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JP3142098B2 - 皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物の製造方法

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JP3142098B2
JP3142098B2 JP05245368A JP24536893A JP3142098B2 JP 3142098 B2 JP3142098 B2 JP 3142098B2 JP 05245368 A JP05245368 A JP 05245368A JP 24536893 A JP24536893 A JP 24536893A JP 3142098 B2 JP3142098 B2 JP 3142098B2
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀付き調の皮革様シー
ト状物の製造方法に関する。詳しくは、厚地であり、表
面に微細な折れシボ模様を有し、しかも平滑性が高く、
柔軟で天然皮革に類似した風合いを有する皮革様シート
状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面の平滑性の良好な皮革様シートを製
造する方法として、多孔質被覆層を有する繊維質基体層
表面にポリウレタンの薄膜層を付与し、フラットエンボ
ス処理により表面平滑化した後仕上げ層を付与し、着
色、揉み仕上げする方法が特公昭59−43586号公
報に提案されている。また、特公昭49−40921号
公報には、抄紙法により得た繊維集合体と高分子弾性体
からなる銀面層を繊維質基体と貼り合わせることにより
表面平滑な皮革様シート材料を得る方法が提案されてい
る。また、シートの柔軟化や折れシボ模様付与のために
皮革様シートを温水中でのリラックス処理したり機械的
な揉み処理を行うことも知られている。一般に、機械的
な揉み処理では得られる折れシボの肌理が粗く、温水中
でのリラックス処理では肌理の細かい折れシボが得られ
易い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】温水中でのリラックス
処理を行うことにより皮革様シート状物は柔軟化され、
独特の肌理の細かい折れシボを得ることが出来る。とこ
ろが、厚みが1mm以上で軽量かつ柔軟な皮革様シート状
物を得ようとして、厚みが厚く見掛密度の小さいシート
状物をリラックス処理した場合、リラックス処理による
繊維の変形に起因する皺が発生し、折れシボが粗くな
り、肌理の細かい平滑面を得ることは困難であった。含
浸樹脂の量を多くしてシートの見掛密度を上げることに
より表面の平滑性は改善されるが、シートの見掛密度が
大きくなるため、重量が重くしかも風合いの硬い物とな
る。本発明は、表面に肌理の細かい折れシボを有し、し
かも平滑性が良好で、かつ風合いのソフトな厚地の皮革
様シート状物の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、極細繊維およ
び/または極細繊維束からなる繊維集合体と該繊維間空
隙に存在する高分子弾性重合体からなる厚さ0.6mm以
下かつ見掛密度0.40g/cm3以下の繊維質基体層1の
片面に高分子弾性重合体を主体とした銀面を形成し、8
0℃以上の温水中でリラックス処理した後、厚さ0.4m
m以上かつ見掛密度0.40g/cm3以下の繊維質基体層
2と貼り合わせることを特徴とする皮革様シート状物の
製造方法である。
【0005】
【作用】まず、本発明の繊維質基体層1は、極細繊維お
よび/または極細繊維束からなる繊維集合体、好ましく
は緻密に絡合した3次元絡合不織布の繊維間空隙に高分
子弾性重合体を主体とした樹脂が含有されたものであ
る。ここで、極細繊維あるいは極細繊維束は、溶剤ある
いは分解剤に対する溶解性や分解性の異なる少なくとも
2種類の可紡性ポリマーを混合あるいは複合紡糸して得
られる多成分繊維の少なくとも1成分を除去することに
よって得られる繊維である。このような繊維を形成させ
ることが出来るポリマーとしては、例えばポリアミド、
ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアル
コール、ポリオレフィン類、再生セルロース、ポリ塩化
ビニル、セルロースアセテート、ポリエーテルなどが挙
げられる。
【0006】多成分繊維は、繊維集合体、好ましくは3
次元絡合不織布に加工する。すなわち、多成分繊維の短
繊維をカードウエブとし、所要枚数積層した後、ニード
ルパンチや高圧流体流により絡合処理を行う。得られた
絡合不織布は、必要に応じて樹脂の含浸に先立ってフラ
ットカレンダー処理などによって表面平滑化処理を行
う。多成分繊維は繊維集合体にした後樹脂の含浸に先立
って、あるいは樹脂を含浸した後極細繊維および/また
は極細繊維束に変性する。樹脂の含浸前に極細繊維に変
性する場合には、含浸樹脂により極細繊維束が集束され
ないように仮充填用の樹脂を付与しておくことが好まし
い。
【0007】繊維集合体に含浸する高分子弾性重合体を
主体とする樹脂とは、例えばソフトセグメントとハード
セグメントから構成されているポリウレタンエラストマ
ーまたはポリウレタンウレアエラストマーあるいは合成
ゴム、アクリル酸エステル系重合体または共重合体、可
塑剤の使用によって弾性化した樹脂、例えばポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド等これら高分子弾性重合体から選ばれ
た1種または2種以上の高分子弾性重合体である。高分
子弾性重合体には弾性度を損なわない範囲で非弾性重合
体、無機物または有機物等の充填剤、顔料を配合したも
のであってもよい。これらの樹脂は溶液または分散液あ
るいは溶液と分散液の混合物の形で使用され、凝固調節
剤、発泡剤、その他の処理剤、柔軟剤、難燃剤等が添加
されていてもよい。
【0008】樹脂を繊維集合体に含浸させる方法として
は、樹脂液を繊維集合体に浸漬法、塗布法、押込法等に
より含浸させる。含浸した樹脂は、湿式法、乾式法等、
またはこれらの方法を併用することにより樹脂を多孔質
または非多孔質に凝固させる方法が挙げられる。樹脂を
含浸・凝固させた繊維質基体層1の片面に高分子弾性体
を付与して銀面層を形成するが、予め銀面層を付与する
面を、加熱した平滑面または型付け面に押し当てて、シ
ートの銀面層を付与する面を平滑面または型付け面とす
るか、あるいはシートを構成している繊維または樹脂を
変形せしめる作用を有している溶剤をシートの銀面層を
付与する面に塗布した後、平滑面または型付け面(加熱
されていてもよい)に押し当てて、シートの銀面層を付
与する面を平滑面または型付け面としておくことが好ま
しい。このように、シートの銀面層を付与する面を平滑
面または型付け面とすることにより、シートの表面に存
在していた種々の斑や凹凸が修正され、銀面層を付与し
た後のシート状物を天然皮革様のものとすることができ
る。
【0009】繊維質基体層1の厚さは、0.6mm以下、
好ましくは0.3〜0.5mmで、見掛密度が0.4g/cm3
以下、好ましくは0.2〜0.4g/cm3である。繊維質
基体層1の厚さが0.6mmより厚いと、表面に銀面を形
成して温水中でリラックス処理をおこなったとき、表面
の折れシボが粗くなり、十分な平滑性が得られない。厚
みが0.3mmより薄いと強度が小さくなり、リラックス
処理時に破損し易くなる等工程通過性に劣るものとなり
易いが、工程通過性が確保されればこれより薄くても差
し支えない。繊維質基体層1の厚さを0.6mmとするた
めには、当初から厚さが0.6mmとなるように繊維集合
体の目付けを調製して製造することもできるが、このよ
うな薄い不織布は一般的に強度が小さいため工程通過性
が低い。また、ラインスピードが上げられないため、生
産性も低い。このため、所望の2倍またはそれ以上の厚
さの繊維質基体を作り、スライスすることにより2分割
して所要の繊維質基体層1を得ることが実際的である。
スライスにより2分割する場合、スライス処理は銀面層
を形成する前あるいは形成した後のいずれであっても構
わない。スライスした後のもう一方の繊維質基体層は、
繊維質基体層1として銀面層を形成するか、あるいは繊
維質基体層2として使用することができる。
【0010】本発明の皮革様シート状物の製造におい
て、繊維質基体層1の見掛密度が0.4g/cm3以下である
ことが重要である。見掛密度が0.4g/cm3より大きく
なると、得られる皮革様シート状物の重量が大きくなる
と共に、風合いが硬くなり、繊維質基体層2と貼り合わ
せたときのバランスが悪くなる。また、温水中でリラッ
クス処理したときの折れシボの肌理が粗くなり、平滑性
に劣るものとなる。このため、天然皮革様のソフト性、
表面平滑性、折れシボ形態、軽量性等のすべてを満たし
た皮革様シート状物は得られない。一方、見掛密度が
0.2g/cm3以下では、空隙が多いため、形態安定性や
強度に劣るものとなり易い。
【0011】繊維質基体層1の見掛密度は、絡合条件や
プレス平滑化の処理条件により樹脂を含浸する前の繊維
集合体の見掛密度を変えることにより、該繊維集合体に
含浸する樹脂量を変えることにより、あるいは樹脂を含
浸した後のプレス処理などにより適宜調製することがで
きる。極細繊維と樹脂との比率は特に限定されるもので
はないが、樹脂の量が多くなると風合いがゴムライクに
なり易く、樹脂の量が少ないと繊維がへたって膨らみ感
のないものになりやすいため、80/20〜40/60
の範囲であることが好ましい。
【0012】表面平滑化した繊維質基体層1の表面に、
高分子弾性体を主体とした樹脂を付与して銀面層を形成
する。付与する樹脂は多孔質あるいは非多孔質のいずれ
であってもよいが、その厚みは100μm以下であるこ
とが好ましい。銀面層は、樹脂単独でなる層であって
も、一部樹脂と極細繊維とが混在複合化した層であって
も構わない。この銀面層は、複数の層から形成されてい
ることが外観の透明性の調節、色調の深み、折れシボの
細かさの調節や耐傷性の点で好ましい。銀面層が複数の
積層物である場合には、表面側の層を内側の層より薄く
しておくことが表面性能、特に感覚的性能上好ましい結
果が得られる。得に、表面または表面に近い部分には、
樹脂1g当りの染料吸着量が少なくとも30mgであるよ
うな易染性樹脂から形成された樹脂層が存在しているこ
とが染料着色における色調の点で好ましい。また、銀面
層を付与する面と接する側に近い部分には、隠蔽効果の
ある添加剤、例えば顔料などが添加されている樹脂層が
存在していることは、シート上の銀面層を付与する面の
種々の斑を隠蔽できる点で好ましい。
【0013】これらの銀面層の形成方法は、通常の方
法、例えば薄膜の転写法、グラビアコート法、ロールコ
ート法、液面接触法、ナイフコート法等で樹脂溶液また
は分散液を塗布して乾式凝固または湿式凝固する方法が
用いられ、これらの樹脂溶液または分散液には、凝固調
節剤、充填剤、顔料等が添加されていてもよい。また、
これらの銀面層は、形成方法の異なる複数の層で構成す
ることもできる。なお、シートに最初に付与する樹脂液
は、過度にシートの内部に樹脂液が浸透しないように適
度の粘度あるいは濃度を有していることが好ましく、さ
らに、塗布方法においてもシートの内部に過度の樹脂液
が浸透しないような方法を用いるのが好ましい。
【0014】銀面層を形成する高分子弾性重合体を主体
とする樹脂としては、前述の樹脂含浸されたシート状物
に使用されるような樹脂が挙げられる。銀面層が複数の
樹脂層より形成されている場合には、最表層の1層また
は2層程度は非弾性重合体の非連続膜層、好ましくは小
面積の点状に形成された層であってもよい。
【0015】片面に銀面層を形成された繊維質基体層1
は、80℃以上の温水中でリラックス処理を行う。リラ
ックス処理は、温水中で無緊張の状態で揉み処理するも
ので通常の染色装置を用いることができ、例えば、タイ
コ染色機、ウインス染色機、ダッシュライン染色機、サ
ーキュラー染色機等を用いて、染色処理と同時または単
独に、80℃以上の温水中で揉み処理を行うものであ
り、本発明のソフトなシート状物を得るためには、必須
の工程である。このリラックス処理により銀面表面に独
特の微細な揉みしわを生じ、繊維質基体層1は柔軟な風
合いとなる。スライス処理したものにあってはリラック
ス処理によりスライス面がピリング形成などの損傷を受
けないよう目止め用の樹脂を塗布することが好ましい。
この場合、繊維質基体層2との接着用の溶剤に溶解する
樹脂をしようすれば、繊維質基体層2との接着用樹脂を
兼ねることができる。
【0016】リラックス処理した銀面層を有する基体層
1は厚さ0.6mm以上かつ見掛密度0.4g/cm3以下の
繊維質基体層2と貼り合わせる。この繊維質基体層2と
しては、上記繊維質基体層1と同様の極細繊維集合体に
高分子弾性体を主体とした樹脂を含有するシート状物を
使用することが好ましいが、この他に、織布、編布、又
は不織布等の布帛を使用することができる。このような
布帛としては、合繊加工糸又はスパンデックス(弾性繊
維)よりなる織布、トリコット、メリヤス等の編布、ス
パンボンド法、メルトブロー法よりなる不織布等がある
が、最終的に得られるシート状物に、厚み感を付与しな
がらも、ソフトな風合いを損なわないことが重要であ
る。また、構成する繊維素材としては、綿、麻、ウー
ル、絹等の天然繊維、レーヨン、アセテート、ナイロ
ン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、
ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリエチレン等の化学繊維、これらの
混紡糸等があげられる。これらの布帛には高分子弾性体
を主体とした樹脂を含浸してあってもよい。樹脂を含浸
したものにあっては、銀面を有する繊維質基体層1と同
様に温水中でのリラックス処理や機械的な揉み処理によ
り柔軟化処理しておくことが望ましい。
【0017】リラックス処理した銀面層を有するシート
状物と繊維質基体層2との貼り合わせは、接着剤を用い
て、または各シートを構成する樹脂あるいは繊維の一部
を共通溶剤で溶解して接着する。接着剤としては、ウレ
タン系接着剤、アクリル、酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ニトリ
ルゴム等の各種合成樹脂系や合成ゴム等の溶剤型、エマ
ルジョン型接着剤が使用できる。得に、接着剤は、伸び
率の高いものが好ましく、また、接着剤の使用量は、風
合いを低下させないでかつ十分な接着力が確保できる範
囲が好ましく、塗布量(樹脂固形分)としては10〜4
0g/m2程度が目安となる。
【0018】繊維質基体層2として樹脂を含浸したシー
トを用いる場合には、貼り合わせ後の柔軟性や一体感を
得るために各シートを構成している樹脂または繊維を共
通溶剤により溶解して接着させることが望ましい。接着
強度を高める必要がある場合には、該共通溶剤に可溶性
の樹脂を添加して接着強度を高めるか、接着面にあらか
じめ該共通溶剤に可溶性の樹脂を刻印目ロールなどを用
いて塗布する方法が用いられる。例えば、シートを構成
する樹脂が、ポリウレタンエラストマー、ポリウレタン
ウレアエラストマー、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体である場合、あるいはシートを構成する繊維にポ
リアクリロニトリル繊維、アクリロニトリル共重合体繊
維あるいは塩化ビニル系繊維を混綿した場合には接着溶
剤としてN,N’−ジメチルホルムアミド(以下DMF
と略称する)またはポリウレタンを溶解したDMFが用
いられる。
【0019】本発明の皮革様シート状物は、従来公知の
柔軟剤で処理することにより、よりソフトな風合いの皮
革様シート状物とすることができる。また、必要に応じ
て撥水剤や防汚剤などによる処理を併用することができ
る。
【0020】
【実施例】以下に本発明をさらに具体的な実施例で説明
するが、本発明はこれら実施例の記載に限られるもので
はない。なお、実施例中の部あるいは%は特に断りのな
い限り重量に関するものである。
【0021】実施例1、比較例1 6−ナイロン100部とポリエチレン100部を混合紡
糸したのち、延伸、捲縮およびカットして、6−ナイロ
ンが島成分となっている4drの原綿を作成した。この
原綿からランダムウエーバーによってウエブを作り、ニ
ードルパンチして430g/m2の絡合不織布を作った。
ついでポリビニルアルコール水溶液に浸漬し、乾燥後さ
らに135℃で熱処理をし、海成分であるポリエチレン
を融着せしめ硬いシートを作った。その後、ポリウレタ
ンエラストマーの13%のDMF溶液を含浸し、水70
部およびDMF30部よりなる30℃の凝固浴中に浸漬
して湿式凝固した。引き続きこのシート物をパークレン
中に浸漬して海成分のポリエチレンを抽出し、6−ナイ
ロンの極細繊維束の絡合体内部に多孔質ポリウレタンエ
ラストマーを含有する不織布を得た。この粗シート物は
見掛密度0.35g/cm3、厚み1.0mmであった。
【0022】この粗シート物の表面に、ポリエーテル系
ポリウレタンの40%水系エマルジョン液(Vondic 131
0 :商品名、大日本インキ化学工業(株)製)をグラビ
ア方式で、固形分として16g/m2となるように塗布し
乾燥した。この上に、ポリウレタンエラストマーに対し
て200%の黄茶色顔料を含有しているポリウレタンエ
ラストマーの14%溶液(溶媒;エチルセルソルブ−イ
ソプロピルアルコール−トルエン混合液)をグラビヤ方
式で塗布し乾燥して5g/m2の着色層を形成した。さら
に、ポリエチレングリコールをソフトセグメントとする
易染性ポリウレタンエラストマーの7%溶液(溶媒;ア
セトン−シクロヘキサノン−ジメチルホルムアミド混合
液)に艶消し用の平均粒径40μmのシリカを添加、調
整した組成液をグラビヤ方式で塗布し、3g/m2の層を
形成した。得られたシートは適当な光沢度を有してい
た。これに加熱エンボスローラーを用いて天然皮革に類
似した模様を付与した。
【0023】このシート物を厚み方向にスライスして銀
面層を有する厚さ0.5mmの繊維質基体層1と厚さ0.5
mmの繊維質基体層2を得た。次に、それぞれの繊維質基
体層は、イルガランイエロー2RL、イルガランブラウ
ン2GL、イルガランオリーブBGLを混合した染料水
溶液中で85〜95℃で1時間染色処理を行い、さらに
柔軟剤を用いた柔軟処理を行い、褐色に染色されたシー
トを得た。次に、両繊維質基体層のスライス面に、ポリ
ウレタンの10%DMF溶液を、刻印目85メッシュの
グラビアロールで塗布して両シートを接着した。得られ
た皮革様シート状物は、厚さが1mmで、目付けが375
g/m2と軽く、表面にエンボス模様とは別の微細な折れ
シボ模様を生じており、しかも平滑性が良好で一体感が
あり、ソフト調の厚手の牛革に類似した外観と風合いを
有していた。
【0024】比較のために、加熱エンボス後のシート物
をスライスすることなく同様に染色、柔軟処理を行った
ものは、柔軟ではあるが染色時に表面に大きな収縮しわ
模様を生じており、銀面の平滑性が悪く商品価値の低い
ものであった。
【0025】実施例2 実施例1の染色処理後の銀面相を有する繊維質基体層の
スライス面にウレタン系接着剤を固形分で30g/m2
布して、メルトブロー法により製造した単糸繊度が、
0.05デニールのポリプロピレン繊維からなる厚さ0.
5mm、見掛密度0.16g/cm3の不織布を接着した。得
られた皮革様シート状物は、厚さが1mmであるにもかか
わらず目付けが310g/m2ときわめて軽く、実施例1
の皮革様シート状物と同様に柔軟な風合いで平滑性が良
好であり、ソフト調の厚手の牛革に類似したものであっ
た。
【0026】比較例2、3 実施例1において、絡合不織布の目付けを550g/m2
に変更して見掛密度0.46g/cm3、厚さ1mmの粗シー
ト物を得た。この粗シート物の表面に、実施例1と同様
の銀面層を付与し、厚さ方向にスライスし2分割し、さ
らに実施例1と同じ条件で染色、柔軟剤処理した。処理
後の両シートを実施例1と同様に貼り合わせたものは、
表面の平滑性は良好であったが、厚さ1mmで目付け48
5g/m2と重く、しかも風合いがかなり硬めであった。
また、ここで得られた処理後の銀面層を有するシートと
実施例2の繊維質基体層2とを貼り合わせたものは、厚
さが1mmで目付けが365g/m2と軽く、表面の平滑性
は良好であったが、風合いが硬めでしかも表面側と裏面
側の一体感がなくバランスの悪いものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、厚さ1mm以
上の厚手でありながら軽量で、表面の平滑性が高くしか
も微細な折れシボを有し、厚手のソフト調牛革に類似の
風合いと外観の皮革様シート状物を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極細繊維および/または極細繊維束から
    なる繊維集合体と該繊維間空隙に存在する高分子弾性重
    合体からなる厚さ0.6mm以下かつ見掛密度0.40g/
    cm3以下の繊維質基体層1の片面に高分子弾性重合体を
    主体とした銀面を形成し、80℃以上の温水中でリラッ
    クス処理した後、厚さ0.4mm以上かつ見掛密度0.40
    g/cm3以下の繊維質基体層2と貼り合わせることを特
    徴とする皮革様シート状物の製造方法。
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TW200738933A (en) * 2006-02-28 2007-10-16 Kuraray Co An artificial leather sheet and the process for preparing thereof

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