JPS6316459B2 - - Google Patents
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- JPS6316459B2 JPS6316459B2 JP6489984A JP6489984A JPS6316459B2 JP S6316459 B2 JPS6316459 B2 JP S6316459B2 JP 6489984 A JP6489984 A JP 6489984A JP 6489984 A JP6489984 A JP 6489984A JP S6316459 B2 JPS6316459 B2 JP S6316459B2
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は、アルミニウム合金材、特に耐摩耗
性、低熱膨張性、高温強度並びに耐熱性に優れた
アルミニウム合金材に関するものである。 内燃機関のシリンダーブロツク、シリンダーラ
イナーやピストン、更にはコンプレツサのベーン
材等においては、耐摩耗性、低熱膨張特性、高温
強度或いは耐熱性に優れる等の特性が必要とされ
る。また、これらの材料をアルミニウム合金にて
製作するようにすれば、その軽量化や高速化等の
重要な利点が生ずる。 しかしながら、上記のような要求特性を併わせ
持つアルミニウム合金として、未だ充分なものは
なく、従つて上記用途にアルミニウム合金材を使
用することができなかつたり、その使用条件に制
約が加わる等の問題を内在している。例えば、耐
摩耗性、低熱膨張性に優れた合金材料として、本
願出願人は、先に特願昭58−198338号として、Si
粒子が微細に分散したAl―14〜30%Si―0.5〜5
%Cu―0.3〜3%Mg合金を提唱したが、この合
金とても、その耐熱性、高温強度が充分でないの
である。 また、耐摩耗性、低熱膨張性、高温強度に優れ
た合金として、展伸材ではA4032合金(Al―12%
Si―0.9%Cu―1.1%Mg―0.9%Ni)、鋳物材では
A390合金(Al―17%Si―4.5%Cu―0.6%Mg)が
知られているが、これらの合金であつても、200
℃を越える高温下での強度が充分でなく、その使
用に際しては、使用条件、例えば回転数等に大き
な制約を受けている。 ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、優れた耐摩耗特性、低熱膨張特性、高温強
度特性及び耐熱特性を併わせ有するアルミニウム
合金材を提供することにある。 そして、かくの如き目的を達成するために、本
発明にあつては、重量基準で、Si:15〜35%、
Cu:0.5〜10%、Mg:0.3〜6%およびMn:0.3
〜4%を含み、且つ残部がAlおよび不可避的不
純物からなる合金組成を有し、Si粒子の平均粒径
が5μm以下、平均粒子間距離が10μm以下である
ように、アルミニウム合金材を構成したのであ
る。 また、本発明にあつては、重量基準で、Si:15
〜35%、Cu:0.5〜10%、Mg:0.3〜6%および
Mn:0.3〜4%を含み、更にFe:0.3〜9%およ
びNi:0.3〜9%の少なくとも何れか一方を(Fe
+Ni)量が1.0〜10%となるように含み、且つ残
部がAlおよび不可避的不純物からなる合金組成
を有し、Si粒子の平均粒径が5μm以下、平均粒子
間距離が10μm以下であるように、アルミニウム
合金材を構成することをも、その要旨とするもの
である。 このような本発明に従うアルミニウム合金材の
構成を採用することによつて、初めて、優れた耐
摩耗性、低熱膨張性、高温強度および耐熱性を併
わせ持つアルミニウム合金材が製造され得たので
あり、またそれは耐焼付性にも優れたものであつ
て、このために内燃機関のシリンダーブロツク、
シリンダーライナーやピストン、或いはコンプレ
ツサのベーン材等において、従来のアルミニウム
合金が使用できなかつた部位や使用条件に制約の
あつた部位に、本発明のアルミニウム合金材が好
適に使用され得、以てその軽量化や高速化に寄与
し、その技術的価値を高め、また大きな経済的効
果を奏し得るのである。 ところで、かくの如き本発明におけるアルミニ
ウム合金材は合金成分において、Si(ケイ素)は、
その添加によつて、目的とする合金材の耐摩耗特
性、耐焼付特性を著しく向上させ、また熱膨張係
数を低下せしめる。このSiの添加効果を充分に奏
せしめるためには、その添加量が少なくとも15%
(重量基準、以下同じ)以上となるようにする必
要があるが、Siの余りにも多量の添加は、切削性
が低下し、切削バイトの寿命に悪影響をもたら
し、また被切削面の面粗度が粗くなる等の問題を
生ずるところから、その添加量の上限は35%であ
る。 また、本発明に従うアルミニウム合金材におけ
るCu(銅)は、Mgと共存して、合金に時効硬化
性を付与し、常温強度、耐摩耗性を向上せしめ
る。また、固溶硬化により、高温強度を向上させ
る特徴を有する。なお、これらの効果は、Cuの
添加量が0.5%未満では充分でなく、またCuの添
加量が10%を越えるようになると、それらの効果
は飽和するようになり、また材料の耐食性が害さ
れる等の問題を発生する。 さらに、本発明における主要な合金成分の一つ
たるMg(マグネシウム)は、Cuと共に、時効硬
化性を付与し、常温強度、耐摩耗性を向上させ、
また固溶硬化により材料の高温強度を向上せしめ
る。この効果は、0.3%未満のMgの添加量では充
分でなく、またその添加量が6%を越えるように
なると、その効果は飽和するようになり、また延
性が低下する等の問題を惹起する。 更にまた、本発明における主要合金成分の他の
一つたるMn(マンガン)は材料の耐熱性を向上
させ、また高温強度を高めるものである。この添
加量が少ない場合には、効果が充分でなく、他方
それを多量に添加すれば、効果が飽和するばかり
でなく、延性が著しく低下する。これらの効果を
得るためのMnの添加量は0.3〜4%であり、好ま
しくは0.3〜3%である。 そして、かかる主要四元素(Si,Cu,Mg,
Mn)からなる合金成分の他に、本発明にあつて
は、有利には、所定量のFe(鉄)、Ni(ニツケル)
が単独で若しくはそれらを組み合わせて添加せし
められることとなる。このFe、Niは、それぞれ
単独で又は協働して、材料の耐熱性を向上させ、
また高温強度を高める効果を奏するものである。
なお、これらの元素は、その添加量があまりにも
少ない場合には、その効果を充分に発揮すること
ができず、またそれを多量に添加しても効果が飽
和し、且つ延性の低下が著しくなるところから、
Feにあつては0.3〜9%、Niにあつては0.3〜9%
とする必要があり、更にこれらの元素は、その総
和(FeとNiの合計量)が1.0〜10%、好ましくは
2.0〜5.0とする必要がある。 また、本発明にあつては、上述の合金成分の所
定量を含むアルミニウム合金材中に存在している
Si粒子に関して、その平均粒径を5μm以下、また
その平均粒子間距離を10μm以下とする必要があ
り、これによつて本発明の目的が良好に達成され
るのである。けだし、Si粒子の平均粒径が5μmを
越えたり、平均粒子間距離が10μmを越えたりす
ると、切削仕上がり面が不均一となり、面粗度が
粗くなるからであり、また平均粒径が5μmを越え
ると、切削時のバイト摩耗が大きくなる等の不都
合が生じるからである。 また、かくの如き本発明に従うアルミニウム合
金材は、前述の如き合金組成において、上記規定
されたSi粒子サイズ及び粒子間距離を与えるよう
に、各種の製造手法に従つて製造することが可能
であるが、一般に以下のような方法で製造するこ
とが望ましい。 すなわち、まず、前述の如き合金組成のアルミ
ニウム合金を溶製した後、得られた合金溶湯を急
冷凝固させる。この際の冷却速度は速いほど、高
性能の材料を得ることができるところから望まし
く、通常、100℃/秒以上の冷却速度で冷却する
条件が採用されることとなる。合金溶湯からの冷
却速度が速いぼど、最終製品のSi粒子のサイズが
微細となり、切削性や耐摩耗性が向上するのであ
る。なお、具体的には、アトマイズ法や急冷凝固
法(スプラツト・クーリング等)が適用され、特
に前者においては、合金溶湯のアトマイズ処理に
より、平均粒径が200μm以下のアルミニウム粉末
として取得されることとなる。 そして、このようにして得られたアルミニウム
合金粉末又はフレークを、所定の形状に成形する
のである。具体的には、(a)予備圧縮―容器封入―
高温真空脱ガス―押出し、(b)予備圧縮―焼結、(c)
予備圧縮―容器封入―高温真空脱ガス―高温高圧
圧縮加工(HIP処理)等の工程により、成形が行
なわれることとなる。更に具体的には、前記(a)の
工程にあつては、アルミニウム粉末を真密度の70
〜80%程度まで予備圧縮成形した後に、所定の容
器に封入して、350〜500℃の高温に加熱し真空排
気を行ない、脱ガス処理を実施する。なお、この
脱ガス処理が不充分な場合には、最終製品に膨れ
が生じたり、ガスに起因する欠陥が残留し、問題
となる。次いで、この脱ガス処理が施されたアル
ミニウム粉末の予備圧縮成形品(ビレツト)を
350〜500℃の温度に加熱し、押出し比:4以上で
熱間押出しを行ない、目的とする形状のアルミニ
ウム合金材を得るのである。なお、この際、押出
し比が小さい場合には、圧着が不充分となり、押
出し材に欠陥が残留して、問題となる。 また、前記手法(c)に従えば、上記のような押出
し工程に代わつて、前記急冷凝固して得られたア
ルミニウム粉末を、よく知られている高温高圧圧
縮加工(HIP処理)により成形して、目的とする
素材と為すのである。 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の実施例を示すが、本発明が、かかる
実施例の記載によつて何等制限的に解釈されるも
のでないこと、言うまでもないところである。な
お、実施例中の合金成分の含有割合は、何れも重
量%にて示されている。 実施例 下記第1表に示されるNo.1〜14の各種の組成の
合金を溶製した後、アトマイズ法により、200
℃/秒以上の冷却速度にて、平均粒径が120μmの
アルミニウム合金粉体を製造した。この粉体を用
いて、これを予備圧縮により真密度の75%まで圧
縮成形した後、アルミニウム合金製の容器に封入
して450℃に加熱し、真空排気により脱ガス処理
を施した。こうして得られた直径が152mmの各種
のビレツトを450℃に加熱せしめた後、それぞれ
押出し成形せしめ、直径が40mmの棒を製作した。 一方、第1表のNo.15〜17の合金組成のものにつ
いては、その溶製の後に、連続鋳造法により直径
152mmのインゴツトを作製し、その後、450℃にて
押出し成形して、直径が40mmの棒状体を製造し
た。 そして、これら得られた各種の棒について、そ
れを500℃×1時間の条件下に溶体化処理した後、
水焼入れを行ない、更に175℃×8時間の時効処
理を施した。 かくして得られた素材(棒)について、それぞ
れSi粒子径、粒子間距離の測定を行なうと共に、
摩耗試験、引張試験、ビツカース硬さ測定を行な
い、それぞれの性能評価を行なつた。その結果
を、下記第2表、第3表に示す。 なお、かかる性能評価における摩耗試験は、大
越式摩耗試験(荷重:3.2Kg、走行速度:1m/
s、走行距離:200m)により行ない、また引張
試験は、試験温度が室温、250℃、350℃の条件下
に、保持時間:100hrにて行ない、更にビツカー
ス硬さ測定は、そのまま(室温のまま)及び300
℃×100hr加熱後において行なわれた。
性、低熱膨張性、高温強度並びに耐熱性に優れた
アルミニウム合金材に関するものである。 内燃機関のシリンダーブロツク、シリンダーラ
イナーやピストン、更にはコンプレツサのベーン
材等においては、耐摩耗性、低熱膨張特性、高温
強度或いは耐熱性に優れる等の特性が必要とされ
る。また、これらの材料をアルミニウム合金にて
製作するようにすれば、その軽量化や高速化等の
重要な利点が生ずる。 しかしながら、上記のような要求特性を併わせ
持つアルミニウム合金として、未だ充分なものは
なく、従つて上記用途にアルミニウム合金材を使
用することができなかつたり、その使用条件に制
約が加わる等の問題を内在している。例えば、耐
摩耗性、低熱膨張性に優れた合金材料として、本
願出願人は、先に特願昭58−198338号として、Si
粒子が微細に分散したAl―14〜30%Si―0.5〜5
%Cu―0.3〜3%Mg合金を提唱したが、この合
金とても、その耐熱性、高温強度が充分でないの
である。 また、耐摩耗性、低熱膨張性、高温強度に優れ
た合金として、展伸材ではA4032合金(Al―12%
Si―0.9%Cu―1.1%Mg―0.9%Ni)、鋳物材では
A390合金(Al―17%Si―4.5%Cu―0.6%Mg)が
知られているが、これらの合金であつても、200
℃を越える高温下での強度が充分でなく、その使
用に際しては、使用条件、例えば回転数等に大き
な制約を受けている。 ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、優れた耐摩耗特性、低熱膨張特性、高温強
度特性及び耐熱特性を併わせ有するアルミニウム
合金材を提供することにある。 そして、かくの如き目的を達成するために、本
発明にあつては、重量基準で、Si:15〜35%、
Cu:0.5〜10%、Mg:0.3〜6%およびMn:0.3
〜4%を含み、且つ残部がAlおよび不可避的不
純物からなる合金組成を有し、Si粒子の平均粒径
が5μm以下、平均粒子間距離が10μm以下である
ように、アルミニウム合金材を構成したのであ
る。 また、本発明にあつては、重量基準で、Si:15
〜35%、Cu:0.5〜10%、Mg:0.3〜6%および
Mn:0.3〜4%を含み、更にFe:0.3〜9%およ
びNi:0.3〜9%の少なくとも何れか一方を(Fe
+Ni)量が1.0〜10%となるように含み、且つ残
部がAlおよび不可避的不純物からなる合金組成
を有し、Si粒子の平均粒径が5μm以下、平均粒子
間距離が10μm以下であるように、アルミニウム
合金材を構成することをも、その要旨とするもの
である。 このような本発明に従うアルミニウム合金材の
構成を採用することによつて、初めて、優れた耐
摩耗性、低熱膨張性、高温強度および耐熱性を併
わせ持つアルミニウム合金材が製造され得たので
あり、またそれは耐焼付性にも優れたものであつ
て、このために内燃機関のシリンダーブロツク、
シリンダーライナーやピストン、或いはコンプレ
ツサのベーン材等において、従来のアルミニウム
合金が使用できなかつた部位や使用条件に制約の
あつた部位に、本発明のアルミニウム合金材が好
適に使用され得、以てその軽量化や高速化に寄与
し、その技術的価値を高め、また大きな経済的効
果を奏し得るのである。 ところで、かくの如き本発明におけるアルミニ
ウム合金材は合金成分において、Si(ケイ素)は、
その添加によつて、目的とする合金材の耐摩耗特
性、耐焼付特性を著しく向上させ、また熱膨張係
数を低下せしめる。このSiの添加効果を充分に奏
せしめるためには、その添加量が少なくとも15%
(重量基準、以下同じ)以上となるようにする必
要があるが、Siの余りにも多量の添加は、切削性
が低下し、切削バイトの寿命に悪影響をもたら
し、また被切削面の面粗度が粗くなる等の問題を
生ずるところから、その添加量の上限は35%であ
る。 また、本発明に従うアルミニウム合金材におけ
るCu(銅)は、Mgと共存して、合金に時効硬化
性を付与し、常温強度、耐摩耗性を向上せしめ
る。また、固溶硬化により、高温強度を向上させ
る特徴を有する。なお、これらの効果は、Cuの
添加量が0.5%未満では充分でなく、またCuの添
加量が10%を越えるようになると、それらの効果
は飽和するようになり、また材料の耐食性が害さ
れる等の問題を発生する。 さらに、本発明における主要な合金成分の一つ
たるMg(マグネシウム)は、Cuと共に、時効硬
化性を付与し、常温強度、耐摩耗性を向上させ、
また固溶硬化により材料の高温強度を向上せしめ
る。この効果は、0.3%未満のMgの添加量では充
分でなく、またその添加量が6%を越えるように
なると、その効果は飽和するようになり、また延
性が低下する等の問題を惹起する。 更にまた、本発明における主要合金成分の他の
一つたるMn(マンガン)は材料の耐熱性を向上
させ、また高温強度を高めるものである。この添
加量が少ない場合には、効果が充分でなく、他方
それを多量に添加すれば、効果が飽和するばかり
でなく、延性が著しく低下する。これらの効果を
得るためのMnの添加量は0.3〜4%であり、好ま
しくは0.3〜3%である。 そして、かかる主要四元素(Si,Cu,Mg,
Mn)からなる合金成分の他に、本発明にあつて
は、有利には、所定量のFe(鉄)、Ni(ニツケル)
が単独で若しくはそれらを組み合わせて添加せし
められることとなる。このFe、Niは、それぞれ
単独で又は協働して、材料の耐熱性を向上させ、
また高温強度を高める効果を奏するものである。
なお、これらの元素は、その添加量があまりにも
少ない場合には、その効果を充分に発揮すること
ができず、またそれを多量に添加しても効果が飽
和し、且つ延性の低下が著しくなるところから、
Feにあつては0.3〜9%、Niにあつては0.3〜9%
とする必要があり、更にこれらの元素は、その総
和(FeとNiの合計量)が1.0〜10%、好ましくは
2.0〜5.0とする必要がある。 また、本発明にあつては、上述の合金成分の所
定量を含むアルミニウム合金材中に存在している
Si粒子に関して、その平均粒径を5μm以下、また
その平均粒子間距離を10μm以下とする必要があ
り、これによつて本発明の目的が良好に達成され
るのである。けだし、Si粒子の平均粒径が5μmを
越えたり、平均粒子間距離が10μmを越えたりす
ると、切削仕上がり面が不均一となり、面粗度が
粗くなるからであり、また平均粒径が5μmを越え
ると、切削時のバイト摩耗が大きくなる等の不都
合が生じるからである。 また、かくの如き本発明に従うアルミニウム合
金材は、前述の如き合金組成において、上記規定
されたSi粒子サイズ及び粒子間距離を与えるよう
に、各種の製造手法に従つて製造することが可能
であるが、一般に以下のような方法で製造するこ
とが望ましい。 すなわち、まず、前述の如き合金組成のアルミ
ニウム合金を溶製した後、得られた合金溶湯を急
冷凝固させる。この際の冷却速度は速いほど、高
性能の材料を得ることができるところから望まし
く、通常、100℃/秒以上の冷却速度で冷却する
条件が採用されることとなる。合金溶湯からの冷
却速度が速いぼど、最終製品のSi粒子のサイズが
微細となり、切削性や耐摩耗性が向上するのであ
る。なお、具体的には、アトマイズ法や急冷凝固
法(スプラツト・クーリング等)が適用され、特
に前者においては、合金溶湯のアトマイズ処理に
より、平均粒径が200μm以下のアルミニウム粉末
として取得されることとなる。 そして、このようにして得られたアルミニウム
合金粉末又はフレークを、所定の形状に成形する
のである。具体的には、(a)予備圧縮―容器封入―
高温真空脱ガス―押出し、(b)予備圧縮―焼結、(c)
予備圧縮―容器封入―高温真空脱ガス―高温高圧
圧縮加工(HIP処理)等の工程により、成形が行
なわれることとなる。更に具体的には、前記(a)の
工程にあつては、アルミニウム粉末を真密度の70
〜80%程度まで予備圧縮成形した後に、所定の容
器に封入して、350〜500℃の高温に加熱し真空排
気を行ない、脱ガス処理を実施する。なお、この
脱ガス処理が不充分な場合には、最終製品に膨れ
が生じたり、ガスに起因する欠陥が残留し、問題
となる。次いで、この脱ガス処理が施されたアル
ミニウム粉末の予備圧縮成形品(ビレツト)を
350〜500℃の温度に加熱し、押出し比:4以上で
熱間押出しを行ない、目的とする形状のアルミニ
ウム合金材を得るのである。なお、この際、押出
し比が小さい場合には、圧着が不充分となり、押
出し材に欠陥が残留して、問題となる。 また、前記手法(c)に従えば、上記のような押出
し工程に代わつて、前記急冷凝固して得られたア
ルミニウム粉末を、よく知られている高温高圧圧
縮加工(HIP処理)により成形して、目的とする
素材と為すのである。 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の実施例を示すが、本発明が、かかる
実施例の記載によつて何等制限的に解釈されるも
のでないこと、言うまでもないところである。な
お、実施例中の合金成分の含有割合は、何れも重
量%にて示されている。 実施例 下記第1表に示されるNo.1〜14の各種の組成の
合金を溶製した後、アトマイズ法により、200
℃/秒以上の冷却速度にて、平均粒径が120μmの
アルミニウム合金粉体を製造した。この粉体を用
いて、これを予備圧縮により真密度の75%まで圧
縮成形した後、アルミニウム合金製の容器に封入
して450℃に加熱し、真空排気により脱ガス処理
を施した。こうして得られた直径が152mmの各種
のビレツトを450℃に加熱せしめた後、それぞれ
押出し成形せしめ、直径が40mmの棒を製作した。 一方、第1表のNo.15〜17の合金組成のものにつ
いては、その溶製の後に、連続鋳造法により直径
152mmのインゴツトを作製し、その後、450℃にて
押出し成形して、直径が40mmの棒状体を製造し
た。 そして、これら得られた各種の棒について、そ
れを500℃×1時間の条件下に溶体化処理した後、
水焼入れを行ない、更に175℃×8時間の時効処
理を施した。 かくして得られた素材(棒)について、それぞ
れSi粒子径、粒子間距離の測定を行なうと共に、
摩耗試験、引張試験、ビツカース硬さ測定を行な
い、それぞれの性能評価を行なつた。その結果
を、下記第2表、第3表に示す。 なお、かかる性能評価における摩耗試験は、大
越式摩耗試験(荷重:3.2Kg、走行速度:1m/
s、走行距離:200m)により行ない、また引張
試験は、試験温度が室温、250℃、350℃の条件下
に、保持時間:100hrにて行ない、更にビツカー
ス硬さ測定は、そのまま(室温のまま)及び300
℃×100hr加熱後において行なわれた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1表〜第3表の比較から自ずから明らかなよ
うに、本発明に従うアルミニウム合金材:No.1〜
10における比摩耗量は、比較合金:No.11〜14、No.
15(A4032)、No.16(A390)とほぼ同等であり、充
分に小さいものであると共に、高温引張強さ、
300℃加熱後の硬さは、比較合金に比べて大きく、
高温強度並びに耐熱性に優れていることが認めら
れる。
うに、本発明に従うアルミニウム合金材:No.1〜
10における比摩耗量は、比較合金:No.11〜14、No.
15(A4032)、No.16(A390)とほぼ同等であり、充
分に小さいものであると共に、高温引張強さ、
300℃加熱後の硬さは、比較合金に比べて大きく、
高温強度並びに耐熱性に優れていることが認めら
れる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量基準で、Si:15〜35%、Cu:0.5〜10%、
Mg:0.3〜6%およびMn:0.3〜4%を含み、且
つ残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金
組成を有し、Si粒子の平均粒径が5μm以下、平均
粒子間距離が10μm以下であることを特徴とする
耐摩耗性、低熱膨張性、高温強度並びに耐熱性に
優れたアルミニウム合金材。 2 重量基準で、Si:15〜35%、Cu:0.5〜10%、
Mg:0.3〜6%およびMn:0.3〜4%を含み、更
にFe:0.3〜9%およびNi:0.3〜9%の少なくと
も何れか一方を(Fe+Ni)量が1.0〜10%となる
ように含み、且つ残部がAlおよび不可避的不純
物からなる合金組成を有し、Si粒子の平均粒径が
5μm以下、平均粒子間距離が10μm以下であるこ
とを特徴とする耐摩耗性、低熱膨張性、高温強度
並びに耐熱性に優れたアルミニウム合金材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6489984A JPS60208443A (ja) | 1984-03-31 | 1984-03-31 | アルミニウム合金材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6489984A JPS60208443A (ja) | 1984-03-31 | 1984-03-31 | アルミニウム合金材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60208443A JPS60208443A (ja) | 1985-10-21 |
JPS6316459B2 true JPS6316459B2 (ja) | 1988-04-08 |
Family
ID=13271379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6489984A Granted JPS60208443A (ja) | 1984-03-31 | 1984-03-31 | アルミニウム合金材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60208443A (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6144149A (ja) * | 1984-08-09 | 1986-03-03 | Honda Motor Co Ltd | アルミニウム合金製構造部材の製造方法 |
JPS6210237A (ja) * | 1985-07-09 | 1987-01-19 | Showa Denko Kk | 熱間鍛造用アルミニウム合金 |
JPS63143233A (ja) * | 1986-12-04 | 1988-06-15 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金材 |
JPH07113135B2 (ja) * | 1987-03-09 | 1995-12-06 | 株式会社神戸製鋼所 | 粉末冶金用Al合金 |
JPS62247044A (ja) * | 1987-04-03 | 1987-10-28 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 高強度耐摩耗性アルミニウム合金 |
US4969428A (en) * | 1989-04-14 | 1990-11-13 | Brunswick Corporation | Hypereutectic aluminum silicon alloy |
JPH03199336A (ja) * | 1989-12-28 | 1991-08-30 | Ryobi Ltd | 耐摩耗性アルミニウム合金 |
JPH03281750A (ja) * | 1990-03-30 | 1991-12-12 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 靭性に優れた耐熱性アルミニウム合金 |
JP2007211349A (ja) * | 2007-04-02 | 2007-08-23 | Yamaha Motor Co Ltd | エンジンのシリンダライナ |
CN102808119A (zh) * | 2012-09-07 | 2012-12-05 | 重庆大学 | 一种轻质高温耐磨铝合金 |
CN107513646B (zh) * | 2017-07-12 | 2019-07-23 | 西安理工大学 | 一种高硅铝合金缸套材料及其制备方法 |
CN110735070B (zh) * | 2019-10-24 | 2021-07-30 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 铝合金材质、耐磨件及制备方法和涡旋压缩机 |
-
1984
- 1984-03-31 JP JP6489984A patent/JPS60208443A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60208443A (ja) | 1985-10-21 |
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