WO2003089208A1

WO2003089208A1 - Equipement et procede pour produire un corps a structure en nid d'abeille

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Publication number: WO2003089208A1
Application number: PCT/JP2003/004625
Authority: WO
Inventors: Takeyuki Ishii; Yuji Asai; Tsutomu Hirota
Original assignee: Ngk Insulators, Ltd.
Priority date: 2002-04-19
Filing date: 2003-04-11
Publication date: 2003-10-30
Also published as: EP1504866B1; JP2003311726A; CN100333887C; EP1504866A1; EP1504866A4; AU2003236104A1; CN1551817A; US7097798B2; US20040194427A1; DE60330769D1

Description

03 04625

1

明細書

ハニカム構造体製造装置及びハニカム構造体の製造方法技術分野

本発明は、ハニカム構造体の製造装置及びそれを用いたハニカム構造体の製造方法に関する。より詳しくは、薄壁又は大型のハニカム構造を押出し成形する際に好適な八二カム構造体の製造装置及びそれを用いたハニカム構造体の製造方法に関する。背景技術

近年、排ガス浄化用の触媒担体等として広く利用されているセラミックス質のハニカム構造体にあっては、エンジン始動時に速やかに触媒温度を高くして浄化性能を向上させるベく、触媒を担持する隔壁を薄くすることにより、隔壁の熱容量を低減する試みが盛んに行われている。具体的には、現在、 0 . 1〜0 . 2 m mの厚さが主流として用いられ、一部では 0 . 1 mm以下のものも用いられている。

また、当該薄壁化の試みは、大型のハニカム構造体についても進展しつつあり、現在では、外径が 1 5 0 mmを超える大型品についても薄壁化されたものが実用化されている。

他方、従来のハニカム構造体の製造装置及び製造方法としては、成形機から押出されるハニカム構造体を、その外周側面で、同形状に対応する凹面を有する複数の受台に載置しながら、重力方向に対して垂直方向に八二カム構造体を連続的に押出しする装置及び製造方法が一般的である（特公昭 6 4— 6 9 1 6号公報等 ) 。

また、連続押出し成形による製造装置及び製造方法に好適な自動切断装置としては、ハニカム構造体を載置する受台と、ハニカム構造体を載置したまま受台を移動させる搬送路と、八二カム構造体の移動速度を検知する速度センサーと、この速度センサ一で検知されるハ二カム構造体の移動速度と同一速度で、ハニカム構造体の移動方向に移動しながらハニカム構造体の切断を行う切断器とを具備す JP03/04625

2 る自動切断装置が開示されている（同号公報）。

しかし、従来の製造装置及び製造方法では、重力方向に対して垂直方向にハニカム構造体を押出しするため、自重が、ハニカム構造体の構造上、強度の小さな隔壁厚さ方向にかかり易いという問題があった。このため、薄壁化により強度が極めて小さくなつたハニカム構造体、又は大型化により隔壁厚さ方向に大きな自重がかかり易いハニカム構造体を製造する場合には、自重により、つぶれ等の外壁の変形、又はセルよれ、めじわ等の隔壁の変形を生じ、薄壁化、大型化の大きな障壁となっていた。

上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、まず、ハニカム構造体の構造上最も強度の大きな押出方向に主に自重がかかるように、成形機の押出し方向を重力方向又は同方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向（以下、「重力方向等」ということがある。）にするという知見に至った。

ところが、このような押出し方向とする製造装置では、押出されるハニカム構造体の長尺化に応じて、その外周側面に順次受台を供給する従来の製造装置と異なり、径方向の力によって成形されるハニカム構造体に変形が発生し易くなるという新たな問題が生じることが判明した。

すなわち、押出し方向を、重力方向等としたところ、押出されるハニカム構造体が、長尺化に伴い径方向にほんの小さな力が加えられても、本来の姿勢を維持することが困難となり、切断用細線による切断応力、機械の振動、その他の要因によって、径方向の力が集中し易い口金開口部に位置する部位で、ハニカム構造体の曲がり、つぶれ等による外壁変形、又はセルよれ等の隔壁の変形が生ずることが判明した。発明の開示

本発朗は、上述の問題に鑑みなされたもので、薄壁又は大型のハニカム構造体を、外壁及び隔壁に変形を全く生じることなく製造できるハニカム構造体の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。

そこで、更に研究を重ねた結果、押出されてくるハニカム構造体を、受台で、そのセル開口端面における圧縮強度よりも小さな圧力で圧接した状態でハニカム 3

構造体をセル開口端面で受けながら成形し、この圧接状態のまま、切断器による切断を行うことにより、上記問題を解決し得るという知見に至り、本発明を完成させたものである。

即ち、本発明は、八二カム構造体を重力方向に押出せる押出し成形機と、一台以上の受台とを備え、該受台に、押出しに伴い長尺化するハニカム構造体を、そのセル開口端面で同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させて載置した後、該受台を、圧接した状態を保持しうる速度で、該ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に移動させうる手段を備えたハニカム構造体製造装置に関する。上記の装置において、切断器を更に備え、該切断器は、ハニカム構造体を受台に圧接した状態のままで、該ハニカム構造体を切断できる手段とを備えたものであるものが好ましい。また、二台以上の受台と、切断器とを備え、該ニ台以上の受台の内のいずれか一の受台に、ハニカム構造体をそのセル開口端面で同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させ載置した後、該一の受台を、該ハニ力ム構造体の長尺方向と同一方向に、圧接した状態を保持しうる速度で移動させ、圧接した状態のままで該切断器によるハニカム構造体の切断を行い、切断完了後、該一の受台を転載位置に移動、転載後、所定の位置に待機させ、該一の受台の動作と並行して、他の受台を、該所定の待機位置から、該切断完了後に新たに押出されてくるハニカム構造体の該セル開口端面に移動させて、該一の受台と同様の動作を繰り返させる手段を有するものが好ましい。

前記切断器が、前記八二カム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動しながら水平方向へも移動して、前記ハニカム構造体を切断する手段を有するものであることが好ましい。また、前記切断器が、少なくとも 2つの腕部材と、各腕部材の先端に設けられる回転部材と、該回転部材間に張設される切断用細線と、該切断用細線の両端が接続される駆動部とからなり、該切断用細線は、該駆動部の稼動により、延伸方向に運動するものであるハニカム構造体製造装置も好ましい。

本発明に係る八二カム構造体製造装置は、更に、前記八二カム構造体の長尺方向の押出し速度を検知する速度検知器を備えていてもよく、前記速度検知器が、ハニカム構造体と非接触で長尺方向の押出し速度を検知するものであってもよい本発明に係るハニカム構造体製造装置は、更に、前記受台にかかる荷重を検知する荷重検知器を備えていてもよい。例えば、前記受台が、受台移動部に連結する本体と、該本体上に可動状態で配設される載置部と、該載置部への荷重により変位を生じる弾性体とを備えており、該弾性体の変位により該載置部にかかる荷重を検知する荷重検知器を備えるハニカム構造体製造装置であってもよい。或いは、前記受台が、受台移動部に連結する本体と、該本体上に可動状態で配設される載置部とを有してなり、更に、該載置部にかかる荷重を圧電体の屈曲変位により検知する荷重検知器を備えるハニカム構造体製造装置であってもよい。

前記荷重検知器により、長尺化したハニカム構造体が受台を押圧した際に生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該検知した情報に基づき、該受台及び Z又は切断器をハニカム構造体の長尺方向への移動を開始させる手段を有するハニカム構造体製造装置であってもよい。

前記速度検知器により、ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度を検知し、該検知した情報に基づき、移動開始後の受台を、前記ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度とほぼ同一速度で移動させる手段を備えたハニカム構造体製造装置であってもよい。

前記荷重検知器により、移動開始後の受台の移動速度とハニカム構造体の長尺方向の移動速度とのずれによって生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該換知した情報に基づき、該受台を、該荷重の変動が所望の範囲内となるように調整させる手段を備えたハニカム構造体製造装置であつてもよい。

前記速度検知器により、ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度を検知し、該検知した情報に基づき、切断器を、ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動させながら水平方向へも移動させて、該ハ二カム構造体を切断する手段を備えたハニカム構造体製造装置であってもよい。前記荷重検知器により、ハニカム構造体の切断完了の際に生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該検知した情報に基づき、該受台の転載位置への移動、及び Z又は該受台の新たに押出されてくるハニカム構造体のセル開口端面への移動を開始させる手段を備えたハニカム構造体製造装置であってもよい。なお、上記の構成からなるハニカム構造体製造装置において、該成形機がハニカム構造体を、重力方向に対して 3 0 ° 未満の方向で押出しできる手段を備えたものであってもよい。

更に、本発明によれば、セラミックスを主成分とする材料を用いて、該成形機により、複数のセルが端面に開口するハニカム構造体を重力方向または重力方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向に押出し、該押出されてくるハニカム構造体を、受台に、そのセル開口端面で、同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させた状態で成形し、該受台にハニカム構造体を圧接した状態で、該ハニカム構造体を切断することを特徴とする八二カム構造体の製造方法が提供される。同製造方法において、切断器を、前記ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動させながら、該ハニカム構造体の切断を行うことが好ましい。図面の簡単な説明

図 1 ( a ) 〜（c ) は、本発明の一の実施の形態について、一連の動作を工程順に示す工程図である。

図 2は、本発明の他の実施の形態を模式的に示す全体図である。

図 3は、本発明の製造装置において、押出し方向を斜めにし、受台に補助部を設けた実施の形態を示す模式図である。

図 4は、本発明の製造装置において、押出し方向を重力方向にし、受台に補助部を設けた実施の形態を示す模式図である。

図 5 ( a ) および（b ) は、共に、本発明における成形機で用いられる口金の一例を示す上面図であり、図 5 ( b ) は、図 5 ( a ) の一部を示した一部斜視図である。 - 図 6は、本発明における受台及び加重検知器の一例を示す模式図である。図 7は、本発明における受台及び加重検知器の他の一例を示す模式図である。図 8は、本発明における受台及び加重検知器の他の一例を示す模式図である。図 9は、本発明における受台及び加重検知器の他の一例を示す模式図である。図 1 0は、本発明における受台及び加重検知器の他の一例を示す模式図である図 1 1 (a) 〜（c) は、本発明の他の実施の形態について、一連の動作をェ程順に示す工程図である。

図 12は、本発明における切断器の一例を示す模式図である。

(符号の説明）

なお、添付の図面で使用されている参照番号は、それぞれ以下の意味を持つ。 1は、成形機、 2は、切断器、 4、 5は、受台、 6は、速度検知器、 7は、荷重検知器、 8は、外周側面、 9は、セル開口端面、 10は、ハニカム構造体、 1 1は、口金、 1 1 aは、基体、 11 bは、スリット、 1 1 cは、杯土導入孔、 1 3は、杯土押出し部、 14は、受台移動部、 15は、切断器移動部、 16は、搬送機、 19、 20は、腕部材、 21、 22は、回転部材、 24は、駆動部、 25 は、切断用細線、 31は、腕部、 32は、昇降部、 33は、第二の腕部、 34は、第一の腕部、 35は、補助部、 37は、昇降部、 39は、圧電体、 40は、弹性体、 41は、載置部、 42は、ばね、 43は、本体、 44は、検知部、 45は、エアシリンダ、 46は、エアクッション、 47は、ロードセル、 50は、（ハ二カム構造体）製造装置をそれぞれ示す。発明を実施するための最良の形態

先ず、図 1 (a) 〜（c) に基づいて、本発明の八二カム構造体製造装置の一連の動作を工程順に説明する。なお、図 1 (a) 〜（c) は、本発明のハニカム構造体製造装置の一の実施の形態、より具体的には、ハニカム構造体を重力方向へ押出しするハニカム構造体製造装置を示すものであるが、基本的動作は、ハニカム構造体を重力方向に対して 30° 未満の斜め方向へ押出しするハニカム構造体製造装置であっても同様である。

図 1 (a) 〜（c) に示すように、本発明の製造装置 50は、成形機 1が、その押出し方向 Pを重力方向に向けて設置されており、これにより、自重のかかる方向を、自重に対して最も大きな強度が得られる隔壁長さ方向とし、外壁や隔壁等の変形を低減している（重力方向に対して 30° 未満の斜め方向であっても、自重のかかる方向は、主に隔壁長さ方向となる。）。もっとも、成形機 1から押出されるハニカム構造体 1 0が、長尺化していくと、径方向の力に対して姿勢が不安定な状態となり易くなる。

そこで、図 1 ( a ) ( b ) に示すように、本発明の製造装置 5 0では、受台移動部 1 4により、受台 4を、成形機 1から押出されてくるハニカム構造体 1 0のセル開口端面 9の直下に移動させ、受台 4に、ハニカム構造体 1 0を、そのセル開口端面 9で、当該ハニカム構造体 1 0のセル開口端面における圧縮強度より小さな圧力 Qで圧接させながら載置することにより、径方向の力に対しても、本来の姿勢を安定して維持することを可能としている。なお、受台 4のセル開口端面 9直下への移動の開始は、例えば、受台 4の荷重を検知する検知器 7を設けて、ハニカム構造体 1 0の切断完了の際に生じる受台 4の荷重の変動を検知し、この検知した情報に基づいて行わせることができる。

次に、図 1 ( b ) ( c ) に示すように、ハニカム構造体 1 0を載置した受台 4 は、受台移動部 1 4により、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zと同一方向 Yに、長尺方向の押出し速度とほぼ同一速度で移動する。これにより、成形機 1の連続押出しにより経時的に長尺化するハニカム構造体 1 0は、寸法の短い時点から切断が完了する時点まで、当該セル開口端面 9で、受台 4に当該特定の圧力 Qで圧接された状態となり、その姿勢が常に安定した状態となる。なお、受台 4の長尺方向 Zへの移動開始は、例えば、荷重検知器 7により、長尺化したハニカム構造体が、そのセル開口端面直下で待機する受台 4を押圧した際に生じる荷重の変動を検知し、この検知した情報に基づき行わせることができる。同様に、移動開始後の受台 4の移動速度の制御は、例えば、速度検知器 6により検知されるハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度に基づき、受台移動部 1 4を駆動させることで行うことができる。

なお、通常、ハニカム構造体 1 0が所望の長さまで達した時点で、当該ハニカム構造体 1 0を径方向に切断することになるが、本発明の製造装置 5 0では、切断器 2を必ずしも備える必要はなく、ハニカム構造体 1 0を安定した姿勢の状態としたまま、人間が切断作業を行ってもよい。但し、図 1 ( a ) 〜（c ) に示すように、切断器 2と、当該切断器 2に所定の動作をさせる切断器移動部 1 5とを設けて、安定した姿勢の状態でハニカム構造体 1 0を切断する装置とすることが好ましい。

本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、各構成要素毎に更に具体的に説明する。なお、図 2は、本発明の一の実施の形態であるハニカム構造体を重力方向へ押出しするハニカム構造体製造装置の全体を模式的に示す概略側面図である。また、図 3は、本発明の一の実施の形態であるハニカム構造体を重力方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向に押出しするハニカム構造体製造装置の一部を模式的に示す概略側面図である。

図 2又は図 3に示すように、本発明における成形機 1は、その押出し方向 Pを、重力方向又は同方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向に向けて設置されるものである。これにより、成形されるハニカム構造体 1 0は、その構造上最も強度の大きな隔壁長さ方向に自重が主にかかり、極めて薄壁のハニカム構造体や、外径 1 5 0 mm以上の大型ハニカム構造体を製造する場合であっても、自重により外壁又は隔壁に変形を生じることなく成形することができる。

本発明においては、その押出し方向 Pは、その使用目的に応じて選択することができ、通常、図 2に示すように、隔壁長さ方向にのみ自重がかかる重力方向が好ましい。但し、図 3に示すように、ハニカム構造体 1 0をセル開口端面 8と外周側面 9で載置することが可能となり、ハニカム構造体 1 0の姿勢をより安定な状態とすることができる点、及び成形機 1の特性により押出されてくるハニカム構造体 1 0に曲がりを生じている場合に重力によりその曲がりを矯正することが可能となる点で、押出し方向 Pを斜め方向とすることも好ましい。なお、この際、押出し方向 Pは、重力方向がハニカム構造体 1 0の曲がり方向と逆向きになるように傾斜させ、傾斜させる角度は、曲がりの程度に応じて適宜、適切な角度で傾斜させればよい。但し、当該傾斜角度は、ハニカム構造体を載置した際に、その自重が、主に隔壁長さ方向にかかるようにするため、重力方向に対して 3 0 ° 未満とすることが好ましい。

図 2に示すように、本発明における成形機 1としては、少なくとも、口金 1 1 、及び杯土押出し部 1 3を有するものを挙げることができる。

また、図 5 ( a ) ( b ) に示すように、口金 1 1としては、円盤状等の基体 1 1 aの押出し側に格子状等のスリット 1 1 b、当該基体 1 1 aの押出し側と反対側に坏土導入孔 1 1 cをそれぞれ有し、基体 1 1 a内部のスリット 1 1 bが交差する位置で、坏土導入孔 1 1 cがスリット 1 1 bと連通しているものを挙げることができる。また、ハニカム構造体の隔壁厚さは、当該スリット 1 1 bの幅によつて調整することができ、前述したように現在では厚さ 0 . 1 mm以下の隔壁を有するハニカム構造体の製造が可能となっている。

また、図 2に示すように、杯土押出し部 1 3としては、例えば、ラムシリンダ構造のものを挙げることができるが、複数のスクリユー（図示せず）を内設して原料の混練と杯土の押出しを連続して行うものも好ましい。

次に、図 1 ( a ) 〜（c ) に示すように、本発明における受台 4は、成形機 1 から押出されたハニカム構造体 1 0を、そのセル開口端面 9で、ハニカム構造体 1 0のセル開口端面における圧縮強度より小さい圧力 Qで圧接した状態で載置し、この圧接した状態のまま、ハニカム構造体 1 0の長尺方向と同一方向に移動するものである。

これにより、重力方向等に押出されるハニカム構造体 1 0が、径方向にかかる力に対して、本来の姿勢を安定して維持することができ、ハニカム構造体 1 0の曲がり等による外壁の変形やセルよれ等による隔壁の変形がないハニカム構造体 1 0を製造することができる。

また、セル開口端面 9でハニカム構造体 1 0を載置するため、受台 4の形状を押出されるハニカム構造体 1 0の外形毎に対応させる必要がなく、装置 5 0の簡略化が可能となる。更には、基本的に受台 4の存在により切断位置が制限されることがなく、連続押出しによる装置とする場合には、連続運転しながら、製造するハニカム構造体 1 0の長さを柔軟に変動することもできる。

ここで、本明細書中「セル開口端面における圧縮強度」とは、ハニカム構造体のセル開口端面を加圧した際、ハニカム構造体が破損する限界圧力を意味する。本発明において受台 4によるセル開口端面 9への圧力 Qは、ハニカム構造体の姿勢をより安定とし、かつハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度の突発的な変動に対しても対応可能なように、限界値より余裕を持たせてその範囲を設定しておくことが好ましい。

具体的には、当該圧力 Qが、セル開口端面における圧縮強度の 1 0〜 8 0 %であることが好ましく、セル開口端面における圧縮強度の 4 0〜6 0 %であることがより好ましく、セル開口端面における圧縮強度の 5 0 %であることが特に好ましい。

また、後述する如く、切断完了の際に生じる受台 4にかかる荷重の変動により切断完了を検知し、切断完了後、受台 4に所望の動作を行わせる装置 5 0では、切断完了を正確に検知するために、受台 4によるセル開口端面 9への圧力 Qが、切断後のハニカム構造体 1 0の重量によって受台 4にかかる圧力より小さいことが好ましく、切断後のハニカム構造体 1 0の重量によって受台 4にかかる圧力の 8 0 %以下であることがより好ましく、切断後のハニカム構造体 1 0の重量によつて受台 4にかかる圧力の 5 0 %以下であることが特に好ましい。

なお、当該圧接状態を維持するには、受台 4を、受台移動部 1 4によりハニカム構造体 1 0のセル開口端面 9直下に移動させた後、その場で一定の短時間だけ静止させるか、又は同端面 9側に特定の短距離だけ移動させ、所望の圧接状態となった時点で、受台 4をハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zへ、長尺方向の押出し速度とほぼ同一速度で移動させればよい。

次に、図 4に示すように、本発明における受台 4は、ハニカム構造体 1 0のセル開口端面 9に対応して設けられる載置部 4 1に加え、ハニカム構造体 1 0の外周側面 8の一部に対応する支持面を有する補助部 3 5を、切断応力に対抗する位置（図中では、切断方向を Cで示す。）で本体 4 3又は載置部（図中では本体 4 3に付設した例を示す） 4 1に付設し、ハニカム構造体 1 0を同セル開口端面 9 及び同外周側面 8で載置する受台 4としてもよい。

このような受台 4では、切断時にハニカム構造体 1 0が変形することをより高度に防止することができ、特に、開口率が高い、又は長/径比の大きなハニカム構造体 1 0を製造する際にはその効果が大きい。

また、図 3に示すように、押出し方向を重力方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向にする場合にも、ハニカム構造体 1 0のセル開口端面 9に対応して設けられる載置部 4 1に加え、自重がかかる外周側面 8の少なくとも一部に対応する支持面を有する補助部 3 5を、本体 4 3又は載置部（図中では本体 4 3に付設した例を示す） 4 1に付設し、ハニカム構造体 1 0を同セル開口端面 9及び同外周側面 8 で載置する受台 4とすることも好ましい。これにより、押出し成形時に、ハニカム構造体 1 0の自重の一部を、外周側面 8でも支えることができるため、ハニカム構造体 1 0がより安定な状態で載置され、成形不良を高度に防止することができる。

なお、補助部 3 5の支持面は、ハニカム構造体 1 0の外周側面 8の形状に完全に対応している必要は必ずしもないが、完全に対応した形状であることが好ましいことはいうまでもない。

本発明において、押出し方向 Pを当該斜め方向とし、かつハニカム構造体 1 0 を、そのセル開口端面 9及び外周側面 8の少なくとも一部で、上記補助部 3 5を付設した受台 4により載置する場合には、ハニカム構造体 1 0を、受台 4に、セル開口端面 9で、外周側面 8にかかる圧力の 2倍以上、ハニカム構造体 1 0のセル開口端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させて載置することが好ましい。

ハ.二カム構造体 1 0を、セル開口端面 9で、受台 2に外周側面 8にかかる圧力の 2倍未満で圧接させて載置したのでは、自重によるハニカム構造体 1 0の径方向にかかる力が増大して、ハニカム構造体 1 0の隔壁等に変形を生じてしまう。一方、ハニカム構造体 1 0を、セル開口端面 9で受台 2にハニカム構造体セル開口端面圧縮強度以上の圧力で圧接させて載置したのでは、ハニカム構造体 1 0がつぶれてしまう。

本発明においては、極めて薄い隔壁のハニカム構造体 1 0、又は大型のハニカム構造体 1 0であっても、隔壁等の変形を全く生じることなく製造することができ、かつハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度の突発的な変動に対しても対応可能とするために、受台 4によるセル開口端面への圧力 Qは、外周側面 8にかかる押圧力の 2倍以上、かつハニカム構造体押出方向強度の 8 0 %以下であることが好ましく、外周側面 8にかかる押圧力の 3倍以上、かつハニカム構造体押出方向強度の 8 0 %以下であることがより好ましい。

ここで、上記「外周側面にかかる圧力」とは、セル開口端面 9に全く圧力をかけずに受台 4にハニカム構造体 1 0を載置した状態での、重力によって補助部 3 5と接する外周側面 8にかかる圧力を意味する。従って、セル開口端面 9で受台 4に圧接した状態とすることで、外周側面 8にかかる圧力が軽減された後の押圧力を意味するものではない。

次に、図 2に示すように、本発明における受台 4は、 1台のみでもよいが、連続押出しによる製造装置とする場合には、図 1 1 ( a ) 〜（c ) に示すように、受台 4、 5を、少なくとも二台以上設け、ハニカム構造体 1 0を製造する一連の動作を、個々独立して行うものが好ましい。具体的には、切断完了後、切断した八二カム構造体 1 0を載置する一の受台 4は、受台移動部 1 4により、搬送機 1 6へ転載する位置に移動して、ハニカム構造体 1 0を搬送機 1 6に転載後、所定の位置に待機し、他方、当該所定の位置に待機していた他の受台 5は、一の受台 4のこれらの動作と並行して、受台移動部 1 4により、新たに押出されてくるハ二カム構造体 1 0のセル開口端面 9に移動し、同面 9に圧接した状態でハニカム構造体 1 0を載置した後、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zと同一方向に圧接状態を維持する速度で移動し、この圧接状態のままで切断器 2による八二カム構造体 1 0の切断を行い、その後は一の受台 4と同様の動作に移行するものが好ましい。

このような受台 4、 5を設けた装置 5 0では、ハニカム構造体 1 0を、押出し開始直後から受台 4、 5に載置して成形をすることができ、しかも、切断後のハ二カム構造体 1 0の転載と、新たに押出されてくるハニカム構造体 1 0への移動を並行して行うことができるため、高速度で押出し成形する装置でも所望の成形を行うことができる。 '

次に、本発明における受台移動部 1 4としては、受台 4に前述した所望の動作をさせることが可能なものであればよく、例えば、図 1に示すように、受台 4に接続し、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zに対して垂直方向に伸縮可能な構造の腕部 3 1と、当該腕部 3 1をハニカム構造体 1 0の押出し方向に上下移動させる昇降部 3 2とを有するものを挙げることができる。また、受台移動部 1 4は、通常適用される機構のものでよく、例えば、エアシリンダ式、油圧式、ベルト式等の各種機構を挙げることができる。

また、この受台移動部 1 4の制御手段も、受台 4に所望の動作をさせるものであればよく、例えば、予め受台 4の動作に関するタイムスケジュールを制御部（図示せず）に設定しておき、その設定に基づく制御部からの指令に従って受台移動部 1 4を駆動させて受台 4を動作させるものでもよい。

もっとも、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度の変動に対応させて受台を移動させる等、より精密に制御するためには、各種検知器を設けて、リアルタイムで、必要な情報を検知して、それに基づいて受台移動部を駆動させることが好ましい。

また、検知器としては、ハニカム構造体 1 0を載置した時点で、受台 2のハニ力ム構造体長尺方向 Zへの移動を開始させるためのものとして、受台 4にハニカム構造体 1 0が載置された時点を検知できるものを挙げることができ、受台 4の同方向 Zへの移動開始後、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度とほぼ同速度で移動させるためのものとして、例えば、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度等の当該移動に必要な情報を検知できるものを挙げることができる。また、切断完了後における受台 4の転載位置への移動、更には新たに押出されてくるハニカム構造体 1 0のセル開口端面 9への移動を開始させるには、切断完了を検知できるものを挙げることができる。

本発明において、ハニカム構造体 1 0の載置時点を検知するものとしては、図 2に示すようにハニカム構造体 1 0が受台 4に載置された際に生じる荷重の変動を検知する荷重検知器 7を挙げることができる。

また、移動開始後に、受台 4を所望の速度で移動させるための情報を検知するものとしては、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度を直接的に測定する速度検知器 6の他、移動開始後の受台 4の移動速度とハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度とのずれによつて生じる受台 4にかかる荷重の変動を検知する荷重検知器 7を挙げることができる（図 2では、速度検知器 6より、受台 4の速度調整をしている例を示すが、荷重検知器 7で受台 4の速度調整をしてもよい。 ) 。なお、当該速度検知器 6の場合には、検知した長尺方向の押出し速度に基づき、受台 4を同速度で移動させればよく、荷重検知器 7の場合には、検知した荷重の変動に基づき、受台 4を、荷重の変動が所望の範囲内となるように移動させればよい。また、速度検知器 6を適用すると、得られる長尺方向の押出し速度を速度検知時間で積分することで、ハニカム構造体 1 0が所望の長さに達した時点を検知することもできるので、同一の検知器で、後述する切断器 2における長尺方向 Zの垂直方向への移動の開始を制御することもできる。

切断の完了を検知する検知器としては、切断器 2のハニカム構造体長尺方向 Z に対する垂直方向への動作終了を検知するもの、切断用細線を駆動部に接続した構成の切断器において、駆動部のトルクの変動により切断の完了を検知するもの等を挙げることができる。但し、切断用細線のたわみや切断によって生じる誤検知を回避できる点では、前述した荷重検知器 7、より具体的には、ハニカム構造体 1 0の切断完了時に生じる受台 4にかかる荷重の急激な変動を、ばね変位、ェァシリンダ若しくはエアクッション等の内圧変位、又は圧電素子の屈曲変位等により間接的に検知するものが好ましい。

なお、以上から明らかなように、荷重検知器 7によれば、受台 4の動作を制御する上で必要な情報を一の検知器で検知でき、切断器 2についても同様の制御を行うことができる。また、後述するように切断完了の検知も可能であることから、切断完了後の受台 4等の動作開始を制御することもできる。もっとも、速度検知器 6を用いると、ハニカム構造体 1 0の長尺化により迅速に対応して受台 4を移動させることができるため、両者を組合せることも好ましい。

本発明において、速度検知器 6は、如何なる原理によりよるものでもよいが、設置位置の制限が少ない点、及ぴ検知速度が速く、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度に迅速に対応して受台 4を移動することができる点で、レーザー光や超音波を利用して、非接触でハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度を検知するものが好ましい。

また、荷重検知器 7としても、如何なる原理によるものでもよいが、例えば、ばね変位、又は内圧変位等の各種弾性体の変位を利用して、受台 4にかかる荷重を検知するもの、或いは、圧電体の屈曲変位を利用して受台 4にかかる荷重を検知するもの等を挙げることができる。

また、図 6〜 9に示すように、弾性体 4 0の変位を利用して、受台 4にかかる荷重を検知する場合には、受台 4を、受台移動部 1 4に連結する本体 4 3と、当該本体 4 3上に可動状態で配設される載置部 4 1と、載置部 4 1を支持するばね 4 2等の弾性体 4 0とで構成し、当該載置部 4 1にかかる荷重を弾性体 4 0の変位により検知する荷重検知器 7を設けることが好ましい。

同様に、図 1 0に示すように、圧電体の屈曲変位を利用して、受台 4にかかる荷重を検知する場合には、受台 4を、受台移動部 1 4に連結する本体 4 3と、当該本体 4 3上に可動状態で配設される載置部 4 1とで構成し、当該載置部 4 1にかかる荷重を圧電体の屈曲変位により検知する荷重検知器 7を設けることが好ましい。

なお、図 6〜9に示すような種弾性体 4 0の変位を利用して、載置部 4 1にかかる荷重を検知する構成とすると、荷重検知器 7としての機能の他、受台 4で八二カム構造体 1 0を載置する際に、弾性体 4 0の緩衝作用により、載置時におけるハニカム構造体 1 0の破損等を極力低減することができる。また、受台 4の移動が、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度に対して、若干のずれを生じた場合でも、ハニカム構造体 1 0への好適な圧接状態を維持することができる。本発明において、弾性体 4 0の変位を利用した具体例としては、図 6に示すように、受台 4が、受台移動部 1 4に連結する本体 4 3と、当該本体 4 3上に可動状態で配設される載置部 4 1と、載置部 4 1をハニカム構造体長尺方向と反対の方向に一定の力で引張るばね 4 2とで構成され、荷重検知器 7が、長尺レたハ二カム構造体 1 0が当該載置部 4 1を押圧した際に生じる、ばね 4 2の伸び量の変位を検知する検知器で構成されるもの、或いは図 7に示すように、受台 4が、受台移動部に連結する本体 4 3と、当該本体 4 3上に可動状態で配設される載置部 4 1と、本体 4 3及び載置部 4 1間に設けられるばね 4 2とで構成され、荷重検知器 7が、長尺したハニカム構造体 1 0が当該載置部 4 1を押圧した際に生じる、ばね 4 2の伸び量の変位を検知する検知器で構成されるもの、等を挙げることができる。

前者の検知器は、ばねの伸び変位量を利用するため、小さな荷重の変動を検知する際に好ましく、後者の検知器は、ばねの収縮変位量を利用するため、大きな荷重がかかる場合に好ましい。

また、図 8に示すように、他の例としては、受台 4が、載置部 4 1と本体 4 3 の間に、ばねに代えて、エアシリンダ 4 5を配設してなり、荷重検知器 7が、長尺化したハニカム構造体 1 0が当該載置部 4 1を押圧した際に生じるエアシリンダ 4 5の内圧の変位を検知する検知器で構成されるもの、或いは図 9に示すように、受台 4が、載置部 4 1と本体 4 3の間に、ばねに代えて、エアクッション 4 6を配設してなり、荷重検知器 7が、長尺したハニカム構造体 1 0が当該載置部を押圧した際に生じるエアクッション 4 6中の内圧の変位を検知する検知器で構成されるもの、を挙げることができる。

エアシリンダ 4 5を配設する例では、シリンダ圧の変更が容易であるため、一種の装置で異なる重量のハニカム構造体 1 0を製造することができるばかりか、シリンダ圧を押出されるハニカム構造体 1 0の重量に応じて自動制御することで、異なる重量のハニカム構造体 1 0を連続して製造することも可能となる。また、何れの例でも、内圧の変位に対し載置部の面圧を非線型に設定することも可能であり、受台 4にハニカム構造体 1 0を載置する際に、載置部 4 1をハニカム構造体 1 0にソフトに接触させることができ、カケ等の破損を防止することができる。

他方、圧電体の変位を利用した具体例としては、図 1 0に示すように、受台 4 を、受台移動部に連結する本体 4 3と、当該本体 4 3上に可動状態で配設される載置部 4 1とで構成し、荷重検知器 7を、本体 4 3及び載置部 4 1間に配設されるロードセル 4 7で構成されるものを挙げることができ、このような構成では、大きな荷重がかかる場合に好ましい。

なお、本発明においては、これら検知器 6、 7からの情報に基づき、受台移動部 1 4の動作を制御する制御部（図示せず）を設けることが好ましいが、必ずしも装置に設ける必要性はなく、外部に、当該制御部を設けてもよい。

次に、本発明においては、切断器 2を必ずしも設ける必要はないが、人手によらずに全工程を行うには、図 2等に示すように、装置 5 0に切断器 2を設けることが好ましい。

また、ハニカム構造体の押出しを中止せずに連続して押出しする装置とする場合には、図 1 ( a ) 〜（c ) に示すように、切断器 2を、切断器移動部 1 5により、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zと同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動させながら水平方向へも移動させて、ハニカム構造体 1 0を切断する装置とすることが好ましい。切断器 2にこのような動作を行わせることで、連続的に押出されるハニカム構造体 1 0を、例えば、長尺方向 Zに対して垂直方向等の如く、所望の切断が可能となる。

切断器移動部 1 5としては、切断器 2に所望の動作をさせうるものであればよいが、例えば、図 1に示すように切断器 2に接続し、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zに対して垂直方向に伸縮可能な構造の第一の腕部（図中では、奥側から手前側に伸縮して切断器を動作させる。） 3 4と、第一の腕部材に連結し、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zに対して垂直、かつ第一の腕部 3 4の伸縮方向に対しても垂直な方向に伸縮可能な構造の第二の腕部 3 3と、第二の腕部 3 3に連結し、ハニカム構造体 1 0の長尺方向に上下移動する昇降部 3 7とを有するものを挙げることができる。この際、昇降部 3 7は、前述した受台移動部 1 4の昇降部 3 2と共用化することにより、切断器 2のハニカム構造体長尺方向での上下移動を、受台 4の同移動と連動させてもよい。

また、切断器移動部 1 5は、受台移動部 1 4と同様に、エアシリンダ式、油圧式、ベルト式等の各種移動機構のものを適用することができる。

また、切断器 2の制御手段としては、例えば、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度、長さ、径、及び外形に関する情報を、予め制御部（図示せず）に入力しておき、当該情報に基づく制御部からの指令により、受台移動部 1 4を駆動させることで切断器 2に所望の動作をさせるものでもよい。但し、前述した荷重検知器 6により、長尺化したハニカム構造体 1 0を受台 4で載置した際に生じる受台 3にかかる荷重を検知し、検知した情報に基づき、昇降部 3 7を駆動させて、切断器 2のハニカム構造体長尺方向 Zへの移動を開始させることが好ましい。また、前述した速度検知器 6等により、ハニカム構造体 1 0の長尺方向の押出し速度を検知し、当該検知された情報と、押出し開始から経過した時間の情報に基づき、昇降部 3 7の移動速度、及び第一、第二の腕部 3 4、 3 3の動作開始時点を制御することが好ましい。更には、枠体 2 0にハニカム構造体 1 0との距離を検知する検知器（図示せず）を設け、八二カム構造体との距離を検知しながら切断器 2に所望の切断動作をさせることでも可能である。

この際、各検知器 6、 7からの情報に基づき、切断器移動部 1 5の各部材の動作を制御する制御部（図示せず）を装置に設けることが好ましいが、必ずしも装置に設ける必要性はなく、外部に当該制御部を設けてもよい。また、前述した受台移動部 1 4とともに、同一の制御部で制御することもできる。

次に、図 1 2に示すように、切断器 2としては、少なくとも 2つの腕部材 1 9 、 2 0と、この腕部材 1 9、 2 0間に張設される切断用細線 2 5とを有するものを挙げることができる。なお、腕部材 1 9、 2 0は、通常 2つあれば足りるが、更に多くの腕部材 1 9、 2 0を設けてもよい。

また、本発明における切断器 2としては、切断用細線 2 5が、各腕部材 1 9、 2 0間に固定して張設するもの、又は切断用細線 2 5の各端部を駆動部 2 4に接続させ、切断用細線 2 5をその延伸方向へ運動させるものを挙げることができ、後者の切断器 2が、切斬用細線 2 5の延伸方向への運動を伴う切断により切断力が増大するとともに、切断用細線 2 5の常に異なる箇所を用いて切断が行われ、極めて細い切断用細線 2 5の寿命が非常に長くなる点で好ましい。

また、この切断器 2では、各腕部材 1 9、 2 0の先端に回転部材 2 2を設け、この回転部材 2 2間に切断用細線 2 5を張設するとともに、切断用細線 2 5の各端部を駆動部 2 4に接続して、この駆動部 2 4により切断用細線 2 5の各端部を引張り、回転部材 2 2間に張設される切断用細線 2 5を、その延伸方向に運動させるものが好ましい。 .

なお、当該切断器 2では、駆動部 2 4により切断用細線 2 5の各端部を交互に引張り、回転部材 2 1、 2 2間に張設されている切断用細線 2 5を、その延伸方向に往復運動させてもよく、駆動部 2 4により切断用細線 2 5の一の端部を引張り、回転部材 2 1、 2 2間に張設されている切断用細線 2 5を、その延伸方向の一方向にのみ運動させてもよい。

また、図 2に示すように、切断用細線 2 5により切断を行う切断器 2では、通常、ハニカム構造体 1 0をその軸方向に対して垂直方向に切断可能とするため、切断用細線 2 5をハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zに対して垂直方向に延伸して配設される。但し、その用途によって、ハニカム構造体 1 0をその軸方向に対して斜め方向に切断する場合には、ハニカム構造体 1 0の長尺方向 Zに対して斜め方向に延伸して配設してもよい（図示せず）。また、切断用細線 2 5は、ハニカム構造体 1 0を切断可能な材質であることの他、切断の際に、ハニカム構造体 1 0に径方向の大きな力がかからないように、できるだけ小径のものが好ましい。具体的には、鋼質のもので、 0 . 1〜0 . 0 5 mm程度のものが好ましい。

以上、主に本発明のハニカム構造体製造装置について説明してきたが、当該装置を用いることで、本発明におけるハニカム構造体の製造方法を実施することができる。また、その際、用いるセラミックス原料については特に制限はなく、コ —ディエライト、 S i C、又はアルミナ等、ハニカム構造体に適用可能なものであればよい。また、本発明は、ここまで説明した実施の形態に限定されるものではなく、その特徴を損わない範囲で、その他の態様を含むものである。産業上の利用可能性

以上、本発明によれば、薄壁又は大型のセラミックスハニカム構造体を、当該ハニカム構造体の外壁及び隔壁に変形を全く生じることなく製造することができるハニカム構造体製造装置、及びハニカム構造体の製造方法を提供することがでさる。

Claims

請求の範囲

1 . 重力方向または同方向に対して 3 0 ° 未満の方向で押出せるハニカム構造体の押出し成形機と、一台以上の受台とを備え、

該一台以上の受台に、押出しに伴い長尺化するハニカム構造体を、そのセル開口端面で同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させ載置した後、該一台以上の受台を、圧接した状態を保持しうる速度で、該ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に移動させうる手段を備えたハニカム構造体製造装置。

2 . 更に切断器とを備え、該切断器は、八二カム構造体を受台に圧接した状態のままで、該ハニカム構造体を切断できる手段とを備えたものである請求項 1に記載の八二カム構造体製造装置。

3 . 二台以上の受台と、切断器とを備え、

該ニ台以上の受台の内のいずれか一の受台に、ハニカム構造体をそのセル開口端面で同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させ載置した後、該一の受台を、該ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に、圧接した状態を保持しうる速度で移動させ、圧接した状態のままで該切断器によるハニカム構造体の切断を行レ切断完了後、該一の受台を転載位置に移動、転載後、所定の位置に待機させ該一の受台の動作と並行して、他の受台を、該所定の待機位置から、該切断完了後に新たに押出されてくるハニカム構造体の該セル開口端面に移動させて、該一の受台と同様の動作を繰り返させる手段を有する請求項 1または 2に記載のハ二カム構造体製造装置。

4 . 前記切断器が、前記ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動しながら水平方向へも移動して、前記ハニカム構造体を切断する請求項 2又は 3に記載の八二力ム構造体製造装置。

5 . 前記切断器が、少なくとも 2つの腕部材と、各腕部材の先端に設けられる回転部材と、該回転部材間に張設される切断用細線と、該切断用細線の両端が接続される駆動部とからなり、該切断用細線は、該駆動部の稼動により、延伸方向に運動するものである請求項 2〜 4の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装

6 . 前記八二カム構造体の長尺方向の押出し速度を検知する速度検知器を更に備える請求項 1〜 5の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装置。

7 . 前記速度検知器が、ハニカム構造体と非接触で長尺方向の押出し速度を検知するものである請求項 6に記載のハニカム構造体製造装置。

8 . 前記受台にかかる荷重を検知する荷重検知器を更に備える請求項 1〜 7の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装置。

9 . 前記受台が、受台移動部に連結する本体と、該本体上に可動状態で配設される載置部と、該載置部への荷重により変位を生じる弾性体とを備えており、該弾性体の変位により該載置部にかかる荷重を検知する荷重検知器を備える請求項

1〜 8の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装置。

1 0 . 前記受台が、受台移動部に連結する本体と、該本体上に可動状態で配設される載置部とを備えており、更に、該載置部にかかる荷重を圧電体の屈曲変位により検知する荷重検知器を備える請求項 1〜 8の何れか一項に記載のハニカム

1 1 . 前記荷重検知器により、長尺化したハニカム構造体が受台を押圧した際に生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該検知した情報に基づき、該受台及び Z又は切断器をハニカム構造体の長尺方向への移動を開始させる手段を備えた請求項 8〜 1 0の何れか一項に記載め八二カム構造体製造装置。

1 2 . 前記速度検知器により、ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度を検知し、該検知した情報に基づき、移動開始後の受台を、前記ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度とほぼ同一速度で移動させる手段を備えた請求項 6〜1 1の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装置。

1 3 . 前記荷重検知器により、移動開始後の受台の移動速度とハニカム構造体の長尺方向の押出し速度とのずれによって生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該検知した情報に基づき、該受台を、該荷重の変動が所望の範囲内となるように調整させる手段を備えた請求項 8〜 1 2の何れか一項に記載のハニカム構造

1 4 . 前記速度検知器により、ハニカム構造体の長尺方向の押出し速度を検知し、該検知した情報に基づき、切断器を、ハニカム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動させながら水平方向へも移動させて、該ハニカム構造体を切断する手段を備えた請求項 6〜1 3の何れか一項に記載のハニカム構造体製造装置。

1 5 . 前記荷重検知器により、八二カム構造体の切断完了の際に生じる受台にかかる荷重の変動を検知し、該検知した情報に基づき、該受台の転載位置への移動、及び/又は該受台の新たに押出されてくるハニカム構造体のセル開口端面への移動を開始させる手段を備えた請求項 8〜 1 4の何れか一項に記載のハニカム

1 6 . セラミックスを主成分とする材料を用いて、該成形機により、複数のセルが端面に開口するハニカム構造体を重力方向または重力方向に対して 3 0 ° 未満の斜め方向に押出し、

該押出されてくるハニカム構造体を、受台に、そのセル開口端面で、同端面における圧縮強度より小さな圧力で圧接させた状態成形し、該受台にハニカム構造体を圧接した状態で、該ハニカム構造体を切断することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。

1 7 . 切断器を、前記八二カム構造体の長尺方向と同一方向に、長尺方向の押出し速度と同一速度で移動させながら、該ハニカム構造体の切断を行う請求項 1 6に記載のハニカム構造体の製造方法。