WO2004041926A1

WO2004041926A1 - 水溶性フィルム

Info

Publication number: WO2004041926A1
Application number: PCT/JP2003/014200
Authority: WO
Inventors: Shunji Miyai; Masanori Akiba; Masaru Yoneyama; Hiroto Chaen; Toshio Miyake
Original assignee: Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo
Priority date: 2002-11-07
Filing date: 2003-11-07
Publication date: 2004-05-21
Also published as: JPWO2004041926A1; JP4594732B2; TW200421995A

Abstract

本発明は、良好なヒートシールを行うことができるうえ、乾燥環境下によってもヒートシールの状態を良好に保つことが可能な水溶性フィルム、並びにそれを用いた食品、化粧品、医薬品又は化学品の包装物を提供することを課題とし、硫酸基を有しない水溶性多糖類の1又は複数と、硫酸基を有する水溶性多糖類の1又は複数とともに、調湿用材としてヒドロキシ化合物の1又は複数を配合してなり、実質的に架橋剤を含有せず、ヒートシールしたときに、相対湿度25%以下の水分平衡条件下において、ヒートシール部分が実質的に剥離しない水溶性フィルムを提供することにより、課題を解決する。

Description

明細書水溶性フィルム技術分野

本発明は、水溶性フイルムに関し、より詳細には、乾燥環境下においてヒートシール性に優れた水溶性フィルムに関する。背景技術

プルランなどの水溶性多糖類を主原料とするフィルムは、可食性かつ水溶性を有しており、これにより包装された内容物は、開封せずとも、水性溶媒中に投入しただけで包装外に放出させることができる。水溶性多糖類のうちでも、プルランを主原料としたフィルムは、極めて優れた酸素非透過性を有していることから、十分に封止された包装形態にすることができれば、包装対象物の酸化劣化を防ぐことも可能となる。

フィルムを用いて物品を包装する際に、ヒートシールは、密封性及び強度の優れた封止を容易に行うことができるので、極めて有用な手法であり、水溶性多糖類を主原料とするフィルムにおいてもその利用が求められてきた。プルランなどの水溶性多糖類を主原料とするフィルムは、開発された時点で、比較的ヒートシールしやすいフィルムであると認知されていた力、実際にそのフイルムにヒートシールを適用しても、熱融解しすぎたり、気泡やピンホールを生ずるなどの様々な不都合が生じたり、さらに、使用及び保存、あるいは運搬中にヒートシールが剥がれたり、亀裂が生じたりするなど、商業利用に耐え得るほどに安定なヒートシールの技術は水溶性多糖類を主原料とするフイルムに関しては、いまだ完成されているとはいえない状況にある。

プルランを主原料とするフイルムのヒートシール性の改善方法として、同じ出願人による特開昭 5 3— 7 9 9 7 2号公報においては、プルランを主原料とするフィルムのヒートシール部に水を塗布して、水分の蒸発温度以上にヒートシール部の温度を上昇させないでヒートシールする方法が提案されている。この方法によれぱ、ヒートシールを良好に行うことが可能となるものの、シールしょうとする部位に水を塗布する必要があるので、安定して連続かつ大量にヒートシールする際には適していない。また、特開平 5— 3 0 8 9 1 0号公報において、ヒートシール可能なプルランを主原料とするフィルムが開示されているものの、当該フィルムは架橋剤が併用された耐水性フイルムである。

また、プルランなどの水溶性多糖類を主原料とするフイルムは、それを使用及び保存する環境の相対湿度によりその水分含量が.変動する。乾燥環境下では、フイルムが乾燥し、ヒートシールが困難になり、ヒートシール部分が剥離したリ、ひび割れたリする場合がある。上記の先行技術文献に記載されている技術は、この問題点を解消するものではない。発明の開示

本発明は、乾燥環境下の使用及び保存によってもヒートシールの状態を良好に保つことが可能な水溶性フイルム、並びにそれを用いた食品、化粧品、医薬品又は化学品の包装物を提供することを課題とする。

上記課題を解決すべく、研究を重ねた結果、本発明者等は、プルランなどの水溶性多糖類を用いて、良好なヒートシール性を有する水溶性フイルムを実現するには、まず、①ヒートシールが行われる環境下において、フィルムの水分含量が 1 1乃至 1 4 %の範囲内にあること、②フィルムの水分含量が低下する乾燥環境下においても、柔軟性を有し、良好なヒートシールが維持されていること、更には、③高湿度環境下においても、フイルム表面の粘着性が高くなリすぎないという性質を有することが必要であるとの結論に達し、そのような水溶性フィル厶を実現すべく、試行錯誤を重ねたところ、フィルムに保湿性を有する調湿用材を配合すれば、水分含量を高めることが可能となり、さらに、硫酸基を有する水溶性多糖類を適量配合すれば、乾燥環境下においても、十分な柔軟性を有し、良好なヒートシールが維持されている上に、調湿用材の必要量を低減させることができること、さらに、調湿用材を多く配合したフイルムであっても、硫酸基を有しない水溶性多糖類として、プルラン、ローカストビーンガム及ぴキサンタンガムを配合し、さらに、グリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル類を適量配合することにより、フイルムの強度及びヒートシール強度を向上させることができることを発見し、乾燥環境下においてヒートシール性に優れた水溶性フイルムとその製造方法を確立し、本発明を完成するに至った。

上記のような本発明の水溶性フイルムによれば、従来、ヒートシール性に優れたフィルムを得る上で必要と考えられていた架橋剤を用いないにも拘わらず、優れたヒートシール性が実現でき、しかも、架橋構造が形成されていないので、水溶性にも優れたフイルムを実現することができるものである。

すなわち、本発明は、前記課題を、水溶性多糖類をベースとする水溶性フィルムにおいて、硫酸基を有しない水溶性多糖類、硫酸基を有する水溶性多糖類及び調湿用材を配合してなリ、必要に応じて脂肪酸エステル類を配合し、実質的に架橋剤を含まない水溶性フィルムを提供することにより解決するものであ ₀ 発明を実施するための最良の形態

本発明の水溶性フィルムは、硫酸基を有しない水溶性多糖類の 1又は複数と、硫酸基を有する水溶性多糖類の 1又は複数とともに、調湿用材としてヒドロキシ化合物の 1又は複数を配合してなり、ヒートシールしたときに、相対湿度 2 5 %の環境下において、ヒートシール部分が実質的に剥離せず、実質的に架橋剤を含まない水溶性フィルムである。

本発明で用いられる硫酸基を有しない水溶性多糖類としては、いずれも可食性の多糖類であって、例えば、プルラン、エルシナン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ぺクチン、タマリンドガム、キサンタンガム、グァガム、タラガム、ローカストビ一ンガム、ァラビノガラクタン、アラビアガム、キトサン、アミロース、アミロぺクチン、デキストランなどがあげられる。このうち、マルトトリオースを反復単位とする多糖類、すなわち、プルラン又はエルシナンが好ましく、とりわけ、入手が容易なプルランがより好ましく本発明に用いられる。また、プルランと共に、プルラン以外の他の硫酸基を有しない水溶性多糖類のうち 1種以上を併用するのが好ましく、とりわけ、ローカストビーンガム及びキサンタンガムを併用するのが望ましい。

本発明で用いられるプルランとしては、通常、澱粉分解物を含有する培地中でオーレォバシディウ厶属などの酵母を培養することにより製造されたプルランが、入手しやすさ及び価格の点で有利であることから本発明に有利に用いられる。例えば、株式会社林原商事販売のプルラン（商品名『PI20』又は『PF20』等）が好適に使用できる。ただし、これらに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で、他のプルラン製品を用いたり、他のマルトトリオースを反復単位とする多糖類、例えば、エルシナンを用いることができる。また、必要に応じて、任意の置換度のエステル化などの修飾を施すなどして誘導体化したマル卜トリオースを反復単位とする多糖類を用いることもできる。本発明において用いられるマルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量としては、通常、 5, 000ダルトン以上、好ましくは、 10, 000乃至 1 , 000, 000ダルトン、より好ましくは 50, 000乃至 500, 000ダルトンの範囲から選ばれる。なお、マルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量や分子量分布は、フィル厶の溶解速度を決定する要因になるので、用途に応じて適宜の重量平均分子量及び分子量分布のマルト卜リオーズを反復単位とする多糖類を用いればよい。配合する他の成分にもよるが、一般的に、マルトトリオースを反復単位とする多糖類の重量平均分子量が 10, 000ダルトン未満であるとフィルム形成が難しくなリ、 1 , 000, 000ダルトンを越えると水性溶媒への溶解速度が低下しすぎるので好ましくない場合がある。

本発明で用いる硫酸基を有する水溶性多糖類としては、硫酸基を有する水溶性多糖類であれ 'ば特に制限なく用いることができる。本発明の水溶性フィル厶においてその効果を十分に発揮させるためには、構成単糖あたり、 0. 5個以上の硫酸基を有するもの、更に好ましくは 1以上有するものが好ましく、例えば、いずれも可食性多糖類であるカラギーナン、コンドロイチン硫酸、へパラン硫酸、デルタマン硫酸、へパリンなどの天然の多糖類又はその塩、もしくは、本来は硫酸基を有しない水溶性多糖類、また、硫酸基を有していても、構成単糖当たりの硫酸基数が 0. 5個に達しない水溶性多糖類に、適宜の方法で、例えば、酵素反応や化学反応を利用するなどして硫酸化させたものを用いることができる。本発明においては、入手しやすく、また、フィルムの強度及び柔軟性などの物性を付与するのに優れるため、カラギーナンが好ましく用いられる。硫酸基を有する水溶性多糖類は、乾燥環境下におけるフイルムの保湿性、柔軟性、フィルム強度、ヒートシール部分の強度を高めることができ、とりわけ、脆くなリがちな、ヒ一トシール部分とヒートシールされていない部分の境界部分の強度を高めることができる。また、調湿用材が多量に配合されることに起因するフィルム表面の粘着性を低減させる効果をも有している。

カラギ一ナンは、紅藻抽出物中に含まれる、 D—ガラク I スと 3 , 6—アンヒドロー D—ガラクトースからなる二糖を単位構造とする水溶性多糖類であり、糖の種類及び硫酸基の数 -位置によって、 K (カッパ）型、 L (ィオタ）型、 λ (ラムダ）型、（ミュー）型、 Ζ / (ニュー）型の 5種類のタイプが知られている（表 1参照）。本発明で用いられるカラギ一ナンは、タイプ、由来、製法を問わず、市販のカラギーナン製品を用いることができる。とりわけ、構成単糖当リ 0. 5個の硫酸基を有する / ί型、構成単糖当り 1の硫酸基を有する I及び型カラギ一ナンは入手しゃすく、本発明に有利に用いることができる。型カラギーナンは、フィルムの強度を改善するのに優れ、ス、 i 型カラギーナンはフィルムの保水性、柔軟性を改善するのに優れている。したがって、本発明のフイルムにおいては、様々な型のカラギーナンを組み合わせて含有させるのが好ましい。

表 1

Gal ： D-ガラク I ^一ス

ADGal： 3,6 -アンヒドロ- D -ガラク I ス

本発明で用いる調湿用材としては、各種ヒドロキシ化合物、特に揮発性でなぃヒドロキシ化合物であり、例えば、エリスリ I ^一ル、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、，一トレハロース、グリコシルひ，一トレハロース、環状オリゴ糖、グリコシル環状オリゴ糖、グリセリンなどのポリオール類、またはこれらの誘導体などが挙げられ、これらを一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、グリセリンを含有させるのが好ましく、さらに、これらに.加えて、ソルビトール又はひ， —トレハロースを含有させるのが好ましい。

上記調湿用材の配合比率が比較的高い場合、レシチン、パーム油などの脂質類、ショ糖ス亍アリン酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどの脂肪酸エス亍ル類を配合することにより、フィルム表面の粘着性を減少させることができる。このうち、グリセリン脂肪酸エステル及び糖脂肪酸エス亍ルを含有させるのが好ましい。

本発明の水溶性フィルムにおける各配合成分の比率としては、硫酸基を有しない水溶性多糖類に対して、硫酸基を有する水溶性多糖類を 1 5乃至 1 5 0 質量％の範囲内で配合する。また、ヒドロキシ化合物を水溶.性多糖類全量に対して 1乃至 5 0質量％の範囲内で配合する。ただし、水溶性多糖類全量に対するヒドロキシ化合物の配合比率が 2 0質量％を超える場合、フィルム強度の低下及びフィルム表面の粘着性が顕著になるので、フイルム強度を高めるために、硫酸基を有しない水溶性多糖類としてプルラン、ローカストビーンガム及ぴキサンタンガムを用いるのが望ましく、ローカストビーンガム及ぴキサンタンガムの総量を、プルランに対して 0 . 5乃至 4 0質量％の範囲内とするのが好ましい。さらに、水溶性多糖類全量に対するヒドロキシ化合物の配合比率が 2 0質量％を超える場合、硫酸基を有しない水溶性多糖類に対する硫酸基を有する水溶性多糖類の比率を 5 0乃至 1 5 0質量％、好ましくは 6 0乃至 1 2 0質量。/₀ の範囲内とするか、及びノ又は、脂質類又は脂肪酸エステル類を水溶性多糖類及びヒドロキシ化合物の総量に対し、 1乃至 1 0質量％の範囲内で配合することにより、フィルム強度及びフィルム表面の粘着性を低減させることができる。本発明の水溶性フィルムには、上記の成分に加えて、本発明の目的を妨げない範囲で、他の成分を適宜含有させてもよい。含有させることができる物質としては、大豆蛋白質、ゼラチンなどのタンパク質及びその分解物、エタノールなどの揮発性のアルコール類、色素類、香料類、又はそれらの誘導体などがあげられる。

本発明のフイルムの製造方法としては、水やエタノールなどの水性溶媒により適度な粘性の溶液状態とし、これを常法にしたがい、流延法、押出成形法、スプレー法、ロールコーティング法、デイツビング法などの方法により、薄膜を形成後、室温若しくは室温を越える温度で乾燥することにより、フィルムに成形する方法が挙げられる。

かくして得られるフィルムは、通常、包装した後、水性溶媒に浸潰して溶解させる目的を有している。したがって、フィルムは水溶性を有する必要がある。水性媒体への溶解速度は、溶媒の種類、量及び温度、撹拌の強度、溶解時におけるフィルムの水分含量などを考慮して、フィルムの厚さ、大きさなどの形状、水溶性多糖類の重量平均分子量、水溶性多糖類の分子量分布、各種水溶性多糖類の比率、各種ヒドロキシ化合物の混合比率を適宜選択することにより行うことができる。本発明のフイルムにおいては、用途にもよるが、 8 0 °Cの温水に投入した場合、通常、 5分以内、より好ましくは 3分以内にフィルムに密封包装された内容物が放出されるような水溶性を与えるように構成するのが望ましい。なお、本発明のフィルムにおいては、水溶性がより高いことが望まれるので、フィルムの水溶性を低下させる原因となる非水溶性の架橋構造を形成する架橋剤を含有させてはならない。含有させる水溶性多糖類によっては、非水溶性の架橋構造を形成する作用のある、例えばカルシウムなどのミネラル類などの物質を各配合成分から排除しておくことが望ましい。

本発明の水溶性フィルムの厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常、 1〃 m乃至 1 0 0〃 m、好ましくは、 1 0〃 m乃至 5 0 i mの範囲から選ばれる。厚さが 1 m未満だと、破れやすいので好ましくなく、厚さが 1 0 0 mを越えると、水などの溶媒への溶解時間が長くなりすぎたり、溶媒中に溶出するフイルムの成分量が多くなりすぎ、好ましくない場合がある。

本発明の水溶性フィルムは、フィルムが使用及び保存される乾燥環境下、具体的には、相対湿度約 2 5 %、好ましくは約 1 0 %の環境下におけるフイルムの平衡水分含量が約 1 0乃至約 1 5 %、好ましくは約 1 1乃至約 1 4 %に維持できるように配合成分の比率を調整することによって、ヒートシール性、フィルムの強度、柔軟性などの特性を有することとなる。

本発明でいうヒートシールとは、 2枚以上が重なりあったフイルムあるいは部分的に 2枚以上が重なりあったフィルム部分を加熱圧着することによって接着することであり、その形状としては、 2枚のフィルムを重ね合わせ、あるいは、 1枚のフイルムを折リ曲げたものの周囲部にヒートシールを施して袋状に成形したものが一般的である。このような形状は、例えば、内容物が粉末状、顆粒状、脂性べ一スト状または脂性液体状の場合に有利に適用される。また、通常は、ヒートシールはフィルムの一部に対して行うが、内容物が耐熱性のシート状のものであれば、内容物を含めて、フィルムの全面にヒ一トシ一ルすることも可能である。また、複数個を連結したままヒートシール包装した場合は、包装後にそれぞれを切リ離したり、切り離しを容易にするためミシン目を入れたりすることができる。比較的大型の固体の場合は、 1枚又は複数枚のフィルムで包装対象物を包んだ後に、重なった部分のフイルムをヒートシールにより接着させて包装体とすることができる。また、必要ならば、酸素や水蒸気などの包装対象物の品質を劣化させる気体を包装内部に封入することを防ぐために、不活性ガスや真空中で包装することも、さらには、無菌的に包装することも随意である。

ヒートシール装置としては、加熱圧着する装置、例えば、ヒートバ一タイプ、口一ルタイプ、ピロ一タイプ、インパルス包装機、高周波包装機などを用いて行うことができる。より良好なヒートシールを行うためには、ヒートシール部の温度を制御できる機種が望ましく、例えば、市販のヒートシール装置としては、（株）富士ィンパルス販売の商品名『富士インパルスシーラ一O PL— 200— 10』などを用いることができる。このような温度制御可能なヒートシール装置を用いる場合は、シールを施す部分の温度を、通常、 100乃至 200°C、好ましくは 110乃至 16 0°C、好ましくは 120°C乃至 140°Cの範囲内になるように設定し、ヒートシールする時間を 1乃至 4秒間の範囲内で行うと、ヒートシールを失敗することがほどんどなくなる。

本発明のフィルムによる包装体は、保存中において実質的に内容物が包装体から包装外にこぼれないように十分に封止されている必要があり、フィルムに負荷されることが想定される圧力、張力、せん断力、振動などに耐える十分な強度を有していることが望まれる。フィルムの強度およびヒートシール部の強度としては、日本工業規格 JISZ1707に準拠し、例えば、レオメーター（（株）レオ亍ック製造、商品名『RT— 201 OJ— CW』）を用いて測定することができる。用途にもよるが、保存環境の相対湿度において、通常、フィルムの強度は 1 O O g f以上、好ましくは 1 5 0 g f以上、かつ、ヒートシール強度は 1 5 0 gf Z 1 5 m m幅以上、好ましくは 2 5 0 gf 1 5 m m幅以上を有することが望まれる。

本発明のフイルムの用途としては、固体、粉末、顆粒、錠剤、クリーム、ェマルジョン、マスキット、ペースト、油性液体などの形態の食品、化粧品、医薬品、化学品の包装などに用いられ、特に、密封することにより、空気中の酸素による内容物の酸化を防ぐことができ、さらに、包装された状態のまま、食したり、適宜の溶媒にそのまま投入したり、溶媒を包装体に注いだりしても、包装が溶解して、内容物を溶媒中に放出させることができる。また、フィルムの内容物に接触する側に、油脂などの耐水性の物質をコーティングすれば、水分を多く含むものや水性液体を内容物とすることができる。本発明のフィルムは、包装の開封をかならずしも要しないので、開封する手間が省け、さらに、開封時に包装対象物を飛散させる危険性を有しないので、使用者は、手、指、衣服などの汚染、呼吸器への吸引に注意を払うことなく使用できる。したがって、食品、化粧品、医薬品分野のみならず、毒薬、劇薬、発ガン性物質などの危険度の高い物質の包装に適用すれば、それらの物質の取扱いを安全かつ容易にすることができる。なお、本発明の水溶性フイルムの別の使用形態として、一部が開放された状態、例えば、袋状、筒状の形態で用いることもできる。また、ヒートシール以外の方法、例えば、澱粉、タンパク質などの接着剤を用いて繋ぎ合わせる方法、フィルムを重ねたり折リ曲げたりした後、留め具などで固定するなどの方法を採用することもできる。また、所望により、本発明の一枚または二枚以上のフィル厶で多重包装したり、他の包装材を併用して多重包装してもよい。また、ヒートシール性は劣るものの、他のフィルムと本発明のフイルムとをヒートシールしてラミネートフイルムにしたりすることもできる。また、本発明のフィルムを製造する際に、本発明のフィルムの原料を他のフィルム、例えば、ポリエチレン、ナイロン、紙などの上で流延したり、塗布、透潰したのち、乾燥してフィルムを作製すれば、 2重フイルムが製造でき、本来ヒートシールが出来なかったフィルムにもヒートシール性を付与できる。特に、網目構造を有するフィルム状物、例えば、布、ガーゼ、濾紙、不織布、網などに適用すれば、隙間を埋めることができるので、これらによる包装物に気密性を付与することができ、茶類、だし類などの取り出し袋に有利に適用できる。

本発明のフイルムにより包装可能な食品分野の物品としては、例えば、生果、野菜、根菜、種、球根などの農産物、ジュース、ドライフルーツ、野菜エキス、野菜粉末、漬物など果物 '野菜加工品、胡麻ペースト、ナッツペースト、コーンべ —ストなど種実ペースト、生餡、粉末こし餡など餡、サッマイモ粉、ャマイモ粉などのいも粉、胡麻、玄米、小麦、大麦、ライ麦、大豆、コーン、ピーナッツ、ァ一モンド、コーヒー豆、ココア豆など種実又はこれらの粉砕物、精白米（白米）、胚芽米、無洗米、精白大麦、精白ハト麦、精白キビなど精白穀類、米粉、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、ハト麦粉、大豆粉、大豆胚芽粉、ソバ粉、コーンフラヮ一など粉末穀類、すり胡麻、はつたい粉、きな粉、荒挽きコーヒーなど種実加工物などの農産品、イワシペースト、カキ肉エキス、ゥニペースト、アジの開き、魚肉、削リカッォブシ、昆布、魚粉などの水産品、畜肉、牛乳、乳クリーム、鶏肉、鶏卵などの畜産品、醤油、味噌、ソース、マヨネーズ、ドレッシングなどペースト状乃至液状調味料、粉末油脂、香辛料、ふリかけなど粉末調味料などの調味料、求肥、おかき、はじき豆、揚豆、かりんとう、揚せんべい、カステラなどの和菓子、チョコレート、チューインガム、パン、ケーキ、乳菓、クリーム菓子、スナック菓子などの洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓、緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶、玄米茶、麦茶、ハト麦茶などの茶類、米飯、蒸米、米粉、餅、おにぎり、おかゆ、化米、チャーハン、ピラフなどの米加ェ品、パスタ、パン、ピザ、ナン、パン粉、プレミックスなどの小麦加工品、豆乳、豆腐、厚揚、おから、おからハンバーグ、豆乳プリンなどの大豆加工品、麹、甘酒、清酒、みりん、ビール、蒸留酒、酢、味噌、醤油、糠潰、麹漬、粕漬、味噌潰、たまり潰などの発酵飲食物、ハム、ソーセージなどの畜肉加工品、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの魚肉練製品、ゥニ、イカなどを用いた塩辛、肉、魚の干物、小魚、ェビ、イカ、貝、畜肉などを用いた珍味、佃煮、煮豆、サラダ、炒め物、揚げ物、煮物、卵焼、焼肉、焼き鳥、ハンバーグ、ぎょうざ、天ぷら、天かすなどの想菜食品、練乳、粉乳、ヨーグルト、チーズ、コーヒーフレッシュなどの乳加ェ品、ババロア、ムース、マシュマロ、プリン、シュークリーム、錦糸卵、だし巻卵、茶碗蒸し、マョネーズなど卵加工品、各種茶類から製造される茶飲料、甘酒、コーヒー飲料、乳飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料の粉末、サラダ油、ォリーブ油、椿油などの液体状油脂、バタ一、マーガリンなどの固体状油脂、清酒、ワイン、リキュ —ルなどのアルコール飲料の粉末、冷凍食品、離乳食、治療食、健康食品、ペプチド食品などがあり、更には、例えば、穀類ペレット、穀類粉末、植物油粕、発酵粕、米糠、小麦麸、大麦糠、脱脂糠、脱脂大豆、フイシュミール、フイシュソリュブル、肉粉、血粉、羽毛粉、脱脂粉乳、乾燥ホェ一、さなぎ粕、アルファミ —ルなどの飼料原料又はこれらを含有する配合飼料、撒き餌、寄せ餌などの釣りの餌、種苗などが挙げられる。

本発明のフイルムにより包装可能な化粧品分野の物品としては、例えば、練リ歯磨き、口紅、リップクリーム、口中香剤、うがい剤、入浴剤、制汗剤、石けん、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ボディーローション、デオドラント剤、ヘアクリーム、色白剤、美肌剤、美毛剤、育毛剤などが挙げられる。

本発明のフィルムにより包装可能な医薬品分野の物品としては、例えば、ドリンク剤、経口栄養剤、経管栄養剤、注射用脂肪乳斉 I】、トローチ、肝油ドロップなどの.医薬品、臓器、人工臓器などが挙げられる。

本発明のフィルムにより包装可能な化学品分野の物品としては、例えぱ、防虫剤、防鼠剤、除草剤などの農薬、現像液などの写真用薬剤、柔軟剤、漂白剤、洗剤などの洗濯用剤、医学、化学又は生物学研究用試薬などに用いられる薬剤全般、さらには、生物、岩石、土壌などの標本が挙げられ、とりわけ、毒物、劇物、発ガン性物質、放射性物質などの人体に害のある物質などが挙げられる。

以下、実験により、本発明の水溶性フイルムについて詳細に説明する。実験 1 ：各種フィルムの比較

<試料 1 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、 K型のみからなるカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUGEL WG— 115』） 3質量部に、ソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、これをアプリケーター（ョシミツ精機（株）販売、商品名『ベーカーアプリケーター YBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、 85°Cで 10分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55%で 16時間放置し、フィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 mのフィルム試料 1を得た。

<試料 2 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『 120』） 12質量部、：；1 =7 _: 3の比率で含有するカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW 一 2』） 3質量部に、ソルビ! ^一ル 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2 質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30〃 m のフィルム試料 2を得た。

<試料 3>

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、 ί 型のみからなるカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』）3質量部に、ソルビトール 1質量部、ショ糖ス亍アリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びェタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 mのフィルム試料 3を得た。

<試料 4 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、型のみからなるカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUGEL WG— 115』）、：ス = 7 : 3の比率で含有するカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW—2』）、及び L 型のみからなるカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『GE NUVISCO PJ』）をそれぞれ 1質量部に、ソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フ一ズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 mのフィルム試料 4を得た。

<試料 5 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、 K型のみからなるカラギーナン（三晶（株〉販売、商品名『GENUGEL WG— 115』）、及び型のみからなるカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』）をそれぞれ 2質量部にソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』）0. 01質量部、グリセリン 2 質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同锋の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 m のフィルム試料 5を得た。

<試料 6 > アミロース（シグマ社販売、商品名『タイプスリー』） 6質量部、寒天（松木寒天産業（株）販売） 6質量部、 K型のみからなるカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『GENUGEL WG— 115』）、及び i 型のみからなるカラギーナン（三晶 (株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』）をそれぞれ 2質量部にソルビトール 1 質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フ一ズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 jU mのフイルム試料 6を得た。

<試料フ >

アミロース（シグマ社販売、商品名『タイプスリー』） 6質量部、寒天（松木寒天産業（株）販売） 6質量部、コンドロイチン硫酸ナトリウム（マルハ（株）販売） 3 質量部にソルビトール 1質量部、ショ耱ス亍アリン酸エステル（三菱化学フーズ (株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 mのフィルム資料 7を得た。

<試料 8 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 10質量部、アルギン酸ナトリウム（君津化学工業（株）販売、商品名『君津アルギン ULV— 20』2質量部、コンドロイチン硫酸ナトリウム（（株）マルハ販売） 3質量部にソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株〉、商品名『シュガーエステル S1670』）0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 jW mのフイルム試料 8を得た。

<試料 9>

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 15質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01 質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 90/0の厚さ 30 mのフィルム試料 9を得た。

<試料 10 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 15質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01 質量部、グリセリン 5質量部、及び;！；タノ一ル 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 14⁰/οの厚さ 30jU mのフィルム試料 10を得た。

<試料 11 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、型のみからなるカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENU GEL WG— 115』）、 3質量部に、ショ糖ス亍アリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』）0. 01質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 10%の厚さ 30 mのフイルム試料 11を得た。

<試料 12 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12質量部、：ス =7： 3の比率で含有するカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW 一 2』）3質量部に、ショ糖ス亍アリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 11 %の厚さ 30 mのフィルム試料 12を得た。

<試料 13>

特開平 5— 308910号公報の実施例 3に記載されている組成に準拠しフィル厶を製造した。すなわち、プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 12 質量部、 K型のみからなるカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『GENUGEL WG— 115』） 2質量部に、アルギン酸ナトリウム（君津化学工業（株）販売、商品名『君津アルギン ULV— 20』） 2質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、及ぴグリセリン 4質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、アプリケ一ター（ヨシミツ精機（株）販売、商品名『ベ一力一アプリケ一ター YBA型』を用い、ガラス平板上にポリエチレン亍レフタレ一トを密着させたものの上に、適量滴下し、流延したのち、その表面に 50/0塩化カルシウム溶液をスプレーし、 85°Cで 10分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55%で 16時間乾燥して平衡水分約 13%の厚さ 30〃 mのフイルム試料 13を得た。

<試料 14 >

アミロース（シグマ社販売、商品名『タイプスリ一』）8質量部、寒天（松木寒天産業販売（株）） 8質量部に、ソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステソレ（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』）0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフィルムを製造した。その結果、平衡水分約 13 %の厚さ 30jU mのフィルム試料 14を得た。

<試料 15 >

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』）8質量部、アミロース（シグマ社販売、商品名『タイプスリー』） 4質量部、ソルビトール 1質量部、ショ糖ステアリン酸エステル（三菱化学フ一ズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部、グリセリン 2質量部、及びエタノール 1質量部を脱イオン水 100質量部に溶解し、試料 1と同様の方法でフイルムを製造した。その結果、平衡水分約 13%の厚さ 30 jU mのフイルム試料 15を得た。

試料 1ないし 15のフイルムを、 1 Ocm平方に切断し、 2枚重ねにした後、（株）富士インパルス販売のヒートシール装置である商品名『富士インパルスシ一ラー FI— 200— 1 OW型』を使用して、 140°Cで 3秒間の条件で、周辺部 3辺をヒ一トシ一ルし、袋状に成形した。次に、市販のグラニュー糖をすリ鉢で細かく砕き、メッシュパスにより、粒径 0. 063乃至 0. 125mmのものを分画し、その 2gを入れた後、空気を極力除去しつつ手で押さえながら、残りの一辺を同様にヒートシ —ルして封止し、包装体を作製した。これを 25 °C、相対湿度 55 o/o、 25 o/o、 1 0 %の乾燥環境下で 1週間放置した。

各フィルム試料の水分含量は、電気抵抗により水分含量を測定する装置である（株）ケット科学研究所販売の紙水分計、商品名『K— 200』を用いて、ライナ一紙の設定で測定した。また、ヒートシールの剥離の評価は、 55%、 25%. 10%で放置したものを、 15cm X 20cm X 5cmの紙製の箱にいれ、蓋をしめた後、左右上下に 10回ずつ回転させた場合、内容物のグラニュー糖が包装外にこぼれていなければ、実質的にヒー卜シール部に剥離がないと判断した（剥離がない場合を「〇」、ある場合を Γ χ」）。また、溶解性の評価は、 80°Cの温水 3 00mlが入っている 500mlビ一カーに投入し、 5分以内に内容物のグラニュー糖が完全に溶解するかどうかで判定した（溶解すれば「Oj、しなければ Γ X」）。粘着性は、相対湿度 80%で 16時間保存し、水分が平衡化したフィルムを 2 枚重ね合わせ、手で軽く押さえつけた後、付着しているか（付着してなければ「〇」、していれば Γ X」）により評価した。各フイルムの成分を表 2、結果を表 3に示す。表 2

注：表中、「 κ Jは、 _K型のみからなるカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『G ENUGEL WG— 1 15』）、「 κ ;ΐ」は、 κ : λ = 7 : 3の比率で含有するカラギ一ナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW— 2』）、「 Jは、 ί 型のみからなるカラギーナン（三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』）を示す。表 3

表 3に示すとおり、本発明による試料 1乃至 8は、どれもが、相対湿度 25%の環境下で放置したとき、 t一トシール部に剥離が起こっておらず、溶解性及び粘着性も良好であった。また、ヒートシールされていないフィルム部分についても、柔軟性が保持されており、十分な強度を有していた。一方、試料 9は、ヒ一トシール部に剥離のないヒートシールをすることができず、試料 10は、相対湿度 2 5%の環境下でヒートシール部に剥離が起きなかったが、相対湿度 80%の環境下において、粘着性が強いという欠点を有していた。試料 11及び 1²では、相対湿度 25%の環境下でヒー卜シール部の剥離が起こった。また、特開平 5— 308910号公報の実施例 3に開示されるフィルムの組成に準拠し再現した試料 13のフィルムは、相対湿度 25%の環境下で剥離が起き、さらに、 80°Cの温水には溶解せず、水溶性を有していなかった。また、試料 14では、硫酸基を有しない水溶性多糖類として、プルラン以外のもの、すなわち、アミロース及び寒天を用いた場合でも、硫酸基を有する水溶性多糖類を含有していなければ、好適なヒートシールをすることはできず、試料 15では、プルランと硫酸基を有しないアミロースを組み合わせた場合でも、硫酸基を有する水溶性多糖類の配合がなければ好適なヒートシールをすることはできなかった。また、硫酸基を有する水溶性多糖類の配合がないフイルムは、ヒートシール部分のみならず、ヒートシ —ルされていないフィルム部分の柔軟性がなく、極めて脆くなつていた。したがつて、本発明のフィルムは、乾燥環境下での保存に有利であることから、内容物として、水分を含まないもの、例えば粉体、顆粒、固体、乾物などの包装に適しており、さらにそれを水性媒体に溶解させる用途において、対照品と比較して、優れた物性を有していることが判明した。実験 2:ヒドロキシ化合物含量の多い各種フイルムの比較

実験 1におけるグリセリンが水溶性多糖類に対して 33質量％配合されている Γ試料 1 Ojのフイルムは、フイルム表面の粘着性の点で高湿度での保存に適さないものの、乾燥環境下において有利であると考えられた。そこで、プルラン 15 質量部のうち、その一部を他の水溶性多糖類である型カラギーナン（三晶 (株）販売、商品名『GENUVISCO SWG— J』）、口一カストビーンガム（（三晶 (株）販売））、キサンタンガム（大日本製薬（株）販売）、グリセリン脂肪酸エステル（理研ビタミン（株）、商品名『ポエム G— 002』）に置き換え、ソルビトール 1質量き P、ショ糖ス亍アリン酸エステル（三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガ一エステル S1670』）0. 01質量部、グリセリン 5質量部、及びエタノール 1質量部を加えて、 85 で 15分間加熱乾燥して、実験 1の試料 1の方法に準じてフイルムを作製した。作製したフイルムを、（株）富士インパルス販売のヒートシール装置である商品名『富士インパルスシーラー FI— 200— 10W型』を使用して、相対湿度 40%の環境下で、 180°Cで 1秒間の条件で、周辺部 3辺をヒートシールし、相対湿度 25%及び 10%の環境下での保存状況を実験 1と同様にして評価した。また、フィルム強度およびヒートシール部の強度を、日本工業規格 JISZ1707に準拠し、レオメ一ター（（株）レオテック製造、商品名『RT— 2010 J— CW』）を用いて常法にしたがい測定した。

その結果、プルランとカラギーナンの比率が 10: 5乃至 6: 9の範囲内の場合、相対湿度 25 %及び 10 %の環境下でも剥離が起きることがなかった。さらに、口 —カストビーンガムをプルランに対して 0. 4乃至 30質量％、キサンタンガムをプルランに対して 0. 1乃至約 10質量％、及び、グリセリン脂肪酸エステルをプルラン、カラギーナン及びグリセリンの総量に対して 1乃至 10質量％配合すると、フイルム強度及びヒートシール強度が著しく高められた。また、相対湿度 60%を超える環境下でヒ一トシ一ルを行うことに適していないものの、相対湿度 80%の環境下に保存してもフィルム表面の粘着性は弱く、また、 180°C以上の温度であってもヒートシールが可能となった。この結果は、調湿用材としてのグリセリンが比較的多く（水溶性多糖類の 20質量％以上）配合されているフィルムにおいて、水溶性多糖類としてプルラン、カラギ一ナンを配合すると、極めて乾燥環境下における使用及び保存に優れ、さらに、口一カストビーンガム、キサンタンガ厶及びグリセリン脂肪酸エステルを配合すると、フィルム強度が著しく改善された乾燥環境に適した水溶性フィルムを製造できることを示している。以下、実施例により、本発明の水溶性フィルムについて更に詳細に説明する。実施例 1：水溶性フィルム

下記に示す組成のプルラン水溶液を調製し、アプリケーター（ヨシミツ精機 (株）販売、商品名『ベー力一アプリケ一ター YBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレン亍レフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、 85 °C で 10分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55%で 16時間放置し、平衡水分約 110/₀の厚さ 30 mのフィルムを製造した。

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 20質量部カラギーナン（ ΛΓ及び I )

(三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW— 2』） 3質量部ソルビ! ^一ル 1質量部ショ耱ス亍アリン酸エステル

(三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部グリセリン 2質量部脱イオン水 72質量部本品は水溶性に優れておリ、これによる包装体は、内容物を開封することなく、水性媒体に浸濱するだけで、内容物を取リ出すことができる。また、乾燥環境下でヒー卜シールに適した水分を保持しており、ヒー卜シール部が実質的に剥離することがない。また、プルランを主原料としているので、酸素非透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物の包装に適している。実施例 2:水溶性フィルム

下記に示す組成のプルラン水溶液を調製し、アプリケ一ター（ヨシミツ精機 (株）販売、商品名『ベーカーアプリケータ一YBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレ一トを密着させたものの上に適量滴下し展延し、 85 °C で 10分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55<½で 16時間放置し、平衡水分約 12 o/oの厚さ 30jU mのフィルムを製造した。

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 20質量部カラギーナン（ L ) (三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』） 2. 2質量部粉末状大豆蛋白（不二製油（株）、商品名『フジプロ』） 1質量部 , 一トレハロース（（株）林原商事販売、商品名『トレハ』） 1質量部ショ糖ステアリン酸エステル

(三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部グリセリン 2質量部脱イオン水 72質量部本品は水溶性に優れておリ、これによる包装体は、内容物を開封することなく、水性媒体に浸漬するだけで、内容物を取リ出すことができる。また、乾燥環境下でヒートシールに適した水分を保持しており、ヒートシール部が実質的に剥離することがない。また、プルランを主原料としているので、酸素非透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物の包装に適している。実施例 3 :水溶性フィルム

下記に示す組成のプルラン水溶液を調製し、アプリケーター（ヨシミツ精機 (株）販売、商品名『ベーカーアプリケータ一YB A型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレン亍レフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、 85 °C で 10分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55%で 16時間放置し、平衡水分約 11 %の厚さ 30 mのフイルムを製造した。

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 20質量部

カラギーナン（ K )

(三晶（株）販売、商品名『GENUGEL WG— 115』） 1質量部カラギーナン（ /ί及び λ )

(三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW— 2』） 1質量部カラギ一ナン（ ί ) (三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO PJ』） 1質量部ソルビ! ル 1質量部ショ糖ステアリン酸エステル

(三菱化学フ一ズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部グリセリン 2質量部脱イオン水 72質量部本品は水溶性に優れておリ、これによる包装体は、内容物を開封することなく、水性媒体に浸潰するだけで、内容物を取り出すことができる。また、乾燥環境下でヒートシールに適した水分を保持しており、ヒートシール部が実質的に剥離することがない。また、プルランを主原料としているので、酸素非透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物の包装に適している。実施例 4:水溶性フイルム

下記に示す組成のプルラン水溶液を調製し、アプリケーター（ヨシミツ精機

(株）販売、商品名『ベーカーアプリケータ一YBA型』を使用して、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上に適量滴下し展延し、 85°C で 15分間加熱乾燥した後、 25°C、相対湿度 55%で 16時間放置し、平衡水分約 13%の厚さのフイルムを製造した。

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 4質量部ローカストビーンガム（三晶（株）販売） 0. 7質量部キサンタンガム（大日本製薬（株）販売） 0. 1質量部カラギ一ナン（ )

(三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO SWG— J』） 3質量部グリセリン 3. 5質量部グリセリン脂肪酸エステル (理研ビタミン（株）、商品名『ポエム G— 002』） 0. 15質量部ショ糖ステアリン酸エステル

(三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部脱イオン水 84質量部本品は水溶性に優れており、これによる包装体は、内容物を開封することなく、水性媒体に浸漬するだけで、内容物を取り出すことができる。また、乾燥環境下でヒートシールに適した水分を保持しており、ヒートシール部が実質的に剥離することがない。本品は、相対湿度 60%を超えるような高湿度環境下においては使用及び保存に適していないものの、相対湿度 10 %以下の厳しい乾燥環境下において使用及び保存可能であり、さらに、 180°C以上の温度でヒ一トシールすることも可能なフィルムである。実施例 5 _:水溶性フィルムでコートされたガーゼ

下記に示す組成のプルラン水溶液を調製し、これを刷毛でガーゼに塗布し、ガラス平板上にポリエチレンテレフタレートを密着させたものの上によく延ばして置き、さらに上記溶解液を加え、よく浸潰させた後、 85°Cで 15分間加熱乾燥した後、 25 °C、相対湿度 55 °/oで 16時間放置し、平衡水分約 11 %の水溶性フイルムでコートされたガーゼを製造した。

プルラン（（株）林原商事販売、商品名『PI20』） 14質量部カラギ一ナン（及び λ )

(三晶（株）販売、商品名『GENUVISCO CSW— 2』） 7質量部ソルビ! -ール 1質量部ショ糖ス亍アリン酸エステル

(三菱化学フーズ（株）、商品名『シュガーエステル S1670』） 0. 01質量部グリセリン 2質量部脱イオン水フ2質量部本品は水溶性フィルムによって、ガーゼの目が埋められているので、ヒートシ一ルが可能であり、密封性に優れている。また、内容物を開封することなく、水性媒体に浸漬するだけで、内容物を取り出すことができる。また、乾燥環境下でヒ一卜シールに適した水分を保持しており、ヒートシール部が実質的に剥離することがない。また、プルランを主原料としているので、酸素非透過性の特性を有しており、酸化し易い対象物の包装に適している。実施例 6：インスタントコーヒー

実施例 1又は実施例 4で製造したフィルムを 1辺が 4 c mの正方形に切リ取リ、 2枚重ねとしたのちに、ヒートシール装置（（株）富士インパルス販売、商品名『富士インパルスシーラ一O P L— 2 0 0— 1 0』）を用いて、実施例 1のフィルムは 1 3 0 °C、 3秒間のヒートシール条件下、実施例 4のフイルムは 1 8 0 °C、 1秒間のヒートシール条件下、 3辺をヒートシールし、袋状としたもののなかに、市販のインスタントコ一ヒーを、 2乃至 5 gを入れた後に、残る一辺を同じ条件でヒートシールした。

本品は、開封することなく、そのままコーヒーカップに入れ、熱湯を注ぐことができるので、開封する手間、及び、コーヒー粉末の計量する手間が省け、かつ粉末が飛散することがないので、取扱いが簡便である。実施例 7 :紅茶パック

紅茶パック用のネット基材を、実施例 2で製造したフィルム 2枚で挟み、アイ口ンを用いて高熱高圧下でフィルムの全面をヒートシールし、ネット基材をフィルムによって網目隙間を埋めた。これを用いて、常法により紅茶パックを製造した。本品において用いたフィルムは、可食性かつ水溶性であるため、本品を湯又は水に浸瀆することにより、容易に紅茶が抽出でき、かつ抽出残渣の廃棄処理も容易である。また、本品は、気密性に優れるので紅茶の品質劣化を防止することができる。また、フィルムにより隙間を埋められたネット基材を用いる封入物は、紅茶以外にも、例えば、緑茶、ハーブ茶、ウーロン茶などの茶類、シィタケ、削カツォブシ、昆布などのダシ類などにも有利に適用できる。実施例 8：洗剤

実施例 3又は 4で製造したフィルムを、縦 1 O c m、横 7 c mの長方形になるように、実施例 3のフィルムは 1 3 0 °C、 3秒間のヒートシール条件下、実施例 4のフイルムは 1 8 0 °C、 1秒間のヒートシール条件下でヒートシールした後に、切り離し、一辺のヒール部を切リ離し、袋状とした。これに市販の粉末洗剤を 5 g入れ、再度ヒートシールして密封した。これを 5袋一組で、適度の大きさのポリエチレン袋に入れた後に、ポリエチレン袋をヒートシールして密封した。

本品は、ポリエチレン袋から取リ出した後に、封を切らずに洗濯機などの水槽に投入すればよいので、計量する手間が省けるうえに、洗剤を手に付着することがなく、また、飛散させることなく取リ扱うことができる。また、密封性、酸素非透過性にすぐれるので、洗剤の効力を持続させることができる。実施例 9：入浴剤

硫酸ナトリウム粉末 6 0質量部、炭酸水素ナトリウム粉末 2 7質量部、二酸化チタン粉末 1質量部、ラウリル硫酸ナトリウム粉末 1質量部、シリコン樹脂消泡剤を適量及び香料を適量混合し、入浴剤を作製した。一方、実施例 5で製造したガーゼを、 1辺が 1 2 c mの正方形に切リ取リ、 2枚重ねとしたのちに、ヒートシール装置（（株）富士インパルス販売、商品名『富士インパルスシーラー O P L一 2 0 0— 1 0』）を用いて、 1 3 0 、 3秒間のヒートシール条件下、 3辺をヒートシールし、袋状としたもののなかに、上記入浴剤を 1 0乃至 1 5 gを入れた後に、残る一辺を同じ条件でヒートシールした。

本品は、開封することなく、そのまま浴槽に投入することができるので、開封する手間が省け、入浴剤の粉末が飛散することがないので、取扱いが簡便である。産業上の利用可能性

叙述のとおり、本発明のフイルムは、乾燥環境下、例えば相対湿度 2 5 %の環境下においても、十分なフィルム強度及び柔軟性が保たれ、かつ、ヒートシ一ル部分が実質的に剥離しない。また、本発明のフィルムは水溶性であるので、開封することなく、水性媒体に投入することにより、内容物を溶解することができる。したがって、食品、化粧品、医薬品、化学品などの広範囲の分野において用いることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 硫酸基を有しない水溶性多糖類の 1又は複数と、硫酸基を有する水溶性多糖類の 1又は複数とともに、調湿用材としてヒドロキシ化合物の 1又は複数を配合してなり、実質的に架橋剤を含有せず、ヒートシールしたときに、相対湿度 2 5 %以下の水分平衡条件下において、ヒートシール部分が実質的に剥離しない水溶性フィルム。

2 . 硫酸基を有しない水溶性多糖類及び硫酸基を有する水溶性多糖類が、それぞれ可食性多糖類である請求の範囲第 1項に記載の水溶性フィルム。

3 . 硫酸基を有しない水溶性多糖類がマルトトリオースを反復単位とする多糖類であることを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の水溶性フイルム。

4 . マルトトリオースを反復単位とする多糖類がプルランであることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の水溶性フイルム。

5 . 硫酸基を有しない水溶性多糖類として、プルラン、ローカストビーンガム及ぴキサンタンガムを配合してなる請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の水溶性フイルム。

6 . 水溶性多糖類全量に対し、ヒドロキシ化合物を 2 0 0/0質量％以上含有し、口一カストビーンガム及びキサンタンガムを合計で、プルランに対し 0 . 5乃至 4 0 質量％含量する請求の範囲第 5項に記載の水溶性フイルム。

7 . 硫酸基を有する水溶性多糖類がカラギーナンである請求の範囲第 1項、第 2項、第 3項、第 4項、第 5項、又は第 6項に記載の水溶性フィルム。

8 . ヒドロキシ化合物がポリオールである請求の範囲第 1項、第 2項、第 3項、第 4項、第 5項、第 6項、又は第 7項に記載の水溶性フイルム。

9 . さらに、グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求の範囲第 1項、第 2項、第 3項、第 4項、第 5項、第 6頊、第 7項、又は第 8項に記載の水溶性フィルム。

10. 80°Cの温水に浸漬すると、 5分以内に実質的に溶解する請求の範囲第 1項、第 2項、第 3項、第 4項、第 5項、第 6項、第 7項、第 8項、又は.第 9項に記載の水溶性フイルム。

11 · 一部又は全体にヒートシールが施されている、請求の範囲第 1項、第 2 項、第 3項、第 4項、第 5項、第 6項、第 7項、第 8項、第 9項、又は第 10項に記載の水溶性フィルムを用いる包材。

12. 請求の範囲第 11項に記載の包材により包装することを特徴とする包装物品の製造方法。