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JPWO2018066080A1 - 有害微量元素溶出抑制方法及び石炭火力発電システム - Google Patents

有害微量元素溶出抑制方法及び石炭火力発電システム Download PDF

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JPWO2018066080A1
JPWO2018066080A1 JP2017505672A JP2017505672A JPWO2018066080A1 JP WO2018066080 A1 JPWO2018066080 A1 JP WO2018066080A1 JP 2017505672 A JP2017505672 A JP 2017505672A JP 2017505672 A JP2017505672 A JP 2017505672A JP WO2018066080 A1 JPWO2018066080 A1 JP WO2018066080A1
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英嗣 清永
健治 引野
健治 引野
啓一郎 盛田
啓一郎 盛田
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Abstract

石炭灰からの有害微量元素の溶出を抑制しつつ、燃焼ボイラ内においてスラッギング及びファウリングの発生を抑制できる有害微量元素溶出抑制方法を提供すること。
石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機141と、微粉炭機141で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段に供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラ16と、を備えた石炭火力発電システムにおける有害微量元素溶出抑制方法であって、微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に燃焼ボイラ16に供給する。

Description

本発明は、有害微量元素溶出抑制方法及び石炭火力発電システムに関する。
発電所等の燃焼ボイラにおいて、石灰石等のカルシウム含有物を溶出抑制剤として石炭に添加することにより、石炭に含まれるフッ素、ホウ素、セレン、ヒ素、六価クロム等の有害な微量元素(以下、「有害微量元素」ともいう)を燃焼残渣である石炭灰から溶出しにくくする有害微量元素の溶出抑制方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−170110号公報
燃焼ボイラにカルシウム含有物からなる溶出抑制剤を投入すると、石炭灰の溶融温度(以下、「灰融点」ともいう)が低くなるため、燃焼ボイラ内においてスラッギング及びファウリングが発生しやすくなる。
従って、本発明は、石炭灰からの有害微量元素の溶出を抑制しつつ、燃焼ボイラ内におけるスラッギング及びファウリングの発生を抑制できる有害微量元素溶出抑制方法及び石炭火力発電システムを提供することを目的とする。
(1)石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機と、前記微粉炭機で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段に供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラと、を備えた石炭火力発電システムにおける有害微量元素溶出抑制方法であって、微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に前記燃焼ボイラに供給する有害微量元素溶出抑制方法。
(2)前記溶出抑制剤は、石灰石、消灰石及び生石灰からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする(1)に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
(3)前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に供給することを特徴とする(1)又は(2)に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
(4)石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機と、前記微粉炭機で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段で供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラと、を備えた石炭火力発電システムにおいて、微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に前記燃焼ボイラに供給する溶出抑制剤供給部を備える石炭火力発電システム。
(5)前記溶出抑制剤供給部は、前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に供給することを特徴とする(4)に記載の石炭火力発電システム。
(6)前記溶出抑制剤供給部は、前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に設けられたガス再循環通風機63の下流側に供給することを特徴とする(4)又は(5)に記載の石炭火力発電システム。
本発明によれば、石炭灰からの有害微量元素の溶出を抑制しつつ、燃焼ボイラ内におけるスラッギング及びファウリングの発生を抑制できる。
石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設1を示す概略構成図である。 微粉炭燃焼施設1における火炉161とその周辺の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書に添付した図面では、各部の形状、配置等を模式的に示している。
<A:石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設1の構成>
図1は、石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼施設1を示す概略構成図である。
石炭火力発電システムは、図1に示す微粉炭燃焼施設1のほか、不図示の蒸気タービン、発電機等を備える。後述する微粉炭燃焼部16において、微粉炭の燃焼時に発生した熱は、蒸気に変換される。この蒸気により蒸気タービンが回されることにより、発電機で発電が行われる。微粉炭燃焼部16において、微粉炭の燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)、煤塵、硫黄酸化物(SOx)等は、後段の脱硝装置181、集塵機182及び脱硫装置(不図示)で除去され、煙突から排出される。
図1に示すように、微粉炭燃焼施設1は、石炭供給部12と、微粉炭生成部14と、微粉炭燃焼部(燃焼ボイラ)16と、石炭灰処理部18と、溶出抑制剤供給部20と、を備える。
石炭供給部12は、微粉炭生成部14へ石炭を供給する。微粉炭生成部14は、石炭供給部12から供給された石炭を微粉炭にする。微粉炭燃焼部16は、微粉炭を燃焼させる。石炭灰処理部18は、微粉炭の燃焼により生成された石炭灰を処理する。溶出抑制剤供給部20は、有害微量元素の溶出抑制剤を微粉炭燃焼部16へ供給する。
<A−1:石炭供給部12>
石炭供給部12は、石炭バンカ121と、給炭機122と、を備える。石炭バンカ121は、給炭機122へ供給する石炭を貯蔵する。給炭機122は、石炭バンカ121から供給された石炭を連続して微粉炭機141(後述)へ供給する。給炭機122は、石炭の供給量を調整する装置(不図示)を備える。給炭機122は、微粉炭機141に供給される石炭量を調整できる。また、石炭供給部12は、石炭バンカ121と給炭機122との境界に石炭ゲート(不図示)を備える。この石炭ゲートは、給炭機122からの空気が石炭バンカ121へ流入することを防止する。
<A−2:微粉炭生成部14>
微粉炭生成部14は、微粉炭機(ミル)141と、微粉炭機141に空気を供給する空気供給機142と、を備える。
微粉炭機141は、給炭機122から給炭管を介して供給された石炭を、微細な粒度に粉砕して微粉炭を製造する。また、微粉炭機141は、微粉炭と、空気供給機142から供給された空気とを混合する。微粉炭は、空気との混合により、予熱及び乾燥されるため、火炉161(後述)において容易に燃焼する。微粉炭は、エアーの吹き付けにより、微粉炭燃焼部16へ供給される。
微粉炭機141の種類としては、ローラミル、チューブミル、ボールミル、ビータミル、インペラーミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく微粉炭燃焼で用いられるミルであればよい。
<A−3:微粉炭燃焼部16>
微粉炭燃焼部16は、火炉161と、加熱機162(熱交換ユニット)と、空気供給機163と、を備える。
火炉161は、微粉炭機141から供給された微粉炭を、空気供給機163から供給された空気及び排ガスと共に燃焼させる。加熱機162(熱交換ユニット)は、火炉161に送られる空気と排ガスとの間で熱交換を行い、空気を予熱する。空気供給機163は、火炉161に燃焼用の空気(一次空気及び二次空気)を供給する。
なお、火炉161において微粉炭を燃焼させると、石炭灰(石炭の燃焼残渣)が生成される。石炭灰の生成により、前述したスラッギング及びファウリングと呼ばれる現象が発生する。スラッギングは、溶融した灰粒子が炉壁に付着、堆積する現象であり、ガス流路の閉鎖等の問題を引き起こす。また、ファウリングは、蒸気となった硫酸化合物が伝熱管の表面に付着し、その上に燃焼灰の付着層が形成される現象であり、伝熱管の腐食等の問題を引き起こす。スラッギング及びファウリングは、灰融点が低くなると発生しやすくなる。
微粉炭燃焼部16は、後述するように、微粉炭を完全燃焼させるのに必要な空気を、バーナ61とバーナの上部に設けられた空気供給口62の2箇所に分けて供給する、いわゆる二段燃焼方式で構成されている。バーナ61には、微粉炭が一次空気及び排ガスと共に供給される。空気供給口62には、二次空気が排ガスと共に供給される。なお、バーナ61及び空気供給口62に供給される排ガスは、微粉炭燃焼部16から排出された排ガスの一部を再循環させたものである。
微粉炭燃焼部16において、バーナ61に供給される空気(酸素)が多いと、燃焼温度が高くなり、石炭灰と共に窒素酸化物(NOx)が大量に発生する。そのため、バーナ61に供給する一次空気及び排ガスの配分量を調整して、酸素不足の状態で微粉炭を燃焼させることにより、窒素酸化物の発生を抑制できる。また、空気供給口62に供給する二次空気及び排ガスの配分量を調整して、酸素を増やすことにより、空気供給口62から火炉出口までの間で燃焼反応をより促進させることができる。
先に説明したように、火炉161において微粉炭を燃焼させると、石炭灰が生成される。また、石炭灰と共に、二酸化硫黄(SO)、三酸化硫黄(SO)等の硫黄酸化物(SOx)及び窒素酸化物(NOx)等の排ガスが発生する。これら石炭灰及び排ガスは、石炭灰処理部18に排出される。
<A−4:石炭灰処理部18>
石炭灰処理部18は、脱硝装置181と、集塵機182と、石炭灰回収サイロ183と、を備える。
脱硝装置181は、微粉炭燃焼部16から排出された排ガス中の窒素酸化物を除去する。脱硝装置181としては、比較的高温(300〜400℃)の排ガス中に還元剤としてアンモニアガスを注入し、脱硝触媒との作用により排ガス中の窒素酸化物を無害な窒素と水蒸気に分解する、いわゆる乾式アンモニア接触還元法が好適に用いられる。
集塵機182は、排ガス中の石炭灰(煤塵)を電極で収集する。集塵機182は、複数段設けられていることが好ましい。集塵機182により捕集された石炭灰は、石炭灰回収サイロ183において一時貯蔵される。石炭灰が除去された排ガスは、脱硫装置(不図示)で硫黄酸化物が除去された後、煙突から排出される。
石炭灰回収サイロ183は、集塵機182により捕集された石炭灰を一時貯蔵する。
<A−5:溶出抑制剤供給部20>
溶出抑制剤供給部20は、微粉炭燃焼部16に有害微量元素の溶出抑制剤を供給する。本実施形態において、溶出抑制剤供給部20は、溶出抑制剤を二次空気及び排ガスと共に火炉161に供給する。溶出抑制剤を供給する位置については後述する。
溶出抑制剤は、石灰石(CaCO)、消灰石(Ca(OH))等のカルシウム含有物である。本実施形態では、溶出抑制剤として、石灰石を用いた例について説明する。なお、溶出抑制剤は、粒状又は粉末状であることが好ましい。溶出抑制剤の粒径は、平均粒径が10μm〜100μmであることが好ましく、10μm〜70μmであることがより好ましい。
<B:本発明に係る有害微量元素溶出抑制方法>
本発明に係る有害微量元素溶出抑制方法は、石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機と、前記微粉炭機で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段に供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラと、を備えた石炭火力発電システムにおける有害微量元素溶出抑制方法であって、微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に前記燃焼ボイラに供給することを特徴とする。以下、本発明に係る有害微量元素溶出抑制方法を、上述した微粉炭燃焼施設1を用いて説明する。
本発明に係る有害微量元素溶出抑制方法は、石炭を供給する石炭供給工程S10と、供給された石炭を粉砕して微粉炭を生成する微粉炭生成工程S20と、微粉炭を燃焼させる微粉炭燃焼工程S30と、微粉炭の燃焼により生成された石炭灰を処理する石炭灰処理工程S40と、有害微量元素の溶出抑制剤を供給する溶出抑制剤供給工程S50と、を含む。このうち、石炭供給工程S10から石炭灰処理工程S40までの各工程は、それぞれ微粉炭燃焼施設1の石炭供給部12、微粉炭生成部14、微粉炭燃焼部16、石炭灰処理部18において行われる。そして、溶出抑制剤供給工程S50は、上述した微粉炭燃焼工程S30で行われる。
<石炭供給工程S10>
まず、石炭供給工程S10では、石炭バンカ121に貯蔵された石炭が、給炭機122により、微粉炭機141に供給される。なお、この微粉炭機141に供給される石炭は、具体的には瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等であるが、これらの石炭に限定されるものではなく、微粉炭燃焼が行える石炭であればよい。
<微粉炭生成工程S20>
次に、微粉炭生成工程では、給炭機122から供給された石炭が微粉炭機141により粉砕され、微粉炭が製造される。製造された微粉炭は、火炉161に供給される。この微粉炭の平均の粒度は、微粉炭燃焼で一般的に用いられる粒径範囲であればよく、一般的には、74μm以下80wt%以上の粉砕度である。
<微粉炭燃焼工程S30>
次に、微粉炭燃焼工程では、微粉炭機141で生成された微粉炭が、火炉161により燃焼される。微粉炭は、火炉161内のバーナゾーン161a(後述)付近で燃焼するが、このときの炉内温度は1300℃〜1500℃に達する。燃焼によって生成される石炭灰は、矢印の方向に沿って上昇して排ガスと共に脱硝装置181(石炭灰処理部18)へ送られる。なお、バーナゾーン161aの上部付近における炉内温度は、900℃前後となる。
<石炭灰処理工程S40>
次に、石炭灰処理工程では、微粉炭の燃焼によって発生した排ガスが脱硝装置181において脱硝され、更に集塵機182によって排ガス中の石炭灰が集塵される。集塵機182により捕集された石炭灰は、石炭灰回収サイロ183に搬送される。また、石炭灰が除去された排ガスは、脱硫装置(不図示)で硫黄酸化物が除去された後、煙突から排出される。
<溶出抑制剤供給工程S50>
本発明の特徴である溶出抑制剤を供給する工程である溶出抑制剤供給工程S50は、図1に示すように、微粉炭燃焼工程S30で行われる(図1のS51)。以下、微粉炭燃焼工程S30で行われる溶出抑制剤の供給について説明する。
図2は、微粉炭燃焼施設1における火炉161とその周辺の構成を示す図である。
図2に示すように、火炉161の下方には、バーナ61が設けられている。バーナ61には、微粉炭機141(図1参照)から供給された微粉炭200、空気供給機163から供給された一次空気201及び再循環された排ガス203が供給される。微粉炭200は、火炉161において、主にバーナゾーン161aで燃焼する。
バーナ61の上部には、空気供給口62が設けられている。空気供給口62には、空気供給機163から供給された二次空気202及び再循環された排ガス203が供給される。空気供給口62から二次空気202及び排ガス203を供給することにより、バーナゾーン161a付近で未燃焼であった微粉炭の燃焼反応が促進され、微粉炭を完全燃焼させることができる。火炉161において、微粉炭の燃焼により生じた排ガス203(燃焼ガス)は、石炭灰と共に火炉出口161bから後段の脱硝装置181(石炭灰処理部18)へ排出される。上述のように、排出された排ガス203の一部は再循環され、バーナ61及び空気供給口62に供給される。
なお、図示していないが、火炉161において、バーナ61の上部及び火炉出口161b付近には、過熱器、再熱器、節炭器等の熱交換ユニットが設けられている。
微粉炭燃焼部16は、図2に示すように、排ガス203の一部を再循環させてバーナ61及び空気供給口62に供給するための設備として、ガス再循環通風機63と、集塵機64と、排ガス通路100と、を備える。
ガス再循環通風機63は、火炉出口161bから排出された排ガス203の一部を取り込み、バーナ61及び空気供給口62に送り込む送風ファンである。
集塵機64は、排ガス203に含まれる石炭灰(煤塵)を収集する装置である。集塵機64として、例えば、機械式の集塵機を用いることができる。
排ガス通路100は、火炉出口161bから排出された排ガス203の一部をバーナ61及び空気供給口62に導くための送風ダクトである。排ガス通路100は、第1排ガス通路110と、第2排ガス通路120と、第3排ガス通路130と、を備える。
第1排ガス通路110は、排ガス203を火炉出口161b側から取り出す通路である。第1排ガス通路110には、ガス再循環通風機63及び集塵機64が接続されている。第1排ガス通路110の上流側の端部は、火炉出口161b側に接続されている。第1排ガス通路110の下流側の端部は、集塵機64の排ガス入口側に接続されている。
第2排ガス通路120は、排ガス203をバーナ61に導く通路である。第2排ガス通路120の上流側の端部は、集塵機64の排ガス出口側に接続されている。第2排ガス通路120の下流側の端部は、バーナ61の排ガス導入部(不図示)に接続されている。
第3排ガス通路130は、排ガス203を空気供給口62に導く通路である。第3排ガス通路130の上流側の端部は、上述した第2排ガス通路120の上流側の端部と共に集塵機64の排ガス出口側に接続されている。第3排ガス通路130の下流側の端部は、空気供給口62の排ガス導入部(不図示)に接続されている。
第3排ガス通路130には、溶出抑制剤通路140が接続されている。溶出抑制剤通路140は、溶出抑制剤供給部20から第3排ガス通路130に溶出抑制剤204を供給するための通路である。溶出抑制剤204は、第3排ガス通路130において、集塵機64と空気供給口62との間に供給される。このように、第3排ガス通路130を含む排ガス通路100は、排ガス203の一部を二次空気202と混合させるための流路として機能する。
なお、排ガス通路100において、第2排ガス通路120及び第3排ガス通路130の途中に、排ガス203を下流側に押し込む送風ファンを設けてもよい。
図2に示すように、火炉出口161b側から取り出された排ガス203の一部は、第1排ガス通路110によりガス再循環通風機63を通じて集塵機64に導かれる。そして、排ガス203は、集塵機64の排ガス出口側で第2排ガス通路120及び第3排ガス通路130に分岐して、バーナ61及び空気供給口62にそれぞれ導かれる。バーナ61に導かれた排ガス203は、微粉炭200及び一次空気201と共にバーナ61から火炉161に供給される。また、空気供給口62に導かれた排ガス203は、二次空気202及び溶出抑制剤204と共に空気供給口62から火炉161に供給される。
本実施形態において、二次空気202と共に溶出抑制剤204を火炉161に投入することにより、石炭灰からの有害微量元素の溶出が抑制されるメカニズムは、以下のようなものと考えられる。
溶出抑制剤204である石灰石(CaCO)を二次空気202と共に火炉161に供給すると、溶出抑制剤204は、空気供給口62からバーナゾーン161aの上部付近に投入される。この付近の炉内温度は900℃前後であるため、CaCOは、CaOとCOとに分解される。分解されたCaOは、石炭灰に含まれる有害微量元素である酸化セレン、三酸化二ヒ素、酸化ホウ素等と反応して、それぞれ亜セレン酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、ホウ酸カルシウム等の難溶性不溶性化合物を生成する。即ち、有害微量元素は、CaOにより化学的に捕捉されて難溶性不溶性化合物が生成される。従って、溶出抑制剤204を二次空気202と共に火炉161に投入することにより、石炭灰に含まれる有害微量元素の挙動が制御され、より多くの有害微量元素の溶出を抑制できる。
また、本実施形態において、二次空気202と共に溶出抑制剤204を火炉161に供給することにより、スラッギング及びファウリングの発生が抑制されるメカニズムは、以下のようなものと考えられる。
上述のように、溶出抑制剤204である石灰石を二次空気と共に火炉161に供給すると、CaCOは、CaOとCOとに分解される。CaOは、化合物としての融点は低いが、分解されたCaOの融点は2400℃程度となるため、バーナゾーン161aに比べて温度の低いバーナゾーン161aの上部付近では、石炭灰と反応しにくくなる。このように、溶出抑制剤204を空気供給口62からバーナゾーン161aの上部付近に供給すると、CaOが単独で多く存在することになるため、灰融点が高くなると推測される。
ここで、溶出抑制剤204としてCaCOを添加した場合の灰融点の変化について説明する。表1は、石炭X、石炭Y及び石炭X+石炭Yを燃焼させたときの灰融点と、CaCOを添加した石炭Xを燃焼させたときの灰融点とを比較した結果を示す。なお、表1において、酸化雰囲気となる領域は、より多くの空気が供給されるバーナゾーン161aの上部である。また、還元雰囲気となる領域は、空気不足の状態で燃焼するバーナゾーン161aである。
表1において、「石炭X+石炭Y」は、上欄に示す単体の石炭Xと石炭Yとを、それぞれ50%ずつ配分した混炭である。表1に示すように、混炭とCaCOを添加した石炭Xは、それぞれCaOの濃度は同じであるが、CaCOを添加した石炭Xは、混炭に比べて灰融点が高くなっている。特に、バーナゾーン161aの上部となる酸化雰囲気では、CaCOを添加した石炭Xを投入することにより、混炭よりも灰融点が高くなることが確認された。
Figure 2018066080
CaCOを添加した石炭Xを、空気供給口62からバーナゾーン161aの上部に投入して、灰融点を高くすることにより、溶融した灰粒子が炉壁に付着、堆積しにくくなるため、スラッギングが抑制される。また、石炭灰に含まれる硫酸化合物が蒸気となり、伝熱管の表面に付着しにくくなるため、ファウリングが抑制される。従って、溶出抑制剤である石灰石を二次空気と共に火炉161に供給することにより、スラッギング及びファウリングの発生を抑制できる。
なお、溶出抑制剤204を二次空気202と共に火炉161に供給した場合に、一時的又は部分的に灰融点が低くなったとしても、バーナゾーン161aの上部付近から火炉出口161bまでは距離が短いため、溶融した灰粒子が炉壁に付着したり、蒸気となった硫酸化合物が伝熱管の表面に付着したりしにくく、そのまま後段の脱硝装置181へ排出されると考えられる。従って、火炉161におけるスラッギング及びファウリングの影響を最小限に抑制できる。
以上のように、本実施形態の微粉炭燃焼施設1では、溶出抑制剤204が二次空気202と共に火炉161に供給されるため、石炭灰からの有害微量元素の溶出を抑制しつつ、スラッギング及びファウリングの発生を抑制できる。
また、本実施形態の微粉炭燃焼施設1は、従来は困難であった有害微量元素の含有量が多い石炭種についても有害微量元素の溶出を十分に抑制できるため、適用可能な炭種を大幅に増やすことができる。これにより、例えば、有害微量元素の含有量が多い安価な石炭種を使用することにより、燃料費コストの削減を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されない。実施形態に記載された効果は、本発明により得られる最も好適な効果を列挙したにすぎない。本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。
本実施形態では、溶出抑制剤として、CaCOを用いた例について説明したが、これに限定されない。溶出抑制剤として、有機系廃棄物を用いることもできる。溶出抑制剤として用いる有機系廃棄物は、例えば、固形分換算でカルシウム成分を0.1%以上80%以下含有していることが好ましい。このような有機系廃棄物として、具体的には、鶏糞、甲殻類の殻、貝殻、卵殻、魚の骨、家畜の骨、排水汚泥等を挙げることができる。有機系廃棄物として鶏糞を用いる場合、鶏糞中に含まれる水分を十分に乾燥させることが好ましい。また、有機系廃棄物は、粒状又は粉末状に粉砕されていることが好ましい。具体的には、平均粒径が10μm〜100μmが好ましく、10μm〜70μmであることがより好ましい。
本実施形態では、溶出抑制剤を第3排ガス通路130に供給する例について説明したが、これに限定されない。溶出抑制剤を二次空気と共に火炉161に供給できれば、溶出抑制剤を供給する位置は適宜に選択可能である。例えば、溶出抑制剤を、ガス再循環通風機63と集塵機64との間(第1排ガス通路110)から供給してもよい。
本実施形態では、溶出抑制剤を二次空気及び排ガスと共に火炉161に供給する構成について説明したが、これに限定されない。溶出抑制剤は、二次空気と共に火炉161に供給できればよい。また、溶出抑制剤は、二次空気を供給する位置から、蒸気、石炭石等と共に火炉161に供給してもよい。
1 微粉炭燃焼施設
12 石炭供給部
14 微粉炭生成部
16 微粉炭燃焼部
18 石炭灰処理部
20 溶出抑制剤供給部
100 排ガス通路
110 第1排ガス通路
120 第2排ガス通路
130 第3排ガス通路
140 溶出抑制剤通路
141 微粉炭機
S10 石炭供給工程
S20 微粉炭生成工程
S30 微粉炭燃焼工程
S40 石炭灰処理工程
S50 溶出抑制剤供給工程

Claims (6)

  1. 石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機と、前記微粉炭機で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段に供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラと、を備えた石炭火力発電システムにおける有害微量元素溶出抑制方法であって、
    微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に前記燃焼ボイラに供給する有害微量元素溶出抑制方法。
  2. 前記溶出抑制剤は、石灰石、消灰石及び生石灰からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
  3. 前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有害微量元素溶出抑制方法。
  4. 石炭を粉砕して微粉炭を製造する微粉炭機と、前記微粉炭機で製造された微粉炭を一次空気及び前記一次空気の後段で供給される二次空気により燃焼させる燃焼ボイラと、を備えた石炭火力発電システムにおいて、
    微粉炭の燃焼残渣からの有害微量元素の溶出を抑制する溶出抑制剤を、二次空気と共に前記燃焼ボイラに供給する溶出抑制剤供給部を備える石炭火力発電システム。
  5. 前記溶出抑制剤供給部は、
    前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に供給することを特徴とする請求項4に記載の石炭火力発電システム。
  6. 前記溶出抑制剤供給部は、
    前記溶出抑制剤を、微粉炭の燃焼により発生した排ガスの一部を二次空気と混合させるための流路に設けられたガス再循環通風機63の下流側に供給することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の石炭火力発電システム。
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