明 細 書 シ一ト状窓部材および窓構造体 技術分野
本発明は、 芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシ一ト状物をゴム質緩衝層に より該樹脂よりも線膨張係数の小さい部材、 例えば金属フレームなど、 に結合す る際に、 かかる結合をより強固にし、 殊にその結合の耐湿熱性を向上させた窓部 材に関する。 かかる窓部材によって、 芳香族ポリ力一ポネート榭脂よりなるシ一 ト状物 (殊に透明な芳香族ポリカーボネート樹脂からなるシート状物) が、 金属 フレームに極めて強固に結合されかつその結合の劣化も少ない、 一体化された部 材が提供される。 また本発明は、 前記窓部材を使用した窓構造体にも関する。 背景技術
芳香族ポリカーポネ一ト樹脂よりなるシ一ト状物はその寸法安定性、衝撃強度、 および透明性などの優れた特徴から、 様々な工業的分野 (例えば建材や自動車部 材などの分野) に幅広く使用されている。 従来の技術ではシート状物は、 例えば ポルト締めのようなシート状物の一部を拘束する方法で、 他の部材に固定される ことが多かった。 この場合、 一般にシート状物を固定する他の部材は、 金属、 コ ンクリート、 および木材などの芳香族ポリカーボネート樹脂よりも線膨張係数が 小さい部材である。 したがって、 固定されたシート状物の拘束点付近には、 周囲 の温度変化に伴う寸法変化の差異によつて、 応力集中が発生する問題があつた。 かかる応力集中はひどい場合には拘束点付近の破損を招く。
かかる問題の解決方法の 1つとして、 従来より芳香族ポリカーボネート樹脂に 充填材を添加し、 温度による寸法変ィ匕を小さくする試みがなされている。 しかし ながらかかる方法により十分に低い熱膨張係数を得るためには、 芳香族ポリ力一 ポネート樹脂に期待される各種の特性を犠牲にすることが多く汎用的な方法とは 言い難い。 特に透明性が求められる用途において適切な対応方法ではなかつた。
近年では大型のシ一ト状物に対する要求が高く、 上記の熱膨張係数の差異に伴う 応力集中の問題は、 より深刻化する傾向にある。
このような問題点を解決する方法として、 ゴム質の接着剤を緩衝層として用い て熱可塑性樹脂組成物より形成された成形体を広い範囲で他の部材に拘束する方 法が既に周知である。
一方で、 従来ガラス製であったダレ一ジング材などの大型透明部材 (大型透明 シート状物) を、 軽量な透明プラスチックシートに転換する試みが近年盛んであ り、 殊に車輛用グレージング材においてかかる試みが盛んである。 透明プラスチ ックとして芳香族ポリカーボネート樹脂が、 透明性、 強度、 および耐熱性などの 点から主たる試行対象とされている。 かかる試みにおける問題点の 1つとして、 車輛用フレームへのプラスチックシートの固定方法がある。 前記の如くポルト締 めのような固定方法は応力集中の観点からあまり適切とはいえない。
ガラス製の車輛用グレージングの分野においては、 ダイレクトグレージング法 が既に周知である。 かかるダイレクトグレ一ジング法は応力集中の問題も生じ難 い。 かかるダイレクトグレージングにおいて特定の二液性ウレタン接着剤を使用 する方法が公知である (米国特許第 5853895号明細書参照) 。 その接着剤 として BETAMATE (商標、 Dow Au t omo t i ve社製) は巿販さ れ公知である。 該 BETAMATEは、 一液および二液性のウレタンおよびェポ キシ系の接着システムであり、 その適用対象として、 LEXAN (商標、 GE社 製の芳香族ポリカーボネート系樹脂) および XENOY (商標、 GE社製の芳香 族ポリカーボネ一トとポリブチレンテレフ夕レートとのポリマーァロイ系樹月 ) の接着等があることも公知である。 ガラスやシリコーンハードコートされた樹脂 ガラス等の非孔質な基体に対するウレタン系シーラントの接着性を高めるための 特定のプライマー組成物は公知である (特開 2001— 064470号公報およ び特開 2001— 323214号公報参照) 。
しかしながら前記ダイレク卜グレージング法の芳香族ポリ力一ポネート樹脂シ 一トへの単なる転用では、 芳香族ポリ力一ポネート樹脂のシートが金属などの部 材に良好に接着した部材を得られない場合があり、 殊にその接着力の耐湿熱性を
更に改良すべき余地があった。 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
本発明は、 芳香族ポリカーポート樹脂のシート状物を、 該シート状物よりも熱 膨張係数の小さい (例えば金属などの) 部材に強固に接着するための部材であつ て、 殊にその接着力の耐湿熱性に優れた部材を提供することを目的とする。
かかる目的を達成すベく本発明者らは鋭意検討した結果、 驚くべきことに芳香 族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフ夕レート樹脂を特定割合からなる 樹脂組成物より形成される部材が、 ゴム質緩衝層との接着性において優れた耐湿 熱性を有することを見出した。 かかる知見は、 かかる組成物自体より形成される 部材の耐湿熱性が芳香族ポリカーボネート樹脂単独等と比較して同等またそれ以 下であることを考慮すると全く予想外であった。 更に、 本発明者らは鋭意検討を 進めたところ、 特にガラス繊維の如き繊維状充填材をさらに含有する樹脂組成物 より形成された部材においては、その長期特性がより良好であることを見出した。 これらの結果、 上記目的を達成し得る本発明を完成したものである。 課題を解決するための手段
本発明によれば、 前記本発明の目的は、
A:芳香族ポリカーボネート系樹脂よりなるシート状物 (A)
B:そのシート状物 (A) の片面の周囲面に積層された枠部材 (B) およ び、
C:その枠部材 (B) の表面に形成されたゴム質緩衝層 (C)
よりなるシート状窓部材であって、 その枠部材 (B) は、 下記 (i ) 〜 (i i i ) よりなる樹脂組成物より形成されていることを特徴とするシート状窓部材 によって達成される。
( i ) 芳香族ポリ力一ポネート樹脂 (B— 1 ) 5 0〜 9 0重量部、
( i i )ポリエチレンテレフ夕レート樹脂(B— 2 ) 1 0〜5 0重量部、
および
(i i i) 前記 (B— 1) および (B— 2) の合計 100重量部当り繊 維状充填剤 (B-3) 0〜50重量部。
さらに本発明によれば、前記シート状窓部材におけるゴム質緩衝層 (C)上に、 金属フレームを貼り付けた窓構造体が提供される。 即ち、 かかる窓構造体を構成 するシート状窓部材が提供される。
更に本発明によれば、 かかる枠部材 (B) のための前記 (i) 〜 (i i i) よ りなる枠部材形成用の樹脂組成物が提供され、 また本発明によれば前記 (i) 〜 (i i i) よりなる榭脂組成物の前記 A〜Cよりなるシート状窓部材における枠 部材 (B) としての使用 (使用する方法) が提供される。
かかる本発明によれば、 芳香族ポリカーボネート樹脂よりなるシ一ト状物が、 そのシート状物より熱膨張の小さい金属フレームに強固に接着した窓構造体およ びその構造体のための窓部材が得られる。 本発明の窓構造体は、 金属フレームと シート状物の結合が強固であるばかりでなく、該結合の耐湿熱性にも優れている。 発明を実施するための最良の形態
以下本発明の窓部材および窓構造体についてさらに詳細に説明する。 前述した ように本発明の窓部材は、 A:シート状物、 B:枠部材および C:ゴム質緩衝層 により構成される。 これらの組み合わせによって最終的に A:シート状物と金属 フレームとの接着が強固でかつ長期的にも安定した特性を維持できる窓構造体が 得られる。 まず窓部材における枠部材 (B) を形成する樹脂組成物について説明 する。
(1) 枠部材 (B) の樹脂組成物および枠部材の構造について
前述したように枠部材 (B) を形成する樹脂組成物は、 (i)芳香族ポリカーボ ネート樹脂 (B_l)、 (i i) ポリエチレンテレフ夕レート樹脂 (B— 2) 及び
(i i i) 必要により繊維状充填剤 (B— 3) の各成分よりなる。 これら (B— 1)、 (B— 2) および (B—3) の成分について以下説明し、 次いで枠部材の構 造について説明する。
(i) 芳香族ポリカーボネート樹脂 (B— 1):
B— 1成分である芳香族ポリカーポート樹脂 (以下単に "ポリ力一ポネート樹 脂" と称する場合がある) は、 二価フエノールと力一ポネート前駆体とを反応さ せて得られるものである。 反応方法の一例として界面重合法、 溶融エステル交換 法、 カーボネー卜プレボリマーの固相エステル交換法、 および環状カーボネー卜 化合物の開環重合法などを挙げることができる。 かかるポリ力一ポネート樹脂は それ自体公知であり、 例えば特開 2002- 129027号公報に記載のポリ力 ーポネート樹脂を使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂は二価フエノール (ハイドロキノンおよびレゾ ルシノールを含む) の単独重合体および二種以上の二価フエノールから構成され る共重合体のいずれも選択できる。
B— 1成分は各種ポリカーボネート樹脂の中でもビスフエノール Aの如きビス (4—ヒドロキシフエニル) アルカンの単独重合体、 並びに 1, 1一ビス (4一 ヒドロキシフエニル) 一3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン、 ビス (4—ヒ ドロキシフエニル) アルカン (ビスフエノール Aなど) 、 2, 2—ビス { (4一 ヒドロキシー 3—メチル) フエ二ル} プロパン、 および《, α' 一ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) _m—ジイソプロピルベンゼン、 9, 9—ビス (4—ヒドロ キシ一 3—メチルフエニル) フルオレンから選択される 2種以上の二価フエノー ルから構成される共重合体が好ましく使用され、 特にビスフエノール Aの単独重 合体が好ましい。
かかるビスフエノール Aの単独重合体であるポリカーボネート樹脂は、 優れた 耐衝撃性を有しており、 かつ汎用されている点で合理的である。 一方、 かかる共 重合体は、 高耐熱性または低吸水率の点で優れ、 かかる共重合体樹脂の製法およ び特性については、 例えば特開平 6— 172508号公報、 特開平 8— 2737 0号公報、 特開 2001— 55435号公報、 および特開 2002—11758 0号公報などに詳しく記載されている。
力一ポネート前駆体としては力ルポニルハライド、 炭酸ジエステルまたはハロ ホルメートなどが使用され、 具体的にはホスゲン、 ジフエ二ルカーポネートまた
は二価フェノ一ルのジ八口ホルメートなどが挙げられる。
上記二価フエノールと力一ポネート前駆体から各種重合法によってポリ力一ポ ネート樹脂を製造するに当っては、 必要に応じて触媒、 末端停止剤、 二価フエノ ールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。 また本発 明のポリカーボネ一ト棚旨は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分 岐ポリカーボネート樹脂、 芳香族または脂肪族 (脂環族を含む) の二官能性カル ボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、 二官能性アルコール (脂環 族を含む) を共重合した共重合ポリ力一ポネ一卜樹脂、 並びにかかる二官能性力 ルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーポネ一ト 樹脂を含む。 これらのポリカーボネート樹脂も公知である。 また、 得られたポリ 力一ポネート樹脂の 2種以上を混合した混合物であってもよい。
各種反応形式の詳細についても、 公知文献及び特許公報などでよく知られてい る。
ポリカーボネート榭脂の分子量は特定されないが、 分子量が 1 0, 0 0 0未満 であると強度などが低下し、 5 0 , 0 0 0を超えると成形加工性が低下するよう になるので、 粘度平均分子量で表して 1 0 , 0 0 0〜 5 0 , 0 0 0のものが好ま しく、 1 5 , 0 0 0〜4 0 , 0 0 0のものがより好ましく、更に好ましくは 1 8 , 0 0 0〜3 0 , 0 0 0である。 また、 ポリカーボネート樹脂の 2種以上を混合し ても差し支えない。 この場合粘度平均分子量が上記範囲外である芳香族ポリカー ポネ一ト樹脂とを混合することも当然に可能である。
分子量の異なる 2種以上のポリカーボネート樹脂を混合する場合は、 粘度平均 分子量が 5 0, 0 0 0、 好ましくは 8 0, 0 0 0を超えるポリカーボネート樹脂 との混合物が好ましい。 かかる混合物はエントロピ一弾性が高く、 ガスアシスト 成形等を併用する場合に有利となるからである。 その他高いエントロピー弾性に 由来する特性 (ドリップ防止特性、 ドロ一ダウン特性、 およびジエツティング改 良などの溶融特性を改良する特性) を発揮するものである。
ポリカーポネ一ト樹脂の粘度平均分子量 (M) は塩化メチレン 1 0 O m lにポ リカーボネ一ト樹脂 0. 7 gを溶解した溶液から 2 0 °Cで求めた比粘度 ( 77 s p)
を次式に揷入して求めたものである。
7? S P/C = [77] +0. 45X [77] 2 C (但し [77] は極限粘度)
[??] =1. 23X 10"Μ°· 83
c = 0. 7
(i i) ポリエチレンテレフ夕レート樹脂 (B_2) :
(B-2) 成分であるポリエチレンテレフタレート樹脂 (以下、 単に "PET 樹脂" と称する場合がある) とは、 主たる繰り返し単位がエチレンテレフ夕レー トであって、 そのジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を 85モル%以上、 およびジオール成分としてエチレングリコールを 85モル%以上含有してなるポ リエステル樹脂である。 PET榭脂は、 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成 分を 90モル%以上含むことが好ましい。
PET樹脂における他のジカルボン酸成分の例としては、例えばイソフタル酸、 2 _クロロテレフタル酸、 2, 5—ジクロロテレフタル酸、 2—メチルテレフタ ル酸、 4, 4—スチルベンジカルボン酸、 4, 4ービフエニルジカルボン酸、 ォ ルトフタル酸、 2, 6—ナフタレンジカルボン酸、 2, 7—ナフタレンジ力ルポ ン酸、 ビス安息香酸、 ビス (p—力ルポキシフエニル) メタン、 アントラセンジ カルボン酸、 4, 4—ジフエニルエーテルジカルボン酸、 4, 4ージフエノキシ エタンジカルポン酸、 5— N aスルホイソフタル酸、 およびエチレン—ビス一 p 一安息香酸などが挙げられる。 これらのジカルボン酸は単独でまたは 2種以上混 合して使用することができる。
更に PET樹脂には、 上記の芳香族ジカルボン酸以外に、 脂肪族ジカルボン酸 成分を共重合することができる。 脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、 アジ ピン酸、 セバシン酸、 ァゼライン酸、 ドデカン二酸、 1, 3—シクロへキサンジ カルボン酸、 および 1, 4—シクロへキサンジカルボン酸などが挙げられる。
P ET樹脂における他のジオール成分としては、例えばジエチレンダリコール、
1, 2—プロピレングリコール、 1, 3—プロパンジオール、 2, 2—ジメチル —1, 3—プロパンジオール、 2, 2, 4, 4—テトラメチルー 1, 3—シクロ ブタンジオール、 1, 4一ブタンジオール、 ネオペンチルグリコール、 1, 5—
ペン夕ンジオール、 1 , 6—へキサンジォ一ル、 1, 4ーシクロへキサンジメタ ノール、 1 , 3—シクロへキサンジメタノール、 デカメチレングリコール、 シク 口へキサンジオール、 p—キシレンジオール、 ビスフエノール Aなどを挙げるこ とができる。 これらは単独でも、 2種以上を混合して使用することができる。 更 にジオール成分としてわずかにポリアルキレングリコールを共重合した P E T樹 脂も使用できる。 ポリアルキレングリコールの分子量としては 1 5 0〜6, 0 0 0の範囲が好ましい。
B— 2成分における P E T樹脂は、 それぞれ 1種で、 または 2種以上を組み合 わせて使用することができる。
B— 2成分における P E T樹脂は、 上記の中でも特に他の共重合成分を含まず 実質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分のみから製造されたポリエ ステル樹脂が好ましい。 しかしながら、 かかるポリエステル樹脂は、 通常重合時 の副反応生成物としてジオール成分 1 0 0モル%中、 約 0 . 5モル%以上のジェ チレンダリコール成分が含まれている。 したがって B— 2成分における好適な P E T樹脂はジエチレングリコール成分を少量含むものであってよい。 ジエチレン ダリコール成分は、 ジオール成分 1 0 0モル%中 6モル%以下が好ましく、 5モ ル%以下がより好ましく、 4モル%以下が更に好ましい。
B— 2成分における P E T樹脂は、 B— 2成分 1 0 0重量%中 8 5重量%以上、 より好ましくは 9 0重量%以上含有される。 B— 2成分は、 前記 P E T樹脂以外 の芳香族ポリエステル樹脂を 1 5重量%以下、 より好ましくは 5重量%以下含有 することができる。 特に好ましい B— 2成分は、 実質的に P E T樹脂からなる芳 香族ポリエステル樹脂である。
かかる P E T樹脂以外の芳香族ポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸として は、 テレフタル酸および前記の P E T樹脂における他のジカルボン酸成分が例示 され、 該芳香族ポリエステル樹脂のジオール成分としてはエチレングリコールお よび前記の P E T樹脂における他のジオール成分が例示される (ポリアルキレン グリコールを含む) 。 かかる芳香族ポリエステル樹脂としては、 具体的には例え ば、 ポリプロピレンテレフ夕レー卜、 ポリブチレンテレフタレ一卜 (P B T) 、
フタレート (P E N) 、 ポリブチレンナフタレート (P B N) 、 ポリエチレン一 1 , 2—ビス (フエノキシ) ェタン一 4 , 4, ージカルポキシレートなどの他、 ポリエチレンイソフタレー卜 Zテレフ夕レート、 ポリブチレンテレフ夕レー卜 イソフタレート、 ポリエチレン Zネオペンチルテレフタレ一ト、 およびシクロへ キサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどのような共重合ポリ エステルが挙げられる。
前記の P E T樹脂並びにそれ以外の各種芳香族ポリエステル樹脂の分子量は、 o—クロロフエノールを溶媒として 3 5 °Cで測定された極限粘度数が 0 . 5〜 1 . 5 d l Zgの範囲であることが好ましく、 0. 6〜1 . 2 d l / gの範囲がより 好ましい。 また B— 2成分の芳香族ポリエステル樹脂の末端力ルポキシル基量は 特に制限されない。
上記の B— 2成分の芳香族各種ポリエステル樹脂は従来公知の製造方法によつ て製造することができる。 すなわちジカルボン酸とジオールを直接反応させて水 を留去しエステル化した後、 減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、 またはジ 力ルポン酸ジメチルエステルとジオールを反応させてメチルアルコールを留去し エステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。 更に極限粘度数を増大させるために固相重合を行うことができる。
上記のエステル交換反応またはエステル化反応および重縮合反応時には、 触媒 および安定剤を使用することが好ましい。エステル交換触媒としては M g化合物、
M n化合物、 C a化合物、 Z n化合物などが使用され、 例えばこれらの酢酸塩、 モノカルボン酸塩、 アルコラ一ト、 および ¾ィ匕物などが挙げられる。 またエステ ル化反応は触媒を添加せずに、 ジカルボン酸およびジオールのみで実施すること が可能であるが、 後述の重縮合触媒の存在下に実施することもできる。
重縮合触媒としては、 G e化合物、 T i化合物または S b化合物などが使用可 能であり、 例えば二酸化ゲルマニウム、 水酸化ゲルマニウム、 ゲルマニウムアル コラート、 チタンテトラブトキサイド、 チタンテトライソプロポキサイド、 およ び據酸チ夕ンなどが挙げられる。 安定剤としてリン化合物を用いることが好まし
い。 好ましいリン化合物としては、 リン酸およびそのエステル、 亜リン酸および そのエステル、 並びに次亜リン酸およびそのエステルなどが挙げられる。 またェ ステル化反応時には、 ジエチレンダリコール副生を抑制するために卜リェチルァ ミンなどの第 3級ァミン、 水酸化テトラエチルァンモニゥムなどの水酸化第 4級 アンモニゥム、 および炭酸ナトリウムなどの塩基性化合物を添加することもでき る。 また得られたポリエステル樹脂には、 各種の安定剤および改質剤を配合する ことができる。
( i i i ) 繊維状充填剤 (B - 3 )
B - 3成分である繊維状充填材は、 芳香族ポリカーポネ一ト樹脂よりなるシ一 ト状物 (A) をより強固に拘束し、 このシート状物 (A) の熱膨張に起因する変 形を抑制する。 一方で、 ゴム質緩衝層 (C) との接着における耐湿熱性は、 繊維 状充填材含有の枠部材において若干の低下が認められる。 したがってこれらの特 性のいずれを重視するかによって好ましい態様は異なるものの、 総合的な特性の バランスにおいては、 繊維状充填材を比較的少量含有することが好ましい。 枠部材 (B) 中に含有される繊維状充填材は、 シート状物 (A) と枠部材 (B) との結合面、 並びに枠部材 (B) とゴム質緩衝層 (C) との接着面に対して平行 に配向しやすい。 したがって本来繊維状充填材ゃ板状充填材が補強効果を発揮す る配向方向とは異なる方向に、 これらの結合 ·接着面における剥離力は生ずる。 耐湿熱性の若干の低下は、 かかる配向も原因の 1つとなっている可能性がある。 しかしながら、 B— 3の繊維状充填材は板状充填材に比較すれば、 かかる剥離力 の生ずる方向 (配向方向とは異なる方向) における強度において有利である。 ま たかかる観点から、 繊維状充填材 (B - 3 ) とマトリックス樹脂 (B— 1および B— 2 ) との強固な結合が重要であり、 更に該結合がより耐湿熱性に優れること が好ましい。
B— 3成分の繊維状充填材は、 その LZD (繊維長ノ繊維径) が 1を超え、 好 ましくは 2以上である繊維状または針状の充填材であればよい。 したがって人工 的に製造されたもの、 および天然鉱物の粉砕物などのいずれも含み、 繊維径はほ ぼ均一であってもある分布を有するものであってもよい。 またその断面形状など
は特に限定されない。 断面の形状は真円状の他に、 楕円状、 マユ型、 三つ葉型な どの真円以外の形状のものを使用してもよい。
B― 3成分の繊維状充填材の具体例としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、 金属繊維、 セラミック繊維、 これらのミルドファイバー、 並びにスラグ繊維、 口 ックウール、 ワラストナイト、 ゾノトライト、 チタン酸カリウムゥイスカー、 ホ ゥ酸アルミニウムゥイスカー、 ポロンゥイスカー、 塩基性硫酸マグネシウムウイ スカーなどを挙げることができる。 更にかかる繊維は、 金属コートガラス繊維や 金属コート炭素繊維などのように異種材料が表面を被覆したものであってもよい。 これらの中でもガラス繊維、 炭素繊維、 およびこれらのミルドファイバーが強度 の点で有利であり、 特にガラス繊維およびそのミルドファイバ一は B— 1成分お よび B - 2成分からなる樹脂マトリックスとのより強固な密着性が達成される点 で有利である。 殊にガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維は、 当業者にとってそれ自体周知のものであり、 且つ多数の業者か ら入手可能である。 B— 3成分としてのガラス繊維としては、 Aガラス、 Cガラ ス、 Eガラス等のガラス組成を特に限定するものではなく、場合により T i 02、 S O s、 P 205等の成分を含有するものであっても良い。 伹し、 Eガラス (無ァ ルカリガラス) がより好ましい。
また、 ガラス繊維の平均繊維径としては特に限定されるものではないが、 通常 1〜2 5 のものが使用され、 好ましくは 3〜1 7 mである。 この範囲の平 均繊維径を持つガラス繊維は、 熱膨張係数と剥離力に対する耐性の両立において 良好である。 繊維径が細くなると榭脂マトリックスとの界面の面積が増加するた め熱膨張係数の抑制の効率はよいが、 かかる界面による剥離力への好ましくない 影響は増加する。 界面の密着性が優先される場合に、 より太い径のガラス繊維の 使用は 1つの処方となり得る。
ガラス繊維の好ましい繊維長としては、 樹脂組成物ペレットまたは枠部材 (成 形品) 中で数平均繊維長として 5 0〜: L , 0 0 0 rn, 好ましくは 1 0 0〜5 0 0 πι, 特に好ましくは 1 2 0〜3 0 0 mのものである。 尚、 かかる数平均繊 維長は、 枠部材 (成形品) を溶剤に溶解したり、 樹脂を塩基性化合物で分解した
後に採取されるガラス繊維の残渣から光学顕微鏡観察などから画像解析装置によ り算出される値である。 またかかる値の算出に際しては繊維径以下の長さのもの はカウントしないものである。 尚、 他の繊維状充填材においてもかかる数平均繊 維長は 1, 0 0 0 m以下が適切である。
B - 3成分の繊維状充填材は、 前記 B _ 1成分および B— 2成分からなる樹脂 マトリックスとのより強固な密着性を達成するために、 シラン力ップリング剤な どにより表面処理されていることが好ましい。 かかるシラン力ップリング剤にお ける反応基としては、 エポキシ基、 アミノ基、 ビニル基、 およびメタクリロキシ 基などが挙げられ、 特にエポキシ基およびアミノ基が好ましい。 更にガラス繊維 や炭素繊維においては、 通常かかる繊維を集束処理するための表面被覆がなされ る。 樹脂マトリックスとの密着性はかかる表面被覆剤の影響を大きく受ける。 本 発明の B— 3成分においては、 樹脂マトリックスとの強固な結合、 殊に耐湿熱性 の良好な結合の点から、 エポキシ基含有化合物からなる表面被覆剤が好ましい。 エポキシ基含有化合物は、 B - 1成分および B― 2成分からなる樹脂マトリック スに対して反応性に富み密着性が良好であり、また該密着は耐湿熱性にも優れる。 更にエポキシ基含有化合物は、 P E T樹脂の結晶化促進にも効果を発揮し、 その 結果より安定した寸法変化を有しかつ良好な耐湿熱性の接着を可能とする枠部材 Bが、得られる。
B— 3成分の表面処理剤として各種のエポキシ基含有化合物が使用可能である が、 エポキシ基含有化合物は、 好ましくはその分子量が 5 0 0以上の高分子構造 を有するものであり、 更に好ましくは、 加えて 1分子中に複数のエポキシ基を含 有するものである。 また耐熱性の観点から芳香環から主として構成される構造が 好ましい。
より具体的にはエポキシ基含有化合物として好適なものとしては、 エポキシ樹 脂、 中でもフエノールノポラック型エポキシ樹脂、 線状クレゾ一ルノポラック型 エポキシ樹脂を挙げることができる。 特にフエノールノポラック型エポキシ樹脂 を挙げることができる。 すなわちフエノールノボラック型エポキシ樹脂および z または線状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を主体とするものがエポキシ基
含有化合物として好ましい。 すなわちエポキシ基含有化合物 1 0 0重量%中7 0 重量%以上、 好ましくは 8 0重量%以上、 更に好ましくは 9 0重量%以上、 フエ ノールノポラック型エポキシ樹脂および/または線状クレゾールノポラック型ェ ポキシ樹脂を含むものを好ましく挙げることができる。
更に B— 3成分の繊維状充填材は、 好ましくはその表面被覆剤が繊維状充填材 1 0 0重量%中0 . 1〜2重量%、 より好ましくは 0 . 5〜1 . 5重量%、 更に 好ましくは 0. 6〜1 . 2重量%である。 0. 1重量%未満では繊維の集束が不 十分となり、 その結果風綿発生量が増加しやすくなる。 一方 2重量%を超えると 密着性が飽和する一方で、 集束剤が樹脂組成物の有する特性を低下させる場合が 生ずる。
B— 3成分の繊維状充填材は、 その特性として 1リツトルのビーカーに 2 0 0 の繊維強化材の 3 mm長チョップドストランドをいれ 2 3 °Cにて攪拌機で 2, 0 0 0 r p mで 5分間攪拌した場合の風綿発生量が 1 0 g以下であることを満足 することがより好ましい。 ここで風綿とは集束されたチヨップドストランドが攪 拌によって開織したものである。 またここで攪拌機としては回転数が表示され、 また設定値の回転数にフィードバック制御できるものが使用される。 また攪拌機 の羽根は直径 5 0 mm*である 3枚羽根のマリーンタイプが使用される。 かかる 風綿発生量は好ましくは 5 g以下、 より好ましくは 3 g以下、 最も好ましくは 1 g以下である。
風綿発生量が多いものの場合には、 溶融混練機に供給した場合に風綿により安 定した供給ができない問題が発生しやすい。 更には嵩密度が低いために溶融混練 機にかみ込まず、 更にはバックフロー等の問題が発生しやすい。 これらの問題は 溶融混練機中において樹脂の不規則な滞留を招き、 結果として樹脂を熱劣化させ る。 特に芳香族ポリ力一ポネ一ト樹脂 (B - 1 ) と芳香族ポリエステル ^[脂 (B - 2 ) のポリマーァロイにおけるエステル交換反応のように、 溶融混練機中で反 応する樹脂を使用する場合には熱劣化の抑制は重要である。
更に、 風綿発生量の抑制された繊維状充填材は、 輸送中の風綿の発生による輸 送配管中の詰まり、 また多量の風綿発生による樹脂と繊維状充填材との溶融混練
時の繊維状充填材の折れなどが抑制され、 剛性や熱膨張係数等の望まれる諸特性 が発現されやすく好ましい。
上記の風綿発生量の特性を満足するためには、 その表面被覆剤としてエポキシ 含有化合物とポリウレタン、 ポリアクリレート、 およびポリアミドなどの成分か らなる表面被覆剤を併用することが好ましい。 より好ましいのはポリウレタンと の併用である。 したがって本発明において好適な表面被覆剤としては、 フエノ一 ルノポラック型エポキシ樹脂および Zまたは線状クレゾールノポラック型ェポキ シ樹脂を主成分とし、 更にポリウレタンを含んでなるものである。 ここでフエノ
—ルノボラック型エポキシ樹脂および Zまたは線状クレゾールノポラック型ェポ キシ樹脂は表面被覆剤 1 0 0重量%中 5 0〜 9 5重量%、 好ましくは 6 0〜 9 0 重量%含有するものが好ましい。 特にフエノールノポラック型エポキシ樹脂をバ インダー成分 1 0 0重量%中 5 0重量%以上、 好ましくは 6 0重量%以上含有す るものが好ましい。
かかる表面被覆剤で被覆する場合には、 予め繊維状充填材の表面をァミノシラ ン系カツプリング剤やエポキシシラン系のカツプリング剤で表面処理を行った後 にフエノールノポラック型ェポキシ樹脂および zまたは線状クレゾールノポラッ ク型エポキシ樹脂、 およびポリウレタンで処理することが好ましい。 また繊維状 充填材の集束剤として、 通常実質的に繊維状充填材を束ねる成分 (前記の表面被 覆剤) の他、 滑り性を付与する成分やその他乳化剤が含まれるが、 かかる各種の 成分は当然に集束剤中に含まれてよい。 これら各種の成分を含んだェマルジヨン 溶液が塗布され、 乾燥処理されて表面被覆剤を主とする成分が繊維状充填材上に 残留する。 乾燥処理や熱処理の工程で表面被覆剤の高分子量化が促進されて十分 な表面被覆剤が形成される。 またフエノールノポラック型ェポキシ樹脂および Z または線状クレゾールノポラック型エポキシ樹脂、 およびポリウレタンは、 両者 のェマルジヨンを混合した液を繊維状充填材に塗布する方法を基本とする。 しか し両者を独立に塗布する方法であってもよい。
上記の如く風綿発生量が低減されることで強度、 熱膨張係数、 および耐湿熱性 などの優れた効果が達成できる。
( i v) 樹脂組成物の組成比
枠部材 (B) を形成する樹脂組成物は、 前記 B— 1成分、 B— 2成分および好 適な成分たる B _ 3成分より実質的になる。
この樹脂組成物における B— 1成分および B― 2成分の組成割合は、 B _ 1成 分および B— 2成分の合計 1 0 0重量部当たり、 B— 1成分は 5 0〜 9 0重量部、 好ましくは 7 0〜8 8重量部、 より好ましくは 7 5〜8 5重量部であり、 B— 2 成分は 1 0〜5 0重量部、 好ましくは 1 2〜3 0重量部、 より好ましくは 1 5〜 2 5重量部である。 B— 1成分および B— 2成分の合計 1 0 0重量部当たり、 B 一 2成分が 1 0重量部未満であると接着の耐湿熱性において不十分となりやすぐ B— 2成分が 5 0重量部を超えると接着の耐湿熱性や強度および成形品の寸法安 定性の点で不十分となる。 いずれも結果として良好な接着が得られない。
更に B _ 3成分の組成割合は、 B— 1成分と B— 2成分との合計 1 0 0重量部 当たり 0〜5 0重量部であり、 好ましくは 1〜5 0重量部であり、 より好ましく は 1〜3 0重量部、 さらに好ましくは 1〜1 5重量部、 特に好ましくは 1 . 5〜 7重量部である。 前記の如く比較的少量の繊維状充填材 (B - 3 ) を含有するこ とにより耐湿熱性の向上と反り変形の抑制などとのより良好な両立が可能となる。
( V) 榭脂組成物におけるその他の添加部分および組成物の調製
枠部材(B)を形成する榭脂組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲で、 他の熱可塑性樹脂 (例えば、 スチレン系樹脂、 ポリアミド樹脂、 ポリアセタール 樹脂、 ポリフエ二レンエーテル樹脂、 ポリメチルメタクリレート樹脂、 ポリエヂ レン樹脂、 ポリプロピレン樹脂、 ポリビニルクロライド樹脂、 ポリビニリデンク 口ライド樹脂、 塩素化工チレン樹脂、 ポリビニリデンフルオライド樹脂、 ポリフ ェニレンサルファイド等) 、 衝撃改質剤、 難燃剤 (例えば、 臭素化エポキシ、 臭 素化ポリスチレン、 臭素化ポリカーボネート、 臭素化ポリアクリレート、 トリフ ェニルホスフェート、 ホスフェートオリゴマー、 ホスホン酸アミド、 シリコーン 系難燃剤等) 、 難燃助剤 (例えば、 アンチモン酸ナトリウム、 三酸化アンチモン 等)、滴下防止剤(フイブリル形成能を有するポリテトラフルォロエチレン等)、 溶融弹性改良材 (分子量 2 0 0万以上のアクリル系樹脂、 フッ素系樹脂等) 、 核
剤 (例えば、 ステアリン酸ナトリウム、 エチレン—アクリル酸ナトリウム等) 、 熱安定剤、 酸化防止剤 (例えば、 ヒンダードフエノール系化合物、 ィォゥ系化合 物等) 、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 離型剤、 滑剤、 着色剤 (染料、 顔料、 カーボ ンブラックなど) 、 蛍光増白剤、 蓄光顔料、 蛍光染料、 流動改質剤、 無機および 有機の抗菌剤、 光触媒系防汚剤、 赤外線吸収剤、 およびフォトクロミック剤など を配合することができる。 殊に熱安定剤としてホスフアイト化合物を含有するこ とが好ましく、 また耐候性や隠蔽効果などの観点からカーボンブラックを含有す ることが好ましい。 前記の添加剤の詳細については後述する。
樹脂組成物の調製には任意の方法が採用される。 例えば B _ 1成分および B _ 2成分、 並びに任意に他の成分を予備混合し、 その後溶融混練し、 ペレット化す る方法を挙げることができる。 予備混合の手段としては、 ナウターミキサー、 V 型プレンダー、 ヘンシェルミキサー、 メカノケミカル装置、 押出混合機などを挙 げることができる。 予備混合においては必要に応じて押出造粒器ゃブリゲッティ ングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。 予備混合後、 ベント式二軸押 出機に代表される溶融混練機で溶融混練、 およびペレタイザ一等の機器によりべ レット化する。 溶融混練機としては他にバンバリ一ミキサー、 混練ロール、 恒熱 撹拌容器などを挙げることができるが、 ベント式ニ軸押出機が好ましい。
他に、 各成分を予備混合することなく、 それぞれ独立に二軸ルーダーに代表さ れる溶融混練機に供給する方法も取ることができる。 また一部の成分を予備混合 した後、 残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法が挙げられる。 特に B— 3成分が枠部材 (B) 中に配合される場合には、 B— 3成分は押出機途中の供給 口から溶融樹脂中にサイドフィーダ一の如き供給装置を用いて供給されることが 好ましい。 予備混合の手段や造粒に関しては、 前記と同様である。 尚、 配合する 成分に液状のものがある場合には、 溶融混練機への供給にいわゆる液注装置、 ま たは液添装置を使用することができる。
更に樹脂組成物を調製する場合には、 溶融混練前に B— 1成分、 および B— 2 成分に含まれる水分が少ないことが好ましい。 したがって各種熱風乾燥、 電磁波 乾燥、 真空乾燥などの方法により、 B—1成分または B— 2成分のいずれかまた
は両者を乾燥した後に溶融混練することがより好ましい。 一方溶融混練中におけ るベント吸引は、 あまり減圧度を高くしないで行うことが好ましい。 より好まし くは大気圧に近い状態で行う方法である。 また窒素ガスなどを循環させながら揮 発分を系外に排出する方法などもとることができる。
(v i ) 枠部材 (B) の構造について
本発明の枠部材 (B) は、 前記樹脂組成物より形成される。 枠部材 (B) はシ 一ト状物(A) の片面の周囲面の一部に結合していればよいが、 シート状物(A) の周囲部 (周縁部) の全てにおいて結合していることが更に好適である。 すなわ ち、 枠部材 (B) のより好ましい態様は、 シート状物 (A) の周縁部で結合可能 とした一体の枠状成形体である。 シート状物 (A) が強い拘束力を受けるほど、 樹脂組成物の特徴は有効に発揮される。 またシート状物 (A) の面積の 1 0〜9 0 %の範囲において枠部材 (B) とシート状物 (A) が結合していることが好ま しい。 かかる範囲はより好ましくは 2 0〜8 0 %、 更に好ましくは 3 0〜7 0 % である。
更に枠部材 (B) は、 シート状物 (A) の片面で、 またはその両面もしくは複 数の面で結合することができるが、 より好ましくは片面での結合である。 これは 枠部材 (B) の主たる目的が、 シート状物 (A) とゴム質緩衝層 (C) との接着 をより強固にする点にあり、 したがってゴム質緩衝層 (C) とシート状物 (A) との間に枠部材 (B) が積層された構成がかかる目的にかなうものであり、 また かかる構成は美観上も有利なためである。 一方でかかる結合様式では、 本発明の 好適な態様である枠部材 (B) とシート状物 (A) とを二色成形やインサート成 形によって結合する場合に、 結合された成形品全体に反りを生じやすい。 しかし ながら枠部材(B )の樹脂組成物ではその反りも生じにくいとの利点をも有する。 シート状物 (A) と枠部材 (B) との厚み比 (AZB) は、 好ましくは 0 . 1 〜1 0の範囲、 より好ましくは 0 . 5〜5の範囲、 更に好ましくは 0 . 8〜4の 範囲である。 また枠部材 (B) の厚みの絶対値としては、 好ましくは 0 . 1〜1 O mmの範囲であり、 より好ましくは 0 . 5〜 5 mmの範囲であり、 更に好まし くは 1〜 3 mmの範囲である。 かかる比および厚みは、 シート状物 (A) の熱膨
張による反り変形に対しても十分な拘束力を与え、 結果として枠部材の樹脂組成 物により良好な長期特性を与える。
枠部材 (B) は、 その少なくとも一部がゴム質緩衝層 (C) と接着していれば よいが、 枠部材 (B) の接着面側の面積のうち 5 %以上、 より好ましくは 1 5 % 以上ゴム質緩衝層 (C) により覆われていることが好ましい。 かかる面積の上限 は 8 0 %程度が適切である。これは枠部材(B)の主たる目的が、シート状物(A) と緩衝層 (C) との接着をより強固にする点にあるためである。 枠部材 (B) の 面は、 少なくとも必要な接着面の面積とゴム質緩衝層 (C) のはみ出し (美観が 問題になる場合) を考慮した余裕代を勘案して面積が決定される必要がある。 枠部材 (B) は、 樹脂組成物を各種の方法により成形して製造することができ る。 かかる製造方法としては、 具体的には、 射出成形、 押出成形、 圧縮成形、 ブ 口一成形および回転成形などが例示されるが、 特に射出成形が好ましい。 またか かる成形体が更に 2次加工されたものであってもよい。
( 2 ) シート状物 (A)
本発明のシート状物 (A) は、 芳香族ポリ力一ポネート樹脂のシート状の成形 体であって、 l〜1 0 mm、 好ましくは 2〜7 mmの厚さを有しているのが好適 である。 かかるシート状物 (A) の芳香族ポリ力一ポネート樹脂とは、 前記枠部 材 (B) の B—1成分として記載された芳香族ポリ力一ポネート樹脂、 並びにか かる樹脂に各種の他樹脂、 衝撃改質剤、 強化剤、 および添加剤などを配合した樹 脂組成物を指す。 より具体的には、 シート状物 (A) を構成する樹脂組成物の有 機成分として芳香族ポリ力一ポネート樹脂が 5 0重量%以上含有されるものであ る。 更に好ましくは、 シート状物 (A) は、 有機成分として芳香族ポリ力一ポネ —ト樹脂を 9 5重量%以上含有してなるものである。 かかるシート状物 (A) の 芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記 B— 1成分の樹脂と同一である必要はない。 またその粘度平均分子量は、 1 0, 0 0 0〜 5 0, 0 0 0のものが好ましく、 1 5, 0 0 0〜4 0, 0 0 0のものがより好ましく、 更に好ましくは 2 0, 0 0 0 〜3 5, 0 0 0である。
またシート状物 (A) のポリカーポネ一ト樹脂の態様として以下のものを挙げ
ることができる。 すなわち、 粘度平均分子量 7 0, 0 0 0〜 3 0 0, 0 0 0の芳 香族ポリ力一ポネート(P C— i )、および粘度平均分子量 1 0 , 0 0 0〜3 0 , 0 0 0の芳香族ポリカーボネート (P C— i i ) のブレンド物からなり、 その粘 度平均分子量が 1 5, 0 0 0〜4 0, 0 0 0、 好適には 2 0 , 0 0 0〜3 0 , 0 0 0である芳香族ポリカーボネート (以下、 "高分子量成分含有芳香族ポリカー ポネ一ト" と称することがある) も使用できる。
かかる高分子量成分含有芳香族ポリ力一ポネートは、 P C— iの存在によりポ リマーのエントロピー弾性を大きくし、 大型成形品の場合に好適に使用される射 出プレス成形時においてより有利となる。 例えばへジテ一ションマ一クなどの外 観不良はより低減でき、 その分射出プレス成形の条件幅を広げることが可能であ る。 一方 P C— i i成分の低い分子量成分は全体の溶融粘度を低下し、 樹脂の緩 和を促進して、 より低歪の成形を可能とする。 尚、 同様の効果は分岐成分を含有 するポリ力一ポネート樹脂においても認められる。
かかるシート状物 (A) は、 その表面に表面改質を施すことによりさらに他の 機能を付与することが可能である。 ここでいう表面改質とは、 蒸着 (物理蒸着、 化学蒸着等) 、 メツキ (電気メツキ、 無電解メツキ、 溶融メツキ等) 、 塗装、 コ —ティング、 印刷等の榭脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、 通常の榭脂成形品に用いられる方法が適用できる。 例えば、 加飾塗装、 ハードコ ート、 撥水 '撥油コート、 紫外線吸収コート、 赤外線吸収コート並びにメタライ ジング (メツキ、 蒸着、 スパッタリング等) 等の各種の表面処理を施すことがで きる。 中でもハードコートは本発明において特に好適である。
シート状物 (A) の芳香族ポリ力一ポネ一ト樹脂は、 各種の添加剤を含有する ことができ、 特に紫外線吸収剤、 熱安定剤、 酸化防止剤、 および離型剤は含有す ることが好ましく、 更に熱線吸収剤、 着色剤、 および光拡散剤などを含有するこ とができる。 種々の着色剤や光拡散剤は多様な意匠の車輛用グレージングを提供 できる。
シート状物 (A) は、 芳香族ポリカーボネート樹脂を各種の方法により成形し て製造することができる。 かかる製造方法としては、 具体的には、 射出成形、 押
出成形、 圧縮成形、 ブロー成形および回転成形などが例示されるが、 特に射出成 形が好ましい。 またかかる成形体が更に 2次加工されたものであってもよい。 即 ち、 シート状物 (A) は、 平面状だけでなく、 湾曲したもの (例えば、 枠部材の ない側に凸状) の如き平面状シートから変形して得られる各種の形態を含むもの である。 更にはかかるシート状物で構成される三次元形状物であってもよい。 シ 一ト状物 (A) の厚みは必ずしも均一である必要はないが、 ほぼ同じ厚さである ことが実用的であり好ましい。
シート状物 (A) の表面におけるハードコートに使用するハードコート剤とし ては、 シリコーン樹脂系ハードコ一ト剤ゃ有機榭脂系ハ一ドコート剤などが例示 される。 シリコーン樹脂系ハードコート剤は、 シロキサン結合をもった硬化樹脂 層を形成するものであり、 例えば、 3官能シロキサン単位に相当する化合物 (ト リアルコキシシラン化合物など) を主成分とする化合物の部分加水分解縮合物、 好ましくは更に 4官能シロキサン単位に相当する化合物 (テトラアルコキシシラ ン化合物など) を含む部分加水分解縮合物、 並びに更にこれらにコロイダルシリ 力などの金属酸化物微粒子を充填した部分加水分解縮合物などが挙げられる。 シ リコーン樹脂系ハ一ドコ一ト剤は更に 2官能性のシロキサン単位および 1官能性 のシロキサン単位を含んでよい。これらには縮合反応時に発生するアルコール (ァ ルコキシシランの部分加水分解縮合物の場合) などが含まれるが、 更に必要に応 じて任意の有機溶剤、 水、 あるいはこれらの混合物に溶解ないしは分散させても よい。 そのための有機溶剤としては、 低級脂肪酸アルコール類、 多価アルコール とそのエーテル、 エステル類などが挙げられる。 なお、 ハードコート層には平滑 な表面状態を得るため各種界面活性剤、 例えば、 シロキサン系、 フッ化アルキル 系界面活性剤などを添加してもよい。
有機棚 系ハードコート剤としては、 例えば、 メラミン樹脂、 ウレタン樹脂、 アルキド樹脂、 アクリル樹脂または多官能アクリル樹脂などが挙げられる。 ここ で多官能ァクリル樹脂としてはポリオールァクリレート、 ポリエステルァクリレ ート、 ウレタンァクリレート、 エポキシァクリレート、 ホスファゼンァクリレー トなどの樹脂が挙げられる。
これらハードコート剤のうち長期間の耐久性に優れ、 かつ表面硬度が比較的高 ぃシリコーン樹脂系ハ一ドコート剤、 または処理が比較的簡便でかつ良好なハ一 ドコート層が形成される紫外線硬化型のァクリル樹脂または多官能ァクリル樹脂 が好ましい。 特に少なくとも製品 (窓構造体) において太陽光を受ける側の面は シリコーン樹脂系ハードコ一トがなされていることが好ましい。 シリコーン樹脂 系ハードコート剤はプライマ一層とトップ層から構成されるいわゆる 2コ一トタ イブ、 並びに 1層のみから形成されるいわゆる 1コートタイプのいずれも選択で さる。
かかるプライマー層 (第 1層) を形成する樹脂としては、 各種ブロックイソシ ァネ一ト成分およびポリオール成分からなるウレタン樹脂、 アクリル樹脂、 ポリ エステル樹脂、 エポキシ樹脂、 メラミン樹脂、 ァミノ樹脂、 およびポリエステル ァクリレート、 ウレタンァクリレート、 エポキシァクリレート、 ホスファゼンァ クリレート、 メラミンァクリレート、 アミノアクリレートなどの各種多官能ァク リル樹脂を挙げることができ、 これらは単独でも 2種以上を併用して使用するこ ともできる。 これらの中でも好ましくはアクリル樹脂、 多官能アクリル樹脂が 5 0重量%、 より好ましくは 6 0重量%以上含有するものを挙げることができ、 特 にアクリル樹脂およびウレタンァクリレートからなるものが好ましい。 これらは 未反応状態のものを塗布後所定の反応をさせて硬化樹脂とすること、 並びに反応 後の樹脂を直接塗布し硬化樹脂層を形成することのいずれも適用可能である。 後 者は通常樹脂を溶媒に溶解し溶液とした後、 塗布されその後溶媒が除去される。 また前者の場合も溶媒を使用することが一般的である。
更に、 ハ一ドコ一ト層を形成する樹脂には、 光安定剤や紫外線吸収剤、 並びに 触媒、 熱 ·光重合開始剤、 重合禁止剤、 消泡剤、 レべリング剤、 増粘剤、 沈殿防 止剤、 垂れ防止剤、 難燃剤、 有機 ·無機顔料 ·染料の各種添加剤および添加助剤 を含むことができる。
コート方法としては、 バ一コート法、 ディップコート法、 フローコート法、 ス プレーコート法、 スピンコート法、 ローラーコート法等の方法を、 塗装される基 材となる成形体の形状に応じて適宜選択することができる。 シート状物 (A) の
表面にハードコートした後に枠部材 (B) を結合する場合には、 枠部材 (B) と の結合部分をハードコートされないようにすることが適切である。 完全にハード コートされた場合に十分な結合力が得られずシート状物 (A) を強固に結合する ことが困難となる。 結合部分の一部にハードコートがされていてもよいが、 十分 な結合が可能となるように配慮する必要がある。枠部材(B) とシート状物(A) とが結合した部材を簡便に得るためには、 両者の一体化を行なった後にハードコ —トを行なうことが好ましい。 一体とされた後は、 枠部材 (B) のゴム質緩衝層
(C) との接着面がハードコート剤が付着しないようにする必要があるが、 その ためのマスキング処理やかかる部分を避けたハ一ドコ一ト処理は比較的簡便に行 なうことができる。
( 3 ) ゴム質緩衝層 (C) について
本発明において使用されるゴム質緩衝層 (C) は、 その緩衝層たるゴム質接着 剤架橋反応完了後 (キュア完了後) においてそのヤング率が 1 0 O MP a以下で ある樹脂組成物が好ましい。 かかるヤング率は好ましくは 0 . 5〜5 0 MP a、 更に好ましくは 1〜2 O MP aの範囲である。 また本発明のゴム質緩衝層 (C) は、 その架橋反応完了後のゴム質接着剤において、 好ましくは 3 0 %以上、 より 好ましくは 5 0 %以上、 更に好ましくは 8 0 %以上の引張破断伸度を有する。 か かる引張破断伸度の妥当な上限は 8 0 0 %以下であり、 好ましくは 5 0 0 %以下 である。 更に好適なゴム質緩衝層 (C) は、 その反応完了後のゴム質接着剤にお ける破断強さが 3〜7 O MP a、 好適には 5〜6 O MP aである。 上記ヤング率 は A S TM D - 7 9 7に基づいて算出できる。 ゴム質接着剤の重ね合せせん断 強度は好ましくは 1〜7 MP a、 より好ましくは 4〜6 MP aである。 かかる剪 断強度は、 A S TM D - 1 1 0 2に基づいて算出できる。 更に緩衝層たるゴム 質接着剤のショァ硬度は好ましくは 4 5〜6 7、 より好ましくは 4 7〜6 5の範 囲である。
本発明のゴム質緩衝層 (C) のゴム質樹脂組成物は、 ウレタン系接着剤で形成 されるのが好適である。 ウレタン系接着剤は、 弾性体としての強度、 疲労特性、 および耐熱老ィ匕性などに優れるためである。 ウレタン系ゴム質接着剤は、 湿気硬
化型一液性ゥレ夕ン接着剤、 および二液性ゥレ夕ン接着剤のいずれも使用可能で あるが、 高強度、 低コスト、 および速い硬化速度 (固化:セットの速度および硬 化:キュアの速度いずれをも意味する) の点から、 二液性ウレタン接着剤が好ま しい。 殊に速い硬化速度は、 ガラス等に比較すれば軽量な枠部材 (B) 、 または 枠部材 (B) および金属フレームからなる部材の接着において有利である。 これ らはガラス等のように自重による圧着が弱くなるため、 圧力をかける工程が必要 となる場合があるためである。
好適なゴム質接着剤である二液性ウレタン接着剤について更に説明する。 かか る二液性ゥレ夕ン接着剤は、 ィソシァネ一ト成分とポリオール成分とから構成さ れ、 両者は使用時の適切な割合での混合により硬ィ匕反応を生じ、 ゴム質ポリウレ タンを形成するものである。
前記イソシァネート成分としては、 ジフエニルメタンジイソシァネート (MD I ; 4 , 4 ' -MD I、 2 , 4, 一 MD I、 2 , 2 ' — MD I、 およびこれらの 混合物のいずれも含む)、 トリレンジイソシァネート (TD I ; 2 , 4— TD I、 2 , 6— TD I、 およびこれらの混合物のいずれも含む) 、 カルポジド変性ジフ ェニルメタンジイソシァネート、 フエニルメタンジイソシァネ一ト、 キシリレン ジイソシァネート、 へキサメチレンジイソシァネ一ト、 ジシクロへキシルメタン ソシァネート、 並びにこれらの混合物が例示される。 更に前記過剰のイソシァネ —ト化合物と、 ポリオール成分とを反応させることにより製造された末端イソシ ァネート基含有ゥレ夕ンプレポリマーが好適に例示される。 またィソシァネート 成分は、 かかるゥレタンプレポリマーと前記ィソシァネート化合物との混合物で あってもよい。 前記イソシァネート化合物の中でも特に好適には、 MD Iおよび TD Iが例示され、 特に MD Iが好ましく、 よって過剰の MD Iとポリオール成 分とを反応させた末端イソシァネート基含有ウレタンプレボリマー、 並びに該プ レポリマーと MD Iとの混合物が、 イソシァネート成分として特に好適に例示さ れる。 イソシァネート成分のイソシァネート当量 (イソシァネート基 1つあたり の分子量) は好ましくは 1 4 0〜6 0 0の範囲であり、 更に好ましくは 1 4 0〜
2 0 0の範囲である。 またイソシァネート成分は、 更に二官能以上の多官能イソ シァネ一ト基含有化合物を含むものであってもよい。
二液性ウレタン接着剤におけるポリオール成分としては、 各種のジオール、 ト リオール、 テトラオール、 ペンタオール、 へキサオール、 ヘプ夕オールおよびォ クタオールなどのポリオール成分が例示され、 より具体的には、 例えばエチレン グリコール、 プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 ジプロピレンダリ コール、 1, 3—ブタンジオール、 1, 4一ブタンジオール、 4 , 4 ' 一ジヒド 口キシジフエニルメタン、 グリセリン、 1, 2, 6—へキサントリオール、 1 , 1 , 1一トリメチ口一ルプロパン、 ペン夕エリスリ ] ル、 ジペン夕エリスリト ール、 へキサグリセリン、 デカグリセリン、 ソルビトール、 ショ糖などが例示さ れる。更にポリオ一ル成分としては、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリ (ェ チレンオキサイド) グリコール、 ポリ (プロピレンオキサイド) グリコール、 お よびポリ (ポリブチレンォキサイド) グリコールなどのポリ (アルキレンォキサ イド) グリコ一ル) 、 ポリエステルポリオ一ル、 並びにポリブタジエンポリオ一 ルなどのポリマ一ポリオールが例示される。 これらの中でもポリオール成分とし ては、 ポリエーテルポリオールが好適であり、 かかる水酸基価 (水酸基 1つあた りの分子量) は好ましくは 5 0〜2, 0 0 0の範囲である。
速い硬ィヒ速度を達成するためイソシァネート成分またはポリオール成分のいず れかに硬化触媒を含有することが好ましい。 特に好適なィソシァネ一ト成分が末 端イソシァネート基含有ウレタンプレボリマ一であり、 かかる成分が主剤となり ポリオール成分が硬化剤となることから、 ポリオール成分中に硬化触媒を含有す ることが好適である。 かかる角虫媒としては N—アルキルモルホリン、 N—アルキ ルピペラジンなどの 3級ァミン化合物、 並びにジブチルスズラウレ一ト、 スズォ クトエートなどの重金属有機化合物が例示され、 好適には 3級ァミン化合物と重 金属有機化合物が併用される。 3級ァミン化合物としては、 更に例えば 1 , 4 - ジァザピシクロ [ 2 , 2 , 2 ] オクタン、 N—メチルモルホリン、 N—ェチルモ ルホリン、 トリェチルァミン、 N—メチルジェ夕ノールァミン、 N, N—ジメチ ルアミノエ夕ノール、 N, N—ジェチルアミノエ夕ノール、 トリエタノールアミ
ン、 テトラメチルダァニジン、 N, N, Ν ' , N, ーテトラメチルエチレンジァ ミン、 N, N—ジメチル (C 1 0〜C 1 6アルキル) ァミン、 N, N—ジメチル シクロへキシルァミン、 N, N—ジメチルピペラジン、 1 , 2 , 4一トリメチル ピぺラジン、 ビス一 (2—ヒドロキシプロピル) 一 2—メチルピペラジン、 およ びビス— ( ]3—ジメチルアミノエチル) エーテルなどが例示される。 かかる硬化 触媒は、 イソシァネート成分 (主剤) とポリオール成分 (硬化剤) との混合物に 対して 0 . 0 1〜5重量%の範囲が好ましく、 0 . 0 3〜3重量%の範囲が更に 好ましい。
ポリオール成分中には、 更に良好な硬化速度および接着強度を得るために、 前 記触媒以外に有機多価アミン化合物を含有することができる。 有機多価アミン化 合物としては、 エチレンジァミン、 ジエチレン卜リアミン、 トリエチレンテ卜ラ ミン、 テトラエチレンペン夕ミン、 へキサメチレンジァミン、 プロピレンジアミ ン、 ジプロピレンジァミンなどの (ポリ) アルキレンポリアミン、 並びにフエ二 レンジァミン、 メタキシリレンジァミン、 トリレンジアミン類 (2, 4 -/ 2 , 6—トリレンジアミンゃ 2, 3 -/ 3 , 4—トリレンジァミンなど) 、 ジァミノ ジフエ二ルメタン、 ジァミノジメチルジフエニルメ夕ン、 ジァミノジェチルジフ ェニルメタンなどのジアミノジフエニルメタン類、 およぴポリメチレンポリフエ ニルポリアミン類などの芳香族ポリアミンなどが例示される。 その他ショ糖の水 酸基をァミノ基に置換したァミン化合物、 およびペンタエリスリトールの水酸基 をアミノ基に置換したアミン化合物などが例示される。 かかるアルコール性水酸 基をァミノ基に置換したァミン化合物は、 公知の方法 (例えば八ロゲン置換した 後アンモニアと反応させるなどの方法) により製造される。 有機多価アミン化合 物は、 芳香環を含有しない場合には、 少なくとも 3個以上のアミノ基を含有し、 その炭素原子に対するァミノ基の比率が 0 . 2 5〜1の範囲であるものがより好 ましい。 芳香環を含有する有機多価アミン化合物は、 2個以上のアミノ基を含有 すればよい。 かかる有機多価アミン化合物は、 ポリオール成分中に好ましくは 2 0重量%以下含有され、 より好ましくは 2〜2 0重量%含有され、 更に好ましく は 5〜1 0重量%含有される。
前記二液性ウレタン接着剤における水酸基およびアミノ基のモル数に対するィ ソシァネート基のモル数の比率は、 好ましくは約 0 . 9〜2. 0の範囲であり、 より好ましくは 1 . 0 3〜1 . 4の範囲であり、 更に好ましくは 1 . 1〜1 . 3 の範囲である。
ゴム質緩衝層 (C) は、 無機充填剤を好適に含有することができる。 かかる無 機充填剤の添加により更に強靭で優れた緩衝層が形成される。 無機充填剤の割合 は緩衝層 (C) 全量 1 0 0重量%中 1 0〜5 0重量%の範囲が好ましい。 より好 適な二液性ゥレタン接着剤におけるかかる無機充填剤の割合は、 ィソシァネート 成分およびポリオール成分の合計 1 0 0重量%中、 好ましくは 1 0〜 5 0重量% の範囲であり、 より好ましくは 1 5〜3 0重量%の範囲であり、 更に好ましくは 2 0〜3 0重量%の範囲である。 かかる無機充填剤はイソシァネート成分もしく はポリオール成分のいずれか、 またはいずれにも含有されていてよいが、 好適な 割合が比較的多いことからいずれの成分にも含まれることが好ましい。 即ち、 ィ ソシァネート成分およびポリオール成分のいずれにおいても、 無機充填剤をそれ ぞれ 1 0 0重量%中、 好ましくは 1 0〜5 0重量%、 より好ましくは 1 5〜3 0 重量%、 更に好ましくは 2 0〜3 0重量%の範囲で含有することが好ましい。 ゴ ム質緩衝層 (C) に含有される無機充填剤としては、 例えば、 炭酸カルシウム、 パーライト、 クレー、 タルク、 マイ力、 硫酸バリウム、 ゼォライト、 珪藻土、 ガ ラス、 およびシリカなどが例示され、 タルクおよびマイ力が好ましく、 かかるマ イカの中でもマスコバイトが好ましい。
更に前記の二液性ゥレタン接着剤によつて代表して形成されるゴム質緩衝層 (C) には、 可塑剤を好適に含有することができる。 可塑剤としては、 例えばジ ォクチルフタレート、 ジブチルフタレート、 ジヘプチルフタレート、 ジイソノニ ルフタレート、 ブチルベンジルフタレート、 トリメリット酸トリオクチル、 およ びトリメリット酸トリイソデシルなどの芳香族カルボン酸エステル、 アジピン酸 ジォクチル、 アジピン酸ジイソデシル、 アジピン酸ォクチルデシル、 ァゼライン 酸ジォクチル、 およびセバシン酸ジォクチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、 並びにトリクレジルホスフエ一トなどのリン酸エステルなどが例示される。 可塑
剤の割合は、 接着剤全量 1 0 0重量%中好ましくは 2 0重量%以下、 より好まし くは 1〜1 5重量%の範囲であり、 本発明においてより好適な二液性ウレタン接 着剤においては、 イソシァネート成分およびポリオール成分のいずれにおいても 全量 1 0 0重量%中好ましくは 2 0重量%以下であり、 より好ましくは 1〜1 5 重量%の範囲であり、 更に好ましくは両者の合計 1 0 0重量%中 2〜1 3重量% となる範囲である。 可塑剤はイソシァネート成分およびポリオ一ル成分のいずれ か、 またはいずれにも含有することができる。
更にゴム質緩衝層 (C) は、 紫外線吸収剤、 紫外線安定剤、 および紫外線遮蔽 剤などを好適に含むことができる。 これらの剤としては、 例えばべンゾトリァゾ ール系紫外線吸収剤、 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、 トリアジン系紫外線吸収 剤、 および、 環状ィミノエステル系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤、 ヒ ンダードアミン系光安定剤などの有機系光安定剤 (ラジカルトラップ剤) 、 酸化 チタン、 酸化セリウム、 および酸ィ匕亜鉛などの光触媒系光安定剤 (かかる成分が 表面に修飾されたフイラ一を含む) 、 並びにカーボンブラックなどの紫外線遮蔽 剤などが例示される。 殊に力一ポンプラックは好適に含有され、 かかる遮蔽成分 自体の効果により、 更に他の安定ィ匕成分との相乗効果によりゴム質緩衝層 (C) の耐久性を大幅に向上することが可能である。
前記紫外線吸収剤以外にも本発明のゴム質緩衝層 (C) は、 他の任意成分とし て、 分子鎖延長剤、 架橋剤、 顔料、 着色剤、 希釈剤、 P及湿剤、 チキソトロピー付 与剤、 熱安定剤、 レべリング剤、 消泡剤、 および触媒 (二液性ウレタン接着剤以 外の場合においても) などを含むことができる。
本発明においてより好適な二液性ウレタン接着剤においては、 前記分子鎖延長 剤としては、 エチレングリコール、 ブタンジオール、 エチレンジァミン、 および ジェチルトルエンジァミンなどが例示される。 架橋剤としては、 ォキシプロピオ ン酸サッカロ一ス、 脂肪族ァミン、 ペン夕エリスリトール、 水酸基をァミノ基で 置換された各種ポリオール、 アミノ基を含有する各種ポリオール、 1, 2 , 6— へキサントリオール、 1, 1 , 3—トリメチルプロパン、 およびグリセリンなど が例示される。 吸湿剤としては合成ゼォライトが例示される。
好適な二液性ウレタン接着剤の具体例としては、 例えば D OW AUT OMO T I V E社製、 B E TAMAT E 2 8 1 0 (商品名、 A剤と BZS剤との組合せ) が例示される。
ゴム質緩衝層 (C) の厚みは、 特に制限はされないもののより良好な接着性お よび緩衝性を達成するため、 好ましくは 2〜1 O mm、 より好ましくは 2 . 5〜 9 mm、 更に好ましくは 3〜 8 mmの範囲であることが好ましい。 尚、 かかる厚 みは、 ゴム質緩衝層 (C) の反応完了後における厚みである。 前記厚みが厚すぎ る場合には、 力 る層の伸びの絶対量が大きくなり、 部材の固定が不十分となつ たり、 経時的な変位 (クリ一プ) が大きくなつたりする場合がある。 一方前記厚 みが薄すぎる場合にはかかる層の耐久性が不十分となりやすく、 界面からの剥離 を生ずる可能性がある。
ゴム質緩衝層 (C) の厚みは、 シート状物 (A) の大きさ、 すなわち最大長さ によってその好適範囲は左右される。 シート状物の最大長さが l mを超える場合 にはシート状物 (A) の最大長さ l m当り、 ゴム質緩衝層 (C) の厚さは 2〜8 mm、 特に 3〜 7 mmが有利である。
ゴム質緩衝層 (C) を形成するために接着剤を塗工する場合には、 接着対象の 部材表面を十分に清浄にする必要がある。 尚、 後述するがゴム質緩衝層 (C) た るゴム質接着剤の対象となる部材は、 いずれか一方、 より好適にはいずれもが、 プライマーで処理された良好な密着層を有することが好ましい。 接着剤の塗工に おいては、 各接着剤の塗工方法に準じて行われる。 二液性ウレタン接着剤におい ては、 各種計量装置および混合装置を用いて正確な配合比で均一に混合された状 態で塗工される。 計量装置としてはギアポンプ型およびプランジャー型などの装 置が例示され、 混合装置としてはスタティックミキサーやミキシングへッドによ る機械式ミキサーなどの装置が例示される。 これらはより安定した塗工のため温 調機を有することができる。 接着剤塗工後に固化および硬化を促進するため、 接 着剤で結合された部材は熱処理されることができる。 かかる熱処理としては、 誘 導加熱、 赤外線加熱、 マイクロ波加熱、 および熱風の如き熱媒体加熱などが例示 される。
( 4) 金属フレームについて
本発明のシート状窓枠部材におけるゴム質緩衝層 (C) 上に、 金属フレームを 貼り付けることによつて窓構造体が形成される。
窓構造体における金属フレームは、 特に限定されるものではなく、 各種鉄鋼材 料および非鉄材料が使用でき、 例えば鋼材 (鋼板) 、 並びにアルミニウム合金、 マグネシウム合金、 およびチタン合金などが例示される。 中でも鋼材およびアル ミニゥム合金が好適である。 金属フレームの表面は、 そのゴム質緩衝層 (C) と の接着面においても、 他の材料の被膜を有することができる。 通常、 鋼材 (特に 鋼板) は何らかの表面処理がなされていることが多い。 したがって金属フレーム として、 例えば、 溶融メツキされた鋼材、 電気メツキされた鋼材、 および塗装さ れた鋼材などを使用することができる。
更に金属フレームの好適な態様としては、 車輛用ダレ一ジングのフレームが挙 げられる。 かかる車輛用ダレ一ジングとしては、 リアウィンド、 リア (ティル) ゲイト、 スライディングルーフ、 スライディングドア、 リフティング (ガルウイ ング) ドア、 リフティングリアゲート、 サイドウィンド、 ヒンジウィンド、 サン ルーフ、 およびル一フ (夕ルガトップ等の脱着可能なもの、 コンパ一チブル等の 収納可能なものを含む) などにおけるグレ一ジングが例示される。
( 5 ) プライマーについて
本発明においては、 前記ゴム質緩衝層 (C) の性能が十分に発揮されるよう、 枠部材 (B) の表面に対して、 プライマーが塗工されることが極めて好ましい。 シート状物 (A) は、'枠部材 (B) とゴム質緩衝層 (C) との間にプライマー を有することにより、 金属フレームと強固に結合される。 即ち、 枠部材 (B) と ゴム質緩衝層 (C) とはプライマ一層を介して貼り付けられていることが好まし い。更にかかるプライマーとしては、アクリル系プライマ一が好適に例示される。 かかるアクリル系プライマ一は、 (メタ) ァクリレートモノマーを少なくとも 5 0重量%以上、 より好ましくは 7 0重量%以上、 更に好ましくは 9 0重量%以上 含有する (メタ) ァクリレートポリマーを主成分として構成されるものである。 かかるポリマーに対して溶剤、 および他の添加剤などがプライマ一中に含有され
る。 かかる (メタ) ァクリレートモノマーは、 一般的なアルキル (メタ) ァクリ レートモノマーの他、 ァリール (メタ) ァクリレートモノマーや各種官能基を有 する (メタ) ァクリレートモノマーを含む。 かかる官能基を有する (メタ) ァク リレ一トモノマ一としては、 例えば、 2—ヒドロキシェチル (メタ) ァクリレー ト、 2—ヒドロキシプロピル(メタ)ァクリレート、 (メタ) アクリル酸アミド、 (メタ) グリシジルァクリレート、 ァ一 (メタ) ァクリロキシプロピルトリメト キシシラン、 および 2— (2, ーヒドロキシ一 5— (メタ) ァクリロキシェチル フェニル) 一 2 H—ベンゾトリアゾ一ルなどが例示される。
前記 (メタ) ァクリレートポリマ一は、 メチルメタクリレートを必須成分とし て含有することが好ましい。 更に、 より好適にはメチルメタクリレートおよび炭 素数 2〜 6のアルキル (メタ) ァクリレートを共に必須成分とする、 更に好適に はメチルメタクリレートおよびブチル (メタ) ァクリレートを共に必須成分とす る、 特に好適にはメチルメタクリレートおよびブチルァクリレートを共に必須成 分とするメ夕クリレートコポリマーである。
前記 (メタ) ァクリレートポリマーの重量平均分子量は、 好ましくは 1, 0 0 0 - 1 0 , 0 0 0, 0 0 0の範囲、 より好ましくは 2 , 0 0 0〜2 0 0, 0 0 0 の範囲、 更に好ましくは 5, 0 0 0〜1 0 0, 0 0 0の範囲である。 かかる重量 平均分子量は、 標準ポリスチレンから作成された較正曲線を使用した G P C (ゲ ルパ一ミエ一シヨンクロマトグラフィー) 測定によりポリスチレン換算の値とし て算出される。
また前記メタクリレートコポリマ一において、 メチルメタクリレートと炭素数 2〜 6のアルキル (メタ) ァクリレートとの重量比 (メチルメタクリレート:炭 素数 2〜6のアルキル(メタ)ァクリレート)は、好ましくは 9 0: 1 0〜3 0 : 7 0の範囲であり、 より好ましくは 6 5 : 3 5〜4 0 : 6 0の範囲である。
前記プライマーにおける (メタ) ァクリレートポリマーは、 (メタ) ァクリレ ―トモノマー以外にも、 これらと共重合可能なモノマ一類やオリゴマ一類を共重 合することが可能である。 かかるモノマーとしては、 スチレン等の芳香族ビニル 化合物、 アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、 フッ化ピニリデンなど
のハロゲン含有ビエル化合物、 エチレンなどのォレフィン化合物、 無水マレイン 酸、 ィタコン酸などの , iS—エチレン性不飽和酸やそのエステルなどが例示さ れる。
更に前記の好適なメタクリレートコポリマーにおいても、 他の (メタ) ァクリ レートモノマーを共重合することができる。 例えばメチルメタクリレートおよび ブチル (メタ) ァクリレートを共に必須成分とするメ夕クリレートコポリマーに おいて、 ェチル (メタ) ァクリレート、 プロピル (メタ) ァクリレ一ト、 へキシ ル (メタ) ァクリレート、 ベンジル (メタ) ァクリレート、 2—ェチルへキシル (メタ)ァクリレートなどを共重合することが可能である。尚、前記において "(メ 夕) ァクリレート"等の表記は、 メタクリレートおよびァクリレートのいずれを も含むことを示す。
プライマ一を構成する (メタ) ァクリレートポリマーの重合方法は、 塊状、 溶 液、 および乳化などの各種ラジカル重合、 リビングラジカル重合 (グループトラ ンスファ一重合等) 、 およびァニオン重合等の方法の他、 放射線重合や電子線重 合など各種物理的刺激によって重合されたポリマーを使用することができる。 ま たメタクリレートコポリマーにおいては、 ランダムコポリマー、 ブロックコポリ マー、 およびグラフトコポリマーのいずれの形態であってもよい。 更にプライマ 一は 3官能以上の架橋剤を含有することもできる。
プライマーはウレタン系接着剤との接着性を強固にするため、 ポリエステルポ リウレタンおよび Zもしくはイソシァネート化合物を含有することが好ましい。 ィソシァネート化合物としては、 二液性ゥレ夕ン接着剤において前述した各種ィ ソシァネート化合物が例示され、 中でも MD I、 特に 4 , 4 ' —MD Iが好まし い。
更にプライマ一はエポキシ樹脂を含有することができる。 エポキシ樹脂は、 ェ ポキシ基を 1分子中に 2個以上持つポリエポキシ化合物であれば、 特に制限はな い。 例えばビスフエノール Aのダリシジルエーテル型エポキシ榭脂およびその誘 導体、 グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、 ポリアルキレンォキサ ィドのグリシジルェ一テル型エポキシ樹脂、 フエノールノポラックのグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、 ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、 ビ スフエノール Fのグリシジルェ一テル型エポキシ樹脂などが例示される。 これら のうち、 ビスフエノール Aのダリシジルエーテル型エポキシ樹脂が特に好適であ る。 エポキシ樹脂の配合量は、 プライマーの有機成分中 2 5重量%以下が適切で ある。
前記の好適なメタクリレートコポリマ一は、 ゴム質緩衝層 (C) のウレタン系 接着剤および枠部材 (B) の樹脂組成物とのいずれに対しても良好な親和性を有 し、 その結果結合された部材は極めて良好な剥離強度を有する。 中でもポリエス テルポリゥレタンおよび Zもしくはィソシァネ一ト化合物、 特にィソシァネート 化合物を含有するプライマーは強固な結合を達成する。 一方かかる剥離強度に対 する 1つの要因として、 枠部材 (B) との界面におけるメタクリレートコポリマ 一の侵入の程度が挙げられる。 かかる侵入の程度には、 使用する溶剤の種類が関 係する。 塗工される枠部材 (B) の組成が溶剤の化学的攻撃に対してあまりに敏 感であると、 わずかな成形条件の相違などによって、 塗工時にクラックを生じた り、 緩衝層 (C) の長期特性を低下させる場合がある。 かかる点において本発明 の枠部材 (B) の樹脂組成物は、 溶剤の化学的攻撃に対する感度を低下させてお り、 比較的浸透力が強い溶剤に対しても安定した接着を可能とする。
プライマーにおける溶剤としては、 適度な揮発性および枠部材 (B) の樹脂組 成物に対する浸透力を備えるものが好ましく、 例えばメチルェチルケトン、 メチ ルイソブチルケトン、 アセトン、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル、 セロソルブァセテー ト、 ミネラルスピリット、 ガソリン、 トルエン、 キシレン、 ジメチルァセトアミ ド、 n—へキサン、 テトラヒドロフラン、 ェチルエーテル、 およびジォキサンな どが例示される。 中でもメチルェチルケトンが好適である。 溶剤の割合は、 前記 プライマーを構成する (メタ) ァクリレートポリマー 1 0 0重量部当り、 1 0 0 〜5 0 0重量部の範囲が好ましく、 1 2 0〜4 0 0重量部の範囲が更に好ましい。 更に本発明のプライマーは、 前記のゴム質接着剤において添加可能な各種の成 分を含むことができる。
好適なアクリル系プライマーの具体例としては、 例えば D OW AUTOMO
TIVE社製、 BETA PR IME 5404 (商品名) が例示される。
また枠部材 (B) および金属フレームのいずれの表面においてもプライマー塗 ェ前または緩衝層 (C) 形成のための接着剤塗工前に表面を洗浄することが好ま しく、 力 る洗浄にはイソプロパノール等が好適である。 更に適切な表面洗浄剤 の具体例としては、 例えば DOW 八11丁〇¥0丁 1¥£社製、 :6£丁八〇1^£ AN3350 (商品名) が例示される。
(6) 窓構造体の特性について
本発明においては、 シート状物 (A) 、 枠部材 (B) 、 ゴム質緩衝層 (C) お よび金属フレームがこの順序で構成された窓構造体が提供される。
力、かる窓構造体は殊にその接着力の耐湿熱性に優れるものである。 かかる接着 力の耐湿熱性とは、 より具体的には、 「枠部材 (B) とゴム質緩衝層 (C) との 剥離強度は、 ゴム質緩衝層 (C) が結合した枠部材 (B) を 70°C、 相対湿度 9 8%において 200時間処理した後において、 該緩衝層 (C) の凝集破壊強度よ りも大きい」 ことを満足し得るものである。 更にかかる凝集破壊強度は、 10M P a以上であることが好ましく、 15MP a以上がより好ましい。 上限は 70M Pa、 好ましくは 6 OMP aである。
(7) 窓構造体の製造方法について
本発明の窓構造体の製造方法について説明する。かかる製造においては、 (a) シート状物 (A) を準備する工程 (a工程) 、 (b) 枠部材 (B) を準備するェ 程 (b工程) 、 (c) 枠部材 (B) とシート状物 (A) とを結合し一体化するェ 程 (c工程) 、 (d) かくして一体化された部材の枠部材 (B) の表面部分にゴ ム質緩衝層 (C) を形成する工程 (プライマーを使用する場合には予めプライ マ一を塗工する工程を含む) (d工程) 、 並びに (e) 形成されたゴム質緩衝層 (C) と金属フレームとを結合して窓構造体を得る工程 (e工程) の 5つの工程 が基本工程として存在し、 その順序、 他の任意の工程との組合せ、 並びに任意の 工程も含めた順序の相違によって各種の方法が存在する。 例えば、 下記の製造法 一 1〜製造法一 3が例示される。
製造法一 1 :上記 a工程〜 e工程をその順序に従って行う。 但し a工程お'
よび b工程は、 並行して、 または逆の順序であってもよい。
製造法— 2 :上記 a工程の後、 b工程および c工程を同時に行い、 その後 dェ 程および e工程をその順に行う。 b工程および c工程を同時に行う方法には、 ィ ンサ一卜成形法、および二色成形法が例示される。ィンサート成形法の場合には、 例えば別途得られたシート状物 (A) を金型内にインサートし枠部材 (B) を成 形して一体化させる方法が挙げられる。二色成形法の場合には、 シート状物(A) を成形後に該成形品を金型内に保持したまま金型を反転または移動させ、 枠部材 (B) を成形して一体化させる方法が挙げられる。 インサート成形法および二色 成形法は、 効率的かつ強固に枠部材 (B) とシート状物 (A) とを一体化するこ とが可能であり好ましい製法であり、 特に二色成形法が好ましい。
製造法— 3 :上記製造法— 2の場合とは逆に b工程の後に、 a工程と cェ 程とを同時に行い (インサート成形、 二色成形が具体的方法として例示される) 、 その後 d工程および e工程をその順に行う。
その他、上記 a工程〜 e工程以外の任意の工程として、 ( ί )ゴム質緩衝層(C) のための接着剤またはプライマーを塗工する面に対してクリーナーで洗浄するェ 程 (f工程) が挙げられ、 かかる f工程は d工程もしくは e工程の少なくともい ずれか一方の前に行うことが好適であり、 殊にかかる工程の前にそれぞれ行うこ とが特に好適である。また接着剤の完全な硬化を目的とした各種の熱処理工程( g 工程) を、 e工程の後に加えることも好適である。
更に上記 a工程〜 g工程以外にも、 (h) シート状物 (A) の表面に八ードコ —ト層を設ける工程 (h工程) 、 および (i ) シート状物 (A) に八ードコート 層以外の各種機能層を設ける工程 (i工程) が任意の工程として好適に例示され る。 かかる h工程および i工程は a工程の後であればいずれの順序においても行 うことができるが、 d工程の後に行うことが好ましい。 また h工程および i工程 をいずれも含む場合には、 これらの順序は特に限定されない。 またハードコート 層および各種機能層が同一面の側に設けられる場合には、 それらは積層されても よく、 もしくは積層部分のない両者が並列する状態にあってもよい。 尚、 かかる 各種機能層としては、 図柄層、 導電層 (発熱層、 電磁波吸収層、 帯電防止層) 、
撥水 ·撥油層、 親水層、 紫外線吸収層、 赤外線吸収層、 割れ防止層、 並びに金属 層 (メタライジング層) などが例示される。 かかる機能層は印刷などの方法によ つて形成することもできる。
( 8 ) シート状物 (A) および枠部材 (B) の樹脂中への任意添加成分 本発明の枠部材 (B) を構成する樹脂組成物およびシート状物 (A) を構成す る芳香族ポリカーボネート樹脂 (以下、 この項において単に "樹脂組成物" と称 する場合がある) には、 前記のとおり各種の任意の添加剤を配合することができ る。 かかる添加剤の詳細について以下に述べる。
樹脂組成物には、 衝撃改質剤を含むことができる。 かかる衝撃改質剤はゴム弾 性体からなる。ゴム弾性体は、ガラス転移温度が 1 0 °C以下、好ましくは— 1 0 °c 以下、 より好ましくはー3 0 °C以下であるゴム成分と、 該ゴム成分と共重合可能 な単量体成分とを共重合した重合体をいう。ゴム成分としては、各種ジェンゴム、 ブチルゴム、 アクリルゴム、 ォレフィンゴム、 シリコーンゴムおよびこれらの成 分が共重合または I P N化した各種のゴムが例示される。 ゴム成分に共重合され る単量体成分としては、 芳香族ビニル化合物、 シアン化ビエル化合物、 (メタ) アクリル酸エステル化合物、 (メタ)アクリル酸化合物などが好適に挙げられる。 その他エポキシ基含有メ夕クリル酸エステル、 マレイミド系単量体、 , β -不 飽和カルボン酸およびその無水物等を共重合成分として含有できる。
より具体的には、 MB (メチルメ夕クリレート一ブタジエン)重合体、 MA (メ チルメタクリレー卜一アクリルゴム) 重合体、 メチルメタクリレート—アルキル ァクリレ一トーブタジェン共重合体、 メチルメ夕クリレートーアルキルァクリレ 一トーァクリルゴム共重合体、 メチルメタクリレ一トーアクリル ·ブタジェンゴ ム共重合体、 メチルメタクリレ一トー (アクリル ·シリコーン I P Nゴム) 重合 体などを挙げることができる。 その他弾性重合体としては、 ォレフィン系熱可塑 性エラストマ一、 ポリウレタン系熱可塑性エラストマ一、 ポリエステル系熱可塑 性ェラストマー、 ポリアミド系熱可塑性ェラストマーなど各種の熱可塑性ェラス トマ一が挙げられる。 ゴム弾性体は、 単独での使用、 および 2種以上を組み合わ せた使用のいずれも選択できる。 ゴム弾性体の含有量はシート状物 (A) を構成
する芳香族ポリカーボネート樹脂においては、 樹脂組成物 100重量%中 25重 量%以下が適切であり、 配合する場合には好ましくは 1〜 15重量%の範囲であ り、より好ましくは 1. 5〜8重量%である。ゴム弾性体の含有量は、枠部材(B) を構成する樹脂組成物において配合する場合には、 好ましくは 1〜15重量%、 より好ましくは 1. 5〜8重量%である。
芳香族ポリ力一ポネ一ト樹脂は、 高温の条件下で使用される製品に対して特に 好適なものであるため、 各種の熱安定剤や酸化防止剤などを含んでいることが好 ましい。 かかる熱安定剤または酸化防止剤としては、 リン化合物からなる安定剤 を挙げることができ、 例えば各種ホスファイト化合物、 ホスホナイト化合物、 お よびホスフェ一ト化合物などを好ましく挙げることができる。
ホスファイト化合物としては、 トリス (ジェチルフエニル) ホスファイト、 ト リス (ジ一 i s o—プロピルフエニル) ホスファイト、 トリス (ジー n—ブチル フエニル) ホスファイト、 トリス (2, 4—ジー t e r t—ブチルフエニル) ホ スフアイト、 トリス (2, 6—ジ _ t e r t—ブチルフエニル) ホスファイト、 トリス (2, 6—ジー t e r t_ブチルフエニル) ホスファイト、 ジステアリル ペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス (2, 4—ジ一 t e r t—ブチルフ ェニル) ペン夕エリスリ 1 ^一ルジホスファイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t— プチルー 4一メチルフエニル) ペンタエリスリトールジホスファイト、 フエニル ビスフエノール Aペン夕エリスリトールジホスフアイト、 ジシクロへキシルペン タエリスリ ] ルジホスフアイトなどが挙げられる。
更に他のホスフアイト化合物としては二価フエノール類と反応し環状構造を有 するものも使用できる。 例えば、 2, 2' ーメチレンビス (4, 6—ジー t e r t—ブチルフエニル) (2, 4—ジ— t e r t—ブチルフエニル)ホスフアイト、 2, 2, ーメチレンビス (4, 6—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) (2- t e r t—プチルー 4一メチルフエニル)ホスファイト、 2, 2' —メチレンビス(4 一メチル _ 6— t e r t一ブチルフエニル) (2 - t e r t一プチル一4ーメチ ルフエニル) ホスファイト、 2, 2 ' —ェチリデンビス (4一メチル—6— t e r t_ブチルフエニル) (2- t e r t—ブチル— 4一メチルフエニル) ホスフ
アイトなどを挙げることができる。
ホスフエ一ト化合物としては、 トリプチルホスフェート、 トリメチルホスフエ ート、 トリクレジルホスフェート、 トリフエニルホスフエ一ト、 トリクロルフエ ニルホスフエ一ト、トリェチルホスフエ一ト、ジフエエルクレジルホスフエート、 ジフエニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシェチルホスフェート、 ジブチルホスフェート、 ジォクチルホスフェート、 ジイソプロピルホスフエ一ト などを挙げることができ、 好ましくはトリフエニルホスフェート、 トリメチルホ スフェートである。
ホスホナイト化合物としては、 テ卜ラキス (2, 4ージー t e r t—プチルフ ェニル) 一4 , 4 ' —ビフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2 , 4—ジ一 t e r t _ブチルフエニル) 一4 , 3, ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラ キス (2, 4—ジー t e r t _ブチルフエニル) —3 , 3 ' —ビフエ二レンジホ スホナイト、 テトラキス (2 , 6—ジ— t e r t—ブチルフエニル) —4, 4 ' ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2, 6—ジ— t e r t—プチルフ ェニレ) - 4 , 3 ' ービフエ二レンジホスホナイト、 テトラキス (2 , 6—ジー t e r t—ブチルフエ二ル)— 3 , 3, ービフエ二レンジホスホナイ卜、ビス(2, 4—ジ一 t e r t—ブチルフエニル) 一 4一フエ二ルーフェニルホスホナイト、 ビス (2, 4ージ— t e r t—ブチルフエニル) 一 3—フエ二ルーフェニルホス ホナイト、 ビス (2, 6—ジ— n—ブチルフエニル) —3—フエ二ルーフェニル ホスホナイト、 ビス (2 , 6—ジ— t e r t—ブチルフエニル) ー4一フエニル 一フエニルホスホナイト、 ビス (2, 6—ジー t e r t _ブチルフエニル) —3 —フエ二ルーフェニルホスホナイト等があげられ、 テトラキス (ジー t e r t— ブチルフエニル) —ビフエ二レンジホスホナイト、 ビス (ジー t e r t—プチル フエニル) —フエ二ルーフェニルホスホナイトが好ましく、 テトラキス (2 , 4 —ジ— t e r t—ブチルフエ二レ) ービフエ二レンジホスホナイト、 ビス (2 , 4—ジ— t e r t—ブチルフエニル) —フエ二ルーフェニルホスホナイトがより 好ましい。 かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が 2以上置換したァリー ル基を有するホスフアイト化合物との併用が可能であり好ましい。
リン化合物からなる安定剤としては、 ホスフアイト化合物またはホスホナイト 化合物と、 ホスフェート化合物を併用して使用することが好ましい。 またリン化 合物からなる安定剤の組成割合としては樹脂組成物 100重量%中、 0. 001 〜2重量%が好ましく、 より好ましくは 0. 005〜1重量%、 更に好ましくは 0. 01〜1重量%、 特に好ましくは 0. 01〜0. 5重量%である。
その他の酸化防止剤としては、 フエノール系酸化防止剤、 ィォゥ系酸化防止剤 およびラクトン系安定剤などを挙げることができる。
フエノール系酸化防止剤の具体例としては、 例えばォクタデシルー 3— (3, 5—ジ— t e r t—ブチル—4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート、 2— t e r t—ブチルー 6— (3 ' 一 t e r t—ブチル— 5, 一メチル—2, —ヒドロ キシベンジル) 一4—メチルフエニルァクリレート、 3, 9—ビス {2_ [3- (3- t e r t一ブチル _ 4ーヒドロキシー 5—メチルフエニル) プロピオニル ォキシ] —1, 1, —ジメチルェチル } 一 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピ 口 [5, 5] ゥンデカン、 およびペンタエリスリ! ルテトラキス [3— (3, 5—ジ— t e r t—ブチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネートなどを好 ましく挙げることができ、 ォクタデシルー 3— (3, 5—ジー t e r t—ブチル 一 4—ヒドロキシフエニル)プロピオネートをより好ましく挙げることができる。 本発明のィォゥ系酸化防止剤の具体例としては、 ジステアリル— 3, 3' ーチ ォジプロピオン酸エステル、 ペン夕エリスリトールテトラ (/3—ラウリルチオプ 口ピオネート) エステル、 およびチオジェチレンビス [3— (3, 5—ジ— t e r t一プチルー 4ーヒドロキシフエニル) プロピオネート] などを挙げることが できる。
ラクトン系安定剤としては、 例えば 3—ヒドロキシ一 5, 7—ジ一 t e r t— ブチル一フラン一 2—オンと 0—キシレンとの反応生成物が例示され、 かかる安 定剤の詳細は特開平 7— 233160号公報に記載されている。
また紫外線吸収剤などを含むこともできる。 紫外線吸収剤としては、 例えば 2 —ヒドロキシ一 4一 n—ドデシルォキシベンゾフエノン、 2, 2, 一ジヒドロキ シ一 4, 4, ージメトキシベンゾフエノン、 ビス (5—ベンゾィル一4ーヒドロ
キシー 2—メトキシフエニル) メタンなどに代表されるべンゾフエノン系化合物 を挙げることができる。
また紫外線吸収剤としては例えば 2 - ( 2 H—ベンゾトリァゾ一ル— 2—ィル) — P—クレゾ一ル、 2— ( 2 H—べンゾトリァゾールー 2—ィル) —4一 (1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル) フエノール、 2— ( 2 H—べンゾトリァゾー ルー 2—^ Γル) 一4, 6—ジ一 t e r t—ペンチルフエノール、 2— (2H—ベ ンゾトリアゾール _ 2—ィル) —4, 6 _ビス.( 1—メチルー 1一フエ二ルェチ ル) フエノール、 2, 2' メチレンビス [4一 (1, 1, 3, 3—テトラメチル プチル) 一 6— (2H—べンゾトリァゾ一ルー 2—ィル) フエノール]、 およびメ チル— 3— [3— t e r t—ブチル— 5— (2 H—べンゾトリァゾールー 2—ィ ル) — 4—ヒドロキシフエニルプロピオネート一ポリエチレングリコ—ルとの縮 合物に代表されるべンゾトリアゾ一ル系化合物を挙げることができる。
更に紫外線吸収剤としては例えば、 2- (4, 6—ジフエ二ルー 1, 3, 5— トリアジンー 2—ィル) 一 5—へキシルォキシフエノール、 2- (4, 6 ビス (2, 4—ジメチルフエニル) 一 1, 3, 5—トリアジン _2—ィル) —5—へ キシルォキシフエノールなどのヒドロキシフエニルトリアジン系化合物を挙げる ことができる。
更に紫外線吸収剤としては例えば、 2, 2, 一p—フエ二レンビス (3, 1 - ベンゾォキサジン一 4—オン) 、 2, 2, 一m—フエ二レンビス (3, 1—ベン ゾォキサジン一 4一オン) 、 及び 2, 2, -P, p, ージフエ二レンビス (3, 1—ベンゾォキサジン一 4一オン) などの環状ィミノエステル系化合物を挙げる ことができる。
また紫外線吸収剤としては例えば 1, 3—ビス一 [(2, ーシァノー 3', 3' ージフエ二ルァクリロイル) ォキシ] —2, 2—ビス [(2—シァノー 3, 3 - ジフエ二ルァクリロイル) ォキシ] メチル) プロパン、 および 1, 3—ビス一 [(2—シァノ—3, 3—ジフエ二ルァクリロイル) ォキシ] ベンゼンなどのシ ァノアクリレート系化合物を挙げることができる。
またビス (2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4—ピペリジル) セバケート、 ビ
ス (1, 2, 2, 6, 6—ペンタメチルー 4—ピペリジル) セパゲート、 テトラ キス (2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4—ピペリジル) 一 1, 2, 3, 4—ブ タンテトラカルポキシレート、 テトラキス (1, 2, 2, 6, 6—ペン夕メチ Jレ 一 4—ピペリジル)一 1, 2, 3, 4—ブタンテトラカルボキシレート、ポリ { [6 _ (1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル) アミノー 1, 3, 5—トリアジン一 2, 4ージィル] [ (2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジル) ィミノ] へキ サメチレン [ (2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジル) ィミノ] } 、 ポリメ チルプロピル 3—ォキシ一 [4— (2, 2, 6, 6—テトラメチル) ピベリジ二 ル] シロキサンなどに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことがで き、 カゝかる光安定剤は前記紫外線吸収剤や各種酸化防止剤との併用において、 耐 候性などの点においてより良好な性能を発揮する。
前記紫外線吸収剤及び光安定剤は、 ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造 をとることにより、 かかる紫外線吸収性単量体及び Zまたは光安定性単量体と、 アルキル (メタ) ァクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線 吸収剤及び/または光安定剤であつてもよい。 前記紫外線吸収性単量体及び光安 定性単量体としては、 (メタ) アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾ トリァゾール骨格、 ベンゾフエノン骨格、 トリアジン骨格、 環状ィミノエステル 骨格、 シァノアクリレート骨格及びヒンダ一ドアミン骨格を含有する化合物が好 適に例示される。
フエノール系酸化防止剤、 ィォゥ系酸化防止剤およびラクトン系安定剤の含有 量はそれぞれ樹脂組成物 100重量%中、 0. 001〜2重量%が好ましく、 よ り好ましくは 0. 005〜1重量%、 更に好ましくは 0. 01〜1重量%、 特に 好ましくは 0. 01〜0. 5重量%である。
また紫外線吸収剤、 光安定剤の組成割合は、 それぞれ樹脂組成物 100重量% 中、 0. 001〜2重量%が好ましく、 より好ましくは 0. 005〜1重量%、 更に好ましくは 0. 01〜1重量%、 特に好ましくは 0. 01〜0. 5重量%で ある。
本発明の枠部材 (B) の樹脂組成物およびシート状物 (A) の芳香族ポリカー
ポネート樹脂は、 離型剤を含有することができる。 かかる離型剤としては公知の ものが使用できる。 例えば、 飽和脂肪酸エステル、 不飽和脂肪酸エステル、 ポリ ォレフィン系ワックス (ポリエチレンワックス、 1—アルケン重合体など。 酸変 性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる) 、 フッ素化合物 (ポリフルォロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど) 、 パラフィン ワックス、 蜜蠟などを挙げることができる。
殊にシート状物 (A) が透明性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の場合に は、 離型剤としては飽和脂肪酸エステルが好適である。 かかる飽和脂肪酸エステ ルとしては、 例えばステアリン酸モノグリセライド、 ジグリセライド、 トリダリ セライドなどグリセリン脂肪酸エステル類、 デカグリセリンデカステアレートお よびデカグリセリンテトラステアレート等のポリダリセリン脂肪酸エステル類、 ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、 セバシン酸べへネート などの高級脂肪酸エステル類、 ペン夕エリスリトールテトラステアレートなどの エリスリ 1 ^一ルエステル類が使用される。 これらの中でもステアリン酸やパルミ チンと多価アルコール (特にペン夕エリスリ! ル) 力、らなるフルエステルが好 ましい。 更に該フルエステルの酸価は好ましくは 2 0以下、 より好ましくは 4〜 2 0、更に好ましくは 5〜1 5である。離型剤は樹脂組成物 1 0 0重量%中、 0 . 0 0 1〜2重量%が好ましく、 より好ましくは 0 . 0 0 5〜1重量%、 更に好ま しくは 0 . 0 1〜1重量%、 特に好ましくは 0. 0 1〜0. 5重量%である。 本発明の樹脂組成物および芳香族ポリカーボネート樹脂は、 本発明の効果を損 なわない範囲において、 帯電防止剤を含んでいてもよい。 かかる帯電防止剤とし ては、 例えばポリエーテルエステルアミド、 グリセリンモノステアレート、 ドデ シルベンゼンスルホン酸アンモニゥム塩、 ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニ ゥム塩、 無水マレイン酸モノグリセライド、 無水マレイン酸ジグリセライド等が 挙げられる。 かかる帯電防止剤の組成割合は樹脂組成物 1 0 0重量%中 0 . 5〜 2 0重量%が好ましい。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例および比較例における実験 2において成形した二色成形品 を示すものであり、 (a) は正面図 (枠部材側からの図) 、 (b) は A— A線断 面図、 (c ) は B— B線断面図である。 図中の符号は以下の通りである。
1 二色成形品本体 (シート状物と枠部材の一体化成形品) 、 2 シート状物 ( 1 . 5 mm厚みのファンゲートにより成形、 厚み 4 mm) 、 3 枠部材 (厚み 2 mm) 、 4 枠部材のピンゲート (4箇所、 直径 1 . mm) 、 5 枠部材の 縦方向の幅 (4 0 mm) 、 6 枠部材の横方向の幅 (4 0 mm) 、 7 前記成形 品の幅 (2 0 0 mm) 、 8 前記成形品の長さ (3 0 0 mm) 発明の効果
以上、 本発明は芳香族ポリカーボネ一トよりなるシート状物と線膨張係数の小 さい金属フレームとの良好な接着が得られることが明らかであり、 広く工業的用 途に有用であり、 特に自動車用途に幅広く応用される。 本発明は、 車輛用ダレ一 ジング材、 特にバックドアウィンドウ、 サンルーフ、 およびルーフパネルに好適 なポリ力一ポネ一ト樹脂よりなるシ一ト状物を含む窓構造体を提供するが、 本発 明の窓構造体は、 その特有の特徴から車輛用グレージング材以外にも、 建設機械 の窓ガラス、 ビル、 家屋、 および温室などの窓ガラス、 ガレ一ジおよびァ一ケ一 ドなどの屋根、照灯用レンズ、信号機レンズ、光学機器のレンズ、 ミラー、眼鏡、 ゴーグル、 消音壁、 バイクの風防、 銘板、 太陽電池カバーまたは太陽電池基材、 ディスプレー装置用カバ一、 タツチパネル、 並びに遊技機用部品 (回路カバー、 シャーシなど) などの幅広い用途に使用可能である。 したがって本発明の窓構造 体およびそのための窓部材は各種電子 ·電気機器、 OA機器、 車両部品、 機械部 品、 その他農業資材、 漁業資材、 搬送容器、 包装容器、 遊戯具および雑貨などの 各種用途に有用であり、 その奏する産業上の効果は格別である。 実施例
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
実施例 1〜7、 比較例 1〜5
下記 a成分、 b成分を 120°Cで 5時間循環型熱風乾燥機により乾燥し、 表 1 に記載の各成分を表記載の配合割合で、 c成分以外を櫛歯付きのタンブラーで均 一に混合した。 尚、 ST— 1および ST— 2は両者の合計が 10重量%となるよ う a成分とス一パーミキサーで均一に混合したマス夕一剤としてタンブラ一に混 合された。 タンブラ一による混合物は径 3 Οπιπιφのベント式二軸押出機 ((株) 日本製鋼所 ΤΕΧ30XSST) を使用しスクリュ一根元の第 1投入口から計量 器((株) クポタ製 CWF)上に設けられた攪拌羽根式の供給機から供給した。一 方 c成分は同じく計量器上に設けられた振動式の供給機を用いて所定の割合とな るようサイドフィーダ一に供給され、 かかるフィーダ一を通して押出機へ供給さ れた。 シリンダおよびダイス共に温度 280°Cにて押出を行い、 スクリユー回転 数 180 rpm、 吐出量 18 kg/時、 ベント吸引度 10, 0 O OP aでストラ ンドを製造し、 次いでペレタイザ一でペレット化して下記の実験を行い、 本発明 の効果を確認した。
(実験 1 )
得られたペレツトを 120 °Cで 6時間循環型熱風乾燥機で乾燥した後、 射出成 形機 [FANUC (株) 製 T— 150D] により成形温度 280°C、 金型温度 1 10°Cで 150 X 150 X 3mm tの角板を成形し、 23°C、 相対湿度 50 %で 24時間状態調節をした。洗浄剤として BETACLEAN3350 (DOW A UTOMOT IVE社製、 商品名) を使用し、 成形品表面を洗浄した。 次いでプ ライマ一として BETAPR IME 5404 (DOW AUTOMOTIVE社 製、 商品名) を塗工し、 5分後、 マスコバイトを約 25重量%含有し (A剤およ び B剤共)、重ね合せせん断強度 (ASTM D- 1102に準拠)が約 5 M P a、 およびヤング率 (ASTM D-797に準拠) が約 10 MP aの二液性ゥレタ ン接着剤である BETAMATE2810 A剤および B ETAMATE 2810 B/S剤 (共に DOW AUTOMOT I VE社製、 商品名) を BETAGUN タイプ 995. 164 (DOW AUTOMOT I VE社製、商品名)に装着し、 前記プライマ一の上に塗工した。 プライマ一および接着剤の塗工幅はいずれも約 10mm、 長さは約 130mmとし、 また接着剤の反応完了後の厚みは約 5 mm
とした。 かかる接着剤の塗工された成形品を 2 3 °C、 相対湿度 5 0 %で 2 0 0時 間保管し、 接着剤の反応を完了させた。 その後かかる成形品を 7 0 ° (:、 相対湿度 9 8 %で 2 0 0時間処理し、 該処理後更に 2 3 °C, 相対湿度 5 0 %にて 2 4時間 状態調節を行い、 接着剤剥離試験を実施した。 かかる剥離試験は、 接着剤の長さ 方向の端部をニッパーで成形品より剥離させた後(約 5〜1 0 mmほど)、角板を 動かないよう完全に固定した状態で該剥離部をペンチで垂直に持ち上げ、 その破 壊の状態を目視観察する方法であつた。 破壊が接着剤との界面でなく接着剤の凝 集破壊である場合には、 再度同様の手法でペンチで接着剤部を垂直に持ち上げる 操作を接着剤が角板から無くなるまで繰り返した。 かかる剥離試験は 1 0枚の試 験片で実施し、 接着剤の塗布面積に対して、 接着剤が試験片に残留した部分の面 積の割合 (%) を算出して評価した。すなわち、 本評価では、 "全ての剥離試験に おいて、 接着剤が凝集破壊した"場合には 1 0 0 %の評価となり、 全ての界面に おいて剥離が生じ接着剤が試験片に残留していない場合には 0 %の評価となる。
(実験 2 )
前記各実施例および比較例のペレット以外に、 透明部材 (構成体 C) を成形す るために下記に示す P C C - 1を用意した。 実施例および比較例のペレツトおよ び P C C— 1のいずれのペレツトも 1 2 0 °Cで 6時間循環型熱風乾燥機で乾燥し た後、二色成形可能な成形機(日精樹脂工業(株)製 F N 8 0 0 0— 3 6 ATN) にて図 1に示すような透明部材とその枠材からなる二色成形品を得た (透明部材 の面積の 5 6 %が枠材と結合)。その後該ニ色成形体に対し、枠材のない側の透明 部材表面には下記に示す要領でフローコ一ト法によるシリコーン系ハードコート を塗工し、 一方枠材を有する側には、 接着剤部分にハードコート剤が触れないよ うはけ塗りで同様のハ一ドコート剤を塗工し、 その結果透明部材の両面にハード コートがされた成形品を得た。 かかる成形品に対して、 枠材の接着面部分を前記 と同様に洗浄し、 その後プライマー塗工し、 更に緩衝層たる接着剤の塗工を行つ た。 接着剤の塗工後すばやく枠材と同形状の塗装鋼板より作成されたフレームに 接着した。 かかる接着後 2 3 °C、 相対湿度 5 0 %で 2 0 0時間保管し接着剤の反 応を完了させてポリカーポネ一ト系棚旨の窓構造体を作成した。 緩衝層たる接着
剤の反応後の厚みは約 5 mmとした。 その後該部材を、 冷熱サイクル試験機に保 管して、 0 °C: 1時間および 7 0 °C: 1時間の冷熱サイクル試験を 1 0 0サイク ル行う環境下に曝した。 かかる試験後の部材の状態を目視観察し、 下記基準によ り評価した。 尚、 比較例 2および 3の試験片については、 実験 1での評価結果が 極めて悪かったため、 評価しなかった。
◎:成形体に反り等は発生しない (剥離の発生なし)
〇:成形体に若干そりが発生した (剥離の発生なし)
X:成形体に大きめのそりが発生した (剥離の発生なし)
(実験 3 )
前記実験 2において、 塗装鋼板より作成されたフレームに替えて、 6 0 6 1番 のアルミニウム合金で作成されたフレームを用いて、 同様の実験を行った。 かか る実験 3は実施例 2、 実施例 4、 および実施例 5の枠材からなる窓構造体につい て実施した。 結果は実験 2と同様に実施例 2は〇の評価、 実施例 4および 5は◎ の評価であった。
(実験 4)
前記実験 3において、 緩衝層たる接着剤の厚みを約 5 mmから、 約 0 . 5 mm および 1 5 mmに変化させて同様の実験を行った。 かかる実験 4は、 実施例 2の 枠材からなる窓構造体について実施した。 厚み約 0 . 5 mmの緩衝層は、 塗工直 後の接着剤をスクレーパーにより塗り広げることで得た。 厚み約 1 5 mmの緩衝 層は、 接着剤の塗工を繰り返すことにより得た。 厚み約 0. 5 mmの緩衝層を有 する窓構造体は、上記の冷熱サイクル試験において剥離部分が認められた。一方、 厚み約 1 5 mmの緩衝層を有する窓構造体は、 窓部材が傾き、 枠材と平行に固定 することが困難であったと共に、 接着剤のはみ出しがあり外観を損ねるものであ つた。
実施例および比較例の組成物に用いられた原材料、 P C C—1の内容、 および 八一ドコート剤の内容は次のとおりである。
( a成分)
P C:芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー (帝人化成 (株) 製:パンライト L
- 1225 WX、 粘度平均分子量 19, 700)
(b成分)
PET:ポリエチレンテレフ夕レート樹脂 (帝人 (株) 製: TR— 8580) (b成分以外のポリエステル)
PBT:ポリブチレンテレフタレ一ト榭脂 (ウィンテックポリマ一 (株) 製: 5 00 FP)
( c成分)
GF-1 :エポキシ樹脂を主成分とし、 ポリウレタンを含有する集束剤により集 束処理されたガラスチョップドストランド(日東紡績(株)製: CS 3PE 9 44、 繊維径 13 )
GF-2 :ポリウレタンからなる集束剤により集束処理されたガラスチヨップド ストランド (旭ファイバーグラス (株) 製: CS 03MA409C、 繊維径 13 βΐΏ.)
(その他)
ST-1:ジステアリルペン夕エリスリトールジホスフアイト (旭電化工業 (株) 製:アデカスタブ PEP— 8)
ST-2 : トリメチルホスフェート (大八化学工業 (株) 製: TMP)
CBM:ジヒドロキシ成分がビスフエノール Aであるポリカーボネート樹脂 (粘 度平均分子量 15, 000) および三菱化学 (株) 製 カーボンブラック 970 #を重量比で 60 : 40にて溶融混合したマスターペレツト
(PCC— 1の内容)
粘度平均分子量 22, 500のポリカーボネート樹脂パウダ一(帝人化成(株) L- 1225WP) 100重量部に対し、 ペンタエリスリトールテトラステアレ 一ト系離型剤(理研ビタミン(株)製:リケスター EW— 400) 0. 2重量部、 ホスホナイト系熱安定剤 (S andoz社製:サンドスタブ P— EPQ) 0. 0 2重量部、 ヒンダードフエノール系酸化防止剤 (チバ 'スぺシャリティ 'ケミカ ルズ社製: I r ganox l 076) : 0. 08重量部、 紫外線吸収剤 (チバ ·ス
ぺシャリティ ·ケミカルズ社製: T i nu V i n 1577): 0. 2重量部、 ブル 一イング剤(パイエル社製:マクロレックスバイオレット B) : 0. 0002重量 部、 および前記 CBM : 0. 0005重量部を配合し、 プレンダ一にて混合した 後、 ベント式二軸押出機を用いて溶融混練しペレットを得た。 ポリカーボネート 樹脂パウダーに添加する添加剤はそれぞれ配合量の 10〜: I 00倍の濃度を目安 に予め該パウダーとの予備混合物を作成した後、 プレンダーによる全体の混合を 行った。 ベント式二軸押出機は (株) 日本製鋼所製: TEX30ひ (完全かみ合 い、 同方向回転、 2条ネジスクリュー) を使用した。 混練ゾーンはベント口手前 に 1箇所のタイプとした。 押出条件は吐出量 20 kgZh、 スクリユー回転数 2 00 rpm、 ベントの真空度 3 kP aであり、 また押出温度は第 1供給口からダ イス部分まで 280°Cとした。 尚、 上記の樹脂組成物の製造は HEP Aフィル夕 —を通した清浄な空気が循環する雰囲気において実施し、 また作業時に異物の混 入がないよう十分に注意して行った。
(ハードコート剤の調製)
(尚、 以下 "部" は特に断りのない限り "重量部" を示す)
(1) アクリル共重合体の製造 (EMA— HEMAの製造)
還流冷却器及び撹拌装置を備え、 窒素置換したフラスコ中にェチルメタクリレ ート(以下 EMAと略称する) 97部、 2—ヒドロキシェチルメタクリレー卜(以 下 HEMAと略称する) 19. 5部、 ァゾビスイソプチロニトリル (以下 A I B Nと略称する) 0. 18部及び 1, 2—ジメトキシェタン 200部を添加混合し、 溶解させた。 次いで、 窒素気流中 70 で 6時間攪拌下に反応させた。 得られた 反応液を n—へキサンに添加して再沈精製し、 EMA/HEMAの組成比 85/ 15 (モル比) のコポリマ一 100部を得た。 該コポリマーの水酸基価は 72. lmgKOHZg、 重量平均分子量は G PCの測定 (カラム; Shod ex G PCA— 804、 溶離液; THF) から標準ポリスチレン換算で 80, 000で あった。
以下、 かかるアクリルコポリマーを "EMA— HEMA (1)" と称する。
( 2 ) 第 1雇用塗料組成物の調製 (H C 1の調製)
前記 EMA— HEMA5. 8部および 2— (4, 6ジフエ二ルー 1, 3, 5— トリアジンー 2—ィル) -5- [(へキシル) ォキシ] —フエノ一ル 2. 5部をメ チルェチルケトン 40部、 メチルイソプチルケトン 20部、 および 2—メチルー 2—プロパノール 25部からなる混合溶媒に溶解し、 次いでこの溶液に前記 EM A— HEMAのヒドロキシ基 1当量に対してイソシァネート基が 1. 2当量とな るようにタケネート XB— 72-H6 (三井武田ケミカル製ポリイソシァネート 化合物前駆体) 4. 0部、 APZ— 6633 (日本ュニカー製シランカップリン グ剤) 0. 1部を添加し、 25 °Cで 5分間攪拌して第 1層用塗料組成物 " HC1" を調製した。
( 3 ) 第 2層用塗料組成物の調製 (H C 2の調製)
水分散型コロイダルシリカ分散液 (日産化学工業 (株) 製 スノーテックス 3 0 固形分濃度 30重量%) 100部に蒸留水 12部、 酢酸 20部を加えて攪拌 し、 この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン 134部を加えた。 この混合液を 25 °Cで 1時間攪拌して得られた反応液に、 硬化触媒として酢酸ナ トリウム 1部を加えイソプロパノール 200部で希釈してオルガノシロキサン樹 脂組成物 "HC2" を調製した。
(4) ハードコート剤の塗布
上記で製造された二色成形品を、 120°Cで 2時間クリーンオーブン中でァニ ール処理を行った。 その後上記で調整された HC1を、 枠材のない側の透明部材 表面にはフローコート法によって、 一方枠材のある側の透明部材表面にははけ塗 りによって、 厚み約 4 で両面塗布し、 25 °Cで 20分間静置後、 120°Cで 1時間熱風循環オーブン中で熱硬化させた。 次いで該成形品の被膜表面上に HC — 2を H C— 1と同様の方法で厚み約 6 imで両面塗布し、 25 °Cで 20分間静 置後、 12 O :で 2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させた。
実施例
単位
1 2 3 4 5
&成分 PC 重量咅!? 90 80 70 79 77 b成分 PET 10 20 30 21 23
(b以外) PBT
組 GF-1 II 5 18 c成分
成 GF-2 11
ST— 1 1! 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 その他 ST— 2 II 0.02 ' 0.02 0.02 0.02 0.02
CBM // 1 1 1 1 1 評 100 100 100 95 88 価 〇 〇 〇 ◎ ◎
表 1 (つづき)
比較例
単位
1 2 3 4 5
&成分 PC 重量部 100 100 100 80 79 b成分 PET )1
(b以外) PBT II 20 21 組 GF-1 11 5 18 5 c成分
成 GF-2 〃
ST— 1 0.08 0.08 0.08 0.08 0.08 その他 ST-2 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02
CBM II 1 1 1 1 1 評 実験 1 ( ) 27 10 5 67 48 価 実験 2 X X X
更に前記の実験 2と同様の手法によって、 幅約 4 0 c m、 長さ約 1 3 0 c m、 および厚み 4mmのわずかに湾曲した (枠材のない側に凸状) 前記 P C C— 1か らなる板状成形品と、 厚み 2 mmで周囲約 7 c mを覆う前記実施例 2、 4および 5の組成物からなる枠材との一体化された成形品を大型の二色成形機により製造 した。 更に前記と同様の手法よりハードコートした後、 同様の接着方法によって 塗装鋼板製および 6 0 6 1番アルミニウム合金製の枠材に固定した。 かかる部材 は湿熱処理試験後においても強靭に接着された状態を保った。