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JPWO2020026436A1 - インクジェットヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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JPWO2020026436A1
JPWO2020026436A1 JP2020534018A JP2020534018A JPWO2020026436A1 JP WO2020026436 A1 JPWO2020026436 A1 JP WO2020026436A1 JP 2020534018 A JP2020534018 A JP 2020534018A JP 2020534018 A JP2020534018 A JP 2020534018A JP WO2020026436 A1 JPWO2020026436 A1 JP WO2020026436A1
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inkjet head
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JP2020534018A
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謙一 宮田
謙一 宮田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

小サイズ低コストで種々のノズル配置を行うことが可能なインクジェットヘッド及び画像形成装置を提供する。インクジェットヘッドは、複数のノズルの各々へのインク供給路(232)と、インク供給路の途中にそれぞれ設けられたインク室(231b)と、インクに各々圧力変動を付与する加圧部と、インク貯留部と、加圧部への駆動信号をそれぞれ伝える信号配線(36)と、を備える。インク貯留部は、複数のノズルの開口が設けられたノズル開口面からインク室よりも離れた位置に設けられ、信号配線が設けられた配線面は、ノズル開口面からの距離がインク室とインク貯留部との間の位置に設けられ、インク供給路は、配線面を貫通する貫通部分を各々有し、信号配線は、隣り合う貫通部分の間を通って設けられている部分を含む。

Description

この発明は、インクジェットヘッド及び画像形成装置に関する。
ノズルからインクを吐出させて画像を記録したり被膜や構造を形成したりする画像形成装置が知られている。ノズルに連通するインク供給路の途中でインクに圧力変動を付与することで、ノズルから適切な量及び速度のインクを吐出させることができる。近年では、画像の高解像度化の要求に応じて多数のノズルが高密度で配置されている。このような高密度配置として、ノズル面にノズル開口が二次元的に配置されるものもある。圧力変動の付与方法としては、インク供給路の途中に設けられたインク室の形状を変形させる圧電素子(ピエゾ式)や、インク供給路内のインクを加熱して気泡を生じさせる電熱線(サーマル式)に対して各々駆動信号を出力する技術が知られている。
この画像形成装置において、各圧電素子や電熱線に対して各々電力を供給する信号配線は、駆動基板などから配線面上の配線を介して各々接続されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2012−143948号公報 特表2011−520670号公報 特開2017−056664号公報
しかしながら、従来のように、駆動信号を伝える信号配線を駆動対象に単純に接続するのでは、インクの供給経路に対して柔軟な配線を行えず、小サイズ低コストでのノズル配置に制限が生じるという課題があった。
この発明の目的は、小サイズ低コストで種々のノズル配置を行うことが可能なインクジェットヘッド及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
複数のノズルと、
前記複数のノズルに各々インクを供給するインク供給路と、
前記インク供給路の途中にそれぞれ設けられたインク室と、
前記インク室のそれぞれ内部のインクに各々圧力変動を付与する加圧部と、
前記インク供給路に供給するインクを貯留するインク貯留部と、
前記加圧部への駆動信号をそれぞれ伝える信号配線と、
を備え、
前記インク貯留部は、前記複数のノズルの開口が設けられたノズル開口面から前記インク室よりも離れた位置に設けられ、
前記信号配線が設けられた配線面は、前記ノズル開口面からの距離が前記インク室と前記インク貯留部との間の位置に設けられ、
前記インク供給路は、前記配線面を貫通する貫通部分を各々有し、
前記信号配線は、隣り合う前記貫通部分の間を通って設けられている部分を含む
インクジェットヘッドである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記配線面は、当該配線面上の前記信号配線の少なくとも一部が、前記インク貯留部の壁面の少なくとも一部をなす部材に覆われている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記貫通部分は、前記配線面内で複数の前記信号配線の前記加圧部に接続される側とは反対側の端部に対して少なくとも一方向の側で二次元配置されており、
前記信号配線は、前記少なくとも一方向の側で隣り合う前記貫通部分の間を通って設けられている部分を含む。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のインクジェットヘッドにおいて、
当該信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部と前記信号配線の前記反対側の端部との間を接続する接続部を備える。
また、請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク供給路のうち前記二次元配置されたものに各々連通する前記インク室は、複数の列状に配置され、
2列の前記インク室に各々連通する前記ノズルは、交互に当該2列の間に一列に配置されている。
また、請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記少なくも一方向の側で隣り合う前記貫通部分の間の少なくとも一部には、複数の前記信号配線が設けられている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク供給路の途中から各々インクを排出させる個別排出路と、
複数の前記個別排出路に連通する共通排出路と、
を備える。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク貯留部と前記共通排出路とは、前記複数のノズルの開口が設けられたノズル開口面から互いに異なる距離範囲に設けられている。
また、請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記配線面は、前記ノズル開口面からの距離が前記共通排出路と前記インク貯留部との間の位置に設けられ、
前記信号配線の線幅は非一様であり、当該信号配線のうち線幅が最も細い部分のうち一部は、前記ノズル開口面の側から平面視で前記共通排出路と重複する範囲に設けられている。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記共通排出路は、前記個別排出路から伝わるインクの圧力変化を減衰させる緩衝部を有し、
前記緩衝部は、前記共通排出路に対して前記配線面が設けられている側とは異なる面に沿って設けられている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部は、ICである。
また、請求項12記載の発明は、請求項7〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部と、
当該駆動部と前記信号配線の前記加圧部に接続される側とは反対側の端部との間を接続する接続部と、
を備え、
前記駆動部は、前記配線面上で前記接続部に直接接続され、当該駆動部の少なくとも一部は、前記ノズル開口面の側から平面視で前記共通排出路と重複する範囲に設けられている。
また、請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記加圧部はピエゾ素子を有し、
前記ピエゾ素子にはPZT薄膜が含まれる。
また、請求項14記載の発明は、
請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備える画像形成装置である。
本発明に従うと、小サイズ低コストで種々のノズル配置が可能なインクジェットヘッドを得ることができるという効果がある。
画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。 ヘッドユニットのインク吐出面側を見た底面図である。 インクジェットヘッドの外観を示す斜視図である。 インクジェットヘッドの外観を示す斜視図である。 インクの流路構成の全体を示す模式図である。 インクジェットヘッドの断面の一部を示す図である。 アクチュエーター基板の上面の配置を説明する概略図である。 信号配線の一部と、ヘッドチップの内部構造との位置関係を示す図である。 アクチュエーター基板の上面の配置の変形例1を説明する概略図である。 変形例1の配置における信号配線とヘッドチップ内の構成との位置関係の例を示す図である。 インクジェットヘッドの変形例について説明する図である。 変形例2のヘッドチップを有するインクジェットヘッドの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置1の概略構成を示す斜視図である。画像形成装置1は、搬送部2と、ヘッドユニット3などを備えるインクジェット記録装置である。
搬送部2は、2本の搬送ローラー2a、2bと、輪状の搬送ベルト2cなどを備える。搬送ローラー2a、2bは、X方向に回転軸が延びる向きで平行に配置されている。搬送ベルト2cは、搬送ローラー2a、2bの間に架け渡されて、搬送ローラー2aが図示略の搬送モーターの動作に応じて回転することで周回移動する。搬送ローラー2bは、搬送ベルト2cの周回移動に従って回転する。搬送ベルト2cの外周面(搬送面)がZ方向に向いている(上向きの)区間で、当該外周面上に載置された記録媒体Mが搬送ベルト2cの周回移動に従ってY方向に搬送される。
ヘッドユニット3は、搬送部2により搬送される記録媒体Mに対して画像データに基づいて適切なタイミングでインクを吐出して画像を記録する。ヘッドユニット3は、記録媒体Mが搬送面上に載置される範囲で当該搬送面方向にインクを吐出可能に、ここでは、搬送面とインクの吐出面とが対向するように配置されている。この画像形成装置1では、複数、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の4色のインクをそれぞれ吐出する4つのヘッドユニット3が、例えば、記録媒体Mの搬送方向について上流側からY、M、C、Kの色の順に所定の間隔で配列されている。ヘッドユニット3の数は4つでなくてもよく、ヘッドユニット3の数に応じた色数のインクが吐出可能とされ得る。また、有色インクだけではなく、被膜などを形成する透明インクなどが含まれていてもよい。
図2は、ヘッドユニット3のインク吐出面側を見た底面図である。ヘッドユニット3は、各々、支持部材に複数、ここでは8個のインクジェットヘッド100を固定保持している。各インクジェットヘッド100には、それぞれ、ヘッドチップ101の吐出面側の面であるノズル開口面NPに複数のノズル開口Nが配列されている。ここでは、ノズル開口Nは、Y方向(搬送方向)について4箇所の位置でそれぞれX方向(搬送方向に垂直な方向)に延びるノズル列上に設けられている。ノズル開口Nは、全体として、X方向について記録媒体Mへの画像記録可能幅にわたって連続して所定のノズル間隔で配置されている。
記録媒体Mは、特には限られないが、一定の寸法に裁断された枚葉紙であってよい。記録媒体Mは、図示略の媒体供給部から搬送ベルト2c上に供給され、ヘッドユニット3から吐出されたインクが着弾して画像が記録(必要に応じて乾燥、定着動作を含んでもよい)された後に搬送部2から媒体排出部に送られる。あるいは、記録媒体Mとしては、ロール紙が用いられてもよい。また、記録媒体Mとして、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂など、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体が用いられてもよい。
図3A及び図3Bは、ヘッドユニット3が備えるインクジェットヘッド100の外観を示す斜視図である。インクジェットヘッド100は、ヘッドチップ101と、保持部102と、共通インク貯留部103などを備える。インクジェットヘッド100は、ヘッドチップ101が搬送ベルト2cと対向する向きでヘッドユニット3により保持されている。
ヘッドチップ101には、ノズル開口Nが二次元配列されており、当該ノズル開口Nからそれぞれインクが吐出される。なお、図面におけるノズル開口Nの配置は説明のためのものであり、実際のノズル間隔やノズル開口Nの数などを反映したものではない。
保持部102は、ヘッドチップ101の上面(ノズル開口面NPの側とは反対側。+Z側)に接合されており、また、共通インク貯留部103を支持している。
共通インク貯留部103には、ノズル開口Nに供給するインクを貯留する共通供給インク貯留部1031(インク貯留部)と、ノズル開口Nから吐出されずに排出、回収されたインクを貯留する2つの共通排出インク貯留部1032とが含まれる。それぞれの共通インク貯留部103には、各ヘッドユニット3から吐出される色(すなわち、ここでは、YMCKのうちいずれか)のインクが貯留される。ここでは、共通供給インク貯留部1031が共通インク貯留部103の中央に設けられ、上方からの平面視で当該共通供給インク貯留部1031のX方向について両側に共通排出インク貯留部1032が設けられている。
共通インク貯留部103の略中央、すなわち、共通供給インク貯留部1031の略中央には、ヘッドチップ101に接続されるフレキシブルプリント基板(FPC111)が貫通する空間が設けられている。共通供給インク貯留部1031には、供給口1033(インレット)を介してインクが供給され、供給されたインクは、後述のインク供給路を介して各ノズル開口Nに送られる。ノズル開口Nから吐出されなかったインクは、後述のインク排出路を介して共通排出インク貯留部1032に排出される。共通排出インク貯留部1032からは、排出口1034(アウトレット)を介してインクが排出される。
図4は、インクの流路構成の全体を示す模式図である。画像形成装置1は、メインタンク91と、供給用サブタンク92と、還流用サブタンク93などを備える。
メインタンク91は、供給用サブタンク92に供給されるインクを貯留する。メインタンク91は、送液ポンプ81を介してインク流路71によって供給用サブタンク92と接続されている。送液ポンプ81の動作により、インクは、メインタンク91から供給用サブタンク92に送液される。
供給用サブタンク92は、インクジェットヘッド100の共通供給インク貯留部1031に供給されるインクを貯留する。供給用サブタンク92は、インク流路72によって供給口1033と接続されている。
還流用サブタンク93は、共通排出インク貯留部1032から排出されたインクを貯留する。還流用サブタンク93は、インク流路73によって2つの排出口1034に接続されている。
供給用サブタンク92と還流用サブタンク93との間は、送液ポンプ82を介してインク流路74によって接続されている。送液ポンプ82の動作により、還流用サブタンク93内のインクが供給用サブタンク92に戻される。
供給用サブタンク92は、ヘッドチップ101のインク吐出面よりも鉛直方向について高い位置に設けられ、還流用サブタンク93は、インク吐出面よりも鉛直方向について低い位置に設けられている。したがって、供給用サブタンク92の液面とインク吐出面との間の水頭差による圧力P1と、インク吐出面と還流用サブタンク93との間の水頭差による圧力P2に応じて、供給口1033におけるインクの圧力は、排出口1034におけるインクの圧力よりも高くなる。供給用サブタンク92及び還流用サブタンク93の鉛直方向についての高さ(すなわち、圧力P2)は、変更可能であってよい。
図5は、インクジェットヘッド100の断面の一部を示す図である。ここでは、2つのノズル211及び接続部35を含む図3Bの断面線AAで示す部分の断面を示す。上述のように、ノズル開口Nは、各々X方向について互いに異なる位置に設けられているので、2つのノズル開口Nをそれぞれ含む面をつなげて示していることになる。
ヘッドチップ101は、ノズル基板21と、中間基板22と、アクチュエーター基板23と、保護基板24(共通供給インク貯留部1031の壁面の少なくとも一部をなす部材)などを有する。これらのノズル基板21、中間基板22、アクチュエーター基板23及び保護基板24は、順番に積層されている。
ノズル基板21は、例えば、Si層のノズル層21a及びノズル支持層21cの間に酸化膜層21bを挟んだSOI基板(Silicon on Insulator)である。あるいは、ノズル基板21は、ポリイミドなどの樹脂材料やSUSなどの金属材料によって形成されていてもよい。
ノズル層21aには、インクの液滴を吐出するノズル211が複数形成されている。ノズル層21aのZ方向についての厚さは、例えば、10〜20μmである。ここでは、例えば、X方向に所定の間隔(例えば、インクジェットヘッド100におけるノズル間隔の4倍)で配列されたノズル211の並び(ノズル列)がY方向(搬送方向)に互いに異なる位置に複数列(例えば4列)設けられている。
ノズル支持層21cは、例えば、厚さ100〜300μmである。ノズル支持層21cには、貫通孔213と、個別排出路214などが設けられている。個別排出路214は、一端がノズル211とインク室231bの間で貫通孔213に接続しており、他端がノズル支持層21cの+Z側の面(上面)で共通排出路222に接続している。個別排出路214は、ここでは、ノズル支持層21cの−Z側(底面)に開放しており、酸化膜層21bが当該底面側の内壁面をなしている。あるいは、個別排出路214に面する部分の酸化膜層21bが除去されて、ノズル層21aの上面が個別排出路214の底面側の内壁面をなしていてもよい。また、ノズル基板21の強度が得られる範囲でノズル層21aにまたがって個別排出路214が設けられていてもよい。
酸化膜層21bは、例えば、厚さ0.3〜1.0μmのSiO層である。酸化膜層21bには、ノズル層21aのノズル211とノズル支持層21cの貫通孔213との間を連通させる貫通孔212が設けられている。貫通孔212、213は、平面視でノズル211と同心であり、貫通孔212、213の内径は、ノズル211の内径よりも大きい。ノズル211は、逆テーパー形状を有し、ノズル開口Nに近いほど内径が狭い。
中間基板22は、例えば、厚さ100〜300μmのSi基板からなる。中間基板22には、貫通孔221と、共通排出路222と、緩衝部223(ダンパー)などが設けられている。
貫通孔221は、中間基板22をZ方向に貫通し、貫通孔213と接続している。貫通孔221の形状は、単純な円柱状に限られない。貫通孔221の径(及び断面積)が非一様とされるなどにより圧力損失の大きさ、すなわち、インクの吐出時の運動エネルギーが適宜な大きさに調整されるように構成されていてもよい。
共通排出路222には、上述のように個別排出路214の他端側(貫通孔213に接続する側とは反対側の端部)が接続して(複数の個別排出路214と連通して)いる。共通排出路222は共通排出インク貯留部1032につながっている(図示略)。なお、個別排出路214が中間基板22内に設けられて、当該中間基板22の内部で貫通孔221と共通排出路222とを接続していてもよい。このように、共通排出路222は、共通インク貯留部103、特に共通排出インク貯留部1032とノズル開口面NPとの間(ノズル開口面NPからの距離範囲が共通排出インク貯留部1032とは異なる位置)に設けられ、当該共通排出路222よりも更にノズル211寄りにある個別排出路214に流入したインクを共通排出インク貯留部1032に戻しやすくされている。すなわち、これら個別排出路214及び共通排出路222が、ノズル開口Nから吐出されなかったインクを共通排出インク貯留部1032に戻すインク排出路に含まれる。
緩衝部223は、可撓性を有する程度に薄い厚さの薄板223aと、空気室223bとを有する。薄板223aは、ここでは、共通排出路222の上側壁面の少なくとも一部をなしている。空気室223bは、当該薄板223aを挟んで共通排出路222とは反対側(ここでは、薄板223aの上側)に設けられている。空気室223bの高さ方向についての厚さは、少なくとも薄板223aの変形を妨げない程度(例えば、1〜100μm)である。また、空気室223bの容積は、共通排出路222の容積よりも小さい。空気室223bは、大気連通されていてもよいし、密閉されていてもよい。また、大気連通用の孔部を開閉する蓋部材などが設けられていてもよい。
緩衝部223は、共通排出路222内のインク圧が変化した場合や、当該インク中を圧力波が伝わる場合に、インクの圧力と空気室223b内の空気圧との差に応じて薄板223aが変形、振動することで圧力変化を緩和、減衰させる。また、薄板223aは、インク圧と空気室223b内の空気圧との差に応じて弾性変形して伸縮するものであってもよく、あるいは、弾性変形する部材が薄板223aの表面(共通排出路222の側)に設けられていてもよい。
中間基板22は、共通排出路222及び薄板223aを含む部分と、空気室223bを含む部分とで別個の基板により構成されて積層されたものであってもよい。
アクチュエーター基板23は、インク室層23aと、振動層23bを含む。インク室層23aは、例えば、100〜300μm程度のSi基板からなる。インク室層23aには、インクに圧力変動を付与するためのインク室231b及びX方向についてその両側にそれぞれ設けられた流路孔231a、231cを含むインク流路231が設けられている。インク室231bは、このインク流路231の中央(厳密な中央から多少ずれていてもよい)に設けられ、当該インク流路231の一端の側の流路孔231cが中間基板22の貫通孔221とインク室231bとに接続されている。ここでは、インク流路231は、インク室層23aを上下に貫通して設けられ、中間基板22の上面がインク室231bの下側の壁面となり、振動層23bがインク室231bの上側の壁面となる。
振動層23bは、例えば、1〜10μm程度の薄い弾性変形可能なSi基板であり、インク室層23aの上面に接して設けられている。振動層23bには、インク室層23aのインク流路231の他端(貫通孔221と接続される流路孔231cとは反対側)に設けられている流路孔231aと共通供給インク貯留部1031とを連通させるための貫通孔232が設けられている。
振動層23bの上面上(インク室層23aとは反対側の面上)には、上方から見た平面視でインク室231bの位置に合わせて加圧部31が設けられている。加圧部31は、ここでは、ピエゾ素子を有する。ピエゾ素子は、下部電極311と、圧電体層312と、上部電極313とを有し、これらが順番に積層、固着されている。圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などが用いられればよい。下部電極311が振動層23bの上面に固定されており、上部電極313と下部電極311との間に印加された電圧差に応じて圧電体層312が伸縮変形することで振動層23bが歪む。上部電極313と下部電極311との間の電圧を周期的に変化させることで振動層23bの歪みパターンを周期的に変化させて、当該歪みに応じてインク室231bの容積を変化させ、インク室231b内部のインクに圧力変化を付与する。
下部電極311は、例えば、チタン(Ti)や白金(Pt)等の薄膜状の層である。圧電体層312は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などである。上部電極313は、例えば、クロム(Cr)や金(Au)などの薄膜である。これらは、それぞれ振動層23bの上面に順番に成膜されて形成されてよい。これら加圧部31と振動層23bとにより、インク室231bを変形振動させる本実施形態のアクチュエーターが構成されている。
アクチュエーター基板23の上面(ノズル開口面NPからの距離が共通排出路222と共通供給インク貯留部1031との間である)は、下部電極311及び上部電極313に駆動信号(ここでは、電圧信号)を伝えるための信号配線36と、当該信号配線36を駆動部に接続する配線とを接続する(実装する)ための接続部35(実装部)とが設けられた配線面となっている。ここでは、接続部35は、駆動部、例えば、駆動ICが設けられたFPC111のアクチュエーター基板23への接続部分、すなわち、FPC111に対する接続端子及び/又はFPC111の各信号配線と信号配線36との接着部材(導電部材である)の配列などである。上述のように、FPC111は、共通供給インク貯留部1031の略中央部から上方(Z方向)に引き出されている。FPC111の回路配線とアクチュエーター基板23上の信号配線36とは、接続部35において、例えば、間に挟まれた異方性導電フィルム(ACF)を介して熱圧着されている。あるいは、異方性導電ペースト(ACP)や銀ペーストなどが用いられて接続されていてもよい。アクチュエーター基板23の上面における接続部35の面積は、FPC111と信号配線36との信号伝送に問題を生じない範囲で小さく定めることができる。信号配線36と振動層23bとの間は、適宜絶縁層(例えば、SiO膜など)により絶縁されている。ここでは、下部電極311には共通電位(例えば、接地電位)が供給され、上部電極313に対しては、個別の信号配線36により、駆動部から各々出力された個別の駆動信号が送られる。
保護基板24は、例えば、42アロイにより構成された基板であり、アクチュエーター基板23との接触面側には、加圧部31などを収容する空間が形成されている。また、保護基板24には、上下方向に貫通孔241が形成されている。貫通孔241は、共通供給インク貯留部1031と貫通孔232との間を接続している。ここでは、保護基板24は、共通供給インク貯留部1031の底壁面(壁面の少なくとも一部をなす部材であり、ヘッドチップ101との接続面)をなしている。
すなわち、供給用サブタンク92から供給口1033を経て共通供給インク貯留部1031に供給されたインクは、貫通孔241、232、流路孔231a、231c、貫通孔221、213(これらがまとめてインク供給路をなす)及び当該インク供給路の途中(流路孔231a、231cの間)に設けられたインク室231bを通ってノズル211に送られる。この途中、貫通孔241、232の境界面(貫通部分)でインク供給路は配線面を貫通する。貫通孔213に送られたインクのうち一部は、インク室231bで付与された圧力変動に応じてノズル211から吐出される。ノズル211から吐出されないインクは、インク排出路、すなわち、個別排出路214及び共通排出路222などを通って共通排出インク貯留部1032に流れ、さらに、排出口1034から還流用サブタンク93に戻される。このインクは、適宜、異物などを除去するフィルターなどを介して、還流用サブタンク93から再び供給用サブタンク92に送られることで循環する。
次に、アクチュエーター基板23上の配線について説明する。
図6は、アクチュエーター基板23の上面の配置を説明する概略図である。
上述のように、平面視でノズル開口Nの位置(ノズル211の位置)には、貫通孔221、213及び流路孔231cが設けられ、これらに隣接してそれぞれインク室231bが設けられる。このインク室231bと平面視同一位置にそれぞれ加圧部31が設けられる。貫通孔241、232及び流路孔231aは、インク室231に対して貫通孔221、213及び流路孔231cと反対側の略対称な位置に設けられている。
4列配列されたノズル列の中央2列の間には、信号配線と駆動部とを接続する接続部35が設けられている。すなわち、接続部35に対して±Y方向(少なくとも一方向の側)には、それぞれ加圧部31及びインク供給路の貫通部分(貫通孔232、241の境界部分)が二次元配置されていることになる。接続部35と各加圧部31との間には、各々後述のように信号配線が設けられる。ここでは、接続部35のY方向について一方の側にある2列のノズル列NLが対向するように、ノズル列NLごとにノズル開口Nのインク室231b及び加圧部31に対する位置が反転して設けられている。
図7は、アクチュエーター基板23上の信号配線36の一部と、ヘッドチップ101の内部構造との位置関係を示す図である。
上述のように、加圧部31(ここでは上部電極313)及び当該加圧部31による圧力変動の付与を受けるインク室231bに連通するインク供給路の貫通部分(貫通孔232、241の境界部分)は、接続部35の両側に二次元配置、ここでは、Y方向について互いに異なる2つの位置に、X方向に複数並んだ配列がそれぞれ(複数の列状に)設けられている。接続部35から加圧部31の上部電極313へ延びる信号配線36は、このY方向に延びるものの少なくとも一部が、アクチュエーター基板23上(すなわち配線面上)において平面視で2列のノズル列NLのうち接続部35に近い側の列のノズル211に対応する隣り合う(隣り合うとは、本実施形態においてX方向について中心位置がノズル間隔の4倍の間隔で並んでいることを意味する)2つの加圧部31及び当該加圧部31に対応するインク室231bへのインク供給路の貫通部分の間を通過する。
信号配線36は、これらの通過部分において、加圧部31の間隔や接続部分の間隔に応じて線幅が部分的に狭くなっていて(線幅が非一様で)よい。線幅が広いほうが信号配線36の電気抵抗が小さくなり、消費電力が抑えられるので、信号配線36の幅は、一様に細く設けられるのではなく、十分な線幅で設けるのが難しい部分について、部分的に狭くすればよい。
また、信号配線36は、隣り合う2つの加圧部31(貫通部分)の間(その少なくとも一部)に複数本設けられてよい。信号配線36の設けられる位置は、加圧部31の配置などに応じて適宜定められてよい。
一部の信号配線36は、平面視で共通排出路222と重複する範囲を通過する。このように重なる部分は、例えば、上述のように線幅が部分的に狭くなっている(ここでは特に、最も細い)部分とされてよい。インクの流れに沿った位置で発熱しやすい部分を設けることで、熱がインク流に伝わりやすく、効果的に放熱され、かつインクが滞留しにくいので、インクが局所的に過熱状態になることも避けやすい。また、信号配線36の一部は、積層されたアクチュエーター基板23と保護基板24及び共通インク貯留部103との間を通過する。
これらの信号配線36は、半導体プロセスによりアクチュエーター基板23上に当該アクチュエーター基板23と一体的に形成されればよい。上述のように、ACFなどを介して接続部35でFPC111と接続される。信号配線36の形成後、さらに保護基板24が信号配線36の上方(+Z側)に設けられる。すなわち、信号配線36が隣り合う貫通部分の間を通過する部分(そのうち少なくとも一部)は、保護基板24(共通供給インク貯留部1031の底壁面をなす部分)により覆われている。
[変形例1]
図8は、アクチュエーター基板23の上面の配置の変形例1を説明する概略図である。
この変形例では、接続部の延在方向に対して垂直な方向両側にそれぞれ4列に加圧部31がインク室231bに重なって配置される。これらの加圧部31は、2列ずつ組み合わせて互い違いに設けられており、当該2列の加圧部31に対応(インク室231bに連通)するノズル開口Nは、Y方向について同一の位置にX方向に沿って交互に一列に配置されて、ノズル列NLをなす。
ノズル開口Nに比して加圧部31は、表面積が大きい。したがって、加圧部31がノズル開口Nの列に対して互い違いに両側に配列されることで、ノズル開口Nの配置間隔を狭めることができる。4組8列の加圧部31の位置は、それぞれX方向について異なる位置に所定の間隔で配置されている。
図9は、変形例1の配置におけるアクチュエーター基板23上の配線と、ヘッドチップ101内の構成との位置関係の例を示す図である。
この変形例1のように、接続部35の一方の側に当該接続部35の延在方向(X方向)に沿った方向に伸びるノズル列NLの数が多い場合には、加圧部31や貫通孔232の間を通る信号配線36の数も多くなる。上述のように、必要な配線数が通過可能に信号配線36が部分的に細く形成されてよい。
[変形例2]
図10は、インクジェットヘッドの変形例について説明する図である。
この断面は、図5に示した断面の一部であり、同一の構成要素については同一の符号を付している。
この変形例2のヘッドチップ101aでは、アクチュエーター基板23上で接続部35において、駆動部40が直接接続部35に接続されている。また、共通排出路222において、緩衝部223は、底面側(−Z側)に設けられている。ここでは、駆動部40として小型の駆動ICが用いられることで、このようにアクチュエーター基板23の接続部35に直接配置されても場所をとらない。
緩衝部223が共通排出路222に対して、信号配線36が設けられた配線面のある側とは異なる面に沿って設けられることで、信号配線36の駆動信号により生じた熱が共通排出路222内のインク流に伝わって排出されやすくなるので、ヘッドチップ101aの過熱がより効果的に避けられる。
図11は、変形例2のヘッドチップ101aを有するインクジェットヘッド100aの斜視図である。
駆動部40が直接アクチュエーター基板23上に配置される場合、駆動部40への制御信号用の制御配線の数は、全ての加圧部31を各々動作させるための個別の信号配線36より非常に少なくてよい。この場合、制御配線が設けられる基板(FPC111)は、共通インク貯留部103a内を貫通させなくてもよく、ここでは、アクチュエーター基板23の端部に設けられている。制御配線は、駆動部40から接続部35の延在方向(X方向)にFPC111までアクチュエーター基板23上に設けられればよい。
また、駆動部40は、その少なくとも一部が平面視で共通排出路222と重複する範囲に設けられている。信号配線36と同様に、駆動部40が生じた熱がインク流に伝わることで、ヘッドチップ101aの過熱を抑制して効果的に排熱を行うことができる。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド100は、複数のノズル211(各々ノズル開口Nを有する)と、当該複数のノズル211に各々インクを供給するインク供給路となる貫通孔212、213、221、232、241及び流路孔231a、231cと、インク供給路の途中にそれぞれ設けられたインク室231bと、インク室231bのそれぞれ内部のインクに各々圧力変動を付与する加圧部31と、インク供給路に供給するインクを貯留する共通供給インク貯留部1031と、加圧部31への駆動信号をそれぞれ伝える信号配線36と、を備える。共通供給インク貯留部1031は、複数のノズル開口Nが設けられたノズル開口面NPからインク室231bよりも離れた位置に設けられ、信号配線36が設けられた配線面は、ノズル開口面NPからの距離がインク室231bと共通供給インク貯留部1031との間の位置に設けられ、インク供給路は、配線面を貫通する貫通部分を各々有し、信号配線36は、隣り合う貫通部分の間を通って設けられている部分を含む。
このように、インクジェットヘッド100において、信号配線36が配線面を貫通するインク供給路の間を通るように配置することで、配線の柔軟性を向上させ、大型化せずに低コストでノズルを種々のパターンで配置が可能となる。
また、信号配線36の配線面は、当該配線面上の信号配線36の少なくとも一部が、共通供給インク貯留部1031の壁面の少なくとも一部をなす保護基板24に覆われている。信号配線36をインク供給路間の狭い部分に通した場合に、このように保護基板24で上面を保護することで、主に短絡や断線などの配線トラブルを防ぐことができる。これにより、インクジェットヘッド100の信頼性をより安定的に向上させることができる。
また、上記貫通部分は、配線面内で複数の信号配線36の加圧部31に接続される側とは反対側の端部に対して少なくとも一方向の側で二次元配置されており、信号配線36は、少なくとも一方向の側で隣り合う貫通部分の間を通って設けられている部分を含む。
このように、ノズル開口N及び当該ノズル開口Nへのインク供給路や加圧部31が二次元配置され、当該二次元配置された加圧部31に対して各々信号配線36を設ける場合に、当該信号配線36が配線面を貫通するインク供給路の間を通るように配置することで、効率的に配線数を増やし、大型化せずにノズルの配置密度を向上させることができる。
また、インクジェットヘッド100は、信号配線36に駆動信号を出力する駆動部40と信号配線36の上記反対側の端部との間を接続する接続部35を備える。すなわち、信号配線36は、アクチュエーター基板23上で接続部35を介して駆動部40に容易に接続される。
また、インク供給路のうち二次元配置されたものに各々連通するインク室231bは、複数の列状(列上)に配置され、2列のインク室に各々連通するノズル211は、交互に当該2列の間に1列に配置されている。すなわち、比較的表面積を必要とするインク室231bを配列の左右にずらし、ノズルの配列を一列とすることで、ノズルの配列密度をより向上させることができる。このような場合に上記のように信号配線36がインク供給路間を通るように構成することで、インクジェットヘッド100では、小型のヘッドでコストを大きく上昇させず、より効率的に高解像度の画像を出力させることができる。
また、少なくも一方向の側で隣り合うインク供給路の配線面の貫通部分の間の少なくとも一部には、複数の信号配線36が設けられている。このように、インク供給路間には、複数の信号配線36を通してよく、これにより、より高密度のノズル配置を効率的に行うことができる。
また、インクジェットヘッド100は、インク供給路の途中から各々インクを排出させる個別排出路214と、複数の個別排出路214に連通する共通排出路222と、を備える。これにより、インクの吐出をより安定して適正に行わせることが可能になる。
また、共通供給インク貯留部1031と共通排出路222とは、複数のノズル開口Nが設けられたノズル開口面NPから互いに異なる距離範囲に設けられている。これにより、比較的大きな面積を有する共通供給インク貯留部1031と共通排出路222により、ノズル面NPに平行な方向への面積の拡大を抑制することができるので、大型化の問題や加工に係るコスト増を抑制しやすい。
また、配線面は、ノズル開口面NPからの距離が共通排出路222と共通供給インク貯留部1031との間の位置に設けられ、信号配線36の線幅は非一様であり、当該信号配線36のうち線幅が最も細い部分のうち一部は、ノズル開口面NPの側から平面視で共通排出路222と重複する範囲に設けられている。
予め決まっているインク供給路の貫通部分の間隔に複数の信号配線36を通す場合には、配線の線幅を狭くする必要が生じる場合もある。このような場合には、当該配線を共通排出路222と近接させて配置することで、線幅の狭い複数の配線からの発熱を効果的にインク流に伝えることで、インクジェットヘッド100の過熱を抑制することができる。したがって、放熱に係るコストを上昇させずに安定してノズルが高密度配置されたインクジェットヘッド100を動作させることができる。
また、変形例2のインクジェットヘッド100aでは、共通排出路222は、個別排出路214から伝わるインクの圧力変化を減衰させる緩衝部223を有する。そして、この緩衝部223は、共通排出路222に対して配線面が設けられている側とは異なる面に沿って設けられている。
すなわち、このインクジェットヘッド100aでは、信号配線36と共通排出路222との間に緩衝部223を挟まない。これにより、より信号配線36と共通排出路222とを近接させて、効率的に発生した熱をインクへ逃がして排出させることができる。したがって、このインクジェットヘッド100aでは、小型構造内でより効率的に過熱を防止して安定してインク吐出動作を継続させることができる。
また、駆動部40は、駆動ICである。小型の駆動ICである駆動部40から駆動信号を各々信号配線36に対して出力することで、小型のインクジェットヘッド100から安定してインク吐出を行わせることができる。
また、インクジェットヘッド100aでは、駆動部40は、配線面上で接続部35に直接接続され、当該駆動部40の少なくとも一部は、ノズル開口面NPの側から平面視で共通排出路222と重複する範囲に設けられている。
このように、駆動部40がFPC111を挟まずに直接配線面上に設けられてもよい。これにより、FPC111と駆動部40との間の制御信号用の配線数を、個々の信号配線36と比較して大きく削減することができるので、FPC111の配置の自由度が向上し、共通インク貯留部103の構造を複雑化させなくてもよくなる。特に、駆動部40が駆動ICである場合には、構成の大型化が抑制される。また、駆動部40を共通排出路222と近接させることで、信号配線36だけでなく駆動部40の発する熱もインクに伝えて効果的に排熱させることができる。これにより、インクジェットヘッド100aを小型のまま効率的により安定して動作させることができる。
また、加圧部31はピエゾ素子を有し、ピエゾ素子には圧電体層312としてPZT薄膜が含まれる。このように、ピエゾ式の加圧部31を有する場合に、インク室231bのサイズに応じた加圧部31が必要となるが、インク供給路の貫通部分の間を通して信号配線36を当該加圧部31に接続するので、配線面を効率的に利用し、水平面積を拡大せずに小型のまま効率的にインクジェットヘッド100aのノズル配置を高密度化することができる。
また、本実施形態の画像形成装置1は、上述のインクジェットヘッド100、100aを備える。上述のインクジェットヘッド100、100aを用いることで、画像形成装置1では、大型化せずに高解像度の画像を安定して出力させることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、また、上記実施の形態では、ノズル列NLごとに共通排出路222が設けられたが、複数のノズル列NLに係る貫通孔213から分岐する個別排出路214が共通の共通排出路222に接続される構造であってもよい。
また、上記実施の形態では、中間基板22に共通排出路222が設けられたが、中間基板22とノズル基板21にそれぞれ凹部を設け、位置を合わせて流路を設けることで、中間基板22とノズル基板21にまたがって共通排出路222が設けられてもよい。
また、上記実施の形態では、ノズル開口Nから吐出されないインクを個別排出流路214及び共通排出流路222を介して共通排出インク貯留部1032に戻して排出、回収、循環させることが可能な場合について説明したが、これらの排出に係る流路が設けられていなくてもよい。排出に係る構成がないとしても、ノズル間隔に応じた間隔で配列されたインク供給路に対し、配線面内で、特に、当該配列方向について隣り合うインク供給路の隙間を通るように信号配線を配置させることで、小サイズかつ低コストでの柔軟なノズル配置が可能となる。
また、上記実施の形態では、ノズル開口Nが複数のノズル列NL上に等間隔で配列されたが、このように規則正しく二次元配列されていなくてもよい。この場合でも複数のノズル開口Nに応じてノズル間隔又はその数倍程度の間隔で、ここでは、X方向について隣り合うインク供給路の間隙を通って信号配線36が設けられている部分を有していればよい。
また、上記実施の形態では、圧電体膜を変動させてインク室を変形させることによりインクに圧力変動を付与する場合を例に挙げて説明したが、抵抗素子に電流を流して発熱させ、インクの気泡を生じさせることでインクを吐出させるサーマル式であってもよい。この場合、加圧部である抵抗素子は、インク供給路内に設けられ、当該抵抗素子が設けられた範囲をインク室とすればよい。インク供給路とノズルとは、厳密に区分けされる必要はなく、インク供給路の先端でインクの吐出液滴のサイズ、形状や方向などを規定する部分がノズルに当たる。
また、上記実施の形態では、X方向に延在する接続部35のY方向について両側に加圧部31が二次元配置されたが、Y方向について片側にのみ加圧部31が二次元配置されていてもよいし、中央の接続部の三方や四方を取り囲むように接続部35が二次元配置されていてもよいし、一次元配列されている方向があってもよい。
また、上記実施の形態では、保護基板24が共通供給インク貯留部1031の底壁面をなしているものとして説明したが、共通排出インク貯留部1032の底壁面もなしていてもよいし、共通排出インク貯留部1032は別途筐体が保護基板24上に設けられたものであってもよい。
また、上記実施の形態では、必要に応じて信号配線36の線幅を細くできるものとして説明したが、細くする必要がないのであれば、均一の線幅であってもよい。また、構造上、線幅が細い部分について、厚みを増せるのであれば、そのように信号配線36が形成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、ノズル基板21、中間基板22及びアクチュエーター基板23がいずれも平行平板であるものとして説明したが、互いに凹凸を有してはめあわせる形状であってもよい。また、信号配線36が配線面上に二次元配置されるものとして説明したが、構造上、配線面に厚み方向についての若干の幅を有していてよく、信号配線36は、当該幅内で上下方向に延びている部分が含まれていてよい。また、加圧部31の位置に応じて信号配線36が加圧部31を含む又は加圧部31に近接する平面内に設けられていてもよいし、加圧部31とは異なる配線面から加圧部31の上部電極に接続する垂直配線に接続される構成であってもよい。
また、インクジェットヘッド100は、画像形成装置1とセットで流通されてもよいし、単体で流通されてもよい。
その他、上記実施の形態で示した構造、配置や材質などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
この発明は、インクジェットヘッド及び画像形成装置に利用することができる。
1 画像形成装置
2 搬送部
2a、2b 搬送ローラー
2c 搬送ベルト
3 ヘッドユニット
21 ノズル基板
21a ノズル層
21b 酸化膜層
21c ノズル支持層
211 ノズル
212 貫通孔
213 貫通孔
214 個別排出路
22 中間基板
221 貫通孔
222 共通排出路
223 緩衝部
223a 薄板
223b 空気室
23 アクチュエーター基板
23a インク室層
23b 振動層
231 インク流路
231a、231c 流路孔
231b インク室
232 貫通孔
24 保護基板
241 貫通孔
31 加圧部
311 下部電極
312 圧電体層
313 上部電極
35 接続部
36 信号配線
40 駆動部
71〜74 インク流路
81、82 送液ポンプ
91 メインタンク
92 供給用サブタンク
93 還流用サブタンク
100、100a インクジェットヘッド
101、101a ヘッドチップ
102 保持部
103、103a 共通インク貯留部
1031 共通供給インク貯留部
1032 共通排出インク貯留部
1033 供給口
1034 排出口
M 記録媒体
N ノズル開口
NL ノズル列
NP ノズル開口面

Claims (14)

  1. 複数のノズルと、
    前記複数のノズルに各々インクを供給するインク供給路と、
    前記インク供給路の途中にそれぞれ設けられたインク室と、
    前記インク室のそれぞれ内部のインクに各々圧力変動を付与する加圧部と、
    前記インク供給路に供給するインクを貯留するインク貯留部と、
    前記加圧部への駆動信号をそれぞれ伝える信号配線と、
    を備え、
    前記インク貯留部は、前記複数のノズルの開口が設けられたノズル開口面から前記インク室よりも離れた位置に設けられ、
    前記信号配線が設けられた配線面は、前記ノズル開口面からの距離が前記インク室と前記インク貯留部との間の位置に設けられ、
    前記インク供給路は、前記配線面を貫通する貫通部分を各々有し、
    前記信号配線は、隣り合う前記貫通部分の間を通って設けられている部分を含む
    インクジェットヘッド。
  2. 前記配線面は、当該配線面上の前記信号配線の少なくとも一部が、前記インク貯留部の壁面の少なくとも一部をなす部材に覆われている請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記貫通部分は、前記配線面内で複数の前記信号配線の前記加圧部に接続される側とは反対側の端部に対して少なくとも一方向の側で二次元配置されており、
    前記信号配線は、前記少なくとも一方向の側で隣り合う前記貫通部分の間を通って設けられている部分を含む
    請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 当該信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部と前記信号配線の前記反対側の端部との間を接続する接続部を備える請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記インク供給路のうち前記二次元配置されたものに各々連通する前記インク室は、複数の列状に配置され、
    2列の前記インク室に各々連通する前記ノズルは、交互に当該2列の間に一列に配置されている請求項3又は4記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記少なくも一方向の側で隣り合う前記貫通部分の間の少なくとも一部には、複数の前記信号配線が設けられている請求項3〜5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記インク供給路の途中から各々インクを排出させる個別排出路と、
    複数の前記個別排出路に連通する共通排出路と、
    を備える
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記インク貯留部と前記共通排出路とは、前記複数のノズルの開口が設けられたノズル開口面から互いに異なる距離範囲に設けられている
    請求項7記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記配線面は、前記ノズル開口面からの距離が前記共通排出路と前記インク貯留部との間の位置に設けられ、
    前記信号配線の線幅は非一様であり、当該信号配線のうち線幅が最も細い部分のうち一部は、前記ノズル開口面の側から平面視で前記共通排出路と重複する範囲に設けられている
    請求項7又は8記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記共通排出路は、前記個別排出路から伝わるインクの圧力変化を減衰させる緩衝部を有し、
    前記緩衝部は、前記共通排出路に対して前記配線面が設けられている側とは異なる面に沿って設けられている
    請求項9記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部は、ICである請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記信号配線に前記駆動信号を出力する駆動部と、
    当該駆動部と前記信号配線の前記加圧部に接続される側とは反対側の端部との間を接続する接続部と、
    を備え、
    前記駆動部は、前記配線面上で前記接続部に直接接続され、当該駆動部の少なくとも一部は、前記ノズル開口面の側から平面視で前記共通排出路と重複する範囲に設けられている
    請求項7〜10のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記加圧部はピエゾ素子を有し、
    前記ピエゾ素子にはPZT薄膜が含まれる
    請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを備える画像形成装置。
JP2020534018A 2018-08-03 2018-08-03 インクジェットヘッド及び画像形成装置 Pending JPWO2020026436A1 (ja)

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