JPS6231059B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPS6231059B2 JPS6231059B2 JP22101584A JP22101584A JPS6231059B2 JP S6231059 B2 JPS6231059 B2 JP S6231059B2 JP 22101584 A JP22101584 A JP 22101584A JP 22101584 A JP22101584 A JP 22101584A JP S6231059 B2 JPS6231059 B2 JP S6231059B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- lead frame
- frame material
- content
- annealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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Landscapes
- Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明はIC、LSI等の半導体用リードフレーム
材およびその製造法に関し、さらに詳しくは、強
度、ステイフネス強度、繰り返し曲げ性、耐熱性
および導電率に優れた半導体用リードフレーム材
として好適な銅合金よりなる半導体用リードフレ
ーム材およびその製造法に関する。 [従来技術] 従来半導体用リードフレーム材としては、素子
およびセラミツクスと線膨張係数が近似したFe
−42wt%Ni合金が使用されてきたが、近年、素
子の接着技術および封着材の改善に伴ない、熱放
散性に優れ、かつ、比較的安価な銅系材料に代替
されつつある。 しかし、高い信頼性が要求されるIC、LSI等の
半導体用リードフレーム材として、Fe−42wt%
Ni合金が有する特性、即ち、優れた強度、繰り
返し曲げ性、耐熱性を満足できる銅系材料は未だ
開発されておらず、従つて、上記の特性を有する
銅系材料が望まれてきている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明した従来技術に鑑みなされ
たものであり、本発明者の鋭意研究の結果、Fe
−42wt%Ni合金が有する半導体用リードフレー
ム材としての優れた特性、即ち、高強度、良好な
繰り返し曲げ性および高い耐熱性を有し、さら
に、導電率、耐蝕性、耐応力腐蝕割れ性、はんだ
付け性、めつきされた錫およびはんだの耐熱剥離
性に優れ、かつ、必要な熱間加工性に優れている
という半導体用リードフレーム材およびその製造
法を開発したのである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造法は、 (1) Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2
種以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなることを特
徴とする半導体用リードフレーム材を第1の発
明とし、 (2) Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2
種以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなる合金の鋳
塊を熱間圧延後、600℃以上の温度から5℃/
秒以上の速度で冷却し、冷間加工後400〜600℃
の温度で5分〜4時間の焼鈍を行なつた後、調
質仕上圧延を行なつてから、400〜600℃の温度
で5〜60秒の短時間の焼鈍を行なうことを特徴
とする半導体用リードフレーム材の製造法を第
2の発明とする2つの発明からなるものであ
る。 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造法について、以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係る半導体用リードフレーム材
の含有成分および成分割合について説明する。 Niは強度を付与する元素であり、含有量が
1.0wt%未満ではSiが0.2〜0.9wt%含有されてい
ても強度および耐熱性は向上せず、また、3.5wt
%を越えて含有されると導電率が低下し、かつ、
不経済である。よつて、Ni含有量は1.0〜3.5wt%
とする。 SiはNiと共に強度を付与する元素であり、含有
量が0.2wt%未満ではNiが1.0〜3.5wt%含有され
ていても強度および耐熱性は向上せず、また、
0.9wt%を越えて含有されると導電性が低下する
と共に熱間加工性が悪化する。よつて、Si含有量
は0.2〜0.9wt%とする。 Mnは熱間加工性を向上させる元素であり、含
有量が0.02wt%未満ではこの効果は少なく、ま
た、1.0wt%を越えて含有されると造塊時の湯流
れ性が悪化して造塊歩留りが低下する。よつて、
Mn含有量は0.02〜1.0wt%とする。 Znはめつきされた錫およびはんだの耐熱剥離
性を著しく改善する元素であり、含有量が0.1wt
%未満ではこの効果が少なく、また、5.0wt%を
越えて含有されるとはんだ付け性が悪化する。よ
つて、Zn含有量は0.1〜5.0wt%とする。 Snは強度、ステイフネス強度および繰り返し
曲げ性の向上に寄与する元素であり、含有量が
0.1wt%未満ではこれらの効果が少なく、また、
2.0wt%を越えて含有されると導電性、耐熱性お
よび熱間加工性を低下させる。よつて、Sn含有
量は0.1〜2.0wt%とする。 Mgは不可避的に混入してくるSを安定したMg
との化合物の形で母相中に固定させて熱間加工を
可能にするための必須の元素であり、含有量が
0.001wt%未満ではSは安定したMgSの化合物の
形とならず、Sはそのまま或いはMnSの形で存
在し、そして、S或いはMnSは熱間圧延の加熱
時または熱間圧延中に粒界に移動して割れを生じ
させるようになり、また、0.01wt%を越える含有
量では鋳塊中にCu+MgCu2の共晶(融点722℃)
を生じ、722℃以上の温度に加熱すると割れを発
生し、溶湯が酸化し、湯流れ性が悪化し、鋳塊を
不健全とし、造塊歩留りが低下する。よつて、
Mg含有量は0.001〜0.01wt%とする。 Cr、Ti、Zrは何れの元素も熱間加工性を向上
させる元素であり、含有量が0.001wt%未満では
この効果は少なく、また、0.01wt%を越える含有
量では造塊時の湯流れ性が悪化し、造塊歩留りが
低下する。よつて、Cr、Ti、Zr含有量は0.001〜
0.01wt%とする。また、Cr、Ti、Zrの2種以上
を含有する場合も上記に説明した同じ理由から合
計含有量は0.001〜0.01wt%とする。 次に、本発明に係る半導体用リードフレーム材
の製造法について説明する。 上記の説明した含有成分、成分割合の鋳合金鋳
塊を熱間圧延後、600℃以上の温度から5℃/秒
以上の速度で冷却するのは、溶体化処理を目的と
するものであり、600℃未満の温度から冷却した
場合、冷却速度が5℃/秒以上であつても冷却開
始前に既に析出が起つており、充分な溶体化処理
効果が得られず、その後の冷間加工性を悪化さ
せ、また、600℃以上の温度から冷却した場合で
も、冷却速度が5℃/秒未満では冷却中に析出が
起り、充分な溶体化処理効果が得られず、その後
の冷間加工性を悪化させるからである。 次に、冷間加工後400〜600℃の温度で5分〜4
時間の焼鈍を行なうのは、Ni、Si化合物を析出さ
せるためであり、400℃未満の温度では5分〜4
時間の焼鈍時間であつてもNi、Si化合物の析出は
不充分であり、また、600℃を越える温度では析
出が起らず、Ni、Siの大半は固溶したままであ
り、何れの場合も固溶しているNiおよびSiはめつ
きされた錫およびはんだの耐熱剥離性を著しく悪
化させるので、焼鈍温度は400〜600℃とする必要
があり、焼鈍時間は5分未満では析出が不充分で
あり、4時間を越えると不経済であるので5分〜
4時間とするのが良い。 次に、調質仕上圧延を行なつてから400〜600℃
の温度で5〜60秒の短時間の焼鈍を行なうのは、
圧延により低下した伸びを回復させると共に残留
応力を低減し、かつ、均一化するためであり、
400℃未満の温度では5〜60秒の焼鈍を行なつて
もこのような効果は不充分であり、600℃を越え
る温度では析出していたNi、Si化合物が再固溶し
てしまい、要求される諸特性が劣化するので焼鈍
温度は400〜600℃としなければならず、また、焼
鈍時間は5秒未満では伸びの回復および残留応力
の低減および均一化の効果は不充分であり、か
つ、この種の熱処理は一般的に連続熱処理ライン
で行なわれることから、60秒を越えると生産性が
低下し不経済であるので、焼鈍時間は5〜60秒と
するのである。 [実施例] 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造方法の実施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合の銅合金
をクリプトル炉を使用し、木炭被覆下において大
気中で溶解し、鋳鉄製のブツクモールドを用いて
45mmT×80mmW×200mmLの鋳塊を鋳造した後、
この鋳塊の表裏両面を2.5mmずつ面削後、850℃の
温度で10mmtまで熱間圧延し、 600℃以上の温度から30℃/秒の速度で水冷
後、スケールを除去し、0.5mmTまで冷間圧延し
た後、500℃の温度で120分間の焼鈍を行ない、そ
の後冷間圧延して0.25mmTの板材を得、さらに、
硝石炉を使用して500℃の温度で20秒間の短時間
焼鈍を行なつた。 これらの試料の試験結果を第2表に示す。 試験方法は以下に説明する通りである。 (1) 引張試験は圧延方向に平行に切出したJIS13
号B試験片を用い、また、硬度はマイクロビツ
カース硬度計を用いた。 (2) 繰り返し曲げ性は0.5mm幅のリードをプレス
で打抜いたものを試片とし、227gの錘りを一
端に吊して一方向往復90度曲げを行ない、破断
迄の回数を往復を1回と数え、試料数5の平均
値として求めた。曲げ軸は圧延方向と直角であ
る。 (3) ステイフネス強度は圧延方向に平行に切出し
た0.25mmT×10mmW×60mmLの試験片を用い、
曲げ半径40mmで曲げを与え、変位角が10゜にな
る時の曲げモーメントとして求めた。 (4) 耐熱性は硝石炉を用い450℃の温度で5分間
加熱した時の硬度として求めた。 (5) はんだの耐熱剥離性は弱活性フラツクスを用
い、230℃の温度のSn60−Pb40のはんだ浴では
んだ付けした試料を、150℃の温度で500時間保
持した後、90゜曲げを行ない、はんだの密着性
を調べた。
材およびその製造法に関し、さらに詳しくは、強
度、ステイフネス強度、繰り返し曲げ性、耐熱性
および導電率に優れた半導体用リードフレーム材
として好適な銅合金よりなる半導体用リードフレ
ーム材およびその製造法に関する。 [従来技術] 従来半導体用リードフレーム材としては、素子
およびセラミツクスと線膨張係数が近似したFe
−42wt%Ni合金が使用されてきたが、近年、素
子の接着技術および封着材の改善に伴ない、熱放
散性に優れ、かつ、比較的安価な銅系材料に代替
されつつある。 しかし、高い信頼性が要求されるIC、LSI等の
半導体用リードフレーム材として、Fe−42wt%
Ni合金が有する特性、即ち、優れた強度、繰り
返し曲げ性、耐熱性を満足できる銅系材料は未だ
開発されておらず、従つて、上記の特性を有する
銅系材料が望まれてきている。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明した従来技術に鑑みなされ
たものであり、本発明者の鋭意研究の結果、Fe
−42wt%Ni合金が有する半導体用リードフレー
ム材としての優れた特性、即ち、高強度、良好な
繰り返し曲げ性および高い耐熱性を有し、さら
に、導電率、耐蝕性、耐応力腐蝕割れ性、はんだ
付け性、めつきされた錫およびはんだの耐熱剥離
性に優れ、かつ、必要な熱間加工性に優れている
という半導体用リードフレーム材およびその製造
法を開発したのである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造法は、 (1) Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2
種以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなることを特
徴とする半導体用リードフレーム材を第1の発
明とし、 (2) Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2
種以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなる合金の鋳
塊を熱間圧延後、600℃以上の温度から5℃/
秒以上の速度で冷却し、冷間加工後400〜600℃
の温度で5分〜4時間の焼鈍を行なつた後、調
質仕上圧延を行なつてから、400〜600℃の温度
で5〜60秒の短時間の焼鈍を行なうことを特徴
とする半導体用リードフレーム材の製造法を第
2の発明とする2つの発明からなるものであ
る。 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造法について、以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係る半導体用リードフレーム材
の含有成分および成分割合について説明する。 Niは強度を付与する元素であり、含有量が
1.0wt%未満ではSiが0.2〜0.9wt%含有されてい
ても強度および耐熱性は向上せず、また、3.5wt
%を越えて含有されると導電率が低下し、かつ、
不経済である。よつて、Ni含有量は1.0〜3.5wt%
とする。 SiはNiと共に強度を付与する元素であり、含有
量が0.2wt%未満ではNiが1.0〜3.5wt%含有され
ていても強度および耐熱性は向上せず、また、
0.9wt%を越えて含有されると導電性が低下する
と共に熱間加工性が悪化する。よつて、Si含有量
は0.2〜0.9wt%とする。 Mnは熱間加工性を向上させる元素であり、含
有量が0.02wt%未満ではこの効果は少なく、ま
た、1.0wt%を越えて含有されると造塊時の湯流
れ性が悪化して造塊歩留りが低下する。よつて、
Mn含有量は0.02〜1.0wt%とする。 Znはめつきされた錫およびはんだの耐熱剥離
性を著しく改善する元素であり、含有量が0.1wt
%未満ではこの効果が少なく、また、5.0wt%を
越えて含有されるとはんだ付け性が悪化する。よ
つて、Zn含有量は0.1〜5.0wt%とする。 Snは強度、ステイフネス強度および繰り返し
曲げ性の向上に寄与する元素であり、含有量が
0.1wt%未満ではこれらの効果が少なく、また、
2.0wt%を越えて含有されると導電性、耐熱性お
よび熱間加工性を低下させる。よつて、Sn含有
量は0.1〜2.0wt%とする。 Mgは不可避的に混入してくるSを安定したMg
との化合物の形で母相中に固定させて熱間加工を
可能にするための必須の元素であり、含有量が
0.001wt%未満ではSは安定したMgSの化合物の
形とならず、Sはそのまま或いはMnSの形で存
在し、そして、S或いはMnSは熱間圧延の加熱
時または熱間圧延中に粒界に移動して割れを生じ
させるようになり、また、0.01wt%を越える含有
量では鋳塊中にCu+MgCu2の共晶(融点722℃)
を生じ、722℃以上の温度に加熱すると割れを発
生し、溶湯が酸化し、湯流れ性が悪化し、鋳塊を
不健全とし、造塊歩留りが低下する。よつて、
Mg含有量は0.001〜0.01wt%とする。 Cr、Ti、Zrは何れの元素も熱間加工性を向上
させる元素であり、含有量が0.001wt%未満では
この効果は少なく、また、0.01wt%を越える含有
量では造塊時の湯流れ性が悪化し、造塊歩留りが
低下する。よつて、Cr、Ti、Zr含有量は0.001〜
0.01wt%とする。また、Cr、Ti、Zrの2種以上
を含有する場合も上記に説明した同じ理由から合
計含有量は0.001〜0.01wt%とする。 次に、本発明に係る半導体用リードフレーム材
の製造法について説明する。 上記の説明した含有成分、成分割合の鋳合金鋳
塊を熱間圧延後、600℃以上の温度から5℃/秒
以上の速度で冷却するのは、溶体化処理を目的と
するものであり、600℃未満の温度から冷却した
場合、冷却速度が5℃/秒以上であつても冷却開
始前に既に析出が起つており、充分な溶体化処理
効果が得られず、その後の冷間加工性を悪化さ
せ、また、600℃以上の温度から冷却した場合で
も、冷却速度が5℃/秒未満では冷却中に析出が
起り、充分な溶体化処理効果が得られず、その後
の冷間加工性を悪化させるからである。 次に、冷間加工後400〜600℃の温度で5分〜4
時間の焼鈍を行なうのは、Ni、Si化合物を析出さ
せるためであり、400℃未満の温度では5分〜4
時間の焼鈍時間であつてもNi、Si化合物の析出は
不充分であり、また、600℃を越える温度では析
出が起らず、Ni、Siの大半は固溶したままであ
り、何れの場合も固溶しているNiおよびSiはめつ
きされた錫およびはんだの耐熱剥離性を著しく悪
化させるので、焼鈍温度は400〜600℃とする必要
があり、焼鈍時間は5分未満では析出が不充分で
あり、4時間を越えると不経済であるので5分〜
4時間とするのが良い。 次に、調質仕上圧延を行なつてから400〜600℃
の温度で5〜60秒の短時間の焼鈍を行なうのは、
圧延により低下した伸びを回復させると共に残留
応力を低減し、かつ、均一化するためであり、
400℃未満の温度では5〜60秒の焼鈍を行なつて
もこのような効果は不充分であり、600℃を越え
る温度では析出していたNi、Si化合物が再固溶し
てしまい、要求される諸特性が劣化するので焼鈍
温度は400〜600℃としなければならず、また、焼
鈍時間は5秒未満では伸びの回復および残留応力
の低減および均一化の効果は不充分であり、か
つ、この種の熱処理は一般的に連続熱処理ライン
で行なわれることから、60秒を越えると生産性が
低下し不経済であるので、焼鈍時間は5〜60秒と
するのである。 [実施例] 本発明に係る半導体用リードフレーム材および
その製造方法の実施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合の銅合金
をクリプトル炉を使用し、木炭被覆下において大
気中で溶解し、鋳鉄製のブツクモールドを用いて
45mmT×80mmW×200mmLの鋳塊を鋳造した後、
この鋳塊の表裏両面を2.5mmずつ面削後、850℃の
温度で10mmtまで熱間圧延し、 600℃以上の温度から30℃/秒の速度で水冷
後、スケールを除去し、0.5mmTまで冷間圧延し
た後、500℃の温度で120分間の焼鈍を行ない、そ
の後冷間圧延して0.25mmTの板材を得、さらに、
硝石炉を使用して500℃の温度で20秒間の短時間
焼鈍を行なつた。 これらの試料の試験結果を第2表に示す。 試験方法は以下に説明する通りである。 (1) 引張試験は圧延方向に平行に切出したJIS13
号B試験片を用い、また、硬度はマイクロビツ
カース硬度計を用いた。 (2) 繰り返し曲げ性は0.5mm幅のリードをプレス
で打抜いたものを試片とし、227gの錘りを一
端に吊して一方向往復90度曲げを行ない、破断
迄の回数を往復を1回と数え、試料数5の平均
値として求めた。曲げ軸は圧延方向と直角であ
る。 (3) ステイフネス強度は圧延方向に平行に切出し
た0.25mmT×10mmW×60mmLの試験片を用い、
曲げ半径40mmで曲げを与え、変位角が10゜にな
る時の曲げモーメントとして求めた。 (4) 耐熱性は硝石炉を用い450℃の温度で5分間
加熱した時の硬度として求めた。 (5) はんだの耐熱剥離性は弱活性フラツクスを用
い、230℃の温度のSn60−Pb40のはんだ浴では
んだ付けした試料を、150℃の温度で500時間保
持した後、90゜曲げを行ない、はんだの密着性
を調べた。
【表】
【表】
第2表から明らかなように、本発明のNo.1〜No.
4は、半導体用リードフレーム材料として総合的
に優れた性能を有していることがわかる。さら
に、比較例のNo.5、No.6に比して以下説明する通
り改善されていることがわかる。 即ち、本発明のNo.1はSnを含有しているため
に、比較例No.5より強度、ステイフネス強度およ
び繰り返し曲げ性が改善されており、また、
Mn、Mg、Crを含有しているので熱間加工性が
改善され、さらに、Znを含有しているのではん
だの耐熱剥離性が改善されている。 本発明のNo.2、No.3およびNo.4はSnを含有し
ているため比較例No.6に比して、強度、ステイフ
ネス強度および繰り返し曲げ性が改善されてお
り、Mn、MgにさらにCr、Ti、Zrのうちの1種
を含有しているので熱間加工性も改善され、さら
に、Znを含有しているので耐熱剥離性も改善さ
れている。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る半導体用リ
ードフレーム材およびその製造方法は上記の構成
を有しているものであるから、高い強度および高
いステイフネス強度を有し、繰り返し曲げ性に優
れ、高い耐熱性を有し、さらに、優れたはんだの
耐熱剥離性を有し、その上、熱間加工性にも優れ
ているという効果を有しているものである。
4は、半導体用リードフレーム材料として総合的
に優れた性能を有していることがわかる。さら
に、比較例のNo.5、No.6に比して以下説明する通
り改善されていることがわかる。 即ち、本発明のNo.1はSnを含有しているため
に、比較例No.5より強度、ステイフネス強度およ
び繰り返し曲げ性が改善されており、また、
Mn、Mg、Crを含有しているので熱間加工性が
改善され、さらに、Znを含有しているのではん
だの耐熱剥離性が改善されている。 本発明のNo.2、No.3およびNo.4はSnを含有し
ているため比較例No.6に比して、強度、ステイフ
ネス強度および繰り返し曲げ性が改善されてお
り、Mn、MgにさらにCr、Ti、Zrのうちの1種
を含有しているので熱間加工性も改善され、さら
に、Znを含有しているので耐熱剥離性も改善さ
れている。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る半導体用リ
ードフレーム材およびその製造方法は上記の構成
を有しているものであるから、高い強度および高
いステイフネス強度を有し、繰り返し曲げ性に優
れ、高い耐熱性を有し、さらに、優れたはんだの
耐熱剥離性を有し、その上、熱間加工性にも優れ
ているという効果を有しているものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2種
以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなることを特徴
とする半導体用リードフレーム材。 2 Ni1.0〜3.5wt%、Si0.2〜0.9wt%、Mn0.02〜
1.0wt%、Zn0.1〜5.0wt%、Sn0.1〜2.0wt%、
Mg0.001〜0.01wt% を含有し、さらに、 Cr、Ti、Zrのうちから選んだ1種または2種
以上0.001〜0.01wt% を含有し、残部実質的にCuからなる合金の鋳塊
を熱間圧延後、600℃以上の温度から5℃/秒以
上の速度で冷却し、冷間加工後400〜600℃の温度
で5分〜4時間の焼鈍を行なつた後、調質仕上圧
延を行なつてから、400〜600℃の温度で5〜60秒
の短時間の焼鈍を行なうことを特徴とする半導体
用リードフレーム材の製造法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59221015A JPS6199647A (ja) | 1984-10-20 | 1984-10-20 | 半導体用リ−ドフレ−ム材およびその製造法 |
US06/786,482 US4656003A (en) | 1984-10-20 | 1985-10-11 | Copper alloy and production of the same |
DE8585307331T DE3566904D1 (en) | 1984-10-20 | 1985-10-14 | Copper alloy and production of the same |
EP85307331A EP0189637B1 (en) | 1984-10-20 | 1985-10-14 | Copper alloy and production of the same |
KR1019850007699A KR900004109B1 (ko) | 1984-10-20 | 1985-10-18 | 반도체의 리드프레임 재료 및, 단자와 코넥터용 동합금과 그 제조법 |
MYPI86000154A MY100717A (en) | 1984-10-20 | 1986-11-28 | Copper alloy and production of the same. |
SG217/89A SG21789G (en) | 1984-10-20 | 1989-04-08 | Copper alloy and production of the same |
HK402/92A HK40292A (en) | 1984-10-20 | 1992-06-04 | Copper alloy and production of the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59221015A JPS6199647A (ja) | 1984-10-20 | 1984-10-20 | 半導体用リ−ドフレ−ム材およびその製造法 |
Publications (2)
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JPS6199647A JPS6199647A (ja) | 1986-05-17 |
JPS6231059B2 true JPS6231059B2 (ja) | 1987-07-06 |
Family
ID=16760139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP59221015A Granted JPS6199647A (ja) | 1984-10-20 | 1984-10-20 | 半導体用リ−ドフレ−ム材およびその製造法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPS6199647A (ja) |
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-
1984
- 1984-10-20 JP JP59221015A patent/JPS6199647A/ja active Granted
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JPS6199647A (ja) | 1986-05-17 |
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