[go: up one dir, main page]

JPS6122055Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6122055Y2
JPS6122055Y2 JP3518980U JP3518980U JPS6122055Y2 JP S6122055 Y2 JPS6122055 Y2 JP S6122055Y2 JP 3518980 U JP3518980 U JP 3518980U JP 3518980 U JP3518980 U JP 3518980U JP S6122055 Y2 JPS6122055 Y2 JP S6122055Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
deceleration
chamber
valve
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP3518980U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS56135346U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP3518980U priority Critical patent/JPS6122055Y2/ja
Publication of JPS56135346U publication Critical patent/JPS56135346U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPS6122055Y2 publication Critical patent/JPS6122055Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両のブレーキ装置の後輪ブレーキ
系統に配置され、車両の減速度に応動して後輪の
ブレーキ液圧を制御する減速度応動液圧制御弁に
関する。
この種の減速度応動液圧制御弁は、弁本体の内
部に設けたシリンダ孔内に、マスタシリンダに連
通する入口室の液圧を受ける小受圧面及び後輪の
ホイールシリンダに連通する出口室の液圧を受け
る大受圧面を有する制御プランジヤを摺動自在に
挿入すると共に、制御室を画成する制御ピストン
を摺動自在に挿入し、入口室と出口室との間の液
通路に弁手段を設けて制御プランジヤの移動に応
じてその液通路を開閉するようにし、入口室と制
御室との間の液通路に車両の減速度に応動し、そ
の減速度が所定の値に達すると閉成する減速度応
動弁を介設し、制御プランジヤと制御ピストンと
の間に張設され制御プランジヤを弁手段開放方向
に付勢する負荷ばねを制御ピストンの移動に応じ
て圧縮してその付勢力を増大するようにし、それ
によつて、車両の減速度が所定の値に達したとき
のブレーキ液圧に応じて、後輪ホイールシリンダ
のブレーキ液圧を制御し始める制御開始液圧を調
整するようにしている。
ところで、この種の減速度応動液圧制御弁は、
車両の減速度が所定の値に達したときのブレーキ
液圧が、車両の積載状態に応じて変化することを
利用し、ブレーキ制御開始液圧を、車両に所定の
減速度が発生したときのブレーキ液圧の大きさに
より決定している。ところで、同一積載状態であ
つても、ブレーキ液圧が発生してから車両に減速
度が発生するまでの間には多少時間遅れがあるた
め、運転手のブレーキペダルの踏み込み速度が速
い場合、特に急ブレーキをかけた場合には、緩や
かにブレーキをかけた場合に比して、車両の減速
度が所定の値に達したときのブレーキ液圧が高く
なり、従つて、減速度応動弁を介して制御室に流
入する液量が多くなり、制御ピストンが必要以上
に移動して、ブレーキ制御開始液圧が高くなり過
ぎ、後輪がロツクするという危険性があつた。こ
の対策として、入口室と制御室との間の液通路に
絞りを設け、急ブレーキ時の制御室へのブレーキ
液の流入を抑制して、急ブレーキ時においてもブ
レーキ制御開始液圧が必要以上にならないように
することが提案されている。
しかしながら、入口室と制御室との間の液通路
に一定の絞りを設けた場合、その絞りを空積載時
の急ブレーキにおいて制御室への流入液量が過剰
にならないよう小さく設定すると、空積載時には
所定の制御開始液圧を得ることができるが、満積
載時においては、後輪の荷重が著しく増加するた
めより高い制御開始液圧を必要とするにもかかわ
らず、絞りのため制御室に十分に液が流入せず、
従つて制御ピストンの移動量が小さく、必要な大
きさの制御開始液圧が得られず、ブレーキ力が不
足するという問題があつた。
本考案は、上述の問題に鑑みなされたものであ
つて、制御ピストンの移動量が所定の値に達する
までは、制御室に絞りを介して液を流入すること
により、制御室に流入する液量を抑制し、制御ピ
ストンの移動量が上記所定の値以上になると、絞
り作用を解除又は緩和して制御室に液をすみやか
に流入するようにし、それによつて、空積載時、
満積載時共に必要な制御開始液圧を得るようにし
た減速度応動液圧制御弁を提供することを目的と
する。
以下、図示の実施例により本考案の減速度応動
液圧制御弁を詳説する。
図は、本考案の一実施例である減速度応動弁の
断面図と共に、これと関連する他のブレーキ装置
の各部の略図を示す。
図において、タンデムマスタシリンダ1は、ブ
レーキペダル2により操作され、内部に独立した
2つの液圧発生室(図示せず)が形成されてい
る。一方の液圧発生室は配管3を介して前輪ブレ
ーキ装置のホイールシリンダ4及び5に接続さ
れ、他方の液圧発生室は配管6を介して全体が7
で示される減速度応動液圧制御弁に接続され、更
に配管8を介して後輪ブレーキ装置のホイールシ
リンダ9及び10に接続されている。
減速度応動液圧制御弁7は、右端が開口したシ
リンダ孔11を穿設した弁本体12を有し、シリ
ンダ孔11は開口端に向つて順次大径となる孔部
13,14,15,16からなる段付形状をして
いる。
シリンダ孔11の孔部13には制御プランジヤ
17の大径部18が摺動自在に密嵌して図の左方
(以下左右、上下は図のそれを示す。)に出口室1
9を画成し、出口室19は通路20を介して接続
口21に連通し、更に配管8を介して後輪のホイ
ールシリンダ9及び10を連通している。
また、孔部14には、制御プランジヤ17の小
径部22が摺動自在に密嵌する中心孔23を備え
た環状部材24が密嵌しており、孔部14内に大
気室25を画成している。そして、環状部材24
は、そのフランジ部26が孔部14と孔部15と
の間の段部端面に当接して位置決めされている。
27,28,29はシール部材である。
制御プランジヤ17には、軸方向に貫通する液
通路30が形成され、その液通路内には、弁ばね
31により弁座32に着座するよう付勢される弁
要素33が配置され、弁要素33の左端はシリン
ダ孔11の閉塞端に当接可能になつている。そし
て、弁座32、弁要素33により液通路30を開
閉する弁手段を構成している。
シリンダ孔11の孔部15,16には、小径部
34を孔部15に、大径部35を孔部16にそれ
ぞれ摺動自在に密嵌する制御ピストン36が配置
されている。
制御ピストン36は、制御プランジヤ17及び
環状部材24との間に入口室37を画成すると共
に、シリンダ孔11の開口部にシール部材38を
介して螺着された蓋部材39との間に制御室40
を画成する。また制御ピストン36の小径部34
と大径部35との間には無圧室41を形成してい
る。制御ピストン36には、左端が開口した凹所
42が設けられている。この凹所42内には、略
コツプ形状を呈するボールガイド43が、その開
口を右側にして嵌着されており、凹所42とボー
ルガイド43とにより画成される弁室44内に
は、球状の弁要素45が転動可能に配置されてい
る。
ボールガイド43にはその外周に軸方向に延び
る溝46が周方向に適当な間隔をもつて形成され
ている。また、ボールガイド43は、凹所42の
開口部に装着されたC型リング47により抜け止
めされたばね受48により、板ばね49を介して
支持されている。
制御ピストン36の右方中央部には孔50が突
設されており、その孔50内には、右端にフラン
ジ部51を有する絞り部材52が摺動自在に密嵌
している。
絞り部材52には軸方向に伸びる通孔53及び
通孔53と交叉し半径方向に伸びる通孔54が設
けられ、通孔53の右端部には絞り通孔55が形
成されている。
また、フランジ部51の右端面には、絞り通孔
55に連通する溝56が形成されている。
そして、絞り部材52のフランジ部51が制御
ピストン36の右端突出部に当接した図の状態に
あるとき、弁室44は通孔53、絞り通孔55、
溝56を通して制御室40に連通し、制御ピスト
ン36が、ばね58により右方に付勢された絞り
部材52に対してL以上移動すると、通孔54が
制御室40に連通するため、弁室44は絞り通孔
55及び通孔54を通して制御室40に連通す
る。絞り部材52の左端に装着されたゴム材質よ
りなる弁座部材57は、孔50と絞り部材52の
外周との間を液密にシールすると共に、弁座を形
成し、車両に所定の減速度が発生し弁要素45が
右方に転動したとき弁要素45と着座するように
している。
そして、弁要素45と弁座部材57とにより減
速度応動弁60を構成し、この減速度応動弁60
はボールガイド43の溝46,弁室44,通孔5
3,絞り通孔55又は通孔54より構成される液
通路を開閉する。
制御プランジヤ17と制御ピストン36との間
の入口室37には、孔部15の内周面に対して摺
動可能に第1のばね受け体61が挿入されてお
り、その内側に、一端が制御プランジヤ17の右
端段部に支持され、フランジ部62が第1のばね
受け体61のフランジ部63に当接した第2のば
ね受け体64が配設されている。そして。制御ピ
ストン36に固着したばね受48と第2のばね受
け体64との間に、所定の予負荷を与えられた第
1の負荷ばね65が配設されている。これにより
制御プランジヤ17と制御ピストン36とは離反
する方向に付勢され、制御プランジヤ17の左端
をシリンダ孔11の閉塞端に当接させると共に、
制御ピストン36を右方に押し、ばね58を圧縮
して制御ピストン36の右端を絞り部材52のフ
ランジ部51に当接させ、フランジ部51の右端
を蓋部材39に当接させている。
また、第1のばね受け体61のフランジ部63
と環状部材24のフランジ部26との間には、第
1の負荷ばね65の予負荷より小さい予負荷を与
えられた第2の負荷ばね66が配設されており、
第1の負荷ばね65の制御プランジヤ17に対す
る付勢力を低減するように作用する。
入口室37は、孔67及び接続口68を介して
配管6に連通し、またばね受48の中心孔69及
び溝46を介して弁室44に連通している。70
はボールガイド43に設けた通孔である。
なお、弁本体12を車体に取付ける際、所定の
減速度が発生するまでは弁要素45が弁座部材5
7に着座しないようにするため、弁本体を車体に
対して(水平に対して)σ度傾斜して取付け、車
両の減速度が所定の減速度例えば0.3gに達した
とき、弁要素45がその慣性力により右方に移動
して弁座部材57に着座する。なお車両の前進方
向を矢印Aで示す。
以下、実施例の作用について説明する。
車両にブレーキをかけていないとき、各部材は
図示の位置にあり、第1の負荷ばね65の予負荷
により、制御プランジヤ17はシリンダ孔11の
閉塞端に当接し、弁手段32,33を開いてお
り、他方、制御ピストン36は絞り部材52のフ
ランジ部51を介して蓋部材39に当接し、弁要
素45がボールガイド43の閉塞端に当接して減
速度応動弁60を開いており、出口室19,入口
室37、制御室40は各々連通している。
今、車両にブレーキをかけるため、運転手がブ
レーキペダル2を踏み込むと、マスタシリンダ1
内のそれぞれの液圧発生室にブレーキ液圧が発生
する。一方の液圧発生室で発生したブレーキ液圧
は、配管3を介してホイールシリンダ4及び5に
伝達され、前輪にブレーキがかかる。また、他方
の液圧発生室で発生したブレーキ液圧は、配管6
を通つて減速度応動液圧制御弁7の接続口68か
ら入口室37に伝達される。この入口室37に伝
達されたブレーキ液圧は、液通路30、出口室1
9を通つてホイールシリンダ9及び10に伝達さ
れ、後輪にブレーキがかかる。これと同時に、入
口室37のブレーキ液圧は、ばね受48の中心孔
69、溝46、弁室44、通孔53を通つて制御
室40に伝達される。
制御室40に圧力が伝達されると、制御ピスト
ン36は、制御室40側の受圧面積が入口室37
側の受圧面積より大きいため、左方に押す力を受
ける。そして、制御ピストン36を左方に押す力
が第1の負荷ばね65のばね力に打ち勝つと左方
に移動し始める。即ち、制御ピストン36の小径
部34の断面積をA1、大径部35の断面積を
A2、第1の負荷ばね65の予負荷をF10とする
と、入口室37のブレーキ液圧(このとき制御室
40の液圧も同圧である)Pmが、F10/(A2
A1)以上になると、制御ピストン36は図の左方
に移動し始める。なお、制御ピストン36と絞り
部材52の間に張設したばね58のばね力は、弁
座部材57の摺動抵抗より僅かに大きい値に設定
されており、第1の負荷ばね65のばね力に比し
て小さく無視するものとする。
それと同時に、制御プランジヤ17にも、左右
の受圧面積が異なることにより、右方に押す力が
作用する。この右方に押す力が、第1の負荷ばね
65の予負荷から第2の負荷ばね66の予負荷を
差し引いた付勢力以上になると、制御プランジヤ
17は右方に移動する。即ち、制御プランジヤ1
7の大径部18の断面積をA3、小径部22の断
面積をA4、第2の負荷ばね66の予負荷をF20
すると、入口室37のブレーキ液圧Pmが(F10
F20)/(A3−A4)以上になると制御プランジヤ1
7が右方に移動し始める。
そして、制御ピストン36が動き始める入口室
37のブレーキ液圧をPm1、制御プランジヤ17
が動き始めるブレーキ液圧をPm2とすると、Pm1
<Pm2とし、Pm1は、車両の積載状態が空のとき
に、車両に所定の減速度が発生するブレーキ液圧
にほぼ等しくしてある。なお、Pm1とPm2の関係
は、上述の関係に限定されるものではなく、Pm1
とPm2を等しく、あるいは、Pm2をPm1より僅か
に小さくてもよい。
今、車両の積載状態が空積載であるとき、入口
室37内の圧力Pmが緩やかに上昇してくると、
前輪及び後輪にブレーキがかかつて車両に減速度
が発生し、この減速度が所定の減速度に達する
と、弁要素45が傾斜角θに抗してボールガイド
43内を右方に転動して弁座部材57に着座し、
減速度応動弁60が閉じる。この時のブレーキ液
圧PmはPm1にほぼ等しいため、制御ピストン3
6は図に示す位置又は僅かに左方に動いた位置で
減速度応動弁60が閉じ、それ以後制御室40に
ブレーキ液が流入することはなく、制御ピストン
36はその位置に停止する。
また、車両が積載状態にあるときは、車両に所
定の減速度を発生させるブレーキ液圧が積載量に
応じて(車両重量に比例して)増大するため、入
口室37のブレーキ液圧がPm1まで上昇しても所
定の減速度は発生せず減速度応動弁60が開いた
状態で、制御ピストン36が第1の負荷ばね65
のばね力に抗して左方に移動する。
この移動の際、絞り部材52はばね58のばね
力により図の位置に保持され、制御ピストン36
のみが左方に移動し、入口室37のブレーキ液は
通孔53、絞り通孔55を通つて制御室40に流
入する。しかし、入口室37内のブレーキ液圧は
緩やかに上昇するので、絞り通孔55による絞り
効果はほとんどない状態である。そして、入口室
37内の圧力Pmが積載車両に所定の減速度が発
生させる圧力まで上昇すると、弁要素45がボー
ルガイド43内を転動して減速度応動弁60を閉
じ、制御室40内へのブレーキ液の流入が阻止さ
れ、制御ピストン36の移動が停止する。
この際、減速度応動弁60が閉じたときの制御
室40内の圧力をPgとすると、第1の負荷ばね
65は制御ピストン36の移動により圧縮され、
〔(A2−A1)・Pg−F10〕だけばね力が増大する。
こうした制御ピストン36に作用するブレーキ
液圧の働きにより、第1の負荷ばねのばね力は、
車両が空積載のときには、予負荷F10に等しく、
車両が積載のときには、積載量に応じて増大する
圧力Pgに比例した(A2−A1)・Pgなる値に変化
する。
以上により、制御プランジヤ17は、車両が空
積載のときは、負荷ばね65,66によりF10
F20なる付勢力を受け、車両が積載のときには、
(A2−A1)・Pg−F20なる付勢力を受けることにな
る。
その結果、制御プランジヤ17に作用する力
は、出口室19内のブレーキ液圧をPrとする
と、制御プランジヤ17を右方に押す力は大径部
18の断面積A3と出口室19内の圧力Prとの
積、即ちA3・Prとなり、これに対し、制御プラ
ンジヤ17を左方に押す力は小径部22の断面積
A4と入口室37内の圧力Pmとの積と、第1の負
荷ばね65のばね力から第2の負荷ばね66の予
負荷力を差し引いた付勢力との和、即ち空積載で
はA4・Pm+F10−F20、積載ではA4・Pm+(A2
A1)・Pg−F20となる。そして、制御プランジヤ
17を左方に押す力と右方に押す力が釣合うよう
に弁手段32,33が開閉動作を行なつて、出口
室19内の圧力を制御するため、出口室19内の
ブレーキ液圧Prは、車両が空積載のときには、 Pm≦F10−F20/A−Aでは、Pr=Pm Pm≧F10−F20/A−Aでは、 Pr=A/APm+F10−F20/A また、車両が積載のときには、 Pm≦(A−A)・Pg−F20/A−A
は、 Pr=Pm Pm≧(A−A)・Pg−F20/A−A
は、 Pr=A/APm+(A−A)・Pg−F
/A となる。
また、出口室19内の圧力Prを入口室37内
の圧力Pmに比して小さく制御し始める制御開始
液圧は、折曲り圧力あるいはニーポイント等と称
されているが、空積載のときは(F10−F20)/
(A3−A4)であり、積載のときは〔(A2−A1)・Pg
−F20〕/(A3−A4)である。そのため、積載のと
きには、制御開始液圧が減速度応動弁60を閉じ
たときの液圧Pgにより決定され、この圧力Pg
は、ある積載量の車両に所定の減速度を発生させ
る圧力に等しい。従つて、制御開始液圧は、圧力
Pgが積載量に応じて変化するため、積載量の増
減に比例して増減する。
上述の場合は、運転手がブレーキペダル2を緩
やかに踏み込んだ場合を示しているが、運転手が
ブレーキペダル2に急激に踏み込んだ場合、特に
上述の場合と異なる点について以下に説明する。
運転手がブレーキペダル2を急激に踏み込む
と、入口室37内のブレーキ液圧Pmが急激に上
昇し、この圧力Pmが後輪のホイールシリンダ9
及び10に伝達され、また前輪のホイールシリン
ダ4及び5のブレーキ液圧も急激に上昇し、車両
に急ブレーキがかかり、減速度が発生する。この
際、車両の減速度も急激に上昇するが、車両のリ
ーフスプリング等の弾性変形により、ブレーキ液
圧の上昇に比して遅れて上昇する。
また、入口室37内の圧力Pmの急速な上昇に
より制御室40内にブレーキ液が急激に流入しよ
うとするが、ブレーキ液は絞り通孔55を通して
のみ流入するので、その流入速さが制限される。
従つて、制御室40内の圧力上昇速度は入口室3
7内の圧力上昇速度に比して緩和され、入口室3
7内の圧力がPm1に達しても、制御ピストン36
が移動することはない。
その後、入口室37内の圧力Pmが更に上昇す
るとともに、制御室40内の圧力も徐々に上昇し
て、制御ピストン36を左方に押す力が増大す
る。そして制御ピストン40内のブレーキ液圧が
上昇し、制御ピストン36を左方に押す力が第1
の負荷ばね65の予負荷F10に打ち勝つと制御ピ
ストン36は左方に移動し始める。
しかし、車両の積載状態が空であるときには、
制御室40内の圧力が十分に上昇し、制御ピスト
ン36が移動する寸前又は移動しようとするとき
までに、車両の減速度が所定の値に達し、減速度
応動弁60は閉じる。また、入口室37内の圧力
の上昇が極端に速い場合、車両の減速度が所定の
値に達する以前に制御ピストン36が左方に移動
し始めるが、制御室40内に流入するブレーキ液
量は絞り通孔55により抑制されているため、制
御ピストン36の移動速さは制限されており、制
御ピストン36が大きく左方に移動することはな
い。従つて制御開始圧力が異常に高くなることは
ない。
他方、車両が積載しているときには、空車の場
合に比して車両に所定の減速度が発生するときの
ブレーキ力が大きく、それまでに長い時間がかか
る。従つて、制御室40内のブレーキ液圧が十分
に上昇し、制御ピストン36は左方に移動する。
そして、制御ピストン36の移動量がLに達する
までは、制御室40内へのブレーキ液の流入は絞
り通孔55のみを介して行なわれるので制御ピス
トン36の移動は緩やかに行なわれる。
そのため、車両が中積載のときにおいては、制
御ピストン36の移動量がLに達する以前に、車
両の減速度が所定の値に達し、減速度応動弁60
が閉じ制御ピストン36の移動が停止する。
なお、絞り通孔55の大きさは、制御室40内
の液圧の、入口室37内の液圧に対する上昇遅れ
が、入口室37内の液圧上昇に対する車両減速度
の増大遅れに相当するよう選定されている。
車両の積載荷重が大きく満積状態又か満積に近
い状態においては、車両の減速度が所定の値に達
するまでにより長い時間がかかるため、制御ピス
トンは、所定の量Lを越えて更に移動する。する
と、絞り部材52の通孔54を介して制御室40
に連通し、入口室37のブレーキ液圧が制御室4
0にすみやかに流入する。しかし、満積あるいは
それに近い状態においては、車両に所定の減速度
を発生するためのブレーキ液圧が十分高く、入口
室37内の圧力がブレーキペダル2の踏み込み力
に応じた圧力またはそれに近い圧力まで上昇して
くるともはや入口室37の圧力上昇速度は極度に
大きくはなくブレーキ開始直後に比較して小さく
なるので、制御ピストン36が急速に左方に移動
することはない。
車輪に作用するブレーキ力の増大により車両の
減速度が所定の値に達すると、減速度応動弁60
が閉じ、制御ピストンの移動が停止し、制御ピス
トン36の移動量に応じた制御開始液圧が設定さ
れる。
以上述べたことから明らかな如く、制御ピスト
ン36の移動量が所定の量Lに達するまでは絞り
通孔55を介して制御室40へのブレーキ液の流
入さを抑制し、制御ピストン36の移動量がL以
上になると通孔54により絞り通孔55をバイパ
スし制御室40へのブレーキ液の流入を容易にし
ているため、空積載及び中積載までの積載状態に
おいては、急ブレーキをかけた場合においても、
制御ピストン36の過度の移動を抑制し、よつ
て、制御開始液圧の異常上昇を阻止して後輪のロ
ツクを防止し、また満載状態又はそれに近い状態
にあり後輪により大きいブレーキ力を必要とする
ときには、制御ピストン36を速やかに移動可能
として、急ブレーキ時における制御開始液圧の必
要以上の抑制を阻止して後輪に十分な車両力を供
給することができる。
また、上記実施例によれば、絞り部材52にお
いて通孔54を形成する位置を変更するだけで所
定の量Lを変更可能であり、車種に応じて異なる
特性を要求される場合に、絞り部材52のみの交
換で適用可能であり、実用性に秀れている。
なお、本実施例においては、絞り部材52の通
孔53の右端に絞り通孔55を設けているが、絞
り部材52の右端面に設けた溝56を絞り通路と
して形成し、制御ピストン36が所定距離L以上
移動したとき、絞り部材52を制御ピストン36
と一体的に移動されるようにし絞り通路をバイパ
スしてもよい。
以上述べたように本考案の減速度応動液圧制御
弁によれば、入口室と制御室との間に制御ピスト
ンが所定の移動量に達するまでは、絞り作用をす
る絞り通路を設けてあるので、ブレーキ液圧の上
昇速度の大小にかかわらず、積載量に応じた制御
開始液圧を得ることができ、安定したブレーキ作
用を得ることができる。
また、本考案によれば、絞り部材を変更するだ
けで異なる特性のものを得ることができ、各車種
に適合したものを容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の一実施例である減速度応動液圧
制御弁の断面図をブレーキ装置の他の構成要素の
略図と共に示す。 1……タンデムマスタシリンダ、7……減速度
応動液圧制御弁、11……シリンダ孔、12……
弁本体、17……制御プランジヤ、19……出口
室、32,33……弁手段、36……制御ピスト
ン、37……入口室、40……制御室、52……
絞り部材、55……絞り通孔、60……減速度応
動弁、65……第1の負荷ばね、66……第2の
負荷ばね。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. シリンダ孔を内部に設けた弁本体と、前記シリ
    ンダ孔内に摺動自在に挿入され、マスタシリンダ
    に連通する入口室及び後輪のホイールシリンダに
    連通する出口室を画成すると共に、該入口室の液
    圧を受ける小受圧面及び該出口室の液圧を受ける
    大受圧面を有する制御プランジヤと、前記入口室
    と前記出口室との間の液通路に介在し、前記制御
    プランジヤの移動に応じて該液通路を開閉する弁
    手段と、前記シリンダ孔内に摺動自在に挿入さ
    れ、前記入口室の反対側に制御室を画成する制御
    ピストンと、前記入口室と前記制御室との間の液
    通路に介在し、車両の所定の減速度に応動して該
    液通路を閉成する減速度応動弁と、前記制御プラ
    ンジヤと前記制御ピストンとの間に張設され、前
    記制御プランジヤを前記弁手段開放方向に付勢す
    る負荷ばねとを備え、前記減速度応動弁を介して
    前記制御室に流入する液量に応じて前記負荷ばね
    の付勢力を増大することによつて、ホイールシリ
    ンダの液圧を制御し始める制御開始液圧を高くす
    るようにした減速度応動液圧制御弁において、前
    記入口室と前記制御室との間の液通路に、当該液
    通路の通路断面積を前記制御ピストンの移動量が
    所定の値に達するまでは比較的小さく制限しかつ
    所定の値を越えると増加させる絞り部材を、前記
    制御ピストンに係合させて配設した減速度応動液
    圧制御弁。
JP3518980U 1980-03-17 1980-03-17 Expired JPS6122055Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3518980U JPS6122055Y2 (ja) 1980-03-17 1980-03-17

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3518980U JPS6122055Y2 (ja) 1980-03-17 1980-03-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS56135346U JPS56135346U (ja) 1981-10-14
JPS6122055Y2 true JPS6122055Y2 (ja) 1986-07-02

Family

ID=29630820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3518980U Expired JPS6122055Y2 (ja) 1980-03-17 1980-03-17

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6122055Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS56135346U (ja) 1981-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4116493A (en) Brake pressure control valve
JPS5838341B2 (ja) 減速度応動液圧制御弁
JPH0217380B2 (ja)
US4080006A (en) Braking pressure control valve unit
US4386808A (en) Pressure control valve
JPS6122055Y2 (ja)
JPS6137137B2 (ja)
US3701616A (en) Braking force regulating assembly
JPS582860B2 (ja) 2系統配管用油圧制御弁
US3159433A (en) Brake proportioning valves
US4413861A (en) Fluid pressure control valve unit of the inertia-controlled type
JPS5912498B2 (ja) 減速度感知式制動油圧制御装置
JPS59277Y2 (ja) 制動油圧制御装置
US4561699A (en) Brake pressure control device for vehicle braking systems
JPH0229011Y2 (ja)
JPS5831726Y2 (ja) 制動油圧制御装置
JPH0229010Y2 (ja)
JPS6058064B2 (ja) 減速度応動液圧制御弁
JPH0229008Y2 (ja)
JPS6015496B2 (ja) 車輌用ブレ−キ油圧制御弁装置
JPH0229009Y2 (ja)
JPS6345992B2 (ja)
JPS5839094B2 (ja) 減速度応動液圧制御弁
JPS5848218Y2 (ja) 減速度応動液圧制御弁
JPH0544219Y2 (ja)