JPS6228111B2 - - Google Patents
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- JPS6228111B2 JPS6228111B2 JP55032064A JP3206480A JPS6228111B2 JP S6228111 B2 JPS6228111 B2 JP S6228111B2 JP 55032064 A JP55032064 A JP 55032064A JP 3206480 A JP3206480 A JP 3206480A JP S6228111 B2 JPS6228111 B2 JP S6228111B2
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Description
この発明は、高硬度、並びにすぐれた耐摩耗性
および靭性を有し、特にこれらの特性が要求され
る高硬度鋼やNi基あるいはCo基スーパーアロイ
などの切削に用いられる切削工具の刃先として、
また同じくダイスやノズルなどの耐摩耗工具とし
て使用するのに適した立方晶炭窒化硼素基焼結材
料の製造法に関するものである。 近年、例えば高速度鋼や、Ni基あるいはCo基
スーパーアロイのような材料の切削には、ダイヤ
モンドと並んで硬度の高い立方晶窒化硼素(以下
c−BNという)を主成分とする焼結材料が切削
工具の刃先として使用されているが、前記c−
BN基焼結材料はダイヤモンドに比して硬さが低
いために、苛酷な条件下での使用に際しては、摩
耗しやすい上に、靭性不足が原因のチツピングを
起し易いという問題点を有している。このc−
BN基焼結材料の靭性不足の原因は、c−BN粒子
と添加含有粒子間での熱膨脹係数の差が大きすぎ
ることによる残留歪、さらに異種粒子間における
著しい濃度変化による焼結性の低下、ひいては粒
子界面強度の低下にあると思われる。 一方、ダイヤモンドは、硬さがc−BN基焼結
材料より硬いものの、これを、例えば上記のよう
な高硬度鋼や、Ni基あるいはCo基スーパーアロ
イの切削に切削工具刃先として使用すると、これ
らの被削材が主として鉄族金属からなるため、非
常に大きな摩耗を生じ、実用的使用に供し得ない
のが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、すぐれた耐摩耗性と靭性とを兼ね備え、かつ
例えば、高速度鋼やNi基あるいはCo基スーパー
アロイなどの切削に切削工具刃先として、またダ
イスやノズルなどの耐摩耗工具として使用した場
合に、すぐれた性能を発揮する材料を得べく、特
に四面体構造を有する窒化硼素(BN)に炭素を
固溶したものからなり、c−BNのもつ化学的安
定性を保持しつつ、c−BNよりも高い硬さを有
する立方晶炭窒化硼素(以下c−B(CN)で示
す)に着目し研究を行なつた結果、 (a) 従来、c−B(CN)粉末は、研摩材として
使用されており、例えば特開昭53−101000号公
報に記載されるような方法、すなわち六方晶系
または無定形の炭窒化硼素化合物を、周期律表
の8族の金属であるCo、Ni、あるいはFeと、
Alとの混合物、またはこれらの合金からなる
溶媒の存在下において、圧力:50Kb(キロバ
ール)以上、温度:1300℃以上の条件で相変態
させる方法によつて製造されているが、これら
の従来方法によつて製造された研摩材用c−B
(CN)粉末を原料粉末として使用して切削工具
刃先や耐摩耗工具などを製造しても、焼結性が
著しく劣ることから、これを実用に供した場合
満足する性能を発揮しないこと。 (b) しかし、上記従来方法におけるような溶媒金
属を使用しない条件下でc−B(CN)粉末を
合成すると、この結果得られたc−B(CN)
粉末は前記溶媒金属などの混入がなく、比較的
純度の高いものとなつており、このような不純
物の少ないc−B(CN)粉末はきわめて良好
な焼結性を有すること。 (c) c−B(CN)粉末は、微粒で結晶性の悪い
ものが良好な焼結性を示すこと。 (d) 微粒で結晶性の悪いc−B(CN)粉末は、
溶媒金属を使用しない条件下で容易に合成でき
ること。 (e) 緻密なc−B(CN)基焼結材料が、c−B
(CN)粉末に、ボロン(以下Bで示す)粉末
と、六方晶炭窒化硼素(以下h−B(CN)で
示す)とを配合したものからなる混合粉末を原
料粉末として使用することによつて得られるこ
と。 (f) 焼結時の加圧、昇温に際して形成されるc−
B(CN)粒子同士のブリツジ部分は、そのま
ま焼結した場合にはブリツジ部でのくびれが成
長しないままの状態で残るので、脆い焼結材料
しか得られないが、c−B(CN)粒子表面
に、h−C(BN)粒子とB粒子とを接触存在
させた状態で焼結を行なうと、前記c−B
(CN)粒子間のブリツジ部での焼結が促進され
て、くびれがなくなることからc−B(CN)
粒子同士の接合が著しく強固になること。以上
(a)〜(f)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、容量%で、 B粉末:0.1〜2%、 h−B(CN)粉末:1〜30%、 c−B(CN)粉末:残り、 からなる配合組成を有し、かつ前記c−B
(CN)粉末の80%以上が粒径3μm以下の微細で
あり、一方前記h−B(CN)粉末は、その平均
粒径が前記c−B(CN)粉末の平均粒径よりも
小さく、しかもその50%以上が粒径1μm以下の
微粉で構成された混合粉末より、通常の条件にて
圧粉体を成形し、ついで前記圧粉体を、温度
(T1):1800℃以下、圧力(P1):50Kb以上にし
て、温度(T1)と圧力(P1)の関係が、T1−10P1
>800を満足する条件下で第1段加圧焼結した
後、さらに引続いて温度(T2):1300℃以上、圧
力(P2):100Kb以下にして、温度(T2)と圧力
(P2)の関係が、T2−10P2≦800を満足する条件下
で第2段加圧焼結を行なうことによつて、 B:0.1〜2%、 c−B(CN)および不可避不純物:残り、 からなる組成を有し、耐摩耗性および靭性にすぐ
れ、かつ特に高速度鋼やNi基あるいはCo基スー
パーアロイなどの被削材の切削工具刃先や、ダイ
スおよびドリルなどの耐摩耗工具などの製造に使
用した場合に著しくすぐれた性能を発揮するc−
B(CN)基焼結材料を製造することに特徴を有
するものである。 なお、この発明のc−B(CN)基焼結材料の
製造に際して、上記の加熱加圧条件下での保持時
間は、c−B(CN)粉末およびh−B(CN)粉
末の安定性を確保する上で10分〜2時間が適当で
ある。 ついで、この発明のc−B(CN)基焼結材料
の製造条件および成分組成を上記の通りに限定し
た理由を説明する。 A 製造条件 (a) B粉末およびh−B(CN)粉末の配合量 この発明にかかる圧粉体においては、c−
B(CN)粉末同士が連続したスケルトン構
造(粉末同士が接触部をもつて形成される骨
組構造)をとり、その微小間隙にB粉末とh
−B(CN)粉末とが入り込んだ状態にある
のがよく、これによつて焼結時に、B粉末は
c−B(CN)粉末およびh−B(CN)粉末
の表面に付着している酸素分を酸化ボロンの
形で除去して、その表面を活性化し、もつて
焼結性の促進をはかると共に、前記両B
(CN)粉末におけるB成分と相互置換反応を
起して粉末相互間の結合強度を向上させ、一
方、h−B(CN)粉末は、c−B(CN)に
変換しながらc−B(CN)粒子間の接触部
のくびれをなくする形で、c−B(CN)粒
子間の接触部で焼結を促進させる方向に作用
することから、c−B(CN)粒子が強固に
結合したc−B(CN)基焼結材料が得られ
るようになるのである。 しかし、B粉末(望ましくは平均粒径3μ
m以下をもつのがよい)の配合量が0.1%未
満では、上記作用に所望の効果が得られず、
一方2%を越えて配合すると、上記のB成分
のもつ作用が強くなり過ぎて所望の特性を確
保することができなくなることから、B粉末
の配合量を0.1〜2%とした。 また、h−B(CN)粉末の配合量が1%
未満でも上記のh−B(CN)粉末によつて
もたらされる作用に所望の効果が得られず、
一方30%を越えて配合すると、相対的にh−
B(CN)粉末の配合量が多くなりすぎて、
h−B(CN)粉末自体が連続した構造をと
りやすくなり、この状態で焼結を行なうと、
体積変化が大きくなるばかりでなく、未変換
のh−B(CN)が残留してc−B(CN)粒
子相互の強固な粒子結合が損なわれるように
なることから、その配合量を1〜30%と定め
た。 (b) c−B(CN)粉末の粒径 一般に、原料粉末の粒径は小さい方が焼結
が進行しやすく、かつ製造された焼結材料に
おいても個々の結晶粒の劈開強度が高いので
靭性に富んだ焼結材料が得られるものであ
り、したがつて、c−B(CN)粉末の粒径
が3μmを越えると、粗い粉末同士でブリツ
ジ(粉末同士が均一に圧縮されない、あるい
は同じく均一に焼結されない結果生ずる棚吊
り現象)を作つて大きな隙間空間ができやす
くなり、この空間内では相対的に圧力が低い
ために均一な焼結の進行が困難になることか
ら、3μmを越えた粒径にしてはならない。
ただし、3μm以下の粒径のc−B(CN)
粉末を80%以上配合してあると、残りに3μ
mを越えた粗粒のc−B(CN)粉末が含ま
れていても、上記のブリツジを組まず、この
結果均一な焼結が行なわれるようになること
から、粒径3μm以下のc−B(CN)粉末
を80%以上配合する必要があるのである。 (c) h−B(CN)粉末の粒径 h−B(CN)粉末の平均粒径がc−B
(CN)粉末の平均粒径より大きいと、混合粉
末中にh−B(CN)粉末が局在しやすくな
ると共に、焼結後においても、焼結材料中に
未変換のh−B(CN)が残存しやすくなる
ことから、h−B(CN)粉末の平均粒径を
c−B(CN)粉末の平均粒径より大きくし
てはならない。 また、h−B(CN)粉末の50%以上が1
μmより大きい粒径をもつようになると、h
−B(CN)粉末とc−B(CN)粉末相互間
に大きな形状的および寸法的差異がなくな
り、c−B(CN)粒子相互のスケルトン形
成頻度が低下するようになつて強固な粒子結
合を確保することができなくなることから、
h−B(CN)粉末の50%以上を1μm以下
の粒径をもつ微粉としなければならない。 (d) 加圧焼結時の温度および圧力 焼結にあたつて、原料混合粉末をまず、h
−B(CN)粉末の安定条件下で、かつc−
B(CN)粉末の安定条件に遠すぎない条件
下におくことにより、c−B(CN)粉末の
表面付近の一部を、h−B(CN)に相変換
しておき、ついでc−B(CN)粉末の安定
条件下で焼結を行なうと、c−B(CN)粒
子同士の強固な接合が得られるようになるの
である。しかし、第1段加圧焼結時に、圧力
が50Kb未満で、温度が1300℃未満では、c
−B(CN)粉末の表面付近部の相変換がほ
とんど生ぜず、一方圧力が100Kbを越えた
り、温度が1800℃を越えて高い場合には焼結
の進行が早くなりすぎて、局部的に焼結が進
行しやすく、この結果一部に焼結完了後もh
−B(CN)が残存したり、粒成長が大きく
なつたりして組織的に不均一になりやすくな
ることから、上記の不都合な温度範囲および
圧力範囲を除いた温度−圧力範囲にしなけれ
ばならない。しかし、上記の不都合な温度−
圧力範囲を除いた温度−圧力範囲には、さら
にh−B(CN)の不安定域を含むので、こ
れをも除いた温度−圧力範囲にしなければな
らない。すなわち、縦軸に圧力P1、横軸に温
度T1を取つた第1図に示すグラフにおい
て、圧力:50Kbで温度:1300℃の点と、圧
力:100Kbで温度:1800℃の点とを結ぶ直線
よりも高温で低圧の側、すなわち、不等式:
T1−10P1>800を満足する温度−圧力範囲、
つまり第1図の斜線を付した範囲の焼結条件
を、第1段加圧焼結において守らなければな
らないのである。 また、第2段加圧焼結時に、圧力が50Kb
未満で、温度が1300℃未満の場合には、h−
B(CN)のc−B(CN)への相変換がほと
んど生ぜず、一方圧力が100Kbを越え、温度
が1800℃を越えた場合には、やはり粒成長が
大きくなつて組織的に不均一になりやすい。
そして、この場合も温度と圧力が上記の不都
合な範囲を除いた範囲内にあつても、c−B
(CN)の安定域からはずれてはいけないの
で、第2図において斜線を付した範囲、すな
わち、1300℃以上の温度で、100Kb以下の圧
力の範囲のうちの、さらに不等式:T2−
10P2≦800の条件を満足する温度−圧力範囲
での焼結を行なう必要がある。 つぎに、この発明を実施例により比較例と対比
しながら具体的に説明する。 原料粉末として、それぞれ第1表に示される粒
径分布を有するc−B(CN)粉末およびh−B
(CN)粉末、さらに平均粒径2μmのB粉末を用
意し、同じく第1表に示される割合にこれらの原
料粉末を配合し、混合した後、この混合粉末より
通常の圧縮条件にて圧粉体を成形し、ついでこれ
らの圧粉体を同じく第1表に示される加圧焼結条
件にて第1段および第2段加圧焼結を行なうこと
によつて本発明焼結材料1〜4および比較焼結材
料1〜6をそれぞれ製造した。 なお、上記比較焼結材料1〜6は、第1表に示
される諸条件のうち、※印の付された条件がこの
発明の範囲から外れた条件で製造したものであ
る。 この結果得られた比較焼結材料1〜6は、いず
れも市配のc−BN基焼結材料によつて容易に引
つかき傷がつくものであり、耐摩耗性の著しく劣
るものであつた。しかも比較焼結材料1〜3には
微量、また比較焼結材料4〜6にはかなり大量の
h−
および靭性を有し、特にこれらの特性が要求され
る高硬度鋼やNi基あるいはCo基スーパーアロイ
などの切削に用いられる切削工具の刃先として、
また同じくダイスやノズルなどの耐摩耗工具とし
て使用するのに適した立方晶炭窒化硼素基焼結材
料の製造法に関するものである。 近年、例えば高速度鋼や、Ni基あるいはCo基
スーパーアロイのような材料の切削には、ダイヤ
モンドと並んで硬度の高い立方晶窒化硼素(以下
c−BNという)を主成分とする焼結材料が切削
工具の刃先として使用されているが、前記c−
BN基焼結材料はダイヤモンドに比して硬さが低
いために、苛酷な条件下での使用に際しては、摩
耗しやすい上に、靭性不足が原因のチツピングを
起し易いという問題点を有している。このc−
BN基焼結材料の靭性不足の原因は、c−BN粒子
と添加含有粒子間での熱膨脹係数の差が大きすぎ
ることによる残留歪、さらに異種粒子間における
著しい濃度変化による焼結性の低下、ひいては粒
子界面強度の低下にあると思われる。 一方、ダイヤモンドは、硬さがc−BN基焼結
材料より硬いものの、これを、例えば上記のよう
な高硬度鋼や、Ni基あるいはCo基スーパーアロ
イの切削に切削工具刃先として使用すると、これ
らの被削材が主として鉄族金属からなるため、非
常に大きな摩耗を生じ、実用的使用に供し得ない
のが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、すぐれた耐摩耗性と靭性とを兼ね備え、かつ
例えば、高速度鋼やNi基あるいはCo基スーパー
アロイなどの切削に切削工具刃先として、またダ
イスやノズルなどの耐摩耗工具として使用した場
合に、すぐれた性能を発揮する材料を得べく、特
に四面体構造を有する窒化硼素(BN)に炭素を
固溶したものからなり、c−BNのもつ化学的安
定性を保持しつつ、c−BNよりも高い硬さを有
する立方晶炭窒化硼素(以下c−B(CN)で示
す)に着目し研究を行なつた結果、 (a) 従来、c−B(CN)粉末は、研摩材として
使用されており、例えば特開昭53−101000号公
報に記載されるような方法、すなわち六方晶系
または無定形の炭窒化硼素化合物を、周期律表
の8族の金属であるCo、Ni、あるいはFeと、
Alとの混合物、またはこれらの合金からなる
溶媒の存在下において、圧力:50Kb(キロバ
ール)以上、温度:1300℃以上の条件で相変態
させる方法によつて製造されているが、これら
の従来方法によつて製造された研摩材用c−B
(CN)粉末を原料粉末として使用して切削工具
刃先や耐摩耗工具などを製造しても、焼結性が
著しく劣ることから、これを実用に供した場合
満足する性能を発揮しないこと。 (b) しかし、上記従来方法におけるような溶媒金
属を使用しない条件下でc−B(CN)粉末を
合成すると、この結果得られたc−B(CN)
粉末は前記溶媒金属などの混入がなく、比較的
純度の高いものとなつており、このような不純
物の少ないc−B(CN)粉末はきわめて良好
な焼結性を有すること。 (c) c−B(CN)粉末は、微粒で結晶性の悪い
ものが良好な焼結性を示すこと。 (d) 微粒で結晶性の悪いc−B(CN)粉末は、
溶媒金属を使用しない条件下で容易に合成でき
ること。 (e) 緻密なc−B(CN)基焼結材料が、c−B
(CN)粉末に、ボロン(以下Bで示す)粉末
と、六方晶炭窒化硼素(以下h−B(CN)で
示す)とを配合したものからなる混合粉末を原
料粉末として使用することによつて得られるこ
と。 (f) 焼結時の加圧、昇温に際して形成されるc−
B(CN)粒子同士のブリツジ部分は、そのま
ま焼結した場合にはブリツジ部でのくびれが成
長しないままの状態で残るので、脆い焼結材料
しか得られないが、c−B(CN)粒子表面
に、h−C(BN)粒子とB粒子とを接触存在
させた状態で焼結を行なうと、前記c−B
(CN)粒子間のブリツジ部での焼結が促進され
て、くびれがなくなることからc−B(CN)
粒子同士の接合が著しく強固になること。以上
(a)〜(f)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、容量%で、 B粉末:0.1〜2%、 h−B(CN)粉末:1〜30%、 c−B(CN)粉末:残り、 からなる配合組成を有し、かつ前記c−B
(CN)粉末の80%以上が粒径3μm以下の微細で
あり、一方前記h−B(CN)粉末は、その平均
粒径が前記c−B(CN)粉末の平均粒径よりも
小さく、しかもその50%以上が粒径1μm以下の
微粉で構成された混合粉末より、通常の条件にて
圧粉体を成形し、ついで前記圧粉体を、温度
(T1):1800℃以下、圧力(P1):50Kb以上にし
て、温度(T1)と圧力(P1)の関係が、T1−10P1
>800を満足する条件下で第1段加圧焼結した
後、さらに引続いて温度(T2):1300℃以上、圧
力(P2):100Kb以下にして、温度(T2)と圧力
(P2)の関係が、T2−10P2≦800を満足する条件下
で第2段加圧焼結を行なうことによつて、 B:0.1〜2%、 c−B(CN)および不可避不純物:残り、 からなる組成を有し、耐摩耗性および靭性にすぐ
れ、かつ特に高速度鋼やNi基あるいはCo基スー
パーアロイなどの被削材の切削工具刃先や、ダイ
スおよびドリルなどの耐摩耗工具などの製造に使
用した場合に著しくすぐれた性能を発揮するc−
B(CN)基焼結材料を製造することに特徴を有
するものである。 なお、この発明のc−B(CN)基焼結材料の
製造に際して、上記の加熱加圧条件下での保持時
間は、c−B(CN)粉末およびh−B(CN)粉
末の安定性を確保する上で10分〜2時間が適当で
ある。 ついで、この発明のc−B(CN)基焼結材料
の製造条件および成分組成を上記の通りに限定し
た理由を説明する。 A 製造条件 (a) B粉末およびh−B(CN)粉末の配合量 この発明にかかる圧粉体においては、c−
B(CN)粉末同士が連続したスケルトン構
造(粉末同士が接触部をもつて形成される骨
組構造)をとり、その微小間隙にB粉末とh
−B(CN)粉末とが入り込んだ状態にある
のがよく、これによつて焼結時に、B粉末は
c−B(CN)粉末およびh−B(CN)粉末
の表面に付着している酸素分を酸化ボロンの
形で除去して、その表面を活性化し、もつて
焼結性の促進をはかると共に、前記両B
(CN)粉末におけるB成分と相互置換反応を
起して粉末相互間の結合強度を向上させ、一
方、h−B(CN)粉末は、c−B(CN)に
変換しながらc−B(CN)粒子間の接触部
のくびれをなくする形で、c−B(CN)粒
子間の接触部で焼結を促進させる方向に作用
することから、c−B(CN)粒子が強固に
結合したc−B(CN)基焼結材料が得られ
るようになるのである。 しかし、B粉末(望ましくは平均粒径3μ
m以下をもつのがよい)の配合量が0.1%未
満では、上記作用に所望の効果が得られず、
一方2%を越えて配合すると、上記のB成分
のもつ作用が強くなり過ぎて所望の特性を確
保することができなくなることから、B粉末
の配合量を0.1〜2%とした。 また、h−B(CN)粉末の配合量が1%
未満でも上記のh−B(CN)粉末によつて
もたらされる作用に所望の効果が得られず、
一方30%を越えて配合すると、相対的にh−
B(CN)粉末の配合量が多くなりすぎて、
h−B(CN)粉末自体が連続した構造をと
りやすくなり、この状態で焼結を行なうと、
体積変化が大きくなるばかりでなく、未変換
のh−B(CN)が残留してc−B(CN)粒
子相互の強固な粒子結合が損なわれるように
なることから、その配合量を1〜30%と定め
た。 (b) c−B(CN)粉末の粒径 一般に、原料粉末の粒径は小さい方が焼結
が進行しやすく、かつ製造された焼結材料に
おいても個々の結晶粒の劈開強度が高いので
靭性に富んだ焼結材料が得られるものであ
り、したがつて、c−B(CN)粉末の粒径
が3μmを越えると、粗い粉末同士でブリツ
ジ(粉末同士が均一に圧縮されない、あるい
は同じく均一に焼結されない結果生ずる棚吊
り現象)を作つて大きな隙間空間ができやす
くなり、この空間内では相対的に圧力が低い
ために均一な焼結の進行が困難になることか
ら、3μmを越えた粒径にしてはならない。
ただし、3μm以下の粒径のc−B(CN)
粉末を80%以上配合してあると、残りに3μ
mを越えた粗粒のc−B(CN)粉末が含ま
れていても、上記のブリツジを組まず、この
結果均一な焼結が行なわれるようになること
から、粒径3μm以下のc−B(CN)粉末
を80%以上配合する必要があるのである。 (c) h−B(CN)粉末の粒径 h−B(CN)粉末の平均粒径がc−B
(CN)粉末の平均粒径より大きいと、混合粉
末中にh−B(CN)粉末が局在しやすくな
ると共に、焼結後においても、焼結材料中に
未変換のh−B(CN)が残存しやすくなる
ことから、h−B(CN)粉末の平均粒径を
c−B(CN)粉末の平均粒径より大きくし
てはならない。 また、h−B(CN)粉末の50%以上が1
μmより大きい粒径をもつようになると、h
−B(CN)粉末とc−B(CN)粉末相互間
に大きな形状的および寸法的差異がなくな
り、c−B(CN)粒子相互のスケルトン形
成頻度が低下するようになつて強固な粒子結
合を確保することができなくなることから、
h−B(CN)粉末の50%以上を1μm以下
の粒径をもつ微粉としなければならない。 (d) 加圧焼結時の温度および圧力 焼結にあたつて、原料混合粉末をまず、h
−B(CN)粉末の安定条件下で、かつc−
B(CN)粉末の安定条件に遠すぎない条件
下におくことにより、c−B(CN)粉末の
表面付近の一部を、h−B(CN)に相変換
しておき、ついでc−B(CN)粉末の安定
条件下で焼結を行なうと、c−B(CN)粒
子同士の強固な接合が得られるようになるの
である。しかし、第1段加圧焼結時に、圧力
が50Kb未満で、温度が1300℃未満では、c
−B(CN)粉末の表面付近部の相変換がほ
とんど生ぜず、一方圧力が100Kbを越えた
り、温度が1800℃を越えて高い場合には焼結
の進行が早くなりすぎて、局部的に焼結が進
行しやすく、この結果一部に焼結完了後もh
−B(CN)が残存したり、粒成長が大きく
なつたりして組織的に不均一になりやすくな
ることから、上記の不都合な温度範囲および
圧力範囲を除いた温度−圧力範囲にしなけれ
ばならない。しかし、上記の不都合な温度−
圧力範囲を除いた温度−圧力範囲には、さら
にh−B(CN)の不安定域を含むので、こ
れをも除いた温度−圧力範囲にしなければな
らない。すなわち、縦軸に圧力P1、横軸に温
度T1を取つた第1図に示すグラフにおい
て、圧力:50Kbで温度:1300℃の点と、圧
力:100Kbで温度:1800℃の点とを結ぶ直線
よりも高温で低圧の側、すなわち、不等式:
T1−10P1>800を満足する温度−圧力範囲、
つまり第1図の斜線を付した範囲の焼結条件
を、第1段加圧焼結において守らなければな
らないのである。 また、第2段加圧焼結時に、圧力が50Kb
未満で、温度が1300℃未満の場合には、h−
B(CN)のc−B(CN)への相変換がほと
んど生ぜず、一方圧力が100Kbを越え、温度
が1800℃を越えた場合には、やはり粒成長が
大きくなつて組織的に不均一になりやすい。
そして、この場合も温度と圧力が上記の不都
合な範囲を除いた範囲内にあつても、c−B
(CN)の安定域からはずれてはいけないの
で、第2図において斜線を付した範囲、すな
わち、1300℃以上の温度で、100Kb以下の圧
力の範囲のうちの、さらに不等式:T2−
10P2≦800の条件を満足する温度−圧力範囲
での焼結を行なう必要がある。 つぎに、この発明を実施例により比較例と対比
しながら具体的に説明する。 原料粉末として、それぞれ第1表に示される粒
径分布を有するc−B(CN)粉末およびh−B
(CN)粉末、さらに平均粒径2μmのB粉末を用
意し、同じく第1表に示される割合にこれらの原
料粉末を配合し、混合した後、この混合粉末より
通常の圧縮条件にて圧粉体を成形し、ついでこれ
らの圧粉体を同じく第1表に示される加圧焼結条
件にて第1段および第2段加圧焼結を行なうこと
によつて本発明焼結材料1〜4および比較焼結材
料1〜6をそれぞれ製造した。 なお、上記比較焼結材料1〜6は、第1表に示
される諸条件のうち、※印の付された条件がこの
発明の範囲から外れた条件で製造したものであ
る。 この結果得られた比較焼結材料1〜6は、いず
れも市配のc−BN基焼結材料によつて容易に引
つかき傷がつくものであり、耐摩耗性の著しく劣
るものであつた。しかも比較焼結材料1〜3には
微量、また比較焼結材料4〜6にはかなり大量の
h−
【表】
B(CN)がそれぞれ観察された。
これに対して、上記本発明焼結材料1〜4は、
いずれも実質的に配合量と同じ含有量のB成分
と、c−B(CN)および不可避不純物からな
り、市販のc−BN基焼結材料でこすつても全く
傷のつかないものであつた。 つぎに、上記本発明焼結材料1、3から切刃を
切出し、炭化タングステン基超硬材料製台金上に
ろう付けし、研削加工を施すことによつて本発明
焼結材料1、3を刃先として使用した切削工具
A,Bを製造した。 この切削工具A,Bと、市販のc−BN基焼結
材料より同一の条件で製造した従来切削工具とを
用いて、Co基スーパーアロイであるヘインズア
ロイステライトNo.6の切削を行なつたところ、従
来切削工具は400個の加工数で寿命に達したのに
対して、上記切削工具Aは1800個、上記切削工具
Bは2700個でそれぞれ寿命に至るものであつた。 上述のように、この発明によれば、高硬度を有
し、かつ耐摩耗性および靭性にすぐれたc−B
(CN)基焼結材料を製造することができ、しかも
このc−B(CN)基焼結材料を、例えば高速度
鋼やNi基あるいはCo基スーパーアロイなどの切
削に切削工具切刃として、さらにダイスやノズル
などの耐摩耗工具の製造に使用した場合に、著し
くすぐれた性能を発揮するなど工業上有用な効果
がもたらされるのである。
いずれも実質的に配合量と同じ含有量のB成分
と、c−B(CN)および不可避不純物からな
り、市販のc−BN基焼結材料でこすつても全く
傷のつかないものであつた。 つぎに、上記本発明焼結材料1、3から切刃を
切出し、炭化タングステン基超硬材料製台金上に
ろう付けし、研削加工を施すことによつて本発明
焼結材料1、3を刃先として使用した切削工具
A,Bを製造した。 この切削工具A,Bと、市販のc−BN基焼結
材料より同一の条件で製造した従来切削工具とを
用いて、Co基スーパーアロイであるヘインズア
ロイステライトNo.6の切削を行なつたところ、従
来切削工具は400個の加工数で寿命に達したのに
対して、上記切削工具Aは1800個、上記切削工具
Bは2700個でそれぞれ寿命に至るものであつた。 上述のように、この発明によれば、高硬度を有
し、かつ耐摩耗性および靭性にすぐれたc−B
(CN)基焼結材料を製造することができ、しかも
このc−B(CN)基焼結材料を、例えば高速度
鋼やNi基あるいはCo基スーパーアロイなどの切
削に切削工具切刃として、さらにダイスやノズル
などの耐摩耗工具の製造に使用した場合に、著し
くすぐれた性能を発揮するなど工業上有用な効果
がもたらされるのである。
第1図および第2図は第1段および第2段加圧
焼結条件に関して、この発明の範囲を示すグラフ
である。
焼結条件に関して、この発明の範囲を示すグラフ
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ボロン粉末:0.1〜2容量%、 六方晶炭窒化硼素粉末:1〜30容量%、 立方晶炭窒化硼素粉末:残り、 からなる配合組成を有し、かつ前記立方晶炭窒化
硼素粉末の80容量%以上が粒径3μm以下の微粉
であり、一方前記六方晶炭窒化硼素粉末は、その
平均粒径が前記立方晶炭窒化硼素粉末の平均粒径
よりも小さく、しかもその50容量%以上が粒径1
μm以下の微粉で構成された混合粉末より、通常
の成形条件にて圧粉体を成形し、ついで前記圧粉
体を、温度(T1):1800℃以下、圧力(P1):50
キロバール以上にして、温度(T1)と圧力(P1)
の関係が、T1−10P1>800を満足する条件にて第
1段加圧焼結した後、引続いて、温度(T2):
1300℃以上、圧力(P2):100キロバール以下にし
て、しかも温度(T2)と圧力(P2)の関係が、T2
−10P2≦800を満足する条件にて第2段加圧焼結
を施すことを特徴とする靭性および耐摩耗性を具
備した立方晶炭窒化硼素基焼結材料の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3206480A JPS56129669A (en) | 1980-03-13 | 1980-03-13 | Tenacious antiabrasive cubic boron carbonitride base sintered material and manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3206480A JPS56129669A (en) | 1980-03-13 | 1980-03-13 | Tenacious antiabrasive cubic boron carbonitride base sintered material and manufacture |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56129669A JPS56129669A (en) | 1981-10-09 |
JPS6228111B2 true JPS6228111B2 (ja) | 1987-06-18 |
Family
ID=12348445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3206480A Granted JPS56129669A (en) | 1980-03-13 | 1980-03-13 | Tenacious antiabrasive cubic boron carbonitride base sintered material and manufacture |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56129669A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01144812U (ja) * | 1988-03-29 | 1989-10-04 |
-
1980
- 1980-03-13 JP JP3206480A patent/JPS56129669A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01144812U (ja) * | 1988-03-29 | 1989-10-04 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56129669A (en) | 1981-10-09 |
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