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JPWO2017006974A1 - 経皮吸収型貼付剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、経皮吸収性、保存安定性及び安全性に優れた、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を含有する経皮吸収型貼付剤を提供する。支持体と薬物含有層とを有する経皮吸収型貼付剤であって、該薬物含有層がソリフェナシンの薬学的に許容される塩および無機塩基を含有する、経皮吸収型貼付剤に関する。

Description

本発明は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を有効成分として含有する経皮吸収型貼付剤に関する。
従来、薬物の投与法としては、錠剤、カプセル剤、シロップ剤等を使用する経口投与法が知られているが、近年、これらの薬物を経皮吸収型貼付剤を用いて皮膚から投与する試みがなされている。経皮吸収型貼付剤は、経口投与法における問題点の解消に加えて、投与回数の減少、コンプライアンスの向上、投与及びその中止の容易さ等の利点を有することから、特に老人や小児の患者の治療における有用な薬物投与法として期待されている。
ソリフェナシン((R)−キヌクリジン−3−イル(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシラート)は、ムスカリンM3受容体に対して高い親和性を有するムスカリン受容体拮抗薬であり(特許文献1)、現在臨床の場において過活動膀胱の治療薬として使用されている。現在実用的に用いられている製剤はソリフェナシンコハク酸塩の錠剤及び口腔内崩壊錠であり、「ベシケア(登録商標)」の商品名で経口剤として過活動膀胱患者に処方されている。
過活動膀胱患者は日常から飲水を控えることが知られており、また、ソリフェナシンは嚥下機能が低下した高齢者が服用する機会の多い薬剤であることから、この場合は、経口投与製剤よりも、むしろ経皮吸収型貼付剤が適している。
また、過活動膀胱治療薬として、オキシブチニン塩酸塩が「ネオキシ(登録商標)テープ」の商品名で、経皮吸収型貼付剤として現在臨床で使用されているが、副作用として適用部位の皮膚炎や紅斑が高頻度で認められており(非特許文献1)、患者の安全性の観点から、臭気や皮膚刺激の少ない製剤の開発が望まれている。
日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)から発表されている「新有効成分含有医薬品のうち製剤の不純物に関するガイドライン」に、安定性試験において認められる製剤中の分解生成物(不純物)に関する考え方が記されている。これによると、1日に投与される原薬の量が10mg以上、100mg未満の場合には製剤中の分解生成物の安全性確認が必要とされる閾値は、原薬中に含まれる分解生成物の百分率が0.5%あるいは分解生成物の1日摂取量が200μgのいずれか低い方である。そのため、一般的に分解生成物の安全性確認をせずに設定することのできる分解生成物量の規格値としては、10mg製剤の場合には、分解生成物の百分率が0.5%以下であることが好ましい。
ソリフェナシンは、一般的な製剤化法では、製剤中の主薬であるソリフェナシンが経時的に分解することが知られており、製剤中の分解物生成を抑制するために、種々の安定化の方法が提案されている(特許文献2、3、4および5)。しかしながら、これらの文献には経皮吸収型貼付剤におけるソリフェナシンの安定性について記載がない。
ソリフェナシンを含有する経皮吸収型貼付剤としては、特許文献6にソリフェナシンフリー体と経皮吸収促進剤として脂肪酸エステル類を含有する経皮吸収型貼付剤(テープ剤)が提案されているが、この貼付剤の経時安定性に関する記載はない。
また、特許文献7には、熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラストマー100重量部に対して300重量部を超える液状成分と、抗コリン作用を有する過活動膀胱治療薬(ソリフェナシン、ダリフェナシン等)を含有する経皮吸収型貼付剤が提案されている。しかし、特許文献7には、この貼付剤の経時安定性に関する記載はない。
特許第3014457号明細書 特許第4636445号明細書 特許第4816828号明細書 特許第5168711号明細書 特許第5177156号明細書 WO2005/077364 WO2013/081014
ネオキシ(登録商標)テープ 73.5mg、医薬品インタビューフォーム
本発明者は、ソリフェナシンフリー体について苛酷試験により保存安定性を評価したところ、経時的に分解生成物が増加することが確認された(試験例1を参照)。これより、ソリフェナシンフリー体は通常の貯法では経時的に分解することが分かった。そのため、ソリフェナシンフリー体を原薬に用いて経皮吸収型貼付剤を作製した場合、原薬自体に含まれる分解物が貼付剤作製時に混入し、得られた貼付剤の分解物生成物の含有量が0.5%を超える恐れがあった。
一方、ソリフェナシンコハク酸塩のように薬学的に許容される塩の形態では、経時安定性が向上し、通常の貯法では分解がほとんど無いことが確認できた(試験例1を参照)。そのため、経皮吸収型貼付剤の調製にあたり、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を原薬として使用することが好ましい。
しかし、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を含む一般的な経皮吸収型貼付剤について保存安定性を評価した結果(試験例3、比較例2及び3を参照)、ソリフェナシンが経時的に分解し、その分解生成物の百分率が0.5%を超える場合があることが確認された。そのため、ソリフェナシンの経時的分解を抑制しうる保存安定性に優れた貼付剤が望まれた。
勿論、経皮吸収型貼付剤として、望ましいソリフェナシンの皮膚透過性を有し、皮膚に対し低刺激であることも必要である。
つまり、本発明は、少なくとも1つの有効成分として、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を含有する経皮吸収型貼付剤において、ソリフェナシンの良好な皮膚透過性を保持し、ソリフェナシンの経時的な分解を抑制し、且つ、皮膚刺激性が低い製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を達成すべく研究を重ねた結果、薬物含有層中にソリフェナシンの薬学的に許容される塩と無機塩基を含む経皮吸収型貼付剤が、経皮吸収性及び保存安定性に優れ、且つ、皮膚刺激が少ないことを見出した。かかる知見に基づいて、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]支持体と薬物含有層とを有する経皮吸収型貼付剤であって、該薬物含有層が、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩および無機塩基を含有する、経皮吸収型貼付剤。
[2]前記薬物含有層がさらに粘着剤を含有し、該粘着剤がゴム系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する、[1]に記載の経皮吸収型貼付剤。
[3]前記ゴム系樹脂が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体である、[2]に記載の経皮吸収型貼付剤。
[4]前記薬物含有層がさらに粘着付与剤を含有する、[2]又は[3]に記載の経皮吸収型貼付剤。
[5]前記粘着付与剤が、脂環族飽和炭化水素樹脂である、[4]に記載の経皮吸収型貼付剤。
[6]前記無機塩基が、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
[7]前記薬物含有層がさらに吸収促進剤を含有し、該吸収促進剤がアルコール類およびエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
[8]前記ソリフェナシンの薬学的に許容される塩が、ソリフェナシンコハク酸塩である、[1]〜[7]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
[9]剥離ライナーをさらに有し、支持体、薬物含有層、および剥離ライナーの順に積層されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
[10]前記[1]に記載の経皮吸収型貼付剤の製造方法であって、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、および無機塩基を含む混合物を剥離ライナー上に塗布(展延)して薬物含有層を形成し、この薬物含有層に支持体を貼り合わせることを特徴とする製造方法。
[11]過活動膀胱の治療剤として使用するための前記[1]〜[9]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
[12]過活動膀胱治療用の経皮投与製剤を製造するための前記[1]〜[9]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤の使用。
[13]過活動膀胱を治療する方法であって、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤を、当該治療を要する患者の皮膚に適用(貼付)することを特徴とする方法。
本発明によれば、薬物含有層中にソリフェナシンの薬学的に許容される塩と無機塩基を含有させることによって、高い皮膚透過性を得ることができ、経時的なソリフェナシンの分解が起こらないため保存安定性に優れ、且つ皮膚刺激の少ない経皮吸収型貼付剤を提供することができる。
ソリフェナシンの薬学的に許容される塩を経皮吸収貼付剤にすることにより、嚥下障害を有する患者や、飲水を控える過活動膀胱患者に対して、投与の利便性が向上する。また、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の経皮吸収型貼付剤化により目視による投薬確認が可能になるため、服薬アドヒアランスの向上も期待できる。
本発明の経皮吸収型貼付剤は、過活動膀胱の治療に有効なソリフェナシンの血中濃度を達成できる。また、ソリフェナシンが持続的に経皮吸収されることにより、長期間にわたり所望の血漿中濃度を維持することができる。
本発明の経皮吸収型貼付剤の製造フローの一例を示す。 試験例5におけるインビボ皮膚透過性試験の結果を示す。
本発明において経皮吸収型貼付剤とは、非経口製剤であって、皮膚に貼付して用いられ、有効成分が皮膚を通して吸収され血流に送達されるものをいう。本発明の経皮吸収型貼付剤は、支持体と薬物含有層とを有する貼付剤であり、例えばテープ剤、パップ剤、プラスター剤などが挙げられる。
本発明の経皮吸収型貼付剤は、薬物含有層に粘着剤を含有するマトリックス型貼付製剤でもよく、薬物含有層の皮膚貼付側に、薬剤の経皮吸収を調節するための放出制御膜および皮膚へ貼付するための粘着層をさらに有するリザーバー型貼付製剤であってもよい。このような構造により、ソリフェナシンを効率的に経皮吸収させることが可能となる。
製剤設計および製造の容易さの観点からは、マトリックス型貼付剤であることが好ましい。以下、マトリックス型貼付剤を例に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
本明細書において、「を含有する」または「を含む」には、「から本質的になる」または「のみからなる」の意味も包含する。
<薬物含有層>
1.有効成分
本発明の経皮吸収型貼付剤において、薬物含有層は、有効成分としてソリフェナシンの薬学的に許容される塩を含有する。薬学的に許容される塩としては、例えば、無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩など;および有機酸塩、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、カンファー酸塩、アジピン酸塩、ソルビン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシレート)、フタル酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、コハク酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、パモ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)などが挙げられるが、これらに限定されない。
ソリフェナシンの薬学的に許容される塩は、いずれかを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。本発明では、ムスカリン受容体拮抗薬として、既に経口投与における有用性が確立されているソリフェナシンコハク酸塩を用いることが好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付剤におけるソリフェナシンの薬学的に許容される塩の含有量は、過活動膀胱の治療に対する有効量である。ここで有効量とは、本発明の経皮吸収型貼付剤を生体の皮膚に適用した場合に、過活動膀胱の治療に有効なソリフェナシンの血中濃度を達成しうる量である。そのような含有量は、経口投与の薬物動態に関する情報に基づいて適宜調整することができ、投与対象、疾患、症状などにより異なりうる。例えば、薬物含有層に対して(即ち、薬物含有層の全質量を基準として;以下同じ)0.2〜50質量%が好ましく、0.5〜35質量%がより好ましく、0.5〜25質量%がさらに好ましい。
過活動膀胱の治療に有効なソリフェナシンの血中濃度は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の経口薬の場合と同程度とすることができる。
本発明の経皮吸収型貼付剤において、ソリフェナシンの皮膚透過速度を調整することによって、過活動膀胱の治療に有効な血中濃度を達成することができる。皮膚透過速度の調整は、薬物含有層中のソリフェナシンの薬学的に許容される塩の含有量及び投与面積を調整することなど、任意の手段によって行うことができる。なお、本発明においてソリフェナシンの薬学的に許容される塩の皮膚透過速度とは、後述の実施例に記載するインビトロ皮膚透過性試験により測定される値を意味する。
ソリフェナシンの皮膚透過速度は、ソリフェナシンフリー体に換算した値で5〜40μg/cm/時間が好ましく、5〜35μg/cm/時間がより好ましい。皮膚透過速度が5μg/cm/時間以上であれば、十分な血中濃度を得ることができる。皮膚透過速度が40μg/cm/時間以下であれば、適用皮膚の紅斑などの皮膚刺激が起こり難いため、安全性の観点から好ましい。
2.無機塩基
ソリフェナシンの皮膚透過性を向上し、製剤中のソリフェナシンの分解を抑制するために薬物含有層中には無機塩基を含有する。具体的には、アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)、アルカリ金属炭酸水素塩(炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)などが挙げられる。特に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。
このような無機塩基は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機塩基の含有量は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩(特に、酸付加塩)の当量に対して0.5〜3当量であることが好ましく、0.5〜2当量であることがより好ましい。また、無機塩基の含有量は、薬物含有層に対して0.1〜35質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。このような無機塩基を含有することにより、無機塩基がソリフェナシンの薬学的に許容される塩(特に、酸付加塩)に作用し、ソリフェナシンの皮膚透過性が向上する。特に、無機塩基の含有量を上記範囲内とすることにより、上記範囲外である場合と比較して皮膚透過性の向上効果がより顕著になる。また、無機塩基を用いることにより、薬物含有層中のソリフェナシンの分解を抑制することができる。この効果は、特に有機塩基を用いた場合に比べて顕著に優れている。
3.粘着剤
薬物含有層は、さらに粘着剤を含有することができる。薬物含有層に含有される粘着剤としては、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂等を含むものが挙げられる。
粘着剤としては、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂およびシリコーン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分として含有するものが好ましく、さらにアクリル系樹脂およびゴム系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分として含有するものがより好ましい。ここで、「主成分」とは、粘着剤の全質量に対し、通常70質量%以上、さらに80質量%以上、よりさらに90質量%以上、特に100質量%を意味する。
ゴム系樹脂としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム、ポリイソブチレン(PIB)、ポリブテン、ブチルゴム、天然ゴム、生ゴム、アラビアゴム、アラビアゴム末、イソプレンゴムなどが挙げられるが、好ましくはSISである。またクレイトンDポリマーシリーズ(クレイトンポリマージャパン社製)やJSR SIS/TRシリーズ(JSRライフサイエンス社製)やクインタックシリーズ(日本ゼオン社製)などの市販のゴム系樹脂を使用してもよい。
アクリル系樹脂としては、例えば、モノマー単位として、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどに代表される(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも1種含有する重合体または共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体溶液、アクリル酸2−エチルエキシル・N−ビニル−2−ピロリドン・ジメタクリル酸−1,6−ヘキサングリコール共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2−エチルヘキシル・アクリル酸2−ヒドロキシエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体溶液、アクリル酸メチル・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂アルカノールアミン液などが挙げられる。また、DURO−TAK(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(DURO-TAK 87-900A、DURO-TAK 87-9301、DURO-TAK 87-4098、DURO-TAK 387-2510、DURO-TAK 87-2510、DURO-TAK 387-2287、DURO-TAK 87-2287、DURO-TAK 87-4287、DURO-TAK 387-2516、DURO-TAK 87-2516、DURO-TAK 87-2074、DURO-TAK 387-235A、DURO-TAK 387-2353、DURO-TAK 87-2353、DURO-TAK 87-2852、DURO-TAK 387-2051、DURO-TAK 87-2051、DURO-TAK 387-2052、DURO-TAK 87-2052、DURO-TAK 387-2054、DURO-TAK 87-2054、DURO-TAK 87-2194、DURO-TAK 87-2196:ヘンケル社製)、GELVAシリーズ(GELVA GMS 3083、GELVA GMS 3253、GELVA GMS 788、GELVA GMS 9073:ヘンケル社製)、MAS−683、MAS−811、MASCOS10、MAS11D1(コスメディ製薬社製)などの市販のアクリル系樹脂を使用してもよい。
シリコーン系樹脂としては、例えば、オルガノポリシロキサン骨格を有するポリマーおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサンなどが挙げられる。また、BIO−PSAシリーズ(ダウコーニング社製)などの市販のシリコーン系樹脂を使用してもよい。
本発明の経皮吸収型貼付剤の薬物含有層に含有される粘着剤として、上述のゴム系樹脂、アクリル系樹脂、およびシリコーン系樹脂のうちの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。より好ましくは、アクリル系またはゴム系樹脂の使用であり、さらに好ましくはゴム系樹脂の使用である。
本発明の経皮吸収型貼付剤の薬物含有層中に含有される粘着剤の量は、薬物含有層の形成、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の十分な皮膚透過性などを考慮して調整される。粘着剤の含有量は、薬物含有層に対して通常10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%である。
本発明の経皮吸収型貼付剤の薬物含有層にゴム系樹脂を使用する場合、ゴム系樹脂の含有量は、貼付剤としての十分な凝集力を考慮して、薬物含有層に対して合計で10〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付剤の薬物含有層にアクリル樹脂を使用する場合、アクリル樹脂の含有量は、貼付剤としての十分な凝集力及び粘着力を考慮して、薬物含有層に対して、合計で20〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がさらに好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付剤の薬物含有層にシリコーン樹脂を使用する場合、シリコーン樹脂の含有量は、貼付剤としての十分な凝集力及び粘着力を考慮して、薬物含有層に対して、合計で20〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がさらに好ましい。
4.粘着付与剤
薬物含有層は、粘着力向上のために粘着付与剤をさらに含有してもよい。粘着付与剤としては、例えば、ロジン、ロジンのグリセリンエステル、水添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステルなどのロジン誘導体、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、マレイン酸レジン、カルナウバロウ、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、キトサン、グリセリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸、酢酸ベンジル、タルク、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。また粘着付与剤として、アルコンシリーズ(荒川化学社製)、パインクリスタルシリーズ(荒川化学社製)、クリアロンシリーズ(ヤスハラケミカル社製)、YSレジンシリーズ(ヤスハラケミカル社製)などの市販されているものを適宜使用してもよい。特に粘着剤として前記ゴム系樹脂を用いる場合には、水添ロジンのグリセリンエステル、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂を粘着付与剤として使用することが好ましい。粘着付与剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着付与剤の含有量は、貼付剤としての十分な粘着力を考慮して、粘着剤としてゴム系樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して合計で5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。粘着剤としてアクリル系樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して合計で1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。粘着剤としてシリコーン樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
5.可塑剤
薬物含有層は、可塑剤をさらに含有してもよい。可塑剤としては、石油系オイル(例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフィンなど)、スクワラン、スクワレン、植物系オイル(例えば、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油など)、シリコーンオイル、二塩基酸エステル(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状イソプレンゴムなど)、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、サリチル酸グリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、クロタミトンなどが挙げられる。また可塑剤として、ハイコールシリーズ(カネダ社製)などの市販されているものを適宜使用してもよい。特に粘着剤として前記ゴム系樹脂を用いる場合には、流動パラフィンを可塑剤として使用することが好ましい。可塑剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤の含有量は、ソリフェナシンの十分な透過性および貼付剤としての十分な凝集力の維持を考慮して調整される。粘着剤としてゴム系樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して合計で1〜70質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましく、1〜50質量%がさらに好ましい。粘着剤としてアクリル系樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して合計で1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%がさらに好ましい。粘着剤としてシリコーン系樹脂を用いる場合は、薬物含有層に対して合計で1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%がさらに好ましい。
6.吸収促進剤
薬物含有層は、ソリフェナシンの皮膚透過性向上のため、吸収促進剤をさらに含有してもよい。吸収促進剤は、経皮投与において皮膚透過促進作用が認められているいずれの化合物であってもよく、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、グリセリンオレイン酸モノエステル、イソステアリン酸ヘキサデシルなどの脂肪酸またはそのエステル類;乳酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、グリコール酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、安息香酸、サリチル酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サッカリンなどの有機酸またはそれらの塩;アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピルなどの多価カルボン酸エステル類;リン酸などの無機酸またはそれらの塩;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ベンジルアルコール、オレイルアルコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのアルコール類またはそのエステル類もしくはそのエーテル類;炭素数3〜8の多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、オクタンジオール等);モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル類またはエーテル類;モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのフェノールエーテル類;ヒマシ油または硬化ヒマシ油;オレオイルサルコシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤;炭素数10〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等);ジメチルラウリルアミンオキサイドなどの非イオン性界面活性剤;ジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなどのアルキルメチルスルホキサイド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類;1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなどのアザシクロアルカン類;メントール、カンフル、リモネンなどのテルペン類が挙げられる。
なかでも、アルコール類およびエステル類が好ましい。アルコール類としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオールなどの炭素数3〜8の多価アルコール;オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールなどが挙げられる。エステル類としては、例えば、多価カルボン酸エステル、脂肪酸エステルなどが好ましい。多価カルボン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピルなどの二価脂肪族カルボン酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸ヘキシル、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリンなどが挙げられる。より好ましくは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリル酸プロピレングリコールである。吸収促進剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
吸収促進剤の含有量は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の種類に応じて適宜調節することができるが、薬物含有層に対して、通常30質量%以下であり、25質量%以下が好ましい。吸収促進剤を含む場合、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜25質量%がさらに好ましい。
7.その他の任意成分
薬物含有層は、必要に応じて、pH調節剤、架橋剤、抗酸化剤、着色剤、紫外線吸収剤、充填剤、または、防腐剤などの公知の添加剤をさらに含有してもよい。
pH調節剤は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、またはそれらの溶媒和物の溶解性、安定性、および皮膚透過性の向上、皮膚に対する安全性の向上などの目的で、薬物含有層のpHを調節するために使用することができる。pH調節剤は、医薬品の分野において通常pH調整に用いられる酸もしくは塩基またはそれらの塩であればいずれの化合物であってもよく、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、メタンスルホン酸、エデト酸、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メグルミン、トロメタモール、グリシン、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
架橋剤としては、例えばアミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属または金属化合物等の無機系架橋剤が挙げられる。なかでも、イソシアネート化合物またはブロックイソシアネート化合物が好ましい。
抗酸化剤としては、例えばトコフェロール及びこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
着色剤としては、例えばインジゴカルミン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、感光素201号、クマザサエキス、黒酸化鉄、ケッケツ、酸化亜鉛、酸化チタン、三二酸化鉄、アマランス、水酸化ナトリウム、タルク、銅クロロフィリンナトリウム、ハダカムギ緑葉エキス末、d−ボルネオール、ミリスチン酸オクチルドデシル、メチレンブルー、リン酸マンガンアンモニウム、ローズ油などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばアミノ酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、桂皮酸誘導体、シアノアクリレート誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体などが挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸マグネシウムナトリウム等)、水酸化マグネシウム、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどが挙げられる。
その他の任意成分の合計の含有量は、薬物含有層に対して、通常10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。その他の任意成分を含む場合、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付剤における薬物含有層の面積は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の含有量および/または皮膚透過速度などに応じて適宜調整することができるが、典型的には、2〜140cm、好ましくは2〜100cm、さらに好ましくは2〜50cmの範囲である。またその形状は、特に限定されず、正方形、長方形、円形、楕円形などであってよい。
本発明の経皮吸収型貼付剤における薬物含有層の厚さは、粘着剤の種類、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩の含有量および/または皮膚透過速度などに応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、典型的には、20〜300μm、好ましくは25〜150μm、さらに好ましくは25μm〜100μmの範囲である。
本発明の経皮吸収型貼付剤における薬物含有層には、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩及び無機塩基を必須として含有する。
ソリフェナシンの薬学的に許容される塩としては、有機酸塩(特に、コハク酸塩)が好ましく、その含有量は、薬物含有層に対して0.5〜25質量%が好ましい。
無機塩基としては、アルカリ金属水酸化物(特に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム)が好ましく、その含有量は、薬物含有層に対して1〜20質量%が好ましい。
さらに、薬物含有層に粘着剤を含む場合、該粘着剤はゴム系樹脂(特に、SIS)またはアクリル系樹脂であることが好ましい。粘着剤がゴム系樹脂の場合、その含有量は、薬物含有層に対して10〜50質量%が好ましい。粘着剤がアクリル系樹脂の場合、その含有量は、薬物含有層に対して20〜80質量%が好ましい。
さらに、薬物含有層に粘着付与剤を含む場合、該粘着付与剤は、脂環族飽和炭化水素樹脂が好ましい。粘着剤としてゴム系樹脂を用いる場合、粘着付与剤の含有量は、薬物含有層に対して20〜50質量%が好ましく、粘着剤としてアクリル系樹脂を用いる場合、粘着付与剤の含有量は、薬物含有層に対して5〜20質量%が好ましい。
さらに、薬物含有層に吸収促進剤を含む場合、該吸収促進剤は、ミリスチン酸イソプロピルが好ましい。吸収促進剤の含有量は、薬物含有層に対して1〜25質量%が好ましい。
<支持体>
本発明の経皮吸収型貼付剤における支持体には、薬物不透過性で伸縮性または非伸縮性の支持体を使用することができる。このような支持体としては、医薬品の分野において通常用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ナイロン、ポリウレタンなどの合成樹脂フィルムもしくはシートまたはこれらの積層体、多孔質体、発泡体、フィルムにアルミニウムを蒸着させたもの、紙、織布、不織布などが挙げられる。
<剥離ライナー>
本発明の経皮吸収型貼付剤は、剥離ライナーをさらに有してもよい。この場合、剥離ライナーは、支持体上に積層された薬物含有層の、支持体に接する面と反対側の面上に積層され、経皮吸収型貼付剤を皮膚に適用するまで薬物含有層を保護することができる。剥離ライナーは、少なくとも薬物含有層中のソリフェナシンについて不透過性であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料で作られたフィルム、フィルムにアルミニウムを蒸着させたもの、紙の上にシリコーンオイルなどを塗付したものなどが挙げられる。
<経皮吸収型貼付剤の製造>
本発明の経皮吸収型貼付剤は、公知の方法に従って製造することができる。ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、無機塩基、ならびに必要に応じて上記任意成分を含む混合物を調製し、この混合物を剥離ライナー上に塗布(展延)して薬物含有層を形成し、この薬物含有層に支持体を貼り合わせることにより製造することができる。
具体的には、例えば、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、無機塩基、ならびに必要に応じて粘着剤、粘着付与剤、可塑剤、吸収促進剤、および/または他の添加剤を、前記含有量となるように有機溶媒に加え、混合撹拌して塗工液を調製する。混合方法としては、例えば撹拌、インラインミキシング、超音波処理等を用いることができる。有機溶媒としては、酢酸エチル、ヘキサン、ペンタン、トルエン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、それらの混合溶媒などを用いることができる。塗工液中の有機溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、塗工液全体に対して30〜90質量%、好ましくは40〜80質量%である。
次に、この塗工液を剥離ライナー上に展延し、当該塗工液中の溶媒を蒸発させて薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせることによって経皮吸収型貼付剤を得ることができる。または、塗工液を支持体上に展延し、当該塗工液中の溶媒を蒸発させて薬物含有層を形成した後、剥離ライナーを貼り合わせることによって経皮吸収型貼付剤を得ることもできる。製造容易かどうかの観点からは、塗工液を剥離ライナー上に展延し、当該塗工液中の溶媒を蒸発させて薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせる方法が好ましい。塗工液の塗布は、ナイフコーター、コンマコーター、リバースコーター、ダイコーターを用いて行うことができる。製造フローの一例を図1に示すが、これに限定されない。
また本発明の経皮吸収型貼付剤は、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、無機塩基、ならびに必要に応じその他の任意成分を、加熱溶融させ、この溶融物を剥離ライナー上に塗布(展延)し、薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせることによって経皮吸収型貼付剤を製造することもできる。溶融物を支持体上に塗布(展延)し、薬物含有層を形成した後、剥離ライナーを貼り合わせることによって経皮吸収型貼付剤を製造してもよい。
<投与方法>
本発明の経皮吸収型貼付剤による過活動膀胱の治療は、本発明の経皮吸収型貼付剤を対象の皮膚に直接貼付して、ソリフェナシンを経皮投与することによって行うことができる。本発明における対象は、ヒトなどの哺乳動物であり、好ましくはヒトである。特に、過活動膀胱の治療は、過活動膀胱の治療を要する患者の皮膚に当該貼付剤を適用(貼付)することにより実施できる。
本発明の経皮吸収型貼付剤によりソリフェナシンを経皮投与する場合、過活動膀胱の治療に有効な血中濃度を達成するように、薬物含有層中のソリフェナシンの含有量および/または皮膚透過速度、ならびに薬物含有層の面積および/または薬物含有層の厚さを適宜調整した上で、本発明の経皮吸収型貼付剤を皮膚に貼付する。
本発明の経皮吸収型貼付剤は、貼付可能であれば身体のいずれの部位の皮膚に適用してもよく、例えば、上腕部、腹部、胸部、頸部、腰背部、臀部または脚部などに貼付することができる。
本発明の経皮吸収型貼付剤の対象への経皮投与は、必要に応じて、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩以外の医薬成分を含有する医薬組成物の投与と組み合わせてもよい。この場合、投与形態は、同時投与であっても、時間差をおいての投与であってもよく、当該医薬組成物は、静脈内、腹腔内、皮下および筋肉内、経口、局所または経粘膜を含む種々の経路により投与できる。またソリフェナシンの薬学的に許容される塩以外の医薬成分を含有する医薬組成物は、当該医薬成分について通常用いられる投与経路によって対象に投与される。ソリフェナシンの薬学的に許容される塩以外の医薬成分としては、α1アドレナリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬などが挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また各実施例において、%は、特に断りがない限りは全て質量%である。
(ソリフェナシンコハク酸塩含有経皮吸収型貼付剤の製造)
実施例1
・ゴム系樹脂組成物(1)の調製
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタック3570C、日本ゼオン社製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業社製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ社製)を以下に示す組成;
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 35.0%
脂環族飽和炭化水素樹脂 50.0%
流動パラフィン 15.0%
を固形分濃度が50%となるようにトルエンに溶解し、ゴム系樹脂組成物(1)を得た。
・経皮吸収型貼付剤の製造
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)を添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 75.5%
水酸化カリウム 4.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製した。
次に、得られた塗工液をポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(フィルムバイナ75E−0010 BD、藤森工業社製)上に、溶媒留去後の厚さが約50μmになるように塗布し、乾燥させた後、支持体として25μmのポリエステルフィルム(ルミラーT−60、東レ社製)を貼り合わせ、経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例2
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 65.5%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化カリウム 4.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例3
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌する。これに水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 66.8%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化ナトリウム 3.2%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
比較例1
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌して以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 70.0%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
試験例1 原薬の安定性試験
ソリフェナシンコハク酸塩、ソリフェナシンフリー体をそれぞれ褐色スクリューバイアルに入れ、60℃にて保存した。経時でサンプリングしたソリフェナシンコハク酸塩、ソリフェナシンフリー体を、それぞれpH3.5リン酸緩衝液/アセトニトリル混液に溶解し、HPLC法により分析を行った。サンプル中のソリフェナシンと分解生成物のピーク面積から、次式により分解生成物量(%)を算出した。得られた結果を表1に示す。
分解生成物量(%)=
(分解生成物のピーク面積)/(ソリフェナシンのピーク面積)×100
<HPLC条件>
HPLCシステム:ACQUITY UPLC H−Classシステム(Waters社製)
カラム:Inertsil ODS−3(2μm、2.1×100mm、GLサイエンス社製)
カラムオーブン:40℃付近の一定温度
移動相:pH3.5リン酸緩衝液/アセトニトリル混液
流量:0.5mL/min
測定波長:210nm
Figure 2017006974
表1から明らかなように、ソリフェナシンコハク酸塩では経時で分解しないのに対して、ソリフェナシンフリー体は経時で分解生成物が増加した。
実施例4
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 77.7%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化カリウム 2.3%
ソリフェナシンコハク酸塩 10.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例5
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 78.4%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化ナトリウム 1.6%
ソリフェナシンコハク酸塩 10.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例6
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、プロピレングリコール(SR Propylene Glychol、クローダ社製)を添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 65.5%
プロピレングリコール 10.0%
水酸化カリウム 4.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例7
・ゴム系樹脂組成物(2)の調製
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタック3570C、日本ゼオン社製)、水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタル KE−311、荒川化学工業社製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ社製)を以下に示す組成;
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 35.0%
水素添加ロジングリセリンエステル 50.0%
流動パラフィン 15.0%
を固形分濃度が50%となるようにトルエンに溶解し、ゴム系樹脂組成物(2)を得た。
・経皮吸収型貼付剤の製造
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(2)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(2) 65.5%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化カリウム 4.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例8
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にアクリル系樹脂(Duro−Tak 387−2287、ヘンケル社製)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化カリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
アクリル樹脂(Duro−Tak 387−2287) 65.5%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化カリウム 4.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
比較例2
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)を添加し、均一に撹拌した。これにジイソプロパノールアミンのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 69.5%
ジイソプロパノールアミン 10.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
比較例3
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これにジイソプロパノールアミンのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 59.5%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
ジイソプロパノールアミン 10.5%
ソリフェナシンコハク酸塩 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
比較例4
あらかじめ秤量したソリフェナシンフリー体にゴム系樹脂組成物(1)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌して以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(1) 70.0%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
ソリフェナシンフリー体 20.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
試験例2 インビトロ(in vitro)皮膚透過性試験
得られた経皮吸収型貼付剤を用いて、以下の手順に従ってインビトロ皮膚透過性試験を行った。
7週齢の雄性ヘアレスマウス摘出皮膚(Hos:HR−1系、星野実験動物飼育所社製)の角層側に各実施例及び比較例の経皮吸収型貼付剤をそれぞれ貼付した後、32℃の温水を外周部に循環させた縦型拡散セル(商品名:パームセル縦型TP−6:ビードレックス社製)に、皮膚基底膜がレシーバー側となるように装着した。レシーバーセルに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS(−)、和光純薬工業社製)を満たし、経時的にレシーバー液をサンプリングし、HPLC法によりレシーバー液中のソリフェナシン量を測定した。測定結果より試験開始後24時間でのソリフェナシンの累積透過量を算出し、透過速度を算出した(n=3の平均値)。得られた結果を表2及び表3に示す。
試験例3 安定性試験
各実施例及び比較例で作製した経皮吸収型貼付剤を、アルミ箔をベースとした複合フィルム(PET 12μm/PE 15μm/Al 9μm/PE 30μm)の袋にヒートシールで密封して60℃に保存した。
60℃で4週間保存した後の経皮吸収型貼付剤を、剥離ライナーを剥がして、テトラヒドロフラン2mLで30分間振とう抽出した。この液にpH3.5リン酸緩衝液/アセトニトリル混液8mL加えた後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、HPLC法により分析を行った。サンプル中のソリフェナシンと分解生成物のピーク面積から、次式により分解生成物量(%)を算出した。得られた結果を表2及び表3に示す。
分解生成物量(%)=
(分解生成物のピーク面積)/(ソリフェナシンのピーク面積)×100
Figure 2017006974
Figure 2017006974
試験例2の結果、表2から明らかなように、有効成分としてソリフェナシンコハク酸塩を使用し、無機塩基を添加した場合、十分な皮膚透過性が得られた。一方、表3より、無機塩基を添加しない比較例1では非常に低い透過性となった。有効成分としてソリフェナシンの薬学的に許容される塩を使用する場合、塩基の添加が皮膚透過性向上に効果が高かった。
製剤中の分解生成物量は0.5%以下が好ましいとされるところ、試験例3の結果、表2および3から明らかなように、塩基として無機塩基を使用した実施例1〜8の製剤については、60℃4週間の苛酷条件においても、分解物生成物量が0.5%以下であり、十分な経時安定性と皮膚透過性を有していた。
一方、表3より、塩基として有機アミンを使用した比較例2および3では、60℃4週間で1%を超える分解生成物が認められ、無機塩基を使用した実施例1〜8に比べ、著しく安定性が低くなった。また、有効成分としてソリフェナシンフリー体を使用した比較例4については、フリー体自体の安定性が低いことに起因して、製剤中の分解生成物量が0.5%を超える結果となった。
実施例9〜15
実施例2のミリスチン酸イソプロピルを表4に示したエステル類に置き換えた以外は、実施例2と同様にして経皮吸収型貼付剤を得た。
Figure 2017006974
表4において、実施例9〜15の各経皮吸収型貼付剤の皮膚透過速度および分解生成物量は、試験例2及び3と同様にして算出した。また、実施例2および9〜15の各貼付剤の経皮吸収促進効果を、促進比として以下の式より算出した。
促進比=
(実施例2及び9〜15のそれぞれの皮膚透過速度)÷(実施例1の皮膚透過速度)
実施例2及び9〜15の各貼付剤はいずれも、分解生成物量が0.07%以下であり充分な経時安定性を有すると共に、実施例1の貼付剤に比べて1.2〜1.7倍の経皮吸収促進効果を示した。
実施例16
・ゴム系樹脂組成物(3)の調製
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタック3570C、日本ゼオン社製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業社製)、ポリブテン(ポリブテンHV−300、JX日鉱日石エネルギー社製)を以下に示す組成;
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 30.0%
脂環族飽和炭化水素樹脂 50.0%
ポリブテン 20.0%
を固形分濃度が50%となるようにトルエンに溶解し、ゴム系樹脂組成物(3)を得た。
・経皮吸収型貼付剤の製造
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(3)、ミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一に撹拌した。これに水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(3) 78.4%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化ナトリウム 1.6%
ソリフェナシンコハク酸塩 10.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例16で得られた経皮吸収型貼付剤を用いて、試験例2と同様にしてインビトロ皮膚透過性試験を行った。皮膚透過速度は、25.9μg/cm2/hであった。実施例16で得られた経皮吸収型貼付剤を用いて、試験例3と同様にして安定性試験を行った。分解生成物量は、0.20%(60℃4週)であった。
参考例1
現在臨床で使用されている、過活動膀胱治療用の「ネオキシ(登録商標)テープ」を使用した。
試験例4 モルモット皮膚一次刺激性試験
6週齢のHartley雄性モルモットを用いた。投与前日にモルモットの左右側胴部を約4×8cmの大きさに刈毛・剃毛する。刈毛翌日、実施例2、実施例3、実施例5、実施例16、比較例4、および参考例1の貼付剤(15mmφ)を左右側胴部に貼付し、粘着剤付フォームパッドM(3Mヘルスケア社製)で固定し、ポリエチレンフィルムテープ(キープポアA、ニチバン社製)を胴体に巻いた後、シルキーテック(ALCARE、5号)で固定する。投与24時間後、各貼付剤を除去し、アセトンで湿らせた脱脂綿で貼付部位を清拭した。投与より24、48、および72時間後に皮膚反応を観察し、表5に示すDraizeの基準(1959年)を参考に皮膚刺激性指数(Primary irritation index:P.I.I.)を算出し、皮膚刺激性を評価した。但し、投与24時間後は、清拭約1時間後に観察を行った。被験物質ごとに、投与24、48および72時間後における固体別評点を算出し、観察回数(3回)で除して個体別P.I.I.(Individual P.I.I.)を算出した。Individual P.I.I.値を合計し、その平均値を経皮吸収型貼付剤のP.I.I.とした。
Figure 2017006974
結果を表6に示す。なお、刺激性の評価は、P.I.Iが0の場合「無刺激物」、0より大きく2未満の場合「軽度刺激物」、2以上5未満の場合「中等度刺激物」、5以上のときは「強度刺激物」とした。評価に際して統計処理は実施しなかった。
Figure 2017006974
表6から明らかなとおり、実施例2、実施例3、実施例5および実施例16の経皮吸収型貼付剤は軽度刺激物であり、比較例4および参考例1の経皮吸収型貼付剤と比べて皮膚刺激性が低い。
試験例5 インビボ(in vivo)皮膚透過性試験(ラット)
8週齢の雄性SD系ラット(チャールズリバー社製,n=5)の背部皮膚を電気バリカンで剪毛した。10cm(3.16cm×3.16cm)の大きさに裁断した実施例16の経皮吸収型製剤(製剤1枚当たりのソリフェナシンコハク酸塩の含有量:約5mg/枚)をラットの背部に貼付し、メンバン(白十字社製)、Tegaderm Roll(スリーエムヘルスケア社製)、不織布粘着包帯(シルキーテック、ALCARE社製)を巻いて24時間投与した。貼付後、0.5、1、3、6、12、20、24、及び30時間(製剤除去後6時間)に、イソフルラン吸入麻酔下で鎖骨下静脈より採血(約0.3mL)し、遠心分離(4℃、2000G、15分)して血漿を得た。
また、比較としてソリフェナシンコハク酸塩を生理食塩水に溶解したものを静脈内投与した(n=4)。投与量はラット体重に対して、0.3及び1mg/kgとなるように投与液を調整し、投与液量は1mL/kgになるように投与した。投与後、1、3、5、10、15及び30分、1、2、3及び6時間に、イソフルラン吸入麻酔下で鎖骨下静脈より採血(約0.3mL)し、遠心分離(4℃、2000G、15分)して血漿を得た。
得られた血漿50μLにアセトニトリル150μLを加えて混和し、遠心分離(4℃、20000G、5分)して除タンパクを行い、孔径0.2μmのメンブランフィルター(メルクミリポア社製)でろ過し、LC/MS/MSを用いて各時間におけるソリフェナシンの血漿中濃度(ng/mL)を測定した。得られた結果を図2に示す。
<LC/MS/MS測定条件>
装置:ACQUITY UPLC H-Classシステム(Waters社製)
カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50mm(Waters社製)
カラム温度:40℃
流速:0.4mL/分
検出器:Xevo G2-S Q-Tof(Waters社製)
検出条件:Resolution・Positive、m/z=363.21
移動相:0.1%ギ酸水溶液と0.1%ギ酸-アセトニトリル溶液の混合液
サンプル注入量:1μL
図2より明らかなように、ソリフェナシンを静脈内投与した場合は、速やかに血漿中から消失しているのに対して、実施例16の経皮吸収型製剤をラットに貼付した場合、ソリフェナシンが持続的に経皮吸収されることで,貼付している24時間の間、一定以上の血漿中濃度が維持されることが確認された。
実施例17
・ゴム系樹脂組成物(4)の調製
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタック3570C、日本ゼオン社製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業社製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ社製)を以下に示す組成;
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 30.0%
脂環族飽和炭化水素樹脂 50.0%
流動パラフィン 20.0%
を固形分濃度が50%となるようにトルエンに溶解し、ゴム系樹脂組成物(4)を得た。
・経皮吸収型貼付剤の製造
あらかじめ秤量したソリフェナシンコハク酸塩にゴム系樹脂組成物(4)、ミリスチン酸イソプロピル、ジブチルヒドロキシトルエン(東京化成工業社製)を添加し、均一に撹拌した。これに水酸化ナトリウムのエタノール溶液を加えて撹拌し、以下に示す組成;
ゴム系樹脂組成物(4) 77.4%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
水酸化ナトリウム 1.6%
ソリフェナシンコハク酸塩 10.0%
ジブチルヒドロキシトルエン 1.0%
を有する塗工液を調製し、実施例1と同様に塗工して経皮吸収型貼付剤を得た。
実施例17で得られた経皮吸収型貼付剤を用いて、試験例2と同様にしてインビトロ皮膚透過性試験を行った。皮膚透過速度は、18.7μg/cm2/hであった。また、試験例3と同様にして安定性試験を行った結果、分解生成物量は、0.15%(60℃4週)であった。
本発明によれば、経皮吸収性、保存安定性および安全性に優れたソリフェナシンの薬学的に許容される塩を含有する経皮吸収型貼付剤が提供される。本発明の経皮吸収型貼付剤は、過活動膀胱の治療をより効果的に行うことが可能である。

Claims (10)

  1. 支持体と薬物含有層とを有する経皮吸収型貼付剤であって、該薬物含有層が、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩および無機塩基を含有する、経皮吸収型貼付剤。
  2. 前記薬物含有層がさらに粘着剤を含有し、該粘着剤がゴム系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する、請求項1に記載の経皮吸収型貼付剤。
  3. 前記ゴム系樹脂が、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体である、請求項2に記載の経皮吸収型貼付剤。
  4. 前記薬物含有層がさらに粘着付与剤を含有する、請求項2又は3に記載の経皮吸収型貼付剤。
  5. 前記粘着付与剤が、脂環族飽和炭化水素樹脂である、請求項4に記載の経皮吸収型貼付剤。
  6. 前記無機塩基が、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
  7. 前記薬物含有層がさらに吸収促進剤を含有し、該吸収促進剤がアルコール類およびエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
  8. 前記ソリフェナシンの薬学的に許容される塩が、ソリフェナシンコハク酸塩である、請求項1〜7のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
  9. 剥離ライナーをさらに有し、支持体、薬物含有層、および剥離ライナーの順に積層されている、請求項1〜8のいずれかに記載の経皮吸収型貼付剤。
  10. 前記請求項1に記載の経皮吸収型貼付剤の製造方法であって、ソリフェナシンの薬学的に許容される塩、および無機塩基を含む混合物を剥離ライナー上に塗布して薬物含有層を形成し、この薬物含有層に支持体を貼り合わせることを特徴とする製造方法。
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