JPWO2014188734A1 - 二次電池負極用スラリー組成物、二次電池用負極、および、二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、近年では、二次電池の更なる性能向上を達成すべく、これら電池部材の形成に用いられる電極用スラリー組成物の改良が試みられている。
また、本発明は、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極であって、集電体と負極合材層との密着性に優れ、かつ、二次電池の電気的特性を向上させることができる二次電池用負極を提供することを目的とする。
更に、本発明は、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極を備え、集電体と負極合材層との密着性が優れており、かつ、電気的特性に優れる二次電池を提供することを目的とする。
なお、本発明において「非炭素系負極活物質」とは、炭素質材料または黒鉛質材料のみからなる炭素系負極活物質を除く活物質を指す。
また、本発明の二次電池用負極によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極において、集電体と負極合材層との密着性を向上させると共に、二次電池の電気的特性を向上させることができる。
更に、本発明の二次電池によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極を備える二次電池において、電気的特性を向上させることができると共に、負極合材層と集電体との密着性を確保できる。
ここで、本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、二次電池の負極の形成に用いられる。また、本発明の二次電池用負極は、本発明の二次電池負極用スラリー組成物を用いて製造することができる。更に、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用負極を用いたことを特徴とする。
本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)と、水溶性増粘剤(A)の水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する架橋剤(B)と、粒子状重合体(C)と、負極活物質と、水とを含む。そして、本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、負極活物質が、非炭素系負極活物質を含み、粒子状重合体(C)が、架橋剤(B)と反応する官能基を有する。また、本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、負極活物質100質量部当たり、水溶性増粘剤(A)を0.5質量部以上20質量部以下含有し、架橋剤(B)を0.001質量部以上10質量部以下含有し、粒子状重合体(C)を0.5質量部以上20質量部以下含有する。そして、本発明の二次電池負極用スラリー組成物によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を含有し、二次電池の容量を高めることができる負極を形成することができる。更に、本発明の二次電池負極用スラリー組成物によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した場合であっても、集電体との密着性に優れ、かつ、二次電池の電気的特性を向上させることが可能な負極合材層を形成することができる。
以下、上記二次電池負極用スラリー組成物に含まれる各成分について説明する。
水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)(以下「水溶性増粘剤(A)」と略記することがある)は、スラリー組成物の粘度調整剤としての機能を有するものである。水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)としては、その分子構造中に水酸基とカルボキシル基との少なくとも一方を有し、且つ、水溶性の増粘剤として使用されうる化合物であれば特に限定されない。
ここで本明細書において、増粘剤が「水溶性」であるとは、イオン交換水100質量部当たり増粘剤1質量部(固形分相当)を添加し攪拌して得られる混合物を、温度20℃以上70℃以下の範囲内で、かつ、pH3以上12以下(pH調整にはNaOH水溶液及び/またはHCl水溶液を使用)の範囲内である条件のうち少なくとも一条件に調整し、250メッシュのスクリーンを通過させた際に、スクリーンを通過せずにスクリーン上に残る残渣の固形分の質量が、添加した増粘剤の固形分に対して50質量%を超えないことをいう。なお、上記増粘剤と水との混合物が、静置した場合に二相に分離するエマルジョン状態であっても、上記定義を満たせば、その増粘剤は水溶性であるとする。
そして、水溶性増粘剤(A)は、カルボキシメチルセルロースまたはその塩(以下「カルボキシメチルセルロース(塩)」と略記することがある)を含むことが好ましい。水溶性増粘剤(A)がカルボキシメチルセルロース(塩)を含むことで、スラリー組成物を集電体上などに塗布する際の作業性をより良好とすることができる。
水溶性増粘剤(A)の水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する架橋剤(B)(以下「架橋剤(B)」と略記することがある)は、上述の水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)、そして後述する粒子状重合体(C)と、加熱などにより架橋構造を形成する。即ち、架橋剤(B)は、水溶性増粘剤(A)同士、水溶性増粘剤(A)と粒子状重合体(C)、そして、粒子状重合体(C)同士、を繋ぐ好適な架橋構造を形成すると推察される。
即ち、本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、加熱などの処理を施すことにより、組成物中に含まれている水溶性増粘剤(A)および粒子状重合体(C)が架橋剤(B)を介して架橋構造を形成する。その結果、水溶性増粘剤(A)同士、水溶性増粘剤(A)と粒子状重合体(C)、および、粒子状重合体(C)同士の架橋により、弾性率、引っ張り破断強度、耐疲労性などの機械的特性や、接着性に優れ、且つ、水への溶解度が小さい(即ち耐水性に優れる)架橋構造が得られる。加えてこの架橋構造の形成は、スラリー組成物を用いて形成した負極の、二次電池の電解液に対する濡れ性も向上させる。これは、水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)は水素結合の形成などにより分子鎖同士が硬く絡み合い易いところ、架橋反応の際、硬く絡まった水溶性増粘剤(A)中に架橋剤(B)分子が入りこむことで、水溶性増粘剤(A)の分子鎖がほどかれ、電解液の入り込む物理的な空間が生じ易くなるからであると推察される。
そしてそれらの結果、二次電池負極用スラリー組成物が水溶性増粘剤(A)100質量部当たり、架橋剤(B)を上記の範囲で含有することで、二次電池の初期クーロン効率、レート特性、サイクル特性などの電気的特性を確保し、加えて、サイクル後の抵抗上昇を抑制することができる。
なお、これらの化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
多官能エポキシ化合物は、1分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物である。そして、多官能エポキシ化合物としては、上述した反応性の官能基を、1分子中に好ましくは6未満、より好ましくは4未満有する化合物が好ましい。1分子中の反応性の官能基の数(架橋剤(B)として使用した多官能エポキシ化合物の平均値)が上記の範囲であることで、スラリー組成物中で各成分の凝集による沈降が発生することを防ぎ、スラリー組成物の安定性を確保することができる。
なお、多官能エポキシ化合物としては、例えば脂肪族ポリグリシジルエーテル、芳香族ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテルなどの多官能グリシジルエーテル化合物が好ましい。1分子中に2以上のグリシジルエーテル基を有する多官能グリシジルエーテル化合物は、電解液との親和性が特に優れているため、架橋剤(B)として使用した場合に、二次電池を製造する際の電解液の注液性が特に向上するからである。
オキサゾリン化合物は、その分子中に、オキサゾリン基を有し、かつ、水溶性増粘剤(A)間、水溶性増粘剤(A)と粒子状重合体(C)との間、および、粒子状重合体(C)間に架橋構造を形成し得る架橋性化合物であれば特に限定されない。そして、オキサゾリン化合物としては、例えば、分子中にオキサゾリン基を2つ以上有する化合物が好ましい。なお、オキサゾリン基の水素原子の一部または全部は、他の基により置換されていてもよい。このような分子中にオキサゾリン基を2つ以上有する化合物としては、例えば、分子中にオキサゾリン基を2つ有する化合物(2価のオキサゾリン化合物)、オキサゾリン基を含有する重合体(オキサゾリン基含有重合体)が挙げられる。
2価のオキサゾリン化合物としては、例えば、2,2'−ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4,4'−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)などが挙げられる。中でも、より剛直な架橋構造を形成する観点から、2,2'−ビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
オキサゾリン基含有重合体は、オキサゾリン基を含有する重合体であれば特に限定されない。なお本明細書において、オキサゾリン基含有重合体には上述の2価のオキサゾリン化合物は含まれない。
そして、オキサゾリン基含有重合体は、例えば、以下の式(I)で表されるオキサゾリン基含有単量体と、他の単量体とを共重合することにより合成することができる。
なお、本発明において、オキサゾリン基含有重合体の「ガラス転移温度」は、本明細書の実施例に記載の粒子状重合体(C)のガラス転移温度の測定で用いた方法に準拠して測定することができる。
なお、オキサゾリン化合物のオキサゾリン当量は、下記式を用いて算出することができる。
オキサゾリン当量=(オキサゾリン化合物の分子量)/(オキサゾリン化合物1分子当たりのオキサゾリン基の数)
ここで、オキサゾリン化合物がオキサゾリン基含有重合体の場合には、オキサゾリン化合物の分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定したポリスチレン換算数平均分子量とすることができ、オキサゾリン化合物1分子当たりのオキサゾリン基の数は、例えば、IR(赤外分光法)を用いて定量することができる。
カルボジイミド化合物は、分子中に一般式(1):−N=C=N−・・・(1)で表されるカルボジイミド基を有し、水溶性増粘剤(A)間、水溶性増粘剤(A)と粒子状重合体(C)との間、および、粒子状重合体(C)間に架橋構造を形成し得る架橋性化合物であれば特に限定されない。そして、このようなカルボジイミド基を有する架橋剤(B)としては、例えば、カルボジイミド基を2つ以上有する化合物、具体的には、一般式(2):−N=C=N−R1・・・(2)[一般式(2)中、R1は2価の有機基を示す。]で表される繰返し単位を有するポリカルボジイミドおよび/または変性ポリカルボジイミドが好適に挙げられる。なお、本明細書において変性ポリカルボジイミドとは、ポリカルボジイミドに対して、後述する反応性化合物を反応させることによって得られる樹脂をいう。
ポリカルボジイミドの合成法は特に限定されるものではないが、例えば、有機ポリイソシアネートを、イソシアネート基のカルボジイミド化反応を促進する触媒(以下「カルボジイミド化触媒」という。)の存在下で反応させることにより、ポリカルボジイミドを合成することができる。また、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミドは、有機ポリイソシアネートを反応させて得たオリゴマー(カルボジイミドオリゴマー)と、当該オリゴマーと共重合可能な単量体とを共重合させることによっても合成することができる。
なお、このポリカルボジイミドの合成に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、有機ジイソシアネートが好ましい。
例えば分子鎖の両末端に水酸基を有する2価のアルコールをカルボジイミドオリゴマーと既知の方法で共重合させることにより、ポリカルボジイミド基と、2価のアルコール由来の単量体単位とを有するポリカルボジイミドを合成することができる。このように、架橋剤(B)としてのポリカルボジイミドが2価以上のアルコール由来の単量体単位、好ましくは2価のアルコール由来の単量体単位を有する場合、該ポリカルボジイミドを含むスラリー組成物から形成される負極の電解液に対する濡れ性が向上し、該負極を備える二次電池の製造における、電解液の注液性を向上させることができる。また、上述したアルコールを共重合させると、ポリカルボジイミドの水溶性を増加させることができるとともに、水中でポリカルボジイミドが自己ミセル化する(疎水性のカルボジイミド基の周りが親水性のエチレングリコール鎖で覆われる構造をとる)ため、化学的安定性を向上させることができる。
次に、変性ポリカルボジイミドの合成法について説明する。変性ポリカルボジイミドは、一般式(2)で表される繰返し単位を有するポリカルボジイミドの少なくとも1種に、反応性化合物の少なくとも1種を、適当な触媒の存在下あるいは不存在下で、適宜温度で反応(以下、「変性反応」という。)させることによって合成することができる。
なお、カルボジイミド化合物のNCN当量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いてカルボジイミド化合物のポリスチレン換算数平均分子量を求めると共に、IR(赤外分光法)を用いてカルボジイミド化合物1分子当たりのカルボジイミド基の数を定量分析し、下記式を用いて算出することができる。
NCN当量=(カルボジイミド化合物のポリスチレン換算数平均分子量)/(カルボジイミド化合物1分子当たりのカルボジイミド基の数)
ここで、上述した架橋剤(B)の1質量%水溶液の粘度は、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは700mPa・s以下、特に好ましくは150mPa・s以下である。1質量%水溶液の粘度が上記範囲内である架橋剤を用いることで、負極合材層と集電体との密着性を優れたものとすることができる。なお、架橋剤(B)の1質量%水溶液の粘度は、上述のカルボキシメチルセルロース(塩)の1質量%水溶液の粘度と同様の方法で測定することができる。
水溶率=(100−X)質量%
架橋剤(B)と反応する官能基を有する粒子状重合体(C)(以下「粒子状重合体(C)」と略記することがある)は、本発明の二次電池負極用スラリー組成物を用いて負極を形成した際に、製造した負極において、負極に含まれる成分(例えば、負極活物質)が負極から脱離しないように保持しうる成分である。ここで、スラリー組成物を用いて負極合材層を形成する場合には、一般的に、負極合材層における粒子状重合体は、電解液に浸漬された際に、電解液を吸収して膨潤しながらも粒子状の形状を維持し、負極活物質同士を結着させ、負極活物質が集電体から脱落するのを防ぐ。また、粒子状重合体は、負極合材層に含まれる負極活物質以外の粒子をも結着し、負極合材層の強度を維持する役割も果たしている。
なお、本明細書において「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の構造単位が含まれている」ことを意味する。
脂肪族共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を有する共重合体を粒子状重合体(C)として用いる場合、脂肪族共役ジエン単量体単位を形成し得る脂肪族共役ジエン単量体としては、特に限定されることなく、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などを用いることができ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。なお、脂肪族共役ジエン単量体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ここで、単量体組成物中の各単量体の含有割合は、通常、所望の粒子状重合体(C)における繰り返し単位の含有割合と同様にする。
通常、粒子状重合体(C)は、非水溶性である。したがって、通常、粒子状重合体(C)は、水系のスラリー組成物において粒子状となっており、その粒子形状を維持したまま、例えば二次電池用負極に含まれる。
そして、本発明の二次電池負極用スラリー組成物では、粒子状重合体(C)は、個数平均粒径が、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。個数平均粒径が上記範囲にあることで、得られる負極の強度および柔軟性を良好にできる。なお、個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡法やコールターカウンター、レーザー回折散乱法などによって容易に測定することができる。
なお、本発明において、粒子状重合体(C)の「ゲル含有量」は、本明細書の実施例に記載の測定方法を用いて測定することができる。
なお、本発明において、粒子状重合体(C)の「ガラス転移温度」は、本明細書の実施例に記載の測定方法を用いて測定することができる。
具体的には、ガラス転移温度は、使用する単量体の種類および量を変更することにより調整することができ、例えば、スチレン、アクリロニトリルなどの単量体を使用するとガラス転移温度を高めることができ、ブチルアクリレート、ブタジエンなどの単量体を使用するとガラス転移温度を低下させることができる。
また、ゲル含有量は、重合温度、重合開始剤の種類、分子量調整剤の種類、量、反応停止時の転化率などを変更することにより調整することができ、例えば、連鎖移動剤を少なくするとゲル含有量を高めることができ、連鎖移動剤を多くするとゲル含有量を低下させることができる。
負極活物質は、二次電池の負極において電子の受け渡しをする物質である。以下、リチウムイオン二次電池の負極において使用する負極活物質を例に挙げて説明する。
そして、本発明の二次電池負極用スラリー組成物では、二次電池を高容量化する観点から、負極活物質として少なくとも非炭素系負極活物質を使用することを必要とする。
非炭素系負極活物質は、炭素質材料または黒鉛質材料のみからなる炭素系負極活物質を除く活物質であり、非炭素系負極活物質としては、例えば金属系負極活物質を挙げることができる。
(A)シリコンを含む非晶相と、
(B)スズ、インジウム、並びに、イットリウム、ランタニド元素、アクチニド元素、または、これらの組み合わせを含むナノ結晶相と、
の混合物が挙げられる。より具体的には、ケイ素を含む合金としては、下記一般式(3):
SiaAlbTcSndIneMfLig ・・・(3)
[式中、Tは、遷移金属であり、Mは、イットリウム、ランタニド元素、アクチニド元素、または、これらの組み合わせであり、a+b+c+d+e+fの合計が1に等しく、0.35≦a≦0.70、0.01≦b≦0.45、0.05≦c≦0.25、00.1≦d≦0.15、e≦0.15、0.02≦f≦0.15、0<g≦{4.4×(a+d+e)+b}である]
で表される合金組成物が挙げられる。
このような合金は、例えば特開2013−65569号公報に記載の方法、具体的には溶融紡糸法(meltspun method)により調製することができる。
炭素系負極活物質とは、リチウムを挿入(「ドープ」ともいう。)可能な、炭素を主骨格とする活物質をいい、炭素系負極活物質としては、例えば炭素質材料と黒鉛質材料とが挙げられる。
そして、炭素質材料としては、例えば、熱処理温度によって炭素の構造を容易に変える易黒鉛性炭素や、ガラス状炭素に代表される非晶質構造に近い構造を持つ難黒鉛性炭素などが挙げられる。
ここで、易黒鉛性炭素としては、例えば、石油または石炭から得られるタールピッチを原料とした炭素材料が挙げられる。具体例を挙げると、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などが挙げられる。
また、難黒鉛性炭素としては、例えば、フェノール樹脂焼成体、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成体(PFA)、ハードカーボンなどが挙げられる。
そして、黒鉛質材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
ここで、人造黒鉛としては、例えば、易黒鉛性炭素を含んだ炭素を主に2800℃以上で熱処理した人造黒鉛、MCMBを2000℃以上で熱処理した黒鉛化MCMB、メソフェーズピッチ系炭素繊維を2000℃以上で熱処理した黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維などが挙げられる。
本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、上記成分の他に、導電材、補強材、レベリング剤、電解液添加剤などの成分を含有していてもよい。これらは、電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られず、公知のもの、例えば国際公開第2012/115096号に記載のものを使用することができる。これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の二次電池負極用スラリー組成物は、上記各成分を任意に一部予混合した後に分散媒としての水系媒体中に分散させることにより調製してもよいし、水溶性増粘剤(A)と、架橋剤(B)と、粒子状重合体(C)とを含むバインダー組成物を調製した後、該バインダー組成物と負極活物質とを分散媒としての水系媒体中に分散させることにより調製してもよい。なお、スラリー組成物中の各成分の分散性の観点からは、上記各成分を分散媒としての水系媒体中に分散させることによりスラリー組成物を調製することが好ましい。具体的には、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、フィルミックスなどの混合機を用いて上記各成分と水系媒体とを混合することにより、スラリー組成物を調製することが好ましい。
ここで、水系媒体としては、通常は水を用いるが、任意の化合物の水溶液や、少量の有機媒体と水との混合溶液などを用いてもよい。また、スラリー組成物の固形分濃度は、各成分を均一に分散させることができる濃度、例えば、30質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上80質量%以下とすることができる。更に、上記各成分と水系媒体との混合は、通常、室温以上80℃以下の範囲で、10分以上数時間以下行うことができる。
本発明の二次電池用負極は、本発明の二次電池負極用スラリー組成物を使用して製造することができる。
そして、本発明の二次電池用負極は、集電体と、集電体上に形成された負極合材層とを備え、負極合材層は、本発明の二次電池負極用スラリー組成物から得られる。本発明の二次電池用負極によれば、集電体と負極合材層との密着性を向上させると共に、二次電池の電気的特性を向上させることができる。
上記二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。具体的には、塗布方法としては、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などを用いることができる。この際、スラリー組成物を集電体の片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。塗布後乾燥前の集電体上のスラリー膜の厚みは、乾燥して得られる負極合材層の厚みに応じて適宜に設定しうる。
集電体上のスラリー組成物を乾燥する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。このように集電体上のスラリー組成物を乾燥することで、集電体上に負極合材層を形成し、集電体と負極合材層とを備える二次電池用負極を得ることができる。なお、スラリー組成物を乾燥する際には、加えられた熱により、架橋剤(B)を介した架橋反応が進行する。
また、負極合材層の形成後に、加熱工程を実施して架橋反応を進行させ、架橋構造をさらに十分なものとすることが好ましい。該加熱工程は、80℃以上160℃以下で、1時間以上20時間以下程度行うことが好ましい。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、電解液と、セパレータとを備え、負極として、本発明の二次電池用負極を用いたものである。そして、本発明の二次電池は、本発明の二次電池用負極を用いているので、非炭素系負極活物質を使用した場合であっても、充放電の繰り返しに伴う負極の膨れを抑制しつつ電気的特性を向上させることができると共に、負極合材層と集電体との密着性を確保することができる。本発明の二次電池は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、パソコン、電気自動車、定置型非常用蓄電池などに好適に用いることができる。
二次電池の正極としては、例えば二次電池がリチウムイオン二次電池である場合、リチウムイオン二次電池用正極として用いられる既知の正極を用いることができる。具体的には、正極としては、例えば、正極合材層を集電体上に形成してなる正極を用いることができる。
なお、集電体としては、アルミニウムなどの金属材料からなるものを用いることができる。また、正極合材層としては、既知の正極活物質と、導電材と、バインダーとを含む層を用いることができ、バインダーとしては既知の粒子状重合体を使用してもよい。
電解液としては、溶媒に電解質を溶解した電解液を用いることができる。
ここで、溶媒としては、電解質を溶解可能な有機溶媒を用いることができる。具体的には、溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのアルキルカーボネート系溶媒に、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、酢酸メチル、ジメトキシエタン、ジオキソラン、プロピオン酸メチル、ギ酸メチルなどの粘度調整溶媒を添加したものを用いることができる。
電解質としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。これらのリチウム塩の中でも、有機溶媒に溶解しやすく、高い解離度を示すという点より、電解質としてはLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。
また、電解液は、ポリマーおよび上記電解液を含有するゲル電解質であってもよく、さらには真性ポリマー電解質であってもよい。
セパレータとしては、例えば、特開2012−204303号公報に記載のものを用いることができる。中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、これにより、二次電池内の電極活物質の比率を高くして体積あたりの容量を高くすることができるという点より、ポリオレフィン系の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)からなる微多孔膜が好ましい。また、セパレータとして、非導電性粒子を既知の粒子状重合体で結着してなる多孔膜を備えるセパレータを使用してもよい。
本発明の二次電池は、例えば、正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより製造することができる。リチウムイオン二次電池の内部の圧力上昇、過充放電などの発生を防止するために、必要に応じて、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。二次電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
実施例および比較例において、粒子状重合体(C)のガラス転移温度およびゲル含有量、二次電池の初期クーロン効率、初期抵抗、サイクル特性およびサイクル後の抵抗上昇抑制、並びに、負極合材層と集電体との密着性は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
粒子状重合体(C)を含む水分散液を50%湿度、23℃以上25℃以下の環境下で3日間乾燥させて、厚み1±0.3mmのフィルムを得た。このフィルムを、120℃の熱風オーブンで1時間乾燥させた。その後、乾燥させたフィルムをサンプルとして、JIS K7121に準じて、測定温度−100℃以上180℃以下、昇温速度5℃/分の条件下、DSC6220SII(示差走査熱量分析計、ナノテクノロジー社製)を用いてガラス転移温度(℃)を測定した。
<粒子状重合体(C)のゲル含有量>
粒子状重合体(C)を含む水分散液を50%湿度、23℃以上25℃以下の環境下で乾燥させて、厚み3±0.3mmのフィルムを得た。このフィルムを1mm角に裁断し、約1gを精秤した。
裁断により得られたフィルム片の質量をw0とする。このフィルム片を、10gのテトラヒドロフラン(THF)に25℃±1℃の環境の下、24時間浸漬した。その後、THFから引き揚げたフィルム片を105℃で3時間真空乾燥して、不溶分の質量w1を計測した。
そして、下記式にしたがってゲル含有量(質量%)を算出した。
ゲル含有量(質量%)=(w1/w0)×100
<初期クーロン効率>
作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電解液注液後、5時間静置させ、0.2Cの定電流法によって、セル電圧3.65Vまで25℃雰囲気下で充電(充電量をC1(mAh)と定義)し、その後60℃に昇温し12時間エージング処理を行い、その後、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流法によってセル電圧2.75Vまで放電(放電量をD1(mAh)と定義)を行った。
その後、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流にて、CC−CV充電(上限セル電圧4.20V)を行い(充電量をC2(mAh)と定義)、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流にてCC放電(下限電圧2.75V)(放電量をD2(mAh)と定義)を実施した。
初期クーロン効率は、{(D1+D2)/(C1+C2)}×100(%)で定義し、以下の基準により評価した。
A:初期クーロン効率が84%以上
B:初期クーロン効率が83%以上84%未満
C:初期クーロン効率が81%以上83%未満
D:初期クーロン効率が81%未満
<初期抵抗>
作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電解液注液後、5時間静置させ、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流法によって、セル電圧3.65Vまで充電し、その後60℃に昇温し、12時間エージング処理を行い、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流法によってセル電圧2.75Vまで放電を行った。
その後、25℃雰囲気下で、0.1Cの定電流法にて、セル電圧3.82Vまで充電し、そのまま5時間放置して、電圧V0を測定した。その後、−10℃の環境下で、1.5Cの放電の操作を行い、放電開始20秒後の電圧V20を測定した。
初期抵抗はΔVini=V0−V20で示す電圧変化で定義し、以下の基準により評価した。この電圧変化が小さいほど、初期抵抗に優れることを示す。
A:ΔViniが1.00V以下
B:ΔViniが1.00V超1.05V以下
C:ΔViniが1.05V超1.10V以下
D:ΔViniが1.10V超
<サイクル特性>
上記初期抵抗測定後のリチウムイオン二次電池を用いて、25℃雰囲気下で0.2Cの定電流法によってセル電圧2.75Vまで放電を行った。
さらに、45℃環境下で4.2V、0.5Cの充放電レートにて50サイクル充放電の操作を行った。そのとき1サイクル目の容量、すなわち初期放電容量X1、および50サイクル目の放電容量X2を測定し、ΔC´=(X2/X1)×100(%)で示す容量変化率を求め、以下の基準により評価した。この容量変化率ΔC´の値が高いほど、サイクル特性に優れることを示す。
A:ΔC´が85%以上
B:ΔC´が83%以上85%未満
C:ΔC´が80%以上83%未満
D:ΔC´が80%未満
<サイクル後の抵抗上昇抑制>
上記サイクル特性測定後のリチウムイオン二次電池を用いて、25℃、0.05Cの定電流法にて、セル電圧2.75Vまで放電させた。その後、25℃で、0.1Cの定電流法にて、セル電圧3.82Vまで充電し、そのまま5時間放置して電圧V´0を測定した。さらに、−10℃の環境下で、1.5Cの放電の操作を行い、放電開始20秒後の電圧V´20を測定した。そして、ΔVfin=V´0−V´20で示す電圧変化で定義されるサイクル後の抵抗を算出した。
そして、サイクル後の抵抗上昇率をΔVfin/ΔViniで定義し、以下の基準により評価した。この抵抗上昇率ΔVfin/ΔViniの値が小さいほど、サイクルによる抵抗上昇の抑制に優れることを示す。
A:ΔVfin/ΔViniが110%以下
B:ΔVfin/ΔViniが110%超120%以下
C:ΔVfin/ΔViniが120%超130%以下
D:ΔVfin/ΔViniが130%超
<負極合材層と集電体との密着性>
作製した二次電池用負極を長さ100mm、幅10mmの長方形状に切り出して試験片とし、負極合材層を有する面を下にし、負極合材層表面にセロハンテープ(JIS Z1522に規定されるもの)を貼り付け、集電体の一端を垂直方向に引張り速度50mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定した(なお、セロハンテープは試験台に固定されている)。測定を3回行い、その平均値を求めてこれを剥離ピール強度とし、以下の基準により評価した。剥離ピール強度の値が大きいほど、負極合材層と集電体との密着性に優れることを示す。
A:剥離ピール強度が30N/m以上
B:剥離ピール強度が25N/m以上30N/m未満
C:剥離ピール強度が20N/m以上25N/m未満
D:剥離ピール強度が20N/m未満
二次電池負極用スラリー組成物の調製には、以下の水溶性増粘剤(A)、架橋剤(B)、粒子状重合体(C)、負極活物質を使用した。
[水溶性増粘剤(A)]
CMC1:カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(日本製紙ケミカル社製、製品名:MAC350HC、エーテル化度0.8 1%水溶液の粘度3500mPa・s)
PAA1:ポリアクリル酸(アルドリッチ社製、重量平均分子量45万)
[架橋剤(B)]
架橋剤B1:多官能エポキシ化合物(ナガセケムテック製、製品名:EX−313、官能基数3個/1分子(1分子当たりエポキシ基2個と水酸基1個の化合物と、エポキシ基3個の化合物との混合物)、水溶率90%以上、1%水溶液の粘度140mPa・s、一相水溶性)
架橋剤B2:2,2'−ビス(2−オキサゾリン)(東京化成工業社製、オキサゾリン当量70、一相水溶性)
架橋剤B3:ポリカルボジイミド(日清紡ケミカル社製、製品名:カルボジライト(登録商標)SV−02、NCN当量429、一相水溶性)
[粒子状重合体(C)]
以下のように、粒子状重合体C1(カルボキシル基+水酸基を有する重合体)を調製した。
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、芳香族ビニル単量体としてスチレン65部、脂肪族共役ジエン単量体として1,3−ブタジエン35部、エチレン性不飽和カルボン酸単量体としてイタコン酸2部、水酸基含有単量体として2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.3部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、溶媒としてイオン交換水150部、および、重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に攪拌した後、55℃に加温して重合を開始した。
モノマー消費量が95.0%になった時点で冷却し、反応を停止した。こうして得られた重合体を含んだ水分散体に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整した。その後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。さらにその後、30℃以下まで冷却し、粒子状重合体C1の水分散液を得た。得られた粒子状重合体C1の水分散液を用いて、上述した方法により、粒子状重合体C1のゲル含有量、および、ガラス転移温度を測定した。測定の結果、ゲル含有量は92%、ガラス転移温度(Tg)は10℃であった。
[負極活物質]
活物質1:ケイ素を含む合金(非炭素系負極活物質、3M社製、製品名:L−20772)50部と、人造黒鉛(炭素系負極活物質)50部との混合物
活物質2:SiOx(非炭素系負極活物質、信越化学工業製)30部と、人造黒鉛(炭素系負極活物質)70部との混合物
活物質3:Si(非炭素系負極活物質、日本高純度化学製、試薬グレード)10部と、人造黒鉛(炭素系負極活物質)90部との混合物
<二次電池負極用スラリー組成物の調製>
プラネタリーミキサーに、負極活物質として活物質1を100部、導電材としてSuper_C45(TIMICAL製)を2部、水溶性増粘剤(A)としてCMC1の1%水溶液を固形分相当で0.98部、および、PAA1の1%水溶液(NaOHでpHを8に調整済み)を固形分相当で0.02部、架橋剤(B)として架橋剤B1を固形分相当で0.05部、粒子状重合体(C)として粒子状重合体C1の水分散液を固形分相当で1.5部投入し、さらに固形分濃度が52%となるようにイオン交換水を加えて混合し、CMC1、PAA1、架橋剤B1、粒子状重合体C1、活物質1を含む二次電池負極用スラリー組成物を調製した。
<負極の製造>
上述の二次電池負極用スラリー組成物を、コンマコーターで、厚さ20μmの銅箔(集電体)の上に塗付量が5.0mg/cm2以上5.4mg/cm2以下となるように塗布した。この二次電池負極用スラリー組成物が塗布された銅箔を、0.3m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間、さらに120℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより、銅箔上のスラリー組成物を乾燥させ、負極原反を得た。
そして得られた負極原反をロールプレス機にて合材層密度が1.63g/cm3以上1.67g/cm3以下となるようプレスし、さらに、水分の除去および架橋のさらなる促進を目的として、真空条件下120℃の環境に10時間置き、集電体上に負極合材層を形成してなる負極を得た。
作製した負極を用いて、負極合材層と集電体との密着性を評価した。結果を表1に示す。
<正極の製造>
プラネタリーミキサーに、正極活物質としてLiCoO2100部、導電材としてアセチレンブラック2部(電気化学工業(株)製「HS−100」)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、(株)クレハ化学製「KF−1100」)2部、さらに全固形分濃度が67%となるようにN−メチルピロリドンを加えて混合し、二次電池正極用スラリー組成物を調製した。
得られた二次電池正極用スラリー組成物をコンマコーターで、厚さ20μmのアルミ箔の上に塗付量が17.5mg/cm2以上18.4mg/cm2以下となるように塗布し、乾燥した。なお、この乾燥は、アルミ箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して正極原反を得た。
得られた正極原反をロールプレス機にてプレス後の合材層密度が3.40g/cm3以上3.50g/cm3以下になるようにプレスし、さらに水分の除去を目的として、真空条件下120℃の環境に3時間置き、集電体上に正極合材層を形成してなる正極を得た。
<リチウムイオン二次電池の製造>
単層のポリプロピレン製セパレータ(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm;乾式法により製造;気孔率55%)を用意し、5cm×5cmの正方形状に切り抜いた。また、電池の外装として、アルミ包材外装を用意した。
そして作製した正極を、3.8cm×2.8cmの長方形状に切り出し、集電体側の表面がアルミ包材外装に接するように配置した。次に、正極の正極合材層の面上に、上記の正方形状のセパレータを配置した。さらに、作製した負極を、4.0cm×3.0cmの長方形状に切り出し、これをセパレータ上に、負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。その後、電解液として濃度1.0MのLiPF6溶液(溶媒はエチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/7(体積比)の混合溶媒、添加剤としてビニレンカーボネート2体積%(溶媒比)含有)を充填した。さらに、アルミ包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミ外装を閉口し、ラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を製造した。
作製したリチウムイオン二次電池について、初期クーロン効率、初期抵抗、サイクル特性、サイクル後の抵抗上昇抑制を評価した。結果を表1に示す。
架橋剤B1に替えて、それぞれ架橋剤B2、架橋剤B3を使用した以外は、実施例1と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
架橋剤B3の配合量を、それぞれ固形分相当で0.02部、0.10部、0.25部とした以外は、実施例3と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
水溶性増粘剤(A)として、CMC1のみを固形分相当で1部使用した以外は、実施例3と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
負極活物質として、活物質1に替えて、それぞれ活物質2、活物質3を使用した以外は、実施例3と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
架橋剤B3を使用しない以外は、それぞれ実施例3,8,9と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
水溶性増粘剤(A)としてのCMC1およびPAA1の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例9と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
架橋剤(B)としての架橋剤B3の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
粒子状重合体(C)としての粒子状重合体C1の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
水溶性増粘剤(A)としてのCMC1およびPAA1の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例20と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
水溶性増粘剤(A)としてのCMC1およびPAA1の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造しようとしたが、十分な増粘効果が得られずに二次電池負極用スラリー組成物を調製することができなかった。
架橋剤(B)としての架橋剤B3の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
粒子状重合体(C)としての粒子状重合体C1の配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
粒子状重合体(C)としての粒子状重合体C1を使用しない以外は、実施例10と同様にして二次電池負極用スラリー組成物、負極、正極、リチウムイオン二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
一方、表1より、架橋剤(B)を含まない比較例1〜3は、負極合材層と集電体との密着性およびリチウムイオン二次電池の電気的特性を向上させることができないことが分かる。
また、表2より、水溶性増粘剤(A)の量が少ない比較例4は、スラリー組成物を調製することができないことが分かる。更に、表2より、架橋剤(B)の量が多い比較例5は、負極合材層と集電体との密着性およびリチウムイオン二次電池の電気的特性を向上させることができず、粒子状重合体(C)の量が多い比較例6は、リチウムイオン二次電池の電気的特性を向上させることができないことが分かる。また、表2より、粒子状重合体(C)を含まない比較例7は、負極合材層と集電体との密着性およびリチウムイオン二次電池の電気的特性を向上させることができないことが分かる。
また、表1の実施例3〜6より、架橋剤(B)の量を変更することで、負極合材層と集電体との密着性や、リチウムイオン二次電池の初期抵抗およびサイクル特性などの電気的特性を更に良好なものとしつつ、抵抗の上昇を抑制し得ることが分かる。
更に、表1の実施例3および7より、水溶性増粘剤(A)としてカルボキシメチルセルロースとポリアクリル酸を併用することで、負極合材層と集電体との密着性、および、リチウムイオン二次電池の電気的特性を高い次元で並立し得ることが分かる。
また、表1の実施例1〜7および8〜9より、負極活物質としてケイ素を含む合金を使用すれば、リチウムイオン二次電池の電気的特性を良好なものとし得ることが分かる。
また、表2の実施例10および実施例13〜17より、架橋剤(B)の量を変更することで、負極合材層と集電体との密着性や、リチウムイオン二次電池の初期抵抗およびサイクル特性などの電気的特性を更に良好なものとしつつ、抵抗の上昇を抑制し得ることが分かる。
更に、表2の実施例10および実施例18〜21より、粒子状重合体(C)の量を変更することで、負極合材層と集電体との密着性を更に良好なものとしつつ、リチウムイオン二次電池の電気的特性の確保および抵抗の上昇抑制を達成し得ることが分かる。
また、表2の実施例20および実施例22〜23より、水溶性増粘剤(A)として使用するカルボキシメチルセルロースおよびポリアクリル酸の割合を変更することで、負極合材層と集電体との密着性を更に良好なものとし得ることが分かる。
また、本発明の二次電池用負極によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極において、集電体と負極合材層との密着性を向上させると共に、二次電池の電気的特性を向上させることができる。
更に、本発明の二次電池によれば、非炭素系負極活物質を含む負極活物質を使用した二次電池用負極を備える二次電池において、電気的特性を向上させることができると共に、負極合材層と集電体との密着性を確保できる。
Claims (8)
- 水酸基またはカルボキシル基を有する水溶性増粘剤(A)と、前記水溶性増粘剤(A)の水酸基またはカルボキシル基と反応する官能基を有する架橋剤(B)と、粒子状重合体(C)と、負極活物質と、水とを含み、
前記負極活物質は、非炭素系負極活物質を含み、
前記粒子状重合体(C)は、前記架橋剤(B)と反応する官能基を有し、
前記負極活物質100質量部当たり、前記水溶性増粘剤(A)を0.5質量部以上20質量部以下含有し、前記架橋剤(B)を0.001質量部以上10質量部以下含有し、前記粒子状重合体(C)を0.5質量部以上20質量部以下含有する、二次電池負極用スラリー組成物。 - 前記水溶性増粘剤(A)が、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、および、これらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二次電池負極用スラリー組成物。
- 前記架橋剤(B)が、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、および、カルボジイミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の二次電池負極用スラリー組成物。
- 前記粒子状重合体(C)が、脂肪族共役ジエン単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池負極用スラリー組成物。
- 前記粒子状重合体(C)中の前記架橋剤(B)と反応する官能基が、カルボキシル基、水酸基、グリシジルエーテル基、および、チオール基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池負極用スラリー組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池負極用スラリー組成物から得られる負極合材層を有する、二次電池用負極。
- 前記負極合材層が、前記水溶性増粘剤(A)、前記架橋剤(B)、および、前記粒子状重合体(C)から形成される架橋構造を有する、請求項6に記載の二次電池用負極。
- 請求項6または7に記載の二次電池用負極と、正極と、電解液と、セパレータとを備える、二次電池。
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