【うるま】漫画家の伊佐義勇さん(40)=うるま市勝連=が、日米関係の知られざる真実に迫ったベストセラー「知ってはいけない」(矢部宏治著)を漫画化し、9月下旬に講談社から出版した。税別1400円。沖縄を舞台に分かりやすいストーリーに仕立て、日本が対米従属化した理由を描いた。
県内の書店にはすでに並んでおり、伊佐さんは「この漫画を読んでもらい、沖縄問題に関心を持ってもらえたら」と話す。
主人公の赤嶺サラが日米合同委員会による米軍特権や密約などの存在を暴き出し、日本や沖縄がどのように支配されているのかを解き明かしていく。
伊佐さんは原作を何度も読み込み、5カ月かけて描き上げた。自分自身も以前は政治に無関心だったというが、今回漫画化するにあたり沖縄が置かれている状況を学んでいった。初めて知ったことも多く「驚くばかりだった」と語る。
物語の中で、主人公の赤嶺が何度か口にする「真実を知れば現実は変えられる」との言葉には、次代を担う若者に届けたい伊佐さんの思いが込められている。この漫画がきっかけとなり、政治や沖縄問題に興味を持つ若者が増えることを伊佐さんは願っている。