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JPS6248972B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6248972B2
JPS6248972B2 JP4446583A JP4446583A JPS6248972B2 JP S6248972 B2 JPS6248972 B2 JP S6248972B2 JP 4446583 A JP4446583 A JP 4446583A JP 4446583 A JP4446583 A JP 4446583A JP S6248972 B2 JPS6248972 B2 JP S6248972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy
emulsion
piperazine
curing
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4446583A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59170114A (ja
Inventor
Koichiro Oka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP4446583A priority Critical patent/JPS59170114A/ja
Publication of JPS59170114A publication Critical patent/JPS59170114A/ja
Publication of JPS6248972B2 publication Critical patent/JPS6248972B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、エポキシエマルジヨンから平均粒子
径が1〜50μmの、比較的粒子径分布の狭いエポ
キシ系球形微粒子およびそれを調製するための方
法に関するものである。 発明の背景 有機高分子からなる微粒子、特に球形微粒子は
ゴム、プラスチツク類への充填剤、補強剤とし
て、またペンキ、絵具、接着剤などの艶色剤、充
填剤、補強剤として、無機填料や無機顔料とほぼ
同様の目的で使用されているが、無機物に比べる
と軽量化が図れることが大きな特徴となつてい
る。このことは、有機微粒子を中空化あるいは多
孔質化することによつて、一層特徴付けられる。
さらに、無機物と異なり、有機微粒子の場合は表
面に官能基を付与することが可能であり、これに
よつて独自の用途を見出している。例えば、表面
に二重結合やアルデヒド基、カルボキシル基など
を付与することによつて多官能化すると、単なる
充填作用に加えて、架橋および補強作用が付加さ
れ、配合効果をいつそう高められる。また、アミ
ノ基、カルボキシル基など極性基の導入は、クロ
マトグラフイー用カラム充填剤として特定の化学
物質に対し著しい分離作用を示すようになる。さ
らに、蛋白質に存在する活性基と反応して共有結
合できるような官能基、例えばエポキシ基、アル
デヒド基、イソシアネート基などの導入、あるい
はグルタルアルデヒドのような架橋剤と反応し得
るアミノ基の導入は、酵素の固定化、抗原、抗体
の固定化に役立つ。そして、それらはアフイニテ
イクロマトグラフイー用カラム充填剤として極微
量の抗体、抗原の分析、分取などに、またエンザ
イムイムノアツセイとして、血液中の微量成分の
迅速分析など臨床検査を中心に多方面で利用し得
るものである。 これらの官能基を付与した有機微粒子は、その
形状が球形であることによつて、それぞれの用途
での性能、例えば分析精度、感度、迅速性、取扱
い性などが著しく改善されることが多い。特に粒
子径分布が狭い球形粒子であることがしばしば要
求され、粒子の大きさと併せて重要な管理目標に
なつている。 従来技術 上記形状の有機微粒子は、従来エマルジヨン重
合法またはサスペンジヨン重合法でつくられてき
た。即ち、これらの方法では、サクリルモノマと
ラジカル反応開始剤を水中に仕込み、乳化剤の存
在下または非存在下でアクリルモノマを粒子状に
重合する。アクリルモノマには重合用の二重結合
の他に、カルボキシル基、スルホス基、アミド
基、アルコール性水酸基などの官能基を持つた微
粒子も重合することができ、目的によつては非常
に有効な微粒子調製方法であると考えられる。 しかし、エマルジヨン重合法は一般に1μ以下
の特に0.1〜0.5μ程度の均一球形微粒子の製造に
その利点があり、1μ以上の均一微粒子調製には
不向きであると言われている。その理由は、粒径
が大きくなるにつれて製造所要時間が急激に増加
すること、粒子のいびつ化、粒径分布の増大が見
られるからである。またサスペンジヨン重合の場
合は、エマルジヨン重合に比べてはるかに大きな
粒子を得るのに便利であるが、一般に粒子形状が
必ずしも球形とはならず、粒径分布も極めて広い
のが通常である。 アクリルモノマを出発原料とする場合のもう一
つの欠点は、重合原理から予測されるように、エ
チレン性二重結合を粒子内に大量に保持した微粒
子をつくれないことである。二重結合は、それ自
体の架橋能力と、アミン類の付加、酸化によるオ
キシラン環の形成など、微粒子を使用する目的に
合せて活性化できるという点で重要な活性基であ
る。 発明の目的 本発明の目的の一つは、上記したようにエマル
ジヨン重合法やサスペンジヨン重合法では重合法
では作りにくい1〜50μの均一な球形微粒子とそ
の製造方法を提供するところにある。またアクリ
ルモノマの重合からはつくりにくい、粒子内に多
数の二重結合を持つ微粒子とその製造方法を提供
するところにある。本発明のもう一つの目的は、
粒子内にアミノ基やエポキシ基を持ち、反応性に
富む機能性微粒子およびその製造方法を提供する
ところにある。 本発明によつて調製し得るエポキシ系微粒子は
以上に説明したことから容易に推察されるように
そのままあるいはなんらかの活性化処理を受ける
ことによつて、充填剤、補強剤、架橋剤、クロマ
トグラフイー用カラム、エンザイムイムノアツセ
イ用試薬などの多方面において有用な用途が期待
されるのである。 発明の構成 上記目的を達成するため本発明は下記の構成か
らなる。 (1) 下記一般式[A]で示される、ピペラジンま
はピペラジン誘導体の残基とエポキシ基残基と
を少なくとも含むエポキシ系樹脂からなり、か
つ形状は実質的に球状であり、粒子直径が1〜
50μmであることを特徴とするエポキシ微粒
子。 (R,R-は水素原子または炭素数1〜4の
炭化水素残基を示す。) (2) 未硬化エポキシ系樹脂エマルジヨンに、硬化
剤として下記一般式[B]で示されるピペラジ
ンまたはピペラジン誘導体を加えて硬化させエ
ポキシ微粒子を製造するに際し、該ピペラジン
またはピペラジン誘導体の添加量を、前記エポ
キシ系樹脂エマルジヨンのエポキシ当量から化
学量論的に計算されるアミン当量の15%以上と
することを特徴とするエポキシ微粒子の製造方
法。 (R,R-は水素原子または炭素数1〜4の
炭化水素残基を示す。) エポキシエマルジヨンは、水性塗料、接着剤、
セメント保強剤などとして従来から使用され、よ
く知られた存在である。これらの用途では、水性
であることによる特徴が生かされて、溶剤型ある
いは無溶剤型エポキシ樹脂に対して独自の応用が
展開されている。しかし、硬化後のエポキシエマ
ルジヨンは、溶剤型あるいは無溶剤型エポキシ樹
脂の場合と同様、一体化した樹脂状物となり、水
は硬化中あるいは硬化後に必ず除去されている。
つまり、従来から使用されてきたエポキシエマル
ジヨンでは、エマルジヨン粒子同士が合体した状
態で、最終的に使用されているのである。このよ
うにエポキシエマルジヨンを合体化することは比
較的簡単であり、強度等に特に制限を設けなけれ
ば、特に意図しなても起こり得る変化である。 本発明では、上記のようにエポキシエマルジヨ
ンを合体させることなく、エマルジヨンとして分
散している粒子をそのままに近い状態で硬化して
エポキシ系微粒子を得ることを最大の特徴とす
る。 得られた粒子は常温ではそれ自体接合性を示す
ことがないから、硬化後の粒子が常温で合体また
は他物質への接着性を示すことはない。この点が
本発明の最も特徴ある所であり、従来から知られ
ているエポキシエマルジヨンの硬化とは異なる点
である。 エポキシ系化合物を微粒子状に硬化する技術に
ついては、特開昭53―73249が開示されている。
この方法では硬化剤として、エポキシ系化合物の
硬化剤として一般的に認められているアミン系硬
化剤も挙げられていない。 ところが、本発明者の検討によると、エポキシ
エマルジヨンを粒子状に硬化するための最大のポ
イントは硬化剤の種類にあることがわかり、種々
の硬化剤について鋭意検討した結果、本発明に到
達したものである。 本発明には上記したピペラジン系化合物を使用
する。エポキシ化合物を一般に硬化し得る水溶性
の硬化剤には、ピペラジンおよばその誘導体のほ
かに、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミンなど多数の化合物が考えられ
るが、上記のピペラジンとその誘導体以外は、い
かなる水溶性硬化剤を用いてもエポキシエマルジ
ヨンの粒子状硬化には成功せず、粒子の合体によ
つて巨大化したり、エマルジヨンが完全に破壊さ
れて、水とエポキシ化合物に分相した。 本発明の未硬化エポキシエマルジヨンに使用す
るエポキシ系化合物としては、分子内にエポキシ
基を2個以上有するエポキシ系化合物を主成分と
することが重要である。このようなエポキシ系化
合物の例としては次のような化合物を挙げること
ができる。 まずエポキシ基を2個有するものとして、ビス
フエノールA型の両末端グリシジルエーテル化
物、ポリエチレングリコールのジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールのジグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテルや1,6―ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテルのような脂肪族アルコールのジグリシ
ジルエーテル類、水添ビスフエノールA型の両末
端グリシジルエーテル化物のような脂環族のジグ
リシジルエーテル類、ビスフエノール類の両端末
にアルキレンオキサイドを付加したジグリシジル
エーテル類などが挙げられる。 エポキシ基を3個以上有するものとして、グリ
セリントリグリシジルエーテルやトリメチロール
プロパントリグリシジルエーテルのような脂肪族
多価アルコールの多価グリシジルエーテル類、フ
エノールノボラツク型化合物のポリグリシジルエ
ーテル類、トリスエポキシプロピルイソシアヌレ
ート、N,N,N′,N′―テトラグリシジルm―
キシレンジアミン、1,3―ビス(N,N―ジグ
リシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙
げられる。 本発明では、これらのエポキシ化合物を水中で
乳化してエマルジヨン化する必要がある。このた
め、重合度の高いアルキレンオキサイドのジグリ
シジルエーテルやグリセリンジグリシジルエーテ
ルなどの水溶性の高いエポキシ化合物では、エマ
ルジヨン化が一般に困難になることから、これら
を多用することはあまり好ましくない。 分子内にエポキシ基を2個以上を有するエポキ
シ化合物で、且つ分子内にエチレン性二重結合を
1個以上含むものも本発明で好ましく使用され
る。このような化合物の例として、上記したよう
な分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物の
部分(メタ)アクリレートや、マレイン酸などエ
チレン性二重結合を有するジカルボン酸との部分
エステル化物などが挙げられる。 本発明では、未硬化エポキシエマルジヨンのエ
ポキシ化合物として、上記したような分子内にエ
ポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物を単独
または混合物として40〜100重量%含むものが好
ましく用いられる。一方、本発明では残余のエポ
キシ化合物として、分子内にエポキシ基を1個有
するエポキシ化合物を単独または混合物として0
〜60重量%含むものが好ましく用いられる。この
ようなエポキシ化合物の例としては、次のような
ものが挙げられる。 2―エチルヘキシルグリシジルエーテル、2―
メチルオクチルグリシジルエーテルなど脂肪族炭
化水素のグリシジルエーテル類、分子内にエポキ
シ基を2個以上有するエポキシ化合物のエポキシ
基を1個残して、残余のエポキシ基をアミン類と
反応させたり、塩酸などを付加したものなどがあ
る。分子内にエポキシ基を1個有するエポキシ化
合物が同時にエチレン性二重結合を有している化
合物である場合も本発明に好適である。このよう
な化合物の例として、グリシジル(メタ)アクリ
レートや分子内にエポキシ基を2個以上有するエ
ポキシ化合物のエポキシ基を1個残して、調余の
エポキシ基を(メタ)アクリル酸やマレイン酸の
ようなエチレン性二重結合を有するジカルボン酸
でエステル化したもの、2―ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートのようなエチレン性二重結
合とアルコール性水酸基を持つ化合物とエピクロ
ルヒドリンとの反応物などが挙げられる。 本発明を達成するためには、上記したように未
硬化エポキシエマルジヨンのエポキシ化合物が分
子内にエポキシ基を2個以上有する化合物40〜
100重量%、好ましくは50〜100重量%、分子内に
エポキシ基を1個有する化合物0〜60重量%、好
ましは0〜50重量%である必要がある。分子内に
エポキシ基を1個有するエポキシ化合物が60重量
%よりも多くなると、硬化剤による硬化反応で、
十分な重合または架橋を行なうことができず、物
理強度の弱いもの、あるいは粘着性のあるものし
か得られない。一般に、エポキシ基が分子内に1
個しかないエポキシ化合物を多用すると、硬化物
の物理強度が低下するので、エポキシ基を3個以
上有するエポキシ化合物の割合を高くとるのが好
ましい。 本発明の未硬化エポキシエマルジヨン粒子には
本発明を損わない範囲でその他の添加物を含むこ
とができる。最も代表的な添加剤は、エポキシ微
粒子を着色する目的で使用する有機および無機顔
料類と染料類である。また発泡剤も微粒子の多孔
化および中空化の目的で使用できる。帯電防止
剤、導電剤、柴外線吸収剤などもそれぞれの目的
に合せて添加できる。これらの添加剤は、未硬化
エポキシ化合物をエマルジヨン化する前に添加
し、十分に混合または溶解することで配合するの
が普通である。 本発明の未硬化エポキシ組成物は、次いで水と
ともにエマルジヨン化される。エマルジヨン化は
一般に乳化剤の助けを借りるのが普通である。こ
の目的のために使用される乳化剤は特に限定する
ものではなく、エポキシ化合物の乳化剤として知
られているものならば、一般に好適に使用でき
る。 本発明に使用し得る乳化剤の例を挙げると、ポ
リオキシエチレンフエノール置換エーテル系やポ
リオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロツ
クポリエーテル系などエーテル非イオン界面活性
剤、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステ
ルや多価アルコールの脂肪酸エステルなどエステ
ル型の非イオン界面活性剤およびアルコキシル化
ロジン類などがある。また、ダイマー酸とポリエ
ーテルジアミンや脂肪族ポリアミンとの反応物で
あるポリアミドアミン系の自己乳化性且つエポキ
シ化合物の硬化剤になり得るものでも使用可能で
ある。 これらの乳化剤は、通常エポキシ化合物に対し
て30重量%以下使用するが、使用量については特
に限定しない。 乳化剤は、エポキシ化合物に混合した状態で使
用するのが一般的であるが、水中に乳化剤を加え
ておき、これと乳化剤を含むあるいは含まないエ
ポキシ化合物を激しく混ぜる方法を行ない得る。
乳化剤とエポキシ化合物の混合は、加温下で行な
うと分散、溶解が容易である場合が多い。 一般に化合物の乳化の難易性は粘度の影響を受
ける。エポキシ化合物の粘度が高い時あるいは常
温固化タイプのエポキシ化合物の場合などでは、
機械力だけで十分に乳化するのが困難である。こ
のような時には、乳化剤とともにエポキシ化合物
の希釈剤を使用する。 希釈剤には、ケトン類、アルコール類、セロソ
ルブ類、ジオキサン、芳香族炭化水素類、酢酸エ
チルなどのエステル類などが挙げられる。 以上のように、エポキシ化合物と乳化剤を基本
組成にして調整したエポキシ系組成物は、続いて
常法に従い乳化され、未硬化エポキシエマルジヨ
ンにされる。乳化方法は特に限定するものでない
が、代表的な方法を次に示す。 乳化剤を含む上記エポキシ系組成物を常温〜95
℃に加熱し、高速撹拌しながら、これに上記温度
範囲の水を徐々に加える。水は一般に連続的に添
加するよりも断続的な添加の方が好ましく、添加
期間と撹拌のみ行なう期間を交代して行なう方法
が推奨される。この方法では、最初の水の添加に
よりW/O型エマルジヨンが形成されるが、水の
追加によりO/W型エマルジヨンへ転相する。転
相時およびO/W型エマルジヨン化後は、特に高
速撹拌を行なうことが粒径微小化、均一化、エマ
ルジヨンの安定化のために要求される。この方法
に対して、乳化剤を含むエポキシ系組成物を高速
撹拌下の水中に徐々に加えて、O/W型エマルジ
ヨンを直接調製する方法もある。 エポキシエマルジヨンの濃度とエマルジヨン粒
子径や安定性とは密接な関係があり、濃度があま
り低いと凝集を起こしやすく、安定性が悪くな
る。一般にエマルジヨン濃度として10〜80重量%
程度に調製するのが良好なエマルジヨンを得る条
件として考えられているが、本発明では特にこの
範囲を限定するものではない。これより低い濃度
のエマルジヨンを調製するためには、一旦上記範
囲の濃度でエマルジヨンを調製してから、水で所
定濃度まで希釈する方法をとるのが一般的であ
る。 エポキシエマルジヨンは、乳化剤の作用によつ
て水中の安定性を与えられているが、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アラビアゴム、ポリビニルアルコールのよう
な保護コロイド作用を示す物質を予め水に加えて
おく方法もエマルジヨンの安定性を増すのに有効
である。 本発明では、上記のごとくして得た未硬化エポ
キシエマルジヨンにピペラジンまたはその誘導体
を加えて、エマルジヨン粒子を粒子状に硬化し
て、エポキシ系微粒子を調製する。 ピペラジンおよびその誘導体として本発明で用
いる硬化剤は次に示す構造である必要がある。 (R,R′は水素原子または炭素原子数1〜4
個の炭化水素残基)。 本発明は、使用した構造のピペラジンまたはそ
の誘導体を、エポキシエマルジヨンのエポキシ価
から化学量論的に計算されるアミン1当量の15重
量%以上添加することにより達成される。エポキ
シ化合物の硬化は、一般にエポキシ化合物とアミ
ン化合物が化学的におよそ当量存在するところで
行なわれているから、当量アミン量の15重量%の
ような少量でも見掛上の硬化が見られるのは極め
て興味ある現象である。 未硬化エポキシエマルジヨンのピペラジンまた
はその誘導体による硬化反応は、反応後の水中に
残存するピペラジンまたはその誘導体量を定量す
ることで推定できる。即ち、エポキシ基反応率E
とピペラジンおよびその誘導体の反応率Pを次の
よにして求められる。 E=Peq/Eeq×f(f−r)/f×
100 P=f−r/f×100 Eeq :エポキシ化合物のエポキシ価 Peq :ピペラジンまたはその誘導体のアミン価 fe :エポキシ化合物の仕込量 fp :ピペラジンまたはその誘導体の仕込量 rp :反応後のピペラジンまたはその誘導体の
残存量 ピペラジンまたはその誘導体の仕込量fpが小
さい時には、Pは高くなるがEは低下する。Eが
小さくなるとエポキシエマルジヨン粒子が十分に
硬化しなくなり、別時に粒子が相互に粘着して
一体化してしまう。ピペラジンまたはその誘導体
の仕込量が、エポキシエマルジヨンのエポキシ価
から化学量論的に計算されるアミン1当量の15重
量%以下ではこの現象が起こる。一方、fpが大
きくなると、一般にPは低下するが、Eは向上す
る。このため、fpが大きくなるほど硬化状態の
良好な粒子が得られるが、Pの低下から予想され
るように、主として経済的な理由から、ピペラジ
ンおよびその誘導体の仕込量はアミン1当量の
1000重量%以下であることが望ましい。未硬化エ
ポキシエマルジヨンをピペラジンまたはその誘導
体で硬化する際のエポキシエマルジヨン濃度は特
に限定しないが、5重量%以上であるが、エマル
ジヨンの安定性から好ましい。 しかし、エポキシエマルジヨン濃度があまり高
くなりすぎると、粒子同士の接触の機会が高くな
り、硬化反応中に凝集しやすくなるので、硬化中
のエマルジヨン濃度は80重量%以下であることが
望ましい。エポキシエマルジヨンの粒子状硬化を
行なうために、本発明では硬化剤としてピペラジ
ンまたはその誘導体を用いることを発明の骨子と
しているが、ピペラジンまたはその誘導体にその
他の水溶性硬化剤を共存させることも可能であ
る。共存可能な硬化剤の例として、イソプロピル
アミンのような脂肪族アミン類、エチレンジアミ
ンジエチレントリアミンのようなアルキレンポリ
アミン類、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどアルコールアミン
類、トリエチルアミンなど脂肪族三級アミン類、
ベンジルアミン、4―アミノジフエニルアミンな
どの芳香族アミン類、4,4′―ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン、N(2―アミノエチル)ピペラ
ジンなどが挙げられる。これらの化合物は、先に
構造を示したピペラジンまたはその誘導体が化学
量論的なアミン当量の15重量%以上存在する場合
にのみ共存して、エポキシエマルジヨンの粒子状
硬化を実現させるのである。言え換えれば、ピペ
ラジンまたはその誘導体以外の水溶性硬化剤をそ
れ単独または混合して使用しても、エポキシエマ
ルジヨンの粒子状硬化は実現しない。つまり、本
発明を達成するためには、水溶性の硬化剤とし
て、先に示したプペラジンまたはその誘導体を、
エポキシエマルジヨンのエポキシ価から化学量論
的に計算される当量アミン量の15重量%以上を用
い、要すればその他の水溶性硬化剤をそれに併用
する。本発明で用いるピペラジンおよびその誘導
体は、いずれも二級アミンであるから、エポキシ
基と反応するとその部分が三級アミン化する。従
つて、硬化反応後のエポキシ微粒子には、アミノ
基として三級アミノ基の末端の二級アミノ基が存
在し得ることになる。これらのアミノ基は、一級
アミノ基に比べると活性水素が少なく、粒子表面
を変性するのに残存アミノ基を活用する場合には
明らかに不利である。この点、上記したようにピ
ペラジンまたはその誘導体以外の水溶性アミン系
硬化剤たとえばジエチレントリアミンのような一
級アミノ基を含む多価アミノ化合物を併用するこ
とは、エポキシ微粒子の表面改質を行なう上で、
アミノ基数、活性水素数いずれの面からも有利で
ある。 ピペラジンまたいその誘導体を含む水溶性硬化
剤をエポキシエマルジヨンに添加するには、硬化
剤をエマルジヨンに直接混合するのが一般的であ
るが、ピペラジンのように常温で固体の化合物で
は予め水やアルコール、セルソルブ類など水溶性
有機溶媒に溶解してから加える方法が好ましい。
ピペラジンのように常温固体の化合物とエポキシ
エマルジヨンを直接混合すると、溶解過程で硬化
剤濃度が局所的に不均一となり、エマルジヨンの
安定性が低下して、均一な粒子が得られないこと
がしばしば経験されるのである。これる回避する
ためには、予め溶解しておく必要がある。 また、水溶性硬化剤の添加方法として、全量を
一気に加える方法と少量ずつ連続的または断続的
に加える方法とがある。いずれの方法を用いても
本発明を達成する上で特に支障はないが、エポキ
シエマルジヨン濃度と硬化剤溶液濃度のいずれか
または両方ともが高い時と大量の硬化処理を行な
う場合は、反応速度および反応熱を制御する目的
で、少量ずつを連続的または断続的に加える方法
が推奨される。 エポキシ化合物と硬化剤の反応は一般に発熱反
応である。温度が上昇するほど反応速度が増加す
ることから、発熱は硬化速度を速める意味で好ま
しい点もあるが、エポキシエマルジヨンの粒子状
硬化を行なう場合には、エマルジヨン温度の上昇
は往々にして硬化中のエマルジヨンの安定性を低
下させる。その理由はよくわからないが、半硬化
状態の微粒子の粘着性を増し、エマルジヨン粒子
相互の凝集を助長するのではないかと推定され
る。このため、未硬化エポキシエマルジヨンにピ
ペラジンまたはその誘導体、要すればその他の水
溶性硬化剤を加えて粒子状に硬化する時に、硬化
剤の添加後しばらくは液温を70℃以下に保持する
のが好ましい。反応操作的には、硬化温度がこの
温度以下になるように冷却し、場合によつては硬
化剤の添加を少量ずつ連続的または断続的に行な
う必要がある。しかし、反応末期においては反応
を完結させる目的で液温を70℃以上にすることも
可能である。 さらに、これも本発明を限定するもではない
が、上記硬化剤を加える際、エポキシエマルジヨ
ンと硬化剤との均一混合状態を得るための撹拌を
行なつた後は、硬化条件にもよるが本質的な攪拌
を制限するのが好ましい。過度な撹拌は、半硬化
粒子を衝突させて粒子の凝集巨大化をもたらす。
ここで本質的な撹拌とは、反応熱を除去する目的
で行なうゆるやかな撹拌は含まず、エマルジヨン
化するための激しい撹拌や化学反応を目的とする
比較的強い撹拌のことを言う。中でも最も好まし
い状態は静置放置に近い反応条件の時で、完全な
粒子状硬化物を得ることが可能である。一般的
に、エポキシエマルジヨンに対して硬化剤が当量
の50%以上存在する時には、硬化剤添加後の上記
撹拌制限を特に行なう必要はない。しかし、エポ
キシエマルジヨンに対して硬化剤が当量の50%以
下の場合は、本質的な撹拌を行なうことは避ける
ことを推奨する。 エポキシ微粒子は、以上のようにして粒子状に
硬化され、調製される。硬化後の粒子を過ある
いは遠心分離によつて水から分離すると、これを
粉体状で回収することが可能である。エポキシ微
粒子は、硬化条件にもよるが粒径1〜50μ、場合
によつては1μ以下の比較的粒径均一な球形形態
即ち真球状あるいは球状に調製されるが、硬化中
に若干の凝集を起こすと非球形の多孔性粒子に成
長することもある。 硬化後のエポキシ微粒子は、乾燥状態で、ある
いは水やアルコールなどの媒体に分散した状態で
使用したり、表面改質のための処理に供される。 なお、本発明ではエポキシエマルジヨンの硬化
剤として、ピペラジンおよびその誘導体を硬化剤
の骨格とした。このような分子内に二級アミンを
2個有する硬化剤と分子内にエポキシ基を2個有
するエポキシ化合物との硬化反応は、硬化条件に
もよるが、往々にして鎖状ポリマ化する傾向があ
る。直鎖状硬化物は耐溶剤性や耐熱性において三
次元架橋構造のポリマに比べると劣るのが通例で
ある。これを防ぐには、予めエポキシ化合物に硬
化剤や架橋剤を添加しておいてエマルジヨン化し
たものを、本発明に従つて粒子状に硬化した後、
熱処理などにより三次元架橋する方法がある。 このような目的で乳化前のエポキシ化合物に添
加し得る化合物には次のものが挙げられる。特に
エポキシ化合物の硬化剤がこの目的に役立ち、そ
の例として、多価一級アミン、多価二級アミン、
ポリフエノール系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、
潜在的硬化剤のカルボン酸ヒドラジド類、ジアミ
ノマレオニトリル類、ジシアンジアミド、イミダ
ゾール類、ポリアミンのナイロン塩およびリン酸
塩などが挙げられる。 これら硬化剤あるいは架橋剤を予め含むエポキ
シ化合物は、ポツトライフにもよるが粘度など性
状が変化しやすいので、比較的短時間の内にエマ
ルジヨン化する必要がある。その後、本発明に従
いエマルジヨンを粒子状に硬化し、常温〜200℃
の範囲で熱処理すれば、耐溶剤性、耐熱性の改善
された機械的強度の高いエポキシ微粒子を得るこ
とができる。 以下に実施例を示し、本発明を説明する。 実施例 1 ビスフエノールAジグリシジルエーテルを65重
量%含む市販エポキシエマルジヨン(レジコン
ELX―25,エポキシ価290、ペトロケミカルス(株)
製)20gと、水15gにピペラジンをそれぞれ6
g,3g,1.5g,0.6g,0.3g溶解したピペラジ
ン水溶液を混ぜた。ピペラジン添加量は、エポキ
シエマルジヨンのエポキシ価から化学量論的に計
算されるアミン1当量のそれぞれ200%、100%、
50%、20%、10%に相当する。スパチユラで軽く
均一になるまで撹拌した後、常温で静置放置して
経時的な変化を観察した。次表に結果を示す通
り、アミン当量の10%以外は平均粒子径が3μ前
後のエポキシ微粒子が調製できた。しかし、アミ
ン当量の10%では、10日後でも粒子の硬化が不十
分で、過して分離した粒子は相互に接合して再
分散が不可能であつた。
【表】 実施例 2 実施例1で使用したエポキシエマルジヨンのレ
ジコンELX―25 20gと、ピペラジン3gを水5
g,15g,30g,100g,200gに溶解したピペラ
ジン水溶液を混ぜた。混合後のエポキシエマルジ
ヨン濃度は、それぞれ重量で52%,37%,26%,
11%,5.9%になり(ピペラジンは計算から除外
してある)、ピペラジンはいずれもアミン当量の
100%である。マグネテイツク・スタラで軽く均
一に撹拌してから、常温で3日間静置放置した。
結果を次表に示す通り、硬化時のエポキシエマル
ジヨン濃度が低くなるにつれて、エマルジヨン粒
子の凝集傾向が見られたが、いずれもきれいな球
形粒子状硬化物が得られた。
【表】 エポキシ化合物

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式[A]で示される、ピペラジンま
    たはピペラジン誘導体の残基とエポキシ基残基と
    を少なくとも含むエポキシ系樹脂からなり、かつ
    形状は実質的に球状であり、粒子直径が1〜50μ
    mであることを特徴とするエポキシ微粒子。 (R,R-は水素原子または炭素数1〜4の炭
    化水素残基を示す。) 2 未硬化エポキシ系樹脂エマルジヨンに、硬化
    剤として下記一般式[B]で示されるピペラジン
    またはピペラジン誘導体を加えて硬化させエポキ
    シ微粒子を製造するに際し、該ピペラジンまたは
    ピペラジン誘導体の添加量を、前記エポキシ系樹
    脂エマルジヨンのエポキシ当量から化学量論的に
    計算されるアミン当量の15%以上とすることを特
    徴とするエポキシ微粒子の製造方法。 (R,R-は水素原子または炭素数1〜4の炭
    化水素残基を示す。)
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