JPS639043B2 - - Google Patents
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- JPS639043B2 JPS639043B2 JP56208118A JP20811881A JPS639043B2 JP S639043 B2 JPS639043 B2 JP S639043B2 JP 56208118 A JP56208118 A JP 56208118A JP 20811881 A JP20811881 A JP 20811881A JP S639043 B2 JPS639043 B2 JP S639043B2
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- conductive
- fiber
- fibers
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は導電性繊維、特に導電性物質として酸
化第二錫を含有する新規な導電性複合繊維に関す
る。
化第二錫を含有する新規な導電性複合繊維に関す
る。
合成繊維例えばポリエステル系繊維、ポリアミ
ド系繊維等は導電性が低いため、摩擦により静電
気が発生する。かかる合成繊維よりなる布帛は使
用に際して数拾KVにも達する高電位の帯電が認
められ、塵埃の付着、放電に伴なう各種の障害が
発生する。
ド系繊維等は導電性が低いため、摩擦により静電
気が発生する。かかる合成繊維よりなる布帛は使
用に際して数拾KVにも達する高電位の帯電が認
められ、塵埃の付着、放電に伴なう各種の障害が
発生する。
かかる問題を解決するため、繊維製品に導電性
繊維を混合することが知られており、導電性繊維
として金属繊維、金属メツキを施した繊維、導電
性物質を配合したポリマードープを塗布した繊
維、カーボンブラツクを配合した繊維等が提案さ
れている。
繊維を混合することが知られており、導電性繊維
として金属繊維、金属メツキを施した繊維、導電
性物質を配合したポリマードープを塗布した繊
維、カーボンブラツクを配合した繊維等が提案さ
れている。
しかしながら、これら従来の導電性繊維は、い
ずれも重大な欠点を有し、満足できるものではな
かつた。例えば金属繊維は、屈曲回復性がないた
め、使用時又は加工時の屈曲により導電性能が低
下すること、他繊維との混合、交編、交織が容易
でないこと、更には金属特有の色調を有すること
等多くの欠点を有している。金属メツキを施した
繊維は、繊維表面に均一で且つ連続したメツキ層
を形成する必要があるため、繊維表面には平滑性
が要求され、適用できる繊維の種類が大きく制限
されること、メツキ処理は精確に施さなければな
らず、製造コストが極めて高くなること、使用時
又は加工時にメツキ層が剥離し易く耐久性が低い
こと、更には金属特有の色調を呈すること等多く
の欠点を有している。導電性物質を配合したポリ
マードープを塗布した繊維も、製造コスト、剥離
等について上述の金属メツキ繊維と同様の欠点が
ある。更にカーボンブラツク含有繊維はカーボン
ブラツクの黒色に着色しており、合成繊維と混合
すると外観が著しく損なわれるため、その使用分
野が制限されるという致命的欠点を有する。
ずれも重大な欠点を有し、満足できるものではな
かつた。例えば金属繊維は、屈曲回復性がないた
め、使用時又は加工時の屈曲により導電性能が低
下すること、他繊維との混合、交編、交織が容易
でないこと、更には金属特有の色調を有すること
等多くの欠点を有している。金属メツキを施した
繊維は、繊維表面に均一で且つ連続したメツキ層
を形成する必要があるため、繊維表面には平滑性
が要求され、適用できる繊維の種類が大きく制限
されること、メツキ処理は精確に施さなければな
らず、製造コストが極めて高くなること、使用時
又は加工時にメツキ層が剥離し易く耐久性が低い
こと、更には金属特有の色調を呈すること等多く
の欠点を有している。導電性物質を配合したポリ
マードープを塗布した繊維も、製造コスト、剥離
等について上述の金属メツキ繊維と同様の欠点が
ある。更にカーボンブラツク含有繊維はカーボン
ブラツクの黒色に着色しており、合成繊維と混合
すると外観が著しく損なわれるため、その使用分
野が制限されるという致命的欠点を有する。
本発明者は、上記欠点のない導電性繊維を提供
せんとして鋭意検討した結果、導電性物質として
酸化第2錫系導電性物質を使用することに着目
し、繊維形成性熱可塑性樹脂よりなる(A)成分と酸
化第2錫系導電性物質を配合した熱可塑性樹脂よ
りなる(B)成分とを使用した導電性複合繊維を製造
せんと試みたところ、未延伸糸では十分な導電性
を示すが、糸強力をあげるために延伸すると導電
性能が低下し、延伸倍率をあげるに従つて導電性
能の低下が著しくなり、充分な倍率の延伸ができ
ず、糸強力と導電性共に優れた導電性複合繊維を
得ることはできなかつた。
せんとして鋭意検討した結果、導電性物質として
酸化第2錫系導電性物質を使用することに着目
し、繊維形成性熱可塑性樹脂よりなる(A)成分と酸
化第2錫系導電性物質を配合した熱可塑性樹脂よ
りなる(B)成分とを使用した導電性複合繊維を製造
せんと試みたところ、未延伸糸では十分な導電性
を示すが、糸強力をあげるために延伸すると導電
性能が低下し、延伸倍率をあげるに従つて導電性
能の低下が著しくなり、充分な倍率の延伸ができ
ず、糸強力と導電性共に優れた導電性複合繊維を
得ることはできなかつた。
そこで、(B)成分中の酸化第2錫系導電性物質を
配合する熱可塑性重合体の延伸による導電性変化
について検討を重ねた結果、この重合体として特
定割合の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン
酸とからなる酸成分と、アルキレングリコール成
分とから構成される熱可塑性共重合ポリエステル
を使用すれば、得られる導電性組成物(B)成分の導
電性は全く不充分であるにもかかわらず、この(B)
成分を用いて紡糸、延伸した複合繊維は、延伸直
後には導電性能は不足ではあるが、経時とともに
導電性能が向上し、10〜30日後には導電繊維とし
て充分な性能を保有するようになり、目的とする
糸強力と導電性共に優れた導電性複合繊維が得ら
れることを見い出し、本発明を完成させた。
配合する熱可塑性重合体の延伸による導電性変化
について検討を重ねた結果、この重合体として特
定割合の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン
酸とからなる酸成分と、アルキレングリコール成
分とから構成される熱可塑性共重合ポリエステル
を使用すれば、得られる導電性組成物(B)成分の導
電性は全く不充分であるにもかかわらず、この(B)
成分を用いて紡糸、延伸した複合繊維は、延伸直
後には導電性能は不足ではあるが、経時とともに
導電性能が向上し、10〜30日後には導電繊維とし
て充分な性能を保有するようになり、目的とする
糸強力と導電性共に優れた導電性複合繊維が得ら
れることを見い出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は繊維形成性重合体よりなる(A)成
分、及び酸化第2錫系導電性物質と熱可塑性共重
合ポリエステルとの混合物よりなり且つ該熱可塑
性共重合ポリエステルが30〜80モル%の脂肪族ジ
カルボン酸成分、70〜20モル%の芳香族ジカルボ
ン酸成分と少なくとも一種のアルキレングリコー
ル成分とから構成されてなる熱可塑性共重合ポリ
エステルである(B)成分から形成されてなる導電性
複合繊維に係るものである。
分、及び酸化第2錫系導電性物質と熱可塑性共重
合ポリエステルとの混合物よりなり且つ該熱可塑
性共重合ポリエステルが30〜80モル%の脂肪族ジ
カルボン酸成分、70〜20モル%の芳香族ジカルボ
ン酸成分と少なくとも一種のアルキレングリコー
ル成分とから構成されてなる熱可塑性共重合ポリ
エステルである(B)成分から形成されてなる導電性
複合繊維に係るものである。
本発明の導電性繊維の一部を構成する(A)成分と
なる重合体は溶融紡糸可能な繊維形成性重合体で
あればよい。かかる重合体の具体例としては、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートの如きポリエステル、ナイロン6やナイ
ロン6.6の如きポリアミド、ポリエチレンやポリ
プロピレンの如きポリオレフイン等又はこれらを
主成分とする共重合体若しくは混合重合体等をあ
げることができる。また、かかる(A)成分を構成す
る重合体には、必要に応じて任意の添加剤、例え
ば艶消剤、着色剤、酸化安定剤、染色性向上剤等
を含有させてもよい。
なる重合体は溶融紡糸可能な繊維形成性重合体で
あればよい。かかる重合体の具体例としては、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートの如きポリエステル、ナイロン6やナイ
ロン6.6の如きポリアミド、ポリエチレンやポリ
プロピレンの如きポリオレフイン等又はこれらを
主成分とする共重合体若しくは混合重合体等をあ
げることができる。また、かかる(A)成分を構成す
る重合体には、必要に応じて任意の添加剤、例え
ば艶消剤、着色剤、酸化安定剤、染色性向上剤等
を含有させてもよい。
また本発明の導電性繊維の導電部を構成する(B)
成分は、体積抵抗値を102Ω・cm以下に調整した
酸化第2錫系導電性微粉末と熱可塑性重合体とか
らなる。制電用途に使用される導電繊維には
1KVの直流電圧に対して1012Ω/cm、好ましくは
1011Ω/cm以下の電気抵抗が要求されるので、混
合する導電性微粉末自体の体積電気抵抗が102
Ω・cmを越える酸化第2錫では最終的に得られる
繊維の導電性が不足する。このような酸化第2錫
は体積抵抗値を102Ω・cm以下に調整すればよく、
そうするには任意の方法が採用される。例えば塩
化アンチモン()、三酸化アンチモンの如き三
価のアンチモン化合物を酸化第2錫に添加し、高
温で焼成する方法が挙げられる。
成分は、体積抵抗値を102Ω・cm以下に調整した
酸化第2錫系導電性微粉末と熱可塑性重合体とか
らなる。制電用途に使用される導電繊維には
1KVの直流電圧に対して1012Ω/cm、好ましくは
1011Ω/cm以下の電気抵抗が要求されるので、混
合する導電性微粉末自体の体積電気抵抗が102
Ω・cmを越える酸化第2錫では最終的に得られる
繊維の導電性が不足する。このような酸化第2錫
は体積抵抗値を102Ω・cm以下に調整すればよく、
そうするには任意の方法が採用される。例えば塩
化アンチモン()、三酸化アンチモンの如き三
価のアンチモン化合物を酸化第2錫に添加し、高
温で焼成する方法が挙げられる。
このような体積抵抗値が102Ω・cm以下の酸化
第2錫系導電性微粉末と共に(B)成分を構成する重
合体は、芳香族ジカルボン酸成分と全酸成分の30
〜80モル%の脂肪族ジカルボン酸成分とからなる
酸成分と、少なくとも1種のアルキレングリコー
ル成分とから構成される熱可塑性共重合ポリエス
テルであり、紡糸温度において分解等を生じない
熱安定性を有し、且つ溶融押し出し可能なもので
あればそれ自体は繊維形成能を有していても有し
ていなくてもよい。全酸成分にしめる脂肪族ジカ
ルボン酸成分の割合が30モル%未満又は80モル%
を越える共重合ポリエステルの場合は、前記共重
合ポリエステルの場合に比べて、導電部を構成す
る(B)成分の導電性は良好であるが、延伸によつて
導電性が大幅に低下し、低下したものは経時させ
てももはや回復することはなく、目的とする糸強
力、導電性共に優れた導電性複合繊維を得ること
はできない。
第2錫系導電性微粉末と共に(B)成分を構成する重
合体は、芳香族ジカルボン酸成分と全酸成分の30
〜80モル%の脂肪族ジカルボン酸成分とからなる
酸成分と、少なくとも1種のアルキレングリコー
ル成分とから構成される熱可塑性共重合ポリエス
テルであり、紡糸温度において分解等を生じない
熱安定性を有し、且つ溶融押し出し可能なもので
あればそれ自体は繊維形成能を有していても有し
ていなくてもよい。全酸成分にしめる脂肪族ジカ
ルボン酸成分の割合が30モル%未満又は80モル%
を越える共重合ポリエステルの場合は、前記共重
合ポリエステルの場合に比べて、導電部を構成す
る(B)成分の導電性は良好であるが、延伸によつて
導電性が大幅に低下し、低下したものは経時させ
てももはや回復することはなく、目的とする糸強
力、導電性共に優れた導電性複合繊維を得ること
はできない。
ここでいう脂肪族ジカルボン酸としてはマロ
酸、コハク酸、ダルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等
を、芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸等をあげることができる。また、アルキレング
リコールとしてはエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等があげられる。
酸、コハク酸、ダルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等
を、芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸等をあげることができる。また、アルキレング
リコールとしてはエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等があげられる。
上記(B)成分中の重合体と酸化第2錫系導電性物
質とを混合するには、良好に分散できる方法であ
れば任意に採用される。酸化第2錫系導電性物質
の混合量は要求される導電性能によつて異なり、
一概に特定し難いが、複合繊維に充分な導電性能
を付与するためには、50重量%以上にするのが好
ましい。一方酸化第2錫系導電性物質の混合量を
あまりに多くすると、(B)成分の調整及び紡糸が困
難になるので75重量%以下にするのが好ましい。
また(B)成分中にも必要に応じて任意の添加剤、例
えば艶消剤、着色剤、酸化安定剤等を含有させる
ことができる。
質とを混合するには、良好に分散できる方法であ
れば任意に採用される。酸化第2錫系導電性物質
の混合量は要求される導電性能によつて異なり、
一概に特定し難いが、複合繊維に充分な導電性能
を付与するためには、50重量%以上にするのが好
ましい。一方酸化第2錫系導電性物質の混合量を
あまりに多くすると、(B)成分の調整及び紡糸が困
難になるので75重量%以下にするのが好ましい。
また(B)成分中にも必要に応じて任意の添加剤、例
えば艶消剤、着色剤、酸化安定剤等を含有させる
ことができる。
上記(A)成分と(B)成分とによつて構成される複合
繊維の形状は(B)成分が繊維軸方向に沿つて連続し
さえすれば、どのようなものでもよい。しかし(B)
成分が完全に(A)成分によつて包まれた芯−鞘型
は、(B)成分の一部が繊維表面上に露出した形状に
比べて若干制電性能が劣るため、カーペツト用途
では問題ないが、より厳しい性能を必要とする衣
料用途には、(B)成分の少なくとも一部が繊維表面
上に露出した形状が好ましい。また(A)成分、(B)成
分に使用される重合体の組み合わせは、完全芯−
鞘型の場合は任意でよいが、一部表面露出型の場
合は剥離を防止する意味から同系統の重合体を用
いるのが好ましい。
繊維の形状は(B)成分が繊維軸方向に沿つて連続し
さえすれば、どのようなものでもよい。しかし(B)
成分が完全に(A)成分によつて包まれた芯−鞘型
は、(B)成分の一部が繊維表面上に露出した形状に
比べて若干制電性能が劣るため、カーペツト用途
では問題ないが、より厳しい性能を必要とする衣
料用途には、(B)成分の少なくとも一部が繊維表面
上に露出した形状が好ましい。また(A)成分、(B)成
分に使用される重合体の組み合わせは、完全芯−
鞘型の場合は任意でよいが、一部表面露出型の場
合は剥離を防止する意味から同系統の重合体を用
いるのが好ましい。
また繊維横断面における(A)成分と(B)成分の割合
は、極めて広い範囲にすることができるが、(B)成
分の割合があまりに大になると得られる導電性繊
維の強度が低下するようになるので、繊維横断面
における(B)成分の占める面積は50%以下が好まし
い。また、この(B)成分の下限は、(B)成分が繊維軸
方向に沿つて連続しさえすればよく、特に設ける
必要はないが、通常繊維横断面において面積で1
%以上、特に3%以上にするのが好ましい。
は、極めて広い範囲にすることができるが、(B)成
分の割合があまりに大になると得られる導電性繊
維の強度が低下するようになるので、繊維横断面
における(B)成分の占める面積は50%以下が好まし
い。また、この(B)成分の下限は、(B)成分が繊維軸
方向に沿つて連続しさえすればよく、特に設ける
必要はないが、通常繊維横断面において面積で1
%以上、特に3%以上にするのが好ましい。
かかる複合繊維を製造するには格別の方法、条
件を採用する必要はなく、2成分よりなる複合繊
維を製造する溶融紡糸方法及び条件を(A)成分に応
じて任意に適用することができる。
件を採用する必要はなく、2成分よりなる複合繊
維を製造する溶融紡糸方法及び条件を(A)成分に応
じて任意に適用することができる。
本発明にあつては紡糸して得られた繊維は充分
な強度を得るために延伸する。この延伸方法及び
条件については任意の方法が適宜採用される。
な強度を得るために延伸する。この延伸方法及び
条件については任意の方法が適宜採用される。
本発明の導電性複合繊維は、通常に紡糸・延伸
した状態では充分な導電性能を有しないが、室温
で経時させることにより徐々に向上し、10〜30日
後には充分な導電性能を呈するようになる。
した状態では充分な導電性能を有しないが、室温
で経時させることにより徐々に向上し、10〜30日
後には充分な導電性能を呈するようになる。
本発明の導電性繊維は導電性物質として白度の
高い酸化第2錫系粉体を使用し、且つ通常の合成
繊維を形成する(A)成分部分を保有しているため、
極めて良好な色調及び充分な強度を有し、常法に
よつて任意の色に染色可能であり、その導電性能
も加工時や使用時に低下することがない等、従来
の導電性繊維の有する欠点を全て解消し得たもの
であつて、導電性能が要求される何れの分野にお
いても適用可能である。
高い酸化第2錫系粉体を使用し、且つ通常の合成
繊維を形成する(A)成分部分を保有しているため、
極めて良好な色調及び充分な強度を有し、常法に
よつて任意の色に染色可能であり、その導電性能
も加工時や使用時に低下することがない等、従来
の導電性繊維の有する欠点を全て解消し得たもの
であつて、導電性能が要求される何れの分野にお
いても適用可能である。
以下に実施例をあげて本発明の導電性繊維を更
に詳述する。実施例における導電性組成物及び導
電性繊維の体積抵抗値測定条件は20℃、30%
RH、1KV直流電圧である。また導電性微粉末の
体積抵抗値測定条件は20℃、30%RH、3V直流電
圧、400Kg/cm2圧力下である。
に詳述する。実施例における導電性組成物及び導
電性繊維の体積抵抗値測定条件は20℃、30%
RH、1KV直流電圧である。また導電性微粉末の
体積抵抗値測定条件は20℃、30%RH、3V直流電
圧、400Kg/cm2圧力下である。
実施例 1
(a) ジメチルテレフタレート49重量部、ジメチル
セバケート58重量部、エチレングリコール64重
量部及び酢酸カルシウム1水塩0.06重量部を仕
込み、窒素雰囲気中徐々に加熱し、160℃附近
からエステル交換の結果生成したメタノールは
精留塔を経て系外に除去した。約3時間加熱メ
タノールの留出が終了した後、これに三酸化ア
ンチモン0.039重量部、亜リン酸0.033重量部及
びシリコンオイル0.2重量部を添加し、280℃ま
で昇温せしめて30分間撹拌した後徐々に系を減
圧に移行し、0.5mmHg以下の高真空で1時間重
縮合反応させてセバシン酸50モル%共重合ポリ
エチレンテレフタレートを得た。
セバケート58重量部、エチレングリコール64重
量部及び酢酸カルシウム1水塩0.06重量部を仕
込み、窒素雰囲気中徐々に加熱し、160℃附近
からエステル交換の結果生成したメタノールは
精留塔を経て系外に除去した。約3時間加熱メ
タノールの留出が終了した後、これに三酸化ア
ンチモン0.039重量部、亜リン酸0.033重量部及
びシリコンオイル0.2重量部を添加し、280℃ま
で昇温せしめて30分間撹拌した後徐々に系を減
圧に移行し、0.5mmHg以下の高真空で1時間重
縮合反応させてセバシン酸50モル%共重合ポリ
エチレンテレフタレートを得た。
この共重合ポリエステル100重量部と酸化第
2錫導電性物質(平均粒径0.4μ、体積抵抗値8
×10Ωcm)200重量部とを常圧窒素気流下280℃
で30分間溶融混合して体積抵抗値1.1×106Ω・
cmの導電性組成物を得た。
2錫導電性物質(平均粒径0.4μ、体積抵抗値8
×10Ωcm)200重量部とを常圧窒素気流下280℃
で30分間溶融混合して体積抵抗値1.1×106Ω・
cmの導電性組成物を得た。
(b) 上記導電性組成物を(B)成分とし、固有粘度
0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを(A)
成分として、サイド・バイ・サイド型紡糸孔
(0.3mmφ)を12孔有する紡糸口金を使用し、紡
糸温度280℃、紡糸速度400m/分で450デニー
ル、繊維横断面における(A)成分と(B)成分の面積
比が7:1で表面の約15%が(B)成分である未延
伸複合繊維を得た。次いで延伸温度100℃で4.0
倍に延伸した。得られた延伸繊維の電気抵抗値
は延伸直後で6.6×1011Ω/cmであつた。この
繊維を室温で30日間放置したところ強力338g、
伸度26%、電気抵抗値9.1×108Ω/cmの導電性
複合繊維が得られた。
0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを(A)
成分として、サイド・バイ・サイド型紡糸孔
(0.3mmφ)を12孔有する紡糸口金を使用し、紡
糸温度280℃、紡糸速度400m/分で450デニー
ル、繊維横断面における(A)成分と(B)成分の面積
比が7:1で表面の約15%が(B)成分である未延
伸複合繊維を得た。次いで延伸温度100℃で4.0
倍に延伸した。得られた延伸繊維の電気抵抗値
は延伸直後で6.6×1011Ω/cmであつた。この
繊維を室温で30日間放置したところ強力338g、
伸度26%、電気抵抗値9.1×108Ω/cmの導電性
複合繊維が得られた。
実施例 2
(a) ジメチルセバケート58重量部のかわりにジメ
チルアジペート44重量部を用いる以外は実施例
1−(a)と同様にしてアジピン酸50モル%共重合
ポリエチレンテレフタレートを得た。
チルアジペート44重量部を用いる以外は実施例
1−(a)と同様にしてアジピン酸50モル%共重合
ポリエチレンテレフタレートを得た。
この共重合ポリエステルを用いる以外は実施
例1−(a)と同様にして体積抵抗値2.9×104Ω・
cmの導電性組成物を得た。
例1−(a)と同様にして体積抵抗値2.9×104Ω・
cmの導電性組成物を得た。
(b) 上記導電性組成物を(B)成分とする以外は全て
実施例1−(a)と同様に紡糸・延伸を行なつた。
得られた延伸複合繊維の電気抵抗値は1.1×
1010Ω/cmであつた。この繊維を室温で10日間
置いたところ強力340g、伸度22%、電気抵抗
値8.2×108Ω/cmの導電性複合繊維が得られ
た。
実施例1−(a)と同様に紡糸・延伸を行なつた。
得られた延伸複合繊維の電気抵抗値は1.1×
1010Ω/cmであつた。この繊維を室温で10日間
置いたところ強力340g、伸度22%、電気抵抗
値8.2×108Ω/cmの導電性複合繊維が得られ
た。
比較例 1
(a) ジメチルテレフタレート49重量部とジメチル
セバケート58重量部とのかわりにジメチルテレ
フタレート74重量部とジメチルセバケート29重
量部とを用いる以外は実施例1−(b)とと同様に
操作してセバシン酸25モル%共重合ポリエチレ
ンテレフタレートを得た。
セバケート58重量部とのかわりにジメチルテレ
フタレート74重量部とジメチルセバケート29重
量部とを用いる以外は実施例1−(b)とと同様に
操作してセバシン酸25モル%共重合ポリエチレ
ンテレフタレートを得た。
この共重合ポリエステルを用いる以外は全て
実施例1−(a)と同様に操作して体積抵抗値5.2
×103Ω・cmの導電性組成物を得た。
実施例1−(a)と同様に操作して体積抵抗値5.2
×103Ω・cmの導電性組成物を得た。
(b) 上記導電性組成物を(B)成分とする以外は全て
実施例1−(b)と同様に紡糸・延伸を行なつた。
得られた延伸複合繊維の電気抵抗値は1012Ω/
cm以上であり、30日以上の経時を経ても向上す
ることはなかつた。
実施例1−(b)と同様に紡糸・延伸を行なつた。
得られた延伸複合繊維の電気抵抗値は1012Ω/
cm以上であり、30日以上の経時を経ても向上す
ることはなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 繊維形成性重合体よりなる(A)成分、及び酸化
第2錫系導電性物質と熱可塑性共重合ポリエステ
ルとの混合物よりなり且つ該熱可塑性共重合ポリ
エステルが30〜80モル%の脂肪族ジカルボン酸成
分、70〜20モル%の芳香族ジカルボン酸成分と少
なくとも一種のアルキレングリコール成分とから
構成されてなる熱可塑性共重合ポリエステルであ
る(B)成分から形成されてなる導電性複合繊維。 2 導電性複合繊維の横断面における(B)成分の占
める面積割合が1〜50%である特許請求の範囲第
1項記載の導電性複合繊維。 3 (B)成分中の酸化第2錫系導電性物質の配合量
が50〜75重量%である特許請求の範囲第1項又は
第2項記載の導電性複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20811881A JPS58109622A (ja) | 1981-12-24 | 1981-12-24 | 導電性複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20811881A JPS58109622A (ja) | 1981-12-24 | 1981-12-24 | 導電性複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58109622A JPS58109622A (ja) | 1983-06-30 |
JPS639043B2 true JPS639043B2 (ja) | 1988-02-25 |
Family
ID=16550927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20811881A Granted JPS58109622A (ja) | 1981-12-24 | 1981-12-24 | 導電性複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58109622A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01150050U (ja) * | 1988-03-31 | 1989-10-17 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5190345A (ja) * | 1975-02-06 | 1976-08-07 | Dodenseisoseibutsu | |
JPS5392854A (en) * | 1977-01-26 | 1978-08-15 | Unitika Ltd | Antistatic synthetic polymer composition |
JPS5418999A (en) * | 1977-07-08 | 1979-02-13 | Teijin Ltd | Conductive fiber |
JPS5475594A (en) * | 1977-11-29 | 1979-06-16 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Preparation of white conductive material |
JPS5685423A (en) * | 1979-12-11 | 1981-07-11 | Kanebo Ltd | Electrically conductive composite fiber |
-
1981
- 1981-12-24 JP JP20811881A patent/JPS58109622A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS5685423A (en) * | 1979-12-11 | 1981-07-11 | Kanebo Ltd | Electrically conductive composite fiber |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01150050U (ja) * | 1988-03-31 | 1989-10-17 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58109622A (ja) | 1983-06-30 |
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