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JPS6054334B2 - 熱収縮性架橋ポリエチレン系樹脂フイルムの製造方法 - Google Patents

熱収縮性架橋ポリエチレン系樹脂フイルムの製造方法

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Publication number
JPS6054334B2
JPS6054334B2 JP11512477A JP11512477A JPS6054334B2 JP S6054334 B2 JPS6054334 B2 JP S6054334B2 JP 11512477 A JP11512477 A JP 11512477A JP 11512477 A JP11512477 A JP 11512477A JP S6054334 B2 JPS6054334 B2 JP S6054334B2
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JP
Japan
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film
shrinkage rate
stretching
heat shrinkage
polyethylene resin
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Application number
JP11512477A
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康太 河目
治 水上
順一 影山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11512477A priority Critical patent/JPS6054334B2/ja
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Publication of JPS6054334B2 publication Critical patent/JPS6054334B2/ja
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、ポリエチレン系樹脂を基材とし、架橋され
、延伸された熱収縮性、特に横方向一軸収縮性に優れた
フィルムの製造方法に関する。
〔従来技術ともの問題点〕 従来、ポリエチレン系樹脂
を基材とした架橋延伸フィルムとしては、二軸延伸され
た二軸収縮性フィルムが一般的に知られており、収縮包
装用フィルム等に使用されている。
また、最近縦方向に延伸された縦方向(フィルムの長
さ方向)一軸収縮性架橋フィルムが開発され、スリーブ
形式の集積収縮包装用フィルムとして使用され始めてい
る。
しかしながら、横方向(フィルムの巾方向)の一軸収
縮性フィルムは、塩化ビニル樹脂フィルムのみであり、
キャップシールやシュリンクラベル用フィルムとして使
用されているが、横方向一軸収縮性に優れたポリエチレ
ン系樹脂フィルムは、末だ開発されていないのが現状で
ある。
架橋され、延伸された熱収縮性ポリエチレン系樹脂フ
ィルム及びその製造方法としては、特公昭37−188
93号公報、特公昭48−27904号公報、特開昭5
1−59973号公報等に開示されたものが知られてい
る。
特公昭37−18893号公報では、ポリエチレンを
フィルム状に押出し、このフィルムを延伸し、このフィ
ルムを延伸し、このフィルムに少くとも2Mrepの照
射を行い、加熱し、熱間延伸によつて二軸方向に配向さ
せるフィルムの製造法が開示されている。
この方法で得られるフィルムの熱収縮率は収縮温度96
℃に於て、縦方向35〜40%、横方向30〜50%(
実施例1〜4)であり、縦・横二軸収縮性であり、横方
向一軸収縮性に優れたフィルムは得られていない。また
特公昭48−27904号公報、低密度エチレン重合体
と高密度エチレン重合体からなるフィルムを90〜11
5℃に加熱して、縦・横方向少くとも5倍延伸し、伸長
した状態て照射架橋する事により得られるフィルム及び
その製造方法が開示されれている。
この方法で得られるフィルムの熱収縮率は収縮温度10
0℃に於て縦方向19〜23%、横方向31〜34%(
実欅例1〜4)であり、熱収縮率も小さく、また横方向
一軸収縮性に優れたフィルムは得られていない。更に特
開昭51−59973号公報では、合成樹脂薄膜を延伸
加工して後架橋処理する事を特徴とする熱収縮性フィル
ム及びテープの製法が開示されている。
この方法で得られるフィルムは、熱収縮率が縦方向13
〜15%、横方向12%(実施例2、3)であり、また
延伸加工後架橋処理する事により、熱収縮率が低下する
事が記載されているが、同報明細書第3頁の第2図に示
されている様に、延伸倍率1.7倍で一軸延伸したフィ
ルムの熱収縮率は約70%であるが、5Mrad,.1
0Mrad..15Mrad各々照射すると、収縮率は
各々約20%、約5%と大巾に低下する事が記載されて
いる。即ち、これ等の方法によつても、横方向のみ熱収
縮性に優れたフィルムは得られていない。又一般に架橋
ポリエチレン系樹脂フィルムは、その回収再使用が難し
く、従つてその製膜には、製膜ロス率を最小限に出来る
延伸製膜方法の採用が望まれる。
インフレーシヨンニ軸延伸法は製膜後の製膜ロス(トリ
ム ロス)がない点で望ましい方法であるが、縦・横の
延伸倍率を異にする二軸延伸、ことに横方向(円周方向
)の延伸倍率が縦方向(引取方向)のそれよりも著るし
く大きい二軸延伸を、二軸方向の延伸が同時に進行する
インフレーシヨン延伸として確立させることは、架橋ポ
リエチレン系樹脂を対象とする技術分野では.バブル安
定化上、困難なものとされて来た。〔本発明の目的〕本
発明はこのような現状に鑑みてなされたもので、その目
的の第1は、キャップシールやシュリンクラベル用フィ
ルムとして実用上望ましい縦方一向の熱収縮率が20%
以下、横方向(円周方向)の熱収縮率50%以上の横方
向一軸収縮性に優れたフィルムを、架橋ポリエチレン系
樹脂フ,fルムを完成させる製造方法を提供することで
あり、第2の目的は、上記第1の目的を、装置の簡便性
や操作作業性の生産特性等に優れた、押出−インフレー
シヨンニ軸延伸で達成させる製造方法を提供することで
ある。
〔本発明の要旨〕
本発明の上記の目的は、本発明の製造方法即ち、。
ポリエチレン系樹脂を基材としたゲル分率が50〜8唾
量%、フィルムの熱収縮率が縦方向の値に比べて横方向
の値が著るしく大きい熱収縮性・架橋ポリエチレン系樹
脂フィルムを得るに当り、先ず環状ダイを用いる押出法
に依つて、ゲル分率が30〜75重量%のポリエチレン
系樹脂チューブ状架橋原反を作成し、次いでこの原反を
90〜150℃に加熱して縦方向2.5倍以下、横方向
3倍以上の延伸倍率のインフレーシヨンニ軸延伸を施し
、次いで放射線照射に依りフィルムのゲル分率値を50
〜8鍾量%の範囲に調整して、縦方向の熱収縮率が20
%以下、横方向の熱収縮率が50%以上の値のフィルム
を得ることを特徴とする熱収縮性架橋ポリエチレン系フ
ィルムの製造方法。を採用することによつて、容易に達
成することができる。
〔本発明の製造方法が対象とする物品の説明〕本発明で
基材として用いるポリエチレン系樹脂とは、25℃に於
る密度が0.915〜0.935y/C!11好ましく
は0.920〜0.930y/alで、190℃に於る
メルトインデックスが0.3〜30f/10分、好まし
くは0.5〜1.5y/10分である低密度エチレン樹
脂、また密度が0.940〜0.980f/Clll好
ましくは0.950〜0.970y/Allメルトイン
デックスが0.3〜3.0y/1紛、好ましくは0.5
〜1.5y/1紛である高密度ポリエチレン樹脂で代表
されるエチレン単独重合体、及びエチレンを主体成分と
するメルトインデックスが0.3〜3y/1紛、好まし
くは0.5〜1.5y/1紛であるエチレンと酢酸ビニ
ル、プロピレン、1〜ブテンや1−ペンテン等のα−オ
レフィンとの共重合体等のポリエチレン系樹脂の一種ま
たは2種以上との混合物である。
更に上記ポリエチレン系樹脂に、通常使用されている添
加剤、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチプ
ロツキング剤、帯電防止剤、防曇剤、フィラー、顔料、
染料等を添加しても良い。上記に於てメルトインデック
スが0.3未満の値では、樹脂の溶融粘度が大きく、押
出機で溶融押出してチューブ状の原反を製造する時に、
押出機の負荷が大きくなる等製造上問題点が発生し易く
、一方メルトインデックスが3を越える大きい値では、
樹脂の溶融粘度が小さくなる為、押出機から樹脂を溶融
押出して原反製造する時、あるいは原反を加熱して延伸
する時に、所謂樹脂のドローダウン現象が発生し易くな
るのて製造上、条件の設定を注意した方が良い。
本発明の対象フィルムとしては、フィルムのゲル分率は
50〜8唾量%、好ましくは55〜75重量%である。
ゲル分率は試料約200mgを沸騰キシレン500cc
中で10時間浸漬処理し、不溶部分を乾燥し、処理前重
量に対し該不溶部分の重量を百分率で表わした値であり
、フィルムの架橋度を示すものである。このゲル分率は
後述の実施例で詳細に述べるが、横方向一軸収縮性を付
与する為に定められた値である。また本発明の対象フィ
ルムは、熱収縮率が縦方向20%以下、好ましくは15
%以下、横方向50%以上、好ましくは60%以上であ
る。
縦方向とはフィルムの長さ(引取り)方向、横方向とは
フィルムの巾方向(円周)を示し、また熱収縮率の測定
は、フィルムに縦・横各10cmの標線をつけた試料を
、所定の温度に設定されたエアーオープン中に1紛間放
置し、フィルムを収縮させ元の標線間長さ(10cm)
に対し収縮した長さを百分率、で表わした値である。熱
収縮率を示す温度は、使用するポリエチレン系樹脂の種
類、樹脂の軟化点、結晶融点により異なるが、本発明に
用いるポリエチレン系樹脂からなるフィルムに於ては、
約130℃で.前後の温度で最大熱収縮率を示す為、本
発明では温度130℃ての収縮率(n=10の平均値)
を熱収縮率として示す。又この熱収縮率は前述したキャ
ップシールまたはシュリンクラベル用フィルム等として
使用されている塩化ビニル樹脂の横方向一!軸収縮性フ
ィルムの特性値、即ち熱収縮率で、縦方向10〜20%
、横方向50〜65%の値に因んで設定されてある。以
上述べた様に、本発明の対象フィルムはポリエチレン系
樹脂を後述する特定の製造条件から得くた、横方向一軸
収縮性に優れたフィルムであり、今までにない新規なフ
ィルムである。
〔本発明の製法の内容とその意義〕
以下、本発明で対象の新規でかつ有用なフィルムを得る
製造方法について説明する。
本発明フィルムの基材として用いられるポリエチレ7系
樹脂を通常使用されている押出機に供給し(一種類の樹
脂からなる場合はそのま)、また二種以上の樹脂からな
る場合は、予め所定量の各樹脂をドラムブレンダー、り
ポンプレンダー等でドライブレンドしたものか或いはド
ライブレンドした樹脂を溶融混合したものを供給する)
、環状ダイからチューブ状に押出し、冷却固化して原反
)を製造する。
この時冷却固化法としては、エアーリングによる冷却、
水冷リングによる冷却、チルロールによる冷却等を用い
るが、チューブ状原反の冷却法として水冷リングを使用
し、例えば5〜20℃の水を直接原反と接触させ急冷固
化させる方・法が、エアーシリンダを使用して空冷徐冷
する方法よりも、冷却固化された原反の表面が平滑にな
り透明性の良い原反が得られ、また厚い原反を製造する
場合の加工安定性が良くなると云う点で、特に本発明の
実施に於いては有用な方法である。この様にして得られ
た原反に、電子線、γ線、β線等の高エネルギーイオン
化放射線を8〜20Mrad1好ましくは10〜15M
rad照射して原反を架橋する。照射する放射線として
は、装置の操作性、作業性等の点から電子線を使用する
事が最も実用的であり、また照射時の発熱等の点から、
例えば2〜5Mrad/回を数回に分けて繰返し照射す
る方法が好ましく、ゲル分率で30〜75重量%の範囲
に架橋する。放射線照射架橋を採用する場合の照射線量
の目安として、原反への照射線量が、8Mrad未満で
は樹脂の架橋度即ちゲル分率が小さくなりすぎ、原反を
延伸する場合の安定性、均一性が不充分である。
更に後述の実施例で採用したような、延伸後のフィルム
へ放射線を再照射する場合に、得られるフィルムの熱収
縮率が小さくなり、本発明の目的とする横方向一軸収縮
性に優れたフィルムが得られない。また、原反への照射
線量が、20Mradを越えるとゲル分率が大きくなり
、原反を延伸する場合に、延伸倍率を大きくする事が出
来難くなる。
更に後述の実施例で採用したような、延伸後のフィルム
へ放射線を再照射した場合に、得られたフィルムの縦方
向の熱収縮率が大きく、本発明の目的とする横方向一軸
収縮性に優れたフィルムが得られなくなる。以上述べた
様に原反の架橋度(ゲル分率)は延伸の安定性、均一性
と共に、特に本発明の目的とするインフレーシヨンニ軸
延伸の延伸条件の設定を容易にならしめる。
放射線による照射量は使用する樹脂の種類、また所望す
る熱収縮率等によつて定められるが、原反のゲル分率が
30〜75重量%、更には50〜7唾量%になる様な照
射線量が好ましくい。またこの架橋は従来公知の架橋剤
による化学架橋、紫外線架橋等で行つても良い。次いで
原反を加熱された気体、液体或いは赤外線ヒータ等によ
り加熱し、通常のインフレーシヨン法により所定の延伸
倍率で延伸加工しフィルムを得る。原反の加熱方法とし
ては、赤外線ヒーターによる方法がその装置の操作性、
作業性の点で望ましい。また加熱温度は使用する樹脂、
延伸倍率、延伸の安定性・均一性等の点から適宜決めら
れるが、樹脂の軟化点あるいは結晶融点よりも約10〜
20℃低い温度からそれよりもそれ丈高い温度範囲、即
ち90〜150℃、好ましくは110〜140℃である
。加熱温度90′C未満では樹脂が完全に溶融軟化し難
い為、延伸の安定性・均一性が不充分となり易い事及ひ
延伸倍率を大きく出来難い事等の問題が発生し、一方1
50℃を越える温度では樹脂が過度に溶融する為、いわ
ゆるドローダウン現象によつて延伸の安定性・均一性が
不充分となる欠点がある。また延伸倍率は、所望の縦及
び横方向の熱収縮率によつて主としてて定められるが、
縦方向2.5倍以下、横方向3倍以上である。
縦方向が2.5倍を越える延伸倍率ては、得られたフィ
ルムの縦方向の熱収縮率が大きく、延伸後再架橋しても
縦方向の熱収縮率の低下度が小さく、本発明の目的であ
る縦方向の熱収縮率が20%以下であるフィルムが得ら
れず、一方横方向3倍未満の延伸倍率では、得られたフ
ィルムの横方向の熱収縮率が小さく、更に延伸後再架橋
する事による熱収縮率の低下が大きすぎ、本発明の目的
である横方向の熱収縮率が50%以上であるフィルムが
得られない。インフレーシヨン法による延伸加工に於い
ては、縦方向延伸倍率1.5〜2倍、横方向の延伸倍率
3.5〜5倍の範囲が、延伸の安定性・均一性及び熱収
縮率の点て好ましく、更に横方向の延伸倍率の値を縦方
向の延伸倍率に対して約2〜25倍の値の関係に保たせ
ることが、インフレーシヨンニ軸延伸のバルブの安定化
を図る上で最も望ましい。次いで延伸して得られたフィ
ルムを再架橋、即ち一般には放射線を再照射する事によ
り本発明のフィルムが得られる。このフィルムへの再照
射はフィルムの縦及び横方向の熱収縮率を所望の熱収縮
率とする為に行うものであり、本発明の製造方法の大き
な特徴で、特に縦方向の熱収縮率を20%以下にする為
の方法である。この架橋度は最終フィルムのゲル分率で
50〜8唾量%になるように調整されるが、一般に用い
られる再照射での再照射量は、延伸前の原反のゲル分率
及び延伸加工時の縦及び横方向の延伸倍率(特に縦方向
の延伸倍率)によつて異なるが、一般に縦方向の延伸倍
率が大きい程再照射量は大となる。本発明の方法では8
〜20Mrad1更には10〜15r!4radが好ま
しいものである。再照射量が8r1!4rad未満では
、縦方向の熱収縮率の低下度が小さく、再照射を行つて
も熱収縮率が20%ご越えるし、一方20Mradを越
えて多い側では、縦方向の熱収縮率が20%以下になつ
ても、横方向の熱収縮率が5昧満となり、いずれも本発
明の目的である横方向一軸収縮性に優れたフィルムが得
られ難いものとなる。この様な延伸されたフィルムに放
射線を照射する事により、フィルムの熱収縮率が低下す
る事は前述の特開昭51−59973号公報にて開示さ
れているが、この公報の方法は架橋されていない原反を
延伸したフィルムに照射する為、熱収縮率の低下度は非
常に大きく、この方法ては本発明が対象と″するフィル
ムの縦及び横方向の熱収縮率が特異なフィルムは到底得
られない。
また特公昭48−27904号公報では、縦及び横の延
伸倍率が5倍以上であるフィルムに照射する方法が開示
されているが、この方法によつても照射する前と照射し
た−後との縦及び横方向の熱収縮率は殆ど変つていない
事が記載されている。この様に従来公知の架橋していな
い原反を延伸した後、放射線を照射しても本発明の目的
とする横方向一軸収縮性に優れたフィルムは得られなか
つた。l 本発明の方法に関して、再架橋により縦及び
横方向の熱収縮率の低下度が、各々特異な挙動を示す事
は後述の実施例に述べる通りであるが、延伸前の原反の
ゲル分率及び原反延伸時の延伸倍率(特に縦方向の延伸
倍率)及び延伸倍後の再架橋量の3条件が複雑にからみ
あつているものと考えられる。
これらの作用機構についての詳細は明確でないが、以下
の様な作用が考えられる。一般的に、ポリエチレン系樹
脂等を延伸加工した場合の延伸配向は、各分子鎖が延伸
方向へ単に流動配向する場合、即ち各分子鎖間の単なる
ズレ等により各分子鎖が配向する延伸配向の言わは初期
段階と、更に各分子鎖内て炭素一炭素鎖間が引伸はされ
て配向する場合が考えられる。
通常、上記の各分子鎖間及び分子鎖内の配向が混在して
いるものと考えられるが、延伸倍率が小さい場合成いは
延伸温度が高い場合等は前者の各分子―間の流動配向が
、また逆に延伸倍率が大きい場合成いは延伸温度が適正
である場合(いわゆる延伸開始温度であり、樹脂により
異なる)は、主として各分子鎖内の配向が発生するもの
と考えられる。この様ないずれの延伸配向に於いても、
延伸配向後再度加熱する事により収縮し、延伸前の状態
にもどる性質を有するものである。本発明の延伸加工の
方法に於いては、縦方向の延伸倍率を横方向より小さく
設定する為、縦方向の各分子鎖の配向は各分子鎖間の流
動配向が主であると考えられ、また横方向は各分子鎖内
の配向が主であると考えられる。
一般に樹脂の結晶化度が大きい程、架橋効率は小さく、
例えば低密度ポリエチレンのG値(架橋のし易さを示す
値で、大きい程架橋し易い。
)は3〜6であり、高密度ポリエチレンでは1〜3であ
ると言われている。以上の事から、本発明のフィルムに
於いては、各分子鎖間の流動配向が主である縦方向に於
いては、非晶領域的な挙動が大きく、一方各分子鎖内の
延伸配向が主たる横方向に於いては、結晶領域的な挙動
が大きくなつており、従つて照射に対して架橋効率が縦
方向と横方向とでは異なり、縦方向が横方向よりも選択
的に架橋される為、延伸後の再架橋にる熱収縮率の低下
度は、縦方向が横方向よりも大きくなるものと考えられ
る。
またある範囲内で架橋された原反を用いて、延伸加工す
る本発明の方法に於いては、分子鎖間或いは分子鎖内で
架橋された三次元構造を有する原反は、各分子鎖の流動
性が低下する為、架橋していない原反を用いる場合より
、前記の分子鎖間の流動配向が少なくなつていると考え
られ、延伸後照射する事による熱収縮率の低下度は小さ
くなると考えられ、前記特開昭51−59973号公報
で開示されている様な、照射による大巾な熱収縮率の低
下は起らないと考えられる。
以上詳細に述べた様に、本発明の方法は、延伸前の原反
に所定範囲の架橋を行い、延伸加工時の縦方向及び横方
向の延伸倍率を所定の範囲に定め、かつ延伸加工後得ら
れたフィルムに所定範囲の照射を行う各工程を組合せて
、始めて達成されるものであり、全く新規な製造方法で
ある。
再照射されたフィルムは、通常使用されている方法で、
適宜スリットされ巻き取られる。フィルムの厚さは、フ
ィルムの使用分野によつて適宜選択されるが、チューブ
状原反を用いるインフレーシヨン法に於いては、5〜1
00μのフィルムが好適に製造され得る。
以下、本発明の実施例、比較例について述べる。
実施例1 第1表に記した樹脂A65重量%と樹脂C35重量%を
ドライブレンドし、直径45T!r!N..L/D=2
8のスクリューを有する押出機の先端に設けられた2顛
のスリットを有する5亡径の環状ダイから、シリンダー
温度最高温度260℃、ダイ部温度250℃、スクリュ
ー回転数80r′Pmで下方に押出し、ダイ先端から約
20C7!の位置で、内側に水の出るスリットを有する
内直径657wtの水冷リングを用いて、水冷冷却固化
し、4.5rrL/分の引取速度て引取り、折巾100
−FOltl厚さ300μのチューブ状原反とした。
このチューブ状原反に、加速電圧500KV、加速管最
大電流密度25rr1Aの電子線加速機(日新ハイボル
テージ社製、EPS5OO)を用いて、各々6Mrad
110Mrad120Mrad照射した。次いでチュー
ブ状照射原反を環状の赤外線ヒーターを装備した加熱筒
の中に1.6771,/分の速度で送り込み、チューブ
状照射原反を120〜130℃に加熱し、縦延伸比2倍
となる様に引取るとともに、チューブ内部に空気を入れ
て横延伸比4倍となる様に膨らまし、次いで外周部から
エアリングによつて空気て均一に冷却し、厚さ葵μ、折
巾(代)oのチューブ状フィルムとし両端部をスリット
除去し、巾30C3のフィルムとなし、2枚に剥離して
ロール状に巻き取つた。次いで得られたフィルムを、同
上の電子線加速機を用いて、各々5IS−4rad,.
10Mrad115Mrad120Mrad再照射を行
つた。
得られたフィルムのゲル分率、130℃での熱収縮率、
及び延伸加工前の照射原反のゲル分率を測定した。
その結果を第2表(表中備考欄の実は実施例、比は比較
例を示す。)、第1図に縦方向の熱収縮率の変化、第2
図に横方向の熱収縮率の変化を示す。なお図中1と■は
原反照射量6Mradの場合、■とVは10Mradの
場合、■と■は20Mradの場合を各々示し、また図
中各点の添字、例えば1,1″は第2表のNO.lのフ
ィルムを示し、以下同様である。これらの結果から明ら
かな様に、延伸加工後フィルムに再照射する事により、
熱収縮率は低下する事、延伸前の原反の照射量によつて
熱収縮率に及ぼす再照射の効果に差がある事等がわかる
即ち、原反ゲル分率2唾量%のサンプルであるNO.l
〜NO.5に於いて、再照射前のフィルムの熱収縮率は
縦方向47%、横方向72%であつたが、5Mrad再
照射したNO.2でも縦方向24%、横方向45%と大
巾に縦・横方向ともに熱収縮率が低下し、本発明の目的
たるフィルムは得られなかつた。一方原反ゲル分率5踵
量%から得られたサンプルNO.6〜NO.lOのフィ
ルムでは、再照射量が10、1\20MradてあるN
O.8、NO.9、NO.lOのフィルムは、縦方向の
熱収縮率20%以下、横方向の熱収縮率は50%以上で
あり、本発明の目的たるフィルムが得られた。また原反
ゲル分率7鍾量%から得られたサンプルNO.ll〜N
O.l5のフィルムでは、再照射量が15Mrad12
0Mradであり、NO.l4、NO.l5のフィルム
は、本発明の目的であるフィルムであつた。
なおフィルムへの再照射量が増加するにもか)わらず、
ゲノヒ分率がほS′−定値を示しているが、これは照射
による架橋と分子鎖切断とが発生し、言わば平衡状態に
達している為ではないかと考えられる。実施例2 実施例1の方法で得られた原反のうち、ゲル分率5鍾量
%の原反を用い、縦及び横方向の延伸倍率を各々、1.
212.皓、2.214.4倍、2.816.5倍とし
て実施例1と同時に延伸し、次いで各フィルムに5Mr
ad110Mrad115Mrad再照射してフィルム
を得た。
得られたフィルムの熱収縮率を第3表に示す。(表中備
考欄の実は実施例、比は比較例を示す。)第3表から明
らかな様に、延伸倍率と再照射量により熱収縮率は変化
する。
即ちNOl6〜NOl9のフィルムに於ては、横方向延
伸倍率が2.5倍と小さい為、再照射により横方向の熱
収縮率が50%に達しないものであつた。またNO.2
4〜NO27のフイルl、に於ては、縦方向延伸倍率が
2.8倍と大きい為、再照射しても縦方向の熱収縮率は
20%以下にならないものであつた。
一方NO.23のフィルムは、縦方向の熱収縮率が15
%、横方向が55%であり、本発明の目的を満たすフィ
ルムであつた。実施例3 実施例1に於て、樹脂組成を第4表に示す様にかえ、チ
ューブ状原反を作成し、チューブ状原反に20Mrad
照射し、延伸倍率縦方向1.6f8、横方向3.2倍、
延伸温度NO.28は110℃、NO.29〜NO.3
4は130〜140℃で延伸し、次いで15Mrad再
照射した。
得られたフィルムの熱収縮率を第4表に示す。以上述べ
た様に、本発明で得られるフィルムは第1図及び第2図
に示すように特定の製造条件下で初めて得られるもので
あり、ポリエチレン系樹脂を基材とし、架橋後延伸し、
更に延伸したフィルムに放射線を照射する製造方法によ
つて得られる。横方向一軸収縮性に優れたフィルムであ
り、以下の様な特徴を有するものてある。(イ)ゲル分
率が30〜75重量%となる様に架橋された原反を、縦
方向の延伸倍率2.5倍以下、横方向の延伸倍率3倍以
上て延伸し、次いて放射線に依り再架橋(8〜20Mr
ad再照射)する新規なる本発明の製造方法により得る
為、フィルムの縦方向の熱収縮率が20%以下、横方向
の収縮率が50%以上てあり、横方向一軸収縮性に優れ
たポリエチレン系樹脂フィルムである。
(ロ)架橋後延伸配向されたフィルムであり、機械的強
度、耐熱性、光学特性等に優れたフィルムである。
(ハ)ポリエチレン系樹脂を基材としたフィルムであり
、食品衛生の点、廃棄物処理等の点で優れたフィルムで
ある。
上記(イ)〜(ハ)を満すフィルムは、例えばキャップ
シールや、シュリンクラベル用フィルムとして極めて有
用で、従来の塩ビフイルムをしのぐものである。
本発明は、このような有用性の高いフィルムを架橋ポリ
エチレン系樹脂で初めて完成できるようにした製法とい
う点、及び設備面、作業効率面で有利なインフレーシヨ
ン法でこれを達成し得るようにした製法という点で、産
業界に果す役割の大きい優れた発明といえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたフィルムの 130℃に於る縦方向の熱収縮率を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリエチレン系樹脂を基材としたゲル分率が50〜
    80重量%、フィルムの熱収縮率が縦方向の値に比べて
    横方向の値が著るしく大きい熱収縮性架橋ポリエチレン
    系樹脂フィルムを得るに当り、先ず環状ダイを用いる押
    出法に依つて、ゲル分率が30〜75重量%のポリエチ
    レン系樹脂チューブ状架橋原反を作成し、次いでこの原
    反を90〜150℃に加熱して縦方向2.5倍以下、横
    方向3倍以上の延伸倍率のインフレーシヨン二軸延伸を
    施し、次いで放射線照射に依りフィルムのゲル分率値を
    50〜80重量%の範囲に調整して、縦方向の熱収縮率
    が20%以下、横方向の熱収縮率が50%以上の値のフ
    ィルムを得ることを特徴とする熱収縮性架橋ポリエチレ
    ン系樹脂フィルムの製造方法。
JP11512477A 1977-09-27 1977-09-27 熱収縮性架橋ポリエチレン系樹脂フイルムの製造方法 Expired JPS6054334B2 (ja)

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