JPS6331196B2 - - Google Patents
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- JPS6331196B2 JPS6331196B2 JP60194694A JP19469485A JPS6331196B2 JP S6331196 B2 JPS6331196 B2 JP S6331196B2 JP 60194694 A JP60194694 A JP 60194694A JP 19469485 A JP19469485 A JP 19469485A JP S6331196 B2 JPS6331196 B2 JP S6331196B2
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- Japan
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- antibiotic
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
〔技術分野〕
本発明は、新規抗生物質RK−120A及びRK−
120B並びにその製造法と、RK−120A、RK−
120B又はその複合体を有効成分とする農園芸用
殺菌剤に関する。 なお、この抗生物質RK−120A及びRK−120B
は、本願に対応する中国特許出願において、“抗
生物質SP−120A及びSP−120B”と呼称される
物質とそれぞれ同一の物質である。 〔発明の背景〕 従来、農園芸用殺菌剤として銅剤、水銀剤、砒
素剤の如き重金属化合物や有機塩素系薬剤、有機
リン酸系薬剤等が用いられてきたが、これらはい
ずれも動物や人体に有害で、土壌に対する汚染が
あつたり、自然界に残留して長時間動・植物に作
用し、これら薬剤による環境汚染が重大な社会問
題となり、その使用が禁止ないしは制限されてい
る現状にある。しかしながら、稲の主要病害をは
じめとする各種植物病害は、対象薬剤の減少や耐
性菌の出現に伴つて増加の傾向を示しており、そ
の対策として対象病害に著効を示し、且つ安全性
の高い新たな農薬の開発が強く望まれている。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、各種植物病害に有効な抗生物
質RK−120A及びRK−120Bとその製造法を提供
することにある。更に、本発明の目的は、上記抗
生物質RK−120A、RK−120B又はその複合体を
有効成分とする農園芸用殺菌剤を提供することに
ある。 〔発明の構成〕 本発明の抗生物質RK−120A及びRK−120B
は、後述の理化学的性質を有する文献末載の新規
な抗生物質であり、又後述の散布試験において、
稲の主要病害である稲紋枯病、稲いもち病をはじ
めとして、キユウリ灰色かび病、キユウリ炭疽
病、ナシ黒斑病、ブドウ晩腐病等の各種植物病害
に対して優れた防除効果を奏し、且つ植物体に何
ら薬害を及ぼさず、その旋用にあたり人体に何ら
影響を与えない優れた農園芸用殺菌剤である。 以下に、本発明を詳細に説明する。 <抗生物質RK−120A及びRK−120Bの製造> (使用する微生物) 本発明の抗生物質RK−120A及びRK−120Bを
生産する微生物はストレプトミセス
(Streptomyces)属に属する抗生物質RK−120A
及びRK−120Bの生産能を有する菌種である。 その一例として、ストレプトミセス・エスピ
ー・RK−120(Streptomyces sp.RK−120)
(FERM P−7713)(以下“RK−120株”と称す
る。なおこのRK−120株は、本願に対応する中
国特許出願において“ストレプトミセス・エスピ
ー・sp−120”と呼称される株と同一の株であ
る。)を挙げることができ、該微生物は、上記の
特性を有し、本発明の抗生物質RK−120A及び
RK−120Bを有利に生産するものであり、本発明
の製造法に有効に利用し得るものである。 前記RK−120株は、中華人民共和国・上海農
薬研究所で分離された株であり、工業技術院・微
生物工業技術研究所の微生物受託番号は、微工研
菌寄第7713号(FERM P−7713)である。RK
−120株は、ストレプトミセス属に属し、特許庁
産業別審査基準による培地上での発育状態及び生
理的諸特質は、次の如くである。 形態的特徴 本菌株はオートミール寒天培地、スターチ・
イースト寒天培地(組成後記)上で極めてよく
発育し、気中菌糸、胞子の着生は豊富であり、
気中菌糸は白ないし淡灰色を呈する。シユーク
ロース硝酸塩寒天培地、イースト麦芽寒天培地
上の発育は良好で気中菌糸および胞子の着生は
良好である。その他のグルコース・アスパラギ
ン寒天培地、グリセリン・アスパラギン寒天培
地、スターチ・無機塩寒天培地、チロシン寒天
培地、栄養寒天培地、ペプトン・イースト・鉄
寒天培地上での発育はあるが充分ではなく、グ
ルコース・アスパラギン寒天培地、栄養寒天培
地およびペプトン・イースト・鉄寒天培地では
気中菌糸の発育は微弱かまたは認められない。
一般に可溶性色素の生成は微弱で微黄褐色系色
素がわずかに生産されるのが認められるが、チ
ロシン寒天培地およびペプトン・イースト・鉄
寒天培地によるメラニン様色素の生成は認めら
れない。基底菌糸はその裏面に特徴ある色調は
呈せず、微黄ないし微褐色である。気中菌糸は
直状に発育し、それから分枝したものは強い螺
旋状のいわゆるスパイラルとなり、これが長い
胞子鎖となる。胞子は長さ1μ以内、巾約0.5μの
球状に近いだ円状で表面は平滑である。 糖による炭素源の資化試験ではL−アラビノ
ース、D−フラクトース、ラフイノース、ラク
トース、メルビオースをよく資化し、発育は良
好である。D−グルコール、シユークロース、
イノシトール、D−マンニトールでは若干生育
が劣るが発育する。D−キシロース、L−ラム
ノース上での発育は不良で、特にL−ラムノー
スでは気中菌糸の生成が認められない。 グルコース・ペプトン・ゼラチン培地上では
発育するが、ゼラチンを液化しない。脱脂乳に
対しては完全にペプトン化し、透明に近い液と
なる。スターチ・無機塩寒天培地上での澱粉の
加水分解は強いことが認められた。 細胞壁を塩酸で加水分解し、ペーパークロマ
トグラフによる細胞壁組成アミノ酸の検出では
L−ジアミノピメリン酸が検出され、これは本
菌がストレプトミセス属であることを示してい
る。 各種培地上での諸性質 特許庁産業別審査基準に従い各種培地を調製
し、接種後3週間目に観察した結果を次に記載
する。色調の記載はデイスクリプテイブ・カラ
ー・ネイムズ・デイクシヨナリ(Descriptive
color names dictionary)第4版の色名記号
に従つたものである。 1 シユクロース硝酸塩寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 良 好 気中菌糸の色 2ba パール 基底菌糸の色 3lc アンバー 可溶性色素 3ga メロンイエロー 2 グルコース・アスパラギン寒天培地 生 育 不 良 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 5Ca シエルピンク 可溶性色素 6Ca シエルピンク 3 グリセリン・アスパラギン寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 不 良 気中菌糸の色 7cb クラウドピンク 基底菌糸の色 5Pa テラ・コツダ 可溶性色素 6 1/2gc ダステイコー
ラル 4 スターチ・無機塩寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 普 通 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 3Ca パールピンク 可溶性色素 な し 5 チロシン寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 普 通 気中菌糸の色 b ライトグレー 基底菌糸の色 4Pi オークブラウン 可溶性色素 5ie カツパータン 6 栄養寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 2ea ライトメイズ 7 イースト・麦芽寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 良 好 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 な し 8 オートミール寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 豊 富 気中菌糸の色 c ライトグレー 基底菌糸の色 3ba パール 可溶性色素 な し 9 ペプトン・イースト・鉄寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 な し 10 スターチ・イースト寒天培地* 生 育 良 好 気中菌糸の着生 豊 富 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 3Pc アンバー 可溶性色素 3Ca パールピンク * スターチ・イースト寒天培地組成 可溶性澱粉 10g イーストエキス 1g NZアミンA 1g 寒 天 15g 水 1 PH7.4 炭素源の資化(プリドハム・ゴツトリーブ寒
天培地) 炭素源 発育状況* L−アラビノース ++ D−キシノース ± D−グルコース + D−フラクトース ++ シユクロース + イノシトール + L−ラムノース ± ラフイノース ++ D−マンニトール + ラクトース +++ メルビオース ++ * 発育状況 +++ 非常によく発育する ++ 良く発育する + 発育する ± 稍発育する − 発育しない その他の生理的性質 至適温度 25〜30℃ ゼラチンの液化(グルコー
ス・ペプチン・ゼラチン培
地) 液化せず スターチの加水分解(スター
チ・無機塩寒天培地) 加水分解する 脱脂乳の液化 完全に液化する メラニン様色素の生成(チロシ
ン寒天培地およびペプトン・
イースト・鉄寒天培地) 生成せず 上記の諸特性を有するストレプトミセス属の菌
種の検索には野々村氏の報告によつた。即ち野々
村氏によるジヤーナル・オブ・フアメンテイシヨ
ン・テクノロジー(Journal of Fermentation
Technology)52巻2号記載の放線菌1SP458菌種
の分類法に記載〔キイ・フオア・クラシイフイケ
イシヨン・アンド・アイデンテイフイケイシヨ
ン・オブ・458オペイシス・オブ・ザ・ストレプ
トミセス・インクルーデイド・イン・ISP(Key
for classification and identification
of458species of the Streptomyces included in
ISP)〕である。 本菌は白ないし灰色のグループに属し、気中菌
糸はスパイラル状になり、胞子表面は平滑でメラ
ニン色素を形成しない。また裏面と可溶性色素は
共に顕著な色調を呈しない。糖はラムノースとD
−キシロースの利用は悪いがその他のものは大体
利用する。以上の条件を満たすものはストレプト
ミセスアルボフアシエンス(Streptomyces
albofacience)があり、本菌はS.アルボフアシエ
ンスがこれに近い種と思われる。 (培養法及び精製法) 本発明の抗生物質RK−120A及び120Bを得る
に当つては、ストレプトミセス属に属する上記抗
生物質生産菌を、抗生物質を生産する通常の方法
で培養することができる。培養の形態は、液体培
養でも固体培養でもよく、工業的に有利に培養す
るためには、前記生産菌の胞子懸濁液又は培養液
を培地に接種し、通気撹拌培養を行えばよい。 培地の栄養源としては特に限定されることはな
く、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素
源その他を培地中に含有させることができる。炭
素源としては、澱粉、デキストリン、グリセリ
ン、グルコース、シユークロース、ガラクトー
ス、イシノトール、マンニトールなどが、また窒
素源としては、ペプトン、大豆粉、肉エキス、米
ぬか、〓、尿素、コーンステイープリカー、アン
モニウム塩、硝酸塩、その他の有機または無機の
窒素化合物が用いられる。その他、無機塩類、た
とえば、食塩、燐酸塩類、カリウム、カルシウ
ム、亜鉛、マンガン、鉄等の金属塩類等を適宜に
添加してもよく、必要に応じて消泡剤として、
動、植、鉱物油等を添加してもよい。培養温度、
培養時間等の培養条件は使用菌の発育に適し、し
かもRK−120A及びRK−120Bの生産が最高とな
るような条件が選ばれる。たとえば、培地のPHは
4〜9、特に中性付近がよく、培養の適温は25゜
−35℃程度がよい。しかし、これらの培養組成
物、培地の水素イオン濃度、培養温度、撹拌条件
などの培養条件は使用する菌株の種類や、外部の
条件などに応じて好ましい結果が得られるように
適宜調節されるべきであることはいうまでもな
い。このようにして得られる培養物から、RK−
120A及びRK−120Bを得るには、代射産物を採
取するのに通常用いられる手段を適宜に利用して
採取し得る。たとえば、RK−120A及びRK−
120Bと不純物との溶解度差を利用する手段、イ
オン結合力の差を利用する手段、吸着親和力の差
を利用する手段、分子量の差を利用する手段のい
ずれも、それぞれ単独、又は、適宜組合わせて、
あるいは反復して使用される。具体的には、RK
−120A及びRK−120Bは、培養液にその大部
分が存在するが、この培養液からブタノールで
くり返し抽出するか、合成吸着剤、例えば、ダイ
ヤイオンHP10等を用いて吸着させた後、50%ア
セトンで溶出し、濃縮物を得る。得られた濃縮物
は、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフイ
ーをくり返し行う。溶媒は、ブタノール−メタノ
ール−水系が好適であり、これらの比率を変化さ
せることによつてクロマトグラフイーは、目的を
達成することができる。活性区分はRK−120Aの
多い区分とRK−120Bの多い区分に分け、それぞ
れを、ゲル過剤、例えば、セフアデツクスLH
−20等を用いて、カラムクロマトグラフイーを行
う。溶媒は、上記と同じ溶媒系を用いるのがよ
い。ゲル過により、RK−120A及びRK−120B
は、それぞれ更に精製され、白色粉末として得ら
れる。この後、高速液体クロマトグラフイーを行
うことにより、RK−120AとRK−120Bを完全に
分解することができる。充填剤としては、
Nucleosil 5 C18、溶媒は、イソプロパノール
−メタノール−水に若干の酢酸を加えたものが好
適である。 かくして得られたRK−120A及びRK−120B
は、それぞれ以下に述べるとおりの理化学的性質
を有する新規抗生物質である。 〔RK−120A及びRK−120Bの理化学的性質〕 (1) 融点: A:235〜255℃で褐色になり分解する。 B:235〜265℃で褐色になり分解する。 (2) 元素分析 A :炭素50.98%、水素7.11%、 窒素16.42%、硫黄3.55% B :炭素:50.91%、水素6.95%、 窒素16.12%、硫黄3.39% (3) 比旋光度: A:〔α〕25 D=−90゜ (C=0.05、ジメチルスルホキシド) B:〔α〕25 D−59 (C=0.03、ジメチルスルホキシド) (4) 紫外線吸収スペクトル: A:λ0.1N-HCl-MeOH nax 220nm(E1% 1cm186)肩(第1図参照) B:λ0.1N-HCl-MeOH nax 220nm(E1% 1cm293)肩(第2図参照) (5) 赤外線吸収スペクトル:KBr法による A :3300、2903、2850、1655、1520、1460、
1395、1382、1320、1280、1250、1215、1163、
1100、1020、1002、900、840、760cm-1 (第3図参照) B:3300、2900、2850、1650、1520、1435、
1392、1370、1342、1322、1285、1212、1185、
1168、1100、1024、1004、958、903、846、825、
765cm-1(第4図参照) (6) 溶解性:RK−120A及びRK−120B共に、メ
タノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、エー
テルなどの有機溶媒に不溶、水に難溶、ブタノ
ールとメタノールと水の混液に可溶 (7) 分子量:FABマススペクトルによる) A:911 B:923 (8) 呈色反応:RK−120A及びRK−120B共に、
過マンガン酸カリウム、アニスアルデヒド−硫
酸、ヨウ素に陽性 (9) 物質の色:RK−120A及びRK−120B共に白
色粉末である。 (10) 薄層クロマトグラフイー(米国メルク
(Merck)社製薄層板0.25m/m): セルロース (溶媒、ブタノール:メタノール:水=4:
1:2)によるRf値 A:0.60 B:0.66 シリカゲル (溶媒、ブタノール:メタノール:水=4:
1:2)によるRf値 A:0.51 B:0.51 (11) 酸加水分解:6N−HCl中で105℃、20時間加
熱し加水分解するとRK−120Aは、グリシン、
ロイシンの各アミノ酸が検出され、RK−120B
は、グリシンとバリンが検出された。 (12) 抗菌スペクトル:通常の寒天平板希釈法によ
る検定を行い、最低阻止濃度(MIC)で示し
た。バクテリアはブイヨン寒天培地、カビは、
ポテト−シユークロース寒天培地を用いて行つ
た。
120B並びにその製造法と、RK−120A、RK−
120B又はその複合体を有効成分とする農園芸用
殺菌剤に関する。 なお、この抗生物質RK−120A及びRK−120B
は、本願に対応する中国特許出願において、“抗
生物質SP−120A及びSP−120B”と呼称される
物質とそれぞれ同一の物質である。 〔発明の背景〕 従来、農園芸用殺菌剤として銅剤、水銀剤、砒
素剤の如き重金属化合物や有機塩素系薬剤、有機
リン酸系薬剤等が用いられてきたが、これらはい
ずれも動物や人体に有害で、土壌に対する汚染が
あつたり、自然界に残留して長時間動・植物に作
用し、これら薬剤による環境汚染が重大な社会問
題となり、その使用が禁止ないしは制限されてい
る現状にある。しかしながら、稲の主要病害をは
じめとする各種植物病害は、対象薬剤の減少や耐
性菌の出現に伴つて増加の傾向を示しており、そ
の対策として対象病害に著効を示し、且つ安全性
の高い新たな農薬の開発が強く望まれている。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、各種植物病害に有効な抗生物
質RK−120A及びRK−120Bとその製造法を提供
することにある。更に、本発明の目的は、上記抗
生物質RK−120A、RK−120B又はその複合体を
有効成分とする農園芸用殺菌剤を提供することに
ある。 〔発明の構成〕 本発明の抗生物質RK−120A及びRK−120B
は、後述の理化学的性質を有する文献末載の新規
な抗生物質であり、又後述の散布試験において、
稲の主要病害である稲紋枯病、稲いもち病をはじ
めとして、キユウリ灰色かび病、キユウリ炭疽
病、ナシ黒斑病、ブドウ晩腐病等の各種植物病害
に対して優れた防除効果を奏し、且つ植物体に何
ら薬害を及ぼさず、その旋用にあたり人体に何ら
影響を与えない優れた農園芸用殺菌剤である。 以下に、本発明を詳細に説明する。 <抗生物質RK−120A及びRK−120Bの製造> (使用する微生物) 本発明の抗生物質RK−120A及びRK−120Bを
生産する微生物はストレプトミセス
(Streptomyces)属に属する抗生物質RK−120A
及びRK−120Bの生産能を有する菌種である。 その一例として、ストレプトミセス・エスピ
ー・RK−120(Streptomyces sp.RK−120)
(FERM P−7713)(以下“RK−120株”と称す
る。なおこのRK−120株は、本願に対応する中
国特許出願において“ストレプトミセス・エスピ
ー・sp−120”と呼称される株と同一の株であ
る。)を挙げることができ、該微生物は、上記の
特性を有し、本発明の抗生物質RK−120A及び
RK−120Bを有利に生産するものであり、本発明
の製造法に有効に利用し得るものである。 前記RK−120株は、中華人民共和国・上海農
薬研究所で分離された株であり、工業技術院・微
生物工業技術研究所の微生物受託番号は、微工研
菌寄第7713号(FERM P−7713)である。RK
−120株は、ストレプトミセス属に属し、特許庁
産業別審査基準による培地上での発育状態及び生
理的諸特質は、次の如くである。 形態的特徴 本菌株はオートミール寒天培地、スターチ・
イースト寒天培地(組成後記)上で極めてよく
発育し、気中菌糸、胞子の着生は豊富であり、
気中菌糸は白ないし淡灰色を呈する。シユーク
ロース硝酸塩寒天培地、イースト麦芽寒天培地
上の発育は良好で気中菌糸および胞子の着生は
良好である。その他のグルコース・アスパラギ
ン寒天培地、グリセリン・アスパラギン寒天培
地、スターチ・無機塩寒天培地、チロシン寒天
培地、栄養寒天培地、ペプトン・イースト・鉄
寒天培地上での発育はあるが充分ではなく、グ
ルコース・アスパラギン寒天培地、栄養寒天培
地およびペプトン・イースト・鉄寒天培地では
気中菌糸の発育は微弱かまたは認められない。
一般に可溶性色素の生成は微弱で微黄褐色系色
素がわずかに生産されるのが認められるが、チ
ロシン寒天培地およびペプトン・イースト・鉄
寒天培地によるメラニン様色素の生成は認めら
れない。基底菌糸はその裏面に特徴ある色調は
呈せず、微黄ないし微褐色である。気中菌糸は
直状に発育し、それから分枝したものは強い螺
旋状のいわゆるスパイラルとなり、これが長い
胞子鎖となる。胞子は長さ1μ以内、巾約0.5μの
球状に近いだ円状で表面は平滑である。 糖による炭素源の資化試験ではL−アラビノ
ース、D−フラクトース、ラフイノース、ラク
トース、メルビオースをよく資化し、発育は良
好である。D−グルコール、シユークロース、
イノシトール、D−マンニトールでは若干生育
が劣るが発育する。D−キシロース、L−ラム
ノース上での発育は不良で、特にL−ラムノー
スでは気中菌糸の生成が認められない。 グルコース・ペプトン・ゼラチン培地上では
発育するが、ゼラチンを液化しない。脱脂乳に
対しては完全にペプトン化し、透明に近い液と
なる。スターチ・無機塩寒天培地上での澱粉の
加水分解は強いことが認められた。 細胞壁を塩酸で加水分解し、ペーパークロマ
トグラフによる細胞壁組成アミノ酸の検出では
L−ジアミノピメリン酸が検出され、これは本
菌がストレプトミセス属であることを示してい
る。 各種培地上での諸性質 特許庁産業別審査基準に従い各種培地を調製
し、接種後3週間目に観察した結果を次に記載
する。色調の記載はデイスクリプテイブ・カラ
ー・ネイムズ・デイクシヨナリ(Descriptive
color names dictionary)第4版の色名記号
に従つたものである。 1 シユクロース硝酸塩寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 良 好 気中菌糸の色 2ba パール 基底菌糸の色 3lc アンバー 可溶性色素 3ga メロンイエロー 2 グルコース・アスパラギン寒天培地 生 育 不 良 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 5Ca シエルピンク 可溶性色素 6Ca シエルピンク 3 グリセリン・アスパラギン寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 不 良 気中菌糸の色 7cb クラウドピンク 基底菌糸の色 5Pa テラ・コツダ 可溶性色素 6 1/2gc ダステイコー
ラル 4 スターチ・無機塩寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 普 通 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 3Ca パールピンク 可溶性色素 な し 5 チロシン寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 普 通 気中菌糸の色 b ライトグレー 基底菌糸の色 4Pi オークブラウン 可溶性色素 5ie カツパータン 6 栄養寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 2ea ライトメイズ 7 イースト・麦芽寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 良 好 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 な し 8 オートミール寒天培地 生 育 良 好 気中菌糸の着生 豊 富 気中菌糸の色 c ライトグレー 基底菌糸の色 3ba パール 可溶性色素 な し 9 ペプトン・イースト・鉄寒天培地 生 育 普 通 気中菌糸の着生 な し 気中菌糸の色 不 明 基底菌糸の色 2ea ライトメイズ 可溶性色素 な し 10 スターチ・イースト寒天培地* 生 育 良 好 気中菌糸の着生 豊 富 気中菌糸の色 a ホワイト 基底菌糸の色 3Pc アンバー 可溶性色素 3Ca パールピンク * スターチ・イースト寒天培地組成 可溶性澱粉 10g イーストエキス 1g NZアミンA 1g 寒 天 15g 水 1 PH7.4 炭素源の資化(プリドハム・ゴツトリーブ寒
天培地) 炭素源 発育状況* L−アラビノース ++ D−キシノース ± D−グルコース + D−フラクトース ++ シユクロース + イノシトール + L−ラムノース ± ラフイノース ++ D−マンニトール + ラクトース +++ メルビオース ++ * 発育状況 +++ 非常によく発育する ++ 良く発育する + 発育する ± 稍発育する − 発育しない その他の生理的性質 至適温度 25〜30℃ ゼラチンの液化(グルコー
ス・ペプチン・ゼラチン培
地) 液化せず スターチの加水分解(スター
チ・無機塩寒天培地) 加水分解する 脱脂乳の液化 完全に液化する メラニン様色素の生成(チロシ
ン寒天培地およびペプトン・
イースト・鉄寒天培地) 生成せず 上記の諸特性を有するストレプトミセス属の菌
種の検索には野々村氏の報告によつた。即ち野々
村氏によるジヤーナル・オブ・フアメンテイシヨ
ン・テクノロジー(Journal of Fermentation
Technology)52巻2号記載の放線菌1SP458菌種
の分類法に記載〔キイ・フオア・クラシイフイケ
イシヨン・アンド・アイデンテイフイケイシヨ
ン・オブ・458オペイシス・オブ・ザ・ストレプ
トミセス・インクルーデイド・イン・ISP(Key
for classification and identification
of458species of the Streptomyces included in
ISP)〕である。 本菌は白ないし灰色のグループに属し、気中菌
糸はスパイラル状になり、胞子表面は平滑でメラ
ニン色素を形成しない。また裏面と可溶性色素は
共に顕著な色調を呈しない。糖はラムノースとD
−キシロースの利用は悪いがその他のものは大体
利用する。以上の条件を満たすものはストレプト
ミセスアルボフアシエンス(Streptomyces
albofacience)があり、本菌はS.アルボフアシエ
ンスがこれに近い種と思われる。 (培養法及び精製法) 本発明の抗生物質RK−120A及び120Bを得る
に当つては、ストレプトミセス属に属する上記抗
生物質生産菌を、抗生物質を生産する通常の方法
で培養することができる。培養の形態は、液体培
養でも固体培養でもよく、工業的に有利に培養す
るためには、前記生産菌の胞子懸濁液又は培養液
を培地に接種し、通気撹拌培養を行えばよい。 培地の栄養源としては特に限定されることはな
く、微生物の培養に通常用いられる炭素源、窒素
源その他を培地中に含有させることができる。炭
素源としては、澱粉、デキストリン、グリセリ
ン、グルコース、シユークロース、ガラクトー
ス、イシノトール、マンニトールなどが、また窒
素源としては、ペプトン、大豆粉、肉エキス、米
ぬか、〓、尿素、コーンステイープリカー、アン
モニウム塩、硝酸塩、その他の有機または無機の
窒素化合物が用いられる。その他、無機塩類、た
とえば、食塩、燐酸塩類、カリウム、カルシウ
ム、亜鉛、マンガン、鉄等の金属塩類等を適宜に
添加してもよく、必要に応じて消泡剤として、
動、植、鉱物油等を添加してもよい。培養温度、
培養時間等の培養条件は使用菌の発育に適し、し
かもRK−120A及びRK−120Bの生産が最高とな
るような条件が選ばれる。たとえば、培地のPHは
4〜9、特に中性付近がよく、培養の適温は25゜
−35℃程度がよい。しかし、これらの培養組成
物、培地の水素イオン濃度、培養温度、撹拌条件
などの培養条件は使用する菌株の種類や、外部の
条件などに応じて好ましい結果が得られるように
適宜調節されるべきであることはいうまでもな
い。このようにして得られる培養物から、RK−
120A及びRK−120Bを得るには、代射産物を採
取するのに通常用いられる手段を適宜に利用して
採取し得る。たとえば、RK−120A及びRK−
120Bと不純物との溶解度差を利用する手段、イ
オン結合力の差を利用する手段、吸着親和力の差
を利用する手段、分子量の差を利用する手段のい
ずれも、それぞれ単独、又は、適宜組合わせて、
あるいは反復して使用される。具体的には、RK
−120A及びRK−120Bは、培養液にその大部
分が存在するが、この培養液からブタノールで
くり返し抽出するか、合成吸着剤、例えば、ダイ
ヤイオンHP10等を用いて吸着させた後、50%ア
セトンで溶出し、濃縮物を得る。得られた濃縮物
は、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフイ
ーをくり返し行う。溶媒は、ブタノール−メタノ
ール−水系が好適であり、これらの比率を変化さ
せることによつてクロマトグラフイーは、目的を
達成することができる。活性区分はRK−120Aの
多い区分とRK−120Bの多い区分に分け、それぞ
れを、ゲル過剤、例えば、セフアデツクスLH
−20等を用いて、カラムクロマトグラフイーを行
う。溶媒は、上記と同じ溶媒系を用いるのがよ
い。ゲル過により、RK−120A及びRK−120B
は、それぞれ更に精製され、白色粉末として得ら
れる。この後、高速液体クロマトグラフイーを行
うことにより、RK−120AとRK−120Bを完全に
分解することができる。充填剤としては、
Nucleosil 5 C18、溶媒は、イソプロパノール
−メタノール−水に若干の酢酸を加えたものが好
適である。 かくして得られたRK−120A及びRK−120B
は、それぞれ以下に述べるとおりの理化学的性質
を有する新規抗生物質である。 〔RK−120A及びRK−120Bの理化学的性質〕 (1) 融点: A:235〜255℃で褐色になり分解する。 B:235〜265℃で褐色になり分解する。 (2) 元素分析 A :炭素50.98%、水素7.11%、 窒素16.42%、硫黄3.55% B :炭素:50.91%、水素6.95%、 窒素16.12%、硫黄3.39% (3) 比旋光度: A:〔α〕25 D=−90゜ (C=0.05、ジメチルスルホキシド) B:〔α〕25 D−59 (C=0.03、ジメチルスルホキシド) (4) 紫外線吸収スペクトル: A:λ0.1N-HCl-MeOH nax 220nm(E1% 1cm186)肩(第1図参照) B:λ0.1N-HCl-MeOH nax 220nm(E1% 1cm293)肩(第2図参照) (5) 赤外線吸収スペクトル:KBr法による A :3300、2903、2850、1655、1520、1460、
1395、1382、1320、1280、1250、1215、1163、
1100、1020、1002、900、840、760cm-1 (第3図参照) B:3300、2900、2850、1650、1520、1435、
1392、1370、1342、1322、1285、1212、1185、
1168、1100、1024、1004、958、903、846、825、
765cm-1(第4図参照) (6) 溶解性:RK−120A及びRK−120B共に、メ
タノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、エー
テルなどの有機溶媒に不溶、水に難溶、ブタノ
ールとメタノールと水の混液に可溶 (7) 分子量:FABマススペクトルによる) A:911 B:923 (8) 呈色反応:RK−120A及びRK−120B共に、
過マンガン酸カリウム、アニスアルデヒド−硫
酸、ヨウ素に陽性 (9) 物質の色:RK−120A及びRK−120B共に白
色粉末である。 (10) 薄層クロマトグラフイー(米国メルク
(Merck)社製薄層板0.25m/m): セルロース (溶媒、ブタノール:メタノール:水=4:
1:2)によるRf値 A:0.60 B:0.66 シリカゲル (溶媒、ブタノール:メタノール:水=4:
1:2)によるRf値 A:0.51 B:0.51 (11) 酸加水分解:6N−HCl中で105℃、20時間加
熱し加水分解するとRK−120Aは、グリシン、
ロイシンの各アミノ酸が検出され、RK−120B
は、グリシンとバリンが検出された。 (12) 抗菌スペクトル:通常の寒天平板希釈法によ
る検定を行い、最低阻止濃度(MIC)で示し
た。バクテリアはブイヨン寒天培地、カビは、
ポテト−シユークロース寒天培地を用いて行つ
た。
【表】
【表】
本発明の抗生物質RK−120A及びRK−120Bを
既知の抗生物質と比較すると、分子中に、3〜4
%の硫黄を含むペプチド系抗生物質としては、ボ
トロマイシン(Bottromycin)、エンシユーマイ
シン(Enshumycin)、アクチノロイキン
(Actinoleukin)、コベノマイシン
(Kobenomycin)、ゾルボマイシン
(Zorbomycin)及びフレオマイシン
(Phleomycin)等が知られているが、RK−120A
及びRK−120B物質は、上記抗生物質と、紫外線
吸収スペクトル及び抗菌活性において明らかに異
なる。よつて、本発明の抗生物質RK−120A及び
RK−120Bは、文献末載の新規抗生物質であると
結論された。(RK−120A、RK−120B又はその
複合体を有効成分とする農園芸用殺菌剤) ここで、RK−120A及びRK−120Bの複合体と
は、前記培養液を合成吸着剤に吸着させた後、
含水アセトンで溶出し、少くともRK−120A及び
RK−120B物質を含有する濃縮物を意味し、両物
質は同一培養物より同時に得られるので、この複
合体をそのまま有効成分として用いることがで
き、これは経済性において極めて有利な点である
ことが注目される。 本発明の有効成分を農園芸用殺菌剤として使用
する場合には、通常、当該技術分野において知ら
れている農薬製剤と同様に適当な固体担体、液体
担体、乳化分散剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、
水和剤、錠剤、油剤、噴霧剤、煙霧剤等の任意の
剤型に製剤化して適用することができる。これら
の担体としては、クレー、カオリン、ベントナイ
ト、酸性白土、硅藻土、炭酸カルシウム、固体担
体てして、ニトロセルロース、デンプン、アラビ
アゴム、等々が、また液体担体として水、メタノ
ール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムア
ミド、エチレングリコール等が挙げられる。ま
た、製剤上、一般に使用される補助剤、例えば、
高級アルコールの硫酸エステル、ポリオキシエチ
レン、アルキル・アリルエーテル、アルキル・ア
リル・ポリエチレン・グリコールエーテル、アル
キル・アリル・ソルビタン・モノラウレート、ア
ルキル・アリル・スルホネート、アルキル・アリ
ル・スルホン酸塩、第4級アンモニウム塩、ポリ
アルキレンオキサイド等を適宜配合することがで
きる。 有効成分の配合割合は、乳剤、水和剤として
は、10〜90%程度が適当であり、粉剤、油剤等と
しては、0.1〜10%程度が適当であるが、使用目
的によつてこれらの濃度を適宜増減してもよい。 また、本発明の薬剤は、他の殺菌剤や除草剤、
殺虫剤、肥料物質、土壌改良剤と適宜混合して使
用することができる。 以下に、本発明の製造例、実施例及び試験例に
よつて具体的に説明するが、本発明はこれに何ら
限定されるものではない。 なお、実施例中「部」は重量部を表わす。 製造例 グルコース2%、可溶化殿粉1%、肉エキス
0.1%、乾燥酵母0.4%、大豆粉2.5%、食塩0.2%、
リン酸第2カリウム0.005%の組成からなる培地
に前記RK−120株(微生物受託番号・微工研菌
寄第7713号)を接種して、96時間、28℃で振とう
培養する。この培養液25をダイヤホンHP−10
(三菱化成(株)製)4のカラムに通すと活性区分
は吸着させる。50%アセトン40を用いて溶出
し、減圧下に濃縮する。2まで濃縮し、沈殿は
別して水洗する。この後、径50mm、長さ40cmの
シリカゲルカラムを、溶媒、ブタノール−メタノ
ール−水(8:1:1)の系で調製し、0.1N−
HCl−MeOH(1:8)に溶かした試料をかけ展
開する。ブタノール−メタノール−水は、混合比
を(8:1:1)から(5:1:1)に変化さ
せ、最後に(4:1:1)に変化させる。分画量
は55mlで最初の分画No.57〜100にRK−120Bの多
い部分が、分画No.101〜123に、RK−120Aの多い
部分が得られる。 それぞれの活性区分は、減圧下に濃縮し、最後
に凍結乾燥すると、それぞれ990mg、170mgが得ら
れた。 RK−120Aの多い粉末は、ブタノール−メタノ
ール−水(4:1:2)で調製した径50mm、長さ
90cmのセフアデツクスLH−20(スウエーデン・
フアルマシア社製)のカラムに、上記と同一溶剤
に溶かしてかけ、各10ml毎に分画すると、RK−
120Aが主成分のものが分画No.28〜35に得られた。
これは、減圧濃縮し、凍結乾燥すると白色粉末76
mgが得られる。この後、高速液体クロマトグラフ
イーを行うことによりRK−120AとRK−120Bは
分離される。カラムは、ヌクレオシル5C18:径20
mm、長さ30cmを用い、溶剤は、イソプロパノール
−メタノール−水(2:2:6)に対して酢酸を
0.15%加えた系で、流速6.0ml/分、圧力180Kg/
cm2で行うと展開時間30分にRK−120Bが、42分に
RK−120Aが現われる。このRK−120A部分を集
め、イソプロパノールとメタノールがなくなるま
で減圧下で濃縮し、凍結乾燥すると白色粉末が27
mg得られた。 又、RK−120Bが主成分の粉末も同様にセフア
デツクスLH−20によるカラムクロマトグラフイ
ー、ヌクレオシル5C18を用いた高速液体クロマト
グラフイーを行うとRK−120Bが単一に得られ
た。 このものを集め、減圧下で溶媒留去濃縮、凍結
乾燥するとRK−120Bが14.8mg得られた。 この後、次の方法により脱塩を行つた。 RK−120Aは、ブタノール−メタノール−水
(2:1:2)に酢酸を0.15%加えた溶媒250mlに
溶かし、不溶物は除去する。酢酸濃度が0.15%以
上にならないように水を加えながらブタノールと
水を減圧留去する。この後、溶液は凍結乾燥し、
再びブタノール−メタノール−水(2:1:2)
の200mlに溶かし、減圧下で10ml位になるまで濃
縮するとRK−120Aが沈澱してくるので別し、
水洗を充分に行い、更にアセトンとエーテルで洗
浄してデシケーター中で乾燥すると純粋なRK−
120Aが粉末として12.8mg得られた。 RK−120Bの方も同様に脱塩処理して、純粋な
粉末として4.2mg得られた。 実施例 1 (水和剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)10
部、ラウリル硫酸ナトリウム5部、ジナフチルメ
タンジスルホン酸ソーダホルマリン縮合物2部及
びクレー83部に混合粉砕して水和剤100部を得る。 実施例 2 (乳剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)8
部、エチレングリコール10部、ジメチルホルムア
ミド20部、アルキル・ジメチルベンジル・アンモ
ニウムクロライド10部及びメタノール52部を混合
溶解して乳剤100部を得る。 実施例 3 (粉剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)0.2
部、ステアリン酸カルシウム0.5部、タルク50部
及びクレー49.3部を混合粉砕して粉剤100部を得
る。 実施例 4 (粒剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)10
部、デンプン15部、ベントナイト72部及びラウリ
ルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩3部を
混合粉砕して粒剤100部を得る。 実試例 1 (キユウリ灰色かび病に対する防除試験) キユウリ(品種:相模半白)の播種後、15日間
生育した幼苗に、実施例1に準じて調製した水和
剤を所定濃度に希釈して散布した後、風乾した。 キユウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)を
ジヤガイモ・グルコース寒天平板培地で培養し、
BLB光線を照射して誘発した胞子を、グルコー
ス10%酵母抽出液1%溶液に懸濁した。 薬液が乾いた後、キユウリを接種箱に移して、
前記懸濁液をスプレーガンにより、キユウリ幼苗
10本につき10c.c.噴霧接種した。 接種後のキユウリ幼苗は恒温多湿の条件下に放
置し、4日後に発病の程度を調べた。 なお、防除価は次の方法により算出した。 (発病指数) (発病程度) 0 発病なし 1 病斑がわずかに認められる。 2 10%以下の発病面積が認められ
る。 3 10%以上20%以下の発病面積が認
められる。 4 20%以上30%以下の発病面積が認
められる。 5 30%以上40%以下の発病面積が認
められる。 6 40%以上の発病面積が認められ
る。 防除価(%) =(1−処理区の発病指数の和/無処理区の発病指数
の和)×100 この結果を第1表に示す。
既知の抗生物質と比較すると、分子中に、3〜4
%の硫黄を含むペプチド系抗生物質としては、ボ
トロマイシン(Bottromycin)、エンシユーマイ
シン(Enshumycin)、アクチノロイキン
(Actinoleukin)、コベノマイシン
(Kobenomycin)、ゾルボマイシン
(Zorbomycin)及びフレオマイシン
(Phleomycin)等が知られているが、RK−120A
及びRK−120B物質は、上記抗生物質と、紫外線
吸収スペクトル及び抗菌活性において明らかに異
なる。よつて、本発明の抗生物質RK−120A及び
RK−120Bは、文献末載の新規抗生物質であると
結論された。(RK−120A、RK−120B又はその
複合体を有効成分とする農園芸用殺菌剤) ここで、RK−120A及びRK−120Bの複合体と
は、前記培養液を合成吸着剤に吸着させた後、
含水アセトンで溶出し、少くともRK−120A及び
RK−120B物質を含有する濃縮物を意味し、両物
質は同一培養物より同時に得られるので、この複
合体をそのまま有効成分として用いることがで
き、これは経済性において極めて有利な点である
ことが注目される。 本発明の有効成分を農園芸用殺菌剤として使用
する場合には、通常、当該技術分野において知ら
れている農薬製剤と同様に適当な固体担体、液体
担体、乳化分散剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、
水和剤、錠剤、油剤、噴霧剤、煙霧剤等の任意の
剤型に製剤化して適用することができる。これら
の担体としては、クレー、カオリン、ベントナイ
ト、酸性白土、硅藻土、炭酸カルシウム、固体担
体てして、ニトロセルロース、デンプン、アラビ
アゴム、等々が、また液体担体として水、メタノ
ール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムア
ミド、エチレングリコール等が挙げられる。ま
た、製剤上、一般に使用される補助剤、例えば、
高級アルコールの硫酸エステル、ポリオキシエチ
レン、アルキル・アリルエーテル、アルキル・ア
リル・ポリエチレン・グリコールエーテル、アル
キル・アリル・ソルビタン・モノラウレート、ア
ルキル・アリル・スルホネート、アルキル・アリ
ル・スルホン酸塩、第4級アンモニウム塩、ポリ
アルキレンオキサイド等を適宜配合することがで
きる。 有効成分の配合割合は、乳剤、水和剤として
は、10〜90%程度が適当であり、粉剤、油剤等と
しては、0.1〜10%程度が適当であるが、使用目
的によつてこれらの濃度を適宜増減してもよい。 また、本発明の薬剤は、他の殺菌剤や除草剤、
殺虫剤、肥料物質、土壌改良剤と適宜混合して使
用することができる。 以下に、本発明の製造例、実施例及び試験例に
よつて具体的に説明するが、本発明はこれに何ら
限定されるものではない。 なお、実施例中「部」は重量部を表わす。 製造例 グルコース2%、可溶化殿粉1%、肉エキス
0.1%、乾燥酵母0.4%、大豆粉2.5%、食塩0.2%、
リン酸第2カリウム0.005%の組成からなる培地
に前記RK−120株(微生物受託番号・微工研菌
寄第7713号)を接種して、96時間、28℃で振とう
培養する。この培養液25をダイヤホンHP−10
(三菱化成(株)製)4のカラムに通すと活性区分
は吸着させる。50%アセトン40を用いて溶出
し、減圧下に濃縮する。2まで濃縮し、沈殿は
別して水洗する。この後、径50mm、長さ40cmの
シリカゲルカラムを、溶媒、ブタノール−メタノ
ール−水(8:1:1)の系で調製し、0.1N−
HCl−MeOH(1:8)に溶かした試料をかけ展
開する。ブタノール−メタノール−水は、混合比
を(8:1:1)から(5:1:1)に変化さ
せ、最後に(4:1:1)に変化させる。分画量
は55mlで最初の分画No.57〜100にRK−120Bの多
い部分が、分画No.101〜123に、RK−120Aの多い
部分が得られる。 それぞれの活性区分は、減圧下に濃縮し、最後
に凍結乾燥すると、それぞれ990mg、170mgが得ら
れた。 RK−120Aの多い粉末は、ブタノール−メタノ
ール−水(4:1:2)で調製した径50mm、長さ
90cmのセフアデツクスLH−20(スウエーデン・
フアルマシア社製)のカラムに、上記と同一溶剤
に溶かしてかけ、各10ml毎に分画すると、RK−
120Aが主成分のものが分画No.28〜35に得られた。
これは、減圧濃縮し、凍結乾燥すると白色粉末76
mgが得られる。この後、高速液体クロマトグラフ
イーを行うことによりRK−120AとRK−120Bは
分離される。カラムは、ヌクレオシル5C18:径20
mm、長さ30cmを用い、溶剤は、イソプロパノール
−メタノール−水(2:2:6)に対して酢酸を
0.15%加えた系で、流速6.0ml/分、圧力180Kg/
cm2で行うと展開時間30分にRK−120Bが、42分に
RK−120Aが現われる。このRK−120A部分を集
め、イソプロパノールとメタノールがなくなるま
で減圧下で濃縮し、凍結乾燥すると白色粉末が27
mg得られた。 又、RK−120Bが主成分の粉末も同様にセフア
デツクスLH−20によるカラムクロマトグラフイ
ー、ヌクレオシル5C18を用いた高速液体クロマト
グラフイーを行うとRK−120Bが単一に得られ
た。 このものを集め、減圧下で溶媒留去濃縮、凍結
乾燥するとRK−120Bが14.8mg得られた。 この後、次の方法により脱塩を行つた。 RK−120Aは、ブタノール−メタノール−水
(2:1:2)に酢酸を0.15%加えた溶媒250mlに
溶かし、不溶物は除去する。酢酸濃度が0.15%以
上にならないように水を加えながらブタノールと
水を減圧留去する。この後、溶液は凍結乾燥し、
再びブタノール−メタノール−水(2:1:2)
の200mlに溶かし、減圧下で10ml位になるまで濃
縮するとRK−120Aが沈澱してくるので別し、
水洗を充分に行い、更にアセトンとエーテルで洗
浄してデシケーター中で乾燥すると純粋なRK−
120Aが粉末として12.8mg得られた。 RK−120Bの方も同様に脱塩処理して、純粋な
粉末として4.2mg得られた。 実施例 1 (水和剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)10
部、ラウリル硫酸ナトリウム5部、ジナフチルメ
タンジスルホン酸ソーダホルマリン縮合物2部及
びクレー83部に混合粉砕して水和剤100部を得る。 実施例 2 (乳剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)8
部、エチレングリコール10部、ジメチルホルムア
ミド20部、アルキル・ジメチルベンジル・アンモ
ニウムクロライド10部及びメタノール52部を混合
溶解して乳剤100部を得る。 実施例 3 (粉剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)0.2
部、ステアリン酸カルシウム0.5部、タルク50部
及びクレー49.3部を混合粉砕して粉剤100部を得
る。 実施例 4 (粒剤) RK−120A(又はRK−120B、又は複合体)10
部、デンプン15部、ベントナイト72部及びラウリ
ルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩3部を
混合粉砕して粒剤100部を得る。 実試例 1 (キユウリ灰色かび病に対する防除試験) キユウリ(品種:相模半白)の播種後、15日間
生育した幼苗に、実施例1に準じて調製した水和
剤を所定濃度に希釈して散布した後、風乾した。 キユウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)を
ジヤガイモ・グルコース寒天平板培地で培養し、
BLB光線を照射して誘発した胞子を、グルコー
ス10%酵母抽出液1%溶液に懸濁した。 薬液が乾いた後、キユウリを接種箱に移して、
前記懸濁液をスプレーガンにより、キユウリ幼苗
10本につき10c.c.噴霧接種した。 接種後のキユウリ幼苗は恒温多湿の条件下に放
置し、4日後に発病の程度を調べた。 なお、防除価は次の方法により算出した。 (発病指数) (発病程度) 0 発病なし 1 病斑がわずかに認められる。 2 10%以下の発病面積が認められ
る。 3 10%以上20%以下の発病面積が認
められる。 4 20%以上30%以下の発病面積が認
められる。 5 30%以上40%以下の発病面積が認
められる。 6 40%以上の発病面積が認められ
る。 防除価(%) =(1−処理区の発病指数の和/無処理区の発病指数
の和)×100 この結果を第1表に示す。
【表】
試験例 2
(キユウリ炭疽病に対する防除試験)
キユウリ(品種:相模半白)の播種後、15日間
生育した幼苗に、実施例2に準じて調製した乳剤
を所定濃度に希釈して散布した後、風乾した。 キユウリ炭疽病菌(Colletotrichum
lagenarium)をジヤガイモ寒天平板培地で培養
し、生育した胞子を懸濁液〔胞子濃度は1視野
(顕微鏡倍率×150)で約200個〕とした。 薬液が乾いた後、キヤウリ幼苗を接種箱内に移
して、前記懸濁液をスプレーガンにより、キユウ
リ幼苗10本につき、10c.c.噴霧接種した。接種後の
キユウリ幼苗は、湿度100%の接種箱で24時間放
置した後、自然光の温室に移し、4日後に病斑数
を調べた。各薬剤処理区は10本のキユウリ幼苗を
用いた。 なお、防除価は次の方法により算出した。 防除価(%) =(1−処理区の病斑総数/無処理区の病斑総数)×
100 この結果を第2表に示す。
生育した幼苗に、実施例2に準じて調製した乳剤
を所定濃度に希釈して散布した後、風乾した。 キユウリ炭疽病菌(Colletotrichum
lagenarium)をジヤガイモ寒天平板培地で培養
し、生育した胞子を懸濁液〔胞子濃度は1視野
(顕微鏡倍率×150)で約200個〕とした。 薬液が乾いた後、キヤウリ幼苗を接種箱内に移
して、前記懸濁液をスプレーガンにより、キユウ
リ幼苗10本につき、10c.c.噴霧接種した。接種後の
キユウリ幼苗は、湿度100%の接種箱で24時間放
置した後、自然光の温室に移し、4日後に病斑数
を調べた。各薬剤処理区は10本のキユウリ幼苗を
用いた。 なお、防除価は次の方法により算出した。 防除価(%) =(1−処理区の病斑総数/無処理区の病斑総数)×
100 この結果を第2表に示す。
【表】
試験例 3
(イネ紋枯病に対する防除試験)
あらかじめ、ポツトに植えて(1ポツト7本、
各区10ポツト)温室内に育成した第5葉期のイネ
(品種:十石)に、実施例1の方法に準じて調製
した水和剤を所定濃度にメタノール及び水で希釈
して、スプレーガンを用いてポツト当り40ml散布
し、ついで2時間後に、イネ紋枯病菌
(Pellicularia sasakii)の菌叢(直径8mmに打ち
抜いたもの)をイネの新稍間にそう入して上記菌
を接種した。基葉部をビニールシートで覆い、温
室内に7日間保持したのち、イネの発病総病斑長
を測定し、次式により防除価(%)を算出した。 防除価(%) =(1−処理区の総病斑長/無処理区の総病斑長)×
100 この結果を第3表に示す。
各区10ポツト)温室内に育成した第5葉期のイネ
(品種:十石)に、実施例1の方法に準じて調製
した水和剤を所定濃度にメタノール及び水で希釈
して、スプレーガンを用いてポツト当り40ml散布
し、ついで2時間後に、イネ紋枯病菌
(Pellicularia sasakii)の菌叢(直径8mmに打ち
抜いたもの)をイネの新稍間にそう入して上記菌
を接種した。基葉部をビニールシートで覆い、温
室内に7日間保持したのち、イネの発病総病斑長
を測定し、次式により防除価(%)を算出した。 防除価(%) =(1−処理区の総病斑長/無処理区の総病斑長)×
100 この結果を第3表に示す。
【表】
【表】
(本発明の効果)
上記の試験結果より、本発明の農園芸用殺菌剤
は、各種植物病害に対して、極めて高い防除価を
示し、且つ薬害が全く認められず、安全性の高い
農薬を提供しうることが明らかにされた。
は、各種植物病害に対して、極めて高い防除価を
示し、且つ薬害が全く認められず、安全性の高い
農薬を提供しうることが明らかにされた。
第1図は、本発明の抗生物質RK−120Aの紫外
線吸収スペクトルを示す図であり、第2図は、抗
生物質RK−120Bの紫外線吸収スペクトルを示す
図であり、第3図は、抗生物質RK−120Aの赤外
線吸収スペクトルを示す図であり、第4図は、抗
生物質RK−120Bの赤外線吸収スペクトルを示す
図である。
線吸収スペクトルを示す図であり、第2図は、抗
生物質RK−120Bの紫外線吸収スペクトルを示す
図であり、第3図は、抗生物質RK−120Aの赤外
線吸収スペクトルを示す図であり、第4図は、抗
生物質RK−120Bの赤外線吸収スペクトルを示す
図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の理化学的性質及び生物学的性質を有す
る新規抗生物質RK−120A、RK−120B及びその
複合体からなる群から選ばれる抗生物質。 RK−120A (1) 融点:235〜255℃で褐色になり分解する。 (2) 元素分析:炭素50.98%、水素7.11%、窒素
16.42%、硫黄3.55% (3) 比旋光度:〔α〕25 D=−90゜(C=0.05、ジメチ
ルスルホキシド) (4) 紫外線吸収スペクトル:λ0.1N-HCl-MeOH nax220n
m
(E1% 1cm186)肩 (5) 赤外線吸収スペクトル:(KBr法)3300、
2903、2850、1655、1520、1460、1395、1382、
1320、1280、1250、1215、1163、1100、1020、
1002、900、840、760cm-1 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセト
ン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、ヘ
キサン、エーテルに不溶、水に難溶、ブタノー
ルとメタノールと水の混液に可溶 (7) 分子量(FABマススペクトルによる):911 (8) 呈色反応:過マンガン酸カリウム、アニスア
ルデヒド−硫酸、ヨウ素に陽性 (9) 物質の色:白色粉末 (10) 酸加水分解:酸加水分解により、ロイシン、
グリシンを与える。 (11) 抗菌スペクトル:グラム陽性菌、抗酸性菌、
陰性菌及び植物病原菌に対し抗菌活性を示す。 RK−120B (1) 融点:235〜265℃で褐色になり分解する。 (2) 元素分析:炭素50.91%、水素6.95%、窒素
16.12%、硫黄3.39% (3) 比旋光度:〔α〕25 D=−59゜(C=0.03、ジメチ
ルスルホキシド) (4) 紫外線吸収スペクトル:λ0.1N-HCl-MeOH nax220n
m
(E1% 1cm293)肩 (5) 赤外線吸収スペクトル:(KBr法)3300、
2900、2850、1650、1520、1435、1392、1370、
1342、1322、1285、1212、1185、1168、1100、
1024、1004、958、903、846、825、765cm-1 (6) 溶解性:メタノール、エタノール、アセト
ン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、ヘ
キサン、エーテルに不溶、水に難溶、ブタノー
ルとメタノールと水の混液に可溶 (7) 分子量(FABマススペクトルによる):923 (8) 呈色反応:過マンガン酸カリウム、アニスア
ルデヒド−硫酸、ヨウ素に陽性 (9) 物質の色:白色粉末 (10) 酸加水分解:酸加水分解により、バリン及び
グリシンを与える。 (11) 抗菌スペクトル:グラム陽性菌、抗酸性菌、
陰性菌及び植物病原菌に対して抗菌活性を示
す。 2 ストレプトミセス(Streptomyces)属に属
する抗生物質RK−120A及びRK−120B生産菌を
培養し、その培養物から新規抗生物質RK−
120A、RK−120B及びその複合体からなる群か
ら選ばれる抗生物質を分離採取することを特徴と
する新規抗生物質の製造法。 3 抗生物質RK−120A及びRK−120B生産菌が
ストレプトミセス・エスピー・RK−120
(Streptomyces sp.RK−120)である特許請求の
範囲第2項記載の製造法。 4 抗生物質RK−120A、RK−120B及びその複
合体からなる群から選ばれる抗生物質を有効成分
として含有することを特徴とする農園芸用殺菌
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60194694A JPS6255091A (ja) | 1985-09-03 | 1985-09-03 | 新規抗生物質rk−120a及びrk−120b、その製造法並びに農園芸用殺菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60194694A JPS6255091A (ja) | 1985-09-03 | 1985-09-03 | 新規抗生物質rk−120a及びrk−120b、その製造法並びに農園芸用殺菌剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6255091A JPS6255091A (ja) | 1987-03-10 |
JPS6331196B2 true JPS6331196B2 (ja) | 1988-06-22 |
Family
ID=16328721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60194694A Granted JPS6255091A (ja) | 1985-09-03 | 1985-09-03 | 新規抗生物質rk−120a及びrk−120b、その製造法並びに農園芸用殺菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6255091A (ja) |
-
1985
- 1985-09-03 JP JP60194694A patent/JPS6255091A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6255091A (ja) | 1987-03-10 |
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