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JPS6360780B2 - - Google Patents

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Publication number
JPS6360780B2
JPS6360780B2 JP56067590A JP6759081A JPS6360780B2 JP S6360780 B2 JPS6360780 B2 JP S6360780B2 JP 56067590 A JP56067590 A JP 56067590A JP 6759081 A JP6759081 A JP 6759081A JP S6360780 B2 JPS6360780 B2 JP S6360780B2
Authority
JP
Japan
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filler
organic acid
active
polymerizable organic
present
Prior art date
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Application number
JP56067590A
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English (en)
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JPS57182338A (en
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Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP56067590A priority Critical patent/JPS57182338A/ja
Publication of JPS57182338A publication Critical patent/JPS57182338A/ja
Publication of JPS6360780B2 publication Critical patent/JPS6360780B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、剛性、硬度、耐衝撃等の実用特性の
著しく優れた物性を有する充填剤配合組成物に関
するものである。 従来、ポリオレフイン系樹脂に木粉などのセル
ロース系充填剤を充填し、剛性、硬度、成形収縮
率等の物性改良、および価格の低減等を計る試み
が多く実施されている。近年、この技術に関して
は、樹脂価格の高騰、省資源、資源活用および公
害防止等の観点から、ますます大きな関心が寄せ
られつつある。 しかしながら、セルロース系物質については、
保有水分量が他の無機充填剤に比して高く、複合
材料とした場合に、成形性を低下させ、成形品の
外観を著しく損ねる原因となつている。また高濃
度に配合した場合には、さらに機械的物性をも損
ねて、特に衝撃強度の低下が著しい。これはセル
ロース系充填剤が親水性であるため、ポリオレフ
インとの親和性に乏しく、配合した場合、分散性
および界面での接着性が充分でないことによるも
のと推定される。 これらの欠点を改善するため種々の提案がなさ
れている。たとえばセルロース系充填剤に熱可塑
性重合体を含浸させる方法、低分子ポリオレフイ
ンを配合させる方法、変性ポリオレフインを利用
する方法、加熱処理後、加工助剤を含浸する方
法、および変性ポリオレフインと無機充填剤を併
用する方法などである。これらの方法によつて得
られた組成物は、剛性は高いが耐衝撃性が低いも
のであつたり、その逆に、耐衝撃性を高めるため
に剛性を損ねたものであつた。 本発明は、剛性、硬度および耐衝撃性などの実
用物性の著しく優れた物性を有する成形材料を提
供せんとするものである。 すでに本発明者らは、新規な反応性充填剤およ
びそれを利用した組成物を発明した(特公昭52−
38581)。この方法を基礎として鋭意研究を重ねた
結果、活性無機充填剤と活性セルロース系充填剤
を併用して、ある配合比にて利用した場合、単独
に使用した場合に比して、予期しえない相乗効果
が得られることを発見し、これに基づいて本発明
を完成した。 すなわち、本発明は、(a)ポリオレフイン20〜90
重量%、(b)無機充填剤の粉体表面において、エチ
レン性二重結合を有する重合性有機酸単量体が単
分子的超薄膜を形成し、かつエチレン性二重結合
を残留して粉体表面の金属元素と結合している活
性無機充填剤10〜75重量%および(c)セルロース系
充填剤の粉体表面において、エチレン性二重結合
を有する重合性有機酸単量体が単分子的超簿膜を
形成し、かつエチレン性二重結合を残留して粉体
表面の水酸基とエステル結合を形成している活性
セルロース系充填剤5〜40重量%を加熱混練して
なる樹脂組成物である。 以下、本発明を具体的に説明する。 本発明においてポリオレフインとは、ポリプロ
ピレン、エチレン―プロピレン共重合体、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリブテン―1、ポリ4―メチルペン
テン―1、その他のオレフイン、およびそれらの
混合物を主成分とするものである。 本発明において使用される無機充填剤とは、周
期律表で第族、第族および第族金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩およびケイ酸塩であつて、
例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸
化チタン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛、タ
ルク、マイカ、霞石、およびワラストナイトなど
である。これらは単独もしくは混合物として使用
され、またその形状は特に限定されるものではな
いが、平均粒径0.1〜5μのものが好適である。 本発明において使用されるセルロース系充填剤
とは、セルロースを構成主成分とする充填剤であ
つて、例えば、木粉、モミガラ、パルプ、セルロ
ースパウダー、木屑、およびこれらの混合物など
であり、その粒度としては20メツシユ、好ましく
は80メツシユより細かいものを用いる。 本発明においては、上記該無機充填剤の粉体表
面において、エチレン性二重結合を有する重合性
有機酸単量体が単分子的超薄膜を形成し、かつエ
チレン性二重結合を残留して粉体表面の金属元素
と強固に結合している活性無機充填剤を使用す
る。 本発明においては、上記該セルロース系充填剤
の粉体表面において、エチレン性二重結合を有す
る重合性有機酸単量体が単分子的超薄膜を形成
し、かつエチレン性二重結合を残留してセルロー
ス表面の水酸基とエステル結合を形成した活性セ
ルロース系充填剤を使用する。 該活性無機充填剤および該活性セルロース系充
填剤を製造する方法は、該充填剤とエチレン性二
重結合を有する重合性有機酸単量体を接触させ、
加熱反応させることである。このためには実質的
に液状水分の不存在下において、粉体状態の該充
填剤と重合性有機酸を接触させることが望まし
く、したがつて、用いる該充填剤は、付着水分量
が2重量%以下に予め脱水乾燥されていることが
望ましく、また、用いる重合性有機酸も水分率5
重量%以下に押えることが望ましい。 本発明に用いられる重合性有機酸とは、一つま
たは二つ以上のエチレン性二重結合を有する炭化
水素部分と、一つまたは二つ以上のカルボキシ基
を有し、炭素原子数が10以下の不飽和カルボン酸
であつて、たとえば、アクリル酸、メタクリル
酸、ケイ皮酸、ソルビン酸、α―クロロアクリル
酸等のアクリル酸およびそのα、β置換体、マレ
イン酸、イタコン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、
アクリル酸2―ヒドロキシエチル等がある。本発
明においては、酸強度が大きいほど好ましく、と
りわけ、アクリル酸、メタクリル酸が本発明に有
効である。これらの酸は単独あるいは2種以上の
混合物として使用される。また、重合性有機酸の
前駆体としての酸無水物を使用して、有機酸に変
換反応させてもよい。 本発明を実施するに当つては、先ず、前記無機
充填剤またはセルロース系充填剤と前記重合性有
機酸を反応させて、前記充填剤の粉体表面に前記
重合性有機酸単量体がエチレン性二重結合を残留
して、強固に結合した単分子的超薄膜を形成させ
ることが必要である。したがつて、前記充填剤に
対する前記重合性有機酸の必要量は、充填剤表面
を均一一様に単分子的厚さで被覆し得る量であ
る。さらに言えば、前記充填剤について測定した
BET比表面積から概算して、2〜10Åの厚さに
前記重合性有機酸を均一一様に被覆するに足る量
である。たとえば、BET比表面積が1000〜100
m3/gである充填剤100重量部に対しては、100〜
20重量部の有機酸が適当であり、BET比表面積
が100〜10m2/gである充填剤100重量部に対して
は、20〜2重量部の有機酸が適当であり、BET
比表面積が10〜0.5m2/gである充填剤100重量部
に対しては2〜0.1重量部の有機酸が適当である。
ただし、本発明にいう単分子的超薄膜とは、充填
剤表面と重合性有機酸がエチレン性二重結合を残
留して強固な結合を形成し、充填剤表面を均一一
様に被覆した重合性有機酸誘導体の被覆膜を意味
する。したがつて、過剰の重合性有機酸を用いて
反応処理を行い、充填剤表面に遊離の有機酸およ
び遊離の有機酸誘導体が残存する場合には、後述
するように洗浄等の操作により、遊離の有機酸お
よび遊離の有機酸誘導体を除去する必要がある。 実証的に活性無機充填剤の単分子的超薄膜の性
状を説明すると、本発明で用いられる活性無機充
填剤を液体状の水に懸濁して抽出した場合、単分
子的超薄膜を形成する重合性有機酸誘導体は、充
填剤表面から分離して水中に抽出される。このこ
とは、有機酸と充填剤表面の金属との結合が水で
解離しうるイオン性の結合であることを示唆す
る。勿論、活性無機充填剤を液体状の水で抽出し
て得られる抽出残の充填剤は、ポリオレフイン系
樹脂に配合して溶触混練しても、無処理の充填剤
と同等以上の効果を発揮することはない。 他方、遊離の重合性有機酸および遊離の重合性
有機酸金属塩を容易に溶解する無水の非水溶媒に
より、本発明で用いる活性無機充填剤を抽出して
も、単分子的超薄膜を充填剤表面から溶媒中に分
離抽出することは非常に困難であり、常識的な条
件下には不可能と言える。すなわち、単分子的超
薄膜と充填剤表面との結合は、水によるイオン解
離以外の様式では解放され難い種類の結合であ
る。 これらのことは、抽出液中の金属イオン濃度を
キレート滴定で定量するが、抽出液中のエチレン
性二重結合濃度をブロマイド―ブロメート法で定
量するかして実験的に証明した。あるいは活性無
機充填剤の赤外線吸収スペクトルにより、充填剤
表面にエチレン性二重結合が残存することが証明
でき、赤外線吸収スペクトルにおけるカルボニル
基のシフトから、重合性有機酸は充填剤表面の金
属と強固な結合を形成していることがわかつた
(遊離の重合性有機酸の赤外線吸収スペクトルに
おけるカルボニル基は700cm-1付近に現れるのに
対して、活性無機充填剤の赤外線吸収スペクトル
におけるカルボニル基は1600cm-1以下まで低シフ
トする)。これらの実験結果から、単分子的超薄
膜と充填剤表面との結合様式は重合性有機酸と充
填剤金属の造塩結合であることが推定される。 さらに活性セルロース系充填剤の単分子的超薄
膜の性状を説明すると、本発明で用いられる活性
木粉を遊離の重合性有機酸を容易に溶解する無水
の非水溶媒により充分洗浄し、乾燥後、予想され
るエステル化をケン化価測定法により、実験的検
証を実施したところ、確かにエステル化を生じて
いることがわかつた。さらに前記活性無機充填剤
と同様に、ブロマイド―ブロメート法により活性
木粉表面でのエチレン性二重結合の残存を確認し
た。これらの実験結果から、単分子的超薄膜と木
粉表面との結合様式は、重合性有機酸と木粉の官
能基である水酸基とのエステル結合であることが
推定される。 かかる本発明の活性無機充填剤および活性セル
ロース系充填剤の製造方法の一つは、前記充填剤
と重合性有機酸を前記の濃度範囲で、各種混合機
中高効率に反応させる方法である。混合機として
は一般の各種粉体混合機が使用可能であるが、特
にヘンシエルミキサー、ミユーラー、リボンブレ
ンダー等の高効率混合機が好ましい。さらに、充
填剤と重合性有機酸の接触効率を高めるために、
重合性有機酸を霧状で反応系に添加することが望
ましいが、ガス状で添加することも可能である。 本反応の雰囲気は、常圧下、減圧下、加圧下の
いずれの場合も可能であるが、液体状の水の不存
在下で行なうことが望ましく、反応中に発生する
水分は反応系外に除去するような条件(脱水条
件)で行うことが望ましい。もし、過剰の液体状
の水の存在下で反応を行う場合には、本発明の活
性充填剤を製造することは困難である。 本反応の反応温度域は、室温以上重合性有機酸
の分解温度以下の範囲にあるが、通常50〜200℃
の範囲が好ましい。また、本反応の反応時間域
は、通常1分ないし2時間の範囲にあるが、5〜
30分の範囲が一般的である。また、本反応中に重
合性有機酸もしくは重合性有機酸塩が重合するこ
とを避けるために、反応雰囲気を適当に選択する
か(アクリル酸の場合は空気中もしくは酸素雰囲
気が好ましい)、重合性有機酸中に重合禁止剤を
添加しておくことが好ましい。重合禁止剤として
は、ハイドロキノン、メトキシハドロキノン、p
―ベンゾキノン、ナフトキノン、t―ブチルカテ
コール等の一般的な重合禁止剤が使用可能であ
り、使用量は重合性有機酸に対して0〜1重量
%、特に0.02〜0.5重量%の範囲が推賞される。 本発明の活性充填剤の製造方法の他の一つは、
前記充填剤と過剰濃度の前記重合性有機酸を上記
の方法で反応せしめ、その後、前記重合性有機酸
および重合性有機酸塩を容易に溶解する非水溶媒
で洗浄し、過、乾燥して精製する方法である。
本方法に使用できる溶媒には、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ジエチルエーテル、アセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の低沸
点溶媒が好適である。 本発明の活性充填剤の製造方法の他の一つは、
前記非水溶媒中で充分乾燥した充填剤と重合性有
機酸を撹拌混合した後、過、洗浄、乾燥して精
製する方法である。本方法には、前記極性溶媒以
外に、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、ヘプタン、テトラリン、デカリン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等の非極性溶媒を使用して加熱
反応せしめた後、前記の極性溶媒で洗浄精製する
ことも可能である。なお、本発明の活性充填剤
は、別々に作つてもよいし、あらかじめ無機充填
剤とセルロース系充填剤とを混合し、この混合物
を同時に活性化して用いてもよい。 本発明に使用される活性無機充填剤、活性セル
ロース系充填剤およびポリオレフイン樹脂を加熱
混練する装置としては、各種押出機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の一般
的な混和機が用いられるが、ヘンシエルミキサー
の如き加熱ジヤケツトを装着した高速流動混合装
置も使用可能である。加熱混練装置に供給する前
に、必要ならばドラムブレンダー、V―タイプブ
レンダー、リボンブレンダー、ヘンシエルミキサ
ー、その他の各種の予備混合機を使用することが
できる。 加熱混練に際しては、ポリオレフイン樹脂のポ
リマーラジカルと活性充填剤表面の重合性有機酸
単量体との反応を促進するために、ラジカル発生
剤を使用することは好ましいことであるが、本発
明を構成する必須条件ではない。本発明に使用可
能なラジカル発生剤は、ジブチル錫オキサイドの
如き4価の錫化合物、2,5―ジメチル―2,5
―ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
―ジメチル―2,5―ジ(t―ブチルパーオキ
シ)ヘキシン―3、ジクミルパーオキサイド、t
―ブチルパーオキシマレイン酸、ラウロイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブ
チルベンゾエート、t―ブチルハイドロパーオキ
サイド、イソプピルパーカーボネート等の有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ
化合物、過硫酸アンモニウムの如き無機過酸化物
等の通常一般に使用されるラジカル発生剤であつ
て、これらのうちの1種または2種以上の組合せ
を使用してさしつかえない。ラジカル発生剤の使
用量は、通常、樹脂組成物100重量部に対して
0.001〜0.1重量部の範囲が適当である。 本発明におけるポリオレフイン、活性無機充填
剤および活性セルロース系充填剤の配合割合は、
それぞれ20〜90重量%、10〜75重量%、5〜40重
量%である。両充填剤の配合割合が上記範囲を超
えた場合、成形性が極端に低下し、成形品の外観
を損ねる結果となり、機械的物性、特に衝撃強度
が著しく低下する。また上記範囲より低い場合
は、本来の目的である充填剤充填効果、例えば、
剛性、寸法安定性等の効果が得られないばかりで
なく、本発明でいう併用することによる相乗効果
も得られない。 本発明の樹脂組成物は、上記組成以外に、安定
剤、可塑剤、滑剤、架橋剤、顔料、難燃剤、帯電
防止剤、増粘剤、発泡剤、その他の添加剤を含ん
でいてもよい。 本発明における加熱混練温度は、該セルロース
系充填剤の分解温度以下で、かつポリオレフイン
の分子鎖切断によるポリマーラジカルの発生温度
の下限値である溶融軟化温度以上であることが必
要であり、本発明においては種々検討の結果、該
温度条件としては150〜260℃、好ましくは、180
〜240℃の範囲である。 上述のように、本発明の樹脂組成物は、無機充
填剤およびセルロース系充填剤と熱可塑性樹脂が
強固に、高効率に結合しているために、強度、剛
性、硬度、クリープ特性、摩擦摩耗特性等の機械
的性質が著しく優れており、特に耐衝撃性が良好
である。さらに、本発明の樹脂組成物は、耐熱変
形性、寸法安定性等の熱的性質も極めて優秀であ
り、接着性、印刷性、塗装性等の表面活性、耐燃
性、易焼却性等の諸特性も付与し得るものであ
る。これらの利点は、充填剤の高濃度において著
しいものである。 また、本発明の樹脂組成物においては、活性充
填剤表面上に過剰の重合性有機酸塩もしくは不純
物を含まないために、樹脂組成物の熔融混練時も
しくは熔融成形時の熱安定性は著しく良好であ
り、成形品外観も極めて美麗である。しかも、樹
脂組成物の高温使用時の耐久性は飛躍的に向上す
る。 本発明の樹脂組成物は、成形加工性に優れてお
り、応用用途が著しく広い。たとえば、各種の圧
縮成形品、押出成形品、ブロー成形品、射出成形
品、熱成形品、回転成形品カレンダ成形品および
各種の発泡成形品、延伸あるいは鍛造等の二次加
工品等の用途が可能である。 さらに、本発明の樹脂組成物は、活性無機充填
剤と活性セルロース系充填剤との相乗効果によ
り、図面に示したように、強度と耐衝撃性のバラ
ンスがきわめて高いところに位置(図面ではAの
部分に相当する)しているのが特長である。 以下に実施例により、さらに詳細に説明する
が、本発明は、これらの実施例の範囲に限定され
るものではない。なお、実施例、参考例における
部および%は、それぞれ重量部および重量%であ
る。また例示した諸物性値は、次の方法に準拠し
た測定値である。 引張降伏強度 ;ASTM D―638 引張破断伸び ;ASTM D―638 曲げ強度 ;ASTM D―790 曲げ弾性率 ;ASTM D―790 アイゾツト衝撃強度;ASTM D―256 (V―notched) 加熱変形温度 ;ASTM D―648 (186Kg/cm2) 実施例 1 平均粒子径1.2μ、BET比表面積5.5m2/g、水
分率0.18%の重質炭酸カルシウム100部をヘンシ
エルミキサー中に入れ、150℃に加温して撹拌し
ながら、ハイドロキノン700ppmを含有するアク
リル酸1部を、スプレー添加装置を使用して霧状
に徐々に添加し、常圧で30分間混合し活性充填剤
を得た。得られた活性充填剤は、アクリル酸臭の
ないサラサラした粉末であつた。反応の際水蒸気
および炭酸ガスが発生したが、これらはいずれも
ガス状で系外に除去した。使用したアクリル酸の
量は、炭酸カルシウムの表面を理論量18Åの厚さ
に均一一様に被覆するに足る量である。 上記活性充填剤をジエチルエーテルで充分抽出
し、抽出液を水で再抽出して苛性ソーダで中和滴
定したところ、アクル酸に換算して0.07部の未反
応のアクリル酸を分析した。一方、上記活性充填
剤を水で充分抽出して、抽出液をEDTA2Na液
でBT指示薬を使用してキレート滴定したとこ
ろ、アクリル酸に換算して0.93部のアクリル酸カ
ルシウムが分析できた。同時に、この抽出液をブ
ロマイド―ブロメート法でエチレン性二重結合を
滴定したところ、アクリル酸に換算して0.92部の
アクリル酸カルシウムが分析できた。同時に、こ
の抽出液を濃縮して、メタノール―ジエチルエー
テル混合溶媒で再結晶精製し、赤外線吸収スペク
トル元素分折により、上記滴定値とほぼ同量のア
クリル酸カルシウムを同定した。 他方、上記活性充填剤を過剰のメタノールで洗
浄抽出し、抽出残分を乾燥後、水で充分抽出し、
抽出液について上記と同様にキレート滴定、。ブ
ロマイト―ブロメート滴定したところ、アクリル
酸に換算して0.21部のアクリル酸カルシウムを分
析した。したがつて、上記活性充填剤の表面に
は、約0.2部のアクリル酸が強固に結合している
と考えられる。 また粒度として300メツシユ通過品で、あらか
じめ乾燥して、水分率が2%以下に調整された木
粉100部をヘンシエルミキサー中に入れ、150℃に
加温して撹拌しながら、ハイドロキノン500ppm
を含有するアクリル酸3部をスプレー添加装置を
使用して、霧状で徐々に添加し、常圧で30分間混
合して活性充填剤を得た。反応の際、水蒸気が発
生したが、ガス状で系外に除去した。得られた活
性充填剤を過剰のメタノールを用いて充分洗浄
し、未反応のアクリル酸を除去し、乾燥したもの
を約1g精秤し、75%エタノール20ml0.1N水酸
化ナトリウム溶液20mlの混液に加え、25℃で24時
間放置後、消費された水酸化ナトリウムを0.1N
硫酸にて逆滴定し、アクリル酸に換算して1.52部
のアクリル酸エステルが分析できた。同時に、得
られた活性充填剤を水で充分洗浄して乾燥したも
のを、上記と同様の試験を行つたところ、アクリ
ル酸に換算して2.72部のアクリル酸が分析でき
た。 他方、メタノールにて充分洗浄して未反応のア
クリル酸を除去した上記活性充填剤を用いて、ブ
ロマイド―ブロメート法でエチレン性二重結合を
確認したところ、アクリル酸に換算して0.45部が
分析できた。したがつて、上記活性充填剤の表面
には、約0.5部のアクリル酸が強固に結合してい
ると考えられる。 上記方法によつて得られた活性重質炭酸カルシ
ウムおよび活性木粉を用いて、プロピレン―エチ
レンブロツク共重合体(MI3.0、密度0.91,エチ
レン含量6重量%)と種々の配合比にて、反応助
剤としてラジカル発生剤2,5―ジメチル―2,
5―ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサンを0.02
部加えて予備混合後、バンバリーミキサーを用い
て3分間混練し、二本ロールでシート化した後、
ペレツト化した。このペレツトを射出成形機を用
いて、成形温度200℃にてテストピースを成形し
た。このテストピースを用いて評価した結果を第
1表に示した。 参考例 1−1〜1−2 実施例1において、その配合割合が本発明の範
囲を超える場合について、同様の方法にて評価し
た結果を第1表に示した。 参考例 1−3 実施例1−1において使用した活性重質炭酸カ
ルシウム50部と、プロピレン―エチレンブロツク
共重合体50部を用いて、実施例1−1と同様の方
法でテストピースを得、評価した結果を第2表に
示した。 参考例 1−4 実施例1−1において使用した活性木粉50部と
プロピレン―エチレンブロツク共重合体50部を用
いて、実施例1−1と同様の方法でテストピース
を得、評価した結果を第2表に示した。 参考例 1−5〜1−7 活性木粉の代りに乾燥処理しただけの未処理の
木粉(山陽国策パルプ製300メツシユ通過品)を
使用した以外は、実施例1で実施した配合比にて
同様の方法でテストピースを得、評価した結果を
第2表に示した。 参考例 1−8〜1−10 活性木粉、活性重質炭酸カルシウムの代りに、
それぞれ未処理木粉、未処理重質炭酸カルシウム
を使用した以外は、実施例1で実施した配合比に
て同様の方法でテストピースを得、評価した結果
を第2表に示した。 参考例 1−11〜1−13 活性重質炭酸カルシウムの代りに、参考例1−
8で使用した未処理重質炭酸カルシウムを使用し
た以外は、実施例1で実施した配合比にて同様の
方法でテストピースを得、評価した結果を第2表
に示した。 参考例 1−14 活性木粉の代りに、あらかじめ乾燥した木粉を
用いた以外は、参考例1−3と同様の方法でテス
トピースを得、評価した結果を第2表に示した。 実施例 2 プロピレン―エチレンブロツク共重合体の代り
に高密度ポリエチレン(MI10、密度0.96)を用
いた以外は、実施例1と同様な配合比にて実施、
テストピースを得た。このテストピースを用いて
評価した結果を第3表に示す。 参考例 2−1〜2−2 実施例2において、その配合比が本発明の範囲
を超えるものについて、同様の方法にて評価した
結果を第3表に示した。 参考例 2−3〜2−14 実施例2で使用した高密度ポリエチレンを用い
た以外は、参考例1−3〜1−14と同様に実施、
テストピースを得、評価した結果を第4表に示し
た。 以上の各実施例および参考例を用いて、引張降
伏強度およびアイゾツト衝撃強さを指標としたグ
ラフを図面に示した。図面において、Aは本発明
施例、Bは未処理の無機充填剤およびセルロース
系充填剤を配合した参考例、Cは未処理の無機充
填剤と活性セルロース系充填剤、または活性無機
充填剤と未処理セルロース系充填剤を配合した参
考例、Dは活性無機充填剤のみ配合した参考例を
示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表〜第4表からわかるように、本発明のポ
リオレフイン系樹脂組成物は、剛性、耐衝撃性等
の著しく優れた物性を有するものであり、また、
この効果は、本発明で規定する範囲内において特
に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例および参考例を用いて、
引張降伏強度およびアイゾツト衝撃強さを指標と
したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (a)ポリオレフイン20〜90重量%、(b)無機充填
    剤の粉体表面において、エチレン性二重結合を有
    する重合性有機酸単量体が単分子的超薄膜を形成
    し、かつエチレン性二重結合を残留して粉体表面
    の金属元素と結合している活性無機充填剤10〜75
    重量%および(c)セルロース系充填剤の粉体表面に
    おいて、エチレン性二重結合を有する重合性有機
    酸単量体が単分子的超薄膜を形成し、かつエチレ
    ン性二重結合を残留して粉体表面の水酸基とエス
    テル結合を形成している活性セルロース系充填剤
    5〜40重量%を加熱混練してなる樹脂組成物。
JP56067590A 1981-05-07 1981-05-07 Polyolefinic resin composition Granted JPS57182338A (en)

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