JPS6237994B2 - - Google Patents
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- JPS6237994B2 JPS6237994B2 JP57177506A JP17750682A JPS6237994B2 JP S6237994 B2 JPS6237994 B2 JP S6237994B2 JP 57177506 A JP57177506 A JP 57177506A JP 17750682 A JP17750682 A JP 17750682A JP S6237994 B2 JPS6237994 B2 JP S6237994B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood
- hollow fiber
- cylinder part
- housing
- inner cylinder
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】
発明の背景
技術分野
本発明は、体外血液循環において、血液中の二
酸化炭素を除去し、血液中に酸素を添加する中空
糸型人工肺に関する。
酸化炭素を除去し、血液中に酸素を添加する中空
糸型人工肺に関する。
先行技術
従来、人工肺は、大別して、気泡型と膜型に分
類される。積層型、コイル型、中空糸型等の膜型
人工肺は、気泡型人工肺に比較して、溶血、蛋白
変性、血液凝固、血球付着等の血液損傷が少な
く、機構上生体肺に非常に近いものとして広く認
識されている。
類される。積層型、コイル型、中空糸型等の膜型
人工肺は、気泡型人工肺に比較して、溶血、蛋白
変性、血液凝固、血球付着等の血液損傷が少な
く、機構上生体肺に非常に近いものとして広く認
識されている。
しかしながら、上記膜型人工肺の気泡型人工肺
に対する優位性にもかかわらず、膜型人工肺のも
つ以下の欠点により、現在の開心術に用いられる
人工肺としては気泡型人工肺が主流となつてい
る。
に対する優位性にもかかわらず、膜型人工肺のも
つ以下の欠点により、現在の開心術に用いられる
人工肺としては気泡型人工肺が主流となつてい
る。
すなわち、従来の膜型人工肺は、平坦膜もしく
は中空糸膜の内部に画成される血液の流路内を、
血液が層流で流れるようになつている。したがつ
て、血液が乱流状態下でガス交換せしめられる場
合に比して、膜面積当りの酸素添加能が低く、一
定のガス交換性能を得るためには用いる膜面積を
大とする必要がある。
は中空糸膜の内部に画成される血液の流路内を、
血液が層流で流れるようになつている。したがつ
て、血液が乱流状態下でガス交換せしめられる場
合に比して、膜面積当りの酸素添加能が低く、一
定のガス交換性能を得るためには用いる膜面積を
大とする必要がある。
また、現在の膜型人工肺において、十分な酸素
添加能を得るためには、血流層を薄くする必要が
あることから、血液の流路が狭く、大きな流路抵
抗を生ずることから、患者と人工肺との落差によ
つて人工肺における血液の潅流を達成可能とす
る、いわゆる落差潅流を行なうことができない。
したがつて、膜型人工肺を用いる血液回路は、第
1図に示すように、人工肺1の入側すなわち静脈
側にポンプ2を配置する必要がある。なお、第1
図において3は貯血槽、4は熱交換器である。し
かしながら、上記第1図の血液回路においては、
ポンプ2の出口付近の圧力が送血カテーテル部分
の圧力損失と人工肺の圧力損失との和を超える大
きさとなつて、送血側回路内圧が上昇するという
問題がある。
添加能を得るためには、血流層を薄くする必要が
あることから、血液の流路が狭く、大きな流路抵
抗を生ずることから、患者と人工肺との落差によ
つて人工肺における血液の潅流を達成可能とす
る、いわゆる落差潅流を行なうことができない。
したがつて、膜型人工肺を用いる血液回路は、第
1図に示すように、人工肺1の入側すなわち静脈
側にポンプ2を配置する必要がある。なお、第1
図において3は貯血槽、4は熱交換器である。し
かしながら、上記第1図の血液回路においては、
ポンプ2の出口付近の圧力が送血カテーテル部分
の圧力損失と人工肺の圧力損失との和を超える大
きさとなつて、送血側回路内圧が上昇するという
問題がある。
また、人工肺を用いる場合には、第1図に示し
たように、貯血槽3を用いて、体外循環中血液を
備蓄し、気泡が流入した場合に除去したり、万一
チユーブ折れ等により静脈脱血が不十分な場合ま
たは血液漏出があつたような時にも、ある程度の
血液を保てるようにする必要がある。また、熱交
換器4を用いて、低体温法による手術時に、血液
温度を低下させたり逆に加温もしくは保温する必
要がある。しかしながら、従来の膜型人工肺にあ
つては、人工肺1と独立に貯血槽3および熱交換
器4を血液回路内に設けていることから、回路構
成が複雑化し、回路のセツトアツプおよびプライ
ミング時の泡抜きに手間を要する。また、プライ
ミング量および血液充填量が多量となることか
ら、生体内の血液の希釈化を軽減化すべく予め人
工肺に充填されるプライミング液中に予備輸血を
行なう必要を生ずる。特に、体重の小なる幼児、
小児に用いるべき人工肺の許容血液充填量は低い
値となることから、上記のような回路全体の血液
充填量を極力少量とすることが望まれていた。
たように、貯血槽3を用いて、体外循環中血液を
備蓄し、気泡が流入した場合に除去したり、万一
チユーブ折れ等により静脈脱血が不十分な場合ま
たは血液漏出があつたような時にも、ある程度の
血液を保てるようにする必要がある。また、熱交
換器4を用いて、低体温法による手術時に、血液
温度を低下させたり逆に加温もしくは保温する必
要がある。しかしながら、従来の膜型人工肺にあ
つては、人工肺1と独立に貯血槽3および熱交換
器4を血液回路内に設けていることから、回路構
成が複雑化し、回路のセツトアツプおよびプライ
ミング時の泡抜きに手間を要する。また、プライ
ミング量および血液充填量が多量となることか
ら、生体内の血液の希釈化を軽減化すべく予め人
工肺に充填されるプライミング液中に予備輸血を
行なう必要を生ずる。特に、体重の小なる幼児、
小児に用いるべき人工肺の許容血液充填量は低い
値となることから、上記のような回路全体の血液
充填量を極力少量とすることが望まれていた。
発明の目的
本発明は、単位膜面積当りのガス交換効率を向
上可能とするとともに、患者と人工肺との落差に
よる血液の潅流すなわち落差潅流を可能とし、か
つ用いられる血液回路の血液充填量を小とする状
態で、血液温度を調整可能とする中空糸型人工肺
を提供することを目的とする。
上可能とするとともに、患者と人工肺との落差に
よる血液の潅流すなわち落差潅流を可能とし、か
つ用いられる血液回路の血液充填量を小とする状
態で、血液温度を調整可能とする中空糸型人工肺
を提供することを目的とする。
発明の構成
上記目的を達成するものは、ハウジングと該ハ
ウジング内に収納されたガス交換用の中空糸膜の
集合体と、該中空糸膜の両端部を開口させた状態
で上記ハウジングに液密に支持する一対の隔壁
と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の内部空
間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポートを
設け、該ガス流入ポートから流入した酸素を含む
ガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入した後
他方の隔壁より流出するようにし、さらに上記一
対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記中空糸
膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウジング
側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連通する
血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の他方の
隔壁近傍において血液室と連通する血液流出ポー
トと、上記血液室内に設けられ両端を支持された
開口する細管束からなり、細管内を血液流路と
し、細管の周囲に熱媒体を流通できるように構成
された熱交換機構部とを有する中空糸型人工肺で
ある。
ウジング内に収納されたガス交換用の中空糸膜の
集合体と、該中空糸膜の両端部を開口させた状態
で上記ハウジングに液密に支持する一対の隔壁
と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の内部空
間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポートを
設け、該ガス流入ポートから流入した酸素を含む
ガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入した後
他方の隔壁より流出するようにし、さらに上記一
対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記中空糸
膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウジング
側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連通する
血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の他方の
隔壁近傍において血液室と連通する血液流出ポー
トと、上記血液室内に設けられ両端を支持された
開口する細管束からなり、細管内を血液流路と
し、細管の周囲に熱媒体を流通できるように構成
された熱交換機構部とを有する中空糸型人工肺で
ある。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記血
液室が、血液流出ポート側に貯血槽を有するよう
にしたものである。
液室が、血液流出ポート側に貯血槽を有するよう
にしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記熱
交換機構部が血液流出ポート側の血液室内にある
ようにしたものである。
交換機構部が血液流出ポート側の血液室内にある
ようにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記熱
交換機構部が前記血液室の前記貯血槽内にあるよ
うにしたものである。
交換機構部が前記血液室の前記貯血槽内にあるよ
うにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記熱
交換機構部が血液流入ポート側の血液室内にある
ようにしたものである。
交換機構部が血液流入ポート側の血液室内にある
ようにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記貯
血槽が外部と連通するガスベントをもつようにし
たものである。
血槽が外部と連通するガスベントをもつようにし
たものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記貯
血槽外壁が剛性材質からなるようにしたものであ
る。
血槽外壁が剛性材質からなるようにしたものであ
る。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記中
空糸膜が内部と外部を連通する微小細孔を多数有
するようにしたものである。
空糸膜が内部と外部を連通する微小細孔を多数有
するようにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングが中空糸膜を収容する内筒部と、内筒部
の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成す
る外筒部とからなり、中空糸膜を支持する一方の
隔壁を内筒部に保持し、他方の隔壁を外筒部に保
持するようにしたものである。
ウジングが中空糸膜を収容する内筒部と、内筒部
の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成す
る外筒部とからなり、中空糸膜を支持する一方の
隔壁を内筒部に保持し、他方の隔壁を外筒部に保
持するようにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する両隔
壁を内筒部に保持するようにしたものである。
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する両隔
壁を内筒部に保持するようにしたものである。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングの血液流入ポートが連通する部分の内面
が、ハウジングの中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜の集合体外周部との
間に環状の血液流路を形成するようにしたもので
ある。
ウジングの血液流入ポートが連通する部分の内面
が、ハウジングの中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜の集合体外周部との
間に環状の血液流路を形成するようにしたもので
ある。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングの拡張された内面が、中空糸膜の集合体
に対して、血液流入ポートとの連通口を含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートとの連通口を臨
む血液流路の流路面積がより大とされているよう
にしたものである。
ウジングの拡張された内面が、中空糸膜の集合体
に対して、血液流入ポートとの連通口を含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートとの連通口を臨
む血液流路の流路面積がより大とされているよう
にしたものである。
さらに、上記目的を達成するものは、ハウジン
グと該ハウジング内に収納されたガス交換用の中
空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両端部を開口さ
せた状態で上記ハウジングに液密に支持する一対
の隔壁と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の
内部空間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポ
ートを設け、該ガス流入ポートから流入した酸素
を含むガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入
した後他方の隔壁より流出するようにし、さらに
上記一対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記
中空糸膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウ
ジング側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連
通する血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の
他方の隔壁近傍において血液室と連通する血液流
出ポートと、上記血液室内に設けられた内部に熱
媒体を流通できる管状体からなる熱交換機構部と
を有する中空糸型人工肺である。
グと該ハウジング内に収納されたガス交換用の中
空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両端部を開口さ
せた状態で上記ハウジングに液密に支持する一対
の隔壁と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の
内部空間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポ
ートを設け、該ガス流入ポートから流入した酸素
を含むガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入
した後他方の隔壁より流出するようにし、さらに
上記一対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記
中空糸膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウ
ジング側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連
通する血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の
他方の隔壁近傍において血液室と連通する血液流
出ポートと、上記血液室内に設けられた内部に熱
媒体を流通できる管状体からなる熱交換機構部と
を有する中空糸型人工肺である。
発明の具体的説明
第2図は本発明に係る中空糸型人工肺が適用さ
れてなる血液回路を示す回路図、第3図は本発明
の第1実施例に係る人工肺50を示す斜視図、第
4図は同人工肺50を示す断面図、第5図は第4
図の−線に沿う断面図である。
れてなる血液回路を示す回路図、第3図は本発明
の第1実施例に係る人工肺50を示す斜視図、第
4図は同人工肺50を示す断面図、第5図は第4
図の−線に沿う断面図である。
第2図に示すように、本発明が適用される血液
回路には、静脈側から動脈側に向けて、人工肺5
0およポンプ11が介装される。
回路には、静脈側から動脈側に向けて、人工肺5
0およポンプ11が介装される。
人工肺50は第3図ないし第5図に示すように
構成される。すなわち、人工肺50のハウジング
51は、内筒部52と外筒部53とからなり、両
者はポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル
−スチレン共重合樹脂等の剛性材質から形成され
ている。内筒部52には、中空糸膜54の集合体
55が収納されている。中空糸膜54の両端部
は、該両端部を開口させた状態で、内筒部52の
上下両端部に保持されている隔壁56,57を介
して内筒部52に液密に支持されている。内筒部
52の両端部にはヘツダー58,59が接合され
ている。ヘツダー58の内面と隔壁56とは、中
空糸膜54の内部空間に連通するガス流入室58
Aを画成し、ヘツダー58には酸素を含むガスの
ガス流入ポート60が形成されている。ヘツダー
59の内面と隔壁57とは、中空糸膜54の内部
空間に連通するガス流出室59Aを画成し、ヘツ
ダー59には酸素を含んでいたガスのガス流出ポ
ート61が形成されている。すなわち、人工肺5
0にあつては、ガス流入ポート60から供給され
る酸素、空気等のガスを中空糸膜54内に流通可
能としている。なお、上記ヘツダー59は特に設
けず、ガス流出室59Aおよびガス流出ポート6
1を形成することなく、中空糸膜54から流出す
るガスを大気中に直接的に放出せしめても良い。
構成される。すなわち、人工肺50のハウジング
51は、内筒部52と外筒部53とからなり、両
者はポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル
−スチレン共重合樹脂等の剛性材質から形成され
ている。内筒部52には、中空糸膜54の集合体
55が収納されている。中空糸膜54の両端部
は、該両端部を開口させた状態で、内筒部52の
上下両端部に保持されている隔壁56,57を介
して内筒部52に液密に支持されている。内筒部
52の両端部にはヘツダー58,59が接合され
ている。ヘツダー58の内面と隔壁56とは、中
空糸膜54の内部空間に連通するガス流入室58
Aを画成し、ヘツダー58には酸素を含むガスの
ガス流入ポート60が形成されている。ヘツダー
59の内面と隔壁57とは、中空糸膜54の内部
空間に連通するガス流出室59Aを画成し、ヘツ
ダー59には酸素を含んでいたガスのガス流出ポ
ート61が形成されている。すなわち、人工肺5
0にあつては、ガス流入ポート60から供給され
る酸素、空気等のガスを中空糸膜54内に流通可
能としている。なお、上記ヘツダー59は特に設
けず、ガス流出室59Aおよびガス流出ポート6
1を形成することなく、中空糸膜54から流出す
るガスを大気中に直接的に放出せしめても良い。
また、ハウジング51、中空糸膜54の外面、
隔壁56,57とは血液室62を画成し、血液室
62には血液流入ポート63が連通せしめられて
いる。すなわち、人工肺50にあつては、血液流
入ポート63から供給される血液を血液室62に
おいて中空糸膜54の周囲を乱流状態で流通さ
せ、ガス交換を行なうことを可能としている。
隔壁56,57とは血液室62を画成し、血液室
62には血液流入ポート63が連通せしめられて
いる。すなわち、人工肺50にあつては、血液流
入ポート63から供給される血液を血液室62に
おいて中空糸膜54の周囲を乱流状態で流通さ
せ、ガス交換を行なうことを可能としている。
ここで、上記ハウジング51を形成する内筒部
52の血液流入ポート63が連通する部分の内面
は、内筒部52の中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜54の集合体55と
の間に、第5図に示すような環状の血液流路63
Aを形成し、血液流路63Aを臨む集合体55の
全周囲から各中空糸膜54に血液を円滑に分配可
能としている。また、上記内筒部52の拡張され
た内面は、集合体55に対して、血液流入ポート
63を含む方向に偏心配置され、血液流入ポート
63を臨む血液流路63Aの流路面積がより大と
されている。すなわち、上記血液流路63Aの流
路面積を血液流入ポート63から遠ざかるに従つ
て漸減し、血液流路63Aからの血液の分配量を
集合体55の周方向において均一化し、血液室6
2において上向する血液の流量を、集合体55の
周方向に関して均一化可能としている。
52の血液流入ポート63が連通する部分の内面
は、内筒部52の中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜54の集合体55と
の間に、第5図に示すような環状の血液流路63
Aを形成し、血液流路63Aを臨む集合体55の
全周囲から各中空糸膜54に血液を円滑に分配可
能としている。また、上記内筒部52の拡張され
た内面は、集合体55に対して、血液流入ポート
63を含む方向に偏心配置され、血液流入ポート
63を臨む血液流路63Aの流路面積がより大と
されている。すなわち、上記血液流路63Aの流
路面積を血液流入ポート63から遠ざかるに従つ
て漸減し、血液流路63Aからの血液の分配量を
集合体55の周方向において均一化し、血液室6
2において上向する血液の流量を、集合体55の
周方向に関して均一化可能としている。
また、上記ハウジング51においては、その外
筒部53が内筒部52の上端側部分を内包し、内
筒部52と外筒部53との間に、血液室62の一
部としての貯血槽64を形成している。外筒部5
3に内包される内筒部52の側壁には、周方向に
間隔をおいて窓状の連絡路65が開口され、内筒
部52の内部空間と貯血槽64とを連通可能とし
ている。また、外筒部53の上部には、通気性か
つ菌不透過性のフイルター66Aを備えるガスベ
ント66が形成され、使用時の細菌による人工肺
50の汚染を防止し、かつ貯血槽64内を常に大
気圧に保つことを可能としている。なお、貯血槽
64の側面には血液の貯留量を表示する目盛が刻
設されている。また、貯血槽64の容積は、万一
のチユーブ折れ等によつて静脈脱血が不十分とな
つたり、血液漏出を生ずる場合にも、ある程度の
血流を保てるような容積、すなわち安全性確保の
意味から予定している体外循環血液量(ml/
min)の半分程度の血液を貯留しても、その貯留
血液の上面が連絡路65の下辺部より下方に位置
するような大きさに設定されている。すなわち、
貯血槽64の容積が上記のように設定されること
により、血液流入ポート63から血液室62を上
向するように血液を流す時、血液は連絡路65の
下辺部をオーバーフローして貯血槽64に流下し
て貯留し、したがつて、貯血槽64内の貯留血液
が血液室62内を上向する血液に圧力を加えるこ
とのないようになつている。
筒部53が内筒部52の上端側部分を内包し、内
筒部52と外筒部53との間に、血液室62の一
部としての貯血槽64を形成している。外筒部5
3に内包される内筒部52の側壁には、周方向に
間隔をおいて窓状の連絡路65が開口され、内筒
部52の内部空間と貯血槽64とを連通可能とし
ている。また、外筒部53の上部には、通気性か
つ菌不透過性のフイルター66Aを備えるガスベ
ント66が形成され、使用時の細菌による人工肺
50の汚染を防止し、かつ貯血槽64内を常に大
気圧に保つことを可能としている。なお、貯血槽
64の側面には血液の貯留量を表示する目盛が刻
設されている。また、貯血槽64の容積は、万一
のチユーブ折れ等によつて静脈脱血が不十分とな
つたり、血液漏出を生ずる場合にも、ある程度の
血流を保てるような容積、すなわち安全性確保の
意味から予定している体外循環血液量(ml/
min)の半分程度の血液を貯留しても、その貯留
血液の上面が連絡路65の下辺部より下方に位置
するような大きさに設定されている。すなわち、
貯血槽64の容積が上記のように設定されること
により、血液流入ポート63から血液室62を上
向するように血液を流す時、血液は連絡路65の
下辺部をオーバーフローして貯血槽64に流下し
て貯留し、したがつて、貯血槽64内の貯留血液
が血液室62内を上向する血液に圧力を加えるこ
とのないようになつている。
更に、上記貯血槽64には、血液室62の一部
を形成する熱交換槽67を介して、血液流出ポー
ト68が連通されている。熱交換槽67には熱交
換機構部69が収納されている。熱交換機構部6
9は、熱交換槽67内の一対の隔壁70,71に
より両端を支持され、貯血槽64側と血液流出ポ
ート68側の両側に開口する細管72の束を有
し、細管72内を血液流路とし、隔壁70,71
と細管72の外壁とで熱媒体の流路を形成してい
る。この熱媒体の流路には温冷水流入ポート73
Aおよび温冷水流出ポート73Bが接続されてい
る。なお、細管72は、熱伝導率の高いステンレ
ス管、アルミニユウム管等によつて形成される。
すなわち、人工肺50にあつては、熱交換槽67
において、血液温度の低下させたり、逆に加温も
しくは保温することを可能としている。
を形成する熱交換槽67を介して、血液流出ポー
ト68が連通されている。熱交換槽67には熱交
換機構部69が収納されている。熱交換機構部6
9は、熱交換槽67内の一対の隔壁70,71に
より両端を支持され、貯血槽64側と血液流出ポ
ート68側の両側に開口する細管72の束を有
し、細管72内を血液流路とし、隔壁70,71
と細管72の外壁とで熱媒体の流路を形成してい
る。この熱媒体の流路には温冷水流入ポート73
Aおよび温冷水流出ポート73Bが接続されてい
る。なお、細管72は、熱伝導率の高いステンレ
ス管、アルミニユウム管等によつて形成される。
すなわち、人工肺50にあつては、熱交換槽67
において、血液温度の低下させたり、逆に加温も
しくは保温することを可能としている。
ここで、中空糸膜54としては、マイクロポー
ラス膜が用いられている。すなわち、中空糸膜5
4は、多孔性ポリオレフイン系樹脂、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレンといつたものからな
り、特にポリプロピレンが好適である。この中空
糸膜54は、壁の内部と外部を連通する多数の細
孔を有している。細孔の内径は100〜1000μ、肉
厚は10〜50μ、平均孔径は200〜2000Å、かつ空
孔率は20〜80%である。このマイクロポーラス膜
からなる中空糸膜54を用いる場合には、気体の
移動が堆積流として行なわれるため、気体の移動
における膜抵抗が少なくなり、高いガス交換性能
を得ることが可能となる。なお、中空糸膜54
は、必ずしもマイクロポーラス膜によらず、気体
の移動を溶解、拡散によつて行なうシリコーン製
膜等を用いるものであつても良い。
ラス膜が用いられている。すなわち、中空糸膜5
4は、多孔性ポリオレフイン系樹脂、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレンといつたものからな
り、特にポリプロピレンが好適である。この中空
糸膜54は、壁の内部と外部を連通する多数の細
孔を有している。細孔の内径は100〜1000μ、肉
厚は10〜50μ、平均孔径は200〜2000Å、かつ空
孔率は20〜80%である。このマイクロポーラス膜
からなる中空糸膜54を用いる場合には、気体の
移動が堆積流として行なわれるため、気体の移動
における膜抵抗が少なくなり、高いガス交換性能
を得ることが可能となる。なお、中空糸膜54
は、必ずしもマイクロポーラス膜によらず、気体
の移動を溶解、拡散によつて行なうシリコーン製
膜等を用いるものであつても良い。
ところで、隔壁56,57は、以下のような遠
心注入法によつて形成されている。すなわち、ま
ずハウジング51の長さより長い多数の中空糸膜
54を用意し、この両開口端を粘度の高い樹脂に
よつて目止めをした後、ハウジング51の内筒部
52内に並べて位置せしめる。この後中空糸膜5
4の各両端を完全に覆つて、ハウジング51の長
手方向に定めた回転中心回りに、ハウジング51
の中心軸を回転の半径方向に置く状態下でハウジ
ング51を回転させながら、高分子ポツテイング
材を流入する。流し終つて樹脂が内筒部52の両
端部においてそれぞれ硬化すれば、樹脂の外端面
部を鋭利な刃物で切断して中空糸膜54の両開口
端を表面に露出させることによつて、隔壁56,
57を形成している。したがつて、隔壁56,5
7の血液室62を臨む表面は、第4図に示すよう
な円筒状凹面となる。
心注入法によつて形成されている。すなわち、ま
ずハウジング51の長さより長い多数の中空糸膜
54を用意し、この両開口端を粘度の高い樹脂に
よつて目止めをした後、ハウジング51の内筒部
52内に並べて位置せしめる。この後中空糸膜5
4の各両端を完全に覆つて、ハウジング51の長
手方向に定めた回転中心回りに、ハウジング51
の中心軸を回転の半径方向に置く状態下でハウジ
ング51を回転させながら、高分子ポツテイング
材を流入する。流し終つて樹脂が内筒部52の両
端部においてそれぞれ硬化すれば、樹脂の外端面
部を鋭利な刃物で切断して中空糸膜54の両開口
端を表面に露出させることによつて、隔壁56,
57を形成している。したがつて、隔壁56,5
7の血液室62を臨む表面は、第4図に示すよう
な円筒状凹面となる。
上記第1実施例に係る人工肺50によれば、中
空糸膜54の内径部をガス流路とするとともに、
中空糸膜54の周囲に血液室62を形成したの
で、血液は血液室62内において乱流状態下でガ
ス交換を行なうこととなり、また、中空糸膜54
の内外径の差分だけ血液と接する膜面積が増加す
ることになり、人工肺50における膜面積当りの
酸素添加能が向上し、一定性能を得るために必要
な膜面積を小とすることが可能となる。
空糸膜54の内径部をガス流路とするとともに、
中空糸膜54の周囲に血液室62を形成したの
で、血液は血液室62内において乱流状態下でガ
ス交換を行なうこととなり、また、中空糸膜54
の内外径の差分だけ血液と接する膜面積が増加す
ることになり、人工肺50における膜面積当りの
酸素添加能が向上し、一定性能を得るために必要
な膜面積を小とすることが可能となる。
また、血液室62が形成する血液の流路を狭小
化されていないことから、血液室62内における
血液の流路抵抗が小となり、第2図の血液回路に
示したように、患者と人工肺50の落差によつて
血液を人工肺50内で潅流することが可能とな
る。したがつて、送血側回路内圧は、送血カテー
テル部分の圧力のみとなり、溶血の抗進、回路接
続部の破損等の可能性が排除される。
化されていないことから、血液室62内における
血液の流路抵抗が小となり、第2図の血液回路に
示したように、患者と人工肺50の落差によつて
血液を人工肺50内で潅流することが可能とな
る。したがつて、送血側回路内圧は、送血カテー
テル部分の圧力のみとなり、溶血の抗進、回路接
続部の破損等の可能性が排除される。
また、血液室62における血液の流路が、前述
のように狭小化されていないことから、プライミ
ング時における泡抜きを迅速かつ容易に行なうこ
とが可能となる。
のように狭小化されていないことから、プライミ
ング時における泡抜きを迅速かつ容易に行なうこ
とが可能となる。
また、中空糸膜54としてマイクロポーラス膜
を用い、血液中の水蒸気が中空糸膜54内に透過
しても、中空糸膜54の周囲を37℃程度の血液が
流れていることから、中空糸膜54内に透過した
水蒸気が装置内で結露を生ずることなく、中空糸
膜54の有効膜面積が低下してガス交換性能を低
下させることがない。更に、人工肺50内に血液
室62の一部としての貯血槽64および熱交換槽
67を形成したので、回路構成を第2図に示した
ように気泡型人工肺におけると同様に単純化する
ことが可能となり、回路のセツトアツプ、プライ
ミング時の泡抜きを迅速容易に行なうことが可能
となる。また、人工肺50が用いられる血液回路
のプライミング量、血液充填量が小となり、予め
人工肺50に充填される生理食塩水等のプライミ
ング液中に予備輸血を行なう必要が少なくなる。
特に、体重が小で、用いるべき人工肺の許容血液
充填量が低い値である幼児、小児等に対して有効
である。
を用い、血液中の水蒸気が中空糸膜54内に透過
しても、中空糸膜54の周囲を37℃程度の血液が
流れていることから、中空糸膜54内に透過した
水蒸気が装置内で結露を生ずることなく、中空糸
膜54の有効膜面積が低下してガス交換性能を低
下させることがない。更に、人工肺50内に血液
室62の一部としての貯血槽64および熱交換槽
67を形成したので、回路構成を第2図に示した
ように気泡型人工肺におけると同様に単純化する
ことが可能となり、回路のセツトアツプ、プライ
ミング時の泡抜きを迅速容易に行なうことが可能
となる。また、人工肺50が用いられる血液回路
のプライミング量、血液充填量が小となり、予め
人工肺50に充填される生理食塩水等のプライミ
ング液中に予備輸血を行なう必要が少なくなる。
特に、体重が小で、用いるべき人工肺の許容血液
充填量が低い値である幼児、小児等に対して有効
である。
なお、上記第1実施例においては、中空糸膜5
4の上下両端を支持する両隔壁56,57を内筒
部52に保持させたが、中空糸膜の上端を支持す
る隔壁を外筒部に保持させるようにしてもよい。
4の上下両端を支持する両隔壁56,57を内筒
部52に保持させたが、中空糸膜の上端を支持す
る隔壁を外筒部に保持させるようにしてもよい。
第6図は、本発明の第2実施例に係る人工肺8
0を示す斜視図である。人工肺80のハウジング
81は内筒部82と外筒部83とからなつてい
る。内筒部82には、中空糸膜84の集合体85
が収納されている。中空糸膜84の両端部は、内
筒部82の上下両端部に保持されている隔壁8
6,87を介して内筒部82に液密に支持されて
いる。内筒部82の両端部にはヘツダー88,8
9が接合されている。ヘツダー88の内面と隔壁
86とは、人工肺50におけると同様に、ガス流
入室を画成し、ヘツダー88にはガス流入ポート
90が形成されている。また、ヘツダー89の内
面と隔壁87とは、人工肺50におけると同様
に、ガス流出室を画成し、ヘツダー89にはガス
流出ポート91が形成されている。また、ハウジ
ング81の内壁、中空糸膜84の外壁、隔壁8
6,87は血液室92を画成し、内筒部82の下
端側には血液流入ポート93が形成されている。
すなわち、人工肺80にあつては、ガス流入ポー
ト90から供給される酸素、空気等のガスを中空
糸膜84内に流通可能とするとともに、血液流入
ポート93から供給される血液を血液室92にお
いて中空糸膜84の周囲を乱流状態で流通させ、
ガス交換を行なうことを可能としている。
0を示す斜視図である。人工肺80のハウジング
81は内筒部82と外筒部83とからなつてい
る。内筒部82には、中空糸膜84の集合体85
が収納されている。中空糸膜84の両端部は、内
筒部82の上下両端部に保持されている隔壁8
6,87を介して内筒部82に液密に支持されて
いる。内筒部82の両端部にはヘツダー88,8
9が接合されている。ヘツダー88の内面と隔壁
86とは、人工肺50におけると同様に、ガス流
入室を画成し、ヘツダー88にはガス流入ポート
90が形成されている。また、ヘツダー89の内
面と隔壁87とは、人工肺50におけると同様
に、ガス流出室を画成し、ヘツダー89にはガス
流出ポート91が形成されている。また、ハウジ
ング81の内壁、中空糸膜84の外壁、隔壁8
6,87は血液室92を画成し、内筒部82の下
端側には血液流入ポート93が形成されている。
すなわち、人工肺80にあつては、ガス流入ポー
ト90から供給される酸素、空気等のガスを中空
糸膜84内に流通可能とするとともに、血液流入
ポート93から供給される血液を血液室92にお
いて中空糸膜84の周囲を乱流状態で流通させ、
ガス交換を行なうことを可能としている。
また、上記人工肺80においては、内筒部82
と外筒部83との間に、血液室92の一部として
の貯血槽94が形成されている。外筒部83に内
包される内筒部82の側壁には、周方向に間隔を
置いて窓状の連絡路95が開口され、内筒部82
内の血液室92と貯血槽94とを連通可能として
いる。外筒部83の上部には、貯血槽94に連通
するガスベント96が設けられている。また、外
筒部83の下部には、貯血槽94に連通する血液
流出ポート94Aが形成されている。すなわち、
貯血槽94は、人工肺50の貯血槽64における
と同様に、ガス交換された血液を貯留可能として
いる。
と外筒部83との間に、血液室92の一部として
の貯血槽94が形成されている。外筒部83に内
包される内筒部82の側壁には、周方向に間隔を
置いて窓状の連絡路95が開口され、内筒部82
内の血液室92と貯血槽94とを連通可能として
いる。外筒部83の上部には、貯血槽94に連通
するガスベント96が設けられている。また、外
筒部83の下部には、貯血槽94に連通する血液
流出ポート94Aが形成されている。すなわち、
貯血槽94は、人工肺50の貯血槽64における
と同様に、ガス交換された血液を貯留可能として
いる。
更に、上記人工肺80の貯血槽94は、熱交換
槽97としても機能し、熱交換機構部98を収容
している。熱交換機構部98は、熱交換槽97内
の一対の隔壁99,100により両端を支持され
る細管101の束からなり、細管101は両隔壁
99,100の貯血槽94に対する外面側に開口
し、細管101内を熱媒体の流路としている。こ
の熱媒体の流路には、温冷水流入ポート102A
および温冷水流出ポート102Bが接続されてい
る。すなわち、熱交換槽97は、ガス交換された
血液を冷却、加温もしくは保温可能としている。
槽97としても機能し、熱交換機構部98を収容
している。熱交換機構部98は、熱交換槽97内
の一対の隔壁99,100により両端を支持され
る細管101の束からなり、細管101は両隔壁
99,100の貯血槽94に対する外面側に開口
し、細管101内を熱媒体の流路としている。こ
の熱媒体の流路には、温冷水流入ポート102A
および温冷水流出ポート102Bが接続されてい
る。すなわち、熱交換槽97は、ガス交換された
血液を冷却、加温もしくは保温可能としている。
したがつて、上記第2実施例に係る人工肺80
によれば、前記人工肺50におけると同様に、中
空糸膜84の単位膜面積当りのガス交換効率を向
上可能とするとともに、患者と人工肺80との落
差による血液の潅流すなわち落差潅流を可能と
し、かつ血液室92の一部として貯血槽94およ
び熱交換槽97を有することにより、用いられる
血液回路の血液充填量を小とすることが可能とな
る。
によれば、前記人工肺50におけると同様に、中
空糸膜84の単位膜面積当りのガス交換効率を向
上可能とするとともに、患者と人工肺80との落
差による血液の潅流すなわち落差潅流を可能と
し、かつ血液室92の一部として貯血槽94およ
び熱交換槽97を有することにより、用いられる
血液回路の血液充填量を小とすることが可能とな
る。
第7図は、本発明の第3実施例に係る人工肺1
10を示す斜視図である。人工肺110は、前記
第2実施例に係る人工肺80と略同一であり、同
一機能部分は同一符号を付すことによつて説明を
省略する。この人工肺110が、人工肺80にお
けると異なる点は、熱交換槽97の内部に、人工
肺80におけるとは異なる熱交換機構部111を
設けた点にある。この熱交換機構部111は、コ
イル状に巻かれた管状体112からなり、温冷水
流入ポート113Aと温冷水流出ポート113B
を備えている。
10を示す斜視図である。人工肺110は、前記
第2実施例に係る人工肺80と略同一であり、同
一機能部分は同一符号を付すことによつて説明を
省略する。この人工肺110が、人工肺80にお
けると異なる点は、熱交換槽97の内部に、人工
肺80におけるとは異なる熱交換機構部111を
設けた点にある。この熱交換機構部111は、コ
イル状に巻かれた管状体112からなり、温冷水
流入ポート113Aと温冷水流出ポート113B
を備えている。
上記人工肺110によれば、前記人工肺50に
おけると同様に、中空糸膜84の単位膜面積当り
のガス交換効率を向上可能とするとともに、患者
と人工肺110との落差による血液の潅流すなわ
ち落差潅流を可能とし、かつ血液室92の一部と
して貯血槽94および熱交換槽97を有すること
により、用いられる血液回路の血液充填量を小と
することが可能となる。
おけると同様に、中空糸膜84の単位膜面積当り
のガス交換効率を向上可能とするとともに、患者
と人工肺110との落差による血液の潅流すなわ
ち落差潅流を可能とし、かつ血液室92の一部と
して貯血槽94および熱交換槽97を有すること
により、用いられる血液回路の血液充填量を小と
することが可能となる。
第8図は、本発明の第4実施例に係る人工肺1
20を示す斜視図である。人工肺120のハウジ
ング121は、内筒部122と外筒部123とか
らなつている。内筒部122には中空糸膜124
の集合体125が収容されている。中空糸膜12
4の両端部は内筒部122の上下両端部に保持さ
れている隔壁126,127を介して内筒部12
2に液密に支持されている。内筒部122の両端
部にはヘツダー128,129が接合されてい
る。ヘツダー128の内面と隔壁127とは、前
記人工肺50におけると同様に、ガス流入室を画
成し、ヘツダー128にはガス流入ポート130
が形成されている。また、ヘツダー129の内面
と隔壁126とは、前記人工肺50におけると同
様に、ガス流出室を画成し、ヘツダー129には
ガス流出ポート131が形成されている。また、
ハウジング121の内壁、中空糸膜124の外
壁、隔壁126,127は血液室132を画成
し、内筒部122の下端側には連通部133Aを
介して血液流入ポート133が接続されている。
すなわち、人工肺120にあつては、ガス流入ポ
ート130から供給される酸素、空気等のガスを
中空糸膜124内に流通するとともに、血液流入
ポート133から供給される血液を血液室132
において中空糸膜124の周囲を乱流状態で流通
させ、ガス交換を行なうことを可能としている。
20を示す斜視図である。人工肺120のハウジ
ング121は、内筒部122と外筒部123とか
らなつている。内筒部122には中空糸膜124
の集合体125が収容されている。中空糸膜12
4の両端部は内筒部122の上下両端部に保持さ
れている隔壁126,127を介して内筒部12
2に液密に支持されている。内筒部122の両端
部にはヘツダー128,129が接合されてい
る。ヘツダー128の内面と隔壁127とは、前
記人工肺50におけると同様に、ガス流入室を画
成し、ヘツダー128にはガス流入ポート130
が形成されている。また、ヘツダー129の内面
と隔壁126とは、前記人工肺50におけると同
様に、ガス流出室を画成し、ヘツダー129には
ガス流出ポート131が形成されている。また、
ハウジング121の内壁、中空糸膜124の外
壁、隔壁126,127は血液室132を画成
し、内筒部122の下端側には連通部133Aを
介して血液流入ポート133が接続されている。
すなわち、人工肺120にあつては、ガス流入ポ
ート130から供給される酸素、空気等のガスを
中空糸膜124内に流通するとともに、血液流入
ポート133から供給される血液を血液室132
において中空糸膜124の周囲を乱流状態で流通
させ、ガス交換を行なうことを可能としている。
更に、上記人工肺120においては、ハウジン
グ121を形成する内筒部122と外筒部123
の間に、血液室132の一部としての貯血槽13
4を形成している。外筒部123に内包される内
筒部122の側壁には、周方向に間隔を置いて窓
状の連絡路135が開口され、内筒部122内の
血液室132と貯血槽134とを連通可能として
いる。また、外筒部123の上部には、貯血槽1
34に連通するガスベント136が設けられてい
る。また、外筒部123の下部には、貯血槽13
4に連通する血液流出ポート134Aが形成され
ている。すなわち、貯血槽134は、人工肺50
における貯血槽64と同様に、ガス交換された血
液を貯留可能としている。
グ121を形成する内筒部122と外筒部123
の間に、血液室132の一部としての貯血槽13
4を形成している。外筒部123に内包される内
筒部122の側壁には、周方向に間隔を置いて窓
状の連絡路135が開口され、内筒部122内の
血液室132と貯血槽134とを連通可能として
いる。また、外筒部123の上部には、貯血槽1
34に連通するガスベント136が設けられてい
る。また、外筒部123の下部には、貯血槽13
4に連通する血液流出ポート134Aが形成され
ている。すなわち、貯血槽134は、人工肺50
における貯血槽64と同様に、ガス交換された血
液を貯留可能としている。
更に、ハウジング121における、血液流入ポ
ート133と連通路133Aとの間は、血液室1
32の一部を構成し、熱交換機構部135を内蔵
する熱交換槽136とされている。熱交換機構部
135は、熱交換槽136内の一対の隔壁13
7,138により両端を支持され、血液流入ポー
ト133側および連通路133A側の両方に開口
する細管139の束からなり、細管139の内部
空間を血液流路とし、隔壁137,138および
細管139の外壁とによつて熱媒体の流路を形成
している。この熱媒体の流路には、温冷水流入ポ
ート140Aと温冷水流出ポート140Bが接続
されている。
ート133と連通路133Aとの間は、血液室1
32の一部を構成し、熱交換機構部135を内蔵
する熱交換槽136とされている。熱交換機構部
135は、熱交換槽136内の一対の隔壁13
7,138により両端を支持され、血液流入ポー
ト133側および連通路133A側の両方に開口
する細管139の束からなり、細管139の内部
空間を血液流路とし、隔壁137,138および
細管139の外壁とによつて熱媒体の流路を形成
している。この熱媒体の流路には、温冷水流入ポ
ート140Aと温冷水流出ポート140Bが接続
されている。
したがつて、上記第4実施例に係る人工肺12
0によれば、前記人工肺50におけると同様に、
中空糸膜124の単位膜面積当りのガス交換効率
を向上可能とするとともに、患者と人工肺120
との落差による血液の潅流すなわち落差潅流を可
能とし、かつ血液室132の一部として貯血槽1
34および熱交換槽136を備えることにより、
用いられる血液回路の血液充填量を小とすること
が可能となる。
0によれば、前記人工肺50におけると同様に、
中空糸膜124の単位膜面積当りのガス交換効率
を向上可能とするとともに、患者と人工肺120
との落差による血液の潅流すなわち落差潅流を可
能とし、かつ血液室132の一部として貯血槽1
34および熱交換槽136を備えることにより、
用いられる血液回路の血液充填量を小とすること
が可能となる。
なお、本発明における熱交換機構部は、第1実
施例におけるように血液流出ポート側に設け、ま
たは第2および第3実施例におけるように貯血槽
内に設けるのが望ましい。なぜならば、血液が酸
素化される前に熱交換部を設けると、落差によつ
て与えられる重力が損失し、落差潅流に悪影響を
与えるからである。ただし、第4実施例における
ように中空状の熱交換機構部を用いれば、上記損
失は少なく、十分使用可能である。また、熱交換
機構部を貯血槽内もしくは血液流出ポート側に設
ける方が、外気温の影響を受けにくく、熱交換効
率の点でも好ましい。
施例におけるように血液流出ポート側に設け、ま
たは第2および第3実施例におけるように貯血槽
内に設けるのが望ましい。なぜならば、血液が酸
素化される前に熱交換部を設けると、落差によつ
て与えられる重力が損失し、落差潅流に悪影響を
与えるからである。ただし、第4実施例における
ように中空状の熱交換機構部を用いれば、上記損
失は少なく、十分使用可能である。また、熱交換
機構部を貯血槽内もしくは血液流出ポート側に設
ける方が、外気温の影響を受けにくく、熱交換効
率の点でも好ましい。
なお、本発明における熱交換機構部を形成する
細管として、第9図に示すようなフイン141を
備える細管142を用いても良い。
細管として、第9図に示すようなフイン141を
備える細管142を用いても良い。
また、本発明において熱交換機構部を設置する
血液室部分として、例えば前記第1実施例に係る
人工肺50における環状の血液流路63A部分を
選定しても良い。
血液室部分として、例えば前記第1実施例に係る
人工肺50における環状の血液流路63A部分を
選定しても良い。
発明の具体的作用効果
以上のように、本発明に係る中空糸型人工肺
は、ハウジングと該ハウジング内に収納されたガ
ス交換用の中空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両
端部を開口させた状態で上記ハウジングに液密に
支持する一対の隔壁と、該隔壁の一方の外側に上
記中空糸膜の内部空間に連通する酸素を含むガス
のガス流入ポートを設け、該ガス流入ポートから
流入した酸素を含むガスが一方の隔壁より中空糸
膜内部に流入した後他方の隔壁より流出するよう
にし、さらに上記一対の隔壁と上記ハウジング内
壁および上記中空糸膜外壁とで形成される血液室
と、上記ハウジング側壁の一方の隔壁近傍におい
て血液室と連通する血液流入ポートと、上記ハウ
ジング側壁の他方の隔壁近傍において血液室と連
通する血液流出ポートと、上記血液室内に設けら
れ両端を支持された開口する細管束からなり、細
管内を血液流路とし、細管の周囲に熱媒体を流通
できるように構成された熱交換機構部とを有する
ようにしたので、血液の乱流状態下でガス交換を
行い、単位膜面積当りのガス交換効率を向上可能
とするとともに、血液室内における血液の流入抵
抗を小とし、患者と人工肺との落差による血液の
潅流を可能とし、更に血液室内に熱交換機構部を
設けることによつて血液回路を短くし、全体の血
液充填量を小とする状態で、血液温度を調整する
ことが可能となる。
は、ハウジングと該ハウジング内に収納されたガ
ス交換用の中空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両
端部を開口させた状態で上記ハウジングに液密に
支持する一対の隔壁と、該隔壁の一方の外側に上
記中空糸膜の内部空間に連通する酸素を含むガス
のガス流入ポートを設け、該ガス流入ポートから
流入した酸素を含むガスが一方の隔壁より中空糸
膜内部に流入した後他方の隔壁より流出するよう
にし、さらに上記一対の隔壁と上記ハウジング内
壁および上記中空糸膜外壁とで形成される血液室
と、上記ハウジング側壁の一方の隔壁近傍におい
て血液室と連通する血液流入ポートと、上記ハウ
ジング側壁の他方の隔壁近傍において血液室と連
通する血液流出ポートと、上記血液室内に設けら
れ両端を支持された開口する細管束からなり、細
管内を血液流路とし、細管の周囲に熱媒体を流通
できるように構成された熱交換機構部とを有する
ようにしたので、血液の乱流状態下でガス交換を
行い、単位膜面積当りのガス交換効率を向上可能
とするとともに、血液室内における血液の流入抵
抗を小とし、患者と人工肺との落差による血液の
潅流を可能とし、更に血液室内に熱交換機構部を
設けることによつて血液回路を短くし、全体の血
液充填量を小とする状態で、血液温度を調整する
ことが可能となる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記血
液室が、血液流出ポート側に貯血槽を有するもの
とすることにより、血液回路を短縮化して、血液
回路の血液充填量をより小とすることが可能とな
る。
液室が、血液流出ポート側に貯血槽を有するもの
とすることにより、血液回路を短縮化して、血液
回路の血液充填量をより小とすることが可能とな
る。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記熱
交換機構部が、血液流出ポート側の血液室内にあ
るものとすることにより、上述の効果を有すると
ともに、落差により血液に与えられた重力を損失
することもない。
交換機構部が、血液流出ポート側の血液室内にあ
るものとすることにより、上述の効果を有すると
ともに、落差により血液に与えられた重力を損失
することもない。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記熱
交換機構部が、前記血液室の前記貯血槽内にある
ものとすることによつても上記と同様の効果を得
られる。
交換機構部が、前記血液室の前記貯血槽内にある
ものとすることによつても上記と同様の効果を得
られる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記貯
血槽が外部と連通するガスベントをもつものとす
ることにより、貯血槽内を常に大気圧に保つこと
が可能となる。
血槽が外部と連通するガスベントをもつものとす
ることにより、貯血槽内を常に大気圧に保つこと
が可能となる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記貯
血槽外壁が、剛性材質からなるものとし、更に目
盛表示を行うことにより、体外循環血液量の変動
を容易に確認できる。
血槽外壁が、剛性材質からなるものとし、更に目
盛表示を行うことにより、体外循環血液量の変動
を容易に確認できる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記中
空糸膜が内部と外部を連通する微小細孔を多数有
するものとすることにより、気体の移動における
膜抵抗を小とし、ガス交換性能を向上することが
可能となる。
空糸膜が内部と外部を連通する微小細孔を多数有
するものとすることにより、気体の移動における
膜抵抗を小とし、ガス交換性能を向上することが
可能となる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する一方
の隔壁を内筒部に保持し、他方の隔壁を外筒部に
保持するようにすることにより、比較的単純な構
造とすることが可能となる。
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する一方
の隔壁を内筒部に保持し、他方の隔壁を外筒部に
保持するようにすることにより、比較的単純な構
造とすることが可能となる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する両隔
壁を内筒部に保持するようにすることにより、よ
り単純な構造とし、製作容易とすることが可能と
なる。
ウジングが、中空糸膜を収容する内筒部と、内筒
部の一部を包囲して内筒部との間に貯血槽を形成
する外筒部とからなり、中空糸膜を支持する両隔
壁を内筒部に保持するようにすることにより、よ
り単純な構造とし、製作容易とすることが可能と
なる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングの血液流入ポートが連通する部分の内面
が、ハウジングの中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜の集合体外周部との
間に環状の血液流路を形成することにより、血液
流路が臨む集合体の全周囲から各中空糸膜に血液
を円滑に分配することが可能となる。
ウジングの血液流入ポートが連通する部分の内面
が、ハウジングの中間部分の内面より外方に拡張
した内面であつて、中空糸膜の集合体外周部との
間に環状の血液流路を形成することにより、血液
流路が臨む集合体の全周囲から各中空糸膜に血液
を円滑に分配することが可能となる。
また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記ハ
ウジングの拡張された内面が、中空糸膜の集合体
に対して、血液流入ポートとの連通口を含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートとの連通口を臨
む血液流路の流路面積がより大とされてなるよう
にすることにより、血液流路からの血液の分配量
を集合体の周方向において均一化し、血液室にお
いてハウジングの軸方向に向かう血液の流量を集
合体の周方向に関して均一化することが可能とな
る。
ウジングの拡張された内面が、中空糸膜の集合体
に対して、血液流入ポートとの連通口を含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートとの連通口を臨
む血液流路の流路面積がより大とされてなるよう
にすることにより、血液流路からの血液の分配量
を集合体の周方向において均一化し、血液室にお
いてハウジングの軸方向に向かう血液の流量を集
合体の周方向に関して均一化することが可能とな
る。
また、本発明の中空糸型人工肺は、ハウジング
と該ハウジング内に収納されたガス交換用の中空
糸膜の集合体と、該中空糸膜の両端部を開口させ
た状態で上記ハウジングに液密に支持する一対の
隔壁と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の内
部空間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポー
トを設け、該ガス流入ポートから流入した酸素を
含むガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入し
た後他方の隔壁より流出するようにし、さらに上
記一対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記中
空糸膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウジ
ング側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連通
する血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の他
方の隔壁近傍において血液室と連通する血液流出
ポートと、上記血液室内に設けられた内部に熱媒
体を流通できる管状体からなる熱交換機構部とを
有するものであるので、血液の乱流状態下でガス
交換を行い、単位膜面積当りのガス交換効率を向
上可能とするとともに、血液室内における血液の
流入抵抗を小とし、患者と人工肺との落差による
血液の潅流を可能とし、更に血液室内に熱交換機
構部を設けることによつて血液回路を短くし、全
体の血液充填量を小とする状態で、血液温度を調
整することが可能となる。
と該ハウジング内に収納されたガス交換用の中空
糸膜の集合体と、該中空糸膜の両端部を開口させ
た状態で上記ハウジングに液密に支持する一対の
隔壁と、該隔壁の一方の外側に上記中空糸膜の内
部空間に連通する酸素を含むガスのガス流入ポー
トを設け、該ガス流入ポートから流入した酸素を
含むガスが一方の隔壁より中空糸膜内部に流入し
た後他方の隔壁より流出するようにし、さらに上
記一対の隔壁と上記ハウジング内壁および上記中
空糸膜外壁とで形成される血液室と、上記ハウジ
ング側壁の一方の隔壁近傍において血液室と連通
する血液流入ポートと、上記ハウジング側壁の他
方の隔壁近傍において血液室と連通する血液流出
ポートと、上記血液室内に設けられた内部に熱媒
体を流通できる管状体からなる熱交換機構部とを
有するものであるので、血液の乱流状態下でガス
交換を行い、単位膜面積当りのガス交換効率を向
上可能とするとともに、血液室内における血液の
流入抵抗を小とし、患者と人工肺との落差による
血液の潅流を可能とし、更に血液室内に熱交換機
構部を設けることによつて血液回路を短くし、全
体の血液充填量を小とする状態で、血液温度を調
整することが可能となる。
第1図は従来例に係る膜型人工肺が適用されて
なる血液回路を示す回路図、第2図は本発明に係
る中空糸型人工肺が適用されてなる血液回路を示
す回路図、第3図は本発明の第1実施例に係る人
工肺を示す斜視図、第4図は同第1実施例に係る
人工肺を示す断面図、第5図は第4図の−線
に沿う断面図、第6図は本発明の第2実施例に係
る人工肺を示す斜視図、第7図は本発明の第3実
施例に係る人工肺を示す斜視図、第8図は本発明
の第4実施例に係る人工肺を示す斜視図、第9図
は本発明における熱交換機構部を形成するフイン
付細管を示す斜視図である。 50,80,110,120……人工肺、5
1,81,121……ハウジング、52,82,
122……内筒部、53,83,123……外筒
部、54,84,124……中空糸膜、55,8
5,125……集合体、56,57,86,8
7,126,127……隔壁、60,90,13
0……ガス流入ポート、62,92,132……
血液室、63,93,133……血液流入ポー
ト、63A……血液流路、64,94,134…
…貯血槽、68,94A,134A……血液流出
ポート、43,66,96,136……ガスベン
ト、69,98,111,135……熱交換機構
部、70,71,99,100,137,138
……隔壁、72,101,139,142……細
管、112……管状体。
なる血液回路を示す回路図、第2図は本発明に係
る中空糸型人工肺が適用されてなる血液回路を示
す回路図、第3図は本発明の第1実施例に係る人
工肺を示す斜視図、第4図は同第1実施例に係る
人工肺を示す断面図、第5図は第4図の−線
に沿う断面図、第6図は本発明の第2実施例に係
る人工肺を示す斜視図、第7図は本発明の第3実
施例に係る人工肺を示す斜視図、第8図は本発明
の第4実施例に係る人工肺を示す斜視図、第9図
は本発明における熱交換機構部を形成するフイン
付細管を示す斜視図である。 50,80,110,120……人工肺、5
1,81,121……ハウジング、52,82,
122……内筒部、53,83,123……外筒
部、54,84,124……中空糸膜、55,8
5,125……集合体、56,57,86,8
7,126,127……隔壁、60,90,13
0……ガス流入ポート、62,92,132……
血液室、63,93,133……血液流入ポー
ト、63A……血液流路、64,94,134…
…貯血槽、68,94A,134A……血液流出
ポート、43,66,96,136……ガスベン
ト、69,98,111,135……熱交換機構
部、70,71,99,100,137,138
……隔壁、72,101,139,142……細
管、112……管状体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ハウジングと該ハウジング内に収納されたガ
ス交換用の中空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両
端部を開口させた状態で上記ハウジングに液密に
支持する一対の隔壁と、該隔壁の一方の外側に上
記中空糸膜の内部空間に連通する酸素を含むガス
のガス流入ポートを設け、該ガス流入ポートから
流入した酸素を含むガスが一方の隔壁より中空糸
膜内部に流入した後他方の隔壁より流出するよう
にし、さらに上記一対の隔壁と上記ハウジング内
壁および上記中空糸膜外壁とで形成される血液室
と、上記ハウジング側壁の一方の隔壁近傍におい
て血液室と連通する血液流入ポートと、上記ハウ
ジング側壁の他方の隔壁近傍において血液室と連
通する血液流出ポートと、上記血液室内に設けら
れ両端を支持された開口する細管束からなり、細
管内を血液流路とし、細管の周囲に熱媒体を流通
できるように構成された熱交換機構部とを有する
ことを特徴とする中空糸型人工肺。 2 前記血液室は、血液流出ポート側に貯血槽を
有する特許請求の範囲第1項に記載に中空糸型人
工肺。 3 前記熱交換機構部が、血液流出ポート側の血
液室内にある特許請求の範囲第1項または第2項
に記載の中空糸型人工肺。 4 前記熱交換機構部が、血液室の前記貯血槽内
にある特許請求の範囲第2項に記載の中空糸型人
工肺。 5 前記熱交換機構部が、血液流入ポート側の血
液室内にある特許請求の範囲第1項または第2項
に記載の中空糸型人工肺。 6 前記貯血槽が、外部と連通するガスベントを
もつ特許請求の範囲第2項ないし第5項のいずれ
かに記載の中空糸型人工肺。 7 前記貯血槽が、剛性材質からなり、かつ目盛
表示を有する特許請求の範囲第2項ないし第6項
のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 8 前記中空糸膜が、内部と外部を連通する微小
細孔を多数有するものである特許請求の範囲第1
項ないし第7項のいずれかに記載の中空糸型人工
肺。 9 前記ハウジングは、中空糸膜を収容する内筒
部と、内筒部の一部を包囲して内筒部との間に貯
血槽を形成する外筒部とからなり、中空糸膜を支
持する一方に隔壁を内筒部に保持し、他方の隔壁
を外筒部に保持する特許請求の範囲第2項ないし
第8項のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 10 前記ハウジングは、中空糸膜を収容する内
筒部と、内筒部の一部を包囲して内筒部との間に
貯血槽を形成する外筒部とからなり、中空糸膜を
支持する両隔壁を内筒部に保持する特許請求の範
囲第2項ないし第8項のいずれかに記載の中空糸
型人工肺。 11 前記ハウジングの血液流入ポートが設けら
れている部分の内面は、ハウジングの中間部分の
内面より外方に拡張した内面であつて、中空糸膜
の集合体外周部との間に環状の血液流路を形成す
る特許請求の範囲第1項ないし第10項のいずれ
かに記載の中空糸型人工肺。 12 前記ハウジングの拡張した内面が、中空糸
膜の集合体に対して、血液流入ポートを含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートを臨む血液流路
の流路面積がより大とされている特許請求の範囲
第11項記載の中空糸型人工肺。 13 ハウジングと該ハウジング内に収納された
ガス交換用の中空糸膜の集合体と、該中空糸膜の
両端部を開口させた状態で上記ハウジングに液密
に支持する一対の隔壁と、該隔壁の一方の外側に
上記中空糸膜の内部空間に連通する酸素を含むガ
スのガス流入ポートを設け、該ガス流入ポートか
ら流入した酸素を含むガスが一方の隔壁より中空
糸膜内部に流入した後他方の隔壁より流出するよ
うにし、さらに上記一対の隔壁と上記ハウジング
内壁および上記中空糸膜外壁とで形成される血液
室と、上記ハウジング側壁の一方の隔壁近傍にお
いて血液室と連通する血液流入ポートと、上記ハ
ウジング側壁の他方の隔壁近傍において血液室と
連通する血液流出ポートと、上記血液室内に設け
られた内部に熱媒体を流通できる管状体からなる
熱交換機構部とを有することを特徴とする中空糸
型人工肺。 14 前記血液室は、血液流出ポート側に貯血槽
を有する特許請求の範囲第13項記載の中空糸型
人工肺。 15 前記管状体は、両端を支持された開口する
細管束からなり、細管内に熱媒体を流通できるも
のである特許請求の範囲第13項または第14項
記載の中空糸型人工肺。 16 前記熱交換機構部が、血液流出ポート側の
血液室内にある特許請求の範囲第13項ないし第
15項のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 17 前記熱交換機構部が、血液室の前記貯血槽
内にある特許請求の範囲第14項記載の中空糸型
人工肺。 18 前記熱交換機構部が、血液流入ポート側の
血液室内にある特許請求の範囲第13項ないし第
17項のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 19 前記貯血槽が、外部と連通するガスベント
をもつ特許請求の範囲第14項ないし第18項の
いずれかに記載の中空糸型人工肺。 20 前記貯血槽が、剛性材質からなり、かつ目
盛表示を有する特許請求の範囲第14項ないし第
19項のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 21 前記中空糸膜が、内部と外部を連通する微
小細孔を多数有するものである特許請求の範囲第
13項ないし第20項のいずれかに記載の中空糸
型人工肺。 22 前記ハウジングは、中空糸膜を収容する内
筒部と、内筒部の一部を包囲して内筒部との間に
貯血槽を形成する外筒部とからなり、中空糸膜を
支持する一方の隔壁を内筒部に保持し、他方の隔
壁を外筒部に保持する特許請求の範囲第14項な
いし第21項のいずれかに記載の中空糸型人工
肺。 23 前記ハウジングは、中空糸膜を収容する内
筒部と、内筒部の一部を包囲して内筒部との間に
貯血槽を形成する外筒部とからなり、中空糸膜を
支持する両隔壁を内筒部に保持する特許請求の範
囲第14項ないし第21項のいずれかに記載の中
空糸型人工肺。 24 前記ハウジングの血液流入ポートが設けら
れている部分の内面は、ハウジングの中間部分の
内面より外方に拡張した内面であつて、中空糸膜
の集合体外周部との間に環状の血液流路を形成す
る特許請求の範囲第13項ないし第23項のいず
れかに記載の中空糸型人工肺。 25 前記ハウジングの拡張した内面が、中空糸
膜の集合体に対して、血液流入ポートを含む方向
に偏心配置され、血液流入ポートを臨む血液流路
の流路面積がより大とされている特許請求の範囲
第24項記載の中空糸型人工肺。
Priority Applications (13)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17750682A JPS5967963A (ja) | 1982-10-12 | 1982-10-12 | 中空糸型人工肺 |
US06/533,496 US4620965A (en) | 1982-09-22 | 1983-09-16 | Hollow fiber-type artificial lung |
EP88106609A EP0306613B1 (en) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Hollow fiber-type artificial lung |
EP87105567A EP0240035B1 (en) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Hollow fiber-type artificial lung |
DE8787105566T DE3382591T2 (de) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Kuenstliche lunge vom hohlfasertyp. |
DE8888106609T DE3382483D1 (de) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Kuenstliche lunge vom hohlfasertyp. |
EP83109405A EP0103899B1 (en) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Hollow fiber-type artificial lung |
DE8787105567T DE3382435D1 (de) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Kuenstliche lunge vom hohlfasertyp. |
DE8383109405T DE3381625D1 (de) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Kuenstliche lunge vom hohlfasertyp. |
EP87105566A EP0243796B1 (en) | 1982-09-22 | 1983-09-21 | Hollow fiber-type artificial lung |
CA000437308A CA1216207A (en) | 1982-09-22 | 1983-09-22 | Hollow fiber-type artificial lung |
CA000499066A CA1238831A (en) | 1982-09-22 | 1986-01-06 | Hollow fiber-type artificial lung |
US07/481,807 USRE33932E (en) | 1982-09-22 | 1990-02-20 | Hollow fiber-type artificial lung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17750682A JPS5967963A (ja) | 1982-10-12 | 1982-10-12 | 中空糸型人工肺 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12213088A Division JPH01113065A (ja) | 1988-05-20 | 1988-05-20 | 中空糸型人工肺装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5967963A JPS5967963A (ja) | 1984-04-17 |
JPS6237994B2 true JPS6237994B2 (ja) | 1987-08-14 |
Family
ID=16032093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17750682A Granted JPS5967963A (ja) | 1982-09-22 | 1982-10-12 | 中空糸型人工肺 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5967963A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61128978A (ja) * | 1984-11-27 | 1986-06-17 | テルモ株式会社 | 膜型人工肺 |
US4698207A (en) * | 1986-07-14 | 1987-10-06 | Baxter Travenol Laboratories, Inc. | Integrated membrane oxygenator, heat exchanger and reservoir |
JP2613217B2 (ja) * | 1987-07-01 | 1997-05-21 | 株式会社クラレ | 中空糸型の人工肺 |
JP3703905B2 (ja) * | 1996-04-19 | 2005-10-05 | 泉工医科工業株式会社 | 熱交換器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5957661A (ja) * | 1982-09-29 | 1984-04-03 | テルモ株式会社 | 中空糸型人工肺 |
-
1982
- 1982-10-12 JP JP17750682A patent/JPS5967963A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5957661A (ja) * | 1982-09-29 | 1984-04-03 | テルモ株式会社 | 中空糸型人工肺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5967963A (ja) | 1984-04-17 |
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