JPS634444B2 - - Google Patents
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- JPS634444B2 JPS634444B2 JP593583A JP593583A JPS634444B2 JP S634444 B2 JPS634444 B2 JP S634444B2 JP 593583 A JP593583 A JP 593583A JP 593583 A JP593583 A JP 593583A JP S634444 B2 JPS634444 B2 JP S634444B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、形状及び粒径の均一な球状粉体を製
造する方法に関する。 比較的低温度で溶融することが可能な易溶融性
固体の粉体を得るために、該固体を一旦溶融させ
た後造粒する方法があり、すでにいくつかの方法
が知られている。その一つとして該固体の溶融物
を実質的に非溶媒である分散媒中に懸濁させた
後、急冷して溶融物を固化させる方法がある。こ
の方法を利用して、高品質のオレフイン重合用触
媒担体を工業的に有利に製造する方法として、本
発明者らはすでに細管中で上記懸濁を行う簡単か
つ効果的な方法を特開昭56−67311号において提
案した。 この提案によれば、固体溶融物と分散媒を高速
で細管中を通過させることによつて均一な懸濁液
を作り、これを急冷して固体溶融物を固化するこ
とにより粉体を得ることができる。かかる方法を
粒径の比較的小さい粉体の製造に利用する場合に
は形状及び粒度分布の良好な粉体を得ることがで
きたが、さらに粒径の大きい粉体を得ようとした
場合には、いびつな形状の粉体が少なからず生成
する傾向にあつた。 本発明者らは、上記欠点を改善し、比較的大き
い粒径のものでも真球又はそれに近い形状の粉体
を簡単かつ容易に製造しうる方法を検討した結
果、上記提案の方法に僅かな付加的操作を加える
ことによつてその目的が達成できることを知つ
た。すなわち本発明は、固体の溶融物と、該溶融
物を懸濁させ得る分散媒の少なくとも二者を、高
速度で細管中を通過させつつ混合して該分散媒に
該固体溶融物を分散させた後、該細管より径の大
きい管中を通過させ、次いで急冷して該溶融物を
固化させることを特徴とする球状粉体の製造方法
に関する。 本発明において使用される前記固体としては、
例えば50ないし200℃の如き比較的低温度で溶融
するものが好ましく、無機質のものでも有機質の
ものでもよい。また混合操作時の温度においてそ
の溶融粘度が1ないし300センチポアズ程度の値
を示すものが好ましい。例えば常温で固体であつ
てかつ上述の温度近辺で溶融する高級炭化水素、
高級アルコール、高級脂肪酸、フエノール類、エ
ステル類、各種芳香族化合物などの有機化合物、
各種低融点無機化合物、無機化合物と有機化合物
の錯化合物などを具体的として挙げることができ
る。 また本発明で使用することのできる分散媒とし
ては、上記固体の溶融物を懸濁することが可能な
ものであつて、上記固体の種類に応じ、無機又は
有機の液状物から選択することができる。該分散
媒としては、また固体溶融物との混合操作時にお
ける粘度が0.2ないし10センチポアズ程度のもの
が好ましい。好適な分散媒は、水、各種炭化水素
類、各種ハロゲン化炭化水素類などであるが、他
の極性溶媒を使用することもできる。またこれら
分散媒として混合溶媒を用いてもよく、あるいは
上記固体溶融物とは異なる固体化合物を溶解した
溶液を用いてもよい。 固体溶融物を分散媒に懸濁させるに際し、懸濁
安定性を高めるために種々の界面活性剤を使用す
ることができる。 本発明においては先ず固体の溶融物、該溶融物
を懸濁させ得る分散媒、必要に応じ界面活性剤な
どを、予備混合した後、あるいは予備混合せずに
高速度で細管中を通過させることによつて混合
し、溶融固体が分散媒に懸濁した懸濁液を生成さ
せる。固体及び分散媒の種類、界面活性剤の使用
の有無などによつても異なるが、良好な懸濁液を
得るためには、懸濁条件下において分散媒100容
量部当り、溶融固体が5ないし300容量部、こく
に10ないし200容量部となるような割合で細管に
供給するのが好ましい。 また界面活性剤を使用する場合には、その種類
その他によつても異なるが、溶融固体1重量部当
り、例えば0.1重量部以下、好ましくは0.01ない
し0.1重量部の如き割合で使用することができる。 上記混合懸濁に用いられる細管としては、原料
の種類によつても異なるが、内径が約0.3ないし
約5mm、好ましくは約0.5ないし約3mm程度とす
るのが好ましい。管内径があまり大きすぎると、
懇濁液中の溶融固体の形状の悪化が顕著になつた
り粒度分布が広くなつたりする傾向がある。また
細管長さは、望ましい懸濁液を得るために、内径
の100倍以上、とくに300倍以上あることが好まし
いが、あまり長くなつても効果の増大は期待でき
ず、却つて細管中の圧損失が大きくなるという弊
害がでてくるので、管内径の7000倍以下程度に抑
えるのが好ましい。 溶融固体と分散媒を良く混合し、良好な懸濁液
を得るために、液体原料を高速で通過させる必要
がある。一般には液体原料の流速は、流速/管内
径の比が約2000sec-1以上、とくに好適には、約
2000ないし約16000sec-1とするのがよい。この比
が約2000sec-1より小さすぎると形状及び粒径の
揃つた液滴の懸濁液とすることが難かしく、また
その比をあまり大きくすると圧損失が大きくなる
という欠点が出てくるので上記の如き範囲を選択
するのが望ましい。 かくして細管中において溶融固体と分散媒が混
合し、分散媒中に溶融固体の液滴が分散した懸濁
液が生成する。この液滴の大きさは、管内径の大
きさや液流速などによつて調整することができ
る。この際比較的小さい液滴の懸濁液を製造する
場合には、粒度分布が狭くしかも真球状の液滴の
懸濁液を得やすいが、比較的大きい液滴の懸濁液
を製造する場合には、液滴形状が完全な球状を示
すものが減少し、いびつな形状のものが増大する
傾向が大きく、これをそのまま冷却固化して粉体
を製造した場合には、形状及び粒径の均一なもの
が得難く、またそのような粉体は流動性が悪く、
取り扱いに難がある。 本発明では、このようないびつになつた液滴の
形状を真球状又はこれに近い形状に整形するため
に、前記細管を通過して形成した懸濁液をより管
径の大きい管中を通過させるものである。この目
的に使用される管の径としては、細管の径より大
きく、例えば細管内径の1.2ないし10倍、とくに
1.3ないし5倍であることが好ましく、かつ1.0な
いし30mm、とくに2ないし10mmとするのが好まし
い。この大きい径の管を通過させる場合、その長
さがあまり短かいと実質的に効果が認められず、
またあまり長すぎると大きい液滴同志の合一が起
こり、粒度分布が広がるとともに合一した液滴の
形状悪化なども認められるようになるので、適当
な長さのものを選択する必要がある。その長さ
は、懸濁液の種類、管径、液流速などによつて実
験的に決定されるべきであるが、通常この部分の
長さが0.03ないし1.0m、とくに0.05ないし1.0m
の範囲とするのが好ましい。 本発明によれば、かくして得られる液滴形状が
矯正された懸濁液を急冷することによつて液滴
(溶融固体)を固化させる。懸濁液を急冷する方
法としては、例えば冷却ジヤケツトを備えた冷却
槽中に前記管からの懸濁液を噴出させる方法、前
記管の下流側に設置された外部冷却された管中を
通過させる方法などを採用することができる。 本発明の原理は次のように考えられる。一般に
溶解しあわない2種類の液体を強力な撹拌力下で
乳化分散させる場合、一方の液体が分散相Aとな
り、他の一方が連続相Bとなる。この場合AはB
との界面張力により、丸く球状になろうとする傾
向を有する。しかしながらA,Bが本発明にある
一段目の乳化パイプのような強力な乱流撹拌場に
ある場合は、Aは分裂と会合を繰り返すという平
衡状態にあり、その移動過程においては、ダルマ
状の液滴や砲弾状の液滴となつたものが多数存在
する。またAは界面張力が一定の系においては、
その界面張力に由来する内部圧力を有し、その圧
力は、 P=4σ/d(P;内圧、σ;界面張力、d;粒
径) となる事は知られている。この式からわかるよう
にAの粒子径が小さい程、内圧が高くなるのでA
は球状に成り易い。本発明で述べているごとく、
Aの粒子径が大きくなると、形状がいびつになつ
たまま冷却固化される割合が増えてくるわけであ
る。従つて本発明者らは、比較的大きな粒径を有
する分散相の球状化を果すために、一段目のパイ
プより内径の大きな二段目のパイプを設置し、乱
流撹拌場における液体内の剪断応力を開放すると
共に、分散液体が分裂会合になるいびつな形状か
ら球状となるまでの時間を確保する事により生成
する殆んどの粒子が真球状となる事を発見したも
のである。この事を考えると、二段目の内径のよ
り大きなパイプの長さが長すぎると二段目パイプ
内のある撹拌平衡状態となつて、形のいびつなA
が生成することになるので、本発明のように最適
な長さが必要となつてくる。 また、本発明の原理を考えれば、一段目の乳化
パイプを出た二液相の熱時状態のまま長く滞空さ
せて、球状化を計ることもできないわけではない
が、細管内径の1.2ないし10倍の内径を有する二
段目のパイプを使うのと同等の理論的効果を出そ
うとすれば、一段目のパイプの出口から冷却液面
までについて、(1.2)2ないし(10)2倍の滞空距離
を必要とすることになるので工業的でなくなる
上、仮にその長い滞空距離を設けてみても冷却液
面に衝突する際の衝撃力が強いためか、形状の改
善効果が薄かつた。 上記の如くして得られる固体粒子の懸濁液か
ら、固体粒子を回収するには、沈降、過、遠心
分離などの任意の固液分離手段を適用すればよ
い。この際、微粉を除くために、予め沈降分級や
液体サイクロンなどを用いた分級操作を付加する
こともできる。 本発明によれば、比較的大きい粒径の粉体で
も、粒度分布が狭く、かつ良好な球状形状を保持
したものが得られる。また先に述べた先願提案の
ようなオレフイン重合用触媒担体の製造に利用し
た場合には、該先願と同様に、硬く耐崩壊性に優
れた担体を得ることができる。 次に実施例により説明する。 実施例 1 第1図のフローシートに従つて、良好な球状形
状の触媒用担体を合成した。スチームジヤケツト
付きの錯体槽1に塩化マグネシウムとエタノール
との錯体を仕込み、液体媒体(分散媒)槽2には
ノルマルデカンを仕込み、界面活性剤槽3にはノ
ルマルデカン1に対し、ソルビタンジステアレ
ートを24.2gの割合で仕込み、100℃で溶解させ
た。錯体槽1からポンプ4を通り、また液体媒体
槽2からポンプ5を通り、熱交換器7で130℃に
加熱した後、また界面活性剤槽3からポンプ6を
通り、それぞれの槽の液を内径4mmの送液管8に
後掲第1表の供給割合をとなるように送液した。
送液管8から内径1.5mm、長さ1mの混合用パイ
プ9に送られた混合液はここで激しく混合分散さ
れた後、混合用パイプ9に直結された内径4.0mm、
長さ500mmの整球用パイプ10を通し、実効容積
10の冷却槽11に供給され、冷却固化を行つ
た。 冷却槽11はジヤケツト12を有し、ブライン
により液温を35℃以下に保つように十分撹拌冷却
されている。冷却槽のオーバーフローノズル13
から冷却固化した錯体を含む分散液が連続的に取
り出された。かくして得られた分散液を5〜10分
静置し、底部に沈降したスラリー中の固体の粒度
分布を光透過法により測定したところ、50%平均
粒径75μm、自然対数標準偏差0.36であつた。ま
た、スラリーを顕微鏡で観察したところ、粒子径
200μm以上の大粒子まで完全な真球形をなして
いた。この写真を第2図に示した。 実施例 2 整球用パイプの内径を6.0mmと変えた以外は実
施例1と同様に行つた。その結果、50%平均粒径
80μm、自然対数標準偏差0.41であり、第3図の
写真に示すように粒径200μm以上の粒子までも
真球度の高い球状担体が得られた。 実施例 3 整球用パイプの内径を3.0mm、長さを70mmと変
えた以外は実施例1と同様に行つた。その結果、
50%平均粒径70μm、自然対数標準偏差0.41とな
り、第4図の写真に示すように、全粒子共、真球
度の高い球状の担体が得られた。 比較例 1 整球用パイプを取り除き、混合用パイプ9から
出た混合液を直接冷却槽11に供給した以外は実
施例1と同様に行つた。 その結果、得られた担体の形状は第5図の写真
に示すごとく、全てが完全な球形ではなく、いび
つな形のものが観察された。 【表】
造する方法に関する。 比較的低温度で溶融することが可能な易溶融性
固体の粉体を得るために、該固体を一旦溶融させ
た後造粒する方法があり、すでにいくつかの方法
が知られている。その一つとして該固体の溶融物
を実質的に非溶媒である分散媒中に懸濁させた
後、急冷して溶融物を固化させる方法がある。こ
の方法を利用して、高品質のオレフイン重合用触
媒担体を工業的に有利に製造する方法として、本
発明者らはすでに細管中で上記懸濁を行う簡単か
つ効果的な方法を特開昭56−67311号において提
案した。 この提案によれば、固体溶融物と分散媒を高速
で細管中を通過させることによつて均一な懸濁液
を作り、これを急冷して固体溶融物を固化するこ
とにより粉体を得ることができる。かかる方法を
粒径の比較的小さい粉体の製造に利用する場合に
は形状及び粒度分布の良好な粉体を得ることがで
きたが、さらに粒径の大きい粉体を得ようとした
場合には、いびつな形状の粉体が少なからず生成
する傾向にあつた。 本発明者らは、上記欠点を改善し、比較的大き
い粒径のものでも真球又はそれに近い形状の粉体
を簡単かつ容易に製造しうる方法を検討した結
果、上記提案の方法に僅かな付加的操作を加える
ことによつてその目的が達成できることを知つ
た。すなわち本発明は、固体の溶融物と、該溶融
物を懸濁させ得る分散媒の少なくとも二者を、高
速度で細管中を通過させつつ混合して該分散媒に
該固体溶融物を分散させた後、該細管より径の大
きい管中を通過させ、次いで急冷して該溶融物を
固化させることを特徴とする球状粉体の製造方法
に関する。 本発明において使用される前記固体としては、
例えば50ないし200℃の如き比較的低温度で溶融
するものが好ましく、無機質のものでも有機質の
ものでもよい。また混合操作時の温度においてそ
の溶融粘度が1ないし300センチポアズ程度の値
を示すものが好ましい。例えば常温で固体であつ
てかつ上述の温度近辺で溶融する高級炭化水素、
高級アルコール、高級脂肪酸、フエノール類、エ
ステル類、各種芳香族化合物などの有機化合物、
各種低融点無機化合物、無機化合物と有機化合物
の錯化合物などを具体的として挙げることができ
る。 また本発明で使用することのできる分散媒とし
ては、上記固体の溶融物を懸濁することが可能な
ものであつて、上記固体の種類に応じ、無機又は
有機の液状物から選択することができる。該分散
媒としては、また固体溶融物との混合操作時にお
ける粘度が0.2ないし10センチポアズ程度のもの
が好ましい。好適な分散媒は、水、各種炭化水素
類、各種ハロゲン化炭化水素類などであるが、他
の極性溶媒を使用することもできる。またこれら
分散媒として混合溶媒を用いてもよく、あるいは
上記固体溶融物とは異なる固体化合物を溶解した
溶液を用いてもよい。 固体溶融物を分散媒に懸濁させるに際し、懸濁
安定性を高めるために種々の界面活性剤を使用す
ることができる。 本発明においては先ず固体の溶融物、該溶融物
を懸濁させ得る分散媒、必要に応じ界面活性剤な
どを、予備混合した後、あるいは予備混合せずに
高速度で細管中を通過させることによつて混合
し、溶融固体が分散媒に懸濁した懸濁液を生成さ
せる。固体及び分散媒の種類、界面活性剤の使用
の有無などによつても異なるが、良好な懸濁液を
得るためには、懸濁条件下において分散媒100容
量部当り、溶融固体が5ないし300容量部、こく
に10ないし200容量部となるような割合で細管に
供給するのが好ましい。 また界面活性剤を使用する場合には、その種類
その他によつても異なるが、溶融固体1重量部当
り、例えば0.1重量部以下、好ましくは0.01ない
し0.1重量部の如き割合で使用することができる。 上記混合懸濁に用いられる細管としては、原料
の種類によつても異なるが、内径が約0.3ないし
約5mm、好ましくは約0.5ないし約3mm程度とす
るのが好ましい。管内径があまり大きすぎると、
懇濁液中の溶融固体の形状の悪化が顕著になつた
り粒度分布が広くなつたりする傾向がある。また
細管長さは、望ましい懸濁液を得るために、内径
の100倍以上、とくに300倍以上あることが好まし
いが、あまり長くなつても効果の増大は期待でき
ず、却つて細管中の圧損失が大きくなるという弊
害がでてくるので、管内径の7000倍以下程度に抑
えるのが好ましい。 溶融固体と分散媒を良く混合し、良好な懸濁液
を得るために、液体原料を高速で通過させる必要
がある。一般には液体原料の流速は、流速/管内
径の比が約2000sec-1以上、とくに好適には、約
2000ないし約16000sec-1とするのがよい。この比
が約2000sec-1より小さすぎると形状及び粒径の
揃つた液滴の懸濁液とすることが難かしく、また
その比をあまり大きくすると圧損失が大きくなる
という欠点が出てくるので上記の如き範囲を選択
するのが望ましい。 かくして細管中において溶融固体と分散媒が混
合し、分散媒中に溶融固体の液滴が分散した懸濁
液が生成する。この液滴の大きさは、管内径の大
きさや液流速などによつて調整することができ
る。この際比較的小さい液滴の懸濁液を製造する
場合には、粒度分布が狭くしかも真球状の液滴の
懸濁液を得やすいが、比較的大きい液滴の懸濁液
を製造する場合には、液滴形状が完全な球状を示
すものが減少し、いびつな形状のものが増大する
傾向が大きく、これをそのまま冷却固化して粉体
を製造した場合には、形状及び粒径の均一なもの
が得難く、またそのような粉体は流動性が悪く、
取り扱いに難がある。 本発明では、このようないびつになつた液滴の
形状を真球状又はこれに近い形状に整形するため
に、前記細管を通過して形成した懸濁液をより管
径の大きい管中を通過させるものである。この目
的に使用される管の径としては、細管の径より大
きく、例えば細管内径の1.2ないし10倍、とくに
1.3ないし5倍であることが好ましく、かつ1.0な
いし30mm、とくに2ないし10mmとするのが好まし
い。この大きい径の管を通過させる場合、その長
さがあまり短かいと実質的に効果が認められず、
またあまり長すぎると大きい液滴同志の合一が起
こり、粒度分布が広がるとともに合一した液滴の
形状悪化なども認められるようになるので、適当
な長さのものを選択する必要がある。その長さ
は、懸濁液の種類、管径、液流速などによつて実
験的に決定されるべきであるが、通常この部分の
長さが0.03ないし1.0m、とくに0.05ないし1.0m
の範囲とするのが好ましい。 本発明によれば、かくして得られる液滴形状が
矯正された懸濁液を急冷することによつて液滴
(溶融固体)を固化させる。懸濁液を急冷する方
法としては、例えば冷却ジヤケツトを備えた冷却
槽中に前記管からの懸濁液を噴出させる方法、前
記管の下流側に設置された外部冷却された管中を
通過させる方法などを採用することができる。 本発明の原理は次のように考えられる。一般に
溶解しあわない2種類の液体を強力な撹拌力下で
乳化分散させる場合、一方の液体が分散相Aとな
り、他の一方が連続相Bとなる。この場合AはB
との界面張力により、丸く球状になろうとする傾
向を有する。しかしながらA,Bが本発明にある
一段目の乳化パイプのような強力な乱流撹拌場に
ある場合は、Aは分裂と会合を繰り返すという平
衡状態にあり、その移動過程においては、ダルマ
状の液滴や砲弾状の液滴となつたものが多数存在
する。またAは界面張力が一定の系においては、
その界面張力に由来する内部圧力を有し、その圧
力は、 P=4σ/d(P;内圧、σ;界面張力、d;粒
径) となる事は知られている。この式からわかるよう
にAの粒子径が小さい程、内圧が高くなるのでA
は球状に成り易い。本発明で述べているごとく、
Aの粒子径が大きくなると、形状がいびつになつ
たまま冷却固化される割合が増えてくるわけであ
る。従つて本発明者らは、比較的大きな粒径を有
する分散相の球状化を果すために、一段目のパイ
プより内径の大きな二段目のパイプを設置し、乱
流撹拌場における液体内の剪断応力を開放すると
共に、分散液体が分裂会合になるいびつな形状か
ら球状となるまでの時間を確保する事により生成
する殆んどの粒子が真球状となる事を発見したも
のである。この事を考えると、二段目の内径のよ
り大きなパイプの長さが長すぎると二段目パイプ
内のある撹拌平衡状態となつて、形のいびつなA
が生成することになるので、本発明のように最適
な長さが必要となつてくる。 また、本発明の原理を考えれば、一段目の乳化
パイプを出た二液相の熱時状態のまま長く滞空さ
せて、球状化を計ることもできないわけではない
が、細管内径の1.2ないし10倍の内径を有する二
段目のパイプを使うのと同等の理論的効果を出そ
うとすれば、一段目のパイプの出口から冷却液面
までについて、(1.2)2ないし(10)2倍の滞空距離
を必要とすることになるので工業的でなくなる
上、仮にその長い滞空距離を設けてみても冷却液
面に衝突する際の衝撃力が強いためか、形状の改
善効果が薄かつた。 上記の如くして得られる固体粒子の懸濁液か
ら、固体粒子を回収するには、沈降、過、遠心
分離などの任意の固液分離手段を適用すればよ
い。この際、微粉を除くために、予め沈降分級や
液体サイクロンなどを用いた分級操作を付加する
こともできる。 本発明によれば、比較的大きい粒径の粉体で
も、粒度分布が狭く、かつ良好な球状形状を保持
したものが得られる。また先に述べた先願提案の
ようなオレフイン重合用触媒担体の製造に利用し
た場合には、該先願と同様に、硬く耐崩壊性に優
れた担体を得ることができる。 次に実施例により説明する。 実施例 1 第1図のフローシートに従つて、良好な球状形
状の触媒用担体を合成した。スチームジヤケツト
付きの錯体槽1に塩化マグネシウムとエタノール
との錯体を仕込み、液体媒体(分散媒)槽2には
ノルマルデカンを仕込み、界面活性剤槽3にはノ
ルマルデカン1に対し、ソルビタンジステアレ
ートを24.2gの割合で仕込み、100℃で溶解させ
た。錯体槽1からポンプ4を通り、また液体媒体
槽2からポンプ5を通り、熱交換器7で130℃に
加熱した後、また界面活性剤槽3からポンプ6を
通り、それぞれの槽の液を内径4mmの送液管8に
後掲第1表の供給割合をとなるように送液した。
送液管8から内径1.5mm、長さ1mの混合用パイ
プ9に送られた混合液はここで激しく混合分散さ
れた後、混合用パイプ9に直結された内径4.0mm、
長さ500mmの整球用パイプ10を通し、実効容積
10の冷却槽11に供給され、冷却固化を行つ
た。 冷却槽11はジヤケツト12を有し、ブライン
により液温を35℃以下に保つように十分撹拌冷却
されている。冷却槽のオーバーフローノズル13
から冷却固化した錯体を含む分散液が連続的に取
り出された。かくして得られた分散液を5〜10分
静置し、底部に沈降したスラリー中の固体の粒度
分布を光透過法により測定したところ、50%平均
粒径75μm、自然対数標準偏差0.36であつた。ま
た、スラリーを顕微鏡で観察したところ、粒子径
200μm以上の大粒子まで完全な真球形をなして
いた。この写真を第2図に示した。 実施例 2 整球用パイプの内径を6.0mmと変えた以外は実
施例1と同様に行つた。その結果、50%平均粒径
80μm、自然対数標準偏差0.41であり、第3図の
写真に示すように粒径200μm以上の粒子までも
真球度の高い球状担体が得られた。 実施例 3 整球用パイプの内径を3.0mm、長さを70mmと変
えた以外は実施例1と同様に行つた。その結果、
50%平均粒径70μm、自然対数標準偏差0.41とな
り、第4図の写真に示すように、全粒子共、真球
度の高い球状の担体が得られた。 比較例 1 整球用パイプを取り除き、混合用パイプ9から
出た混合液を直接冷却槽11に供給した以外は実
施例1と同様に行つた。 その結果、得られた担体の形状は第5図の写真
に示すごとく、全てが完全な球形ではなく、いび
つな形のものが観察された。 【表】
第1図は本発明の実施に用いた装置の一例を示
す図面である。第2図〜第4図は、本発明によつ
て得られた球状粉体の一例を示す写真であり、第
5図は従来法により得られた球状粉体の一例を示
す写真である。
す図面である。第2図〜第4図は、本発明によつ
て得られた球状粉体の一例を示す写真であり、第
5図は従来法により得られた球状粉体の一例を示
す写真である。
Claims (1)
- 1 固体の溶融物と、該溶融物を懸濁させ得る分
散媒の少なくとも二者を、高速度で細管中を通過
させつつ混合して該分散媒に該固体溶融物を分散
させた後、該細管より径の大きい管中を通過さ
せ、次いで急冷して該溶融物を固化させることを
特徴とする球状粉体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593583A JPS59132929A (ja) | 1983-01-19 | 1983-01-19 | 球状粉体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593583A JPS59132929A (ja) | 1983-01-19 | 1983-01-19 | 球状粉体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59132929A JPS59132929A (ja) | 1984-07-31 |
JPS634444B2 true JPS634444B2 (ja) | 1988-01-29 |
Family
ID=11624751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP593583A Granted JPS59132929A (ja) | 1983-01-19 | 1983-01-19 | 球状粉体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59132929A (ja) |
-
1983
- 1983-01-19 JP JP593583A patent/JPS59132929A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59132929A (ja) | 1984-07-31 |
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