WO2004051685A1

WO2004051685A1 - キーシート及びその製造方法とスイッチ製品

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Publication number: WO2004051685A1
Application number: PCT/JP2003/015226
Authority: WO
Inventors: Hiroyasu Shigeta; Tadahiro Murakami
Original assignee: Nissha Printing Co., Ltd.
Priority date: 2002-12-02
Filing date: 2003-11-28
Publication date: 2004-06-17
Also published as: TW200417473A

Abstract

　キー脚部（２１，２１Ａ）がシート部材の貫通孔に嵌め込まれ、キー頭部がシート部材の表面上に形成されているキーシートである。キーが、シートの貫通孔に嵌め込まれた構造であるため、噛み合わせによる物理的な接合も確保できるため、キーがシート部材から脱落しないようにできる。

Description

明細書キーシート及ぴその製造方法とスィツチ製品技術分野

本発明は、携帯電話等の通信機器、自動車部品、電気製品等の加飾品の製造に用いるキーシート及びスィツチ製品に関する。背景技術

最近、市場から要望されるキーシートは、多機能ィヒのニーズからキーの数が多くなる傾向にある。また、キーを押しやすく、かつキーシート全体を小型化したいというニーズから、キー自体のサイズはそのままで、図 1 8に示されるように隣り合うキー 1 0 2間の間隙 1 1 2をできる限り小さくし、その寸法公差の許容範囲を小さくする傾向にある。具体的には、隣り合うキー 1 0 2間の間隙 1 1 2 が 0 . 1 5〜0 . 2 5 mmで、キー 1 0 2をキーシート部材 1 0 0の基体シート

1 0 1に接着層 1 0 3で接着させたキーシート 1 1 0がある。

このキーシート 1 1 0は、以下の方法で製造されている。まず、ゲートで連結されたままの状態のキー 1 0 2に力 tl飾層を形成する。その後、ゲートをカットし、ばらばらになった各々のキー 1 0 2を、図 1 9に示すように、所定の接着用治具 1 2 5の凹部 1 2 5 aにセットする。次に、接着用治具 1 2 5にセットされたこれらのキー 1 0 2と、基体シート 1 0 1より構成されるシート部材 1 0 0とを重ね合わせて接着させ、接着用治具 1 2 5力ら、互いに接着されたキー 1 0 2とシ一ト部材 1 0 0とを取り出してキーシート 1 1 0を得る。

しかし、上記従来方法では、キー 1 0 2の数が多くなるほどキー 1 0 2を接着用治具 1 2 5にセットする作業が面倒になる問題があった。また、上記従来品では、隣り合うキー 1 0 2とキー 1 0 2との間の間隙 1 1 2 (図 1 8参照）が例えば 0 . 2 mm程度と非常に小さいため、キー 1 0 2を収納する筐体に、キー脱落防止のための桟を隣り合うキー 1 0 2とキー 1 0 2との間に設けることができなかった。したがって、キー 1 0 2とシート部材 1 0 0との接着強度が低下すれば、直ちにキーシート 1 1 0からキー 1 0 2が脱落してしまうという問題が発生していた。

また、上記従来方法では、キー 1 0 2とシート部材 1 0 0と一体化させた後、接着用治具 1 2 5からキーシート 1 1 0のキー 1 0 2を抜き取る作業が必要になるため、接着用治具 1 2 5には必ずある程度の遊び（すなわち、実際のキー 1 0 2の寸法より接着用治具 1 2 5の寸法を大きくすること） 1 2 6 (図 1 9参照）が必要になる。しかし、この遊び 1 2 6はそのまま隣り合うキー 1 0 2間の間隙 1 1 2の公差となるため、隣り合うキー 1 0 2間の間隙 1 1 2が小さくなればなるほど、この公差の影響が大きくなり、不良品が発生しやすくなるという問題が発生していた。

従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、多機能化の-一ズからキーの数が多くなつても、キーを治具にセットする作業が不要となり、キ一とシート部材との接着強度不足もなく、キーの脱落が防止できるキーシート及びその製造方法と、上記キーシートを使用するスィツチ製品を提供することにある。発明の開示

本発明は、上記目的を達成するため、以下のように構成している。

本発明の第 1態様によれば、複数のキーが近接して配置されるキーシートであつて、上記複数のキーの各キーのキー脚部がシート部材の貫通孔に嵌め込まれ、各キーのキー頭部の幅が、上記シート部材の上記貫通孔の幅より大きく、上記シ一ト部材の表面上に配置されているキーシートを提供する。

本発明の第 2態様によれば、上記複数のキーの隣り合うキーとキーとの間の隙間が 0 . 1 5〜 0 . 2 5 mmである第 1態様に記載のキーシートを提供する。本発明の第 3態様によれば、上記貫通孔の縦断面が、上記キーの頭部が位置する側とは反対側に向けて広がるような台形状を呈する第 1又は 2態様に記載のキ一シートを提供する。

本発明の第 4態様によれば、少なくとも縦横に 3個以上キーが並んだ第 1または 2態様に記載のキーシートと該キーシートを保持するための筐体より構成されるスイツチ製品であって、上記キーシートの隣接するキーとキーとの間に空間のみを介して上記隣接するキーとキーとが配置されている携帯電話等のスィッチ製品を提供する。

本発明の第 5態様によれば、少なくとも縦横に 3個以上キーが並んだ請求項 3 に記載のキーシートと該キーシートを保持するための筐体より構成されるスィッチ製品であって、

上記キーシートの瞵接するキーとキーとの間に空間のみを介して上記隣接するキーとキーとが配置されている携帯電話等のスィッチ製品を提供する。

本発明の第 6態様によれば、凹部が形成されたキヤビティ成形金型の上に、シ一ト部材をセットした後、キー材料注入口から上記シ一ト部材の貫通孔を通して、上記凹部と上記シート部材によって形成された空間にキー材料を充填することにより、第 1又は 2態様に記載のキーシートを得るキーシートの製造方法を提供する。

本発明の第 7態様によれば、凹部が形成されたキヤビティ成形金型の上に、シ一ト部材をセットした後、キー材料注入口から上記シート部材の貫通孔を通して、上記 H0部と上記シート部材によつて形成された空間にキー材料を充填することにより、第 3態様に記載のキーシートを得るキーシートの製造方法を提供する。図面の簡単な説明

本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、

図 1は、本発明の実施形態に係るキーシートを示す断面図であり、

図 2は、本発明の実施形態の変形例に係るキーシートを示す断面図であり、図 3は、本発明の実施形態の別の変形例に係るキーシートを示す断面図であり、図 4は、本発明の実施形態のさらに別の変形例に係るキーシートを示す断面図であり、

図 5は、本発明の実施形態に係るキーシートのシート部材を示す斜視図であり、図 6は、本発明の実施形態に係るキーシートのシート部材の変形例を示す断面図であり、図 7は、本発明の実施形態に係るキーシートのシ一ト部材の別の変形例を示す断面図であり、

図 8は、本発明の実施形態に係るキーシートの使用態様を示す断面図であり、図 9は、本発明の実施形態に係るキーシートの使用態様を示す断面図であり、図 1 0は、本発明の実施形態のさらに別の変形例に係るキーシートを示す断面図であり、

図 1 1は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 2は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 3は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 4は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 5は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 6は、本発明の実施形態に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図であり、

図 1 7は、本発明の実施形態に係るスィッチ製品を示す正面図であり、図 1 8は、従来技術に係るキーシートを示す断面図であり、

図 1 9は、従来技術に係るキーシートの製造方法の一工程を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。

以下、図面を参照して本発明における種々の実施形態を詳細に説明する。

本発明の第 1実施形態にかかるキーシート Aは、キー脚部 2 1を有する打鍵用キー 2と、軸直交方向沿いの断面が六角形又は円形などのキー脚部 2 1に対応する形状の（軸直交方向沿いの断面が六角形又は円形などの）貫通孔 4が形成されたシート部材 Bとより構成されている。一般には、キーシート Aは、近接して配置される複数の打鍵用キー 2と、複数の打鍵用キー 2がそれぞれ嵌合可能な複数の貫通孔 4が形成されたシート部材 Bとより構成されている。、上記キー 2は、シート部材 Bの基体シート 1に設けられた貫通孔 4に嵌め込まれかつ基体シート 1の厚みと大略同一長さのキー脚部 2 1と、キー脚部 2 1に一体的に連結されて基体シート 1に接触する台座部 2 3と、台座部 2 3に一体的に連結されたキー頭部 2 2とより構成され、通常、キー脚部 2 1と台座部 2 3との縦断面は図 1に示されるように大略 T字型を呈する。

上記シート部材 Bは、図 5に示されるように、貫通孔 4が形成された基体シート 1と、基体シート 1の表面でかつ貫通孔 4の周囲に配置された矩形の接着シート又は塗布膜などより構成される接着層 3と等より構成される。なお、キー 2が基体シート 1と接着性を有する場合には、図 1及び図 2に示されるように接着層 3が無くでもよい。貫通孔 4の形状は、図 1及び図 3に示されるような縦断面が矩形の貫通孔 4よりも、図 2及び図 4に示されるように縦断面が、基体シート 1 の表面側から裏面側に向けて広がるような台形状を呈する貫通孔 4 Aの方が好ましい。このような台形状の構造にすれば、キー脚部 2 1 Aを六角錐台形状又は円錐台形状などとして、キー脚部 2 1 Aを貫通孔 4 A内に嵌合すると、キー脚部 2 1 Aが貫通孔 4 A内に物理的に嵌合された状態になるので、キー 2の基体シート 1からの脱落の心配が全くない。なお、ここでいう台形状の貫通孔 4には、貫通孔 4 Aの内面が軸対称に {頃斜したものに限るものではなく、例えば、図 6に示されるように、縦断面において、一方の側のみ傾斜し、他方の側は厚み方向沿いの内面となる形状の台形の貫通孔 4 Bや、図 7に示されるように、縦断面において、基体シート 1の表面側のみが軸対称に傾斜した形状の台形の貫通孔 4 Cや、あるいは一つのキー 2に対して複数の貫通孔が形成されるものも含まれる。

そして、キーシート Aの下部にメタルドーム 3 1をセットしてキー 2を押すことによって、その圧力が可動接点を有するメタルドーム 3 1に伝わり、固定接点と、メタルドーム 3 1の可動接点とで構成されるスィッチがオンオフされる。ここで、図 8はスィツチのオフ状態を示し，図 9はスィツチのオン状態を示す。基材シート 1の材質としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、アクリル、ォレフィン、ウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂等から選択される単層フィルム、又は上記の中から選択された 2種以上の樹脂による積層フィルム又は共重合フイルムがある。

基材シート 1の厚みとしては、 5〜 5 0 0 μ mが好ましい。厚みが 5 μ m未満のシート 1では、ィンサート成形時のハンドリングが悪く成形工程が不安定となり、厚みが 5 0 0 /X mを越えるシート 1では、剛性がありすぎて、最終製品のキ一シート部材としてのキー摺動性に不具合が生じるためである。

基体シート 1上には、接着層 3が強固に密着するよう易接着層を形成しても良い。易接着層の材質としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ォレフィン系樹脂、又はウレタン系樹脂等がある。易接着層を設ける方法としては、ダラビア印刷、スクリーン印刷、又はオフセット印刷法等の汎用印刷方法のほ力 \ 各種コーティング法のいずれでも構わない。

接着層 3は、キー頭部 2 2の台座部 2 3の下面とシート部材 Bの上面との間に位置し、両者を接合する作用を有するものである。接着層 3の材質としては、ァクリル系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ェポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ォレフィン系樹脂、又はァクリロ二トリノレブタジエンスチレン樹脂等を用いるのが良い。

接着層 3の厚みは、 0 . 5〜 5 0 μ mが好ましい。接着屬 3の膜厚が 0 .' 5 μ mより薄いと、十分な接着性が得られないという問題があり、接着層 3の膜厚が

5 0 mより厚いと、印刷後に乾燥し難いという問題があるためである。接着層 3の形成方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、又はスクリーン印刷などの汎用印刷方法でも、塗装、デイツビング、又はリバースコーターなどいずれの方法でもよい。

キー 2の材質は特に限定されないが、透明な成形樹脂が好ましい。キー 2の材質としては、特に、透明性、耐熱、耐衝擊性に優れたポリカーボネート樹脂が最適である。また、本努明の第 6及び 7実施形態では、ゲートのカットが不要であるため、透明性及び表面強度に優れたアクリル樹脂を用いても良い。キー 2の形成方法は、射出成形、圧縮成形、又は注型などいずれの方法でもよい。ゲート力ットが不要なのは、貫通孔を通してピンゲートで射出成形するので、従来方法のようにゲート跡を面一にして基体シートを積層 ·接着しやすいようにする必要がないからである。

なお、キー頭部 2 2の表面（図 1の上面）には、文字、幾何学模様、又はベタ等の加飾層が形成される。この加飾層を表現する際に、キー透光層 9やキー遮光層 1 0を設けてもよい。また、キー 2が形成されていない部分からの光漏れを防ぐために、基体シート 1上にシート部材遮光層 1 1を設けてもよい（図 1 0参照）。なお、キー 2は、並列して複数形成してもよい。キー透光層 9は、アタリル、ォレフィン、ウレタン、ポリエステル、塩化ビュル、若しくは塩化ゴムなどの透明な樹脂に対して 3重量。/。未満の顔料又は染料を含ませたィンキを汎用の印刷、コーティング、若しくは塗装などの方法で形成した樹脂層で構成することができる。キー遮光層 1 0は、アクリル、ォレフィン、ウレタン、ポリエステル、塩化ビニル、若しくは塩化ゴムなどの樹脂に対して 5重量⁰ /₀以上の顔料又は染料を含ませたインキを汎用の印刷、コーティング、若しくは塗装などの方法で形成した樹脂層で構成することができる。シート部材遮光層 1 1は、アクリル、ォレフィン、ウレタン、ポリエステル、塩化ビニル、若しくは塩ィ匕ゴムなどの樹脂に対して 5重量％以上の顔料又は染料を含ませたィンキを汎用の印刷、コーティング、若しくは塗装などの方法で形成した樹脂層で構成することができる。

キー頭部 2 2の表面にキー透光層 9やキー遮光層 1 0を設ける方法としては、塗装のほか汎用の印刷方法やディッビングなどが挙げられる。塗装装置 3 0で塗装する場合には、キー 2の側面まで加飾するためにキーシート Aを湾曲させるとよい（図 1 1 ) 。このように湾曲させて塗装ができるのは、キーシート Aのキー 2とシート部材 Bが強固に接合してヽるからである。

基体シート 1における貫通孔 4の形成方法は、金型プレス法、トムソン型、又はパンチ加工等がある。その加工の際、図 1 2に示すように打ち抜き刃 7の角度を内側に傾けておき、押圧板 8側に接着層 3が位置するように基体シート 1を打ち抜き刃 7上に載置したのち、押圧板 8を下降させて、打ち抜き刃 7で基体シート 1を打ち抜くと、図 2に示すように基体シート 1の表と裏で大きさの異なる貫通孔 4 Aが形成できる。すなわち、貫通孔 4 Aの内面を、上記キー頭部 2 2が位置する側とは反対側に向けて広がるような台形状を呈するようなテーパー面とすることができる。この場合、図 2に示すように、キー脚部 2 1 Aを六角錐台形状又は円錐台形状などとして、キー脚部 2 1 Aを貫通孔 4 A内に嵌合すると、キー脚部 2 1 Aが貫通孔 4 A内に物理的に嵌合された状態になるので、キー 2の基体シート 1からの脱落の心配が全くない。

貫通孔 4の大きさ（幅又は内径）は、 0 . 5 mm〜 2 O mmが好ましい。貫通孔 4の大きさが 0 . 5 mm未満であれば、物理的なかみ合わせによる接合の効果が確保できないという問題が生じる。貫通孔 4の大きさが 2 O mmを越えるような、言い換えれば、キー脚部の大きさ（幅又は内径）が 2 O mmを越えるようなキー部材であると、キーが大きくなつてキー数を少なくせざるを得なくなり、多機能化が図れなくなる。

キー透光層 9、キー遮光層 1 0、シート部材遮光層 1 1の材質としては、ァクリル系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル —酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はェポキシ系樹脂などを挙げることができるが、特に限定されない。

また、キー透光層 9、キー遮光層 1 0、及び/又は、シート部材遮光層 1 1には、それぞれ、真空蒸着ゃメツキ等の方法によって、アルミニウム、クロム、銅、ニッケル、インジウム、錫、又は酸化珪素などの金属膜層を設けてもよい。この場合、金属膜層は全面でもパターン状でもよい。

キー透光層 9の膜厚は 0 . 5 n！〜 5 0 μ mが好ましい。キー透光層 9の膜厚が 0 . 5 μ πιより薄いと、十分な意匠性が得られないという問題があり、キー透光層 9の膜厚が 5 0 /x mより厚いと、印刷後に乾燥し難!/、という問題があるためである。キー遮光層 1 0やシート部材遮光層 1 1の厚みは、隠蔽性を持たす必要から 2 ！〜 5 0 /x mとして、キー透光層 9よりも厚くする方が好ましい。

但し、キー透光層 9、キー遮光層 1 0、及び/又は、シート部材遮光層 1 1に形成される金属膜層の膜厚は 5 0 A~ 1 2 0 O Aとするのが好ましい。金属膜層の膜厚が 5 0 Aより薄いと、十分な金属光沢感が得られないという問題があり、金属膜層の膜厚が 1 2 0 O Aより厚いと、クラックが生じやすいという問題があるためである。キー透光層 9、キー遮光層 1 0、及び Z又は、シート部材遮光層 1 1を全面又はパターンで設ける方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、又はオフセット印刷法等の汎用印刷方法、タンボ印刷、塗装、各種コーティング法、蒸着、イオンプレーティング、又はスパッタ法等の金属膜形成法等がある。あるいは、パターンで設ける方法として、全面形成した後、レーザーマーキング工法により一部を除去する方法もある。

たとえば、キー 2が文字照光仕様の場合、キー遮光層 1 0の外形をキー 2の外形に準じた隠蔽性のあるパターンにし、文字の部分のみ抜きパターンにするとよい。隠蔽性を得るために、弁柄、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの着色剤を添加しておくとよい。

キー 2が面照光仕様の場合、すなわちキー 2のほぼ全面を照光させる場合には、キー透光層 9やキー遮光層 1 0を設けず、接着層 3のみでもよい。また、キー 2 が基体シート 1と接着性を有する場合には、接着層 3を設けず、キー透光層 9やキー遮光層 1 0のみでもよい。

キーシート Aの製造方法は、まず、図 1 3に示されるように、基体シート 1と接着層 3とで構成されるシート部材 Bを、キー材料注入口に相当するゲート部 6 を有したコァ成形金型 5 Aと、キー形状のキヤビティ 5 Cを形成するキャビティ成形金型 5 Bの間に、キー形状のキヤビティ 5 Cと、基体シート 1の貫通孔 4又は 4 Aと、各キー 2のゲート部 6との各々の位置の中心が合致するように配置する。その後、図 1 4に示されるように成形金型 5 Aと成形金型 5 Bとを型締めしたのち、図 1 5に示されるように、ゲート部 6からキー形状のキヤビティ 5 Cに向かって、キー成形用の樹脂 1 3を溶融射出して各キヤビティ 5 Cに充填する。その後、 7合却固化させ、図 1 6に示されるように成形金型 5 Aと成形金型 5 Bとの型開きを行う。これにより、、キー 2がシート部材 Bの貫通孔 4又は 4 A及ぴ接着層 3上に一体化されたキーシート A力得られる。

上記製造方法は、成形金型 5 A， 5 B内で多数個のキー 2が同時に形成できるので、キー 2を接着用治具にセットする作業がなく、キー 2の数が多くなつても問題はない。また、図 2及び図 4に示されるように、貫通孔 4 Aを、そのシート部材 1の表面側の大きさを反対面よりも小さくする場合には、このような製造方法でないとキーをシート部材 Bに嵌め込むことが困難である。さらに、この製造方法では、隣り合うキー 2間の間隙の寸法公差が、接着用治具の遊びよりはるかに精度の高い成形金型の寸法公差のみに依存するため、非常に小さくなる。例えば、隣り合うキー 2とキー 2との間の隙間が 0 . 1 5〜0 . 2 5 mmとすることができる。

上記キーシート Aを使用するスィッチ製品の具体例として、図 1 7には、上記キーシート Aの各キー 2を携帯電話のキーとして機能させるため、少なくとも縦横に 3個以上のキー 2が並んだ上記キーシート Aを携帯電話の筐体 4 0で保持した状態を示す。上記キーシート Aの隣接するキー 2とキー 2との間には、携帯電話の筐体 4 0の桟が無く、隣接するキー 2とキー 2とは空間 9 0を介して（言い換えれば、空間 9 0のみを介して）配置されている。上記隣り合うキー 2とキー 2との間の空間 9 0の隙間は一例として 0 . 1 5〜0 . 2 5 mmである。このように携帯電話の筐体 4 0の桟が無いため、上記キーシート Aを使用するスィツチ製品が非常に小型化 ·軽量化できる効果がある。

以下に、本発明の上記実施形態のより具体的な実施例について説明する。

(実施例 1 )

基体シート 1として、厚み 7 5 μ ιηポリエチレンテレフタレートフィレムを用い、その上に株式会社セィコーァドバンス製「S G 4 1 O Z専用硬化剤」（ウレタン 2液硬化型ィンキ）で膜厚 3 μ mのシート部材遮光層 1 1をスクリーン印刷法によりパターン形成した。次いで、その反対面のキー 2と接合させる部分に膜厚 2 μ πιでポリカーボネート系樹脂からなる接着層 3をパターン形成し、シート部材 Bを得た。

このシート部材 Bの各接着層 3の中央付近と、円形で角度を内側に向けたトムソン打ち抜き刃 7との位置が合致するよう、シート部材 Bの接着層 3と反対面側をトムソン打ち抜き刃 7上に載置し、押圧板 8を稼動させて、シート部材 Bに貫通孔 4を形成した。得られたシート部材 Bの貫通孔 4は、接着層 3形成面は直径 2 mm、その反対面は直径 2 . 2 mmの円形であった。

次に、上記得られたシート部材 Bを、キー材料注入口に相当するゲート部 6を有したコァ成形金型 5 Aと、キー形状のキヤビティ 5 Cを形成するキヤビティ成形金型 5 Bの間に、キ^"形状のキヤビティ 5 Cと、貫通孔 4 Aと、各キー 2のゲート部 6との各々の位置の中心が合致するように配置した。その後、型締めしたのち、ゲート部 6からキー形状のキヤビティ 5 Cに向かって、成形樹月旨 1 3としてバイエル株式会社製ポリカーボネート樹脂「マクロロン 2 2 0 5」を溶融射出し、冷却固化させたのち、型開きしたところ、キー 2がシート部材 Bの貫通孔 4 A及び接着層 3上に一体化されたキーシート Aを得た。

このキーシート Aのキー 2の天面に、膜厚が 1 inで白色アタリノレ系樹脂からなるキー透光層 9をタンボ印刷により形成した後、キー 2の全面に、シルバーメタリック色のウレタン系樹脂塗料からなるキー遮光層 1 0を膜厚 3 0 μ mで塗装形成した。その後、キー遮光層 1 0の一部を、 Y A Gレーザーにてキー透光層 9 が露出するよう除去したところ、シルバーメタリックのキーの一部分に、透光性の白色パターン力 S加飾形成されたキーシート Aが得られた。得られたキーシート Aは、シート部材 Bを材破（シート部材がちぎれて、ある箇所で切断されるかまたは粉々になる状態となること）させない限りキー 2が脱落しないものであった。

(実施例 2 )

基体シート 1として、厚み 1 0 0 x mのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その上のキー 2と接合させる部分に、膜厚 3 mで塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる接着層 3をパターン形成し、シート部材 Bを得た。このシート部材 Bの接着層 3の中央付近と、六角形の金型プレス刃との位置が合致するよう、シート部材 Bの接着層 3と反対面側を金型プレス刃上に載置し、金型プレス機を稼動させて、シート部材 Bに六角形の貫通孔 4を形成した。

次に、上記得られたシート部材 Bを、キー材料注入口に相当するゲート部 6を有したコァ成形金型 5 Aと、キー形状のキヤビティ 5 Cを形成するキヤビティ成形金型 5 Bの間に、キー形状のキヤビティ 5 Cと、貫通孔 4 Aと、各キーのゲート部 6との各々の位置の中心が合致するように配置した。その後、型締めしたのち、ゲート部 6からキー形状のキヤビティ 5 Cに向かって、三菱レイヨン製ァクリル樹脂「アタリペット」を溶融射出し、冷却固化させたのち、型開きしたところ、キー 2がシート部材 Bの貫通孔 4 A及び接着層 3上に一体化されたキーシート Aを得た。このキーシート Aのキー 2の天面に、膜厚が 1 . 5 /i mで黄色ァクリル系樹脂からなるキー透光層 9を転写印刷により形成した後、キー 2の全面に、黒色のゥレタン系樹脂塗料からなるキー遮光層 1 0を膜厚 2 0 /z mで塗装形成した。その後、キー遮光層 1 0の一部を、 Y AGレーザーにてキー透光層 9が露出するよう除去したところ、黒色のキーの一部分に、透光性の黄色パターンが加飾形成されたキーシート Aが得られた。得られたキーシート Aは、シート部材 Bを材破させない限りキー 2が脱落しないものであった。

上記実施形態によれば、本発明の上記実施形態にかかるキーシート Aは、図 1 7に示されるように、複数のキー 2が近接して配置されるキーシート Aであって、キー脚部 2 1， 2 1 Aがシート部材 Bの基体シート 1の貫通孔 4 , 4 Aに嵌め込まれ、キー頭部 2 2及び台座部 2 3がシート部材 Bの表面上に配置されている。したがって、キー脚部 2 1力 S、基体シート 1の貫通孔 4， 4 Aに嵌め込まれた構造であるため、キー台座部 2 3とシート部材 Bとの接着層 3の接着剤による化学的な接合だけでなく、キー 2とシート部材 Bとの嚙み合わせによる物理的な接合も確保できるため、キー 2がシート部材 Bから取れて脱落する等の不具合が生じないという効果がある。

また、本発明の上記実施形態にかかるキーシート Aは、隣り合うキー 2とキー 2との間の隙間が 0 . 1 5〜0 . 2 5 mmであることを特徴とする。したがって、キー脚部 2 1， 2 1 Aが、基体シート 1の貫通孔 4， 4 Aに嵌め込まれた構造であるため、キー 2とシート部材 Bとの嚙み合わせによる物理的な接合も確保できるため、キー 2がシート部材 Bから取れて脱落する等の不具合が生じない効果がある。

また、本発明の上記実施形態にかかるキーシート Aは、上記貫通孔 4 Aの縦断面が台形状を呈するキーシート Aである。したがって、キー 2とシート部材 Bとが全く接合しない材質の組み合わせであっても、シート部材 Bが破壌されない限り、キー 2がシート部材 Bから脱落することはないという効果がある。

また、本発明の上記実施形態にかかるスィッチ製品は、図 1 7に示されるように、少なくとも縦横に 3個以上キー 2が並んだキーシート Aと該キーシート Aを保持するための筐体 4 0とより構成され、上記キーシート Aの隣接するキー 2とキー 2との間に筐体 4 0の桟が無く、隣接するキー 2とキー 2とは空間 9 0を介して配置されていることを特徴とする。したがって、非常に小型化'軽量ィ匕ができる効果がある。

また、本発明の上記実施形態にかかるキーシート Aの製造方法は、凹部 5じが形成されたキヤビティ成形金型 5 Bの上に、シート部材 Bをセットした後、キー材料注入口であるゲート部 6からシート部材 Bの貫通孔 4， 4 Aを通して、凹部 5 Cとシート部材 Bによつて形成された空間にキー材料 1 3を充填することにより、キーシート Aを得ることを特徴とする。したがって、成形と同時に多数個のキー 2が形成されるので、キー 2を接着用治具にセットする作業を要さず、キー 2の数が多くなつても作業が面倒にならないという効果がある。さらに、隣り合うキー 2間の間隙の寸法公差を非常に小さくできるため、不良品の発生を少なくできるという効果がある。

また、本発明の上記実施形態によれば、基体シート 1の厚みと、キー脚部 2 1 の長さとが大略同一であり、キー脚部 2 1が基体シート 1から突き出ないようにしている。仮に、キー脚部の長さの方が短い場合には、スィッチ入力がし難くなり、キーが脱落しやすくなる一方、キー脚部の長さの方が長い場合には、その分だけキーシート下部に余分なスペースが必要になり、小型化し難くなる。これに対して、上記実施形態のように基体シート 1の厚みと、キー脚部 2 1の長さとが大略同一にすれば、スィッチ入力がしゃすく、キーが脱落し難く、かつ省スぺースにすることができ、最も好ましい。

なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。

本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとつては種々の変形や修正は明白である _c そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

Claims

請求の範囲

1. 複数のキー（2) が近接して配置されるキーシートであって、

上記複数のキーの各キーのキー脚部（21， 21 A) がシート部材 (B) の貫通孔（4, 4A) に嵌め込まれ、各キーのキー頭部（22) の幅が、上記シート部材の上記貫通孔の幅より大きく、上記シート部材の表面上に配置されているキーシート。

2 · 上記複数のキーの隣り合うキーとキーとの間の隙間が 0. 15〜 0. 25 mmである請求項 1に記載のキーシート。

3. 上記貫通孔の縦断面が、上記キーの頭部が位置する側とは反対側に向けて広がるような台形状を呈する請求項 1又は請求項 2に記載のキーシート。

4. 少なくとも縦横に 3個以上キーが並んだ請求項 1又は 2に記載のキーシート（A) と該キーシートを保持するための筐体（40) より構成されるスィッチ製品であって、

上記キーシートの隣接するキーとキーとの間に空間（90) のみを介して上記隣接するキーとキーとが配置されているスイツチ製品。

5. 少なくとも縦横に 3個以上キーが並んだ請求項 3に記載のキーシート (A) と該キーシートを保持するための筐体（40) より構成されるスィッチ製品であって、

6. 囬部（5C) が形成されたキヤビティ成形金型 (5B) の上に、シート部材（B) をセットした後、キー材料注入口（6) から上記シート部材の貫通孔

(4, 4A) を通して、上記凹部と上記シート部材によって形成された空間にキ一材料（13) を充填することにより、請求項 1又は 2に記載のキーシート (A) を得るキーシートの製造方法。

7. 凹部（5C) が形成されたキヤビティ成形金型 (5B) の上に、シート部材（B) をセットした後、キー材料注入口（6) から上記シート部材の貫通孔

(4, 4A) を通して、上記凹部と上記シート部材によって形成された空間にキ一材料（13) を充填することにより、請求項 3に記載のキーシート（A) を得るキーシートの製造方法。