WO2011062211A1

WO2011062211A1 - キャップ付き容器

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Publication number: WO2011062211A1
Application number: PCT/JP2010/070538
Authority: WO
Inventors: 雄三吉田; 貴宏室井; 貴博高山; 靖子中島
Original assignee: 吉田プラ工業株式会社
Priority date: 2009-11-20
Filing date: 2010-11-18
Publication date: 2011-05-26
Also published as: US9181000B2; CN102666299B; CN102666299A; EP2502845B1; EP2502845A1; EP2502845A4; US20120248129A1

Abstract

【課題】キャップが取り外し易く、容器本体内部の気密性を高めることが可能なキャップ付き容器を提供する。【解決手段】上端に開口８を有する容器本体２と、天板部３ｂと筒状の胴部３ａとを備えると共に弾性リング体４を内蔵するキャップ部３とから構成され、弾性リング体の外周面に形成されて筒状胴部の内方から外方に向けて露出するプッシュボタン１３と、容器本体と弾性リング体の少なくとも一方に下方に向けて拡張する錐面部６と、筒状胴部と容器本体とを所定の位置で係合させる係合部（９，１６）と、弾性リング体を容器本体に嵌合させる嵌合部（１０，１４）を備え、キャップ部が装着されている状態でプッシュボタンを押圧すると、弾性リング体が縮径変形して錐面部を迫り上がることでキャップ部が上昇し、当該上昇によって係合が解除されると共に、弾性リング体が弾性変形して嵌合が解除されるキャップ付き容器としている。

Description

キャップ付き容器

　本発明は、弾性リング体の弾性変形を利用してキャップを容器本体から軽い操作力で軽快に取り外すことができるキャップ付き容器に関する。具体的には、当該キャップ付き容器において、内部の気密性を高めるための改良技術に関する。

　キャップ付き容器は、容器本体と、その容器本体に対して着脱可能なキャップとから構成されている。そして、キャップ付き容器として、弾性リング体の弾性変形を利用してキャップを容器本体から軽い操作力で軽快に取り外すことができるものがある。以下の特許文献１に記載のキャップ付き容器では、キャップは、容器本体を正立させたとき、下方に開口する有底筒状で、キャップ付き容器の外装の一部を構成するキャップ本体内と、そのキャップ本体内に装着されたリング体とから構成されている。

　キャップ本体は、下端の内面に内側方向に突出する係合突片を備えている。また、容器にも、外側面に外方に突出する係合突片が形成されている。そして、キャップを容器本体の上方に押し込むと、自身の突起と容器本体の突起が当接し、さらに押し込むと、キャップ自体が弾性変形して、容器本体の突起を乗り越える。それによって、双方の突起が係合し、キャップが容器本体に装着される。

　また、リング体の外面には、互いに反対方向に突出すると凸部が形成されており、その凸部がキャップ本体の内外を貫通する孔から外部に露出している。キャップを容器本体に装着した状態では、リング体の下端は容器本体に当接し、その当該リングの下端と、容器本体におけるリング体との当接部位の少なくとも一方が傾斜面となっている。例えば、円筒状の容器本体において、上記係合突片から上方が徐々に縮径して斜面を形成し、その斜面の上方が下方よりも縮径された円筒状で、上端が開口となる開口筒部となっている。そして、装着状態にあるキャップ本体の外方に露出している凸部を押圧すると、リング体には、傾斜面に当接しつつ上昇する方向に付勢される。その結果、キャップ本体が上昇し、キャップ本体側の係合突片が係合状態にある容器側の係合突片を乗り越えて、係合が解除される。すなわち、楽にキャップを外すことができる。

　さらに、係合状態にあるキャップと容器とが不用意に外れない程度の嵌合強度を確保しつつ、密閉性能を確保するために、有底円筒状のキャップ本体には、円盤状の底部内面を天井部として、その天井部に容器本体の開口を密閉するための封止部を備えている。封止部の構造としては、円盤状の天井部と同心円をなして垂下する栓用筒体を形成し、その筒体の外径を容器の開口の内径に一致させる。それによって、キャップを装着した際、栓用筒体の外面が、容器の開口筒部の内面に接して容器が密閉されるようになっている。なお、特許文献１では、封止部として、板状のパッキンを設けて、このパッキンの下面を容器本体の開口端面に当接させた構造や、容器本体の開口に中央孔がある中栓が嵌着されている場合に対応して、天井部に中央口に嵌着される凸部を設けた構造なども想定している。

実公平７－６１０１号公報

　上記背景技術は、凸部の押圧操作でリング体を弾性変形させ、この弾性変形でリング体と共にキャップ本体を上昇させ、この上昇力でキャップ本体と容器との弾性嵌合部を外すようにしている。凸部を小さな押圧操作力で押すことで、軽快にキャップ本体を外すことができるように、弾性嵌合部の嵌合度合（強度）は、キャップ本体を容器に保持し得る程度に、小さく設定されていた。

　このため、キャップ本体で容器の開口筒部を高い気密状態で封止することができなかった。従って、背景技術のキャップ付き容器には、揮発性の高い内容物を収容することはできなかった。また、容器内圧が外気圧よりも高くなってキャップ本体が上方へ押し上げられるような環境下においても、容器内部の気密性を十分に保つことができず、使用することができなかった。

　本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、弾性リング体の弾性変形を利用してキャップを容器本体から取り外す構造を前提として、容器本体からキャップを軽い操作力で軽快に取り外すことが可能であると共に、容器本体内部の気密性を高めることが可能なキャップ付き容器を提供することを目的とする。また、その他の目的は、以下の記載で明らかにする。

　上記目的を達成するための本発明は、上端に開口部を有して内部に内容物を収納する容器本体と、当該容器本体に着脱自在に装着されると共に、装着時に前記開口部を封止して前記容器本体の内部を密閉するキャップ部とを備えたキャップ付き容器であって、
　前記キャップ部は、上方を天板部として、当該天板部の周縁から下方に垂下して周側壁を構成する筒状胴部と、当該筒状胴部に囲繞されると共に径方向に弾性変形する弾性リング体と、当該弾性リング体の外周面に互いに反対方向に突出するように形成されているプッシュボタンとを備え、
　前記容器本体と前記弾性リング体の少なくとも一方には、上方から下方に向けて徐々に拡張する錐面部が形成され、前記弾性リング体は、縮径変形した際に当該錐面部に沿って迫り上がり、
　前記プッシュボタンは、前記筒状胴部の内部から外部に露出しつつ、対向方向に押圧されると前記弾性リング体を縮径変形させて前記キャップ部を当該弾性リング体と共に上昇させ、
　前記キャップ部が前記容器本体に装着されている状態で、前記筒状胴部と前記容器本体とを係合させつつ、所定の位置関係となるように保持すると共に、当該装着状態から前記キャップ部を上昇させると前記係合が解除される係合部と、
　前記キャップ部が前記容器本体に装着されている状態で、前記弾性リング体を前記容器本体に嵌合させると共に、当該弾性リング体が弾性変形した際に、嵌合状態が解除される嵌合部と、
　を備えたキャップ付き容器としている。

　また、前記容器本体は、前記開口部より底部が太い有底筒状で、前記錐面部は、前記開口部から底部に至る途上で下方に向かって徐々に拡張するように形成されていることを特徴としてもよい。前記錐面部は、前記弾性リング体に設けられ、前記容器本体の外周側面が当該錐面部に当接されることとしてもよい。

　上記いずれかに記載のキャップ付き容器において、前記係合部は、前記容器本体の外周側面に設けられた突起部と、前記キャップ部の前記筒状胴部の内方に設けられて当該突起部と係合する係合片とによって構成され、
　前記嵌合部は、前記突起部あるいは前記容器本体の外周側面に設けられた別の突起部と、前記弾性リング体の内方に設けられてこれらいずれかの突起部と嵌合する嵌合片とによって構成されているキャップ付き容器とすることもできる。

　さらに、上記いずれかに記載のキャップ付き容器において、前記嵌合部における嵌合強度を、前記係合部における係合強度よりも強く設定したキャップ付き容器とすることもできる。当該キャップ付き容器においては、前記嵌合片が前記突起部と嵌合する長さを、前記係合片が前記突起部と係合する長さよりも長く設定してもよいし、前記嵌合片と前記突起部との嵌合角度を、前記係合片と前記突起部との係合角度よりも小さく設定してもよい。

　そして、前記係合片が、前記キャップ部に設けられた可撓性壁部の先端を鉤状に形成してなるキャップ付き容器、前記係合片が、前記キャップ部の前記筒状胴部の内側壁面の周方向に間隔を隔てて設けられているキャップ付き容器、前記係合片が、前記キャップ部の前記筒状胴部の内側壁面の周方向全周に亘って設けられているキャップ付き容器とすることもできる。前記突起部が、前記係合片と係合する係合突起と、前記嵌合片と嵌合する嵌合突起とによって構成されていてもよい。そして、上記いずれかに記載のキャップ付き容器において、前記プッシュボタンが、前記筒状胴部に穿設された通孔を介して外部に露出していることとしてもよい。

　また本発明は、上記いずれかに記載のキャップ付き容器において、前記プッシュボタンへの押圧操作なしに前記キャップ部が上昇した際に前記弾性リング体が上下方向に変形するのを防止するために、当該上昇時に弾性リング体を前記キャップ本体部に係止させて、前記キャップ部による前記開口部の封止状態を保持する係止支持部を備えたことを特徴とするキャップ付き容器にも及んでいる。

　当該係止支持部を備えたキャップ付き容器において、前記係止支持部は、前記キャップに形成され、前記弾性リング体に係止される鍔片であってもよいし、前記弾性リング体に形成され、前記キャップを係止する鍔片であってもよい。

　さらに、本発明は、前記天板部に覆われつつ前記弾性リング体の内周側に配置されて前記開口部を覆う頂板を備え、
　前記筒状胴部は、前記弾性リング体の外周を囲繞しつつ、前記弾性リング体が常に水平に保たれるように前記弾性リング体の下端面を下支えする支持部を備え、
　前記プッシュボタンは、前記筒状胴部に互いに向かい合わせて一対形成されている切り欠き部もしくは通孔を介して外方に露出し、
　前記頂板は、前記支持部を介して前記筒状胴部と一体的に形成される、
　ことを特徴とするキャップ付き容器とすることも可能である。

　そして、支持部を備えたキャップ付き容器において、前記キャップ部は、前記支持部を有する前記筒状胴部を含む第１部品と、前記弾性リング体を有する前記天板部を含む第２部品の２部品から構成され、これら２部品は、上記弾性リング体の下端部が上記支持部上に位置するように、一体的に組み付けられることとしてもよい。あるいは、前記キャップ部は、前記支持部を有する前記筒状胴部と、前記弾性リング体と、前記天板部の３部品から構成され、上記弾性リング体は、これが前記筒状胴部の上記支持部に接触した状態で、前記キャップ部に一体的に組み付けられることとしてもよい。

　本発明に係るキャップ付き容器にあっては、弾性リング体の弾性変形を利用してキャップを容器本体から取り外す構造を前提として、容器本体からキャップを軽い操作力で軽快に取り外すことができると共に、容器本体内部の気密性を高めることができる。また、その他の効果については、以下の記載で明らかにする。

本発明の第１の実施例に係るキャップ付き容器の好適な実施形態を示す全体斜視図である。図１のキャップ付き容器を構成する容器本体を示す一部破断斜視図である。図１のキャップ付き容器のキャップを構成するキャップ本体の一部破断斜視図である。図１のキャップ付き容器のキャップを構成する弾性リング体を示す斜視図である。図１のキャップ付き容器のキャップを上方から見たときの平面図である。図１のキャップ付き容器のキャップを下方から見たときの水平断面図である。図１のキャップ付き容器の要部拡大側断面図である。図１のキャップ付き容器における第２係合部を離脱した状態を示すキャップの水平断面図である。図１のキャップ付き容器における第２係合部を離脱した状態を示す要部拡大側断面図である。図１のキャップ付き容器における第１および第２係合部を離脱した状態を示す要部拡大側断面図である。図１に示したキャップ付き容器の変形例の要部拡大側断面図である本発明の第２の実施例に係るキャップ付き容器を示す全体斜視図である。図１２に示したキャップ付き容器を下方から見たときの分解斜視図である。図１２に示したキャップ付き容器を構成するキャップ、弾性リング体、並びに容器本体を説明するための説明図である。図１２における、Ａ－Ａ線矢視断面図である。図１２における、Ｂ－Ｂ線矢視断面図である。上記第２の実施例のキャップ付き容器の変形例に係るキャップ付き容器を下方から見た分解斜視図である。図１７に示したキャップ付き容器のキャップを構成するキャップ本体および弾性リング体を説明するための説明図である。図１７に示したキャップ付き容器のキャップの一部破断底面図である。図１７に示したキャップ付き容器の正面断面図である。図１７に示したキャップ付き容器の側断面図である。本発明の第３の実施例に係るキャップ付き容器の好適な一実施形態を示す全体斜視図である。図２２に示したキャップ付き容器を下方から見た分解斜視図である。図２２に示したキャップ付き容器を構成するキャップの天板部、筒状胴部、並びに容器本体を説明するための説明図である。図２２に示したキャップ付き容器のキャップの一部破断底面図である。図２２における、Ｃ－Ｃ線矢視断面図である。図２２における、Ｄ－Ｄ線矢視断面図である。本発明の第３の実施例に係るキャップ付き容器の変形例を示す全体斜視図である。

＝＝＝第１の実施例＝＝＝
＜構造＞
　図１は、第１の実施例に係るキャップ付き容器１の外観図であり、例示したキャップ付き容器１は、円筒状の概略形状を有し、内容物を内部に収容する容器本体２と、容器本体２に上方から装着されるキャップ３とを備えている。有底円筒状のキャップ３は、キャップ付き容器１を正立させたとき、上方を底部（以下、天板部）３ｂとして下方に開口する。天板部３ｂの周縁からは、下方に垂下するように円筒状の胴部（以下、周側壁）３ａが形成されている。また、キャップ３は、当該キャップ３を外す際に押圧するためのプッシュボタン１３を内蔵している。そして、そのプッシュボタン１３が筒状胴部３ａに穿設された通孔１２から外部に露出している。

　図２は、容器本体２の外観図である。当該容器本体２は、合成樹脂、金属もしくはガラスを素材として、ジャー形態で形成され、図示したように、上から下へ順に、小径の首部５と、下方へ向かって拡張する錐面部６と、大径の胴部７とを備えている。首部５の上端には、内容物を取り出すための開口部８が形成されている。錐面部６は、開口部８下に位置するように、首部５の下方に形成される。錐面部６は、上方の外径が小さく、下方の外径が大きく形成されて、下方へ向かって外向きに傾斜するリング状のスロープを形成する。

　容器本体２の外周側面には、容器本体２外方に突出するように周回するリング状隆起部（９，１０）が設けられている。リング状隆起部（９，１０）は、容器本体２に一体的に形成されており、ここでは、首部５の外周側面に形成されている例を示した。

　図３～図６にキャップ３の構造を示した。図３は、キャップ３の外形を構成する筒状の周側壁（以下、筒状胴部）３ａと、筒状胴部３ａの上端を封鎖する天井部分（以下、天板部）３ｂとからなるキャップ本体３ｃの一部破断斜視図である。キャップ本体３ｃは、合成樹脂製もしくは金属製で、中空筒体状に形成されている。そして、天板部３ｂには、下方へ向かって可撓性壁部１５が一体的に設けられている。この可撓性壁部１５は、主として、キャップ３の径方向に弾性的に撓み変形可能に形成される。具体的には、可撓性壁部１５は、キャップ３の筒状胴部３ａの周方向に間隔を隔てて設けられている。そして、可撓性壁部１５の下端には、容器本体２の上方のリング状隆起部９と係合する第１係合部１６が一体的に形成されている。この可撓性壁部１５は、弾性リング体４の周方向に、プッシュボタン１３及び第２係合部１４の両者から位置をずらして配置される。そして、第２係合部１４の配置は、当該弾性リング体４の周方向において、プッシュボタン１３の形成位置とずれており、図示例にあっては、直交する位置にある。なお、可撓性壁部１５は、四つ設けられているが、二つ以上設ければよい。

　図４は、キャップ本体３ｃに内蔵されているリング状の部材（以下、弾性リング体）４の外観図である。第１の実施例において、キャップ３は、キャップ本体３ｃにこの弾性リング体４が組み付けられた構造となっている。弾性リング体４は、合成樹脂製もしくは金属製で形成され、平面外形輪郭は円形状で、キャップ３の筒状胴部３ａによって外部から隠蔽されている。弾性リング体４は、復原自在に多様に変形可能であり、いずれかの直径方向から押圧されると、当該押圧方向に縮径し、当該押圧方向にほぼ直交する方向を長径とした楕円形状に弾性変形する。また、弾性リング体４の外周面には、互いに反対方向に突出するように押圧操作用の突起（以下、プッシュボタン）１３が一体的に形成されている。さらに、弾性リング体４の内周面には、内方へ向かって突出する突起（以下、第２係合部）１４が一体的に設けられている。第１の実施例では、この第２係合部１４は、容器本体２における下方のリング状隆起部（以下、第２リング状隆起部）１０と係合する。

　図５にキャップ３を上方および下方から見たときの平面図を示し、図６に、キャップ３を下方から見たときの水平断面図を示した。弾性リング体４のプッシュボタン１３は、キャップ３内に弾性リング体を組み込んだ際に、キャップ３の一対の通孔１２位置に合致するように配設されており、図１に示したように、通孔１２を介して、キャップ３外方へ露出する。そして、図６における白抜き矢印方向に、プッシュボタン１３が、キャップ３外側からキャップ３内方へ向かって押圧操作されると、弾性リング体４を楕円形状に弾性変形させる。弾性リング体４における第２係合部１４の配置は、上述したように、当該弾性リング体４の周方向において、プッシュボタン１３の形成位置とずれている。

＜キャップの着脱動作＞
　図７は、キャップ３を容器本体２に装着したときの状態を示す図であり、錐面部６から上方の一部の縦断面を拡大して示している。この図７に示したように、キャップ３が容器本体２に装着されている状態では、筒状胴部３ａは錐面部６を取り囲む。なお、筒状胴部３ａは、当該装着状態において、下端と容器本体２の胴部７との間に僅かな隙間が形成される程度に設定されているが、筒状胴部３ａは、当該筒状胴部３ａの下端と胴部７とが当接するようなサイズに設定されていてもよい。そして、弾性リング体４は、下方内周縁４ａが容器本体２の錐面部６に当接する。それによって、弾性リング体４が楕円形状に弾性変形すると、当該弾性リング体４が錐面部６を下方から上方へ向かって迫り上がるようにスライド移動される。弾性リング体４が錐面部６を迫り上がれば、当然、弾性リング体４と一体に形成されているプッシュボタン１３も上方へ移動する。そして、プッシュボタン１３は、キャップ３の通孔１２に係合しているので、結果的に、プッシュボタン１３を押圧操作すると、キャップ３が上昇する。

　第１の実施例では、第１係合部１６と第１リング状隆起部９は、容器本体２に対してキャップ３がずれ動かないように当該キャップ３の位置を保持するための構成（係合部）であり、キャップ３が装着状態にあるとき、第１係合部１６は、第１リング状隆起部９と係合し、キャップ３が上昇するときには、可撓性壁部１５の撓み変形により、第１リング状隆起部９を乗り越えて離脱することが可能となっている。

　一方、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０は、容器本体２の開口８を封止し、容器本体２を密閉するための構成（嵌合部）であり、キャップ３が装着状態にあるとき、第２係合部１４は、第２リング状隆起部１０と係合する。

　なお、当該第１の実施例では、天板部３ｂの中央には、キャップ３の装着時に開口部８に密着するプレート状のパッキン１１が可撓性壁部１５の配設位置よりも内方に設けられている。さらに、第２係合部１４からキャップ３の上記パッキン１１までの距離が、第２リング状隆起部１０から開口部８までの高さ寸法と同等か、もしくは僅かに短く設定されている。それによって、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０とが係合したとき、キャップ３が下方へ引き下げられてパッキン１１が開口部８に押し当てられ、その結果、開口部８が封止され、容器本体２の内部が密閉されるようになっている。また、第２係合部１４は、弾性リング体４が楕円形状に弾性変形したときに、主として容器本体２の径方向外方へ向かって、第２リング状隆起部１０から後退する方向へ移動し、これにより第２リング状隆起部１０を避けて上方へ離脱することが可能となっている。

　次に、キャップ３を容器本体２に装着した状態における、第１リング状隆起部９に対する第１係合部１６の係合と、第２リング状隆起部１０に対する第２係合部１４の係合との関係について説明する。概略的には、当該関係は、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合度合を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合強度よりも強く設定して、第２係合部１４により高い気密性能を得ると同時に、第１係合部１６により軽快なキャップ取り外し操作が得られる、とういうものである。

　具体的には、弾性リング体４は、プッシュボタン１３を押圧操作することにより、楕円形状に弾性変形しつつ、錐面部６上を迫り上がる。このとき、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合強度が強いため、第２係合部１４は、弾性リング体４が僅かに弾性変形しただけでは、後退移動量が小さくて第２リング状隆起部１０から離脱することはできない。弾性リング体４が大きく弾性変形して大きく後退移動したときに、第２リング状隆起部１０から離脱することが可能になる。

　一方、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合強度は、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合強度に比べて弱く、第１リング状隆起部９に係合している第１係合部１６は、弾性リング体４が僅かに弾性変形し、当該弾性リング体４の迫り上がりと一緒にキャップ３が僅かに上昇しただけでも、可撓性壁部１５を撓み変形させる。可撓性壁部１５が撓み変形すると、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合状態が解除され、第１係合部１６が第１リング状隆起部９から離脱していく。このように、係合の強度を設定したことにより、第２係合部１４で確実な気密保持作用が得られ、当該第２係合部１４が離脱した後に、軽い操作で第１係合部１６が離脱するようになっている。

　なお、このような係合強度の関係は、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合長さＬ１を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合長さＬ２よりも長く設定することで調整される（Ｌ１＞Ｌ２）。弾性リング体４の弾性変形過程で、係合長さが長い第２係合部１４の方が、係合長さの短い第１係合部１６よりも、係合状態が長く維持され、第２係合部１４の方が第１係合部１６よりも離脱し難くなっている。そして、気密保持する第２係合部１４の離脱後に、キャップ３位置を保持する第１係合部１６が離脱される。

　係合強度の関係は、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合角度θ１を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合角度θ２よりも小さく設定することでも調整可能である（θ１＜θ２）。弾性リング体４の弾性変形過程で、係合角度の小さい第２係合部１４の方が、係合角度の大きい第１係合部１６よりも、リング状隆起部（９，１０）から離脱し難く、係合状態は長く維持される。そして、気密保持する第２係合部１４の離脱後に、キャップ３位置を保持する第１係合部１６が離脱される。なお、係合強度の調整に当たっては、上記のＬ１＞Ｌ２の関係と、θ１＜θ２の関係の、少なくとも一方の関係を採用すればよい。もちろん、双方を採用してもよい。

　第１の実施例に係るキャップ付き容器では、長さ設定と角度設定の双方により、第２係合部１４が第２リング状隆起部１０から離脱した後に、第１係合部１６が第１リング状隆起部９から離脱し得るようになっている。このように、容器本体２にキャップ３を装着した状態では、第１リング状隆起部９に係合する第１係合部１６によって、容器本体２に対しキャップ３が正規の位置に保持され、また第２リング状隆起部１０に係合する第２係合部１４によって、キャップ３のパッキン１１が容器本体２の開口部８に密着して、容器本体２内部の気密状態が保持される。

　次に、容器本体２に装着されているキャップ３を取り外す際の動作について具体的に説明する。図８～図１０に当該取り外し動作に伴うキャップ３の各部の変形状態を示した。図８は、プッシュボタン１３の押圧に伴う弾性リング体４の変形状態を示す平面図であり、図９と図１０は、第１、および第２係合部と第１および第２リング状隆起部（９，１０）との係合状態の変化を示す一部拡大断面図である。キャップ３を容器本体２に装着したキャップ３を取り外す際には、片方の手指で一対のプッシュボタン１３を両側から挟んで、キャップ３外側からキャップ３内方へ向けて押圧する。プッシュボタン１３を押圧すると、弾性リング体４は、楕円形状に弾性変形し、弾性リング４が錐面部６を迫り上がり始める。そして、この弾性リング体４の上昇に伴って、キャップ３も上昇し始める。しかし、プッシュボタン１３の押圧量が少なく、弾性変形の度合いが小さい場合は、第２係合部１４と第２リング状隆起部とは係合状態を維持し続ける。

　引き続き、プッシュボタン１３をさらに押し込んで弾性リング体４を弾性変形させると、図８に示したように、第２係合部１４は、第２リング状隆起部１０を避けて当該第２リング状隆起部１０から離脱し得る位置まで後退移動する。弾性リング体４は、この第２係合部１４の後退移動と同時に錐面部６を大きなスライド量で迫り上がり、結果的にキャップ３が大きく上昇する。このとき、第２係合部１４は、第２リング状隆起部１０に乗り上げることなく、当該第２リング状隆起部１０の側方を上方へ向かって移動する。すなわち、第２係合部１４が第２リング状隆起部１０から離脱される。そして、この離脱により、パッキン１１による開口８への押しつけ強度が減少し、密閉状態にあった容器本体２の内部が開放される。

　第２係合部１４が、第２リング状隆起部１０から離脱する段階まで弾性リング体４が弾性変形し、これに伴って、キャップ３が上昇すると、第１係合部１６は図９及び図１０に示すように、可撓性壁部１５を撓み変形させつつ、第１リング状隆起部９を乗り越え、これによりクリック感を奏しつつ、当該第１リング状隆起部９から離脱する。第１係合部１６が第１リング状隆起部９から離脱することで、容器本体２に対してキャップ３の位置を保持する作用が解除される。そして、キャップ３が、容器本体２から取り外される。

　なお、以上の説明では、第２係合部１４及び第１係合部１６が順番に離脱していく場合について説明したが、これら係合部（１４，１６）の離脱が相前後してほぼ同時に生じるように設定されていてもよい。いずれにしても、第２係合部１４は、第２リング状隆起部１０に引っ掛かったり乗り越えたりすることなく、弾性リング体４が大きく弾性変形することで第２リング状隆起部１０から離脱する。また、第１係合部１６は、弱い係合を介して、弾性リング体４の迫り上がりによるキャップ３の上昇力により、第１リング状隆起部９からスムーズに離脱する。

　一方、キャップ３を容器本体２に装着するときには、容器本体２の上方からキャップ３を被せて押し下げればよい。キャップ３を押し下げると、可撓性壁部１５の撓み変形を伴って、第１係合部１６は第１リング状隆起部９を乗り越え、これによりクリック感を奏しつつ、第１リング状隆起部９の下に係合する。また、第２係合部１４は、弾性リング体４の径方向への弾性変形を伴って、第２リング状隆起部１０を乗り越え、当該第２リング状隆起部１０下に係合する。そして、第１係合部１６が第１リング状隆起部９に係合すると、キャップ３は、容器本体２に対してその位置が保持され、容器本体２とキャップ３とのずれ動きが阻止される。具体的は、第２係合部１４が第２リング状隆起部１０に係合することにより、容器本体２内部の気密が保持される共に、弾性リング体４の下方内周縁４ａが錐面部６上に当接され、キャップ３は容器本体２の胴部７上方に位置保持される。

＜効果＞
　以上説明した本実施形態に係るキャップ付き容器１にあっては、キャップ３に設けられ、キャップ３を容器本体２に位置保持するために第１リング状隆起部９に係合されると共に、キャップ３の上昇で第１リング状隆起部９から離脱される第１係合部１６と、弾性リング体４に設けられ、キャップ３を下方へ引き下げて開口部８に気密に密着させるために第２リング状隆起部１０に係合されると共に、弾性リング体４の弾性変形で第２リング状隆起部１０から離脱される第２係合部１４とを備えたので、第１係合部１６で、キャップ３がずれ動かないように容器本体２に対し位置保持できると共に、第２係合部１４で、キャップ３を開口部８に気密に密着させることができ、弾性リング体４の弾性変形を利用してキャップ３を容器本体２から取り外す構造を前提として、容器本体２内部の気密性を高めることができる。

　従って、本実施形態に係るキャップ付き容器１は、揮発性の高い内容物を収容することができると共に、容器本体２の内圧が外気圧よりも高くなってキャップ３が上方へ押し上げられるような環境下においても、使用することができる。

　また、容器本体２の気密性を確保する第２係合部１４を、弾性リング体４の弾性変形により、第２リング状隆起部１０を乗り越えることなく、当該第２リング状隆起部１０を避けて離脱させるようにしたので、おおよそキャップ３の上昇作用で第１係合部１６を第１リング状隆起部９から離脱させる背景技術相当の軽い操作力で軽快に、容器本体２からキャップ３を取り外すことができる。

　また、第１係合部１６が係合するときに得られるクリック感により、キャップ３の開閉操作を認識させることができる。

　第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合度合を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合度合よりも強く設定したことにより、気密を保持する第２係合部１４の係合作用を確実に保証することができ、高レベルの気密性を的確に確保することができる。

　第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合長さＬ１を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合長さＬ２よりも長く設定することにより、上記係合強度を適切に調整することができる。第２係合部１４と第２リング状隆起部１０との係合角度θ１を、第１係合部１６と第１リング状隆起部９との係合角度θ２よりも小さく設定することにより、上記係合強度を適切に調整することができる。

　第１係合部１６を、キャップ３の周側壁３ａの周方向に間隔を隔てて設けることにより、キャップ３を容器本体２に装着する際の融通性を高めることができる。第１係合部１６を、キャップ３の周側壁３ａの周方向全周に亘って設けることにより、容器本体２に対するキャップ３の位置保持性能を向上することができる。

　リング状隆起部（９，１０）を、第１係合部１６が係合する第１リング状隆起部９と、第２係合部１４が係合する第２リング状隆起部１０とから構成したので、各係合部（１４，１６）それぞれに求められる係合強度を容易かつ適切に設定することができる。

＜変形例＞
　上述した第１の実施例に係るキャップ付き容器では、第２係合部１４は、一対で二つ配設されていると共に、弾性リング体４が楕円形状に弾性変形した際の長径方向に沿った位置に形成されている。もちろん、第２係合部１４の数は、三つ以上であってもよいし、また、可撓性壁部１５は間欠的に配置されているが、この可撓性壁部１５は、キャップ３の周側壁３ａの周方向全周に亘る筒状の形態で形成してもよい。この場合、第１係合部１６は、間欠的に形成されていてもよいし、全周に亘って連続的に形成されていてもよい。

　また、第１リング状隆起部９と第２リング状隆起部１０が実質的に同じ部位であってもよい。図１１に、第１リング状隆起部９と第２リング状隆起部１０が、単一のリング状隆起部１７として一体に形成された変形例を示した。この変形例では、第１及び第２係合部（１４，１６）両方が係合されるようになっている。そして、単一のリング状隆起部１７の先端部下面１７ａは傾斜角度θ２が大きく設定されていると共に、それに続く下面部分１７ｂは傾斜角度θ１が小さく設定されている。また、この単一のリング状隆起部１７に係合する第１及び第２係合部（１４，１６）は、第１係合部１６の係合長さＬ２が短く設定されていると共に、第２係合部１４の係合長さＬ１が長く設定されている。この図１１に示した変形例では、単一のリング状隆起部１７を備えるので、容器本体２の高さ寸法を低くすることができ、キャップ付き容器１をコンパクト化することができる。そして、これら変形例であっても、上述した作用効果を奏することはもちろんである。

＝＝＝第２の実施例＝＝＝
＜第１の実施例について＞
　第１の実施例において、第１係合部１６と第１リング状隆起部９とによって構成される係合部は、キャップ３の上昇で係合状態が解除することで離脱し、第２係合部１４と第２リング状隆起部１０とによって構成される嵌合部は、弾性リング体４の径方向への弾性変形によって係合状態が解除することで離脱するようになっていた。それによって、この第１の実施例のキャップ付き容器１では、キャップ３を上昇させて係合部（９，１６）を離脱させる鉛直上方向の力に対し、嵌合部（１０，１４）は、プッシュボタン１３を押圧する水平方向の力を加えないと離脱しない仕組みになっている。そのため、第１の実施例のキャップ付き容器１は、弾性リング体４を弾性変形させることなくキャップ３だけを上昇させるような力を加えても、容器本体２の内部の気密性はある程度保持されるという特長を備えていた。

　しかしながら、第１の実施例において、弾性リング体４は、自身の外周面に形成されたプッシュボタン１３が筒状胴部３ａに設けられた対向する二つの通孔１２から露出されるようにして筒状胴部３ａの内周に沿うように配置された状態で組み付けられている。そして、嵌合部（１０，１４）を構成する第２係合部（以下、嵌合突起）１４が、弾性リング体４の外周面において、プッシュボタン１３と直交する位置に形成されていた。これら各部位（１３，１４）の配置関係は、プッシュボタン１３を径方向に押圧することで弾性リング体４を変形させ、嵌合突起１４を径方向で外側に水平移動させるために必要な位置関係であるが、例えば、プッシュボタン１３を押圧することなく、キャップ本体３ｃだけを上方に強く引っ張るなどして、キャップ２を容器本体２から無理に取り外そうとしたり、容器本体２の内圧が極めて高く、内部からキャップ３を強く押し上げようとする力が働いたりすると、二つの通孔１２を介して筒状胴部３ａの外方に露出しているプッシュボタン１３が上方に付勢され、それに伴って弾性リング体が上方に付勢される。しかし、弾性リング体４は、楕円状に弾性変形していないため、嵌合部（１０，１４）は、その係合状態を維持し続ける。そのため、弾性リング体４におけるプッシュボタン１３の形成部位が上方に撓む。

　弾性リング体４がこのように撓めば、実質的に、その撓んだ部位が上昇することになり、嵌合部（１０，１４）による強い係合状態（以下、嵌合状態）が維持されたまま、係合強度が弱い係合部（９，１６）の係合状態が僅かながら解除されてしまう。すなわち、キャップ３の「浮き上がり」が生じる。その結果、キャップ本体３ｃ内部の天板部３ｂに設けられたパッキン１１と容器本体２の開口部８の上端との密着が弱まって、容器本体２内部の気密性が失われる可能性がある。そして、実際に、このような気密性の喪失の可能性について多角的に検討を行ったところ、気圧変化の大きい空輸中などにおいて、上記の弾性リング体４の撓み変形に伴う気密性の喪失現象が発生することが判明した。そこで、本発明の第２の実施例に係るキャップ付き容器は、容器本体内部の気密性をさらに強固に保持することが可能なキャップ付き容器としている。

＜構造＞
　以下に、本発明の第２の実施例に係るキャップ付き容器の構造やキャップの着脱動作などについて説明する。図１２は、第２の実施例に係るキャップ付き容器の全体斜視図である。この図に示したように、第２の実施例に係るキャップ付き容器１０１の外観形状は、第１の実施例に係るキャップ付き容器１とほぼ同様であり、正立させた状態で、容器本体１０２の上方に着脱可能なキャップ１０３が装着されている。また、筒状胴部１０３ａに穿設されている通孔１１０からキャップ１０３の内部構造が備えるプッシュボタン１１１が露出している。

　図１３と図１４（ａ）～（ｅ）に、当該キャップ付き容器１０１を部品毎に分解したときの図を示した。図１３は分解斜視図であり、図１４（ａ）はキャップ本体１０３ｃの側面図、（ｂ）はキャップ本体１０３ｃの側断面図、（ｃ）は弾性リング体の側面図、（ｄ）は弾性リング体の側断面図、（ｅ）は容器本体の側面図である。第２の実施例に係るキャップ付き容器１０１は、第１の実施例と同様に、主に、内容物を内部に収容する容器本体１０２と、容器本体１０２に上方から装着されるキャップ１０３と、キャップ１０３の内部に設けられる弾性リング体１０４とから構成されている。

　まず、容器本体１０２は、合成樹脂、金属もしくはガラスを素材として、ジャー形態もしくは中空筒形態で形成される。図示した例では、平面外形輪郭が円形状であるが、もちろん、多角形状や楕円形状であってもよい。容器本体１０２の上端は、内容物を取り出すための開口部１０８であり、その開口部１０８から下方に小径の首部１０５が連続している。首部１０５の下端からは、下方へ向かって拡張形成されて錐面部１０６が形成されている。この例では、錐面部１０６は、上方の外径が小さく、下方の外径が大きく形成されて、容器本体２の周方向全周に亘って、下方へ向かって外向きに傾斜するリング状のスロープとなっている。そして、錐面部１０６の下端は大径の胴体部１０７へと連続して、容器本体１０２の底部に至る。また、容器本体１０２の首部１０５の外周面には、その周方向全周に亘って第１の実施例における第１リング状隆起部９に相当する係合突起１１３と、第２リング状隆起部１０に相当する嵌合突起１１５が形成されている。この例では、係合突起１１３の方が嵌合突起１１５よりも上方に形成されている。

　キャップ１０３は、合成樹脂製もしくは金属製で形成されるキャップ本体１０３ｃ内に弾性リング体１０４を内蔵した構造であり、キャップ本体１０３ｃは、筒状胴部１０３ａと、筒状胴部１０３ａの天端を覆う天板部１０３ｂとを備えて、中空筒体状に形成されている。このキャップ本体１０３ｃも、水平断面形状が円形に限らず、容器本体１０２の形状に合わせて、多角形状や楕円形状などの適宜な形状とすることができる。

　天板部１０３ｂの下面中央には、開口部１０８に密着されるプレート状、または開口部１０８の径に合わせたパッキン１０９が設けられている。キャップ本体１０３ｃの筒状胴部１０３ａには、当該キャップ本体１０３ｃの直径方向に互いに向かい合わせて、一対の通孔１１０が貫通形成される。また、キャップ１０３の天板部１０３ｂからは、弾性変形可能な係合片１１４が垂下形成されている。なお、係合片１１４は、第１の実施例において、第１係合部１６を備えた可撓性壁部１５に相当する機能を担っている。

　なお、係合片１１４は、容器本体１０２の係合突起１１３に係脱自在に係合し、この係合片１１４と係合突起１１３とによって、キャップ１０３と容器本体１０２との間に係合部が構成される。各係合片１１４は、首部１０５の周方向に沿って適宜間隔で複数形成されている。また、係合突起１１３と係合片１１４の上下方向の位置は、キャップ１０３を容器本体１０２に装着した際に、少なくとも、通孔１１０位置周辺であればよい。

　さらに、キャップ本体１０３ｃには、特徴的な構成として、筒状胴部１０３ａの内側に、径方向内方へ突出する鍔片１１７が形成されている。この鍔片１１７は、上述したような、キャップ１０３外方へ露出したプッシュボタン１１１が上方に付勢されることに起因する弾性リング体１０４の撓み変形を防ぐ機能を担っている。

　キャップ本体１０３ｃの内側に組み込まれる弾性リング体１０４は、合成樹脂製もしくは金属製で、弾性変形自在に形成される。弾性リング体４は、平面外形輪郭が円形状に形成される。この弾性リング体１０４も、円形状に限らず、多角形状や楕円形状に形成してもよい。弾性リング体１０４の外周面には、プッシュボタン１１１が一体的に形成されている。第１の実施例と同様に、プッシュボタン１１１は、キャップ１０３の一対の通孔１１０位置に合致させて一対設けられ、通孔１１０を介して、キャップ１０３の外方に露出する共に、キャップ１０３の外側から内方に向かって当該プッシュボタン１１１を押圧操作すると、この押圧方向に縮径するように変形し、平面形状が、当該押圧方向とほぼ直交する直径方向を長軸とした楕円体状に弾性変形する。なお、この例では、弾性リング体１０４の内周面において、プッシュボタン１１１に対応する位置にガイド突起１１２が形成されている。このガイド突起１１２は、錐面部１０６上のスライド性を向上させるものである。

　さらに、弾性リング体１０４の内周面には、その径方向内方へ向けて嵌合片１１６が形成されている。この嵌合片１１６は、第１の実施例における第２係合部１４と同様の機能を担っている。すなわち、嵌合片１１６は、嵌合突起１１５と共に嵌合部を構成し、容器本体１０２の嵌合突起１１５に嵌脱自在に嵌合する。そして、嵌合片１１６は、弾性リング体１０４の周方向に、プッシュボタン１１１と位置をずらして設けられて、プッシュボタン１１１への押圧操作に際し、弾性リング体１０４が弾性変形した際に嵌合片１１６の移動距離が最大となることが望ましい。従って、嵌合片１１６は、弾性リング体１０４の周方向において、プッシュボタン１１１と直交する２箇所に設けることがより好ましい。

　なお、嵌合部は、容器本体１０２側の嵌合突起１１５と嵌合片１１６が嵌合する位置関係にあればよいので、嵌合突起１１５は、少なくとも、嵌合片１１６の位置に合わせて設けられていればよい。また、係合突起１１３と嵌合突起１１５を上下２段とせず、共通化して一つにまとめても構わない。この場合は係合片１１４を間欠配置し、その隙間に嵌合片１１６を係合片１１４の高さと合わせて配置すればよい。

　上記構造のキャップ付き容器１０２は、キャップ本体１０３ｃと弾性リング１０４とが、一体的に組み立てられた状態のキャップ１０３と容器本体１０２とからなる構成で提供される。キャップ本体１０３ｃに弾性リング１０４を内蔵させてキャップ１０３を得るには、プッシュボタン１１１を押圧して弾性変形させた弾性リング体１０４を、筒状胴部１０３ａ内方へ、係止部の鍔片１１７を乗り越えさせて、押し込み、プッシュボタン１１１を通孔１１０の位置に合わせる。それによって、通孔１１０からプッシュボタン１１１が露出して弾性リング体１０４が弾性復原し、弾性リング体１０４がキャップ本体１０３ｃに組み付けられる。この組み付けにより、弾性リング体１０４とキャップ本体１０３ｃとが、係止部を介して互いに係止され、緊密に一体化される。

＜キャップの着脱動作＞
　図１５と図１６は、容器本体１０２にキャップ１０３を装着したときのキャップ付き容器１０２の側断面図であり、図１５は、図１２におけるＡ－Ａ線矢視断面に相当し、図１６は、図１２におけるＢ－Ｂ線矢視断面に相当する。容器本体１０２の上方からキャップ１０３を被せて押し下げると、係合部の係合片１１４が弾性変形して係合突起１１３の下側に係合すると共に、弾性リング体１０４が弾性変形して嵌合片１１６が嵌合突起１１５の下側に嵌合する。係合部の係合により、キャップ本体１０３ｃが容器本体１０２に保持され、嵌合部の嵌合により、弾性リング体１０４が容器本体１０２に嵌合される。

　そして、このようにしてキャップ１０３を容器本体１０２に装着すると、弾性リング体１０４とキャップ本体１０３ｃが緊密に一体化する。また、鍔片１１７は、弾性リング体１０４の下端に近接または当接する。

　次に、キャップ１０３を取り外す際の動作について説明する。弾性リング体１０４は、キャップ本体１０３ｃの筒状胴部１０３ａ内周に沿って配置されつつ、その上下位置は、キャップ本体１０３ｃと容器本体１０２の首部１０５や錐面部１０６との間となり、当該弾性リング体１０４の下方内周縁は、錐面部１０６上に当接する。プッシュボタン１１１を押圧して弾性リング体１０４を錐面部１０６上で弾性変形させると、鍔片１１７に妨げられずに、楕円形状に弾性変形する。弾性変形された弾性リング体１０４は、その嵌合片１１６が容器本体１０２の嵌合突起１１５から後退して嵌合部が離脱し、この離脱と同時に錐面部１０６に沿って迫り上がり始める。また、この迫り上がりに際し、ガイド突起１１２が錐面部１０６の外周形状に沿って接触することで、弾性リング体が円滑に迫り上がる。

　弾性リング体１０４が迫り上がり始めると、キャップ１０３が上昇し始めて、キャップ本体１０３ｃの係合片１１４が弾性変形しつつ容器本体１０２の係合突起１１３を乗り越えて係合部が離脱する。キャップ１０３は、係合部の離脱後も、弾性リング体１０４の迫り上がりに伴って上昇し、これによりキャップ１０３が容器本体１０２から取り外される。キャップ１０３を取り外した後、プッシュボタン１１１を押圧する手指を離せば、弾性リング体１０４が弾性復原して、プッシュボタン１１１は押圧操作前の位置に復原する。

　このようなキャップ１０３の取り外し動作においては、係合部の解除強度は、弾性リング体１０４に押圧を加えたときにキャップ１０３が容易に浮き上がりスムーズに離脱する強度がよい。ただし解除強度が弱すぎると、キャップ本体１０３ｃと容器本体１０２の嵌合は、プッシュボタン１１１に形成した嵌合片１１６だけに依存することになる。弾性リング体１０４が大きく弾性変形されると、嵌合片１１６が首部１０５の径方向外方へ移動して嵌合突起１１５から離脱し、これにより弾性リング体１０４は容器本体１０２から離脱する。すなわち、嵌合部は、嵌合片１１６の弾性作用ではなく、弾性リング体１０４の弾性変形作用で離脱し、他方、係合部は、弾性変形可能な係合片１１４の弾性変形作用で離脱するようになっていて、キャップ１０３の浮き上がりに対して、嵌合部の嵌合状態を解除するための強度（嵌合強度）は、係合部の係合状態を解除するための強度（係合強度）よりも大きくなっている。

　なお、嵌合片１１６は、プッシュボタン１１１に直交する２箇所に配置することが好ましいが、それだけではキャップ本体１０３ｃが容器本体１０２に対して傾き易く、容易に離脱しなくても安定的に気密性を保持することはできない。従って、それを踏まえて上記の係合強度、および嵌合強度を調整する必要がある。嵌合強度は、概略的には、不意の離脱を防止するために、プッシュボタン１１１を押圧せずにキャップ１０３のみを上方に引っ張っただけでは離脱せず、プッシュボタン１１１を押圧して弾性リング体１０４を変形させた際には容易に離脱する強度であることが好ましい。より具体的には、係合部の解除強度は１Ｎ～１５Ｎ、嵌合部の解除強度は弾性リング体１０４を径方向に故意に弾性変形させない状態で１０Ｎ以上であることが好ましい。なお、これらの強度調整は、第１の実施例と同様に、上記Ｌ２やθ２に相当する係合突起１１３と係合片１１４の係合に関わる長さや角度、あるいは上記Ｌ２やθ２に相当する嵌合突起１１５と嵌合片１１６の嵌合に関わる長さや角度によって調整することができる。

＜係止支持部の機能＞
　ところで、第２の実施例では、第１の実施例に対し、上述した弾性リング体１０４の撓みを防止するための係止支持部を備えている。すなわち、鍔片１１７を備えている。この鍔片１１７は、第２の実施例のキャップ付き容器１０１における最も大きな特徴である。以下に、この鍔片１１７の機能についてより具体的に説明する。

　まず、仮に、第２の実施例のキャップ付き容器１０２に鍔片１１７が無い場合を考える。キャップ１０３を容器本体１０２に装着した状態で、プッシュボタン１１１を押圧せずに、これを離脱するような力が加わると、その力はキャップ１０３の通孔１１０に接触するプッシュボタン１１１を介して弾性リング体１０４へ伝えられる。弾性リング体１０４上では、容器本体１０２との嵌合を保持する二つの嵌合片１１６が、プッシュボタン１１１と直交する位置に形成されているため、もともと弾性変形可能に形成された弾性リング体１０４は、これに作用する上記力によって撓む。すると嵌合は保持されたまま、解除強度の弱い係合部のみが僅かに離れ、容器本体１０２内部の気密が低下することになる。しかし、第２の実施例に係るキャップ付き容器１０２では、取り外しのための操作なしにキャップ１０３が上昇しようとすると、鍔片１２７が弾性リング体１０４の下端に当接して当該弾性リング体１０４を下方から支える。それによって、弾性リング体１０４の撓みが防止され、容器本体１０２内部の気密性を高度に保持することができるのである。

＜効果＞
　以上説明した第２の実施例に係るキャップ付き容器１０１にあっては、係止支持部、具体的には、弾性リング体１０４の下端を下方から支える鍔片１１７により、キャップ本体１０３ｃと弾性リング体１０４とをガタツキなく緊密に一体化することができ、弾性リング体１０４の内面に形成されている嵌合片１１６が嵌合突起１１５に嵌合している状態でプッシュボタン１１１の部位のみが上方に引っ張られても当該弾性リング体１０４が撓むように変形することがない。そのため、キャップ１０３による開口部１０８の封止状態が維持され、容器本体１０２の気密性を向上させることができる。

　従って、第２の実施例に係るキャップ付き容器１０１は、容器本体１０２に収容した揮発性内容物による内圧上昇や、キャップ１０３だけを持ってキャップ付き容器１０１を無理に持ち上げる動作などによって、キャップ１０３が容器本体１０２に対し浮き上がることを阻止することができ、これにより、容器本体１０２内部の気密性を常時適切に保つことができる。

　ここで、第２の実施例のキャップ付き容器１０１の効果について、実証試験を行った。試験方法としては、当該第２の実施例に係るキャップ付容器（実施例）１０１と、当該実施例１０１から鍔片１１７だけを除去した容器（比較例１）と、比較例１からさらに弾性リング体１０４の嵌合片１１６を除去した容器（比較例２）の異なる構造の３種類の容器をそれぞれ三つずつ用意した。なお、比較例１は、構成や構造が異なるものの、係合部と嵌合部を備えて、実質的には、第１の実施例に係るキャップ付き容器１と同等品であると言える。比較例２は従来のキャップ付き容器に相当する。そして、各容器の内部に３０ｍＬの水を入れ、キャップをして横に倒した状態で減圧チャンバーに静置し、減圧下での気密性を比較した。

　当該比較結果を以下の表１に示した。

　表１では、実施例、比較例１、および比較例２の各容器におけるｎ１～ｎ３の三つのサンプルにおいて、減圧過程で水漏れが発生したときの大気圧と減圧後の気圧との差を示している。比較例２では、４５ｍｍＨｇ以上減圧したときに全ての容器で水漏れし、比較例１は、２５０ｍｍＨｇ以上の減圧で全ての容器が水漏れした。一方、実施例の容器は、５００ｍｍＨｇを超えて減圧しても水漏れが発生しなかった。このように弾性リング体１０４に嵌合片１１６をもつ比較例１は、係止部のみでキャッピングされる比較例２に比べ明らかに気密性が優れているが、そこに鍔片１１７を加えた実施例の容器は、比較例１よりも気密性がさらに向上した容器であることが実証できた。

＜変形例＞
　図１７～図２１に、第２の実施例に係るキャップ付き容器１０１の変形例を示した。なお、これらの図においては、当該変形例にのみ特徴的な部位や構成を除いては、図１２～図１６と同じ符号を使った。図１７と図１８（ａ）（ｂ）は、第２の実施例の変形例に係るキャップ付き容器１０１の分解図である。図１７は、当該キャップ付き容器１０１を下方から見たときの分解斜視図であり、図１８（ａ）はキャップ本体１０３ｃの側断面図であり、（ｂ）は弾性リング体１０４の側断面図である。上述した第２の実施例では、係止支持部を構成する鍔片１１７が、キャップ本体１０３ｃに形成された構造であったが、変形例では、弾性リング体１０４に鍔片１１８が設けられている。具体的には、弾性リング体１１４の内周面で、嵌合片１１６の上方に鍔片１１８が形成されている。そして、キャップ本体１０３ｂには、天板部１０３ｂから垂下形成された係合片１１４に、鍔片１１８が挿通される係止孔１１９が形成されている。

　図１９に、キャップ１０３を下方から見たときの一部破断平面図を示した。この図１９に従ってキャップ１０３の組み立て手順を説明すると、弾性リング体１０４の鍔片１１８と、キャップ本体１０３ｃの係合片１１４の係止孔１１９との位置を合わせつつ、弾性リング体１０４を、弾性変形させながらキャップ本体１０３ｃの筒状胴部１０３ａ内方へ押し込む。プッシュボタン１１１が通孔１１０を貫通して弾性リング体１０４が弾性復原すると、鍔片１１８が係止孔１１９に入り込み、係止支持部が完成する。もちろん、プッシュボタン１１１を先に通孔１１０に差し込んで、その後に係止孔１１９に鍔片１１８を係止することでキャップ１０３を組み立てても良い。

　図２０と図２１に、キャップ１０３を容器本体に装着したときの図を示した。図２０は、図１２におけるＡ－Ａ線矢視断面と同様に、プッシュボタン１１１の突設方向に直交する方向から見たときの側断面図であり、図２１は、図１２におけるＢ－Ｂ線矢視断面と同様に、当該突設方向から見たときの側断面図である。係止孔１１９に鍔片１１８が挿通されて係止支持部が構成される。すなわち、弾性リング体１０４がキャップ本体１０３ｃに係止される。この変形例では、キャップ１０３を容器本体１０４に装着する操作と、それに伴う係合部の係合動作や、嵌合部の嵌合動作、および、容器本体１０２からキャップ１０３を取り外す操作と、それに伴う係合部の係合解除や嵌合部の嵌合解除の動作、係止支持部の機能も同様であり、効果も上述した第２実施形態と同様である。さらに、当該変形例では、係止孔１１９内で鍔片１１８が移動することで、弾性リング体１０４がスムーズに弾性変形する、等位効果も得られる。

　なお、この変形例においても、鍔片１１８は、嵌合片１１６位置を中心としてその周辺に形成することが好ましい。これにより、弾性変形自在な弾性リング体１０４の変形の影響を受けることなく、直接嵌合部に反力をとって、キャップ１０３を容器本体１０２の開口部１０８に常に密着させることができる。また、鍔片１１８及び係止孔１１９の形成位置は、プッシュボタン１１１をキャップ本体１０３ｃの通孔１１０に組み付ける際の弾性リング体１０４の弾性変形が鍔片１１８の係止孔１１９への係止に支障とならない限り、所望の位置に設定すれば良い。

　また、変形例の類似例としては、弾性リング体１０４に鍔片１１８を形成し、キャップ本体１０３ｃの係合片１１４に係止孔１１９を形成せず、逆の構成として、弾性リング体１０４に係止孔１１９を形成し、係合片１１４に鍔片１１８を形成した構成も考えられる。第２の実施例における鍔片１１７と、その変形例における鍔片１１８を、それぞれ、キャップ本体１０３ｃと弾性リング体１０４の双方に形成するようにしてもよい。

＝＝＝第３の実施例＝＝＝
　本発明の第３の実施例に係るキャップ付き容器も、第２の実施例のキャップ付き容器１０１と同様に第１の実施例のキャップ付き容器１に対してさらに気密性を高めた構造を備えている。しかし、第３の実施例のキャップ付き容器では、キャップの構造が第１及び第２の実施例とは異なり、弾性リング体がキャップの天板部に形成、あるいは取り付けられている。以下に、第３の実施例に係るキャップ付き容器の具体的な構造や動作について説明する。

＜構造＞
　図２２は第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１の全体斜視図である。第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１は、外観的には、上述した第１および第２の実施例におけるキャップ付き容器（１，１０１）と同様である。当該容器２０１を正立させた状態で、容器本体２０２の上方に着脱可能なキャップ２０６が装着されている。また、筒状胴部２０３ａからキャップ２０６の内部構造が備えるプッシュボタン２１９が露出している。

　図２３と図２４（ａ）～（ｅ）に、当該キャップ付き容器２０１を部品毎に分解したときの図を示した。図２３に分解斜視図を示した。当該図２３に示したように、第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１では、キャップ部２０６における天板部２０５と、筒状胴部２０３とが別部品で構成されている。また、弾性リング体２０４が天板部２０５に取り付けられている。図２４に、キャップ付容器２０１を構成する各部品の構造を個別に示した。図２４（ａ）～（ｅ）は、この順に、キャップ２０６の天板部２０５の側面図、天板部２０５の側断面図、キャップ２０６の筒状胴部２０３の側面図、筒状胴部２０３の側断面図、容器本体２０２の側面図をそれぞれ示している。

　合成樹脂、金属もしくはガラスを素材とした容器本体２０２は、第１及び第２の実施例と同様の構造を備えている。すなわち、ジャー形態または中空筒形態で、上端に開口部２１０を備えて、上から下へ順に、小径の首部２０７、錐面部２０８、大径の胴体部２０９と連続する。錐面部２０８は、第１および第２の実施例と同様に、容器本体２０２の周方向全周に亘って形成されて、下方へ向かって外向きに傾斜するリング状のスロープとなっている。また、首部２０７には、周回する環状突起２２１が形成されており、この突起が、第１の実施例における第１リング状隆起部９であり、第２リング隆起部１０でもある。あるいは、第２の実施例における係合突起１１３であり、嵌合突起１１５でもある。

　キャップ２０６を構成する筒状胴部２０３は、中空円筒体状の外筒体２１１と、その外筒体２１１に取り囲まれた内筒体２１３とから構成される２重筒体構造を有し、外筒体２１１と内筒体２１３とは、下方にて支持部２１２を介して連結されている。キャップ２０６を容器本体２０２に装着した状態では、内筒体２１３が、容器本体２０２の首部２０７を取り囲むこととなる。内筒体２１３の上部は頂板２１４によって封鎖される。そして、装着時には、この頂板２１４の下面が、容器本体２０２の開口部２１０と対面する。頂板２１４の下面には、開口部２１０に密着されるプレート状または開口部２１０の径に合わせたパッキン２１５が設けられている。それによって、キャップ２０６を容器本体２０２に装着すると、頂板２１４がパッキン２１５を下方に押し下げ、開口部２１０を密閉する。

　また、内筒体２１３には、上下方向に延長する２本一対のスリット２２２が形成されており、内筒体２１３の壁面は、このスリットによって挟まれた部位で可撓変形することが可能となる。この弾性変形可能な壁部の下端には内方に向けて鉤状に突出する突起が形成されて、この可撓性の壁部と鉤状の突起とによって、容器本体２０２の環状突起２２１と係合する係合片２２３が構成される。また、環状突起２２１と係合片２２３とによって係合部が構成される。一方、外筒体２１１は、その下端面の一部が直径方向に互いに向かい合わせて切り欠かれている。そして、弾性リング体２０４のプッシュボタン２１９は、この切り欠き部２１６を介してキャップ２０６の外方に露出するようになっている。また、外筒部２１１の上端側の内面には、周溝２１７が形成されている。なお、内筒体２１３の壁面において、切り欠き部２１６に対応する位置には、プッシュボタン２１９を内筒体２１３の内側から、外筒体２１１の外方に露出させるための逃がし孔２２０が形成されている。

　天板部２０５の下方には、外周面にプッシュボタン２１９が一体的に形成された弾性リング体２０４が配置されている。第３の実施例では、天板部２０５の下面に一対の可撓片２１８が垂下形成されており、その可撓片２１８の下方にプッシュボタン２１９が一体的に形成されている。従って、弾性リング体２０４は、この可撓片２１８を介して天板部２０５の下方にぶら下がった状態で当該天板部２０５に取り付けられている。そして、プッシュボタン２１９の形成位置は、組み立てられた状態にあるキャップ２０６において、外筒体２１１の一対の切り欠き部２１６に合致する。また、弾性リング体２０４の内周面で、プッシュボタン２１９の形成位置と直交する位置には、内方に突出する嵌合片２２４が形成されている。

　図２５に、キャップ２０６を下方から見たときの一部破断平面図を示した。この図２５に従ってキャップ２０６を構成する各部品の配置関係や、キャップ２０６の組み立て手順を説明する。概略的には、天板部２０５の外周縁２０５ａは、外筒体２１１における先述の周溝２１７に嵌合される形状に形成されており、この外周縁２０５ａを周溝２１７に嵌合すると、天板部２０５は、頂板２１４を覆うようにして筒状胴部２０３と一体的に組み付けられる。天板部２０５に一体的に形成された弾性リング体２０４は、内筒体２１３を挟んで容器本体２０２と外筒体２１１との間に位置されることになる。プッシュボタン２１９は、天板部２０５を筒状胴部２０３に組み付けた際、内筒体２１３に形成された逃がし孔２２０に挿通され、これにより切り欠き部２１６を介して、キャップ２０６外方へ露出される。

　より具体的にキャップ２０６を組み立て手順や各部位の配置関係などを説明すると、まず、筒状胴部２０３の上方から天板部２０５を押し込み、天板部２０５の外周縁２０５ａを外筒体２１１の周溝２１７に嵌合させる。これにより筒状胴部２０３に天板部２０５が一体的に組み付けられる。この押し込み操作に際し、天板部２０５の弾性リング体２０４は、筒状胴部２０３の外筒体２１１と内筒体２１３との間に位置され、プッシュボタン２１９が内筒体２１３に形成された逃がし孔２２０を介して切り欠き部２１６に嵌まり込む。

　また、筒状胴部２０３の内筒体２１３の壁面には、弾性リング体２０４の内面に形成されている嵌合片２２４を、当該内筒体２１３の外側から、内筒体２１３の内方に露出させるための窓孔２２５が形成されており、上記押し込み操作に際しては、嵌合片２２４を内筒体２１３の窓孔２２５の形成位置に合わせて位置天板部２０５と筒状胴部２０３を一体化する。嵌合片２２４は、プッシュボタン２１９及び係合片２２３位置を避けて内筒体２１３に形成される窓孔２２５位置に合致させて設けられている。それによって、キャップ２０６の内外では、周方向に、プッシュボタン２１９、係合片２２３及び嵌合片２２４が適宜に配列されると共に、弾性リング体２０４の下端部が、筒状胴部２０３の外筒体２１１と内筒体２１３を繋ぐ支持部２１２に常に接触した状態で下支えされる。

＜キャップの着脱動作＞
　次に、キャップ２０６と容器本体２０２との着脱構造や着脱時の動作について説明する。図２６に、図２２におけるＣ－Ｃ線矢視断面図を示し、図２７に図２２におけるＤ－Ｄ線矢視断面図を示した。キャップ２０６を容器本体２０２の上方から押し込むと、係合片２２３が弾性変形して環状突起２２１を乗り越え下側にて係合し、キャップ２０６が容器本体２０２に対して水平に保持される。また、嵌合片２２４が、内筒体２１３に形成された窓孔２２５を介して内筒体２１３の内側に突出しており、この嵌合片２２４が、環状突起２２１に当接して弾性リング体２０４を弾性変形させる。そして、当該環状突起２２１を乗り越えて嵌合片２２４が環状突起２２１の下側に嵌合する。そして、キャップ２０６のパッキン２１５が首部２０７の開口部２１０に密着して、容器本体２０２内の気密性が保持される。

　このように、第３の実施例では、係合片２２３と嵌合片２２４が、異なる位置で一つの環状突起２２１に係合および嵌合してキャップ２０６が容器本体２０２の首部２０７に保持されるようになっている。そして、キャップ２０６を容器本体２０２に装着した状態では、弾性リング体２０４に形成されたプッシュボタン２１９の下端が錐面部２０８上に当接する。

　キャップ２０６を取り外す際には、プッシュボタン２１９を押圧し、キャップ２０６を上昇させつつ、係合部による係合や、嵌合部により嵌合を解除する。プッシュボタン２１９への押圧操作に伴うキャップ２０６の上昇動作は、基本的には、第１および第２の実施例と同様である。すなわち、弾性リング体２０４を弾性変形させると、この弾性変形に伴って、弾性リング体２０４はプッシュボタン２１９と共に、錐面部２０８に沿って下方から上方へ向かって迫り上がり、これに伴って天板部２０５を介して弾性リング体２０４及びプッシュボタン２１９が組み付けられたキャップ２０６が上方へ迫り上がる。

　キャップ２０６が上方向に付勢されると、係合片２２３が環状突起２２１から離脱し係合が解除される。さらに、嵌合部２２４は、弾性リング体２０４が弾性変形されると、嵌合片２２４が首部２０７の径方向外方へ移動して環状突起２２１から離脱し、嵌合状態も解除される。すなわち、筒状胴部２０３と弾性リング体２０４の双方が容器本体２０２から離脱し、弾性リング体２０４の変形に伴うキャップ２０６の上昇を経てキャップ２０６が容器本体２から外れる。

　なお、嵌合部の嵌合強度と係合部の係合強度については、第１および第２の実施例と同様である。すなわち、嵌合部は、嵌合片２２４の弾性作用ではなく、弾性リング体２０４の弾性変形作用で離脱し、係合部は、弾性変形可能な係合片２２３の弾性変形作用で離脱するようになっていて、キャップ２０６の浮き上がりに対して、嵌合部の解除強度は、係合部の解除強度よりも大きくなっている。係合部の解除強度は弾性リング体２０４に押圧を加えたときにキャップ２０６が容易に浮き上がりスムーズに離脱する強度がよい。ただし解除強度が弱すぎると、キャップ２０６と容器本体２０２の嵌合は、プッシュボタン２１９に形成した嵌合片２２４だけに依存することになる。

　また、嵌合片２２４の数については、プッシュボタン２１９に直交する２箇所とすれば好ましいが、係合が解除されると、キャップ２０６が容器本体２０２に対して傾き、容易に離脱しなくても安定的に気密性を保持することができなくなる可能性がある。そのため、不用意な離脱に加え、確実に容器本体２０２を密閉させるためには、解除強度の調整が必要となる。この嵌合部の解除強度は、概略的には、プッシュボタン２１９を押圧せずにキャップ２０６のみを上方に引っ張っても係合が解除されず、かつプッシュボタン２１９を押圧して弾性リング体２０４を変形させると容易に離脱する強度であることが好ましく、その具体的な数値は、第２の実施例と同様とすれば好ましい。また、これらの強度調整は、係合片２２３と環状突起２２１、あるいは嵌合片２２４と環状突起２２１の掛かり量や接触傾斜角の調整によってなされる。係合部と嵌合部の解除強度をより明確に区別するために、第１および第２の実施例と同様に、容器本体２０２に２本の環状突起２２１を別々に形成し、それぞれの突起の長さや傾斜角を変えてもよい。

＜支持部の機能＞
　第３の実施例では、第１の実施例と同様の係合部と嵌合部とによるキャップの着脱動作を実現していると共に、第２の実施例における鍔片１１７と同様の機能を担う支持部２１２を備えている。第３の実施例では、筒状胴部２０３の外筒体２１１と内筒体２１３との連結部を支持部２１２とし、この支持部２１２の上面に弾性リング体２０４の下端面が接触することで、当該弾性リング体２０４が下支えされる。以下に、この支持部２１２の機能について説明する。

　もし、支持部２１２が弾性リング体２０４と適正に接触していないと、言い換えれば、支持部２１２が無いと、プッシュボタン２１９を押さずにキャップ１０６を取り外そうとする力が加わったとき、その力が筒状胴部２０３から天板部２０５に形成された二つの可撓片２１８を介して、弾性リング体２０４へ伝えられた際、弾性リング体２０４上では、容器本体２０２との嵌合を保持する二つの嵌合片２２４が、可撓片２１８と互いに直交する位置に形成されているため、弾性リング体２０４が上下方向に撓む。このとき、嵌合部は嵌合状態を維持するが、解除強度の弱い係合部のみが僅かに離れる。それによって、容器本体２０２内部の気密が低下する。しかし、支持部２１２が弾性リング体２０４と接触して弾性リング体２０４を下支えしていれば、プッシュボタン２１９を押さずにキャップ２０６を容器本体２０２から離脱させようとする力を加えても、その力は筒状胴部２０３から可撓片２１８に伝わらず、支持部２１２を通して弾性リング体２０４全体へ伝わる。従って、弾性リング体２０４が撓まず、容器本体２内部の気密性を高度に保持することができる。

＜効果＞
　第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１は、第２の実施例に係るキャップ付き容器１０２と同様に、容器本体２０２に収容した揮発性内容物による内圧上昇や、キャップ２０６だけを持ってキャップ付き容器２０１を持ち上げる動作などによって、キャップ２０６が容器本体１０２に対し浮き上がることを阻止することができる。従って、容器本体２０２内部の気密性を常時適切に保つことができる。また、第３の実施例に係るキャプ付き容器２０１では、天板部２０５を筒状胴部２０３に上方から組み付けるだけでキャップ２０６を完成することができるので、簡単に組み立てることができ、生産性を向上することができる。

　また、第１の実施例のキャップ付き容器１では、プッシュボタン１３を筒状胴部３ａに設けた通孔１２に通すことで、弾性リング体４とキャップとを組み付けたり、プッシュボタン１３を、筒状胴部３ａの外方に、最低でも弾性リング体４を弾性変形させるためのストローク分だけの高さで露出させる必要があったが、第３の実施例では、弾性リング体２０４は、可撓片２１８を介して天板部２０５に取り付けられ、支持部２１２によっても下支えされているため、プッシュボタン２１９の周辺は、切り欠き状にしたり逃がしを形成するなど、指で押圧を掛け易い自由な形状にすることができる。なお、当然のことながら、第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１では、第１の実施例のキャップ付き容器１と同様の効果も奏する。

＜変形例＞
　切り欠き部２１６を第１および第２の実施例と同様に通孔に代えた変形例としてもよい。図２８に第３の実施例の変形例として、通孔２５０を備えたキャップ付き容器３０１を示した。この図では、構造や形状に大きな変更がない部位については、第３の実施例に係るキャップ付き容器２０１と同じ符号を付している。当該図２８に示したように、外筒体２１１に互いに向かい合あった通孔２５０が形成されている。なお、この場合では、天板部２０５に形成されている一対の可撓片２１８は、この外筒体２１１の通孔２５０位置に合致させて形成されることになる。

　なお、切り欠き２１６を通孔２５０に代えた場合では、例えばプッシュボタン２１９の大きさが、これを押圧する指より小さいとき、プッシュボタン１１９が外筒体２１１の外壁面と面一になった時点でさらに押し込むことができなくなる。一方、切り欠き部１６のように外筒体２１１の一部が欠除していれば、プッシュボタン２１９を外筒体１１の壁面よりさらに内方へ押圧することが可能となり、押圧操作性を向上することができると共に、弾性リング体２０４の可動範囲を広げられるから、プッシュボタン２１９の大きさが小さい場合は、切り欠き部２１６とすることが好ましいと言える。

　弾性リング体２０４は必ずしも天板部２０５と一体的に形成されていなくてもよい。可撓片２１８がなく、天板部２０５と弾性リング体２０４が別体の場合は、先に弾性リング体２０４を筒状胴部２０３の外筒体２１１と内筒体２１３の間に配し、その後、天板部２０５を外筒体２１１の上端に形成された周溝２１７に嵌合すればよい。天板部２０５と筒状胴部２０３とは、周溝２１７を用いず、接着や超音波溶着などにより一体化してもよい。

　すなわち、キャップ２０６は、支持部２１２を有する筒状胴部２０３を含む第１部品と、弾性リング体２０４を有する天板部２０５を含む第２部品の２部品から構成され、これら２部品は、弾性リング体２０４の下端部が支持部２１２上に位置するように、一体的に組み付けられる場合や、支持部２１２を有する筒状胴部２０３と、弾性リング体２０４と、天板部２０５の３部品から構成され、弾性リング体２０４は、これが筒状胴部２０３の支持部２１２に接触した状態で、キャップ２０６に一体的に組み付けられる場合などがある。

＝＝＝その他の実施例＝＝＝
　上記各実施例では、容器本体（２，１０２，２０２）やキャップ（３，１０３，２０６）は、その水平断面形状が円形であったが、もちろん、楕円形状や多角形状であってもよい。弾性リング体（４，１０４，２０４）についても、復原自在に多様に変形可能で、いずれかの径方向から押圧されると、当該押圧方向とほぼ直交する直径方向へ弾性変形すればよく、その水平断面形状は、円形状に限らず、多角形状や楕円形状であってもよい。

　また、第１の実施例におけるリング状隆起部（９，１０）や第２の実施例における係合突起１１３と嵌合突起１１５の容器本体（２，１０２）における形成位置は、その上下の関係が逆となっていてもよい。例えば、第１リング状隆起部９を第２リング状隆起部１０の下方に形成してもよい。

　また、第１および第２の実施例では、第１リング状隆起部９と第２リング状隆起部１０、および係合突起１１３と嵌合突起１１５のように、容器本体（２，１０２）の周囲に突起が上下２段に形成されていたが、第３の実施例と同様に、これらの二つの突起を一つで兼用することも可能である。例えば、第２の実施例であれば、嵌合部を形成する嵌合突起１１５および係合部を形成する係合突起１１３を一体の突起として形成し、この一つの突起に対して弾性リング体１０４の嵌合片１１６を嵌合したり、キャップ本体１０３ｃの係合片１１４を係合したりするように構成してもよい。

　上述した各実施例では、錐面部（６，１０６，２０８）は、容器本体（２，１０２，２０２）の周方向全周に亘って形成されているが、部分的に形成されていてもよい。また、錐面部（６，１０６，２０８）は、容器本体（２，１０２，２０２）の開口部（８，１０８，２１０）周りに形成されていたが、係合部や嵌合部を構成する突起、すなわち、リング状隆起部（９，１０，１７）、係合突起１１３、嵌合突起１１５、環状突起２２１が形成される首部相当の筒体面を錐面部（６，１０６，２０８）の下に形成するようにしてもよい。錐面部（６，１０６，２０８）を弾性リング体（４，１０４，２０４）のプッシュボタン（１３，１１１，２１９）の内側にも互いに向かい合うようにして形成してもよい。プッシュボタン（１３，１１１，２１９）にのみ錐面部に相当する錐体面を形成し、容器本体にはこの錐体面に当接する角付けなどを施して迫り上げ手段を構成するようにしてもよい。

１，１０１，２０１，３０１　キャップ付き容器
２，１０２，２０２　容器本体
３，１０３，２０６　キャップ
３ａ，１０３ａ，２０３　筒状胴部
３ｂ，１０３ｂ，２０５　天板部
３ｃ，１０３ｃ　キャップ本体
４，１０４，２０４　弾性リング体
６，１０６，２０８　錐面部
８，１０８，２１０　開口部
９　第１リング状隆起部
１０　第２リング状隆起部
１２，１１０，２５０　通孔
１３，１１１，２１９　プッシュボタン
１４　第２係合部
１５　可撓性壁部
１６　第１係合部
１７　単一のリング状隆起部
１１３　係合突起
１１４，２２３　係合片
１１５　嵌合突起
１１６，２２４　嵌合片
１１７，１１８　鍔片
２１２　支持部
２１６　切り欠き部
２２１　環状突起
Ｌ１　第２係合部と第２リング状隆起部との係合長さ
Ｌ２　第１係合部と第１リング状隆起部との係合長さ
θ１　第２係合部と第２リング状隆起部との係合角度
θ２　第１係合部と第１リング状隆起部との係合角度

Claims

　上端に開口部を有して内部に内容物を収納する容器本体と、当該容器本体に着脱自在に装着されると共に、装着時に前記開口部を封止して前記容器本体の内部を密閉するキャップ部とを備えたキャップ付き容器であって、
　前記キャップ部は、上方を天板部として、当該天板部の周縁から下方に垂下して周側壁を構成する筒状胴部と、当該筒状胴部に囲繞されると共に径方向に弾性変形する弾性リング体と、当該弾性リング体の外周面に互いに反対方向に突出するように形成されているプッシュボタンとを備え、
　前記容器本体と前記弾性リング体の少なくとも一方には、上方から下方に向けて徐々に拡張する錐面部が形成され、前記弾性リング体は、縮径変形した際に当該錐面部に沿って迫り上がり、
　前記プッシュボタンは、前記筒状胴部の内部から外部に露出しつつ、対向方向に押圧されると前記弾性リング体を縮径変形させて前記キャップ部を当該弾性リング体と共に上昇させ、
　前記キャップ部が前記容器本体に装着されている状態で、前記筒状胴部と前記容器本体とを係合させつつ、所定の位置関係となるように保持すると共に、当該装着状態から前記キャップ部を上昇させると前記係合が解除される係合部と、
　前記キャップ部が前記容器本体に装着されている状態で、前記弾性リング体を前記容器本体に嵌合させると共に、当該弾性リング体が弾性変形した際に、嵌合状態が解除される嵌合部と、
　を備えたことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１において、
　前記容器本体は、前記開口部より底部が太い有底筒状で、前記錐面部は、前記開口部から底部に至る途上で下方に向かって徐々に拡張するように形成されていることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１または２において、前記錐面部は、前記弾性リング体に設けられ、前記容器本体の外周側面が当該錐面部に当接されることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１～３のいずれかにおいて、前記係合部は、前記容器本体の外周側面に設けられた突起部と、前記キャップ部の前記筒状胴部の内方に設けられて当該突起部と係合する係合片とによって構成され、
　前記嵌合部は、前記突起部あるいは前記容器本体の外周側面に設けられた別の突起部と、前記弾性リング体の内方に設けられてこれらいずれかの突起部と嵌合する嵌合片とによって構成されている、
　ことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１～４のいずれかにおいて、前記嵌合部における嵌合強度を、前記係合部における係合強度よりも強く設定したことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４において、前記嵌合片が前記突起部と嵌合する長さを、前記係合片が前記突起部と係合する長さよりも長く設定したことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４，または６において、前記嵌合片と前記突起部との嵌合角度を、前記係合片と前記突起部との係合角度よりも小さく設定したことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４，６，７のいずれかにおいて、前記係合片は、前記キャップ部に設けられた可撓性壁部の先端を鉤状に形成してなることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４，６，７，８のいずれかにおいて、前記係合片は、前記キャップ部の前記筒状胴部の内側壁面の周方向に間隔を隔てて設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４，６，７，８のいずれかにおいて、前記係合片は、前記キャップ部の前記筒状胴部の内側壁面の周方向全周に亘って設けられていることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項４，６，７，８，９，１０のいずれかにおいて、前記突起部は、前記係合片と係合する係合突起と、前記嵌合片と嵌合する嵌合突起とによって構成されていることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１～１１のいずれかにおいて、前記プッシュボタンは、前記筒状胴部に穿設された通孔を介して外部に露出していることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１～１１のいずれかにおいて、前記プッシュボタンは前記筒状胴部に穿設された通孔を介して外部に露出すると共に、前記プッシュボタンへの押圧操作なしに前記キャップ部が上昇した際に前記弾性リング体が上下方向に変形するのを防止するために、当該上昇時に弾性リング体を前記キャップ本体部に係止させて、前記キャップ部による前記開口部の封止状態を保持する係止支持部を備えたことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１３において、前記係止支持部は、前記キャップに形成され、前記弾性リング体に係止される鍔片であることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１３において、前記係止支持部は、前記弾性リング体に形成され、前記キャップを係止する鍔片であることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１～１１のいずれかにおいて、
　前記天板部に覆われつつ前記弾性リング体の内周側に配置されて前記開口部を覆う頂板を備え、
　前記筒状胴部は、前記弾性リング体の外周を囲繞しつつ、前記弾性リング体が常に水平に保たれるように前記弾性リング体の下端面を下支えする支持部を備え、
　前記プッシュボタンは、前記筒状胴部に互いに向かい合わせて一対形成されている切り欠き部もしくは通孔を介して外方に露出し、
　前記頂板は、前記支持部を介して前記筒状胴部と一体的に形成される、
　ことを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１６において、前記キャップ部は、前記支持部を有する前記筒状胴部を含む第１部品と、前記弾性リング体を有する前記天板部を含む第２部品の２部品から構成され、これら２部品は、上記弾性リング体の下端部が上記支持部上に位置するように、一体的に組み付けられることを特徴とするキャップ付き容器。
　請求項１６において、前記キャップ部は、前記支持部を有する前記筒状胴部と、前記弾性リング体と、前記天板部の３部品から構成され、上記弾性リング体は、これが前記筒状胴部の上記支持部に接触した状態で、前記キャップ部に一体的に組み付けられることを特徴とするキャップ付き容器。