publication Critical patent/JP2000001559A/ja
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の
持つ良好な特性をそのまま保持していて、さらに低温に
おける耐衝撃性の改良された発泡体を提供しようとする
ものである。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘ
キサンジメタノールとが縮合してなるポリエステル系樹
脂8〜80重量%と、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二
価アルコールとが縮合してなるポリエステル系樹脂20
〜92重量%とからなる組成物を作り、これを発泡させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂発泡成形体、及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、こ
れをPATという)は、芳香族のジカルボン酸と、二価
のアルコール、すなわちジオールとを混合し、その間で
エステル化反応を行わせて得られた高分子量の鎖状ポリ
エステルである。ジカルボン酸としてはフタル酸とくに
テレフタル酸又はイソフタル酸が多く用いられ、ジオー
ルとしては脂肪族アルコール、とくにエチレングリコー
ル又はジエチレングリコールが多く用いられた。この樹
脂の代表的なものは、ポリエチレンテレフタレートであ
る。
【0003】PATは、無害で無色透明であり、抗張
力、耐衝撃性などの機械的強度が大きく、寸法安定性、
耐熱性及び耐候性も良好であるため、食品を始めとする
各種の容器類、とりわけ瓶、及び磁気テープ用のフィル
ムに成形して、広く利用されている。
【0004】容器のうちでも食品容器用にPATを使用
するときは、少なくとも100℃における高温耐熱性
と、−20℃以下における低温耐衝撃性とが必要とされ
る。それは、食品を容器に入れたままこれを電子レンジ
に入れて、食品を加熱することが行われているからであ
り、食品を保存するために食品を容器に入れたまま−2
0℃以下の温度で貯蔵することが行われているからであ
る。
【0005】PATを食品容器にするときは、PATを
発泡させることが多い。それは、発泡体にすると容器が
軽量となるからであり、また熱絶縁性が良くなって、電
子レンジで食品を加熱した状態でも、手で直接容器を持
つことが可能となるからである。従来のPAT発泡体で
作った食品容器は加熱時の強度は充分であったが、低温
耐衝撃性に乏しいという欠点があった。そこで、さらに
低温耐衝撃性の良好なPAT発泡体製容器の出現が望ま
れた。
【0006】特公平7−8531号公報は、PAT発泡
体の常温での耐衝撃性を改良する方法を提案している。
これによれば、1〜6重量%のポリオレフィンをPAT
に添加して組成物とし、この組成物を発泡させて発泡体
にすると、この発泡体は常温での耐衝撃性が向上してい
ると云うのである。確かに常温での耐衝撃性は向上する
が、この発明者が試みた試験では、この発泡体は−20
℃での耐衝撃性は向上しなかった。
【0007】他方、広義のPATに属するかも知れない
が、その中の特殊なものとして耐熱及び耐寒性の良好な
熱可塑性ポリエステル樹脂が知られている。それは、芳
香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘキサンジメタノー
ルとの間でエステル化反応を行わせて得られた高分子量
の鎖状エステル(以下、これをPET−Xという)であ
る。実際、PET−Xで作られた食品容器も市販されて
いる。ところが、その容器は専ら非発泡の容器である。
非発泡とされた理由は、PET−Xを発泡させようとし
ても、これを発泡させることが困難であり、とくに外観
の良い発泡体とすることができなかったからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の希
望に応じたものであって、従来のPAT発泡体の持つ良
好な特性をそのまま保持しており、さらに低温における
耐衝撃性が改良された発泡体を提供しようとするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明者は、従来のP
ATにPET−Xを混合し、この混合物を押し出し発泡
させることによって上記課題の解決を図ろうとした。こ
こで、PATとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二価
アルコールとが縮合してなるものであるが、PET−X
は脂肪族の二価アルコールの代わりに、1、4−シクロ
ヘキサンジメタノール(以下、これをCHDMという)
のような脂環族の二価アルコールを用いて、芳香族ジカ
ルボン酸との間で縮合反応を行わせて得られたものであ
る。
【0010】このように、PET−XはPATに比べる
と、その中に含まれている二価アルコールの性質が異な
るので、その物性もまた異なっている。このようなPE
T−XとPATとを混合して組成物とするには、両者の
極限粘度を基準にして、極限粘度の値の近いもの同士を
混合するのが良いことをこの発明者は見出した。具体的
には、PET−XとPATとの間の極限粘度の差が0.
3以下のものを用いると、PET−XとPATとの均一
な組成物を作り易く、またこの組成物を発泡させ易いこ
とを、この発明者は見出した。
【0011】また、PET−XとPATとの組成物を押
し出し発泡法によって一様に且つ円滑に発泡させるに
は、PET−Xが8〜80重量%を占め、PATが20
〜92重量%を占めるような組成物とすることが、必要
であることを見出した。さらに、PET−Xが8〜80
重量%を占め、PATが20〜92重量%を占めている
組成物を発泡させてなる成形体は、−20℃以下の低温
における耐衝撃性が改良されており、従って、冷凍され
た状態で衝撃を受けても割れにくくなっていることを見
出した。この発明は、このような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0012】この発明は、PATとPET−Xとからな
る組成物で作られた発泡成形体と、その製造方法と、上
記組成物を発泡させ且つ容器状に成形してなる食品容
器、とを含んでいる。
【0013】そのうち、発泡成形体に関する発明は、芳
香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘキサンジメタノー
ル(CHDM)とが縮合してなるポリエステル系樹脂
(PET−X)8〜80重量%と、芳香族ジカルボン酸
と脂肪族の二価アルコールとが縮合してなるポリエステ
ル系樹脂(PAT)20〜92重量%とからなる、組成
物の発泡体で作られていることを特徴とするものであ
る。
【0014】また、製造方法の発明は、芳香族ジカルボ
ン酸と1、4−シクロヘキサンジメタノール(CHD
M)とが縮合してなるポリエステル系樹脂(A)(PE
T−X)と、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二価アルコ
ールとが縮合してなるポリエステル系樹脂(B)(PA
T)の中から、樹脂の極限粘度の差が0.3以下のもの
を選び、ポリエステル系樹脂(A)(PET−X)が8
〜80重量%を占め、ポリエステル系樹脂(B)(PA
T)が20〜92重量%を占める割合に混合し、この混
合物を押出機に入れて押出機内で溶融し混練して組成物
とし、この組成物に発泡剤を圧入してのち、これを低圧
領域へ押し出して発泡させることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、食品容器の発明は、芳香族ジカルボ
ン酸と1、4−シクロヘキサンジメタノール(CHD
M)とが縮合してなるポリエステル系樹脂(PET−
X)が8〜80重量%を占め、芳香族ジカルボン酸と脂
肪族の二価アルコールとが縮合してなるポリエステル系
樹脂(PAT)が20〜92重量%を占める組成物を、
2〜15倍に発泡させてなるシートを容器状に成形した
ことを特徴とするものである。
【0016】これらの発明の理解を容易にするために
は、まず製造方法の発明について理解を深めるのがよい
と考えられるので、まず製造方法の発明から説明する。
製造方法では、原料としてPATとPET−Xとが用い
られる。
【0017】PATは、前述のように、芳香族ジカルボ
ン酸と脂肪族の二価アルコールとが縮合して得られた高
分子量の鎖状ポリエステルである。芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸とイソフタル酸とを使用したも
のが多いが、ナフタレンジカルボン酸やジフェニルエー
テルジカルボン酸などを使用したものもある。また、脂
肪族の二価アルコールとしては、エチレングリコールを
使用したものが多いが、トリメチレングリコール、ジエ
チレングリコール等を使用したものもある。この発明で
は、このようなPATを使用することができる。
【0018】この発明でPATとして使用するに好適な
ものは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレ
ンナフタレート等である。
【0019】PET−Xは、前述のように芳香族ジカル
ボン酸とCHDMとが縮合したものである。PET−X
の中には、それを構成している全アルコールがCHDM
であるものもあるが、そうでないものもある。PET−
Xの中にはアルコールの一部にグリセリンやペンタエリ
スリトールのような三価又は四価のアルコールを少量含
んでいるものもある。また、芳香族ジカルボン酸として
は、テレフタル酸とイソフタル酸を用いたものが多い
が、トリメリット酸やピロメリット酸のように、三塩基
酸又は四塩基酸を少量用いたものもある。これらのこと
を考慮すると、この発明ではPET−Xとしてそれを構
成する全アルコール中でCHDMが50重量%以上を占
めるものを使用することができる。PET−X中の全ア
ルコールがCHDMとされたものも市販されており、イ
ーストマンケミカル社からサーメックス6761という
商品名で販売されているものは、このようなものであ
る。
【0020】この発明ではPATとPET−Xの中か
ら、それらの樹脂の極限粘度の値が近いものを選んで用
いる。極限粘度を測るには、樹脂をテトラクロロエタン
とフェノールとが1対1の割合で混合された混合溶剤を
用い、この溶剤100ccに1.0gの樹脂を溶解させ
て樹脂溶液を作り、この樹脂溶液の20℃における粘度
を測定して、これから算出する。極限粘度の値が近い、
と云うのはその差が0.3以下である場合を云うのであ
る。その中では、その差が0.25以下であるものを用
いるのがさらに好ましい。それは、極限粘度の値が近い
と、2つの樹脂を溶融して混練したとき、2つの樹脂が
容易に混練でき、従って容易に均一な組成物とすること
ができるため、押出発泡の際、樹脂温度を下げることが
でき、良好な発泡体を製造できるからである。
【0021】この発明では、PATとPET−Xとを混
合するに際して、PET−Xが樹脂全体の8〜80重量
%を占め、PATが20〜92重量%を占めるようにす
る。そのうちで好ましいのは、PET−Xが8〜60重
量%を占め、PATが40〜92重量%を占める割合で
あり、最も好ましいのは、PET−Xが15〜45重量
%を占め、PATが55〜85重量%を占める割合であ
る。
【0022】上記の割合に限定する理由は、これを押出
成形するときの操作の容易さと、押し出しによって作ら
れた製品の性質とに由来している。すなわち、PET−
Xが樹脂全体のうちの80重量%を越えた混合物では、
押出機の温度を高くしないと押し出しが困難となるた
め、押出機の温度を高くして押出成形を行うことになる
が、そうすると樹脂が熱分解を起こして良好な発泡体を
得ることができなくなるからである。逆に、PET−X
が8重量%未満の混合物では、これを押出成形すること
は容易であるが、得られた発泡体は低温耐衝撃性の改良
されたものにならないからである。
【0023】押出機としては、単軸押出機と二軸押出機
との何れをも用いることができる。押出機の内部で樹脂
が丁度溶融されて均一な組成物となっているバレル部分
に、発泡剤の圧入口を設けて、ここから組成物中に発泡
剤を圧入する。
【0024】発泡剤としては、既に知られている各種の
発泡剤を用いることができる。発泡剤は大きく分ける
と、物理発泡剤と化学発泡剤とに分けられるが、その中
では物理発泡剤を用いることが好ましい。物理発泡剤
は、さらに不活性ガス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環
族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等
に分類されるが、この発明ではその何れをも使用するこ
とができる。飽和脂肪族炭化水素としては、プロパン、
ノルマル又はイゾブタン、ノルマル又はイソペンタン、
又はこれらの混合物を使用することができる。また、飽
和脂環族炭化水素としてはシクロヘキサンを使用するこ
とができる。ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチ
ル、各種フロンを用いることができる。エーテルとして
はジメチルエーテル、メチルターシャリブチルエーテル
を使用することができる。ケトンとしてはアセトンを用
いることができる。これらは単独で用いることもできる
が、また混合して用いることもできる。
【0025】押出機内で発泡剤を含浸された樹脂組成物
は、押出機の先端に付設された口金から低圧領域へ、通
常は大気中へ押し出される。口金には所定のオリフィス
が設けられているので、樹脂組成物はオリフィスの通過
により形を整えられて成形体となる。成形体はオリフィ
スを出た瞬間から発泡して発泡体となる。こうして、熱
可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体が得られる。
【0026】PATとPET−Xとは、何れも溶融粘度
及び溶融張力が低いため、押出発泡が困難である。そこ
で、これを容易にするために、粘弾性改良剤を添加する
ことが好ましい。好ましい粘弾性改良剤は、酸二無水
物、周期律表の第1、2及び3族の金属化合物、多官能
エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合
物等である。このうち、取扱いの容易さ及び安全性の点
で、酸二無水物と、周期律表の第1、2及び3族の金属
化合物とを併用することが好ましい。酸二無水物の中で
は無水ピロメリット酸を用いることが好ましい。この粘
弾性改良剤を用いることにより、0.7g/cc以下の
密度を持ち、断熱性及び保湿性にすぐれた発泡体を作る
ことができる。
【0027】この発明を実施する場合には、上述のもの
のほかに、さらに必要に応じて種々の助剤を加えること
ができる。例えば、タルク粉末のような気泡調整剤や、
炭酸ソーダのような核剤や、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、難燃
剤、抗菌剤などを加えることができる。
【0028】一般に、PATもPET−Xも何れも高温
では加水分解され易い性質を持っている。そのため、こ
の発明ではPAT及びPET−Xの水分含有量をできる
だけ少なくしてから、溶融混練するのが好ましい。含水
量は200ppm以下、さらには100ppm以下にす
ることが好ましい。そのためには、PATとPET−X
とを除湿乾燥機に入れて80〜180℃の温度にし、こ
の中に露点が−20℃以下の乾燥した空気を3時間以上
通して乾燥したり、マイクロ波乾燥機に入れて80〜1
80℃の温度で1時間以上乾燥することが好ましい。
【0029】
【発明の効果】この発明方法によれば、以下に述べるよ
うな色々な特性を持った熱可塑性ポリエステル系樹脂発
泡成形体を、容易にしかも一挙に作ることができる。し
かも、その発泡成形体は、−20℃以下の低温で衝撃を
受けても割れにくい、と云う従来のPAT発泡成形体で
は達成できなかった長所を持ったものである。この発明
方法は、この点で実用上の大きな価値を持っている。
【0030】上述の発泡成形体は、PET−Xが8〜8
0重量%と、PATが20〜92重量%とからなる組成
物の発泡体であるから、無害で、常温において抗張力、
耐衝撃性などの機械的強度が大きく、寸法安定性、耐熱
性及び耐候性も良好であるという、従来のPAT発泡体
の特性をそのまま備えている。従って、この発泡成形体
は食品を始めとする各種の容器類を作るに好適な材料で
ある。その上に、上述のように従来のPAT発泡体では
得られなかった低温における耐衝撃性の改良されたもの
となっている。従って、この発泡成形体は低温から高温
に至るまで広い温度範囲にわたって衝撃に対して強いも
のであり、広い範囲の用途が期待できる。
【0031】とくに、上記の発泡成形体の発泡倍率を2
〜15倍にし、成形体の原形をシートにしたものは、加
熱して成形加工をすることが容易であるから、これを容
器状に成形し容器とすることにより、冷凍貯蔵に適する
とともに電子レンジでの加熱にも適した食品容器とする
ことができる。この発明は、このような利益をもたらす
ものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に実施例と比較例とを挙げ
て、この発明のすぐれている所以を具体的に説明する。
以下で単に部と云うのは重量部の意味である。
【0033】
【実施例1】120℃で8時間乾燥したPET−X(イ
ーストマンケミカル社製、サーメックス6761、極限
粘度0.95)20部と、同様に120℃で8時間乾燥
したPAT(ユニチカ社製、NEH−2070、極限粘
度0.88)80部とに、タルク1部と、無水ピロメリ
ット酸0.2部と、炭酸ソーダ0.03部とを加え、こ
れをタンブラーで混合した。この混合物を口径65mm
φの単軸押出機に入れ、押出機のシリンダー温度を27
0℃から280℃に維持し、押出機のバレルの途中から
発泡剤としてブタンを圧入した。
【0034】発泡剤を含んだ溶融樹脂を口径80mmφ
のサーキュラー金型から大気中へ押し出した。押し出さ
れた溶融混合物は、直ちに発泡して円筒形マンドレル
(直径が205mmφで長さが600mm)に沿って進
行せしめられ、円筒形マンドレルを離れた直後に円筒の
軸方向に沿って切れ目を入れられ、この切れ目から切開
されて、平坦なシートとなって巻き取られた。シートは
裂けることなく安定して引き取ることができた。このた
め200mの長さのシートを巻き取ることができた。得
られた発泡シートは密度が0.42g/cc、厚みが
0.95mmで外観良好であった。
【0035】この発泡シートから250×250mmの
大きさの試料を切り出し、これを表面温度が140℃の
加熱板上に10秒間接触させて加熱したのち、引き続い
て190℃に加熱した凸型と凹型との間に10秒間挟ん
で容器状に成形するとともに、結晶化を促進させた。そ
の後、直ちに同じ形状をした常温の凸型と凹型との間に
10秒間挟んで、最大幅120mm、最大長さ170m
m、最大深さ25mmのグラタン容器様の容器に成形し
た。
【0036】この容器を220℃の電気オーブンに30
分間入れた後、容器を取り出してその形状を調べた。形
状は殆ど変形がなかったので耐熱性は良好であると認め
られた。また、得られた容器を−30℃の恒温槽中に底
部を上にして置き、このまま24時間静置したのち、容
器底部の上方40cmの位置から108.4gの鉄球を
落下させて低温での耐衝撃性を測定した。その結果、容
器には全く割れが認められなかったので、低温における
耐衝撃性は良好であると認められた。
【0037】
【実施例2】実施例1において、PET−Xを40部、
PATを60部、無水ピロメリット酸を0.3部とした
以外は、実施例1と全く同じ方法で発泡シートを得た。
得られた発泡シートは密度が0.42g/cc、厚みが
0.95mmで、外観は良好であった。
【0038】この発泡シートから実施例1と全く同様に
して最大幅120mm、最大長さ170mm、最大深さ
25mmのグラタン容器状の容器を作った。この容器に
ついて、実施例1と全く同様にして耐熱性と低温耐衝撃
性を測定したところ、容器には全く変化が見られなかっ
たので、耐熱性も低温耐衝撃性も良好であると認められ
た。
【0039】
【実施例3】実施例1において、PET−Xを60部、
PATを40部、無水ピロメリット酸を0.3部とした
以外は、実施例1と全く同様にして発泡シートを得た。
得られた発泡シートは密度が0.42g/cc、厚みが
0.95mmで外観良好であった。
【0040】この発泡シートから実施例1と全く同様に
して最大幅120mm、最大長さ170mm、最大深さ
25mmのグラタン容器状の容器を作った。この容器に
ついて、実施例1と全く同様にして耐熱性と低温耐衝撃
性とを測定したところ、容器には全く変化が見られなか
ったので、耐熱性も低温耐衝撃性も良好であると認めら
れた。
【0041】
【比較例1】実施例1において、PET−Xを5部、P
ATを95部とした以外は、実施例1と全く同様にして
発泡シートを得た。得られた発泡シートは密度が0.4
2g/cc、厚みが0.95mmであった。
【0042】この発泡シートから実施例1と全く同様に
して、最大幅120mm、最大長さ170mm、最大深
さ25mmのグラタン容器状の容器を作った。この容器
について、実施例1と全く同様にして低温耐衝撃性を測
定したところ、容器の底部及び側壁に大きな割れが発生
したので、低温耐衝撃性は不良と認められた。
【0043】
【比較例2】実施例2において、PET−Xを90部、
PATを10部とした以外は、実施例2と全く同じ方法
で発泡シートを得ようとしたが、発泡シートの表面にフ
ラクチャーが発生したため、押出機の温度を300〜3
20℃まで上げた。得られたシートは密度0.42g/
cc、厚み0.95mmであり、表面にはメヤニ状のも
のが多数付着し、多量の炭化物を含んでいた。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA20 BA17 BB01 BB04 BB06 CA03 CA07 CA18 4F074 AA65 AA98 AB05 AC36 AD09 BA37 BC14 CA22 DA02 DA08 DA23 DA34 DA55 4J002 CF04W CF05X EA016 EA026 EB006 ED006 EE006 FD326 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘ
    キサンジメタノールとが縮合してなるポリエステル系樹
    脂8〜80重量%と、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二
    価アルコールとが縮合してなるポリエステル系樹脂20
    〜92重量%とからなる組成物を、発泡させたことを特
    徴とする、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体。
  2. 【請求項2】 芳香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘ
    キサンジメタノールとが縮合してなるポリエステル系樹
    脂(A)と、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二価アルコ
    ールとが縮合してなるポリエステル系樹脂(B)の中か
    ら、樹脂の極限粘度の差が0.3以下のものを選び、ポ
    リエステル系樹脂(A)が8〜80重量%を占め、ポリ
    エステル系樹脂(B)が20〜92重量%を占める混合
    物を作り、この混合物を押出機内で溶融混練して組成物
    とし、この組成物に発泡剤を圧入してのち、これを低圧
    領域へ押し出して発泡させることを特徴とする、熱可塑
    性ポリエステル系樹脂発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族ジカルボン酸と1、4−シクロヘ
    キサンジメタノールとが縮合してなるポリエステル系樹
    脂8〜80重量%と、芳香族ジカルボン酸と脂肪族の二
    価アルコールとが縮合してなるポリエステル系樹脂20
    〜92重量%とからなる組成物を、2〜15倍に発泡さ
    せてなるシートを容器状に成形したことを特徴とする、
    熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体からなる食品容器。
JP16646498A 1998-06-15 1998-06-15 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡成形体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3459176B2 (ja)

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