WO2001024573A1

WO2001024573A1 - Microphone et camera video

Info

Publication number: WO2001024573A1
Application number: PCT/JP2000/006811
Authority: WO
Inventors: Takashi Yamamoto
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 1999-09-30
Filing date: 2000-09-29
Publication date: 2001-04-05
Also published as: JP2001103591A; CN1205837C; CN1356013A; EP1217870A4; US6721432B1; EP1217870A1

Description

技術分野

本発明はビデオカメラ等に用いられるマイク口フォンに関する。背景技術

従来から、ビデオカメラ等において指向性マイクロフオンとして用いられるものとして次のようなものがある。すなわち、このマイクロフォンは、コンデンサマイクロフォンュニットと増幅回路基板とを収納筒内に収納配置し、さらには、指向性を高める構造体を持った収納筒を外筒の中に収納配置している。収納筒とコンデンサマイクロフォンュニットとの間には防振ゴムを介装している。同様に、収納筒と外筒との間にも防振ゴムを配置している。そして、コンデンサマイクフォンュニットで電気信号に変換した音声信号を増幅回路基板で増幅したのち、外部に出力するようになっている。なお、場合によっては、収納筒に電池を収納していることもある。

しかしながら、上記従来のマイクロフォンでは、電磁波に起因する妨害音の発生が問題となっている。ここでいう電磁波に起因する妨害音とは例えば次のものをいう。すなわち、マイクロフォンにより音声を収録する際において、外部からの電磁波中に含まれる高周波成分に起因して生じて収録音声に重畳されるノイズ音のことを上記妨害音という。

昨今、携帯電話の普及により、マイクロフォンを用いる収録現場においても、マイクロフォンを使用する取材者を含めた不特定多数の人間が携帯電話で送受話する機会が増大している。特に、取材者が各種音声を収録しながら携帯電話で送受話する場合には、マイクロフォンと携帯電話とが非常に接近した状態で携帯電話を使用することになる。このようなマイクロフォンの使用形態は、マイクロフォンを組み込んだビデオカメラ等でニュース現場を取材する場合などでは、今後日常的に起こりうる。

携帯電話で生じる電界が及ぶ領域は比較的小さいものの、その間近（数 cm 〜数十 cm程度）では、数十 V Zmといった、商用電波により市中で生じる電界強度の数万倍に達する非常に強い電界強度を示すことが知られている。マイクロフォンと携帯電話とが非常に接近した状態で両者が使用されると、携帯電話で生じる電磁波の影響が顕著にマイクロフオンに及んでしまい、音声信号中に妨害音が混入してしまう。以下、説明する。

マイクロフォンは、コンデンサマイクロフォンユニットの振動板（ダイァグラム）をゲ一トとする F E T トランジスタの動作回路とみなすことができる。このような F E T トランジスタの動作回路においては、音声の音圧により生じる振動は、振動板を構成する電界振動膜（e 1 e c t r e t f i 1 m) の両端間に生じる誘起電位として捕らえられる。したがって、マイクロフォンでは、音圧変位は電圧変位として捕らえられたうえでその電位変位が F E T ■ゲートの電圧入力変化として取り込まれる。そして、このようにして取り込まれた電圧入力変化を音声入力信号としてマイクロフォンは動作している。

以上のような特徴を有するマイクロフォンュニットの付近に高周波の高電界が発生すると、電界振動膜や F E Tの入力出力回路や電気回路に非直線性歪が生じ、周波数変調、振幅変調、デジタル変調高周波信号は、その包絡線検波出力がオーディオ帯に現れる。さらには、後段の増幅回路基板にも同様の検波出力が現れる。このような検波出力により音声信号中に各種の高周波妨害音が生じる。

昨今の携帯電話の普及に伴って使用する周波数帯がさらに高域側（例えば、 1 . 5 G H z ) に移行しつつある現状では、このようなマイクロフォンに対する電磁波の影響がより顕著になりつつある。そのため、電磁波の影響を受けにくいマイク口フォンが要望されている。

また、電磁波の影響により各種電子機器が誤動作等を来して混乱することを未然に防止するため、電子機器の耐電磁波性能を法的に規制することが各国で実施されている。欧州における C E (Conformite Eoropeenne) がその一例である。そして、携帯電話に代表される個人使用目的の強電磁波発生機器の普及に伴い、このような法規制をさらに強めて、より耐電磁波性能の高い製品のみの流通を許容して、今後生じることが予測される電磁波による混乱を未然に防止しようとする動きも各国ででてきている。このような現状を踏まえて、マイクロフォンにおいても、より高い耐電磁波性能が求められている。上述の課題を解決するため、従来のマイクロフォンにおいても、マイクロフォンュニットの接地接続部位を接地に接続する接地経路が設けられている。しかしながら、この接地経路は、マイクロフォンユニットと増幅回路基板とを接続するリ一ド線、増幅回路基板内のアース配線、および増幅回路基板とマイクケーブルとを接続するリ一ド線により構成されているため、最短経路とは言いがたく、高周波電界に起因する妨害音に対しては、十分なる除去効果を発揮できるとはいえるものではなかった。

したがって、本発明は、高周波電界に起因する妨害音に対して十分なる除去効果を発揮することができるマイクロフォンュニットの提供を目的としている。発明の開示

本発明のマイク口フォンやビデオカメラは、マイク口フォンュニットと、導体からなり前記マイクロフォンュニットを収納する収納筒と、前記マイク口フォンュニットの接地接続部位を、機械的振動を遮断しつつ実質的に最短距離で前記収納筒に電気的に接続する中間接続部材とを備えている。こうした場合、次のようなことが行われる。

マイク口フォンの周囲に存在する電磁波により誘起された電界が収納筒内に形成され、その電界に応じて、マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んだ高周波信号がマイクロフォンュニットに生じたとしても、その高周波信号は中間接続部材を介して実質的に最短距離で収納筒に導かれる。そのため、収納筒を接地に接続しておけば、マイクロフォンユニットに生じる上記高周波信号を、収納筒を介して確実に接地に落とすことが可能になる。しかも、収納筒と外筒との問に妨振構造を実現しつつ、収納筒という構造の簡単な導体を介してマイクロフォンュニットと接地とを接続するので、マイク口フォンュニットと接地電位とを接続する経路が必要以上に長くなることはなく、ほぼ最短長さでマイクロフォンユニットは接地される。そのため、上記高周波信号に起因して生じる妨害音を確実に軽減することができるようになる。

なお、収納筒は構造が簡単でかつその周面や端面の一部が外部に露出することが多いので、比較的簡単に接地に接続することできる。また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記マイクロフォンュニットを、機械的振動を遮断しつつ前記収納筒内で支持する支持部材をさらに有している。こうした場合、次のようなことが行われる。

支持部材を有するマイクロフォンでは、収納筒に生じる機械的振動に起因する高周波信号（マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んでいる）がマイクロフォンュニッ卜で生じることは防止できるものの、マイクロフォンュニットと前記収納筒とを支持部材を介して電気的に接続することは構造的に困難となる。そのため、中間接続部材とともに支持部材を設ければ、マイク口フォンュニットを収納筒内に支持固定したうえで、上記高周波信号の発生を防止できる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記中間接続部材を、弾性を有する短毛状導電部材から構成し、この短毛状導電部材を、前記マイク口フォンュニットと前記収納筒とのうちのいずれか一方から突出させてその先端を他方に当接させている。こうした場合、次のようなことが行われる。

短毛状導電部材では、機械的振動を遮断しつつこれら両者を電気的に接続するという中間接続部材に要求される機能を十分に果たすことができ、しかも、比較的簡単に設置することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記中間接続部材を、捻り癖を付けた長尺の導体切片から構成している。こうした場合、次のようなことが行われる。

捻り癖を付けた長尺の導体切片は、機械的振動を遮断しつつこれら両者を電気的に接続するという中間接続部材に要求される機能を十分に果たすことができ、しかも、比較的簡単に設置することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記収納筒に、前記マイクロフォンュニットの出力信号を増幅する増幅回路基板を収納し、この増幅回路基板の接地接続部位を実質的に最短距離で前記収納筒に電気的に接続している。こうした場合、次のようなことが行われる。

マイク口フォンの周囲に存在する電磁波に起因して、マイク口フォンに妨害音を与える変調信号を含んだ高周波信号が増幅回路基板内に生じたとしても、その高周波信号を、収納筒を介して接地に落とすことが可能になる。また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、導体からなり前記収納筒の端部を閉塞して前記収納筒に電気的に接続された蓋と、前記蓋を貫通して前記収納筒の内外に渡って配置されてマイクロフオンの出力信号を外部に引き出すマイクケーブルと、をさらに有し、前記マイクケーブルのシールド層と前記蓋とを電気的に接続している。こうした場合、次のようなことが行われる。

蓋を介して収納筒をマイクケーブルのシールド層に電気的に接続すれば、収納筒を簡単にしかも最短距離で接地電位に接続することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、導体からなり前記収納筒の周面を囲む外筒と、前記収納筒を、機械的振動を遮断しつつ実質的に最短距離で前記外筒に電気的に接続するもう一つの中間接続部材と、をさらに有している。こうした場合、次のようなことが行われる。

マイクロフオンの周囲に存在する電磁波により収納筒と外筒との間の隙間に電界が形成されることがあり、そうすると、その電界に応じて、マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んだ高周波信号がマイクロフオンュニットゃ収納筒や外筒に生じる。しかしながら、このようにして形成される高周波信号は中間接続部材やもう一つの中間接続部材を介して収納筒や外筒に導かれる。そのため、収納筒や外筒を接地電位に接続しておけば、上記高周波信号を、収納筒や外筒を介して確実に接地電位に落とすことが可能になる。しかも、収納筒や外筒という構造の簡単な導体を介してマイクロフォンュニットと接地電位とを接続するので、マイクロフォンュニットと接地電位とを接する経路は必要以上に長くなることなく、ほぼ最小長さとなる。したがつて、その分でも上記高周波信号を軽減する効果は高いものとなる。また、外筒は、収納筒と同様、構造が簡単でかつその周面の一部が外部に露出することが多いので、比較的簡単に外筒を接地電位に接続することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記収納筒を、機械的振動を遮断しつつ前記外筒内で支持するもう一つの支持部材を、さらに有している。こうした場合、次のようなことが行われる。

この支持部材を有するマイク口フォンでは、外筒に生じる機械的振動に起因した高周波信号（マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んでいる）がマイクロフォンユニットで生じることを防止できるものの、マイクロフォンュニットと前記外筒とをもう一つの支持部材を介して電気的に接続することは構造的に困難となる。そのため、もう一つの中間接続部材とともに、もう一つの支持部材を設ければ、収納筒を外筒内に支持固定したうえで、上記高周波信号に起因する妨害音の発生を防止することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記もう一つの中間接続部材を、弾性を有する短毛状導電部材から構成し、この短毛状導電部材を、前記収納筒と前記外筒とのうちのいずれか一方から突出させてその先端を他方に当接させている。こうした場合、次のようなことが行われる。短毛状導電部材では、機械的振動を遮断しつつこれら両者を実質的に最短距離で電気的に接続するというもう一つの中間接続部材に要求される機能を十分に果たすことができ、しかも、比較的簡単に設置することができる。また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記もう一つの中間接続部材を、捻り癖を付けた長尺の導体切片から構成している。こうした場合、次のようなことが行われる。

捻り癖を付けた長尺の導体切片は、機械的振動を遮断しつつこれら両者を電気的に接続するという、もう一つの中間接続部材に要求される機能を十分に果たすことができ、しかも、比較的簡単に設置することができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記中間接続部材と前記もう一つの中間接続部材とを、収納筒の軸方向の同一位置に配置している。こうした場合、次のようなことが行われる。

マイクロフォンュニットと収納筒と外筒とを、回り道することなく最短距離で接地電位に接続することができる。そのため、マイクロフォンユニットや収納筒や外筒に生じる高周波信号（マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んでいる）を、確実に接地電位に落とすことができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記もう一つの中間接続部材を、前記収納筒と前記外筒との間の隙間に満遍なく配置している。こうした場合、次のようなことが行われる。

収納筒と外筒とを回り道することなく実質的に最短距離で接地電位に接続することができる経路が、上記隙間に満遍なく配置されたもう一つの中間接続部材により自然と形成されることになる。そのため、マイクロフォンュニットゃ収納筒や外筒に生じる高周波信号（マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んでいる）を確実に接地電位に落とすことができる。

また、収納筒と外筒との間の隙間において空洞共振を生じる可能性の高い位置にもう一つの中間接続部材が配置されることになる。そのため、空洞共振により生じる高周波信号（マイクロフォンに妨害音を与える変調信号を含んでいる）も確実に接地電位に落とすことができる。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、前記もう一つの中間部部材を、マイクロフォン内において空洞共振を生じる可能性の高い位置に配置している。こうした場合、次のようなことが行われる。空洞共振による生じる高周波信号を確実に接地電位に落とすことができる。なお、本発明や上述の発明で問題とする空洞共振とは、数十 MH z〜G H zの周波数帯に生じる空洞共振を言う。

また、本発明は上述の改良されたマイクロフォンにおいて、導体からなり前記外筒の端部を閉塞して前記外筒に電気的に接続された蓋と、前記蓋を貫通して前記外筒の内外に渡って配置されてマイクロフオンの出力信号を外部に引き出すマイクケーブルと、をさらに有し、前記マイクケーブルのシールド層と前記蓋とを電気的に接続している。こうした場合、次のようなことが行われる。

蓋を介して収納筒をマイクケーブルのシールド層に電気的に接続すれば、外筒を簡単にしかも最短距離で接地電位に接続することができるようになる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の最良の実施形態に係るマイクロフォンを組み込んだビデォカメラの概略構成を示す斜視図である。

図 2は、実施形態に係るマイク口フォンの構成を示す断面図である。

図 3は中間接続部材の取り付け例を示す斜視図である。

図 4は、本発明の変調音もれ出力レベルの特性を示す線図である。

図 5は、本発明の変形例を示す断面図である。

図 6は、本発明の他の変形例を示す断面図である。

図 7は、本発明のさらに他の変形例を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態 . 以下、本発明の最良の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図 1は、本発明の最良の実施形態に係るマイクロフォンを組み込んだビデォカメラの構成を示す概略図であり、図 2は、マイクロフォンの構成を示す断面図である。なお、本実施形態では、ビデオカメラに組み込まれるマイク口フォンを例にして本発明を説明するが、本発明は、このようなマイクロフオンに限定されることはなく、それ以外のマイク口フォンにおいても同様に実施することができるのはいうまでもない。

このビデオカメラ 1 0 0は、本体部 1 0 1に設けられた記録再生部 1 0 2 と、本体部 1 0 1の側面に設けられたビューファインダ一部 1 0 3と、本体部 1 0 1の先端に設けられたレンズ部 1 0 4と、同じく本体部 1 0 1の先端に向けて設けられたマイクロフオン 1とを備えている。

マイクロフォン 1は、コンデンサマイクロフォンであって、図 2に示すように、コンデンサマイクロフォンユニット（以下、マイクロフォンユニットという） 2と、増幅回路基板 3と、収納筒 4と、外筒 5とを備えている。収納筒 4と外筒 5とは、金属等の導体から構成されている。

収納筒 4は円筒形状をしており、その周面には、このマイクロフォン 2による集音に指向性を与える複数のスリット 6がマイクロフォンの軸方向に沿つて形成されている。なお、収納筒 4は多角筒形状でもよい。また、図 2では断面表示のために単一のスリット 6だけが表示されている。

マイクロフォンュニット 2 と増幅回路基板 3 とは、収納筒 4の内部に収納配置されている。増幅回路基板 3は、収納筒 4の一端側に設置されている。マイク口フォンュニット 2は、増幅回路基板 3より収納筒 4の軸方向に沿つて内側に配置されている。具体的には、マイクロフォンユニット 2は、防振ゴム 7を介して機械的振動を遮断された状態で収納筒 4の内周面に支持固定されている。マイクロフォンユニット 2と収納筒 4との間には、防振ゴム 7 を介在させることで隙間 Aが形成されている。マイクロフォンュニット 2の出力端子（図示省略）および接地端子（図示省略）は、増幅回路基板 3の入力端子（図示省略）にリード線 8を介して接続されている。

外筒 5は、収納筒 4より若干大径の円筒形状をしており、その周面には、図示はしないが、このマイクロフォン 1による集音に指向性を与える複数のスリットがその周方向に沿って形成されている。なお、外筒 5は多角筒形状でもよい。収納筒 4は外筒 5に対して同軸配置された状態で外筒 5の内部に収納されている。収納筒 4は防振ゴム 9を介して外筒 5の内周面に機械的振動を遮断された状態で支持固定されている。収納筒 4と外筒 5との間には、防振ゴム 9を介在させることで、隙間 Bが形成されている。外筒 5は収納筒 4より若干長い軸方向寸法を有しており、収納筒 4はその両端が外筒 5の内部に位置した状態で配置されている。

外筒 5の一端であって増幅回路基板 3が配置されている端部 5 aは、金属等の導体からなる蓋 1 0により閉塞されている。外筒 5の他端 5 bは、防塵メッシュ 1 1により閉塞されている。外筒 5と蓋 1 0とは、互いに直接に接することで、電気的に接続されている。

蓋 1 0の径方向の中心位置には、マイクロフォン 1の出力信号を外部に出力するマイクケーブル 1 2の一端が挿入固定されている。蓋 1 0の内面には、中継端子 1 0 a、 1 0 b、 1 0 cが設けられている。中継端子 1 0 a、 1 0 bは、増幅回路基板 3の出力信号をマイクケーブル 1 2の導通線 1 2 aに中継する端子である。中継端子 1 0 a、 1 0 bは、図示はしないが、蓋 1 0に対して電気的に絶縁された状態で設けられている。中継端子 1 0 a、 1 0 b には、増幅回路基板 3の出力端子（図示省略）がリード線 1 3を介して電気的に接続されている。さらには、マイクケーブル 1 2の導通線 1 2 aが中継端子 1 0 a、 1 0 bに電気的に接続されている。これにより、増幅回路基板 3の出力端子とマイクケーブル 1 2の導通線 1 2 aとが、中継端子 1 0 a、 1 0 bを介して電気的に接続されている。

中継端子 1 0 cは、図示はしないが蓋 1 0に対して電気的に接続された状態で設けられている。中継端子 1 0 cは、増幅回路基板 3の接地接続部位 (図示省略）をマイクケーブル 1 2のシールド層 1 2 bに中継する端子である。中継端子 1 0 cには、増幅回路基板 3の接地電位部位（図示省略）がリード線 1 3を介して中継端子 1 0 cに電気的に接続されている。さらには、マイクケーブル 1 2の蓋側端部においては、マイクケーブル 1 2の絶縁外皮 1 2 cは剥ぎ取られて、シールド層 1 2 bが露出しており、マイクケーブル 1 2 が蓋 1 0を貫通することで、シールド層 1 2 bは蓋 1 0に接して電気的に接続されている。なお、シールド層 1 2 bと蓋 1 0との間には、両者の電気的接続を強固なものとするために、図示しない仲介端子を挿入配置してもよい。以上の構成を備えることで、増幅回路基板 3の接地接続部位は、蓋 1 0や中継端子 1 0 cを介してマイクケーブル 1 2のシールド層 1 2 bに電気的に接続されている。そして、マイクケーブル 1 2がマイクロフォン 1の被接続部材（図示省略）に接続される際において、シールド層 1 2 bは被接続部材の接地電位に接続される。これにより、増幅回路基板 3の接地接続部位は蓋 1 0 の中継端子 1 0 cとマイクケーブル 1 2のシールド層 1 2 bとを介して接地電位に接続される。

次に、このマイクロフォン 1の特徴となる構成を説明する。このマイクロフォン 1は、マイクロフォンュニット 2の周面に中間接続部材 1 4が設けられている。中間接続部材 1 4は、数十 Ω程度といった十分に電気抵抗が低い金属等の導電体から構成されている。具体的には、中間接続部材 1 4は導電性と弾性とを有する複数の短毛状部材をマイクロフォンュニット 2の周面に植え付けるように配置することで構成されている。具体的には、例えば、金属等の導電体からなる微小径の短毛状部材を複数束ねることで中間接続部材 1 4は構成されている。

中間接続部材 1 4はマイクロフォンュニット 2の接地接続部位（図示省略）に直接当接することで電気的に接続されている。中間接続部材 1 4は隙間 A の径方向寸法より十分長い長さ寸法を有して収納筒 4の略径方向の外側に向けて配置されている。これにより、中間接続部材 1 4の先端は収納筒 4の内周面に接している。そして、中間接続部材 1 4の先端が収納筒 4の内周面に接することで、マイクロフォンュニット 2の接地接続部位は中間接続部材 1 4を介して収納筒 4に実質的に最短距離で電気的に接続されている。なお、中間接続部材 1 4は、収納筒 4の内周面に、マイクロフォンユニット 2に向けて形成してもよい。

収納筒 4の外周面には、もう一つの中間接続部材 1 5が設けられている。中間接続部材 1 5は、中間接続部材 1 4と同様、十分に電気抵抗が低くかつ弾性を有する複数の短毛状部材を収納筒 4の周面に植え付けるように配置することで構成されている。具体的には、中間接続部材 1 4と同様、例えば、金属等の導電体からなる微小径の短毛状部材を複数束ねることで、中間接続部材 1 5は構成されている。

中間接続部材 1 5は隙間 Bの径方向寸法より十分長い長さ寸法を有して収納筒 4の径方向の外側に向けて配置されている。これにより、中間接続部材 1 5の先端は外筒 5の内周面に接している。そして、中間接続部材 1 5の先端が外筒 5の内周面に接することで、収納筒 4は実質的に最短距離で外筒 5 に電気的に接続されている。また、中間接続部材 1 5と中間接続部材 1 4とは、収納筒 4の軸方向に沿って同一位置に配置されている。これにより、マイク口フォンユニット 2の接地接続部位は中間接続部材 1 4、収納筒 4、および中間接続部材 1 5を介して外筒 5に実質的に最短距離で電気的に接続されている。

増幅回路基板 3の接地接続部位（図示省略）は、その端面に設けられており、増幅回路基板 3の端面が収納筒 4の内周面に接することで、増幅回路基板 3の接地接続部位は収納筒 4に対して実質的に最短距離で電気的に接続されている。

外筒 5は上述したように、蓋 1 0を介してマイクケーブル 1 2のシールド層 1 2 bに電気的に接続されており、これによつて、外筒 5は、実質的にほぼ最短距離でシールド層 1 2 bに電気的に接続されている。そのため、マイクロフオンュニット 2や収納筒 4は外筒 5を介してマイクケーブル 1 2のシ一ルド層 1 2 bに電気的に接続されている。しかも、その接続距離は実質的にほぼ最短距離となっている。なお、中間接続部材 1 5は、外筒 5の内周面に、収納筒 4に向けて配置してもよい。

中間接続部材 1 4、 1 5は、例えば、図 3に示すように構成することができる。すなわち、導電性と弾性とを有する複数の短毛状部材 1 6 (例えば、金属から構成されている）を束ねて固定枠 1 7 aで固定することで毛束体 1 7を形成する。そして、毛束体 1 7を粘着テープ 1 8によって収納筒 4やマイク口フォンュニット 2に貼着固定することで中間接続部材 1 4、 1 5を形成することができる。なお、固定枠 1 7 aや粘着テープ 1 8は導体から構成するのが電気的接続を良好にする上で好ましい。また、図 3では、中間接続部材 1 5の固定構造をその例として説明しているが、中間接続部材 1 4も同様であるのはいうまでもない。

次に、周波数 1 0 0〜1 0 0 O MH zの強電界（電界強度として 3 0 V/ m)、変調周波数 1 k H _{Z /} 8 0 %中に、このマイクロフォン 1を配置した状態で、変調音のもれ出力（妨害音出力）を測定した結果を、従来のマイク口フォンの測定結果とともに図 4を参照して説明する。なお、図 4は、横軸に周波数（MH z ) を、縦軸にもれ出力（d B ) をそれぞれ示している。図 4から明らかなように、従来例品では、各周波数帯（ 1 5 0〜 1 0 0 0

MH z ) で、もれ出カレべノレが S R L (基準録音レベル）の一 4 4 1 0 d B程度まで上昇することがわかる。これに対して、本発明を実施したマイクロフオン 1では、どの周波数帯においても、もれ出力レベルがほぼ一 5 5 d Bに安定しており、非常にもれ出力レベルが低いことがわかる。これは、本発明の構成（中間接続部材 1 4、 1 5 )を設けることにより、周囲の高電界の影響でマイクロフォンユニット 2、収納筒 4、および外筒 5に生じる高周波信号を実質的に最短距離で接地電位に落とすことができるためだと考えられる。さらには、增幅回路基板 3の接地接続部位も収納筒 4を介して、実質的に最短距離で接地電位に接続しているので、増幅回路基板 3に生じる高周波信号も効率よく接地電位に落とすことができるので、その分でも、もれ出カレベルを抑えることができるためだと考えられる。

なお、このマイクロフオン 1では、中間接続部材 1 5と中間接続部材 1 4 とを収納筒 4の軸方向に沿って同一位置に設けている。そして、これによつてマイクロフォンュニット 2の接地接続部位が接地電位に到達する経路を実質的に最短距離にしてもれ出力レベルを最も小さくしていた。しかしながら、 1 0 0 O MH z程度の高周波の強電界であれば、収納筒 4の軸方向にどの位置に中間接続部材 1 5を設けても、同様のもれ出力レベルの低減効果を発揮することができる。

また、収納筒 4と外筒 5との間の隙間 Bには、生じる電界の周波数に応じて数十 MH _Z〜G H z帯で空洞共振が発生する。そして、このような空洞共振が発生する領域の軸方向の位置は、上記周波数に対応して決まる。そのため、空洞共振が生じる位置に中間接続部材 1 5を配置すれば、空洞共振により生じる高周波信号を効率よく接地電位に落とすことができる。さらには、中間接続部材 1 5を収納筒 4の軸方向すベての位置に満遍なく配置してもよレ、。そうすれば、種々の周波数に応じて軸方向の各所に生じる空洞共振で生じる高周波信号を効率よく接地電位に落とすことができる。しかも、収納筒 4を実質的に最短距離で接地電位に接続することもできる。

中間接続部材 1 4、 1 5としては、図 2に示すような短毛状部材だけではなく、図 5に示すように、捻り癖を付けた長尺の導体切片（例えば、金属切片）から中間接続部材 2 0、 2 1を構成することもできる。このような中間接続部材 2 0、 2 1においても、機械的振動を遮断しつつ、電気的に接続することができる。図 5のマイクロフォンは、基本的には図 2のマイクロフォン 1と構造が同一であるので、同一ないし同様の部分には同一の符号を付し、それらのついての説明は省略する。

なお、ここでいう捻り癖を付けた長尺の導体切片とは例えば次のようなものをいう。すなわち、金属等の導体を長尺の切片にしたうえで、その切片に捻り癖を付けることで螺旋状にし、これによつて全体として径の小さい円筒状にして弾性を付与したものをいう。

上記した実施形態では、収納筒 4と外筒 5とを有する指向性マイクロフォン 1において本発明を実施していたが、本発明は、図 6に示すように、収納筒 3 1のみを有し、外筒のない無指向性マイクロフオン 3 0においても同様に実施することができる。なお、図 6においては、外筒がない点、外筒と収納筒との間にもう一つの中間接続部材がない点、および収納筒 3 1の構成が若干違う点以外では、基本的に図 2に示す指向性マイクロフォン 1と同様の構成を有しているので、同一ないし同等の部分には、同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。ただし、蓋 3 2は、マイクケーブル 1 2のシールド層 1 2 bと収納筒 3 1 とを電気的に接続している。

本発明は、図 7に示すダイナミックマイクロフオン 4 0においても同様に実施することができる。すなわち、このダイナミックマイクロフォン 4 0は、永久磁石コア 4 1と可動コイル 4 2とを、導体からなる収納筒 4 3内に防振ゴム 4 4を介して収納配置されて構成されている。そして、収納筒 4 3と永久磁石コア 4 1との間に、上述した中間接続部材 1 4、 1 5、 2 0、 2 1と同様の中間接続部材 4 5が設けられている。さらには、図示はしないが、蓋 4 6の構成は、上述した蓋 3 2と同様の構成を備えている。

なお、上述した実施形態では、中間接続部材 1 4、 1 5、 2 0、 2 1、 4 5は、短毛状部材や、捻り癖を付けた長寸の導体切片から構成したが、防振ゴム 7、 9、 4 4に導電性を持たせる（例えば、防振ゴムに導電粒子を混入する）ことで、中間接続部材として機能させてもよい。産業上の利用可能性

本発明によれば、携帯電話等で生じる強電界に起因する妨害音を確実に抑制することができて、電磁波の影響を受けにくいマイクロフォンを実現できた。

また、電磁波の影響により各種電子機器が誤動作等を来して混乱することを未然に防止するために各国で実施され、かつ今後さらに厳しくなると予測される法的規制に十分対応可能な高ぃ耐電磁波性能を有するマイクロフォンを提供することができた。

Claims

請求の範囲

1 マイクロフォンユニットと、

導体からなり、前記マイクロフォンュニットを収納する収納筒と、前記マイクロフォンュニットの接地接続部位を、機械的振動を遮断しつつ実質的に最短距離で前記収納筒に電気的に接続する中間接続部材と、を有するマイクロフオン。

2 前記マイクロフォンユニットを、機械的振動を遮断しつつ前記収納筒内で支持する支持部材を、

さらに有するクレーム 1のマイクロフォン。

3 前記中間接続部材を、弾性を有する短毛状導電部材から構成し、この短毛状導電部材を、前記マイクロフォンュニットと前記収納筒とのうちのいずれか一方から突出させてその先端を他方に当接させた、

クレーム 1のマイクロフォン。

4 前記中間接続部材を、捻り癖を付けた長尺の導体切片から構成した、クレーム 1のマイクロフオン。

5 前記収納筒に、前記マイクロフォンユニットの出力信号を増幅する増幅回路基板を収納し、この増幅回路基板の接地接続部位を実質的に最短距離で前記収納筒に電気的に接続した、

クレーム 1のマイクロフォン。

6 導体からなり、前記収納筒の端部を閉塞して前記収納筒に電気的に接続された蓋と、

前記蓋を貫通して前記収納筒の内外に渡って配置されてマイクロフォンの出力信号を外部に引き出すマイクケーブルと、

をさらに有し、

前記マイクケーブルのシールド層と前記蓋とを電気的に接続した、クレーム 1のマイクロフォン。

7 導体からなり、前記収納筒の周面を囲む外筒と、

前記収納筒を、機械的振動を遮断しつつ実質的に最短距離で前記外筒に電気的に接続するもう一つの中間接続部材と、

をさらに有する、クレーム 1のマイクロフォン。

8 前記収納筒を、機械的振動を遮断しつつ前記外筒内で支持するもう一つの支持部材を、

さらに有するクレーム 7のマイクロフォン。

9 前記もう一つの中間接続部材を、弾性を有する短毛状導電部材から構成し、この短毛状導電部材を、前記収納筒と前記外筒とのうちのいずれか一方から突出させてその先端を他方に当接させた、

クレーム 7のマイクロフォン。

1 0 前記もう一つの中間接続部材を、捻り癖を付けた長尺の導体切片から構成した、

クレーム 7のマイクロフォン。

1 1 前記中間接続部材と前記もう一つの中間接続部材とを、収納筒の軸方向の同一位置に配置した、

クレーム 7のマイクロフォン。

1 2 前記もう一つの中間接続部材を、前記収納筒と前記外筒との間の隙間に満遍なく配置した、

クレーム 7のマイクロフォン。

1 3 前記もう一つの中間部部材を、マイクロフォン内において空洞共振を生じる可能性の高い位置に配置した、

クレーム 7のマイクロフォン。

1 4 導体からなり、前記外筒の端部を閉塞して前記外筒に電気的に接続された蓋と、

前記蓋を貫通して前記外筒の内外に渡って配置されてマイク口フォンの出力信号を外部に引き出すマイクケ一ブルと、

をさらに有し、

前記マイクケーブルのシールド層と前記蓋とを電気的に接続した、クレーム 7のマイクロフォン。

1 5 マイク口フォンを有し、

前記マイク口フォンは、

マイク口フォンュニットと、

導体からなり、前記マイクロフォンュニットを収納する収納筒と、前記マイクロフォンュニットの接地接続部位を、機械的振動を遮断しつつ実質的に最短距離で前記収納筒に電気的に接続する中間接続部材と、を有する、

ビデオカメラ。