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JPS6152106B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6152106B2
JPS6152106B2 JP55071465A JP7146580A JPS6152106B2 JP S6152106 B2 JPS6152106 B2 JP S6152106B2 JP 55071465 A JP55071465 A JP 55071465A JP 7146580 A JP7146580 A JP 7146580A JP S6152106 B2 JPS6152106 B2 JP S6152106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
sintered body
weight
sintering
boron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55071465A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS56169181A (en
Inventor
Akira Enomoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP7146580A priority Critical patent/JPS56169181A/ja
Publication of JPS56169181A publication Critical patent/JPS56169181A/ja
Publication of JPS6152106B2 publication Critical patent/JPS6152106B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高密度でかつ高強度の炭化珪素焼結
体の製造方法に関するものである。 炭化珪素は、極めて優れた化学的および物理的
性質を有しているので、特にガスタービン部品、
高温熱交換器のような苛酷な条件下で使用される
高温構造物の如き用途に対して好適な材料であ
る。 従来炭化珪素は反応焼結法あるいは加圧焼結法
によつて焼結体とされている。前者すなわち反応
焼結法による焼結体はその製法上必ず遊離の珪素
を含有するため1400℃以上の高温域で使用するこ
とが極めて困難である欠点を有し、一方後者の加
圧焼結法は複雑な形状の焼結体を得ることが極め
て困難である欠点を有していた。 ところで、炭化珪素は難焼結性の材料であるた
め、酸化物セラミツクスの製造で一般的に行なわ
れている無加圧焼結法すなわち常温で成形し、無
加圧下で焼結する方法はこれまで困難とされてい
た。しかしながら、最近になつて炭化珪素、ホウ
素含有添加剤および炭素質添加剤から成る1ミク
ロン以下すなわちサブミクロン粒度の混合粉末を
成形し、約1900〜2500℃の温度範囲内において、
不活性雰囲気中で焼結する無加圧焼結方法が種々
報告されている。 例えば、特開昭50−78609号公報記載の発明に
よれば炭化珪素をホウ素含有添加剤(0.3〜3.0重
量%B)および炭素含有添加剤(0.1〜1.0重量%
℃)と混合成形し、次にこの成形体を不活性雰囲
気中で1900〜2100℃の温度において無加圧焼結
し、少なくとも理論密度の85%を有する炭化珪素
焼結体を得る方法が開示されている。また同公報
第66頁左上欄には「95%以上の高密度を達成する
には、焼成は窒素あるいは窒素と希ガスの混合物
中で為されねばならない」ことが開示されてい
る。しかしながら上記高密度焼結体中には窒素が
固溶されるという欠点があるばかりでなく、窒素
雰囲気中で焼成する場合には焼成温度を高くする
か、あるいは減圧するかの何れかによらなければ
ならず、焼成温度を高くすることは設備上ならび
に経済上のコスト高を招き、一方減圧することは
SiCの揮発損失を招くという欠点がある。 特開昭52−6716号公報記載の発明は前記特開昭
50−78609号公報記載の発明の改良に係り、原料
としてβ型炭化珪素に対して0.05〜5重量%のα
型炭化珪素を使用することによつて焼結温度範囲
をより拡大しても粒子成長を抑制することができ
る点ならびに製造される焼結体は実質上0℃以下
から2300℃以上の温度範囲において、形状および
機械的性質が変わらない特性を有する点におい
て、その特徴が開示されており、また同公報第95
頁右下欄には「生成形体の焼結は実質的に不活性
な雰囲気、すなわち、その物性に対してなんら劣
化させる影響の認められない雰囲気、例えばアル
ゴン、ヘリウムあるいは真空中で行う。焼結中に
おける雰囲気の圧力は、実質的に真空から大気圧
までの範囲が可能である。」ことが開示されてお
り、さらに製造される焼結体はα型炭化珪素を70
重量%以上含有することが記載されている。 特開昭51−148712号公報記載の発明によれば炭
化珪素をホウ素含有添加剤と炭化可能な有機材料
および一時結合剤とを混合成形し、次にこの成形
体を少なくとも2.40g/c.c.すなわち相対理論密度
率約75%の密度を与えるような時間、温度および
環境において焼成する方法が開示されている。ま
た同公報第82頁左下欄には「本発明の方法は、実
質的な量の相の転移を全く与えることがなく、そ
れ故、出発材料中の炭化珪素の結晶性は、最終的
な焼結セラミツク体の結晶性と本質的に同じ割合
にある。」ことが開示されている。 特開昭53−84013号公報記載の発明によれば、
炭化珪素焼結体を製造する出発原料として、約5
〜100重量%のα−結晶相の炭化珪素を含有する
炭化珪素粉末組成物が開示されている。また同公
報第102項左上欄には「本発明の粉末を使用する
と、炭化珪素が主として(50%より大)α−炭化
珪素の形態である適当な組成物を生成できる。」
と開示されている。 本発明は、従来知られた前記諸公報記載の炭化
珪素無加圧焼結法をさらに改良した方法を提供す
ることを目的とするものである。 本発明によれば、炭化珪素微粉とホウ素含有添
加剤と炭素質添加剤とを混合し成形した後無加圧
焼結する炭化珪素焼結体の製造方法において、 β型結晶の炭化珪素85重量%以上と残部が2H
型結晶の炭化珪素から実質的になる炭化珪素微粉
100重量部とホウ素含有量に換算して0.1〜3.0重
量部のホウ素含有添加剤と固定炭素含有量に換算
して1.0重量部を越え4.0重量部以下の炭素質添加
剤とを均質混合する第1工程; 前記均質混合物を任意の生成形体に成形する第
2工程; 前記生成形体をアルゴン、ヘリウム、ネオン、
クリプトン、キセノン、水素のなかから選択され
るいずれか少なくとも1種からなるガス雰囲気中
で2050〜2200℃で焼結する第3工程; 上記第1〜3工程の組合せからなりβ型結晶を
50〜85重量%、残留遊離炭素を1.0重量%を越え
3.0重量%以下含有し、3.0g/cm3以上の密度を有
する高強度炭化珪素焼結体の製造方法によつて前
記目的を達成することができる。 次に本発明を詳細に説明する。 炭化珪素はその結晶型が多数知られており、従
来六方晶形のα型と立方晶形のβ型との2種類に
大別されている。前者α型には高温例えば2000℃
以上でも安定な4H、6H型等の高温安定タイプ炭
化珪素と1500℃以下で安定な2H型炭化珪素とが
知られている。一方後者β型はほぼ2000℃位まで
は安定な3C型であることが知られている。 前記従来知られた先行例記載の発明の焼結体は
高温安定タイプα型炭化珪素を少なくとも50%以
上含有し、残部がβ型炭化珪素よりなるものであ
るのに対し、本発明の対象とする焼結体はβ型炭
化珪素を50〜85重量%含有し、かつ残部は主とし
て高温安定タイプα型炭化珪素よりなる焼結体で
ある。 ところで、従来β型炭化珪素は学術的には試料
として化学気相反応沈積法で製造されたものが用
いられているが、工業的には非常に高価であるた
め実用されたことはなかつた。本発明者等はβ型
炭化珪素の工業的製造方法ならびに装置を発明し
て初めてβ型炭化珪素の世界市場への販売に成功
している。したがつてβ型炭化珪素を50重量%以
上含有する焼結体の工業的生産は本発明によつて
初めて実現されたのである。 従来、無加圧焼結法によれば、炭化珪素粉末に
炭素およびホウ素を混合し焼結して焼結体が製造
されている。前記炭素が添加される理由は、炭化
珪素粒子は室温で常にシリカ膜で被覆されてお
り、このシリカ膜のため炭化珪素の自己焼結が阻
害されるので、前記シリカ膜を炭素によつて高温
で還元除去して炭化珪素の自己焼結性を高めるた
めである。その際炭素の添加量は炭化珪素微粉の
例えば表面を覆つているシリカ膜等に含有されて
いる酸素量によつて決められ、通常炭化珪素に対
して0.1〜1.0重量%と微量の添加量で充分である
とされていた。 また、従来、炭化珪素の無加圧焼結法では出発
原料としてα型炭化珪素を使用すると比較的高密
度の焼結体を安定して得易いことが種々報告され
ているが、α型炭化珪素は焼結に際して結晶型の
変態転移を伴なわず、焼結速度が遅いため、α型
炭化珪素を出発原料として高密度の焼結体を得よ
うとすると焼結温度を高めて焼結する必要があ
る。さらに、α型炭化珪素を出発原料として得ら
れる焼結体は異方性のない擬球状の比較的粗大な
結晶粒よりなる構造となるため高強度の焼結体を
得ることは困難であつた。一方、β型結晶を主体
とする炭化珪素を出発原料とする場合には焼結に
際してβ型結晶がα型化し易く、高密度化が困難
であつたため、先にも述べた如く、焼結に際して
雰囲気を窒素ガス雰囲気に保持したり、出発原料
中に0.05〜5重量%のα型炭化珪素微粉を添加す
ることが必要であるとされていた。 本発明者は、焼結性の極めて良好なβ型結晶を
主体とする炭化珪素微粉を出発原料として使用す
ることにより、焼結が開始される際に炭化珪素微
細粒子の相互の接触部に生起する焼結開始結合点
すなわちネツクを均一に発生させることができ
た。さらに、従来炭化珪素微粉の酸素含有量に対
応して必要とされるよりも過剰な量の炭素を添加
すると炭素が炭化珪素焼結体内に遊離炭素の形態
で残存して焼結体の物性特に強度を劣化させると
考えられていた。しかし本発明によれば炭素質添
加剤を炭化珪素微粉の酸素含有量によつて必要と
される量よりも過剰に添加し、積極的に炭化珪素
焼結体内に遊離炭素の形態で含有させることによ
つてβ型結晶のα型結晶への相変態を適正化し、
かつβ型結晶のα型化に伴う粗大な板状結晶が生
成されることを防止し、高密度で均一な微細構造
を有し、かつ高強度の焼結体を得ることのできる
ことを知見した。 本発明によれば、前記第1工程における均質混
合物は固定炭素含有量に換算して1.0重量部を越
え4.0重量部以下の炭素質添加剤を含有すること
が必要である。前記炭素質添加剤の混合量を固定
炭素含有量に換算して1.0重量部を越え4.0重量部
以下に限定する理由は、前記混合量が1.0重量部
以下の場合には炭素質添加剤の大部分が酸素によ
つて消費されるためβ型結晶のα型化を抑制する
作用が充分に発揮されず、α型化に伴つてα型結
晶の粗大な板状結晶が生成し、焼成収縮を妨害す
るため高密度でかつ均一な微細構造を有する焼結
体を得ることが困難であり、一方、4.0重量部よ
りも多いと炭化珪素粉末粒子間に過剰の炭素が存
在し、焼結を著しく阻害するため、高密度の焼結
体を得ることが困難となるばかりでなく、焼結体
内の介在物相が増加し、焼結体の物性特に強度を
著しく低下させるからである。 前記炭素質添加剤は炭化珪素微粉に含有される
酸素を除去し、かつ炭化珪素粒子間に介在してβ
型結晶のα型結晶への相変態を抑制させるために
用いられる。したがつて炭素質添加剤は少なくと
も酸素含有量にみあう量すなわち酸素を還元する
ことのできる量を、さらに炭化珪素粒子間に均一
に介在するに充分な量を添加することが有利であ
り、前記第1工程における炭素質添加剤の混合量
(X重量部)は炭化珪素微粉の比表面積(Vm2/
g)と炭化珪素微粉の酸素含有率(A重量%)と
炭素質添加剤の固定炭素含量率(B重量%)の関
係式(1)から導かれる量とすることが好ましい。 5.5V+70A/B≦X≦15V+150A/
B……(1) 前記炭素質添加剤の混合量を前記式(1)から導か
れる量とすることが好ましい理由は、前記混合量
が前記式(1)から導かれる量よりも少ないと炭素は
炭化珪素粒子間に均一に介在することが困難でβ
型結晶のα型化を抑制する作用が充分に発揮され
ず、α型化に伴つてα型炭化珪素の粗大な板状結
晶が生成し、焼結収縮を妨害するため高密度でか
つ均一な微細構造を有する高強度の焼結体を得る
ことが困難であり、一方前記式(1)から導かれる量
よりも多いと炭化珪素粒子間に過剰の炭素が存在
し、介在物相として焼結体内に大量に残存するた
め高強度の焼結体を得ることができないからであ
る。 なお、前述の如く焼結体内に遊離炭素を含有さ
せることによつて焼結時におけるβ型結晶のα型
結晶への相変態を抑制する機構はおそらく微細な
炭素粒子を炭化珪素粒子表面に介在させることに
よつてSiCの拡散が抑制されるとともにSiCの熱
分解によるシリコン蒸気の発生も抑制されること
によるものと推察される。 前記炭素質添加剤は第3工程における焼結開始
時に少なくとも100m2/gの比表面積を有すること
が好ましい。その理由は前記焼結開始時における
比表面積が100m2/gよりも小さいとβ型結晶のα
型化を抑制する作用が弱いため、充分に抑制作用
を発揮させるには大量に添加しなければならず、
焼結体中の介在物相を増加させる結果となり高強
度の焼結体を得難いからである。 前記炭素質添加剤としては、焼結開始時に炭素
の状態で存在するものであれば使用することがで
き、例えばフエノール樹脂、リグニンスルホン酸
塩、ポリビニルアルコール、コンスターチ、糖
蜜、コールタールピツチ、アルギン酸塩のような
各種有機物質あるいはカーボンブラツク、アセチ
レンブラツクのような熱分解炭素を有利に使用る
ことができる。 本発明によれば、出発原料である炭化珪素微粉
は均一な微細構造を有し高密度でかつ高強度の焼
結体を得るためにβ型結晶の炭化珪素85重量%以
上と残部が2H型結晶の炭化珪素から実質的にな
ることが必要であり、比表面積は15〜35m2/gの
範囲内、酸素含有率は0.1〜1.0重量%の範囲内で
あることが好ましい。 前記炭化珪素微粉がβ型結晶の炭化珪素85重量
%以上と残部が2H型結晶の炭化珪素から実質的
になることが必要な理由は、通常β型結晶を主体
とする炭化珪素に混じつて存在する結晶はβ型結
晶より低温域で安定な2H型結晶あるいはβ型結
晶より高温域で安定な4H、6H型等のα型結晶で
ある。前記2H型炭化珪素は通常の焼結反応の生
じる温度域において極めて不安定であり、焼結に
際して異常粒成長の原因となり易く、2H型炭化
珪素を15%以上含有すると焼結温度等の焼結条件
の最適範囲が極めて狭くなる欠点があるし、また
高温安定タイプα型炭化珪素を含有すると焼結中
にβ型結晶からα型結晶への相変態が促進される
ため本発明の目的とするβ型結晶を50〜85重量%
含有する焼結体を得ることが困難である。したが
つて、本発明の目的とする高密度で均一な微細構
造を有し、かつ高強度の焼結体を得るにはβ型結
晶の炭化珪素85重量%以上と残部が2H型結晶の
炭化珪素から実質的になることが必要であり、な
かでもβ型結晶の炭化珪素90重量%以上の炭化珪
素がより好適である。 前記炭化珪素微粉の比表面積は15〜35m2/gの
範囲内にあることが好ましい。その理由は、前記
比表面積が15m2/gより小さい炭化珪素を出発原
料とすると、焼結初期に形成されるネツクの発生
箇所が少なくて焼結時における収縮が不均一とな
るため、本発明の目的とする高い密度と強度とを
有する焼結体を得ることが困難であり、一方35
m2/gより大きな比表面積を有する炭化珪素微粉
はネツクの発生箇所も多く焼結性にも優れている
と考えられるがこのような炭化珪素微粉は入手す
ることが困難で例え入手できたとしても極めて高
価となり実用的でないからである。 本発明において使用される炭化珪素微粉に含有
される酸素量は0.1〜1.0重量%の範囲内とするこ
とが好ましい。その理由は、前記炭化珪素微粉に
含有される酸素は焼結時に炭素と反応し、次式に
示される如き機構で除去される。 SiO2+C→SiO+CO ……(2) SiO+2C→SiC+CO ……(3) したがつて、前記酸素が1.0重量%よりも多量
に存在すると炭素質添加剤を多量に使用しなけれ
ばならないばかりでなく、COガスが大量に発生
するため焼結時にガス抜きの必要が生じる等焼結
が困難になるばかりでなく、また高密度の焼結体
を得ることが困難になるからである。一方前記酸
素量が0.1重量%よりも少ない炭化珪素微粉は例
えば弗酸と硝酸の混酸で処理することによつて得
ることができるが、このようにして得た高純度の
炭化珪素微粉は極めて活性であり、空気雰囲気中
で乾燥したりすると常温でも容易に酸化してしま
うため、酸素量を低く維持するには酸処理後の雰
囲気を非酸化性に保持したりしなければならず実
用的でないからである。 β型炭化珪素は、金属シリコンと炭素粉末の混
合物を加熱する方法、ハロゲン化珪素と炭化水素
のような混合ガスを気相反応させる方法によつて
製造されることが知られているが、これらの方法
によつて製造されるβ型炭化珪素はコストが非常
に高くて実用的でない。 本発明において使用するβ型炭化珪素は、本発
明者等が特開昭52−142697号公報に開示し、また
米国特許第4162167号で登録されたシリカ粉末と
炭素粉末とを出発原料とする方法により製造され
るものであり、この方法により製造された炭化珪
素は炭化珪素焼結体の出発原料として初めて経済
的に使用することのできるものである。すなわ
ち、前記特開昭52−142697号公報に記載の方法
は、シリカと炭素とをC/SiO2モル比で3.2〜5.0
の範囲内に配合した原料を予熱帯、加熱帯および
冷却帯を有する反応容器の上部より予熱帯に装入
し、前記装入された原料を前記反応容器の予熱帯
内を連続的あるいは間歇的に自重降下させつつ加
熱帯に至らせ、前記加熱帯内で水平方向に間接電
気加熱して1650〜2100℃の温度範囲内で加熱帯に
おける充填幅(lcm)を10〜28cmの範囲内とな
し、かつ加熱帯における装入物の降下速度(V
m/hr)を充填幅の下記関係式で示す範囲内で降
下させて、SiC化反応を行なわせ、次いで反応生
成物を冷却帯に降下させ非酸化性雰囲気下で冷却
後、前記反応容器の冷却帯下部より連続的あるい
は間歇的に生成物を排出することにより、得られ
た生成物中の炭化珪素をα型炭化珪素の含有率が
10%以下のβ型炭化珪素となし、当該β型炭化珪
素の平均粒径を15μ以下となし、更に生成物中の
炭化珪素、シリカ、遊離炭素の成分比を重量%
で、添付図面第1図に示すように点A(SiC66.0
%、SiO217.5%、F.C.16.5%)、点B(SiC51.5
%、SiO28.0%、F.C.40.5%)、点C(SiC59.5
%、SiO22.0%、F.C.38.5%)、点D(SiC88.5
%、SiO2、2.5%、F.C.9.0%)で囲まれた範囲内
にしたことを特徴とする主としてβ型結晶よりな
る炭化珪素の製造方法。 3.9×10-3l2−0.21l+3.1≦U≦5.1 ×10-3l2−0.31l+6.0 により製造されるものである。 本発明の均質混合物はホウ素含有量に換算して
0.1〜3.0重量部のホウ素含有添加剤を含有するこ
とが必要である。本発明においてホウ素含有添加
剤を添加する理由は、焼結に際してホウ素を共存
させることによつて、炭化珪素粒子表面に粘着層
を形成しネツク形成時に接着作用を発揮させるこ
とにあり、全体的に均一な焼結収縮を起こさせる
ことである。またホウ素に相当するホウ素含有添
加剤の含有量を0.1〜3.0重量部にする理由は0.1重
量部より少ないとネツク形成時の接着作用が充分
でなく、3.0重量部より多いと焼結体内に残留す
るホウ素が焼結体表面のシリカ層の融点を低下さ
せて焼結体の耐酸化性を劣化させるからである。
前記ホウ素含有添加剤としては、例えばホウ素、
炭化ホウ素、窒化ホウ素、ホウ化アルミニウム、
リン化ホウ素を使用することができ、特にホウ
素、炭化ホウ素あるいはそれらの混合物から選択
されるいずれか少なくとも1種を用いることが好
ましい。 前記ホウ素含有添加剤は少なくとも20m2/gの
比表面積を有することが好ましい。その理由は比
表面積が20m2/gより小さいホウ素含有添加剤は
各粒子の粒径が比較的大きく生成形体中にホウ素
が偏在するため焼結収縮が不均一となり、高密度
で均一な微細構造を有する焼結体が得られ難いか
らであり、特に30〜50m2/gの比表面積を有する
ものが好適である。 本発明の第3工程において生成形体はアルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、
水素のなかから選択されるいずれか少なくとも1
種からなるガス雰囲気中で焼結されることが必要
である。本発明の第3工程における焼結時には先
にも記載した如く、前記式(2)、(3)に従つてCOガ
スが発生する。前記COガスが多量に存在すると
前記式(2)の反応が抑制され炭化珪素表面のシリカ
膜除去が不充分となり、充分な焼結収縮が得られ
ないし、シリカ膜が残存すると炭化珪素焼結体内
で介在相を形成し焼結体の物性特に機械的強度を
劣化させるため、COガスを炉内より除去しなけ
ればならない。従つて本発明によれば炉内を前記
ガス気流雰囲気とすることが有利であり、前記ガ
スはアルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、
キセノン、水素から選択される何れか少なくとも
1種からなることが必要である。なお前記焼結時
の炉内雰囲気中のCOガス分圧は10KPa以下に維
持することが好ましい。 また、前記COガスは炉内を減圧することによ
つて除去する方法も考えられるが、本発明によれ
ば炉内圧は50K〜120KPaの範囲内に維持するこ
とが好ましい。その理由は焼結時の炉内圧を
50KPaよりも低くすると炭化珪素の揮発分が増加
したり、焼結体表面に形成される黒皮の層が厚く
なるため研削仕上げ代が大きくなる等の欠点を有
するし、一方120KPaよりも高くすると焼結体内
に気孔が残留し易くなり、高密度の焼結体を得難
いからである。 本発明の第3工程において前記生成形体を最高
温度が2050〜2200℃の範囲内で焼成することが必
要である。その理由は焼結温度が2050℃より低い
と本発明の3.0g/cm3以上の密度を有する焼結体を
得ることが困難で、逆に2200℃より高い温度では
結晶粒の成長が著しく、焼結体の物性例えば機械
的強度が低下するからであり、特に均一な微細構
造でかつ高強度の焼結体を得る上では2100〜2150
℃の温度範囲内で焼結することがより好ましい。
前記2050〜2200℃の温度範囲内における焼結時間
は、主として所望する微細構造と密度によつて決
まり、一般的には低温度で長時間かけて焼成した
方が均一で微細な構造を有する焼結体を得易く、
3.0g/cm3以上の密度となすには、前記2050〜2200
℃の温度範囲内で少なくとも10分間焼結すること
が最も好適である。 本発明の第3工程の焼結温度に至る昇温過程の
うち1550〜1700℃の温度範囲内は少なくとも20分
間かけて昇温することが好ましい。その理由は前
記温度範囲内において炭化珪素微粉を被覆してい
るところのシリカ膜の除去反応および炭化珪素微
粉の各接触部においてネツクの生成反応が開始す
るため、前記反応が生成形体内で均一に進行し始
めるまで前記温度範囲内に維持することが好まし
く、前記温度範囲内を少なくとも20分間かけて昇
温することによつて前記目的を達成でき、均一な
微細構造でかつ高密度の焼結体を得ることができ
るからである。また前記昇温過程のうち1550〜
1700℃の温度範囲内において少なくとも20分間
COガス分圧を1Kpa以下に維持することが好まし
い。焼結時におけるCOガスの挙動は先に述べた
如くであるが、前記温度範囲内では特に前記シリ
カ膜の除去反応を速やかに進行させてネツクの生
成反応を均一に発生させることが重要であり、前
記温度範囲において少なくとも20分間COガス分
圧を1KPaより低く維持することにより前記目的
を達成できるからである。 前記焼結体を焼結する焼結炉としては、従来公
知の焼結温度と雰囲気を制御し得る各種の高温
炉、例えば黒鉛製の炉心管と発熱体を具備したタ
ンマン炉のような炉を使用することができる。 本発明方法によつて得られる焼結体はβ型結晶
を50〜85重量%、残留遊離炭素を1.0重量%を越
え3.0重量%以下含有することが必要である。 前記焼結体に含有されるβ型結晶を50〜85重量
%に限定する理由は、前記β型結晶の含有率を50
重量%より少なくすると、β型結晶のα型化に伴
つて変形応力の集中し易いα型結晶よりなる粗大
な板状結晶が多量に生成するため機械的強度が低
くなるし、一方85重量%よりも多く残存させると
結晶の成長が不充分で収縮率が低く高密度の焼結
体を得難いからであり、β型結晶を70〜80重量%
の範囲内で含有させることが最も好適である。 また前記焼結体に含有される残留遊離炭素を
1.0重量%を越え3.0重量%以下に限定する理由
は、前記残留遊離炭素の含有率が1.0重量%以下
の場合にはβ型結晶のα型化を制御する効果が不
充分なためβ型結晶のα型結晶への相変態が極め
て急速に進行し、α型結晶の粗大な板状結晶が生
成するため焼結体の強度が低下するし、一方3.0
重量%より多い場合には焼結体内の介在物相が増
加するため焼結体の強度が低下するからである。 以上、本発明について詳細に述べたが、さらに
本発明の特徴を前述の先行例に記載の発明と比較
して次に説明する。 特開昭50−78609号公報記載の発明によれば、
炭素質添加剤が固定炭素含有量に換算して0.1〜
1.0%添加されており、また本発明の焼結体と同
等のものあるいはそれに近いものを製造する際の
焼結雰囲気として窒素雰囲気を用いることをを必
須とすることが同公報第66頁左上欄に記載されて
いる。これに対し、本発明によれば、固定炭素含
有量に換算して実質的に1.0%を上まわり3.0%以
下の炭素質添加剤を使用する点、ならびに焼結雰
囲気は窒素以外のアルゴン、ヘリウム、ネオン、
クリプトン、キセノン、水素のなかから選ばれる
いずれか少なくとも1種を用いる点において大き
く異なつている。なお、本発明によれば、固定炭
素を比較的多量に用いる理由は前述した如く、β
型結晶のα型結晶への変態を抑制することを目的
とするものであり、かかる場合に窒素雰囲気で焼
結すると焼結せず、従つて高密度の焼結体を得る
ことができないからである。 特開昭52−6716号公報記載の発明は前述の特開
昭50−78609号公報記載の発明の改良に係り、原
料として0.05〜5重量%のα型炭化珪素を添加す
ることにより、α型への相変態を速かに進行さ
せ、かつ微細結晶よりなる焼結体を得ることを目
的とし、この焼結体はα型炭化珪素を70%含有す
ることが必須要件とされている。一方本発明によ
れば、前記公報記載の発明によるよりも多い炭素
を結晶粒粗大化抑制剤として使用し、かつβ型炭
化珪素を50〜85%含有する焼結体を製造する点に
おいて大きく異なる。 なお、本発明の焼結体でβ型結晶の含有量を50
%以上にした理由は、50%より少ないと、すなわ
ちα型結晶を50%以上含有すると板状結晶が多く
なり、焼結体の機械的強度が低下するためであ
る。 特開昭51−148712号公報記載の発明によれば、
一時的結合剤を5〜15重量部添加混合することを
必須要件としている。一方本発明によれば、一時
的結合剤は必ずしも必要ではなく、必要により使
用するとしても実施例3に示す如く1%以下であ
る点において前記公報記載の発明とは異なる。 また前記公報記載の発明によれば成形後に成形
体内の一時的結合剤を熱硬化させることを必須要
件としているが、本発明によれば一時的結合剤と
して熱硬化性の結合剤を必要としない点において
同公報記載の発明と異なる。 特開昭53−84013号公報記載の発明によれば、
原料として5〜100重量%α型炭化珪素(アチエ
ソン炉で製造されるもの)を使用することが記載
され、かつ製造される焼結体はα型炭化珪素を50
%以上含有するものである。一方本発明によれ
ば、β型結晶を85重量%以上残部が2H型結晶よ
りなる炭化珪素を原料とし、かつ製造される焼結
体はβ型炭化珪素を50〜85%含有するものである
点において上記公報記載の発明とは異なる。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 出発原料として、前記特開昭52−142697号公報
に記載の主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製
造方法により製造し、さらに精製、粒度分級した
炭化珪素微粉を使用した。前記炭化珪素微粉は
97.3重量%がβ型結晶で残部が2H型結晶よりな
り、0.32重量%の遊離炭素、0.21重量%の酸素を
含有し、17.5m2/gの比表面積を有していた。 前記炭化珪素微粉98.7gと市販の200メツシユ
炭化ホウ素粒(電気化学工業会社製)を粉砕、粒
度分級して比表面積を24.3m2/gに調製した炭化
ホウ素粉末1.3gと固定炭素含有率51.6重量%の
ノボラツク型フエノール樹脂3.0gとの混合物に
対し、アセトン150mlを添加して2時間ボールミ
ル処理を行つた。前記ボールミル処理を行つた混
合物スラリーを常温で撹拌しながら乾燥し、その
後徐々に温度を上げながら最終的に60℃迄加熱乾
燥し、冷却してからメノウ乳鉢中で30分間混和し
た。この混和粉末から適量を採取し、金属製押し
型を用いて0.15t/cm2の圧力で円盤状に仮成形し
た。次にアイソスタテイツクプレス機を用いて
2.0t/cm2の圧力で成形した。前記生成形体の直径
は38mmであり、密度は1.89g/cm3(相対理論密度
率約58.9%)であることが認められた。 前記生成形体をタンマン型焼結炉に装入し、大
気圧下のアルゴンガス気流中で焼結した。昇温過
程は常温〜1650℃では5℃/min.1650℃にて45分
間保持した後、さらに5℃/min.で昇温し最高温
度2100℃で30分間保持した。焼結中のCOガス分
圧は常温〜1650℃が5kPa以下、1650℃で保持す
る際は0.5kPa以下、1650℃より高温域では5kPa
以下となるようにアルゴンガス流量を適宜調整し
て制御した。 得られた焼結体は遊離炭素を1.7重量%含有
し、3.16g/cm3(相対理論密度率約98.5%)の密
度を有し、第2図の走査型電子顕微鏡写真(750
倍)に示した如く約4〜8μmの均一な結晶粒よ
りなる微細構造を有していることがわかつた。ま
た第3図に示したこの焼結体の粉末X線回折図よ
りこの焼結体は76.6重量%がβ型結晶よりなるこ
とが確認された。さらに前記焼結体を3×3×27
mmの棒状に加工し、最終的に1μmのダイヤモン
ド砥粒で研摩仕上げ、スパン20mm、クロスヘツド
スピード5mm/min.の条件で3点曲げ強度を測定
したところ常温で71Kg/mm2の平均強度を有してい
た。 また、前記炭素質添加剤として使用したノボラ
ツク型フエノール樹脂を非酸化性雰囲気で1300℃
迄加熱して炭化させた後、比表面積を測定したと
ころ246m2/gであることが確認された。 実施例2、比較例1 実施例1に記載したと同様の配合であるが、第
1表に示した如く、ノボラツク型フエノール樹脂
の配合量を変えて生成形体を作成し、実施例1と
同様の操作にて焼結体を焼成した。得られた焼結
体の物性は実施例1に示したと同様の方法で測定
し、第1表に示した。
【表】 第1表に示した如く、比較例1−1の炭素質添
加剤の少ない条件で得られた焼結体の密度は2.74
g/cm3(相対理論密度率約85.4%)と低く、また
3点曲げ強度も常温で46Kg/mm2の平均強度であつ
た。この焼結体は第4図の走査型電子顕微鏡写真
(750倍)に示した如く、粗大な板状結晶を多く含
んだ構造であることがわかつた。さらにこの焼結
体の粉末X線回折測定を行つた結果、β型結晶の
含有率が48.2%であり、残部がα型結晶よりなつ
ていることがわかつた。一方、比較例1−2の炭
素質添加剤の多い条件で得られた焼結体は3.02
g/cm3(相対理論密度率約94.2%)と比較的高い
密度を有しており、第5図の走査型電子顕微鏡写
真(750倍)に示した如く、比較的均一な微細構
造を有しているが、その3点曲げ強度は常温で49
Kg/mm2の平均強度であつた。 比較例 2 実施例1と同様に作成した生成形体を実施例1
に記載したタンマン型焼結炉に装入し、大気圧下
アルゴンガス雰囲気で焼結した。昇温過程は実施
例1と同様に行い最高温度2120℃で20分間保持し
た。1500℃より高温域におけるCOガス分圧は
15k〜25kPaの範囲内に維持した。 得られた焼結体は焼結収縮が不充分で、2.76
g/cm3(相対理論密度率約86.0%)と低密度であ
つた。 比較例 3 実施例1と同様に作成した生成形体を、実施例
1に記載したタンマン型焼結炉に装入し、アルゴ
ンガス気流中で焼結した。昇温は常温〜2100℃迄
50℃/min.で昇温し、2100℃で30分間保持した。
前記焼結時におけるCOガス分圧は最高時で
30kPaを記録した。 得られた焼結体は焼結収縮が不充分で2.65g/
cm3(相対理論密度率約82.3%)と低密度であつ
た。さらに、この焼結体を実施例1と同様の方法
で組織観察したところ、焼結体内部に高密度の部
分と低密度の部分が混在する不均一な組織を有し
ていた。 実施例 3 出発原料として実施例1に記載した炭化珪素微
粉を粒度分級し、比表面積を32m2/gに調製した
炭化珪素微粉を使用した。前記炭化珪素微粉は
95.6重量%ががβ型結晶よりなり、0.41重量%の
遊離炭素、0.67重量%の酸素を含有していた。 前記炭化珪素微粉96.7gと実施例1に記載した
炭化ホウ素粉3.3gと平均粒径210A、比表面積
123m2/gのカーボンブラツク(三菱化成会社製、
ダイヤブラツクI)2.0gとの混合物に対し、ア
セトン150ml、ポリエチレングリコール0.7mlを添
加し、10時間ボールミル処理した後スラリーを噴
霧乾燥した。この乾燥粉末を適量採取して実施例
1と同様に生成形体を作成し、タンマン型焼結炉
に装入して60kPaに維持されたアルゴンガス雰囲
気で焼結した。焼結温度に至る昇温過程は常温〜
1600℃が40℃/min.、1600〜1700℃は3℃/mi
n.、さらに2080℃まで10℃/min.で昇温し、最
高温度2080℃で40分間保持した。前記焼結時にお
けるCOガス分圧は最高値で0.3kPaであつた。 得られた焼結体は1.66重量%の遊離炭素を含有
し、3.03g/cm3(相対理論密度率約94.4%)の密
度を有していた。また実施例1と同様にしてβ型
結晶の含有率を測定したところ77.1重量%であ
り、さらに実施例1と同様に3点曲げ強度を測定
したところ常温で60Kg/mm2の平均強度を有してい
た。 実施例 4 出発原料として実施例1に記載した炭化珪素微
粉99.7gと実施例1に記載した炭化ホウ素粉末を
さらに粒度分級し、比表面積を46.3m2/gに調整
した炭化ホウ素0.3gと固定炭素含有率56.3重量
%の高ビツチ粉2.5gとの混合物に対してアセト
ン150mlを添加して3時間ボールミル処理を行つ
た。前記スラリーより実施例1と同様の操作で生
成形体を作成した。前記生成形体を実施例1で使
用したタンマン型焼結炉に装入し、大気圧下の水
素ガス気流中で焼結した。焼結中におけるCOガ
ス分圧は水素ガス流量を適宜調整することにより
常時0.8kPa以下に維持した。昇温過程は実施例
1と同様に行い、最高温度2150℃で15分間保持し
た。 得られた焼結体は1.49重量%の遊離炭素を含有
し、3.10g/cm3(相対理論密度率約96.6%)の密
度を有していた。また実施例1と同様にβ型結晶
の含有率を測定したところ64.5重量%であり、さ
らに実施例と同様に3点曲げ強度を測定したとこ
ろ常温で66Kg/mm2の平均強度を有していた。 比較例 4 実施例1に記載したと同様の配合であるが出発
原料としてβ型結晶の含有率が83.3重量%の炭化
珪素微粉を使用して作成した生成形体を実施例1
と同様の操作で焼結体を得た。なお前記炭化珪素
は0.36重量%の遊離炭素、0.24重量%の酸素を含
有し、18.1m2/gの比表面積を有しており、β型
結晶以外の結晶は2H型であつた。 得られた焼結体は2.92g/cm3(相対理論密度率
約91.0%)と比較的高い密度を有していたが、実
施例1と同様に3点曲げ強度を測定したところ常
温で51Kg/mm2の平均強度であり比較的低強度であ
つた。この焼結体を実施例1と同様の方法で組織
観察したところ、焼結体内部に極めて粗大な板状
結晶が生成していることが確認された。 以上述べた如く、本発明方法によれば、従来の
無加圧焼結法では得ることの困難であつた極めて
高強度の焼結体、例えば3点曲げ強度が60Kg/mm2
以上の焼結体を容易に製造できるものであり、本
発明方法によつて得られる焼結体は工業的使用に
おいて非常に優れた特性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は特開昭52−142697号の炭化珪素の製造
方法によつて得られる生成物中に含有される炭化
珪素、シリカ、遊離炭素の組成範囲を示す図、第
2図は実施例1に記載の焼結体の走査型電子顕微
鏡写真(750倍)、第3図は実施例1に記載の焼結
体の粉末X線回折図、第4図は比較例1−1に記
載の焼結体の走査型電子顕微鏡写真(750倍)、第
5図は比較例1−2に記載の焼結体の走査型電子
顕微鏡写真(750倍)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリカと炭素とを配合した原料を1650〜2100
    ℃の温度範囲内でSiC化反応させることにより得
    られる炭化珪素微粉とホウ素含有添加剤と炭素質
    添加剤とを混合し成形した後無加圧焼結する炭化
    珪素焼結体の製造方法において、 β型結晶の炭化珪素85重量%以上と残部が2H
    型結晶の炭化珪素から実質的になる炭化珪微粉
    100重量部とホウ素含有量に換算して0.1〜3.0重
    量部のホウ素含有添加剤と固定炭素含有量に換算
    して1.0重量部を越え4.0重量部以下の炭素質添加
    剤とを均質混合する第1工程; 前記均質混合物を任意の生成形体に成形する第
    2工程; 前記生成形体をアルゴン、ヘリウム、ネオンク
    リプトン、キセノン、水素のなかから選択される
    いずれか少なくとも1種からなるガス雰囲気中で
    焼結する際に発生するCOガス分圧を10KPa以下
    とし、かつ昇温過程のうち1550〜1700℃の温度範
    囲内を少なくとも20分間かけて昇温し、2050〜
    2200℃で焼結する第3工程; 上記第1〜3工程の組合せからなりβ型結晶を
    50〜85重量%、残留遊離炭素を1.0重量%を越え
    3.0重量%以下含有し、3.0g/cm3以上の密度を有
    する高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 2 前記炭化珪素微粉は15〜35m2/gの比表面積
    を有する特許請求の範囲第1項に記載の高強度炭
    化珪素焼結体の製造方法。 3 前記炭化珪素微粉は酸素含有率が0.1〜1.0重
    量%である特許請求の範囲第1項あるいは2項の
    いずれかに記載の高強度炭化珪素焼結体の製造方
    法。 4 ホウ素含有添加剤はホウ素、炭化ホウ素ある
    いはそれらの混合物から選択される少なくとも1
    種である特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに
    記載の高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 5 ホウ素含有添加剤は少なくとも20m2/gの比
    表面積を有する特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 6 炭素質添加剤は第3工程における焼結開始時
    に少なくとも100m2/gの比表面積を有する特許請
    求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の高強度炭
    化珪素焼結体の製造方法。 7 前記第3工程の焼結中における雰囲気の圧力
    は50K〜120KPaである特許請求の範囲第1〜6
    項のいずれかに記載の高強度炭化珪素焼結体の製
    造方法。 8 前記第3工程の焼結温度に至る昇温過程のう
    ち1550〜1700℃の温度範囲内において少なくとも
    20分間雰囲気中のCOガス分圧を1KPa以下に維持
    する特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載
    の高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 9 前記第1工程における炭素質添加剤の混合量
    は下記式から導かれるX重量部である特許請求の
    範囲第1〜8項のいずれかに記載の高強度炭化珪
    素焼結体の製造方法。 5.5V+70A/B≦X≦15V+150A
    /B 但し、V:炭化珪素微粉の比表面積(m2/g)、 A:炭化珪素微粉の酸素含有率(重量%)、 B:炭素質添加剤の固定炭素含有率(重量
    %)、 X:炭素質添加剤の混合量(重量部)。
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