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JPS6017871B2 - 皮革様シ−ト物の製造方法 - Google Patents

皮革様シ−ト物の製造方法

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Publication number
JPS6017871B2
JPS6017871B2 JP11817679A JP11817679A JPS6017871B2 JP S6017871 B2 JPS6017871 B2 JP S6017871B2 JP 11817679 A JP11817679 A JP 11817679A JP 11817679 A JP11817679 A JP 11817679A JP S6017871 B2 JPS6017871 B2 JP S6017871B2
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JP
Japan
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layer
polyurethane elastomer
leather
porous
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP11817679A
Other languages
English (en)
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JPS5643479A (en
Inventor
清 均井
俐 広藤
敏和 久戸瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP11817679A priority Critical patent/JPS6017871B2/ja
Publication of JPS5643479A publication Critical patent/JPS5643479A/ja
Publication of JPS6017871B2 publication Critical patent/JPS6017871B2/ja
Expired legal-status Critical Current

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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 が発明は天然皮革に類似した外観と風合を有する皮革様
シート物の製造方法に関する。
今日、天然皮革の代替品として多くの種類の人工皮革が
現われている。
これら人工皮革のうち、従来は、多孔質ポリウレタンェ
ラストマ−を内部に有する不織布層、多孔質ポリウレタ
ンェラストマーを内部に有する織布層および多孔質被覆
層の三層よりなる人工皮革が主流であったが、この三層
よりなる人工皮革は風合が堅く、かつしなやかさに乏し
く、天然皮革からは程遠いものであった。今日、三層構
造よりなる人工皮革に代えて、内部に多孔質ポIJウレ
タンェラストマーを有する不織布からなる基体層および
ポIJウレタンェラストマーの多孔質被覆層(いわゆる
銀面層)からなる二層構造のものが人工皮革の主流とな
りつつある。この二層構造の人工皮革は前記三層構造よ
りなる人工皮革と比べてかなりしなやかであり、かつ風
合も柔らかいものである。さらに、この二層構造の人工
皮革において、基体層の不織布を構成している繊維とし
て、二種以上のポリマーを混合紡糸あるいは複合紙糸し
、得られた繊維から少なくとも一成分を抽出除去すこと
により得られる極細繊維東あるいは多孔繊維を用いた場
合には、通常の天然繊維や単一紡糸繊維を用いた場合と
比べて、より一層しなやかにして、風合の柔らかい人工
皮革が得られる。今日、これらの改良を加えてしなやか
さを付与した人工皮革は、その多孔質被覆層の表面に種
々の要求に応じた仕上げ層を設けることにより、靴、ラ
ンドセル、学生鞄、スポーツ用品等の種々な製品に加工
可能なものとされている。しかしながら、これら二層構
造の人工皮革も天然皮革と比べてまだ風合が堅く、ドレ
ープ性に劣るため、衣料用あるいはィンテリャ用として
は適していない。二層構造の人工皮革より、更に反綾性
の少ない、換言すればゴム感のない天然皮革様の人工皮
革を製造するとが出釆れば衣料用、ィンテリャ用として
使用が可能となると同時に従来、人工皮革が用いられて
いた靴、鞄、スポーツ用品等の分野においても、一層多
くの需要が期待できることになる。本発明者等らは、従
来の人工皮革よりもはるかに天然皮革に近い外観と風合
を有する人工皮革を得ることを目的に研究を重ねた結果
、従来の人工皮革において基体層上に存在しているポリ
ウレタンェラストマーからなる多孔質被覆層が人工皮革
にゴム感を与えており、このために天然皮革から程遠い
外観および風合になっていることを見出し、本発明に至
った。
すなわち、本発明は、極細繊維東が総合されて形成され
ている不織布およびポリウレタンェラストマーを主体と
する多孔質な重合体よりなり、かっこの多孔費な重合体
が不織布内部に存在している基体層(A)上に、ポリウ
レタンヱラストマーを主体とする重合体の水系ェマルジ
ョン液を塗布・乾燥して非多孔質目詰め届(B)を形成
させた後、顔料を含有しているポリウレタンェラストマ
−を主体とする重合体の溶液を塗布・乾燥して着色非多
孔質層(C)を形成させ、さらにつや調整用微粒子を含
有しているポリウレタンェラストマーを主体とする重合
体の溶液を塗布・乾燥してつや調整非多孔質層(D)を
形成させることを特徴とする皮革様シート物の製造方法
である。
本発明方法により得られた皮革様シート物は、基体層上
に多孔質被覆層を有していない。すなわち、従来の人工
皮革の表現を用いるならば、本発明方法で得られる皮革
様シート物は一層構造よりなるものであり、この一層構
造のシート物上に直接非多孔質の表面仕上げ層が積層さ
れているものである。本発明で得られる皮革様シートで
は、多孔質被覆層が省略されているため、ゴム感がなく
、さらに基体層上に設けられている特殊な表面仕上げ層
により外観も極めて天然皮革に類似したものとなってい
る。なお、本発明で言う非多孔質層とは、厚さが均一の
フルム状の非多孔質膜層のみを指すのではなく、厚みが
不均一な、場合によってはスポット的に不連続に存在し
ている非多孔質の樹脂層をも含む。次に本発明について
詳しく説明する。
まず本発明方法に用いられる基体層(A)は、極細繊維
東が総合されている不織布と、この不織布内部に存在し
ている多孔質なポリウレタンヱラストマーを主体とする
重合体からなる。
極細繊維東とは、相溶性がなく、かつ溶解性を異にする
二種以上のポリマーを鷹合繊糸し、得られた海島構造の
繊維より海成分を溶剤により抽出除去して得られたもの
である。海島構造繊維を得るために使用されるポリマー
としては、例えばポリエチレンレフタレート、6ーナイ
ロン、6,6ーナイロン、6,10−ナイ。ン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
ビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の
可紡性ポリマーが挙げられる。これらポリマーの内、ど
れを島成分ポリマーとして使用し、どれを海成分ポリマ
ーとして使用するかは、最終製品の要求性から定めれば
よい。島成分ポリマーと海成分ポリマーとこの海成分ポ
リマーを抽出除去するための溶剤との組合せの一例を示
せば下記のようなものがある。ポリエチレンテレフタレ
ートーナイロン−ペンジルアルコール−又は塩化カルシ
ウム含有メタノーノレ6−ナイロンーポリビニルアルコ
ールー水ポリエチレンテレフタレートーポリエチレン−
トルエンポリプロピレンーポリスチレンートリクレン6
ーナイロンーポリエチレンートリクレンこのようにして
得られた海島構造繊維に、必要に応じて延伸、捲縦、切
断等の操作を加えた後、ウェブに形成し、ニードルパン
チング等の絡合処理をして不織布に形成する。
不織布に用いられる海島構造の繊維の織度は通常約1.
0デニールから20デニール、好ましくは1.5デニー
ルから15デニールの範囲である。海島構造の繊維の織
度が上記の範囲を外れる場合には、繊維を絡合させて不
織布を得る際に工程上の問題が生じる。また不織布を製
造するのに用いられる梅島構造の繊維の各断面における
島の数は100個以上が好ましく、また、この島成分の
太さは0.1デニール以下、特に0.01デニール以下
、0.0001デニール以上であることが好ましい。島
の太さが0.1デニールより大きし・場合には、得られ
る皮革様シート物のしなやかさにおいて劣ると共に、基
体層表面の凹凸が表面仕上げ層を付与した後にもシート
表面に現われ、天然皮革の外観が得られにくくなる。従
来より、1本の繊維内に0.1〜0.4デニールの太さ
の島成分を10〜30本存在させた複合紡糸が人工皮革
の基体に使用できることは広く知られている。
しかしながら、本発明の多孔質被覆層を有しない人工皮
革にこのような複合級糸繊維を用いると、織度が大きい
ため、基体表面の凹凸が表面仕上げ後の人工皮革表面に
表われ、本発明方法が目的とするような人工皮革が得ら
れにくい。本発明方法において基体となる不織布の目付
は海成分を除去した重量で100〜1500多/あの範
囲が好ましい。
海島構造繊維を絡合させた不織布には、必要に応じて繊
維を仮固定する方法が採用される。
繊維を仮固定することにより、後のポリウレタンェラス
トマーを主体とする重合体の溶液を含浸させる際の繊維
のバラケ等の工程上の不都合が生じることを防ぐことが
できる。繊維の仮固定の具体的方法として、海島構造繊
維の海成分が易熱溶着‘性ポリマーである場合には、熱
処理で一時的に熱溶着しておく方法が採用できる。また
、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース等の糊剤を用いて仮固定する方法も採用できる。
これら糊剤は、ポリウレタンェラストマ−を主体とする
重合体の溶液を含浸、凝固させた後に不織布から除去さ
れねばならない。糊剤として水溶性ポリマーを用いるこ
とは、不織布を水洗いするだけで糊剤を除去でき仮固定
を解くことができる点で好ましい。このようにして得ら
れた不織布には、次にポリウレタンェラストマーを主体
とする重合体の溶液が含浸され、湿式凝固される。
含浸に用いられるポリウレタンエラストマーは、ポリエ
ステルジオール、ポリエーテルジオールまたはポリエス
テルエーテルジオールの一種または二種以上のポリマー
ジオールをソフトセグメントとし、このソフトセグメン
トと有機ジィソシアネートと活性水素原子を二個有する
化合物を重合したポリウレタンェラストマーで、好まし
くは有機ジイソシアネートのィソシアネート基を構成し
ていた窒素原子のポリウレタンヱラストマーに対する重
量百分率(以下N%と称す)が2.5〜7であるような
ポリウレタンェラストマーが好ましい。N%が2.5未
満のポリウレタンェラストマーを使用した場合には、耐
溶剤性、耐熱性、熱固定性の低下が起こり、またN%が
7を越えるポリウレタンェラストマーを使用した場合に
は、スポンジが硬くなり、耐屈曲性が低下する。含浸に
用いられるポリウレタンェラストマ−を主体とする重合
体の溶液とは、ポリウレタンェラストマ−、あるいはそ
れに少量の他の重合体、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸メチ瑠、ポリビニルホルマール等のポリウレ
タンェラストマーと相溶性を有する重合体を混合した組
成物を溶媒に溶解させたものである。溶液中の重合体の
濃度は10〜2の重量%が好ましい。溶液は顔料や染料
等の着色剤、凝固調節剤、各種安定剤、その他充填材等
を含んでいてもよい。不織布へのこの溶液の含浸量とし
ては、海成分除去した不織布100夕当り、溶液中の重
合体換算で20〜150夕の範囲が好ましい。上記重合
体換算の含浸量が20タ未満の場合には、ェンポス固定
ができないという欠点を生じ、また150夕を越えて重
合体を含浸した場合には、不織布表面に余剰の重合体溶
液が層として存在し、この結果不織布表面に多孔質被覆
層が生じることがあり、更にゴム的となり本発明の目的
が蓮せられない場合がある。ポリウレタンェラストマー
を主体とする重合体の溶液を含浸した不織布を、重合体
の溶媒とは親和性を有するが重合体とは親和性を有しな
い液を入れた凝固浴中に浸糟することにより、内部にポ
リウレタンェラストマーを主体とする多孔質な重合体を
有する不織布が形成される。
さらに、この不織布を、海島構造繊維の海成分を抽出除
去するために、抽剤浴中に浸糟するか、あるいは柚剤を
表面にふりかけつつ不織布を操むことにより、海島構造
繊維が極細繊維東となり、本発明方法で用いられる基体
層が完成する。基体層の表面は内部と同様に極細繊維東
をポリウレタンェラストマーを主体とする重合体から形
成されているが、湿式凝固すると、表面はポリウレタン
ェラストマーを主体とする重合体が内部よる若干多くな
るるが、このような場合の方が極細繊維東を形成してい
る極細繊維が基体表面にバラけて毛羽状になっている場
合よりも表面仕上層が美しく仕上がり易い。本発明方法
により得られた皮革様シート物は、従来の人工皮革のよ
うに基体層の表面に厚い多孔質の銀面層が存在しない。
このような基体層の表面に直接表面仕上げ用の重合体溶
液を塗布して乾燥した場合には、基体表面の凹凸が表面
仕上げ後の皮革様シートに影響し、表面層に割れや陥没
が現われ、良好な外観が得られない。本発験では、基体
層表面にポリウレタンェラストマーを主体とする重合体
の水分散液を塗布して乾燥することにより、基体層表面
の凹部をポリウレタンェラストマ−を主体とする重合体
で埋めて基体表面を平坦化するための層(本発明ではこ
の非多孔質層を(B)層と称す)、いわゆる目詰め層を
形成させて、かかる欠陥を除去したのである。水系ェマ
ルジョン液を構成しているポリウレタンヱラストマ−は
、ソフトセグメントとしてポリエーテルグリコ−ル、ポ
リエステルグリコール、ポリエーテル・ェステルグリコ
ールのいずれを用いたものであってもよいが、特にポリ
エーテルグリコールをソフトセグメントとして用いたも
のが目詰め効果が大きく、好ましい。
さらに、この(B)層に用いるポリウレタンェラストマ
−としては、N%が3〜6の範囲のものが風合および熱
固定性の点で好ましい。(B)層として、ポリウレタン
ェラストマーを主体とする重合体の水系ェマルジョン液
に代えて、ポリウレタンェラストマーを主体とする重合
体の溶液あるいはその他の重合体の溶液を塗布して乾燥
した場合には、目詰め効果はほとんど得られない。ポリ
ウレタンェラストマーを主体とする重合体の水分散液を
塗布して乾燥することにより始めて目詰め効果が得られ
る。(B)層に用いられる該水系ェマルジョン液は、ポ
リウレタンェラストマー以外の樹脂、たとえばアクリル
、ポリ塩化ビニル等の樹脂を少量含んでいてもよい。目
詰め効果を得るための該水系ェマルジョン液の最適使用
量は、ポリウレタンェラストマーの岡型分の換算して5
〜60夕/あの範囲である。
5夕より少ない場合には、目詰め処理後の表面層にクラ
ツクやピンホールの大きいのが残り外観を損うことにな
る。
また60夕より多い場合には、風合が堅くなり、ゴム感
が出る。より好ましくは、ポリウレタンェラストマ−の
園型分で30タノで以下の可能な限り少量の使用愛で(
B)層を形成させることであり、そのためには、該水系
ェマルジョン液を塗布するに先立って、基体層カレンダ
ー掛けして表面を平滑化しておくことが好ましい。この
カレンダー掛けの装置として、実公昭48一14671
号公報に記載されているような装置、すなわち、圧着部
を加熱されているが剥離部は冷却されているような平滑
な金属ベルトを有するカレンダー掛け装置を用いて、基
体を該金属ベルトに圧着−剥離して、基体をカレンダー
処理することは、後に行なう表面仕上げ層の形成を容易
にし、また(B)層としての樹脂使用量を減らすこが出
来るため、風合の良好な皮革様シート物を得るための好
ましい付加的工程である。(B)層を形成させるのに用
いるポリウレタンェラストマ−を主体とする重合体の水
系エマルジョン液は重合体の濃度が20〜6の重量%で
あるようなものが好ましい。
20%以下の場合には、基体内部まで浸透し易く目語効
果が低い。
また60%以上の場合には、連続膜ができ易く、物性が
低下する。該水分散液を塗布する方法としては、グラビ
ヤ法、吹付法等が挙げられるが、なかでもグラビャ法が
目詰めを確実に行なえる点で最も好ましい。該水系ェマ
ルジョン液を塗布した基体を乾燥すことにより、非多孔
質な目詰め眉(B)が完成する。目詰め層(B)が積層
された皮革様シート物の表面には、次に顔料を含有して
いるポリウレタンェラストマーを主体とする重合体の溶
液より形成された非多孔質層(C)を積層される。
これは、基体層における繊維と多孔質ポリウレタンの構
成比のばらつき、および目詰め層(B)の厚さのばらつ
きに基づく色斑を藤弊すると同時に皮革様シート物に好
みの色を与えるためのものであり、基体層表面に多孔質
被覆層が存在しない本発明方法の皮革様シート物にとっ
て、この(C)層は必須のものである。(C)層は固型
分で0.5〜50夕/めで形成されるが、この(C)層
には、ポリウレタンェラストマーを主体とする重合10
0重量部当り顔料が3〜35q重量部、好ましくは20
〜30の重量部含有されている。
(C)層の固型分が0.5夕より少ない場合には、色斑
の発生という欠点が生じ、逆に50夕/〆より多い時に
は、風合が硬くなという欠点が生じる。また(C)届の
顔料含有量が3重量部未満の時には、50夕/め以下の
固型分で前記色斑を隠弊することが難しく、また30の
重量部を越える場合には、(C)層と目詰め層(B)間
の接着力が弱くなり、剥離を生じる場合がある。(C)
層に用いられる重合体は、ポリウレタンェラストマ−単
独物、あるいはこれと他の重合体との混合物である。
この層に用いられるポリウレタンエラストマーは、ポリ
ヱーテル系、ポリエステル系あるいはポリェーテル・ェ
ステル系のいずれであってもよい。またこのポリウレタ
ンエラストマーのN%は3〜6の範囲が鼠合、熱固定の
点で好ましい。ポリウレタンェラストマーと混合して用
いることのできる重合体としては、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂等が挙げられる。(C)層は顔料を含有
しているポリウレタンェラストマーを主体とする重合体
の溶液を塗布して乾燥することにより形成されるが、こ
の重合体溶液における重合体の濃度は3〜2の重量%の
範囲が塗布操作の点で好ましい。(C)層を形成させる
ために該重合体溶液を(B)層上に塗布する方法として
、グラビャ法、吹付法等が挙げられるが、なかでも、グ
ラビヤ法が均一厚さの層を容易に形成できる点で好まし
い。また、この(C)層には、顔料の他に、染料、柔軟
剤、各種安定剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。以
上に述べた如く、基体層(A)上に、目詰め層(B)お
よび表面仕上げ層(C)を順次積層することにより、天
然皮革の外観および類似した人工皮革が得られるが、さ
らに(C)層上に艶消し用の微粒子を含有しているポリ
ウレタンェラストマーを主体とする重合体の溶液より形
成された非多孔質層(D)を設けることにより、表面の
光沢をコントロールして種々の目的に適合した光沢を有
する皮革様シートが得られる、特に(A),(B)およ
び(C)よりなる人工皮革は、従来の多孔質被覆層を有
する人工皮革と比べて、表面光沢が強く、この点で本発
明の人工皮革は問題を有しているが、(D)層を設ける
ことにより解消する。
(D)層に添加される微粒子の種類は艶消し効果がある
ものであればよく、特にシリカ、炭酸カルシウム、酸化
チタンなどのうち、ポリウレタンェラストマー溶液に対
して分散性の良好なもの、あるいはポリカーボネートの
ような硬い樹脂で、かつ(D)層を構成している重合体
と非相溶性である樹脂の粉末が用いられている。
また、これら微粒子は0.01〜0.1山の粒径を有す
るものが好ましい。さらに、(D)層に用いられる微粒
子は、通常、(D)層を形成させた時に(D)層を白、
またはほぼ白に近い色に着色するような粉末が好ましい
。微粒子の添加量は(D)層を構成しているポリウレタ
ンヱラストマーを主体とする重合体10低重量部当り3
0〜6の重量部の範囲が好ましい。(D)層の厚さは、
その用途、たとえば衣料用、インテリャ用、スポーツ用
品等によって最適表面光沢が異なるため、一概には言え
ないが、通常、間型分で0.5〜30夕/あとなる様な
厚さが好ましく、具体的には(D)層を付与した皮革様
シート物を上部より見た場合に濁った(0)層を透して
(C)層が表面に十分見える程度の厚さおよび微粒子濃
度が好ましい。(D)層に用いられるポリウレタンェラ
ストマーは、ポリェーテル系、ポリエステル系あるいは
ポリェーテル・ヱステル系のいずれであってもよいが、
後に得られた人工皮革を染色して、より深みのある色を
有する人工皮革を得たい場合には、(C)層または/お
よび(D)層を構成しているポリウレタンエラストマ−
としてポリエチレングリコールをソフトセグメント成分
の少なくとも一部として使用したポリウレタンヱラスト
マーを用いるのが好ましい。
また(D)層に用いられるポリウレタンエラストマ−と
しては、N%が3〜7のものが風合および熱固定性の点
で好ましい。(D)層を構成する重合体としては、上記
ポリウレタンェラストマー単独物であっても、あるいは
他の重合体との混合物であってもよく、ポリウレタンェ
ラストマ−と混合して使用できる重合体としては、アク
リル系の樹脂や塩化ビニル樹脂等が挙げられる。(D)
層は微粒子を含有しているポリウレタンェラストマーを
主体とする重合体の溶液を塗布して乾燥することにより
形成されるが、この重合体溶液中の重合体の濃度は3〜
6重量%の範囲が好ましい。
(D)層は艶消し用微粒子を含んでいることが必須であ
るが、これ以外に染料、柔軟剤、各種安定剤、帯電防止
剤等を含んでいてもよい。(D)層を形成させるために
該重合体溶液を(C)層上に塗布する方法として、グラ
ビャ法、吹付法等が挙げられる。(D)層の好ましい形
成方法は、まず微粒子を含有しているポリウレタンェラ
ストマーを主体とする重合体の溶液を固型分で0.5〜
30夕/れとなる量で(C)層上に塗布したのち乾燥し
、ェンボシングする方法である。この方法で艶消しが不
十分な場合には、更にェンボシング後の表面に0.5〜
15夕/〆の厚さを有する該微粒子含有層を積層する方
法を用いるのが好ましい。この場合にはェンボスの山の
みに再度塗布した(D)層が出来、(D)層全体として
不均一な厚さの層となる。本発明方法により得られる(
A),(B),(C)および(D)層よりなる人工皮革
は、必要に応じて、染色、嫉み処理、カレンダー処理等
を行ない、さらに必要ならば、表面仕上げ層を設けるこ
とにより、天然皮革に極めて類似した外観と風合を有す
る皮革様シート物が得られ、これらの皮革様シート物は
従来の人工皮革が用いられていた靴、鞄等の分野のみな
らず、衣料用、ィンテリャ用、スポーツ用品用としても
適している。
以下に実施例により本発明方法を具体的に説明する。
実施例および比較例で用いられている部および%は、特
別なことわりがない限り、重量に基づく値である。実施
例 1 6−ナイロン10碇部とポリエチレン10の部を混合紙
糸したのち、延伸、捲縮、およびカットして、6‐ナイ
ロンが平均デニール0.004rで島成分となっている
4drの原綿をを作成した。
この原綿からランダムウェーバーによってウェブを作り
、ニードルパンチによって100咳/〆の絡合不織布を
作った。ついでポリビニルアルコール水溶液に浸潰し、
乾燥後さらに135qoで熱処理をし、海成分であるポ
リエチレンを融着せしめて硬いシートを作った。その後
ポリエチレンポリプロピレンアジベートをソフトセグメ
ントとするN%が4%であるポリウレタンヱラストマー
の16%ジメチルホルムアミド溶液を合浸し、水7$部
およびジメチルホルムアミド3庇郭よりなる30℃の凝
固裕中に浸糟して湿式凝固した。引き続きこのシート物
をトルヱン中に浸潰して海成分のポリエチレンを抽出し
、6−ナイロンの極細繊維東の総合体内部に多孔質ポリ
ウレタンェラストマ−を有する不織布を得た。6ーナィ
ロンとウレタンェラストマーの成分比は55対47であ
った。
厚み2.2脚の本シートをそのまま基体層(・A)とし
て用いた。基体(A)の上にポリェーテル系ポリウレタ
ンの40%水系ェマルジョン液(Vondic1310
:大日本インキ化学工業(株)製)をグラビャ方式で固
型分として16夕/あとなるように塗布乾燥して、目詰
め層(B)を形成した。(B)の上にポリウレタンヱラ
ストマーに対して200%の黄茶色顔料を含有している
N%が4.0のポリウレタンエラストマーの14%溶液
(溶媒;エチルセロソルブ−イソプロピルアルコールー
トルェン混合液)をグラビャ方式で塗布し乾燥して5夕
/での着色層(C)を形成した。さらにこの上に(D)
層を形成するにあたり、ポリエチレングリコールをソフ
トセグメントし、N%が5%である易梁性ポリウレタン
ェラストマーに繁消用の平均粒径4仇h仏のシリカを該
ポリウレタンェラストマーに対して30%混合したポリ
ウレタンェラストマーの7%溶液(溶媒;アセトンーシ
クロヘキサノンージメチルホルムアミド混合液)を調製
し、この液をシート上にグラビャ方式で塗布し3タノ〆
の(D)層を形成した。得られたシートは適当な光沢度
を有していた。これに加熱ェンボスローラーを用いて天
然皮革に類似した模様を付与した。更に、ィンガランィ
ェロー駅L、インガランブラウン20L、インガランオ
リープBGLを混合した染料水溶液で、85〜95午0
で1時間染色し、褐色に染色された皮革様シートを製造
した。更にシート表面にカレンダーがけしたところ天然
皮革と同等の発色性、光沢及び風合を有する皮革様シー
ト物を得た。実施例 2 実施例1において、前述の着色層(C)に替えてポリエ
チレングリコールをソフトセグメントとし、N%が5%
である易梁性ポリウレタンに対して200%の黄茶色の
顔料を含有しているポリウレタンェラストマーの14%
溶液(溶媒;エチルセロソルブ)をグラビャ方式で塗布
し乾燥して5夕/〆の着色層(C)を形成せしめた。
次いで(C)層が形成されたシート物質の表面に艶消用
に平均粒径4仇h山のシリカをポリウレタンヱラストマ
ーに対して30%含有しているN%が4.0のポリウレ
タンェラストマーの6.8%溶液液(溶媒:シクロヘキ
サノンーテトラヒドロフラン混合液)を固型分で2夕/
〆付与されるようにラビャ方式で塗布し乾燥して、(D
)層を形成し、光沢度の低い皮革様シート物質を得た。
これに天然皮革に類似した模様を加熱したェンボスロー
ラーで付与した。さらに得られたシート物をインガラン
ィェロー2RL、インガランブラウン20L、インガラ
ンオリーブBRLを混合した染料水溶液で85〜9yo
で1時間染色し、褐色に染色された皮革様シートを製造
した。得られたシートの光沢、平滑性を賦与するため、
カレンダーがけを行ない、風合、シボ共に天然皮革に極
めて近似した皮革様シート物を得た。実施例 3 実施例1において、(B)層を形成する前に庄着する際
の温度が120午0で剥離する際の温度が100℃とな
るように温度コントロールされた平滑な金属ベルトを有
するカレンダー装置を用いて、シート(A)の表面を加
熱処理した。
表面は実施例1の表面と比較して、尚一層平滑であった
。その後目詰め層(B)、着色層(C)およびつや調整
層(D)の仕上げ方法は実施例1と同様にした。得られ
たシート物は実施例1よりも更に平滑な面を有する皮革
様シート物であった。実施例 4 実施例1の基体の繊維を、ポリエチレンテレフタレート
10碇部とポリエチレン10の部とを混合紙糸した0.
002功rの太さのポリエチレンテレフタレ−トを島成
分とする混合織糸繊維にした以外は、実施例1と同様に
して皮革様シートを得た。
6−ナイロンの場合よりやや風合は硬目であったが外観
は極めて天然皮革に近似したものであった。
比較例 1実施例1の操作において、(B)層として水
系ェマルジョン液を用いる代りに、ポリェーテル系ポリ
ウレタンのジメチルホルムアミド溶液を用いた。この場
合、溶液は基体(A)の内部に浸透し、風合は硬くなり
、基体表面の凹凸を減少して平担化する目詰め効果がな
かった。更に、実施例1と同一の(C)層、さらに実施
例2と同一の(D)層を積層しても表面の平滑性は不良
であり、風合も硬く、天然辻史革とはかけ離れたシート
状物であった。比較例 2 実施例1で(B)層を形成しないで、省略した他は実施
例1と同様の処理によって皮革様シート物を作成した。
この皮革様シート物はフラット性とェンボス性が不良で
天然皮革の有している高級感がなく、一見した模造の人
工皮革であることがわかる物であった。比較例 3 6−ナイロンとポリエチレンの多芯鞘繊維(芯数:9本
)で島成分の6ーナィロンの繊維が0.3なである原綿
を用いた他は実施例1と同様にして、皮革様シート物を
得た。
この皮革様シート物は表面の毛羽が十分押えられておら
ずピンホール様の欠陥の多い表面を有しており、天然皮
革様の外観および軟らかを有していなかった。比較例
4 実施例1の操作において、(B)層としてポリウレタン
の水系ェマルジョンを用いる代りに樹脂濃度40%のア
クリル系ヱマルジョン液(分散煤:水)を用いた。
この場合にも風合の硬化が感じられた。更に、実施例1
と同一の(C)層および実施例2と同一の(D)層を積
層しても特に風合の点で天然皮革とは、かけ離れたシー
ト状物であった。比較例 5 実施例1の操作において基体作成時にポリウレタンのジ
メチルホルムアミド溶液を含浸した後に、更に表面に、
同じポリウレタン溶液をコートし、湿式凝固し基体表面
に約70夕/めの多孔質被覆層を有する基体を得た。
その後、実施例1と同様(B)層および(C)層を付与
して皮革様シート物を得た。外観は極めて天然皮革に近
似したものであったが、風合は硬く、本発明が目的とす
るような人工皮革、すなわち風合および外観の両面にお
いて天然皮革と類似しているシート物ではなかつた。比
較例 6 施例1において、(C)層を形成しないで、(B)層が
形成されたシート物質の表面に艶消し用の平均粒径4肌
〃のシリ力をポリウレタンェフストマ−に対して30%
含有しているN%が4.0のポリウレタンェラストマー
の6.8%溶液(溶媒;シクロヘキサノンーテトラヒド
ロフラン混合液)を固型分で2夕/れ付与されるように
塗布して(D)層を形成し、これに天然皮革に類似した
模様を加熱したェンボスローラーで付与して皮革様シー
ト物を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維束が絡合されて形成されている不織布およ
    びポリウレタンエラストマーを主体とする多孔質な重合
    体よりなり、かつこの多孔質な重合体が不織布内部に存
    在している基体層(A)上に、ポリウレタンエラストマ
    ーを主体とする重合体の水系エマルジヨン液を塗布・乾
    燥して非多孔質目詰め層(B)を形成させた後、顔料を
    含有しているポリウレタンエラストマーを主体とする重
    合体の溶液を塗布・乾燥して着色非多孔質層(C)を形
    成させ、さらにつや調整用微粒子を含有しているポリウ
    レタンエラストマーを主体とする重合体の溶液を塗布・
    乾燥してつや調整非多孔質層(D)を形成させることを
    特徴とする皮革様シート物の製造方法。 2 ポリウレタンエラストマーを主体とする重合体の水
    系エマルジヨン液を塗布するに先立つて、基体層表面を
    カレンダー処理する特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
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